本項ではニンテンドーDS用ソフト『ヒラメキパズル マックスウェルの不思議なノート』と、続編であるニンテンドーDS用ソフト『スーパースクリブルノーツ』の両方を紹介します。
判定はどちらも「良作/バカゲー」です。


ヒラメキパズル マックスウェルの不思議なノート

【ひらめきぱずる まっくすうぇるのふしぎなのーと】

ジャンル ヒラメキパズル
対応機種 ニンテンドーDS
メディア 256MbitDSカード
発売元 コナミデジタルエンタテインメント
開発元 5th Cell
発売日 2011年1月27日
価格 3,980円(税5%込)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 良作
バカゲー

概要(不思議なノート)

Warner Bros. Interactive Entertainmentの発売したアクションパズル『Scribblenauts(スクリブルノーツ)』のローカライズ版。
オリジナル版はミリオンヒットを記録し、シリーズ化されている。
日本ゲーム大賞2011におけるゲームデザイナーズ大賞受賞作でもある。

特徴(不思議なノート)

「書かれた単語に応じた物体が実際に現れる」という不思議なノートを持つ主人公マックスウェルを操作し、出現したアイテムを用いて人助けをしたり、困難をクリアするパズルアクションゲーム。
下画面のノートに単語を記入してアイテムを召喚し、それを駆使してマックスウェルがマップ中のスターを取ればマップクリア。

  • 単語入力方法は、タッチペンで文字を書いて入力する手書き認識と、ひらがな/カタカナ/アルファベットに対応したタッチペンによるキーボード入力がある。
  • 出現したアイテムはそのまま使う事もできる。2つ以上のアイテムを組み合わせて使う事も可能。
  • マップには大きく「~をしろ」等のクリア条件が設定されていて、それを満たせばスターが出現する「パズルモード」と、最初からスターが設置してあり、アイテムを駆使してスターを手に入れる「アクションモード」がある。
    • クリアの際には如何にマップごとに設定された規定より少ないアイテムで、どれほどスタイリッシュな方法で、余分な時間をかけずクリアできたかに応じて評価され、ゲーム内の通貨である「オラー」を入手。これを消費して新たなマップを解放することができる。
    • 一度クリアしたマップでは、以前クリアした際に使用していない単語のみを使用して、3回連続クリアする必要がある「アドバンスモード」にチャレンジできる。
    • エディットモードもある。作成したマップは通信で他のプレイヤーに遊んでもらうこともできる。
    • メダルの機能も存在しており、いわばトロフィーや実績と似たようなコレクション要素となっている。ステージクリア毎に表示され、何に該当するかどうか楽しむことも出来る。
    • 出現させた生物には体力や、マックスウェルや他の人物に対して敵性かどうか等が細かく設定されている。例えば「ねこ」は無害であるが「あくにん」は手当たり次第に周囲に攻撃する。また「けいさつ」と「あくにん」は敵対関係であり鉢合わせると互いに攻撃を始め、「ねこ」は「ねずみ」に対してほぼ無傷で勝利する(食べる)ことができる。

評価点(不思議なノート)

対応する単語の多彩さ

  • 収録された単語は一般的なポケット辞書に匹敵する2万語以上。単語がほぼ名詞に限定されているという点も考えると、恐ろしく充実していると言える。思いつく限り入力しても高確率でヒットし、呼び出すことができるであろう。
    • 登録単語は一般的な物から専門的な物、動植物の細かい品種、マニアックな物、SFやファンタジーに出てくる架空の存在、現象、人、職業など幅広く、それに応じて形を問わず様々なアイテムを出すことができる。

