この記事では『ルーンファクトリー3』『ルーンファクトリー3スペシャル』を取り扱っています。


ルーンファクトリー3

【るーんふぁくとりーすりー】

ジャンル ファンタジー生活ゲーム
対応機種 ニンテンドーDS
メディア 1024MbitDSカード
発売元 マーベラスエンターテイメント
開発元 ネバーランドカンパニー
発売日 2009年10月22日
定価 4,980円(税別)
プレイ人数 1人(通信時1~3人)
セーブデータ 2個
通信機能 ニンテンドーWi-Fiコネクション
DSワイヤレスプレイ対応
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 良作
ポイント 戦って、農業して、恋愛して
『1』『2』からの驚異的な進化
操作性は非常に快適
ヒロインが全員可愛い
ルーンファクトリーシリーズ


ストーリー

 ある嵐の夜のこと。ちょっと鄙びた町、シアレンスに金色の毛をしたモンスターが迷い込んだ。
町の住人のとある少女は、意識を失って倒れた彼をベッドに寝かせて看病する。
 …だが、目を離した隙に彼の姿は忽然と消え、それと入れ替わるかのように金髪の少年が町の入り口に立ち尽くしていた。
記憶を失くしているというその少年は、町長の取り計らいもあって、町のシンボルである大樹の中に造られた家に住むことになるが…。


概要

  • 長くシリーズの息が続くシミュレーションゲーム『牧場物語』のスピンアウト作品。(Wii版『フロンティア』も含めれば「ルーンファクトリー」のタイトルとしては4作目。)
    • 牧場物語に剣と魔法の要素を加え、独特の世界観に仕上がっている。牧場経営・ダンジョン探索・各種生産・町人との交流等、できることが多岐に渡っており、一言で表現するならば公式ジャンルで銘打っている通り「ファンタジー生活ゲーム」。1作目2作目はバランスやバグなどで問題が多く、本作も残念な出来になるのではないかと危惧されていたが、いざ蓋を開けてみると、名作・良作と呼ぶに値する完成度であった。
    • 過去の作品から大幅にインターフェイスの改善とアクションの高速化を実現しており、「3から入ると1と2はストレスが溜まってゲームにならない」と言われるほど。

ゲーム進行

  • ダンジョンの奥に潜むボスを倒し、町に発生する事件を解決することによって主軸となるストーリーは進行していく。
  • 住人毎のサブストーリーのようなものがあり、各々の個人的な依頼を達成するという形で進行させていく。この依頼は住人の主人公に対する好感度と直結しており、好感度が高まるに従って新しい依頼が追加される。
  • 細かく頻繁にセーブポイントが設置されている。自宅の他に、ダンジョンの入り口*1や、内部でも要所要所でセーブが可能。更にダンジョン入り口や自宅へ一瞬でワープする魔法(しかもRP消費無し)を、ゲーム序盤で自動的に獲得できる*2。携帯機で遊ぶゲームとしては、地味にありがたい配慮。

戦闘パート

  • 典型的なARPG。爽快感を重視した作りで難易度は低く、武器種や魔法を好みで選んで戦える。また、物足りない人のためにハードモードも用意されている。(ゲーム開始直後でなくとも、任意のタイミングでモード切り替え可能)
  • 使用可能な主な武器種は片手剣・両手剣・双剣・斧・ハンマー・槍・杖。これに加えて農具(ジョウロ・クワ等)、条件付きであるが拳も使える。チャージ攻撃、ダッシュ攻撃、更に必殺技的な「ルーンアビリティ」を駆使して敵を蹴散らしていくのは快感。ルーンアビリティの種類は豊富で、使用武器による制約も少なく、自分に合ったスタイルで戦闘することができる。
  • ペット(仲間にしたモンスター)の中には主人公がその背中に騎乗して戦闘できるものもある。この場合、攻撃はペットの能力を活かした攻撃が発動できる。(例えばドラゴンに跨って火炎ブレスで敵を掃討する等)これも戦い方に幅を持たせる要素の一つとなっている。
  • 連れている住人やペットの戦闘力を大幅に強化する道具が用意されている。この道具のおかげで、この手のアクションRPGにありがちな「パートナーのNPCがお荷物」となり難く、気軽に連れ歩くことができる。

