ロストヒーローズ

【ろすとひーろーず】

ジャンル ヒーローRPG
対応機種 ニンテンドー3DS
プレイステーション・ポータブル
発売元 バンダイナムコゲームス
開発元 ランカース
発売日 2012年9月6日
定価 5,981円(税別)
レーティング CERO:B(12才以上対象)
備考 公式サイト
判定 良作
コンパチヒーローシリーズ


概要

『コンパチヒーロー』シリーズ復活第2弾と銘打って制作された(第1弾は『グレイトバトル フルブラスト』)。
本作のヒーローは戦う力を失っており、最初から全力で戦うことができない。この謎を追求していくのが本作のおおまかなストーリーになっている。

開発元は『世界樹の迷宮』シリーズを作っているランカース。そのためシステム面はそれと共通するものがある。


特徴

  • パーティキャラクターはウルトラマン系・仮面ライダー系・ガンダム系それぞれ5人ずつの計15人。さらに戦闘を補助してくれるアシストキャラは実に20人にも及ぶ。
    • 第1弾の『フルブラスト』や、コンパチRPGでの前作にあたる『スーパーヒーロー作戦 ダイダルの野望』同様、今作も戦士ロアやゲシュペンスト等のバンプレストオリジナルキャラは一切登場しない
+ パーティーキャラクター一覧

後述の『BONUS EDITION』でヒーロースキル(必殺技)とクロスオーバースキルの発動時のボイスが追加されている。
※以下の声表記は『BONUS EDITION』でのもの。オリジナル版はウルトラ系の掛け声と平成ライダーのベルト音声のみ。

キャラクター
ウルトラシリーズ ウルトラマン 黒部進*1
ウルトラセブン 森次晃嗣
ウルトラマンタロウ 石丸博也*2
ウルトラマンメビウス 福山潤*3
ウルトラマンゼロ 宮野真守
仮面ライダーシリーズ 仮面ライダー1号 稲田徹
仮面ライダーBLACK RX 倉田てつを
仮面ライダー電王 関俊彦(ソードフォーム)
遊佐浩二(ロッドフォーム)
てらそままさき(アックスフォーム)
鈴村健一(ガンフォーム)
仮面ライダーW 桐山漣(翔太郎)*4
仮面ライダーオーズ 渡部秀
ガンダムシリーズ νガンダム 古谷徹
Ζガンダム 飛田展男
ゴッドガンダム 関智一
ウイングガンダムゼロ 緑川光
ダブルオーガンダム 宮野真守