自由度の高いクリア条件

  • シナリオクリアのために決まった答えは存在せず、最終的にスターを取る、又は出現させればクリア扱いになる。
    • 例えば「ヒマワリの芽を成長させる」ことがスター出現条件となっているマップでは、「じょうろ」で水を与える、「たいよう」で光合成を促す、「ひりょう」を与える等々様々な方法が正解扱いとなる。
      単純にクリアを目指すだけではなく、最小限のアイテムでのクリアを目指したり、あえて回りくどい方法を取ったりと、工夫次第で色々な解決方法を導き出せる楽しさがある。マップにもよるが、文字通り無限の解法が存在する。
  • その魅力を例えるなら、コマンド選択方式がまだ確立していない頃の、手探りで直接単語を入力していく形式の超初期のアドベンチャーゲームに、正解扱いの単語が無数に設定されていると言ったところ。かなりプリミティブな楽しさがある。

と、ここまでならば収録単語数と自由度が高い程度の単なる「ゲームをしながら単語を覚える」子供向けの教育ソフトでしかないという印象を受けるだろうが、このゲームの真の魅力は「教育ゲームの皮を被ったバカゲー」という点にある。以降にその点を例示する。

多彩「過ぎる」対応単語

確かに収録されている単語は豊富なのだが、明らかに間違った方向にも充実している。一応生み出せるアイテムには「公序良俗に反するものはダメ」「実在するものでないとダメ」「特定の人物名など固有名詞はダメ」という制限はあるが、抜け道が多数存在する。例えば…

  • 「ゲロ」はダメだが「としゃぶつ(吐瀉物)」はOK。
  • 「さけ(酒)」はダメだが「さかば(酒場)」はOK。
  • 人を死に至らしめる武器の類は公序良俗に反しないらしく、基本的にフリーパス。「じゅう(銃)」や「どく(毒)」等は勿論、「せんしゃ(戦車)」や「せんとうき(戦闘機)」といった兵器、「ギロチン」「てつのしょじょ(鉄の処女)*1」などの拷問・処刑器具、果ては「かくばくだん(核爆弾)」「LHC(ラージハドロンコライダー)*2」まで出せて、普通に使用できる。なお最後の2つは使用したが最後、マックスウェルが核爆発やマイクロブラックホールに巻き込まれてゲームオーバーである。
  • 「せんのうじゅう」「まほうのじゅうたん」のように、科学的・魔法的に数歩先を行っているものもOK。
  • 「エクスカリバー」「グングニル」といった「伝説の武器」や、「オーディン」「アヌビス」といった一部の神話上の登場人物もOK。実…在…?
  • 「クトゥルフ」「サキュバス」といった一部の怪物もOK。彼らは実在していたんだよ!怪物同士を戦わせたり、自ら武器を持って討伐するなどといった間違った遊びに興じることも可能。
    • 一部のファンの間では「クトゥルフを如何に有効に使うか」が命題となっているのだとか。いあ!いあ!まっくすうぇる!
  • なぜか、コラ画像で有名な「ながいねこ(長い猫)」が入っている。しかも白と黒の二色。
    また、「シラネーヨ(2ちゃんねるのAA)」「ロイツマガール*3」「MEGA64*4」等のようなマニアックすぎる言葉も多い。
  • 「All your base are belong to us*5」といったネットミームとなった台詞まで収録されている。ちなみに日本語では「はんせいしる」と入力しても出てくる。
  • 「こんせいきさいだいのゲーム(今世紀最大のゲーム)」なるものも出す事が可能。ちなみに、この単語で出てくるのはこのゲームのロムカセットと思しきアイテム。いやまぁ確かに今世紀最大という評価もある意味間違ってはいない…筈、なのだが。
  • しかも、ローカライズ担当のコナミの悪ノリで、「ソリッドスネーク」「オールドスネーク」「ビッグボス(※小島プロダクション監修済)」「アルカード」「ゴエモン」「エビスマル」「ビックバイパー」「パワプロクン」「ふじさきしおり」「たかねまなか「ミミ」「ニャミ」等数々のコナミキャラが召喚可能。
    空を自由に飛べてミサイルが撃てるビックバイパーはともかく、バンパイアにあっさり返り討ちに遭うアルカードや、小動物にすら簡単に殺される しおり・まなか等、役に立つかは微妙なのが多いが。
  • ちなみにローカライズの際に追加された単語は、その大半がコナミ関連の単語である。
    • 日本に由来する単語としては「サムライ」「ゲイシャ」「りきし」等を始め、「おに」とか「カッパ」とか欧米ではあまり馴染みのなさそうなものまで数多く収録されているが、これは元から存在した単語。開発したシアトルの5TH Cell社に日本好きの人が沢山在籍していた結果であるらしい。「ししゃも」が「出現するや否や周囲の生物に襲いかかり、人間程度ならあっさり殺してしまう凶悪な魚」になっているなど、変な勘違いも多いが。
    • コナミ関連以外で数少ない追加単語の一つと見られているのが「ポストにいちなな(ポスト217)」。この単語を入力すると、何故かマックスウェルが恐竜に乗ってゾンビと戦っている絵が出てくる。出てきた絵を作動させるか破壊するかした場合、これまたどういう訳か大爆発を起こして全滅してしまう。
      • 実はこれ、海外のゲームフォーラム「NeoGAF」の本作海外版スレッドに投稿された、217番目のレスの内容を再現したもの*6。追加単語だとされているのも、内容から考えてそうでなければおかしいため。
      • このポスト217がキッカケとなり、海外で本作の知名度が跳ね上がったそうな。見方を変えれば、このレスがなければ本作はマイナーゲーのままで、日本語版の本作も存在しえなかった、という事であり…「駄目だマックスウェル!未来が変わってしまった!タイムパラドックスだ!