生産パート

  • 分類すると畑作、畜産、釣り、料理、鍛冶、装飾、調合の7つから成る。
  • 本作はダンジョンで拾った装備よりも自分で製作した装備の方が遥かに強いことが普通であり、その点で鍛冶・装飾の重要性は高い。ダンジョン探索で素材集め→強力な装備を作製する→ダンジョン探索…といった具合で、探索とのリンクがダイレクトに成立しているのである。
  • 一方で、探索で必要となる回復アイテム等を作製するための料理・調合は畑作・畜産・釣りと密接に関わっており、あらゆる要素が無駄とはならず、有機的に結合していると言えるだろう。
    • 特に畑作に関しては、収穫の際にステータス・スキルLVのランダム上昇というボーナスを加えることによって空気化が防がれている。
  • さらに、今作ではほぼ全ての行動に「スキルLV」が存在し、それらが上昇することにより主人公の能力が上昇していく。これにより釣りや町人との会話だけをし続けていても、寝ているだけでも戦闘が有利になっていく。
    • ただ移動するだけでも「歩行スキル」レベルが上がっていく。など、スキルレベルの種類はかなり豊富。
  • 強い武器や有益な道具を作るためとはいえ、やり込むのは面倒...という人でも問題という程のことはなく、高価だが武器屋で掘り出しものと称して、或いはランダムでフィールドに配置される宝箱から、高レベルなアイテムが手に入ることもある。そのため、やり込みが強制されることは決してない。また、そうしたバランス悪化を嫌うのであれば利用しない道もある。
  • このシリーズの目玉である農業に関しても様々な改善がなされ、非常に快適になった。
    • 前作に比べて主人公のアクションが軽快になり、耕す、水を蒔く、作物を収穫する等の動作がスムーズになった。
      • このおかげで前作までは非常に面倒だった農耕作業が高速化&効率化し、一度に大量の作物を育てても苦労することが少なくなっている。またタネメーカーが廃止され、鎌で作物を刈り取ることで直接種を回収することができるようになった。前作までと違って種の数は増やせなくなった代わりに作業が大幅に効率化し、さらに刈り取ることで作物の質が1段階向上するボーナスが得られるように。
      • しかも前作ではある程度シナリオを進めて上位の農具を手に入れなければ撤去できなかった切り株と大岩が初期状態の農具でも撤去できるようになり、最序盤からかなり自由に畑を利用できるようになった。
  • 仲間モンスターによる手伝いシステムの統合
    • 前作までは水やり、収穫、雑草刈り、伐採、石の除去などの作業はそれぞれ別々に対応したモンスターを用意しておく必要があり、仲間にできない場合はその作業を全て自分でこなさなければならなかった。
    • しかし今回は一匹で水やりから雑草刈り、岩や枯れ木の撤去まで全てこなしてくれるように。さらに資金を消費することによって自動で種まきまでやってくれる。
    • しかも今回は仲間にできるモンスターなら全て上記の手伝い作業を行ってくれる。趣味で好きなモンスターを捕まえる利点も出てきた他、産出物回収用のモンスターも農作業に駆り出せるようになったので、酪農と農業が両立できる。しかしそれに伴い仲間モンスターの上限が20匹と大幅に減少した。
    • ただし畑を耕す作業は自分でやる必要がある。また、自動種まきで蒔かれる種は店売りされている物の中から畑のマス目毎にランダムに選ばれるため、土質(後述)にバラつきが出やすい。
  • 土質システムの導入
    • 今作では畑のマス目毎に「土質」と呼ばれる概念が設定されている。
    • 土質の善し悪しによって作物の質(Lv)や成長速度に影響が出る。同じ場所で何度も連続して作物を育てると次第に土質が悪化してゆく。土質が悪いと作物の生長が遅くなり、収穫した作物のLvも上がりにくくなる。逆に土質が良いと作物の成長速度が速くなるほか、作物を植えると植えた作物の質が向上するようになる。
    • 土質は作物を栽培せずに放置したり農薬を蒔くなどすれば改善できるが、作物が枯れたときや雑草に混じってランダムに発生する枯れ草を一緒に耕すことで一気に最高の状態まで改善できる。ゴミでしかなかった枯れ草に新たな使い道ができた*3
    • 季節が変わると前季節の作物は強制的に枯れるのを利用して、安く買える季節外れの作物の種をまとめ買いして畑一面に撒き、翌日枯れ草になったところを耕し、広範囲のマスを一気に改善する…といった荒っぽい手も使える。
    • ちなみに前作、前々作で猛威を奮ったイチゴ戦術は、土質システムの導入と台風の影響範囲拡大(洞窟内にある畑も台風の影響を受けるようになった)によって完全に消滅。

