引ク押ス
【ひくおす】
ジャンル
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パズルアクション
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対応機種
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ニンテンドー3DS (ニンテンドー3DSダウンロードソフト)
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発売元
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任天堂
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開発元
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インテリジェントシステムズ
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発売日
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2011年10月5日
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定価
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700円
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判定
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良作
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引ク押スシリーズ 引ク押ス / 引ク落ツ / 引ク押ス ワールド / 引ク出ス ヒッパランド
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概要
ニンテンドー3DSのダウンロード専用タイトル。世界観はポップだが、ゲーム内容は極めてロジカルな3Dパズルゲーム。
低価格の新規パズルゲームながら、総問題数250問以上で、一問10分以上かかる問題も多数あるなどボリュームは十分。
特徴・システム
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力士風の主人公「マロ」をあやつり、ふしぎな遊具「ヒクオス」に閉じ込められた子供たちを救出していく。
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マロのアクションは移動とジャンプと引く・押すだけである。各面には、大きなパネルのような遊具「ヒクオス」が設置されている。
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ヒクオスは、直線で区切られパーツごとに色分けされた単なる板のように見えるが、じつはそれぞれのパーツを引き出しのように引っ張り出すことができる。
引き出されたパーツは直方体のブロックになりジャンプで上に飛び乗れる。
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こうして引き出したブロックにとび乗っては、その上のブロックを引き出し、それに飛び乗って、を繰り返し、
ヒクオスの頂上の方にあるマークのついたブロックを引き出すと、閉じ込められていたこどもがブロックに乗って登場するので、それにタッチすればクリア。
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ブロックを引き出している最中に、足場になっているブロックからマロがはみ出しそうになると、マロはブロックを引き出すのをやめるなど、
ブロックの引き出し方にはいくつか制約があり、それらがパズルとしての肝になっている。
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ゲーム中盤からは、マンホール、引き出しスイッチなど仕掛けも登場する。
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各面にはリセットスイッチも置かれており、いわゆる詰みになった場合これを押すことですべてのブロックが引っ込んで、最初からやり直せる。
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また、巻き戻し機能も付いており、少し間違えただけならこの機能でちょっと前の状態まで戻すことができる。
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どうしても解けないヒクオスはスキップを選択する事も出来る。(ただし一定時間はプレイをすることが条件、こどもは救出されない)
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面の難易度は★1つ~★5つまでの5段階。★が多いほど難しい。
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18面ごとにコンセプトの異なるステージに分けられている。
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チュートリアル用のレッスンステージ、オーソドックスなパズルブロックステージ、ヒクオスがドット絵状のイラストになっているイラストステージ、
ヒクオスがファミコンキャラクター(マリオ、リンクなど)のドット絵になっているファミコンステージなど。
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ヒクオス工房という、自作のヒクオスをつくるモードもある。
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2011年11月16日には作ったヒクオスをQRコード化できるアップデートバージョンが配信された。
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これによって自作のヒクオスを交流サイトなどを介して公開できるようになった。
評価点
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シンプルなルールながら奥深いゲーム性。
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仕掛けもマンホールと引き出しスイッチの2種類だけだが、その組み合わせによって多彩な問題が作られている。
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数個のブロックで構成された簡単そうなヒクオスでも、実は複雑な手順を追わないと解けない難しいものがあったりと、驚きに満ちている。
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逆に数十個のブロックでつくられた複雑なイラストのヒクオスを少しずつ登って行って、頂上へたどり着いた時の達成感もひとしおである。
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総問題数250問以上。新規の論理パズルをルールを含め1から考えているわけなので、700円という価格を考えると相当なボリューム。
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基本的に思考力だけで必ず解けるので理不尽な要素はない。
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敵がいるわけでも時間制限があるわけでもないので、操作ミス以外ではアクション要素が足を引っ張ることはない。
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ヒクオス工房により自作のヒクオスをつくれるため、際限なく遊べる。
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好きなキャラクターをヒクオス化したり、とにかく難しい問題をつくったり。遊び方はひとそれぞれである。
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自分で作るのが面倒な人も、他人の作ったヒクオスをQRコードを使ってダウンロードすれば、無料で際限なく追加問題を遊べる。
難点
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ジャンプの操作性はあまりよくない。ジャンプによってブロックを飛び移る際、ややきわどい操作を要求される面がある。
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マロの移動速度もやや遅くパズルの本質的な部分とは関係ないところでのストレスが多少ある。
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ちょっとしたジャンプミスなら即座に巻き戻せば特に問題はないが。
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(システム上当然ではあるが)巻き戻せる時間には限界がある。
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ゲーム内時間で長時間経過した後でミスが見つかった場合、ミスした地点まで巻き戻せないことがある。詰んでいた場合は始めからやり直しになってしまう。
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適宜巻き戻しを挟んだり、長考の際に3DS本体のゲームメモを起動したり、といったテクニックを活用して無駄な時間を短縮すれば、ゲーム内時間の進行を遅らせることができる。巻き戻しの時間制限を間接的に解消できるテクニックとして有効。
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最初のチュートリアル時以外ノーヒントである。詰まった場合の解決方法は、自力で解法を思いつくか、攻略情報を見るしかない。
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面をスキップ(クリア扱いにはならない)、やり直しすることはでき、とりあえず最後の面をクリアすればエンディングは見られる。
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ただし全面クリアで追加要素があるため、結局スキップしても追加要素を楽しむためにはやり直す必要がある。
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また終盤の問題はクリアまで何十手もかかる問題もあるため、掲示板などで質問されても答えようがない場合もある。
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すれちがい通信未対応。
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自作問題をすれちがいで配信できる機能との相性は良かったはずなので、残念なところである。
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すれちがい通信は後に『引ク出ス ヒッパランド』で実装されたが、お気に入りの引ク出スを共用できるだけで、問題のやり取りはできない。
総評
低価格のダウンロードソフトながらボリューム満点で、ヒクオス工房をつかえばさらに遊び倒すこともできる。
じっくり考えて答えを出す正統派のパズルゲームで、気がつけば何十分も考えていた、なんてこともある。
パズル好きなら間違いなくお勧めできる1作である。
その後の展開
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2012年10月には、続編にあたる『引ク落ツ』がダウンロード販売された。
ブロックを「落とす」アクションが加わり、難易度は順当に上昇している。
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2014年6月19日には、Wii Uダウンロード専用ソフト『引ク押ス ワールド』の配信が開始された。
ゲームシステムはそのままにステージを全て新規に差し替え、新しい仕掛けも追加された。
これと同時に、主人公・マロのキャラクターグッズが発売された。
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2015年5月13日には、『引ク出ス ヒッパランド』が3DSで無料配信。
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最初の7ステージは無料で遊べ、後のステージはDLCとして購入してプレイするというプレイ方式を取っている。
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2015年8月21日には『バッジとれ~るセンター』にて本作のキャラクターのバッジが配信。
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キャラクターなどの選別は最新作である『引ク出ス ヒッパランド』標準となっている。
最終更新:2023年03月28日 08:53