自由度が「高過ぎる」クリア条件

例えば「屋根から降りてこない子猫を下で待つ飼い主の所に戻す」がクリア条件となっているマップでは、
1.「はしご」を用いて助けに行く。
2.「つばさ」を付けてマックスウェルが空を飛び、屋根の猫を回収する。
3.「キャットフード」で猫を釣る。
4.「しょうぼうし」等助けてくれそうな職業の人を出す。
5.「なげなわ」を子猫に投げつけて縛り上げ、力ずくで地面に引きずり落とす。
6.「たきび」「かえんほうしゃき」などで家を焼き払って追い落とす。
7.「クトゥルフ」を呼んで子猫を驚かせて無理矢理降ろす。
など、方法の倫理性等は度外視してとにかく「子猫が生きて飼い主と再会できればOK」となる。
圧倒的な自由度を誇るため、ただクリアするのではなく、「いかに奇抜な方法でクリアするか?」に血道を上げて取り組むプレイヤーも多い。

  • 例として挙げたマップはごく序盤の簡単な物であるため、ここまでするのは単なるネタでしかないが、ゲームが進んで難易度の上がったマップで、更に条件が限られるアドバンスモードをプレイする際には、もう手段など選んでいられない。必然的にシュールかつ無慈悲なクリア方法を強いられることになる。
  • なお、クリア条件に「~を傷つけてはならない」といった条件が無い限り、無辜の一般市民や動物などをいくら殺そうがクリアとなる。文字通り目的のために手段を選ぶ必要のないゲームである。
  • さらに、マックスウェル自身もスターを入手した後の生死は問われない。後述の全滅系でクリア条件を満たしスターが出現した場合、自身が死ぬまでにスターに接触すればクリアとなる(いわゆる半ティウン)ため、スターの出現場所に移動してから全滅系を発動させることで死体になりながらクリア、ということも可能。
  • ちなみに、ブラックホール、かくばくだん、つなみなどオブジェクトを消滅させる効果に巻き込まれても、マックスウェルだけは死体が残る。かくばくだんであらゆる生命とオブジェクトが消滅した末、星を抱えたマックスウェルの死体だけが転がりクリアとなる様はシュールの極みである。「へいわしゅぎしゃ*7」のアイコンがドクロに見える日も遠くはないだろう。
  • 余談だが、本作は日本版に限りレーティングの関係か「子供キャラは何をされても死なない」という特性がある(海外版や続編『スーパー』では普通に死ぬ)。そのため猛獣や怪物に差し出して囮にしたり、溶岩の中に叩き込んで足場代わりにする等の無茶ができる。むしろ普通に死ぬ以上に残酷に見えるのだがCERO的には全年齢で問題無かったのだろうか……?
    • いくら死なないとは言っても、「つなみ(津波)」や前述の「かくばくだん(核爆弾)」など、フィールド上のオブジェクト全てを消滅させる全滅系アイテムを使用すると死亡する。
  • またシステム的な穴として、同じ意味の単語でも名称が異なれば別のアイテムと見做される。前述のアドバンスモードでも、例えば以前に体に取り付けて空を飛べるようになる「つばさ」を出していた場合でも、「はね(てんし)」「ウイング」「WING」がそれぞれ外見・性能は同じでも別個のアイテム扱いとなるので、使用制限されず普通に使える。