システム

  • 基本システムは『世界樹』タイプのダンジョン探索型RPG
    • パーティメンバーは4人で、前衛後衛と言った概念はない。
    • 移動中であればいつでも、メニュー画面のコマンドから一発で本拠地へと帰還できる。
      • 本拠地へ戻ると全ての損傷が回復し、ショップでの売買や装備強化、チップの報告、データのセーブ等が行える。
    • ダンジョン側にも要所要所にセーブポイントを兼ねた中継地点が設置されており、本拠地から任意の中継地点へ直接に移動できる。
      • 探索の進展に応じ中継地点の付近から奥地へのショートカットもつながるように配慮されている。
  • 各シリーズの大まかな性能
    • ウルトラ系のキャラは3ターンごとにカラータイマーが青と赤でスイッチし、赤の場合は全能力が激減する代わりにクリティカル率が大幅アップする。能力値が全体的に高いかわりカラータイマーの影響でボス戦などでは安定しないリスクを背負っている。
    • ガンダム系は通常攻撃で敵全体へダメージを与えられるキャラが多くSPも豊富でスキルを連発可能なサポート型。
    • ライダー系は属性攻撃が多彩で単体攻撃力が高いバランス型。
  • スキルツリーシステム
    • 本作に出ているヒーロー達は加入時点では全員力を失っており、最初は通常攻撃しかできない。
    • 失われた力は敵との戦闘で入手した「AP」で取り戻していくシステムになっている。
      • ツリーとある通り、基本的なスキルを習得、強化していくことで新しいスキルが習得できるようになっている。
    • スキル習得にはメインクエストやサブクエストクリアが条件になっているものもあり、おもに平成ライダーの様に作中で成長要素があるキャラはそれにまつわるスキルはゲームを進めるまでは習得できない。
      • 習得後にヒーローのグラフィックが変化するアイテムもある。
  • クロスオーバースキル
    • 2人のヒーローによる合体技で、ゴッドガンダムとウルトラマンゼロで放つ「爆熱ビッグバン・フィンガー」や、タロウとオーズで放つ「タジャドルダイナマイト」の様なウルトラ・ライダー・ガンダム各作品の垣根をも越えた技の数々が実装されている。
    • 全ライダーが有する「ダブルライダーキック」のように、同じスキル持ちなら組み合わせを問わない汎用タイプもある。
    • キャラによって固有クロスオーバースキルの数に違いがあり、同じライダーでも1号は一つも持たずWは3つも有していたりとかなり差がある。
    • スタッフインタビューによればこれらのクロスオーバースキルは元々の仕様には存在せず、開発中盤からそれぞれの版元の監修の元に組み込んだ要素との事。
  • チップ収集
    • 敵を倒すとランダムでその敵のチップが入手でき、弱点の常時表示・辞典の登録が行われる。
    • また、外付けスキルの開発材料にもなっており、いくつかのチップを複数組み合わせて開発する。
      • 開発したスキルは全キャラで共有され、他キャラが装着している場合は装備できない。
  • アクセサリのカスタマイズ
    • 本作では、装備はアクセサリのみとなっている。攻撃力・防御力・素早さ・HPと言ったステータスのいくつかを上昇させる効果があるが、いかんせん本作はステータスが多彩であり、ただつけただけではフォローし切れない場合が多い。
      • そこで行われるのがカスタマイズであり、探索で入手したパーツを一定回数まで装着して強化することができる。ただし有料。これにより、よさそうなアクセサリの長所を伸ばすなり短所を潰すなり、キャラに合わせた改造を施すことができる。ただし、当然パーツは消耗品な上、強力なパーツはそれだけ入手困難となっている。
  • ライドダンジョン
    • 大型エネミーのいる空間をパーティメンバー全員で操縦するライドマシンで移動する特殊ダンジョン。
      • ランダムエンカウントはなく、シンボルエンカウントのみ。『世界樹』におけるFOEとの戦闘のみを独立させたような形。
    • 戦闘ではメンバーがそれぞれライドマシンで何をするかが選択でき、全員同じ行動を選択することも可能。
      • 主砲の発射には専用のチャージが必要だが、発射すると各種行動用のエネルギーを回復可能。その為、一番基本的な行動は速度の速いキャラで主砲のチャージ、遅いキャラで主砲の発射となる。
      • 他に一部のサポート攻撃はエネルギーをチャージできるが、それ以外はエネルギーを消費する。
    • 戦闘中には敵味方どちらも相手の攻撃で怯む事があり、怯むと1回行動不能となる。
      • ライドマシンの基本武器の中にはエネルギー消費が激しいが怯ませる為の武装も存在する。
    • 戦闘中に耐久力やエネルギーの回復は可能だが、戦闘で消耗した耐久力やエネルギーは戦闘を終了しても回復しない。移動中は破壊可能な壁(有限)を破壊してエネルギーを回復可能。
    • ライドマシンはダンジョンに落ちている強化アイテムでのみ強化可能で、強化は拠点で行う。乗っているヒーロー達の能力は「速度」以外参照されない。
    • ダンジョン内には不可視の隠しアイテムも存在し、曖昧なレーダー反応を頼りに探すことになる。
      • 隠しアイテムの大半は通常バトル用の消耗アイテムで、一部にはライドマシン用強化アイテムも存在する。消耗品はライドダンジョンへ入るたび何度でも補充されランダムに再配置される。
  • 物理攻撃の属性
    • 物理攻撃、間接攻撃、斬撃という3つの属性があり、斬撃の攻撃力は「物理攻撃力と間接攻撃力の平均値」から算出される。
      • 防御側も同じく「物理防御力と間接防御力の平均値」が防御力となる。
  • ハード別要素
    • 3DS版は2画面を活かした画面構成と、すれちがい通信に対応。
      • 各種ステータスやダンジョンマップが下画面に表示される為、いちいちボタンを押して開く必要性が無い。
      • すれちがい通信では、すれちがう度に構造が変わったり特典アイテムが豪華になるダンジョン「ランダム・キューブ」で遊ぶことが出来る。
    • PSP版はカスタムサウンドトラック機能があり、好きな曲を入れて必殺技発動時に再生できる。
    • ロード時間や機能面では3DS版の方が優秀だが、PSP版はカスサンや長時間プレイする場合に役立つ大容量バッテリー対応。どちらもストーリーに違いはない。
  • 3DS版の初回封入特典
    • 3DS版の初回版には、コンパチシリーズの元祖『SDヒーロー総決戦』3DS移植版が遊べるようになるダウンロードコードが封入されている。
      • 本作起動後にタイトルメニューから選ぶという仕様のため、本作がなければDL後も遊ぶことはできない。