町人との生活

  • 前々作・前作では淡白な印象だった依頼イベントのストーリー性が増した。
    • 単なるお遣いではなく、住人の内面を垣間見るような話も多い。
  • 出来の良いAIのおかげで、住人が実に生き生きとしている。
    • 散歩に行ったり、店番をしたり、雨が降れば家に入ったり…。多種多様な行動をとる住人達であるが、インターフェイス改善のおかげでその所在は一目で分かる(前作では占い師に尋ねる他、時間帯毎の住人の位置を把握する必要があった)。
  • 会話のパターンが豊富。特定のアイテムを渡すことで聞ける会話、特定の組み合わせのキャラクター達がその場に居合わせることで発生する会話や、更には住人の好感度等による台詞変化(複数人での会話や、前述の「依頼イベント」中の台詞に変化が生じる場合も)もあり、作り込みが細かい。
    • プロローグに於ける名前入力・牧場名入力に対するヒロインのどうでもいいコメントでさえ、何故か一種類ではない。
    • 携帯機のRPGでは容量の関係か、重要シーンか戦闘時しかボイスのないものが多いが、このゲームでは通常会話時にも感嘆詞のボイス(「うわぁ」「おはよう」「エ゙ッヘェ」など)がある。テンポ良く入るそれらのボイスによって、よりキャラクターが生き生きと魅力的に感じられる。
  • 個人の嗜好もあるため、一概に改善とは言い難いが、前作のような男性NPCとヒロインの結婚はなくなり、横恋慕展開も無くなった。
  • 最終的に結婚できるヒロイン候補は合計11人。みな個性的な性格で魅力的に描写されている。会話時の立ち絵グラフィックも良く、お嫁さん候補が多すぎて悩んだプレイヤーも多いだろう。
    • しかしセーブデータは2つまでしか保存できない。ただし、前作までとは違い分割セーブ可能となったため、結婚直前の状態でセーブしておけばひとまず一通りのキャラとの結婚を楽しむことは可能。

やりこみ要素

  • LV上限10000、出荷記録、各種ミニゲーム、ペット育成、町人の鍛錬など、やりこみ要素が豊富に揃っている。ストーリーを終わらせた後は戦闘を極めるも良し、農業に精を出すも良し、ペットとじゃれるも良し。
  • ランダム生成ダンジョンが用意されている。全体的に本編よりも敵が強く歯応えのある難易度。特に最上位のダンジョンは一度踏破するたび(か、又はワイヤレス通信によるマルチプレイ時)に自分のレベルに合わせて敵のレベルまで上昇するため、本編以上に慎重に進めなければならない。(しかもゲーム内の日数が数日分は費やされかねないほどの長さを誇る。)

