ポケットモンスター X・Y

【ぽけっともんすたー えっくす わい】

ジャンル RPG
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対応機種 ニンテンドー3DS
メディア 2Gbyte3DSカード
発売元 ポケモン
販売元 任天堂
開発元 ゲームフリーク
発売日 2013年10月12日
定価 4,800円(税別)
プレイ人数 1~4人
セーブデータ 1個
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 良作
ポイント メガシンカ初登場
久々の追加タイプ「フェアリー」
対戦環境の大幅なテコ入れ
育成難易度が格段に低下
過去作の反省を活かしたインターネット対戦
着せ替えやポケパルレ等お楽しみ要素も充実
ポケットモンスターシリーズ


概要

『ポケットモンスター』本編シリーズの第6作。
プラットフォームをDSから3DSに移し、シリーズ初となる世界同時発売がなされた。冒険の舞台はフランスをモデルとしたカロス地方。


特徴・過去作からの変更点

  • グラフィックの一新
    • ポケモンのグラフィックがこれまでのドットから3Dモデルに一新。
    • DSの作品では建物のみ3Dでそれ以外はドット主体だったフィールドのグラフィックも、全面的に3Dになった。
    • ステータス画面やボックスのポケモンのミニアイコンも変更。顔が曖昧だったり全体のバランスが悪かったものは作り直されている。
    • トレーナー戦の開幕時に表示される絵もドット絵からイラストになった。
  • 図鑑区分の変更
    • 今作のポケモン図鑑はカロス地方の地域名に合わせて「セントラル」「コースト」「マウンテン」の3種類に区分され、それぞれ150種、合計450種程のポケモンが出現する。これは『BW2』版イッシュ図鑑の300種を大幅に上回った数で、地方図鑑の登録数としては歴代最多となる。
    • 道路を一つ移動するたびどんどん新旧入り混じったポケモンが登場するため、パーティ選択の自由度はこれまでで最も高い。序盤を除き、違う草むらから同じポケモンが出てくることはほとんどない。
    • 新ポケモンも、毛をカットする事で外見のバリエーションが多いトリミアン、プレイしている国によって羽の柄が異なるビビヨン、特殊な進化方法を持つマーイーカやヤンチャムなど、今までにない特徴を持つものが登場する。
  • ポケモン関連の変更点
    • 鳴き声
      • 初期のポケモンの鳴き声は良くも悪くも電子音感が強く、昨今の作品では存在が浮いていた。本作ではその多くが作り直され、昨今のポケモンと聞き比べても違和感を感じないようになっている。ただ一部(ライチュウなど)は別の生き物のようになっている。
      • また特例としてピカチュウのみ、アニメ版ポケモンでお馴染みの大谷育江氏が担当したボイスへと変更された。
    • 名前
      • ポケモンやプレイヤーの名前を6文字まで設定できるようになり、ニックネームの幅が増した。
      • 「フラージェス」「ファイアロー」のように、デフォルトネームが6文字のポケモンも登場している。
      • プレイヤーから干渉できる要素ではないが、わざの名前も最大文字数が7個から8個に増え、「ミストフィールド」など8文字のわざが追加されている。
    • 能力(種族値)・特性
      • 第5世代までに登場したポケモンのうち何体かに、種族値*1の特定箇所を10アップするという調整が加えられた。基本的に一箇所のみだが、ピカチュウのみ二箇所強化されている。
      • 一部のポケモンには第二特性を追加する、隠れ特性を変更あるいは追加する調整が加えられた。例えばペンドラー系統は隠れ特性が微妙な「はやあし」から有用な「かそく」に変更された。
    • タマゴ技(遺伝技)
      • これまでは♂からのみ遺伝していた技が、♀からも遺伝するようになった。これにより「同時遺伝」という概念はなくなった。
      • また新規ポケモンは遺伝技が少ない。例としてフシギダネは15あるのに対して、ハリマロンは9である。
    • 隠れ特性
      • 前作までは♀の親が隠れ特性かつ♂が♀と同じタマゴグループに該当している場合に限り遺伝していたが、隠れ特性持ちのポケモン(性別問わず)×メタモンの組み合わせでも遺伝するようになった。
  • 通信対戦仕様の変更点
    • フリーバトルにおいて、伝説・幻のポケモンが使用可能になった。
      • マナー上の問題があった「おしゃべり」の録音機能が廃止されたことでペラップがオンラインで使用できるようになったため、本当の意味での全ポケモンの出場が解禁された。
    • レーティングバトルで切断行為を行うと、切断した側が負け扱いになるようになった。
    • 対戦時に流れるBGMを、いくつかの候補の中から選択可能になった。
  • 対戦バランスの大幅な調整
    • 後述のメガシンカや新タイプの追加だけでなく、様々な面において過去最高クラスの規模で対戦バランスの調整がなされた。
    • 目立つものとしては「特殊技の威力が全体的に低下」「あまり性能の良くなかった技・特性の強化」「前作で猛威を振るった、ハメ・持久戦と言った戦術への対策」など。
      • 特殊技に関しては威力90以上の技の多くが基本的に5~10低下している*2。ただし、「あおいほのお」「しおふき」「エアロブラスト」「シードフレア」等の使い手の少ない威力100以上の特殊技や威力120の溜め技「ソーラービーム」は威力据え置き。逆に「エナジーボール」や「テクノバスター」等、威力が上昇した特殊技も少なからず存在している。特殊攻撃の威力低下については公式曰く「物理攻撃との格差を埋めるため」との事。
      • 物理技のほとんどと特殊技の一部には「直接攻撃」(いわゆる「接触技」)の設定がされている。前作までは接触技を使うと、相手の特性や持ち物によっては技を使った側がダメージを受けるという、ほぼデメリットでしかない設定であった。しかし今作では接触技を強化する「かたいツメ」(接触技の威力を1.3倍にする)という特性が追加された*3
    • はがねタイプのあく・ゴースト技への耐性が消滅した。はがねタイプは『金銀』から『BW2』までは耐性の多さで猛威を振るい、更に本作では後述の新タイプにも攻防共に相性で有利になった為のバランス調整である*4。逆にあく・ゴーストタイプは技の威力の低さや弱点の突き難さから弱いタイプとして扱われがちだった為*5、バランスを改善する良調整として多くのトレーナーから受け入れられている
    • 技を急所に当てた時のダメージ倍率が従来の2倍から1.5倍に変更。急所ランクの上昇に伴う急所率も変更されたが、通常時の急所率は従来通り1/16となっている。積極的に急所を狙うと発動しやすくなり、逆に偶発的な急所の効果はやや弱体化した。
      • 『DP』から『BW2』にかけては火力インフレでアタッカー偏重のバランスになっており、偶発的な急所は素早さの高いアタッカーへの恩恵が大きかったが、鈍足タイプのポケモンは先手からの被弾回数が多い分不利となっていたため、先攻の優位性が若干ながら緩和された。
  • 経験値の変更点
    • 経験値の計算式が第4世代以前の物に戻った
      • 第5世代では「レベルの高いポケモンはレベルの低い相手から得られる獲得経験値が減らされていき、高レベルの敵を探し回らないとまともにレベルが上がらなくなる」問題があったが再び以前の仕様に戻った。そのため、簡単に(もしくは一撃で)倒せる相手だけを狙ってひたすら戦いまくる方法でもレベル上げ可能に。
    • 今作からポケモンを捕まえた時にも経験値が入るようになった。
      • これにより、捕獲を優先すると経験値が入らないため育成が遅れるというジレンマが薄まった。
    • 1匹の敵ポケモン相手に戦闘に出たポケモンが複数の場合でも、経験値が割られなくなった
      • バトルに出たすべてのポケモンが一律で敵ポケモンに設定されている経験値を獲得できる。結果的に「弱いポケモンを出してから1ターン目で引っ込めて強いポケモンで倒す」育成のレベル上げ効率が大幅に上がった。
    • がくしゅうそうちの強化
      • 仕様自体が変更され、たいせつなもの扱いになった。オンにしていると戦闘に参加していないポケモンにも経験値が入るため、早期入手可能な事も合わさって、過去作に比べてストーリー中でもポケモンの成長がかなり早い。初代に近い仕様となっているが、バトルに出たポケモンは等倍、出なかったポケモンは半分と以前より獲得量が多くなっている。