評価点

シナリオ・演出面

  • キャラバランスと個性
    • 前述の通りどのキャラクターも個性があって空気化はしていない。戦力的にも、特に弱すぎて使えないキャラなどは特にいない。
      • その上で、メンバー屈指の行動速度を誇る仮面ライダーW、SPは低いがライダー並みの打撃力とウルトラマン級のHPを持つゴッドガンダムなど、細かい差別化も行われている。
      • ウルトラ戦士の仕様は原作からすると明らかにおかしいが、ゲームバランスを重視した調整として許容範囲のデフォルメであろう。
  • 再現度
    • 『フルブラスト』同様に、どのキャラも元となったキャラクター及び変身・搭乗する人物の性格をかなり高いレベルで再現している。
      • 必殺技発動時の音声、効果音、ウルトラ戦士の掛け声や平成ライダーの電子音声もほぼ完璧。
    • 攻撃系スキルや必殺技発動時はムービーが流れるなど、力が入っている。クロスオーバースキルもちゃんと作りこまれている。
  • シナリオの本筋は味方モブに戦死者が出るなど基本的にシリアス。
    • しかし、原作を知っていると思わずクスリとしてしまうような細かいネタやギャグ、ぶっ飛んだクロスオーバーイベントも満載の盛り沢山な内容となっている。
  • メインシナリオではその時点でパーティーに入れているキャラクターによって会話が変化する。
    • ちゃんと全員分用意されている辺り芸も細かい。更に拠点で仲間と会話する事が出来るが、その会話の内容もシナリオの進行に応じて細かく変化していく。

システム面

  • 本拠地へ気軽に帰ることができるのは本当に便利。
    • セーブがまめに取れるというだけでも便利なのだが、その気になればメンバーの交代や装備の見直しなどもできる。

賛否両論点

辛口の難易度

  • 『世界樹』シリーズ同様(というよりは少し昔のゲームと同じくらい)に難易度はかなり高めに設定されており、雑魚との戦いでも油断したら全滅する。セーブポイントも少なめだが、そこから拠点を行き来できる。
    • 特にボス戦はSPの使い方がかなり重要。何も考えず乱発してクリアできるバランスではないし、回復アイテムは中盤まで手が出しにくいほど高価。
    • 主な要因は終盤になると目立ってくる、レベルアップではなかなか追いつけない行動速度とそれによって叩き込まれる高い攻撃力。「ダメージを受けたら回復する」というよくRPGで見られる対策を行おうにも、準備を怠ると集中攻撃されれば1ターンで瀕死になりかねず、敵が速いので次ターン回復する前に殺される。もちろん、防御面も雑魚といえど油断できないし、ボス戦ともなるとさらに苛烈。
      • 状態異常の効果も強力なので、少なくとも一人は回復役として可能な限り行動速度を上げておかないとおそらく話にならない。
    • 装備をおざなりにする、スキルを使わないなどといった縛りプレイを許さないような難易度。本作のシステムをきちんと理解し活用しながら進行しないと厳しい。
  • とはいえ、決してクリア不可能と思えてしまうほどの異常難易度ではない難しさに留まっているのもポイント。
    • もし全滅してもすぐにその場で再戦可能で、おまけにメニュー画面が開き回復や装備の変更といった再調整までさせてくれる。
    • 序盤は比較的サクサクと進むため、システムに慣れるにはちょうどいい難易度と言える。この間にちゃんとシステムを有効活用できるようになれということだろう。

シナリオ面

  • ダンジョン探索RPGとしては頑張っている方だが、シナリオはやや薄目。
    • 敵味方双方のクロスオーバーや本作独自の世界観など、魅力的な仕込みはきちんと用意されているが、物語そのものは、どちらかといえば淡白で薄味。