評価点

  • 牧場物語×ARPG を高いレベルで実現させたゲームデザイン
    • 上述の通り、本作のゲームシステムは過去作『1』『2』から様々な面において徹底的な改良がなされており、非常に快適かつスピーディーに遊ぶことができる。
    • 丁寧なチュートリアルはもちろん、煩雑だった要素を可能な限り除外したことによりシステム自体もかなり直感的になり、本作からシリーズを遊ぶ人でもゲームに馴染みやすい。
    • スキルLVの導入により町での農業生活がダンジョン探索にも有利に働くようになったこと、討伐系・探索系の依頼やイベントが増えたこと、住人を戦闘要員として連れ歩けるようになったこと等、過去作以上に牧場生活とARPG要素が深く交わるようになった点もシリーズとして大きな進化。
    • これほどまでの大胆なインターフェイス改修を行いながらも、致命的なバグが存在しないという点も過去作のバグ事情の悲惨さを思うと賞賛に値する。
    • 後述のように荒削りな調整・システムも見られるものの、全体的なゲーム性そのものは高い完成度でまとまっており、後のシリーズの基礎を築くことにも繋がった良質な出来栄えと言える。
  • 遊びやすいアクションパート
    • 全体的に難易度は低く、敵に向かってボタンを連打するだけである程度は立ち回れる。
      • レベルも簡単に上げられるため、ゴリ押しも可能。
    • 難易度が低いので、数ある武器や魔法、仲間から好きなものを選んで立ち回れる。
    • 上級者にはハードモードがあるほか、「ルーンアビリティ」を使用して爽快な立ち回りも可能。
      • 移動距離の長い滑空攻撃「烈空」は攻撃だけでなく、移動にも活用される。
  • 遊べる要素の多さ
    • 農業、釣り、恋愛、戦闘etcとやれることが多く、制限日数のようなものはないので、各自のペースで好きなように遊べる。
    • いずれもやり込みが可能なうえ、あらゆる行動でスキルレベルが上がるため、育成にも繋がる。
  • キャラクター
    • 奇人変人が多いが、単なる色物にとどまらず各キャラごとに独自の魅力がある。
    • 初見では、思ったことと反対のことを 赤字 で話すソフィア、特徴的な口癖のダリアあたりが目立つが、プレイを進めるうちにどの住民も個性が発揮される。
    • 基本的に人間関係は和気藹々としており、ヒロイン同士やサブキャラクターとの掛け合いも観ていて楽しい。