新要素

  • メガシンカ
    • 戦闘中のみ使用できる特殊進化形態。絆の力で通常のポケモンを更なるパワーアップした状態にする。
      • 特定のポケモンに対応した「メガストーン」を持たせ、コマンドを選択することでメガシンカが可能になる。1度のバトルでは1回しか使用できない。
      • ストーリーの中盤、主人公が「メガリング」「キーストーン」を入手してから使用可能になる。一部のボストレーナーも使用してくる。
    • メガシンカしたポケモンは見た目が変わり、種族値が上昇して強力になる。中にはタイプ・特性が変わり使い勝手が変わるものも存在する。
      • 例えば、むしタイプのカイロスがメガシンカしたメガカイロスにはひこうタイプが追加され、特性もノーマルタイプの技がひこうタイプになり威力が上昇する「スカイスキン」になるなど、攻撃性がよりアップしている。
    • どのメガシンカポケモンも、フォルムチェンジ同様にHPを除いた種族値が合計100上昇する。*6
      • メガユキノオーやメガヘラクロスなどは一部の種族値が低下してしまう代わりに他の種族値の上昇に回されており、合計で見れば100の数値上昇に収まるようになっている*7
  • フェアリータイプ
    • 『金銀』以来14年ぶりとなる新タイプが登場。近年対戦で猛威を振るっているドラゴンタイプ抑制と、アタッカーとして不遇だったどく・はがねタイプ救済のために投入された。
      • 攻撃面ではドラゴン・あく・かくとうタイプに抜群となり、ほのお・どく・はがねタイプに今一つとなる。防御面ではドラゴンを無効、かくとう・あく・むしを半減し、どく・はがねに弱い。
        これにより、タイプ相性による弱点が少なく、耐久の高かったサザンドラやズルズキンなどにも4倍弱点を突けるようになった。
    • 既存のポケモンの中にはフェアリータイプが追加、もしくはフェアリータイプに変更されたものが存在する。代表的なのはかわいい系のポケモンの代表格でもあるピィ系、ププリン系、トゲピー系、ルリリ系など。
  • ポケパルレ
    • ポケモンを可愛がって絆を深める事ができるコミュニケーションモード。タッチペンでポケモンを撫でたり、ポフレというお菓子を与えたり、ミニゲームで遊んだりすることで「なかよし度」を上げることができる。
    • なかよし度が上がると戦闘時のメッセージが互いの信頼を感じられるものに変化する他、獲得経験値が上昇したり、相手の技を一定確率で回避するようになるなど戦闘面でもメリットが存在する。
      • ただし通信対戦やバトルハウスではなかよし度による恩恵は受けられないため、あくまでストーリー攻略や育成におけるお助け要素である。
    • 3DSの顔認識機能により、ポケモンがプレイヤーの表情や頭の動きを真似してくれる。逆にポケモンの表情をプレイヤーが真似するというちょっとした遊びもある。
  • スパトレ
    • ポケモンを育てる上で重要な「努力値*8」を獲得できるミニゲーム(シューティングゲーム)。
    • 努力値に加え、サンドバッグというアイテムも同時に入手できる。使用するとポケモンたちがひとりでに「ベーストレーニング」を行い、サンドバッグの種類に応じた効果を得られる。
      • ベーストレーニング中にタッチパネルを叩く事でポケモンのトレーニングを手伝う(=早く終わらせられる)事が可能。
    • 獲得した努力値は六角形のグラフ「ガンバロメーター」として可視化され、大まかにどのように溜まっているのか一目でわかる。
      • サンドバッグの一種のまっさらバッグを使えば、努力値をリセットできる。副次的な機能としてこの際にどの努力値が何ポイント減ったのか明示されるため、努力値が具体的にどれほど溜まっているのか確認することもできる。
    • また、努力値が完全に溜まったポケモンは裏スパトレに挑戦可能。難易度は相当高いが、クリアすれば進化の石などのレアアイテムを入手できる。
    • スパトレ自体が単純に、独立したミニゲームとして完成度が高く面白い。ポケモンごとにも個性を反映した性能差があるため、マンネリ化しにくい。
    • サンドバッグはただ放置するだけ、もしくは叩くだけだが、放置するなら同時進行でゲーム本編が進められるし、一緒に叩いた場合はすぐ終わるのでストレスになりにくい。
  • ローラースケート
    • 従来の自転車に加え、新たな移動手段としてローラースケートが登場した。自転車よりも遅いが、徒歩よりは早く、スライドパッドを入れればすぐに装着できるため手軽に使える。
    • 一回転、ちょい倒しなどの操作でトリックを決めることができるというお遊び要素も存在する。
  • ポケモンに乗る
    • 特定の地点で「メェークル」に乗って快適に移動したり、「サイホーン」「マンムー」で障害物を壊しながら移動できる。
    • 発売前からそこそこ大きく扱われていた要素だが、乗れる場所は限られている。
  • コミュニケーション
    • 言語選択
      • ゲーム開始時に言語を7か国(日本語・英語・フランス語・ドイツ語・スペイン語・イタリア語・韓国語)から選択できる。
      • ただし、一度決定すると途中で変えることはできない。
    • PSS(プレイヤーサーチシステム)
      • 前作の「Cギア」発展系といえるシステム。3DSの無線をオンにしていないと使用不可。
      • ポケモン交換・対戦、GTS、Oパワー(前作のデルパワーに相当)などの機能が集約されている。
    • ミラクル交換
      • ランダムで選ばれたプレイヤーとポケモン交換をする。どんなポケモンが送られてくるかは直前まで分からない。
      • 通常の交換と違いできるのは送るポケモンの指定だけで、強さの確認や条件の設定はできない。
  • 新たなバトルルール
    • スカイバトル
      • ひこうタイプや特性が「ふゆう」など特定のポケモンしか出場できないバトル。特定のフィールド上にいるスカイトレーナーと会話すると始められる。
    • 群れバトル
      • 野生ポケモンとのエンカウント時に確率で発生する。一度に5匹の野生ポケモンが出現する。
      • 出現するポケモンは通常と比べてレベルこそ低いものの数で攻めてくるため、範囲攻撃の有無が難易度を左右する。
      • フィールド技「あまいかおり」で意図的に発生させることも可能。また、低確率で隠れ特性持ちのポケモンが混ざる。
    • さかさバトル
      • タイプ相性が普通の逆になる異色のルール。通常の効果抜群が半減になり、半減・無効が抜群になる。
      • とある場所にこのルールでのバトルを持ちかけてくるトレーナーがおり、戦闘内容次第で報酬が変化する。
      • 頭の体操的な要素でなかなか好評だったためか、スペシャルバトル・シーズン4で採用された。
  • お楽しみ要素
    • キャラクターメイキング・着せ替え
      • 従来の作品と異なり、本作はゲーム開始時に主人公の肌色と髪色の組み合わせを3パターンから設定できる。
        さらに各街に配置されているブティックで衣類を買うことで、服装をコーディネートできたり、美容室では髪型や色の変更、カラーレンズで瞳の色など存分にオシャレを楽しめる。
      • 女の子で始めればさながら『わがままファッション ガールズモード』のような本格着せ替えゲー…とまではいかないものの、RPGのおまけ要素とは思えない程の衣装のバリエーションで着せ替えを楽しめる。
      • 移動中はもちろん、イベントやバトル開始時にも反映される。
    • 撮影スポット
      • HGSS』の要素が復活した。ゲーム中、特定の箇所で写真を撮影できる。撮影した写真は3DSのSDカードに保存される。
      • ピントや絞り、ホワイトバランスの調節が可能など、なかなかに本格的である。ただし手持ちポケモンは映せない。
    • トレーナープロモ
      • ポーズ、表情、音楽など様々な要素を自由に組み合わせて作る10秒間のPV。PSSで公開したり、他人の作ったトレーナープロモを見せてもらうこともできる。
      • カメラワークやエフェクトなど編集の幅は割と広く、単なるおまけ要素とは思えない程にやり込みの余地が存在している。
  • 施設
    • フレンドサファリ
      • 3DSのフレンド機能を利用した施設である。フレンドの名前を冠した広場と、2種類のポケモンが出現する草むらが設置されている。
      • 登録したフレンドコードによって出現するポケモンが変わるのが特徴で、条件をみたすことで3種類目と隠れ特性持ちも出現するようになる。
    • バトルシャトー
      • お金持ちのトレーナーが集まる施設で、爵位という独自のシステムがある。
      • 勝利数を稼ぐことで、バロン→ヴァイカウント→アール→…と爵位がランクアップし、出現するトレーナーが強化される。高ランクになれば本編で倒したジムリーダーや四天王も参戦するようになる。
      • 時間経過で次々とトレーナーが入れ替わる。お金を消費して案内状や挑戦状を送付することで、やって来るトレーナーの強さや所持金額、入れ替わり速度をある程度コントロールする事も可能。
    • バトルハウス
      • DPt』におけるバトルタワー、『BW』におけるバトルサブウェイに該当する。NPCと同一の条件でひたすら戦い続けるやりこみ施設。
      • 従来のバトル施設と違い、1戦ごとに連勝数を維持したまま中断したり、途中で手持ちのポケモンを変えることができたりと挑戦しやすいルールになっている。
      • バトルハウス周辺での買い物に必要な「バトルポイント」も、従来だと7連勝をしなければ1ポイントも貰えなかったが、1勝するたびに少しずつ入手できるように変更され、バトルに自信がないプレイヤーや欲しい分だけ稼ぎたいプレイヤーにとってとっつきやすくなった。