問題点

シナリオ・演出面

  • オリジナル版はキャラ本人のボイスがウルトラ戦士の掛け声を除いて一切ない
    • 発売時期が2010年代だということを考えるとやはり寂しい。特に平成ライダーはベルト等の電子音声だけはきっちり入るので、本人のボイスが入らないのが余計気になってしまう。
      • 後述する『2』同梱の「BONUS EDITION」では、『2』のシステムに準拠する形でボイスが追加された。
    • また、翔太郎&フィリップの二人で変身するWを除いて、変身者・パイロットの名前は一切出ない。
      • とはいえ、パイロットについては、ガンダム自体が喋るコンパチシリーズではパイロットに言及がないのは当然と言えば当然だが。
  • 参戦作品のうち、一部作品は再現度が低くシナリオも薄い。
    • 『仮面ライダーBLACK RX』は、中ボスとして何回か怪魔戦士(メタヘビー、グランザイラス)などが登場した後、唐突にシャドームーンやジャークミドラなどといった原作のボス級の敵を出すだけ出しました、といった感じ。クライシス帝国の幹部勢は『2』まで登場しなかった。
    • 『ウルトラマンメビウス』もエンペラ星人関連のキャラが登場しないため、いまいち再現度は薄い。
      • ディガルーグやインセクタスなどといったマイナーキャラまで登板する、雑魚怪獣の充実ぶりは目を見張るものがあるが。
    • 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に至っては、まともに台詞のある敵キャラがクェス機のヤクト・ドーガのみという有様。
      • ただし、ライバル機であるサザビーは意外なタイミングで登場し、圧倒的な強さを持つがνガンダムがいれば楽に戦えるという絶妙な調整となっている。
    • 『機動戦士ガンダム00』はセカンドシーズンがベースだが、ファーストシーズンの敵も登場する。
  • 味方のみ3D表示の戦闘描写
    • 上記の通り戦闘演出自体は良いものの、敵は全て2D表示。その為、必殺技等で多角的に攻撃が表示される際には厚みのない書割や看板を攻撃しているように見えてしまう。
  • OPムービーのクオリティが擁護できないレベルで低い
    • なんと素材はごく一部を除いて本編で使われた立ち絵のみで味気ない。麻倉あきらの主題歌「EXTRICATION」は非常にカッコいいのに…。