賛否両論点(不思議なノート)

強力すぎる単語が存在する

本来は子供向けのゲームであり、ある程度抜け道を作らないと詰まる可能性があるためであろうが、それにしても万能に近い単語が色々存在する。
最終的なゲームの難易度はかなりの手ごたえとなるが、これらの単語を駆使すれば一転ヌルゲーと化す。

  • 例えば「む(無)」と入力すればブラックホール状の物体が発生。吸い込まれると敵のほぼ全てが死に、障害物の大半が破壊される。出した場所によってはマックスウェルが飲み込まれたりスターが破壊されたりしてゲームオーバーになることもあるが、平仮名1文字という手軽な入力で強力無比な効果が得られるという点から、プレイヤーの間では反則に近い扱いを受けている。
    他にも炎以外では倒せない「スライム」や、こちらから攻撃しない限りはマックスウェルの味方となる「かみさま」等強すぎる単語は多い。
  • そのため汎用性の高い単語ばかり使っていてはやや単調に感じられるかもしれない。とはいえ強力な単語一辺倒でクリアできるほど易しいものでもなく、後半のステージに進むにつれ発想力や頭の柔らかさが求められる。

問題点(不思議なノート)

操作性

マックスウェルはペンでタッチした方向へ走って移動する。十字キーでは移動できないので多少の慣れが必要。

日本人には分かり辛い問題が存在する

基本的にアメリカで発売されたソフトをそのままローカライズしているため、余程欧米の文化に詳しいか、或いは向こうで暮らした経験が長いプレイヤーでもなければ解答方法についてピンとこない場合もある。

  • 例えば「誕生日の男の子がピニャータ*8を割るのを手伝え」という設問に「男の子に「バット」等の鈍器を渡す」、「レプラコーン*9との競走に勝て」に「目の前に「きんかい」等の金目のものを置いて気をそらす」といった正解をパッと出せる日本人プレイヤーはそうそう存在しないだろう。
  • 逆に「アイドル*10」や「ハカマ(袴)」等、日本とアメリカとでは意味合いが多少なりとも違う、または日本の独自性の強いアイテムが未収録だったり、また「おちゃ(お茶)」や「ふでばこ(筆箱)」等日常的なアイテムの単語の一部が未収録だったりする事もある。

強力すぎるバグ技

おそらく「ハマり」を防ぐためだろうか、地形やオブジェクトの接触判定が表面にしか存在せず、かつ、内部から外部へは素通りする様になっている。 また、地形よりもオブジェクトの方が優先順位が高いため、地形にめり込む形で無理矢理オブジェクトを生成すると、地形を突き抜けてオブジェクトが配置される。このときにオブジェクトが不可解な挙動を起こす。 これを利用したテクニックの中に、ゲームバランスを投げ捨てろとばかりの強力なテクニックが存在する。

  • 特に、通路を塞ぐ「とびら」に対して物を凍らせるアクションを起こすととびらが吹き飛ぶバグが有名。
    • スターとマックスウェルとの間を(なんらかの条件を経て開く)扉で隔てた状態でスタートするステージならば、「こおりのまほう」や「れいとうじゅう」を呼び出して扉にぶっぱなせば扉をこじ開けて即座にクリアできてしまう。流石にこれはあんまりである。