評価点

  • グラフイック
    • 3D化により、各種イベントシーン・バトルの臨場感・迫力が向上。
      • 攻撃時の行動により臨場感が大幅に上がった。
    • ポケモンもモーションやグラフィックは全て新規に作られており、2D時代のイメージや杉森氏の公式絵そのままにほぼ違和感なく3D化されている。捕まえたポケモンの3Dモデルはポケモン図鑑で全方向から鑑賞可能。
    • 人間も3D化されており、子供や大人も立体的に表現されている。ポケモンと暮らす世界の没入感を高めてくれる。人間のモーションも良く、主人公が小さな子やポケモンに話しかけるとしゃがむという細かい演出も用意されている。
  • ポケパルレ
    • バトルだけでなく、お気に入りのポケモンと触れ合って可愛らしい姿をたっぷり楽しめるとオマケ要素ながら高評価。
    • モーションの使い回しがなく、全てのポケモンに固有のアクションが用意されている
      • 撫でると特に喜ぶ場所や嫌がる場所が設定されていたり、撫でられない場所(ピカチュウの電気袋、身体がマグマのマグカルゴや氷のレジアイス等)があったり、ゲンガーはゴーストタイプなので撫でる手がすり抜ける(半透明になる)と作り込みも細かい。
      • ポフレの食べ方も個性的。3つの首があるサザンドラはそれぞれが競い合うように貪り食う。ガルーラはお腹の子供と一緒に食べる。サーナイトは両手を前に出してこぼさないよう丁寧に食べる。蛹のトランセルやコクーンは口がないのでそもそも食べられないなど。
      • イーブイのような小型ポケモンは、ポフレを目の前で見せびらかすと両手や頭部を振って「はやくちょうだい」の動作をする。かわいい
    • 捕まえたポケモンを片っ端からポケパルレで反応を見てしまうためストーリーが進められないという嬉しい悲鳴も。
  • ミラクル交換
    • 通信交換時の手間を極力省いており、気軽にかつテンポ良くポケモン交換を楽しめる。図鑑埋め、ボックス整理、強いポケモンの入手、暇つぶしなど目的は千差万別。
      • 前作のランダムトレード機能だったGTSネゴシエーションは、直前でキャンセルされたり、そもそも見せびらかすだけで交換相手に送る気がなく成立しないことが多かった。GTSも問題点で挙げられるような難がある。その点ミラクル交換にはこうした不満点が一切ないため、不快な思いをすることが少ない*9
    • 厳選の過程で入手した大量のポケモンの処理にミラクル交換を利用するプレイヤーもいる。
      送り手としては里親探しの感覚で送ることができるので「にがす」事に後味の悪さを感じていた人にはありがたい。
      貰い手としても貴重な隠れ特性のポケモンや孵化余りを無償で得られる可能性があり、積極的に利用する価値がある物となっている。
    • その辺で捕まえた適当な野生ポケモンが流れてくることも多いが、その場合でも「IDくじが当たる可能性が増える」「PGLで使う通貨であるポケマイルが貯まる」というメリットがある。
      • IDくじは1日1回、持っているポケモンのIDを参照するくじ引きであり、当たればポイントアップやふしぎなアメ、運が良ければマスターボールといった有用なアイテムを貰える。
        異なるIDのポケモンを多く持っているほど有利なのだが、少ないと滅多なことでは当たらないため、IDの種類を増やすだけでも価値はかなり大きい。
  • プレイ環境の改善
    • レポートにかかる時間が大きく短縮され、ほぼ一瞬(初代並み)になった。
    • バトルビデオ、配信ポケモンの保存数の上限が増加した。
    • わざマシンのラインナップが見直され、「あくのはどう」「はねやすめ」など、『BW』で消滅した有用な技が復活した。
    • レーティングバトルで対戦中に切断をすると、切断した側が負けになるようになった。
      • これまではレートを維持する目的で故意的な切断が当たり前のように横行していたため、ようやく通信環境がまともになったと言える。
  • 厳選難易度の大幅な緩和
    • 伝統的にポケモンには非公式に「個体値」と呼ばれるマスクパラメータが設定されており、同じ種類のポケモンでもステータスが微妙に異なっている。その一方で、対戦をやりこむとなると個体値V*10を持ったポケモンが必要であるとされてきた(例外もある)。当然ながらどんな個体値を持ったポケモンが出るかは運次第であり、理想個体を手に入れるためには「廃人*11」と呼ばれるほどのやり込みが必要であった。
    • このため対戦に至るまでのハードルがあまりにも高くなりすぎている問題点があった。本作ではそれを解決するため、この個体値の優れたポケモンを手に入れるための「厳選」の難易度を大幅に緩和するようなシステムがいくつも取り入れられた。
    • どうぐ「あかいいと」を持たせて育て屋に預けると、両親から遺伝する個体値が通常3か所なのが5か所になる。タマゴグループが同じで個体値6Vのポケモンを確保さえすれば厳選が大幅に楽になる。
    • 6Vが用意できなくても、「4Vと4Vを掛け合わせる」から現実的な確率で5Vが生み出せる*12ため厳選難易度は大幅に下がった。
    • エンディング後に解禁される「ポケトレ」の連鎖や「フレンドサファリ」で出現するポケモンは必ず個体値Vを持っている。後者は3DSに登録した相手のフレンドコード次第で貴重なポケモンを大量入手できる可能性もある為、厳選難易度の緩和に繋がっている。
      • 伝説のポケモンやベイビィポケモンなどの「タマゴみはっけんグループ」のポケモンが野生で出現した際には、最低3Vも保証される。本作でも伝説のポケモンは強制捕獲イベントでの入手となるが、これにより厳選する場合でもあまり時間を取られずに済む。
    • ♂又は性別不明の隠れ特性×メタモンの組み合わせでも子に隠れ特性を遺伝できるようになり、これらの理想個体も入手が容易に。
      • ♀のポケモンは、そのポケモンを捕獲したボールが子に受け継がれるようになった。ボールに拘るいわゆるオシャレボールが好きな人には朗報。
    • やりこみユーザーが望んでいたL=Aのボタン設定が復活し、厳選が片手でできるように。
    • 手持ちに入れるとタマゴ孵化が早くなる特性「ほのおのからだ」を持ち、マップ移動ができるひでん技「そらをとぶ」を習得可能なポケモン・ヒノヤコマとファイアローが登場。
      • この2匹は進化前を序盤で入手可能で進化に必要なレベルも低い。一応『BW』でも「ウルガモス」がその条件を満たしてはいたが、用意するのは少々面倒だった。
    • これらの要素のおかげで、初心者・経験者を問わず対戦のハードルが大幅に緩和された。
  • 育成環境の充実
    • 上記のようにポケモンを捕まえることでも経験値がもらええ、さらに「がくしゅうそうち」の仕様も変更されたためポケモンのレベル上げが非常に楽になった。
    • きそポイント(努力値)上限が252*13に設定されたことを筆頭に、育成を楽にするための配慮が随所に見られる。
    • きのみ育成
      • 『BW』とは違いきのみ畑がゲーム内に存在する。しかも育て屋の近くに配置されており、畑の面積も旧作より拡大している。下位のきのみの組み合わせで突然変異が起き、上位のきのみなどが出てくるといった新要素もある。きのみ育成の幅がさらに広まった。
      • ただし水やりや害虫駆除といった問題点もある(後述)。
    • スパトレ