問題点

  • 妙に理不尽な依頼が散見される
  • 依頼の大半は親切設計*4なのだが、一部の依頼に限って妙に理不尽。達成条件がシビアだったり、提示されるヒントが曖昧すぎたり。
    • よりによって最初の依頼が、ある意味一番難しい。「全ての住人に会って挨拶して来い」という内容なのだが、まだ誰に会っていないのかはもちろん、どんな住人が・合計何人・どこに住んでいるかも一切教えてくれない。ひたすら「みんなにちゃんと話しかけてきなさい」とだけ急かされ続ける。
      • 出会っただけでは達成扱いにならないというのが厄介な点。更に、小イベント扱いの遭遇や会話では「会話した」というフラグが立たない。イベント内で主人公と会話しているのを見て、プレイヤーはもう会話したつもりでいても「会話していない」扱いとなっている人物が盲点となって残りがち。イベントの内容とは関係無く、プレイヤー操作で話し掛けにいかないと「会話した」扱いにはならない。
      • 日の大半を町の外で過ごし、夜間も町の外の小屋で眠るキャラがいる。この人物も、もちろん住人の一人とみなされる。
      • 特定の施設や家から、滅多に出歩くことのない住人も何人かいる。もっとも、住人によって曜日や時間ごとに居る場所は決まっているため、馴染んでしまえば会いに行きやすい人たちだが、慣れない身には隠しキャラ。まったく動かないならまだしも、動くときには動くのがまた曲者。
    • 依頼を受けられるようになってすぐから、細工や鍛冶のスキルを要する依頼がしばしば舞い込む。これらのスキルはストーリーがもっと進行しないと、腕を磨くどころか挑戦することすらもできないのに*5
    • 「○○を手伝って」「話を聞いて」などという依頼を受けて行ってみたら、「(聞いたこともない地名)へ連れて行け」と頼まれるなんてのも日常茶飯事。
      • モンスターがうろつくダンジョンへ行けというものももちろんあるが、プレイしていれば自然とどこかは見当が付くはずなので、後はひたすら足で探すのみ*6
      • しらみつぶしで達成できる分だけ、まだしもこれは楽な方。
    • 最初の依頼以外ならリタイアしてしまうという手もある。
      • キャンセルしたからといって好感度が下がるといったペナルティも特にない。
  • 戦闘バランスの大味さ
    • このゲームの戦闘は基本的に難易度は低いが、やりこみの域に入ると事情が一変する。
      • 先述した最上位のやりこみ系ダンジョンでは、主人公レベルが1000を越える頃になると、主人公のステータスをもってしてもそれに合わせて強化される敵側の攻撃力上昇に追い付けず、最終的には「食らえば即死の回避ゲー」と化してしまう。これに対処する方法として、攻略wikiでは「プレイヤーと同レベル帯になっているそのダンジョンのモンスターを仲間にして、自分は後方からサポートに徹する」という、自身が立ち回るのが爽快なこの作品のゲーム性そのものを否定してしまう手段が推奨されているほど。
    • 主人公は特殊能力で変身することができる。この変身、ストーリー上では非常に重要な役割を果たすのだが、付与効果等をカスタマイズできる自作武器が非常に強力な戦闘パートではあまり日の目を見ない。一応、変身後は変身前よりも能力が強化されている他、独特な攻撃方法も態々用意されている。
      • しかしこの能力を獲得した後に出現するとあるボスとの戦いでは、武器を使った立ち回りよりも拳で攻撃した方が効率的に攻撃できるようになっており、一概に使えないわけではない。
  • 農業しなくてもいい金策バランス
    • このシリーズでは農業以外の要素で農業以上の稼ぎを得られることが多いが、今作も例に漏れない。
    • 今作は街に存在する釣り堀にマグロを放流してもらい釣って料理し、出荷すれば農業するよりも簡単に稼げてしまう。またしても畑はお払い箱*7
    • 一応、マグロの放流が頼めるようになるのは中盤以降で、釣るための釣り竿も上位の物を用意する必要があるので、序盤は農業も重要になる…のだが。
    • 今作は作物のレベルが凄まじく上げやすく、実に簡単にレベル10の種を作れる。
    • 特に花はレベルが上がる事による出荷額上昇が非常に高く、『1』の時と比べると3倍にもなる。
    • そのため、花の種のレベル10を作ってしまえば、ゲーム開始から数日後には数百万という額を定期収入で得られるため、肝心の野菜・果物類の農作は金策面においては影が薄い存在になっている。
  • やけに来る台風
    • ゲーム中での天気の一つに台風*8があるのだが、今作では天気変更の判定が毎正時(毎時00分)ごとにされる。
    • そのため、一日に数回台風(冬は暴風雪)が来るのもザラ。
      • 今までのシリーズ作品では台風が来ると自宅から一歩も外に出られなかったが、今作から外にも出られるようになったため実った作物は回収し被害を最低限に防ぐことは出来るが……。
      • 一応セーブ&ロードで回避可能で、天候は3時間毎に変化判定が起きるため、台風が特に多い夏では3時間毎にセーブ&ロードで台風を回避するという回避策が作られたほど。
    • 夏でなくとも台風が突発的に襲ってきたり、酷い時は1日を終えて寝て起きたら畑が台風にやられていた・・・なんて事もあるのでこれでも不意に来られると本当にどうしようもない。
    • 上記した釣りもそうだが、台風も含め農業が不要というよりも農業を取り巻いているその他のバランスが悪過ぎる。
      • 4』では台風が来る間隔はある程度(大体20~40日)ごとに一回、となっている。
  • ダンジョンにある畑の利用価値の低さ
    • 今作にもダンジョン内に畑があり、自宅のものよりも土質が良い、植えた種のレベルが+1される等のメリットがあるが実用性は低い。
    • そもそも畑が妙にダンジョン内に散らばっている上に、畑のあるエリアにも当然敵がいるのですぐに農作業に移れない。
    • 自宅と違ってモンスターに仕事をして貰う事も出来ないので自分で畑まで向かう必要がある。
    • 更に土質の良い畑はダンジョンの最奥に配置されているために、そこまで移動するのにも時間が無駄にかかる。
    • ワープなどの手段もない中で街からダンジョン最奥まで移動し、更に敵を倒してようやく・・・というのは流石に利便性に欠けている。
    • そもそも、土質や作物レベルは枯れ草や農薬で幾らでもやりようがあるのでメリットと言えるかも怪しい所。
    • 加えて、一度出荷してしまえば店で買える様になるので季節を問わず育てられるという点に関しても同じ事が言える。
    • 結果的にダンジョンの畑は実質「アクセスが悪く敵が邪魔で無駄に散らばっていて使い辛い」という有様になってしまっている。
  • 時間通りに営業してくれない店
    • 街中には幾つか店があるのだが、その店員達の営業時間が非常に大雑把で予定が立て辛い。
    • 特に利用する事の多い雑貨屋・花屋・病院は営業終了が18:00となっているが、時間まできっちりやってる事は殆ど無い。
    • 数十分以上早く終了しているのはザラで、酷い時は一時間以上早く終了している事すらある。
    • そのため、店を確実に利用したい場合はどうしても生活パターンを店優先にせざるを得ず予定に融通が利かない部分が出てきてしまう。
    • 生活感の演出を意図したためと思われるが、結果としてゲームが遊び辛くなってしまっていては本末転倒である。
  • 3Dのキャラモデルが酷い
    • これはマシンスペックの関係上仕方ないのかもしれないが、イラストのキャラデザインが良いためなお酷さが目立つ。
    • ただし、これが問題になるのはステータス画面で拡大表示した場合のみ。通常は縮尺の関係上気になることは無い。
    • 主人公だけはずっと画面の中央にいるため、どうしても気になるかもしれない。いずれは慣れるはずだが、人によっては時間を要するだろう。