総評(不思議なノート)

「ヒラメキパズル」の看板に偽り無し、の珠玉の逸品。
普通にクリアするもよし、多彩すぎる攻略方法を駆使してバカゲーチックに楽しむもよしで2度おいしい作品となっている。
バカゲー好きの親御さんならば、「子供に『言葉の勉強のために買い与える』という名目で購入し、自分も無茶苦茶な単語を入れてシュールな光景を楽しむ」「家族のプレイを見てニヤニヤする」といった遊び方ができる。
残酷描写は全くないので安心してお買い求めいただけます。

余談(不思議なノート)

  • ローカライズの指揮を担当したのは、『悪魔城ドラキュラ』シリーズの名物プロデューサーIGA氏である。
    • 気心の知れたスタッフ数人で移植を担当していたのだが、スタッフロールはオリジナル版の物しか収録されておらず、ソフト単体ではローカライズに関わったスタッフの詳細を知る事は不可能となっている。これについてはIGA氏本人から「オリジナル版のエンディングが凝っていたし、『名作(の移植)に携われたという事実さえあればいい』という感じだったので、日本語版のエンディングは入れなかった」と語られている
  • ニコニコ動画に投稿されているTAS動画*11においては、上記「む」を使いマックスウェルもろとも全滅させて条件をクリア、そのままスターを取得といった命は投げ捨てるものとでも言わんばかりのプレイングは勿論、「ドニ*12」を駆使した壁抜け・高速移動といった、マクシームもビックリな変態っぷりを見せつけた。
    • 他の乗り物でも可能だが、「ドニ」の文字数の少なさによる時間短縮や「ドニ」という聞き慣れない乗り物による響き、そして画面中を空飛ぶボート・ドニで暴れまわるといったインパクトから「(ドヤ顔もとい)ドニ顔」「ドニゲー」「ジョインジョインドニィ」等とネタにされた。
    • 最速クリア記録更新を狙って製作された最新版TASでは「『へいわしゅぎしゃ』等のメダルを入手しない事により面クリア時のリザルトを省略する」という目的で、ドニの代用品として「AFV*13」が使われている。内容もメダル入手を徹底的に回避するべく、例えば上述した子猫を助ける面ではスター出現後にわざわざ子猫を砲撃してからクリアするなど問題映像っぷりに拍車が掛かっている。どうしてそうなった!?

スーパースクリブルノーツ

【すーぱーすくりぶるのーつ】

ジャンル パズル
対応機種 ニンテンドーDS
メディア 256MbitDSカード
発売元 コナミデジタルエンタテインメント
開発元 5th Cell
発売日 2011年10月13日
価格 4,980円(税5%込)
レーティング CERO:B(12歳以上対象)
判定 良作
バカゲー

概要(スーパー)

  • 前述の通りオリジナルである『Scribblenauts』はシリーズ化されており、その内第2作目の『Super Scribblenauts』は『スーパースクリブルノーツ』の名で前作同様日本語ローカライズされている。
    • ただし前作と違い原題をそのままカタカナで邦題にしているため、続編であることに気付かなかったプレイヤーもいたらしい。
  • 『スーパー~』では単語の前に修飾語(形容詞)を付けることが可能になっており、単語に様々な特性を持たせることができるようになっている。
    • ただし英語をそのまま直訳したためか、日本語としては少し無理のある装飾語もやや見られる。
  • ノートへの入力からひらがなが省かれ、今作ではカタカナとアルファベットのみになった。前作では同じ読みでもひらがな・カタカナが間違っていると目当ての単語が出ないこともあったため、妥当な変更と言えるかもしれない。
  • 一方で前作とは違いCEROはB(12歳以上)となっている。教育ソフト…?
    • 前述の通り、今作では海外版同様に子供キャラが死ぬようになったのが原因とも言われている。子供キャラが死ぬ際の描写は他のキャラと同様、倒れた後煙と共に消滅するだけなので、そこまで残酷という訳でも無いが。