      • スパトレによる努力値稼ぎはスパトレ自体のミニゲームとしての出来の良さもあり、作業感も緩和された上に、溜めた努力値の可視化によってわかりやすく効率的な育成が可能となった。
    • 群れバトル
      • 同時に5体出現するため、一度に得られる努力値の量も5倍になる。パワー系アイテムの+4も一匹ごとに加算され、さらに獲得努力値を2倍するポケルスと併用すれば一回の戦闘で最大60稼げる。従来の作品よりもはるかに速いスピードで努力値稼ぎができるようになり、育成にかかる時間が大幅に減少した。初心者・上級者双方に喜ばれている。
      • ただ雨による影響など、若干の問題も残している(後述)。
    • わざ思い出し
      • ポケモンによっては高レベルで習得する技がレベル1技として設定されているため、思い出しを使えばレベル上げ無しで必要なわざを揃えられるようになり、育成の手間が軽減された。
  • 各種施設
    • バトル施設の獲得ポイント増加・難易度低下も相まって、対戦に必要なアイテムを揃えやすくなっている。
    • もちろんレベル上げやお金稼ぎも簡単。レストランやバトルシャトーを利用すれば、経験値もお金も効率よく得られる。
    • ポケモンの持ち物枠を使用せずに、複数のポケモンのレベル上げや努力値稼ぎが同時にできるようにもなった。
  • 経験値の仕様変更
    • 経験値の仕様が第5世代から再度変更され、レベル差による補正がなくなりレベル1を一気に50程度まで上げるということはできなくなった。
    • その代わり複数のポケモンを出した場合でも経験値が分割されなくなり、一々自爆要員を用意せずともよくなった。
    • レベルアップで進化するポケモンは、本来進化しているレベルで進化キャンセルを続けているとその間獲得経験値が1.2倍されるようになった。これはポケパルレ等での獲得経験値上昇補正と重複するので、レベル進化のポケモンはかなりレベルを上げやすい。
  • 対戦バランスの調整
    • 上述の通り、本作では対戦環境に大幅なテコ入れが行われた。
    • フェアリータイプの登場により、これまで対戦で猛威を振るっていたドラゴンタイプが弱体化。逆に攻撃面で不遇とされていた、どく・はがねタイプはその価値が上昇した。
    • 他、あくタイプはフェアリーに弱点を突かれるので採用率が減るかと思いきや天敵のかくとうが大幅に減少した上、はがねにあくが等倍で通るようになったので、意外にも動きやすくなった。
    • メガシンカによる新たな駆け引き。メガシンカするタイミングは自由で相手を惑わすなど、単純なパワーアップ要素にはなっていない。
      • 問題点の項目で挙げるような難点もあるにはあるが、持たせるアイテムがメガストーンで固定、1バトル中にメガシンカできるのは1匹のみという制約はあるため、むやみやたらと使えばいいというものではない。
    • 「ねこのてレパルダス」をはじめ、問題視されていた幾つかのハメ・持久戦法にも調整が入り、戦法そのものが不可、或いは弱体化という変更がなされた。
      • 具体例として、「しびれごな」等の粉系の技や特性はくさタイプかどうぐ「ぼうじんゴーグル」持ちには無効化される、催眠ターンリセットがなくなった、「ねこのて」で遅延行為の技が出ないようになった、「ハイパーボイス」等の音系の技か特性「すりぬけ」持ちは「みがわり」を無視して攻撃が可能になった、天候を変える特性はターン制限が生まれたことにより俗に言う「無限戦術」が実質的に不可能になったなど。
    • 技の効果にも過去最多レベルで調整が入り、特殊効果付きの大技は軒並み威力を低下させられた。
      • 特に、多数のポケモンがサブ技として使用している「めざめるパワー」は、従来は個体により30~70と幅があった威力が60に固定された。厳選が楽になった一方で最大値が下げられた形になるため、対戦時にポケモンによっては倒せない相手が出てくるなど対戦環境に大きな影響を与えた。
  • GTS関連
    • 欲しいポケモンを検索する際、ポケモンの名前を直接入力して指定できるようになった。図鑑に姿が登録されていないポケモンでも問題なく探せるようになり、使い勝手が上がった。
    • GTSで自分の持っているポケモンで交換が成立するように表示を変えられるようになった。
    • 「特別なポケモン*14」を募集している人も弾けるようになり、前作までであった「要求してるのは伝説のポケモンばかり」というのを見なくて済むようになった。
    • 検索結果表示の上限が撤廃された。検索妨害の要求は交換が成立しないため古い順に埋もれていくようになったので、どこからが検索妨害なのか見当がつくようになっている。
    • コメント欄
      • 本作から、交換するポケモンを出す時に短い文章を付けることができるようになった。「せいかくはいじっぱりです」「かくれとくせいです」など、自分の出すポケモンの詳細を書くことができる。貴重なポケモンであるということをアピールできるため、図鑑埋めに利用する際は重宝する。
      • 但し、この機能が悪用されることで発生した新たな問題もある(後述)。
  • ストーリー・キャラクター
    • 前々作『BW』はキーキャラクター「N」の複雑な背景などややシリアスで異質な雰囲気に賛否が分かれていたが、本作では主人公の友達が旅に同行するという設定のお陰で、全体的に明るく賑やかな雰囲気になっている。
    • 過去シリーズは「(手持ちのポケモンを除けば)孤独な一人旅」という印象を受けたが、本作では「仲間と共に旅する」というオリジナリティ溢れるものになった。
      • 友達は、クールで大人びているが主人公にはライバル意識を持っているカルム/セレナ(主人公として選ばなかった性別になる)、明るくて元気なサナ、ダンス好きのティエルノ、学者肌のトロバの4人。彼らは主人公をあだ名で呼んでくる他、バトルや共闘など豊富なイベントで旅を彩る。
      • ただし『BW』と同じく設定過剰な脇キャラの存在などの問題点も引き続きある(後述)。
    • マップも前作と同じく円環状だが、中心都市のミアレシティに何度も訪れる必要があったり、寄り道できる場所が多かったりと、BWで指摘されていた一本道感はある程度改善されている。
    • また本作ではシリーズで初めて、最初にポケモンをくれる博士とバトルが可能
      • フシギダネ・ヒトカゲ・ゼニガメのカントー御三家も1匹貰って旅することができる他、所々に初代を意識させる演出があるため旧作からのファンならニヤリとできる。
  • 高品質なBGM
    • ハードが進化したことで内蔵音源に頼らない音楽をストリーミング再生できるようになり、過去作にないタイプの曲調の楽曲も増えた。
      • その一方過去作より継続して使われる「8分音符のベースライン」を踏襲しており、マーチ調の楽曲を採用する等「ポケモンらしさ」もちゃんと失われていない。
      • 個別の楽曲を挙げると、テクノ調でアングラ感溢れる「カロス発電所」、儚い雰囲気の「エイセツシティ」、クリア目前で流れる晴れ晴れとした曲調の「18番道路」などの人気は高い。
  • その他
    • シリーズでは珍しく、1個200円でプレミアボールを単品購入できる。ボールにこだわるプレイヤーには嬉しい仕様。
      • プレミアボールは、本来ならばモンスターボールを10個以上まとめ購入した際のオマケ品。
        性能は通常のモンスターボールと変わらないのだが、見た目やエフェクトに特別感があるので、あえてこちらに目当てのポケモンを入れたがるプレイヤーも少なくはない。