ストーリー

  • ラスボス前後の作り込みが甘い
    • 一大事件が発生しているのにも拘らず、普段通りのお気楽な住人達。町の施設を機能しておくための処置としてやむを得ないのかも知れないが…。
      • また、一部のヒロインにプロポーズした場合、ラスボスの発言が辻褄が合わないものとなる。
    • ED後に増えるヒロインの会話パターンは、比較的短期間で消化してしまう程度の量。結婚後の妻とのデートは1種類に固定される(結婚前は4種類)。出産イベントが3回まであるが、どれも展開が変わらないコピペ状態。生まれてきた子供は数パターンの発言をする以外は何の動きも見せず、「家具の一種」と揶揄されている。
  • 既に結婚しているにも拘らず、依頼イベントで他の女性に対して思わせ振りな行動をとる主人公
    • ただし、これに対しては「依頼を受けない」という回避策があり、起こしたら起こしたで妻から浮気を警戒するセリフを聞ける。嫉妬する妻もかわいい
    • 女性キャラの大半は嫁候補であり、そして依頼イベントの大半はストーリーの進展に拘らず使い回し*9。このため女性の依頼を片端から受けていると、主人公が誰彼構わず口説き始める有様に。
      • 主人公が軟派な性格であればまだ納得も行くが、むしろ表面上は奥手でかなり受け身。そのくせ攻略対象外まで含む多くの女性に対し、人目のない時にだけ気のあるそぶりを見せて「勝手に」誘惑し始める*10。このため、見方によっては非常にあくどい詐欺師のようにも思えてくる。
      • また、嫁候補との恋愛関係を深めるイベントのための依頼も結婚後に受けることが可能。ただし露骨に愛を囁くようなセリフは無難なものに置き換えられている*11
  • 攻略(結婚)出来ないキャラがいることが悔やまれる
    • 『1』『2』がゲーム進行不可能バグなどの様々なバグで有名であるため、それを「結婚できないバグ」という表現が用いられるほど。もっとも結婚相手となるキャラクターは多数いるためネタとして言うプレイヤーがほとんどである。
    • 主人公が男性である以上、男性キャラに関しては仕方がない。しかし、本家の牧場物語は近年は主人公の性別をプレイヤーが選択可能。また、前作は後半のストーリーに限り主人公の性別を好きに選べた。