システム面

  • 「ライドダンジョン」がかなり面倒
    • まず単純にライドダンジョンでのバトルは通常戦闘よりも終了までに時間がかかり、やることも主砲チャージ・回復・破損箇所の補修など限られているため作業感が強い。一応、シンボルエンカウントなのでうまくすれば固定ボスを除けば戦闘を行わず切り抜けることも可能だが、どの道装備品回収は必須。
      • 加えてその独自の戦闘システムもあってレベルを上げてのごり押しもできず、通常戦闘と異なりオート戦闘が不可能。強化が進みライドダンジョン序盤の雑魚に楽勝な状況になっても一々コマンドを入力する必要がある。
    • 相手を酸状態(いわゆる毒)にできる砲弾が入手できると、相手の攻撃を阻害しつつ酸によるダメージで瀕死に追い込むという搦め手があまりに有効すぎて他の作戦が全く成り立たない。一部を除いてボスにも効くが、逆に酸に耐性のあるボスは非常に面倒。
      • もはやそれを見越したかのようなバランス設定がされており、ダンジョンに到達した時点ではまともに戦っても倒せないもしくは瀕死間違いなしな雑魚がそこらへんをうろついている場合がある。
    • ライドマシンの強化も面倒。
      • 拠点でしか強化できず、強化アイテムを拾っても一々戻らないと強化が出来ない。
      • 強化アイテムも一部は隠しアイテムであり、一つでも取り落としたらただでさえ高い難易度が激烈に跳ね上がる。
      • 隠されているアイテムは画面上にもマップ上にも表示されず、曖昧なレーダー反応のみを頼りにプレイヤーが手動で見つけ出さなければならない。自動で拾ってくれるわけですらなく、適切な位置と適切な向きで、自発的にボタンを押す必要がある。
        しかもご丁寧に、ダンジョンを出入りするたび、どうでもいいようなアイテムがいくつもダミーとして配置し直されている。やっと発見したと思っても、大部分がライドダンジョン内では使い道すらない消費アイテムなのだ。しかし強化アイテムの可能性がある以上、無視もしづらい。
        これを現時点では勝つのが不可能だったり、勝ててもすさまじい時間と資源を要する強敵たちから逃げまどいつつ、本当に落ちているのどうかもわからない中、意識して探し回りながら探索しなければならないのである。
    • おまけに、セーブポイントが少なく、ボス手前でセーブなどという甘えたことも許されない。なおかつショートカットもほとんどないので、ライドダンジョンは入り直すたび移動だけでもウンザリするような手間がかかる。幸い、一度倒した敵は多少のエリア移動や一度拠点に戻るくらいなら倒したままになるので、倒すだけ倒しておくのも手の一つ。何度かエリア移動するとそれも復活するわけだが。
  • チップ収集もかなり面倒
    • 逃げずに戦っていればある程度は通常のダンジョン探索中に落ちはするが、ドロップ率がさほど高くなく、運が悪いとドロップ率アップを付けた上で数十体倒しても入手できない。特に出現数の少ない敵は意識して集めないと取り逃してしまいやすい。自然収集でのコンプリートはかなり厳しいが、開発できるスキルに重要な物が多く、収集を怠ると探索にもボス戦にも不便さが積もっていく。
      • 開発スキルには回復スキル、全体・単体バフスキル等、ボス戦で重要なスキルが多く、特に全体回復スキルはあるかないかでボス戦の難易度が大幅に変わってくる。アイテムでも回復は可能だが、序盤から中盤辺りまで、その段階で買えるアイテムでは回復量が足らない事も多い。
    • 入手後の弱点の看破も新ダンジョン挑戦段階では大事。
      • 今作は敵から集中攻撃されるとあっという間にやられてしまう攻撃力を有しているものが多いので、戦闘を早期終了させるには欲しい情報である。入手しただけでは情報が見れないので、一度帰る必要があるが。
      • ちなみにガーディアンもそれぞれチップを持っている。前述の通りライドダンジョンは1回の戦闘が非常に時間が掛かる上に、経験値も通常ダンジョンの雑魚と変わらないため、ガーディアンのチップコンプは完全に苦行の域。一応、成長の遅れているキャラのレベル育成は出来なくもない*5が、それなら通常ダンジョンへ連れて行って防御していた方がマシ。
  • 斬撃属性が使いにくい
    • 特性上、他2つに比べて装備や特殊能力などでダメージを伸ばしにくく、おまけに斬撃が最も有効な敵というのは存在しない。
      • それもあって斬撃属性の必殺技は火力面で他より劣る。例えばRXのHEROスキルである「リボルクラッシュ」は、原作では誰が相手であろうと当たれば必ず倒せるまさしく必殺技としての印象が強いのだが、今作では斬属性のため物理攻撃や間接攻撃のHEROスキルに比べるとダメージを伸ばしにくく見劣りしてしまう(おかげで「リボルクラッシュは斬ってないだろ」というツッコミも)。
    • 逆に特性上、「斬撃耐性」持ちでなければ誰に対しても安定したダメージは出せるので、次善の攻撃としては使い道はあり、攻撃の選択肢としてまで産廃というわけではない。
  • 副属性が邪魔になりやすい
    • 火・風・光などといったサブ属性は、ゲームが進行するほどどんどん邪魔になっていく。
    • 序盤では敵の弱点を突いて効率よくダメージを与える要素になるのだが、後半になると弱点がほぼなかったり、特定の弱点以外は軒並み耐性で軽減するとか、果ては弱点無しで全属性に耐性などという敵ばかりが増えていく。
    • ボスだけならまだ諦めもつくのだが、終盤は雑魚でも耐性だらけの敵が並ぶようになる。結果として副属性のない無属性の攻撃が圧倒的に有利となり、属性付きの攻撃を主力とするヒーローは肩身が狭い。
    • 属性付きの攻撃を強化するスキルや装備もあるのだが、耐性で軽減されるデメリットの方が大きく、しかも途中からは大半の敵が大半の属性に耐性を持つようになるため活用しづらい。
    • ゴッドガンダムのみ、敵の耐性を無視して攻撃可能となるスキルを習得するが、これも起動のためにターンとSPを消費するため雑魚戦では使いにくい。ボス戦では必須級といっていいスキルで、彼が優遇されているとされる要因の一つでもあるが。
      • なおゴッドガンダムは無属性の攻撃手段を多く習得するため、上のスキルを利用しなくとも、元々敵の耐性には煩わされにくい。これまた彼が強いとされる理由の一つになっている。
  • 登場時期や効果がマッチしないアイテムが存在する。
    • 特にAP関係はサポートされるのが遅い。本作はよほど戦闘を避けていない限りクリアするまでに自然にほとんどのスキルが開放されるくらいだが、AP上昇アイテムはかなりの終盤にならないと入手できず、AP入手量を増やすスキルの開放には本編ラスボスのチップが必要。結果、ほとんど意味のないアイテム、スキルになってしまっている。
    • また、HPとSP以外の能力上昇アイテムはなかなか入手できないのに1個につき1しかアップしない。ステータスは3桁あるので、焼け石に水である。
  • マッピングはオートのみ
    • ダンジョンRPGだが、手作業でのマッピングは出来ない。
      • 通るだけで各種情報が埋まるので基本的にはオートで作られるマップで問題はないのだが、落とし穴等のトラップには一々引っかからなければマップが埋まらず、一度逆側に行かないと開けられないショートカット等はマッピングしてくれない。メモなども残せないので、ダンジョンRPGとしては少々不便。
  • 不便なUI
    • 装備品の強化に関する問題点
      • 強化対象は所持状態の物に限られる。その為、装備していたり、倉庫に預けている場合は一々外したり倉庫から取り出す必要がある。
      • また、前述の通りステータス種類の多さと状態異常対策の点から、万能かつ劇的に能力アップする装備を作るのはかなり手間がかかる。
    • スキルの育成も不便
      • パーティ画面でしかスキル育成が出来ないため、パーティ外成長によるポイント分の育成の為にも一々パーティ編成をしなければ育成が出来ない。パーティに入れられないメンバーが10人もいるので、せめて拠点でパーティ外メンバーのスキル育成も出来れば良かったのだが。
      • しかも育成に使うAPは、ため込んでおける上限が微妙に低い。カンストして無駄になるのが気になる人は、中盤以降、スキルを割り振るためだけのパーティー再編と育成作業を、かなりこまめに行わなければならなくなる。
  • 各キャラを成長させる自由度が意外と低い
    • 性能の完全な差別化、難易度の高さ、上述したステータス強化アイテムの心もとなさが重なって、各キャラの役割がどうしても固定されてしまう。
      • そのため「自分の好きなキャラだけを集めたパーティー」や、「自分の好きなキャラを火力担当にする」などといった遊び方は難しくなっている。特にゴッド以外攻撃力が低くボス戦に不向きなガンダム系や、カラータイマーの問題を抱えたウルトラマンは、それらデメリットも自由なパーティ編成を阻害する要因の一つになっている。
      • シリーズファンがシリーズで固めたりすると、ある程度バランスの良いライダー系はまだしも、ガンダム系はゴッドを入れないと火力不足、ウルトラ系は3ターンで決められない戦闘では一気に全員弱体化してしまう。カラータイマーを補助するスキルもあるが1ターンしか増えず1つしか入手できない。
    • キャラゲーとしてみた場合の難点であり、DRPGとしては評価点と言える。
      • ただし、前述したようにクロスオーバースキルの有無や斬撃の仕様などにより少なからずキャラ格差が生じてしまっている。特に全員主人公であるがゆえに、RPGのいわゆる僧侶的な役割に徹する羽目になるヒーローは違和感がある。それ以上の個性は装備品やスキルの差異でつけるしかない。