賛否両論点

  • 新規ポケモンの少なさ
    • 本作で追加された新ポケモンは72種類で、シリーズで最も少ない。
    • ただしメガシンカ28種*15を合計すれば歴代と同等の水準ではある。
  • ストーリーの難易度
    • 前述の通りがくしゅうそうちの仕様が変更されたことで従来よりもパーティー全体のレベルが上がりやすくなり、ストーリー攻略の難易度が低くなった。ポケモンを捕まえた際に、倒した場合と同等の経験値が入るようになった点も大きい。
      • その分、敵トレーナーのレベルも高めに設定されているが、普通にトレーナーを倒して進めた場合はかなり余裕のあるレベルにまで勝手に育つので、四天王やチャンピオンもレベル差のゴリ押しで簡単に突破できる。
      • 御三家枠のポケモンを序盤から2匹も貰えるのに加え、中盤に強力なメガルカリオをイベント入手できるのも低難易度化に拍車をかけている。
    • もっとも、ゲームに不慣れな子供がメインターゲットである事や、ストーリーを早く終えて育成と対戦に専念したいプレイヤーの事を考えると一概に悪いとも言いきれない点である。
    • また、本作は上述の通りストーリー中に入手可能なポケモンの種類が非常に多い。捕獲したてのポケモンを速やかに実戦投入出来るレベルまで育てることが容易…と考えればバランスが悪いとは言い切れない。ゲームバランスよりもパーティ構成の自由度の高さを優先しているようだ。
    • 2~3チーム分くらいのポケモンをこまめに入れ替えながら育てていると、おおむね程よいくらいの難易度に落ち着く。多くのポケモンたちと触れ合いながら旅ができると考えるなら、そこまで悪い調整でもない。
    • なお、縛りプレイの範疇にはなるが、がくしゅうそうちをオフにする事もできる。
  • サウンド
    • 前作『BW2』までのポケモンの鳴き声が一新された。開発によるとグラフィックの3D化に伴い、今までの電子音ベースの鳴き声からよりリアルで生物感のある鳴き声に近づけた方が良い、という方針で行われたらしい。
    • 特に初代のポケモンの鳴き声は「リザードンとサイホーン」、「ワンリキーとオムナイト」のように別種にもかかわらず微妙に違うだけのものが多かったが、差別化されより個性的になった。
      • その反面チープになってしまったものも。特に顕著なのがリザードンやライチュウ辺りで、前作までの力強い鳴き声から弱々しい機械的な音声へと変わっているなど不評な面も。
      • この二体ほど極端でなくとも、長らく旧作のポケモンの鳴き声を聞き続けて慣れ親しんでいた古参のプレイヤーからは戸惑いや違和感、抵抗感を訴える声も少なからず上がっていた。
    • ピカチュウの鳴き声
      • 前述の通り、全ポケモン中ピカチュウだけが声優(大谷育江氏)によるアニメと同様のボイスなため、他のポケモンと比べてかなり浮いている。
      • ピカチュウのボイスがアニメ版と共通のものになっているゲームはこれまでにも存在した(『初代ピカチュウ版』『ポケパーク』など)が、それらはアニメ版がベースであり、ピカチュウが大々的に「特別扱い」されているゲームであるという、という前提がプレイヤーにあるため気になりづらかった。しかし本作ではピカチュウは数あるポケモンのうちの一種に過ぎないという前提があるため違和感を覚えやすい。
      • ピカチュウの進化前であるピチューや、進化後であるライチュウの鳴き声は他のポケモンと同じ仕様なので、進化したとたん喋り出す、更に進化するとまた喋らなくなるという違和感も強い。
      • 開発側は雑誌記事で「(アニメ版の)ピカチュウの声が全世界共通であるため実現できた」と語っていたが、プレイヤーからの評価は賛否両論である。
    • BGMは音質が格段に向上し評価点で挙げたような人気の楽曲もある半面、メロディよりも音色やリズムを重視する楽曲が増えたため、「印象に残りづらくなった」という声もある。
      • 特にジムリーダー戦の楽曲は「テクノ調で緊迫感のあるフレーズを繰り返す」という歴代でも極めて異質な曲になっており、「新鮮味があって格好良い」という声もあれば「盛り上がりに欠ける」という声もあり賛否両論。
  • 特性に関する仕様
    • 既存のポケモンたちの所持特性に対する調整・変更も行われ、前世代までの問題点はあらかた改善されているが、新たな問題が発生した例もある。
    • 通常・隠れと合わせて3枠ある特性の中で、枠が余っていたポケモンの一部にもう1つの特性が追加された。
      • この弊害を受けたのはテッシードとその進化形のナットレイ。ナットレイは通常特性が「てつのトゲ」で、隠れ特性に「きけんよち」が追加された。一方、テッシードは通常特性と隠れ特性が両方とも「てつのトゲ」で、内部的には隠れ特性でも進化させてみないとその判断がつかない。
      • 前作で同じ問題が起きていたムックルは本作で改善されているので、製作側はこの問題を把握しておきながら同じミスをしてしまったことになる。おまけにこのテッシードの問題は次世代以降も修正されていない。
    • 特性をもう1つのものに切り替える道具「とくせいカプセル」が実装された。従来より要望が多かった機能で、これの登場自体は歓迎された。
      • しかし、隠れ特性に関してはこれを使用しても「通常→隠れ」もその逆もできない。これに関しては説明文にも書いていないため、実際に使用して落胆するプレイヤーが多かった。
  • ジュエル系アイテムの削除。
    • 一度だけ対応するタイプの技の威力を1.5倍に引き上げるアイテムだったが、ノーマルジュエル以外削除された。そのノーマルジュエルも強化倍率が1.3倍に減少したので用途が狭まった。
    • 第5世代では同じ強化倍率を持つ「こだわりハチマキ/メガネ」のような制限もなしに確実に1匹倒したあとそのまま居座り続けられる、公式大会では使用率トップクラスの強力なアイテムだったため、バランス調整のための削除と思われる。
      • しかしジュエルとの相性が非常にいい技「アクロバット」や特性「かるわざ」を軸に戦っていたポケモンは戦術変更を余儀なくされるなど影響を受けてしまい、結果的に戦術の幅が狭まってしまった。
      • ジュエル初登場の『BW』ではジュエルとの併用が前提になっているであろうこれらの技や特性も同時に登場しているため、前世代での試みを本世代で早々に切り捨てるという後味の悪い調整になってしまった。「せめて強化倍率は下げていいから再登場してほしい」との声もある。
  • さかさバトル
    • タイプ相性が入れ替わると言う面白いアイデアなのだが、いかんせんタイプの強弱差が通常よりも激しくなっている。
      • 最強タイプはノーマルタイプ。タイプ相性を見ると、攻撃すれば半減なし・攻撃を受けても弱点は威力が低いゴーストタイプだけ。後述の「メガガルーラ」を止める手段は更に減り、その他にも強力なノーマルポケモンは少なくないため「ノーマルゲー」と揶揄された。
      • 仕様の都合上、通常バトルで弱点の多かったくさタイプやこおりタイプなどは強化されているが、はがねタイプは弱点が11個だったり、いわタイプは弱点がメジャーどころばかりのためにどうしようもないことに。
    • ただし本作のさかさバトルは、ストーリー後半に寄り道できる特定の場所で、一日一回挑戦できるだけ。完全にオマケ要素の域である。一応、さかさルールの公式戦が開かれていた時期もあるが、それすら極めて限定的。
      • このため本作内での逆さ相性はゲームにほとんど関与してこない。
      • 「せっかくの新要素なのに影が薄すぎる」と惜しむ声はあるが、さかさバトルも積極的に行われるようになると、ライトユーザーや低年齢層がタイプ相性を覚える敷居が上がってしまう可能性も否めない。
  • フリーバトルで禁止伝説級ポケモンが解禁された。
    • ゲームの花形とも言えるポケモン達をインターネット対戦でいつでも使えるようになった事に喜ぶプレイヤーもいる一方、これらのポケモンは一般ポケモンより圧倒的に高い能力を持つため、「レーティングバトルで使用するパーティの試運転」や「マイナー・ネタパで気楽に遊ぶ」といったプレイにしわ寄せが来る結果にもなった。
    • 次世代の『サン・ムーン』のフリーバトルでは、伝説のポケモンが使用可能なルールと禁止のルールを選べるようになり住み分けがなされた。