総評

名作を輩出してきたネバーランドカンパニーが、ようやく本気を出した傑作である。
爽快なアクション・魅力的なキャラクター・ストレスない耕作とどれも高い水準を保っている。これ一作で、シリーズの評価を覆したと言えるだろう。
ただそれだけに、荒削りで調整不足な面が見られるのが悔やまれるのも事実である。


余談・その後の展開

  • 『1』、『2』があまりにもバグゲーとして悪評高い作品になってしまったからか、発売当初は出荷売上共に伸びなかったものの、発売後の高評価からジワジワと売れ続け、中古でもしばらく高価格で推移していた。下記の再販やSwitch移植後はある程度値下がりしている。
  • 2011年2月24日にWii/PS3で外伝の『ルーンファクトリー オーシャンズ』が発売された。本作は耕作要素を大幅に減らし、アクションRPG要素を大幅に強化し、会話シーンが3Dポリゴンとなっており立ち絵がオミットされる、農業よりも航海に主眼を置いた作り、など過去シリーズとは一線を画す異色作となっている。しかしルーンファクトリーでありながら主人公が農業をしないと言う異色過ぎる試みが災いして評価が割れ、マルチ化の効果もなく合計売上本数は『フロンティア』とほぼ同程度にとどまっている。
  • 2012年7月19日に3DSで本作の正統な続編『ルーンファクトリー4』が発売された。
    • さらに、2017年10月26日には廉価版『ルーンファクトリー4 Platinum Collection』が発売。
      • 限定版には『3』(及び両作のサントラ)が同梱される。移植の類いではなく、DSソフトそのまま。モノ自体の見つけにくさや、見つけたとしても相場ゆえ手にし難かった人には朗報であった。
  • 2022年9月13日配信の「Nintendo Direct」にて、リメイクとなるNintendo Switch「ルーンファクトリー3 スペシャル」が2023年春に発売されることが発表された。
    • 実に13年越しのリメイク版のリリースとなる。
    • 2023年3月2日に発売された。
    • Steam版は同年9月6日発売予定。
    • リメイクに伴い、4Gamer.netでインタビュー記事が掲載された。

ルーンファクトリー3スペシャル

【るーんふぁくとりーすりーすぺしゃる】

ジャンル ファンタジー生活ゲーム
対応機種 NintendoSwitch
Windows(Steam)
メディア NintendoSwitch専用ゲームカード
ダウンロード販売
発売元 マーベラス
開発元 HAKAMA
発売日 【Switch】2023年3月2日
【Win】2023年9月6日
定価 4,980円(税別)
プレイ人数 1人
セーブデータ 20個
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 良作
ポイント オリジナルに忠実なリメイク
さらに可愛くなったヒロイン達
ルーンファクトリーシリーズリンク

概要(スペシャル)

  • 『ルーンファクトリー3』のリメイク作。 前作『5』の出来が良くなかったため、不安視する声もあった。
    しかし蓋を開けてみればシリーズ最高傑作とも名高い『3』のリメイクに相応しい良好な作品となった。

変更点(スペシャル)

  • DSのオリジナル版では方向キーを2度押しでステップが出来たが、今作では『4』同様ステップボタン(デフォルトではRボタン)でステップが出来る。
  • DSは2画面で上画面は地図や時間などを表示し、下画面はメイン画面となっていたが今作は地図や時間も1画面で表示。それに伴い一部会話も若干変更されている。(主にゲームの内容に関するメタ的な台詞)

評価点(スペシャル)