評価点(スーパー)

  • メダルは一度習得すると2回目以降条件が整ってもクリア後に表示されなくなったが、タイトル画面でメダルの習得ができるようになり収集が容易になった。

賛否両論点(スーパー)

  • 前作に比べると、修飾語を必須とした問題が多く見られる。
    • 言葉のバリエーションが増えた一方で、解答の自由度が低くなり前作のようなメチャクチャな解答をしにくくなっている。
    • ただ、一部の修飾語はユニークなものもあり、マックスウェルの頭の形をした帽子を被るようになる「マックスウェルガスキナ(マックスウェルが好きな)」や、逆にマックスウェルに怯えるようになる「スクリブルノーツキョウフショウノ(スクリブルノーツ恐怖症の)」、更には 核爆弾と同じような性質を持たせモタモタするとゲームオーバーとなってしまう 「ゲンシリョクノ(原子力の)」等ユニークなものも多い。
      • 更に、修飾語の使い方次第では前作に負けず劣らずのメチャクチャな解答だって可能。

例えば「男性を、怪我させる事無く崖の下に降ろす」事がクリア条件となるマップでは、
1.「パラシュート」「ツバサ」といった空を飛べるアイテムを男性に装備させる。
2.「ヘリコプター」等の空飛ぶ乗物を出して、男性を崖の下まで輸送する。
3.「トランポリン」「ソファ」といったアイテムを崖の下に設置して、男性が崖から飛び降りても平気な状態にする。
…と、ここまでなら前作でも実行可能な範囲内の解答である。しかし本作では…。

4.「トブ クルマ(飛ぶ車)」を出し、それに男性を乗せる。
5.「ムジュウリョクノ シタシイ ライオン(無重力の親しいライオン)」を出し、修飾語の効果で空中浮遊可能、かつ人間が乗れるようになったライオンに男性を乗せる。
6.「イセカイノモノノヨウナ(異世界のもののような)」という修飾語を付けたアイテムを出し、アイテムと共に出現したクトゥルフの翼を男性に装備させる。
7.「オモサノナイ メガトンキュウノ コイン(重さの無いメガトン級のコイン)」を出してロバロバ男性に持たせる。
といった具合のトンでも解答でもクリアが確認されている。

問題点(スーパー)

  • 一部、効果が変更されたり削除された単語も存在する。以下は変更された単語の一例。
    • 「ム(無)」…上記の効果から核爆弾と同じくゲームオーバーとなってしまう効果。
    • 「レイトウジュウ(冷凍銃)」…こちらは相手を「ゴッカンノ(極寒の)」状態にし、氷漬けにはならずに固まり、上記のようなバグができなくなっている。
    • 「ちぢむまほう(縮む魔法)」等…削除されておりマックスウェル自身を小さくすることができなくなった。
  • コナミネタは健在だが、メタルギアソリッドの面々およびエビス丸だけは何故か省かれてしまった。

総評(スーパー)

問題に於ける縛りは若干きつい物となったが、修飾語の使い方次第では前作にも劣らぬ多彩な攻略法を生み出せる。
「ヒラメキパズル」の正統進化、と評しても何ら差し支えない出来栄えの逸品である。

子供キャラが死ぬようになるなど残酷描写が多少増えたものの、決して過激なものではなくコロコロ漫画のようなギャグとして済ませる事が可能な程度。
こちらも安心してお買い求めいただけます。

余談(スーパー)