問題点

ストーリー面

  • 掘り下げ不足のキャラクターが多い。
    • 4人の友達、AZ、プラターヌ博士、博士の助手デクシオとジーナ、敵組織のボス、チャンピオン。様々なキャラで出番を食い合った結果、それぞれの掘り下げ不足が発生している。
    • 先輩トレーナーのデクシオとジーナは主人公たちの行く先々に現れ図鑑のアップデートなどをしてくれるサポートキャラなのだが、ポケモンバトルや共闘のイベントが一切無いため肝心の見せ場が無く、存在意義が怪しい。出番の割に公式イラストも存在しない。
      • 続編『サン・ムーン』で再登場し、デクシオはエスパータイプ使い、ジーナは氷タイプ使いとしてバトルすることができるようになった。またメガリングを主人公に託したり、ジガルデのイベントに絡んだりと描写も大きく補完された。
    • ビオラの姉のパンジーも、発売前から情報が出ていたにもかかわらずほとんどイベントがなくモブキャラ同然。
    • 従来通りポケモンリーグの最後で戦うチャンピオンも、ストーリー中に出会うのはたった2回のみと出番が少なすぎるため、正体を明かされても釈然としない。これまでのチャンピオンのように主人公と一緒に成長したり、先輩トレーナーとして主人公を導くこともない。クリア後ストーリーの関係で「悪の組織打倒を手伝う」展開が難しいという事情もあるのにはあるのだが。
+ 友達について(ややネタバレ有)
  • 今までは主人公と一緒に旅立つ子供たちは1~2人だったのに対して、今作では4人という大所帯である。
    各人が親しくしており和気あいあいとした雰囲気がある反面、一定の出番がありキャラクター性がまとまっているサナ以外の3名は描写不足が目立つ。
    • ライバル扱いの カルム/セレナ は勝気なキャラで、仲間内でも「ポケモンバトルが強い」ということが語られている。実際、ポケモン初心者が彼/彼女を相手に手こずったという話はよく出てくる。
      一方で、クリア後のバトルまではメガシンカも使わず手持ちポケモンも6匹持ちにならない。上記の通り今作は仲間にできるポケモンや入手できる道具が多く、強化されたがくしゅうそうちやスパトレ、ポケリフレ等といった初心者でもバトルに有利になれる要素が充実していることから、これらの恩恵をしっかり受け取っていると描写に見合うほど強いとは感じにくい。
      • ゲームの都合上やむを得ないが、主人公との対戦には全て負け、活躍させるためのかませ犬に該当する敵もいないため、「ポケモンバトルが強い」という個性をあまり活かせていない。
      • また、今作では主人公とライバルが同時に道具をもらうイベントが二度あるが、ライバルが受け取った道具をクリア前ストーリーで活用したり言及する場面が一切無い。
      • 皆で集まって「○○しようよ!」という場面で別行動していることがあり、これらも描写不足の一因になっている。
    • ダンス少年ティエルノは「イベント内で時々ダンスを披露する」「『つるぎのまい』や『はなびらのまい』といった踊り系の技を覚えたポケモンを繰り出す」等随所にダンス要素が見られるが、前者は(シリアスな場面が増えていくので仕方ないのかもしれないが)シャラシティ以降徐々にやらなくなっていき、後者は19番道路でバトルするまでの戦う手持ちが「つるぎのまい」を覚えたヘイガニのみと、キャラクターの味付けが薄い。
      • 過去作ではダンスのようなパフォーマンスと関連付けられたであろう寄り道要素があったのだが、本作にはそういったものがないため、何か違う要素をピックアップするキャラにした方がよかったのではないか。
    • 学者肌の少年トロバは、「ポケモン図鑑を完成させることを目指す」という王道な目的を持っている。その動機も「幼いころ見た名も知れぬポケモンを探すため」というロマンチックなもの。旅先で何度か図鑑の完成度勝負を主人公に挑んでくる。
      しかし、肝心の完成度勝負がよほど意図的に戦闘回避し続けない限りほぼ確実に主人公側が勝つため、本当に収集しているのかと疑問符がついてしまう。
      • ミアレシティに家があり、そこでは家族関係に関するセリフもあるのだが、作中ではこの設定も活かしきれていない。
  • 終盤のフレア団アジトに乗り込む際、カルム/セレナは主人公と共闘し、サナもイベント内で活躍が描写されるが、トロバとティエルノは別行動となる。
    • 後者二人は一応10番道路でポケモンたちを助けていたという理由付けはあるが、カルム/セレナとサナに比べると影が薄い印象が拭えない。
  • カルム/セレナとはストーリー上で5回戦うが、サナ・トロバ・ティエルノと戦うのは序盤と終盤の2回のみとバランスが悪い。
+ 「AZ」について(ややネタバレ有)
  • 物語中盤から登場する謎の大男。
    • その正体は「3000年前のカロス地方の王」であり、「最終兵器を使って戦争を終わらせた」「数千年の寿命を持っている」等これまでのポケモンの世界観とは一線を画するような壮大な設定が多く付いている。
    • しかし、これらの設定や背景はすべてイベント内のムービーで一気に語られるのみであり、プレイヤーが感情移入するのは困難。
  • キーパーソンであるにもかかわらず、そもそも登場機会自体が少ない。その割には、エンディング直前に登場して対決することとなるため、設定上の重要性と描写や出番が全く釣り合っていない。
    • 伏線もほぼないような状態で、しかも本筋の事件は解決しきった後からいきなり現れ物語の締めを持っていくので、唐突感がすさまじい。
  • 名前の付け方も含め、『BW』のNと重なる部分も多い。が、出番が少ない分Nよりも主人公を食わず、悪目立ちせずに済んでいるという皮肉な結果にもなっている。
  • 内部データの解析により、通常プレイでは入手できないAZのイベントに関連する特殊なフラエッテが存在することが明らかになった……のだが、結局日の目を見ることはなくそのまま没データになってしまった。
+ 四天王の1人について(ネタバレ有)
  • 四天王の1人でニュースキャスターでもある「パキラ」だが、クリア後のイベントにより、彼女がフレア団の一員であったことが明らかになる。
    • 四天王が悪の組織に属していたという衝撃的な展開であるが、彼女のフレア団員としての活動の詳細や、その後のイベントは無いため消化不良感が強い。
+ 敵ボスの言動について(ネタバレ有)
  • 本作の敵組織のボスは、ポケモンバトルの負けを受け入れずそのまま目論んでいた行為を実行してしまうという一幕がある。
    • これまでの敵はどんな悪人であっても、負けたら素直に降参するのがほとんどだった。子供向けの作品らしい「ポケモンバトルが全てを決める」世界観への反逆行為とすら言える。
      • ただし、本作の次に発売された「ORAS」では降参せず実行した。リメイク前では降参の有無をいう前に実行されている。
    • ただし実のところ、これまでの敵の大半は、負けた時点で野望の完遂が不可能となる状況へ追い込まれていたり、負けを認めるだけの本人側の動機を持った人物だったりしていた。
      • つまりこの面において、世界観の不文律を壊してしまったわけではない。今作のボスは逃走手段があるから逃げる、負けを認める理由がないから受け入れないと、当然の対応をしているだけではある。
    • とはいえ裏を返せば、過去作のシナリオではポケモンバトルの勝敗は尊重され続けてきていたため、もう少し工夫をして欲しかったところではある。
  • 「みずしゅりけん」の分類。
    • 故意なのか過失なのかは不明だが液体で攻撃するにもかかわらずぶつりわざになっている。しかもこれを習得できるポケモンはこうげきよりもとくこうの種族値が高い。
      • ゲッコウガの専用わざにもかかわらずゲッコウガが使うとイマイチ威力を発揮できないという事態になっている。「ORAS」から習得できるようになったアギルダーも同様。
      • 流石に「サン・ムーン」からは特殊わざに変更された。
  • ストーリーにおけるはがねタイプの用意のしづらさ
    • 今回追加されたフェアリータイプ対策にしようにも、全面的にはがねタイプのポケモンは「ヒトツキ」をはじめ中盤になる頃までレベル上げをしないもはがねタイプの技を覚えないポケモンが多い。
      • ルカリオも同様で、レベルアップで覚えられるはがねタイプの技は「メタルクロー」を思い出させるしかない。「ラスターカノン」のわざマシンは殿堂入り後。
  • 伝説のポケモン「ジガルデ」
    • ゼルネアスとイベルタルを制圧する3匹目の伝説のポケモンという設定だが、洞窟の奥にいるだけでイベントがほとんどない。
      • またアニメ映画でフォルムチェンジが可能なことが明らかになったが、ゲーム内ではフォルムチェンジの方法が存在しない。
    • 『エメラルド』のレックウザ、『プラチナ』のギラティナ、『BW2』のキュレムと同様、シリーズ恒例のマイナーチェンジ・続編でイベントが追加されると思われていたが、大方の予想を裏切り『Z』バージョン*16が出ることなく次世代の『サン・ムーン』に移行してしまった。
      • 「ORAS」でもイベントはなし。そもそも「XY」から連れ込むしか入手手段がない。
      • もっともその『サン・ムーン』では各地に散らばるセルを集めることでフォルムチェンジが可能になるなど描写が補完された。