総評

良質なクロスオーバーシナリオや歯ごたえのある難易度により、各作品のファンも『コンパチ』シリーズファンも十分に楽しめる出来。
3DS/PSPで本格的な3DダンジョンRPGが遊びたいと言うユーザーにもおすすめできる。
各カテゴリに全く不参加の作品や一部敵キャラのみ登場の作品があるため、顔ぶれを変えたり追加した新作も期待したいところ。


BONUS EDITION

2015年2月5日に3DSのみで続編『ロストヒーローズ2』が発売された。詳細は当該記事にて。
同作には、通常版・限定版全てに本作のアップグレード調整版である『ロストヒーローズ BONUS EDITION』のダウンロードコードが付属。単体では販売されていない。

  • 特に不満の声が多かったライドダンジョンや斬属性の仕様などをバランス調整し、インターフェースも強化されて大幅に遊びやすくなっている。
+ タグ編集
  • タグ:
  • バンダイナムコゲームス
  • PSP
  • 3DS
  • DRPG
  • 2012年
  • ランカース
  • コンパチヒーロー

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年03月21日 10:10

*1 オリジナル版は中曽根雅夫による掛け声のみ。

*2 オリジナル版は篠田三郎による掛け声のみ。

*3 オリジナル版は五十嵐隼士による掛け声のみ。

*4 菅田将輝によるフィリップ側の声はノンクレジット。

*5 前述の通り素早さしか参照されない事に加え、勝利時には全員生きているため。