  • インターネットミームとして本作を語る上で外せないのが「DEAD LION」。日本語版ではそのまんま「シンダ ライオン(死んだライオン)」もしくは「シンダ シシ(死んだ獅子)」。
    • 海外版のTASで「カタツムリ・亀の両方と同じ性質を持ったアイテムを出す」マップを攻略した際、プレイヤーが解答として出したのは「SHELLED DEAD LION(殻のある死んだライオン)」。何故殺たし。
      • 更に「ビッグフット・白熊と同じ性質」と「ティーピー・移動住居と同じ性質」を両方持ったアイテムを出すマップでは「SPACIOUS DEAD LION(広大な死んだライオン)」を出してクリアし、その後のマップでも度々「DEAD LION」を解答に使用。だから何故殺たし。
    • それだけに止まらず、日本語版のTASやRTAにおいても先人へのリスペクトなのか「シンダ ライオン」や、それより文字数が少なく優秀な「シンダ シシ」を駆使して攻略するプレイヤーが登場。
      • ほぼ全てのステージをこれと修飾語の効果だけで攻略したり、マップに生きているライオンが出てきた場合にはポーション*14まで駆使して「シンダ ライオン」にしたりとやりたい放題。ライオンは死んでしまいましたが、スターを取得できているので問題ありません。
    • 案の定一部コミュニティでは大いにネタにされているが、すべてのプレイヤーに通じるわけではないため、「シンダ ライオン」「シンダ シシ」をネタとして使用する際はTPOをしっかり弁えるように。

その後のシリーズ

海外では上記以降もシリーズが継続して発売されており、これらは日本国内でも配信されたものの、いずれも日本語未対応。

  • Scribblenauts Remix(iOS / Android)
    • スマホ版。iOSで2011年10月11日配信開始、Androidで2012年12月10日配信開始(日本語無し)。
  • Scribblenauts Unlimited (Wii U / 3DS / Windows)
  • Scribblenauts Unmasked: A DC Comics Adventure(Wii U / 3DS / Windows)
    • 2013年9月24日欧米版発売。バットマンなどでおなじみのDCコミックとのコラボレーション。
    • 日本では2013年9月25日にSteamで配信開始(日本語無し)。
  • 上記以外にもRPG要素のある『Scribblenauts Fighting Words』や3Dベルトスクロールアクションの『Scribblenauts Worlds』といったスピンオフ作品も作られていたが双方とも開発中止になっている。

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最終更新:2024年01月08日 00:11

*1 なぜか「アイアンメイデン」だと出てこない。実在のロックバンドと被るからだろうか。

*2 粒子加速器の一種。ゲームで例えるなら「『アウターワールド』でレスター教授を(事故によって)異世界に送り込んだ機械」。ただし、現実に存在するLHCは危険なものではないので誤解はしないように。

*3 週刊少年ジャンプの漫画及びアニメ『BLEACH』のキャラ・井上織姫が、アニメ第2話でネギを振り回しているシーンに、フィンランド民謡の『Ievan Polkka』を合わせた、海外発のフラッシュアニメ。

*4 テレビゲームで繰り広げられる場面をリアルで体験しようという内容の、イギリスの低予算番組。

*5 メガドライブのシューティングゲーム『ゼロウィング』の英語版に出てくる一文が元ネタ。英語の文法が間違っていることから海外でネットミーム化した。

*6 レスの内容を要約すると「ゾンビとの戦闘にタイムマシンで過去から恐竜を連れてきた」というもの

*7 武器類のアイテムを使わずにステージをクリアすると貰えるメダル。

*8 プレゼントの詰まった人形の名称。その人形を吊るし、プレゼントの受け取り手がその人形を割る…というイベントに使用される。

*9 黄金のありかを知っているとされる妖精。

*10 英単語である「IDOL」と入力すると、元の意味である偶像が出てくる。

*11 「Tool-Assisted Speedrun」若しくは「Tool-Assisted Superplay」の略。外部ツールを使用し、実際のゲーム機で理論上実現可能な範囲内でのスーパープレイや最速クリアを目指す遊び方のこと。

*12 モルディブの公用語ディベヒ語で「帆船」の意味。正確な発音ではドーニーとなる

*13 装甲戦闘車両の略称、要は戦車とか自走砲とかの総称である

*14 ポーション自体に付いている修飾語を、ポーションを使用した対象にも付与する事が可能。