UIや新要素の問題点

  • キャラクターメイキングにおける男女格差
    • 新要素のキャラクターメイキングでは主人公の着せ替えが楽しめるが、販売されている洋服などの量に男女で明らかな差が出ている。
      • 平等なのは髪色のバリエーションくらい。洋服は女性用のものが2倍で、髪型は前髪の差分を含めると3倍の差が出ている。
    • ただし、現実世界でもオシャレの幅は男性より女性の方が圧倒的に広いため、仕方ない部分ではある。
  • ローラースケートの仕様
    • 自転車より遅く、徒歩と比べると微調整がしづらく人や地形に引っかかりやすい。また草むらに入ると移動速度が大きく下がり、徒歩のBダッシュ以下になる等不便な点が見受けられる。
    • スライドパッドの移動は自動的にローラースケートになってしまうので、スライドパッドでの徒歩移動ができない。
      • スケート移動はクセが強いので、スライドパッドでも歩けるように設定を切り替えできるようにして欲しかったという意見もある。
  • ポケトレの問題点
    • 自転車やローラースケート使用中は「ポケトレ」が使えない。「ポケトレ」使用中に使うと連鎖が失敗してしまう。うっかりパッド操作して連鎖が中断してしまうこともあり邪魔になりがち。
    • 作中では「ポケトレ」の機能や使い方についてほとんどヒントがなく、外部の情報に頼らない限り、どうすれば使えるのかも非常にわかりにくい。
      • 上記の通りローラースケートにより中断するというのが大問題で、普段パッドで操作していると何故連鎖できないのかさっぱり理解できない仕組みになっている。この点もローラースケートの評価を下げている。
  • 伝説・幻のポケモンに関する問題点
    • ゼルネアス・イベルタル(パッケージ絵の伝説のポケモン)
      • ストーリー終盤で捕獲イベントが発生するが、無視して進めることができない(倒してもすぐ復活する)。同様のイベントがあった『BW』だと強引な方法でスルーもできたが、本作では対策された結果、同ポケモンはこのタイミングでしか捕獲できず、前作のような殿堂入り後に復活するといった救済措置はない。
        よって、多くのプレイヤーがストーリー進行と個体値厳選のジレンマに悩まされた。ただ、今作から固定シンボルのポケモンは 3V以上確定 なので、厳選難易度はやや低下している。それでも、「殿堂入り後の捕獲チャンスが欲しかった」と言う声は大きい。
      • また、今作では焦点が3000年前の戦争に当てられているため、本編中この二匹に関して全くと言っていいほど掘り下げられていない。
    • 『赤緑』に登場した伝説の鳥ポケモン「ファイヤー」「フリーザー」「サンダー」
      • 1つのデータにつきいずれか1匹しか入手できない。しかも3匹のうちどれが出るかは最初にどのポケモンを選んだかと連動しているので、対応するのがほしいポケモンではなかった場合は初めからやり直す必要がある。
      • 出現するのは殿堂入り後で、カロス地方各地を徘徊しているが遭遇しても戦うことはできず、11回遭遇したあとにダンジョンに行く必要があり、面倒な作業をこなす必要がある。特性「ありじごく」や「かげふみ」も無効である。
      • 「ORAS」からの連れ込みも効かず、ポケシフターの方が得策かもしれない。「FRLG」「Pt」「HGSS」では3種とも1つのデータで入手できる。
  • ディアンシー(映画特典)
    • ポケモンセンターで受け取るときに、1分程の会話イベントが発生する。イベント終了までディアンシーの能力は確認できない。ディアンシー必須のインターネット大会「ダイヤストーム」の存在により厳選を考えていたプレイヤーは多かったため、この仕様は大きな反感を買った。
    • 会話イベントの内容も、見知らぬ人間に唐突にディアンシーを渡すよう迫られるというものである。図鑑に載っていないエピソードが判明するなど、決して見所がない訳ではないのだが、会話を見たプレイヤーに不快感を与えかねない内容である。
  • スカイフォルムのシェイミがインターネット大会で使用不可能
    • 「ボックスに入れると通常フォルムに戻ってしまう」仕様により、バトルボックスに入れた状態では使うことができない。それが求められるインターネット大会にはスカイフォルムで参加できなくなっている。ペラップのように何らかの形で改善して欲しかったところ。
  • ビビヨンの模様
    • 全部で18種類あるビビヨンの模様は最初にゲームを始めた時の地域情報に依存している。
      • そのため、3DSの地域情報を後から変更しても模様は変わらない。もっとも日本国内しか地域設定できない日本版3DSだと一部の道県*17を除き「みやびなもよう」になるので、あまり意味はないが。
      • また別の地域産でタマゴを作っても現在プレイしている地域の色となるため、気に入った模様のビビヨンが手に入ってもその模様のビビヨンを増やすことは不可能。