  • グラフィックの大幅な改善。
    • 『5』ベースのグラフィックではなく、原作のグラフィックをブラッシュアップしたものになっている。
    • お世辞にも綺麗とは言えなかった主人公やモンスターなどの3Dモデルが一から作り直され非常に繊細となっている。 背景や建物のグラフィックなども拡大され繊細になっている。
    • 2D素材は「ImageStudio8」で高解像度化がなされており(ソースあり)、はっきりとした画質になっている。
  • 4SP』同様の改善点
    • 『しんこんモード』が追加されている。
      4SPのしんこんモード同様主人公とヒロインはLive2Dになっているが、今作は手振り身振りが多くなっており活発的なヒロイン達にあったモーションがあてられている。 追加の一枚絵や追加ボイスも健在。
      • 『4SP』で結婚したキャラのしんこんモードが解放され、他のキャラはオーダーをすることで全員のしんこんモードが解放されるという方式であった。
        オーダーが存在しない今作では結婚した時点で全員のしんこんモードが解放される。
    • セーブデータも20個に増加しており11人いるヒロイン全員と結婚してもデータが9個も余るという贅沢っぷり。
    • 水着のデザインも変更されており各ヒロインの特徴を捉えた可愛らしいデザインとなっている。

問題点(スペシャル)

  • 後の作品では改善された仕様がそのまま
    • 当時の仕様そのままという仕様上、様々な問題が存在する。
      • 例を上げると『2』や『オーシャンズ』で導入された女性主人公は存在せず主人公は男性で固定。
      • 『4』、『5』では複数の住民やモンスターを連れて行けたが今作では1人までしか連れて行けない。
      • 収納箱に収納出来るアイテムの数や冷蔵庫に収納出来る料理が少ないなど。*12
  • 何より最大の問題点はヒロインと結婚しないとストーリーが進行しない仕様もそのままであるということだろう。

総評(スペシャル)

  • 『3』のゲーム体験や魅力を損なわず、画質を向上させ新要素を追加したリメイク。
    特に劣化したような部分はないが、不便や不都合な部分などもそのまま移植しているため、『4SP』や『5』から入った新規のプレイヤーは戸惑うところも多いだろう。
    しかしグラフィックの大幅な改善や新要素の追加で「ルーンファクトリーシリーズ」の中でも一二を争う可愛さを持つヒロイン達がさらに魅力的になっている。
    興味を持った人は一度変人曲者揃いのヒロイン達に会いに『シアレンス』を訪ねてみてはいかがだろうか。

その後の展開(スペシャル)

  • 2023年9月6日にWindows(Steam)版が発売された。

余談(スペシャル)

  • 『4SP』、『5』のデータがあると各作品の男性主人公の衣装が入手可能。
  • 『4SP』同様各ヒロイン視点で語られるボイスドラマ方式の話を見ることが出来るDLC「アナザーエピソード」が販売中。価格は713円。
    • Win版では無料でダウンロード可能。
  • DS版でヒロインの1人である「マリオン」を担当していた声優が休業中だったため、代役での収録となっている。
  • 豪華版の『Dream Collection』及びデジタルデラックス版の付属特典はヒロインが常時水着になる『みんなで水着モード』。
    雪が降り積もる寒い冬でも水着なのはシアレンスでは普通。
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最終更新:2024年01月29日 17:28

*1 町の四方の隅でもある。

*2 次回作『4』では町に着く最初の時点から使える

*3 なお、枯草による土質改善はそのマスで何か1つ作物を育てると改善前の状態に戻ってしまうという一時的なもの。ただし、ある操作をすることで一時的では無くす裏技が存在する

*4 依頼人が最初の位置から動かず待機し続け、話しかければ具体的な目標と現時点での達成状態を、何度でも丁寧に教えてくれる。

*5 どこで挑戦できるのかすら見当が付かない。仮に予想が付いたとしても、高確率で的外れである。

*6 ダンジョンの内部ではなく、入り口すぐ脇にある観光ポイントの可能性も高いため注意。

*7 本作では金策だけでなくスキルLv上げという目的もあるので、農業が無価値になる訳では無いが。

*8 勝手に畑が荒れるため、作物栽培中は大打撃を受ける。

*9 時期によって発生しなくなるものも存在はする。

*10 選択肢は出ないか、出ても軒並み口説き文句。

*11 ある嫁候補だけは主人公が結婚後であっても変わらず告白してくるが、これに応じる選択肢を選んでも「いい加減なことはするな」とたしなめられるだけで浮気は出来ない

*12 5月配信予定のアップデートで収納数を増やす予定。