    • 様々な地域を設定できる北米版・欧州版3DSだと10種類以上の模様が入手できるが、国内版・北米版・欧州版でしか入手できない模様*18もあるので自力で全種集めるには国内版・北米版・欧州版の3つが必要。
      • 3DSにはリージョンロックがあるため、本体だけでなくその本体の地域にあったゲームソフトも入手する必要がある。
    • 国内版しかもっていない場合は4種類の模様しか入手できないため、北米版・欧州版でしか入手できない模様のビビヨンがほしい場合は必然的にミラクル交換やGTSに頼ることとなる。
      • しかし、GTSで流通しているビビヨンの半分以上は国内版でのみ入手できる「みやびなもよう」。ビビヨン希望でポケモンを預けても大抵この模様のビビヨンと交換されるため、忌み嫌われる存在となってしまった。
  • GTS関連
    • 上述の通り特別なポケモンを除外できるようになったため希少度が釣り合わないポケモンを要求してくる物に関してはある程度除外できるようになったのだが、もう一つの過去作より続いている問題点である「仕様上、絶対に成立しない条件を選択できてしまう」という点は改善されなかった。
      • このため特別なポケモンを弾いても、こうした検索の邪魔になるような要望が残り続けることになった。
    • 特性・性格・カロスマークの有無を指定できない。コメント欄で要望を出すことはできるが、希望通りの個体を出してくれるかは相手の良識次第となる。もっとも、細かく指定できてしまうと、今まで以上に身勝手な要求が氾濫する危険性も孕んでいるが…。
    • コメント欄の問題
      • コメント欄に実際のステータスや特性とは違う情報を記述することで騙すプレイヤーが存在する。ポケモンのステータスが交換する側からは視認できないこともあり、コメントの真偽は交換するまで確かめられない。
      • 翻訳機能がない。複数の言語で書けるほどの文字スペースもないため、外国人に意図を伝えることが難しい。略称を用いたり英語で書いたりすれば通じやすくなるが、すると今度は略称が分からない初心者や英語が分からない国内ユーザーに伝わらなくなる。
      • ドイツなどではゲーム中の日本の表記が「JPN」ではなく「JAP」となっており、蔑称と知ってか知らずかコメントにJAPと書くユーザーが見受けられた。
  • フレンドサファリ関連
    • 自分のフレンドサファリに行けず、何が出るかも一人では確認できない。
      • あくまでフレンドとサファリを交換することを前提に作られており、自分のフレンドサファリは交換材料でしかない。
    • サファリの出現ポケモンは登録相手のフレンドコードに依存するという仕様が原因で、有用なポケモンが出現するか否かによるプレイヤー間の格差が生じてしまってた。
      • 有用なポケモンが出現するフレンドコードが当たりとされ、コード交換用の掲示板では交換を希望する利用者が殺到していた。 逆に、前述の条件に当てはまらないポケモンはハズレ扱い。出現する3匹全てがハズレだと、無差別交換などといった条件でもない限りは交換に応じてもらえる可能性は低い。
    • フレンドコードは3DS本体に依存しているため、もし変更したいなら3DS本体のデータを初期化する必要がある。初期化した場合はダウンロードしたソフト、セーブデータ、登録したフレンドとのコンタクト手段等が消滅するため、この要素のためだけに難儀なことを迫られる。
      • フレンドコード格差はGTSやポケトレを活用することである程度は解決できるが、隠れ特性は別。GTSは特性の指定ができず、ポケトレは隠れ特性のポケモンが出ないので確実な入手方法がない。
    • 出現するポケモンのうち、隠れ特性と3種類目の解禁はフレンドが殿堂入りしている状態で、かつソフトを起動しオンラインですれ違う必要がある。
      • この仕様は攻略本にも一切書かれていない。ただし一度オンラインで出会ってしまえば、その後はオフラインでも出現するようになる。
  • バトルハウスのNPCの発言
    • 相変わらずプレイヤーやポケモンを馬鹿にするような悪趣味なものが少なくない。悪乗りと言われた『BW』のバトルサブウェイよりも悪化しており、勝っても負けてもこちらの神経を逆撫でしてくる発言が目立つ。酷いものでは「雑種」や「純血種」といったポケモンやポケモンバトル自体を否定したり世界観を破壊するような表現もある。
    • 『BW』からセリフが流用されているキャラクターもいるが、肩書きが同じというだけで流用されておりグラフィックの変更から違和感のあるものも(例:メイド喫茶を意識したような台詞を言うウェイトレス。『BW』ではかわいい系の衣装であったが、今作ではおしゃれなカフェのウェイトレスといった風貌なので不自然)。
  • ユーザーインターフェースの問題点
    • べんりボタンの仕様変更、および登録数の減少
      • べんりボタンとは自分の好きな道具を「とうろく」することで、メニューを開かずにワンボタンでそれを使うことができる機能である。『BW』ではほとんどの道具を登録できるようになっていたが、本作では「たいせつなもの」に分類されるものしか登録できなくなっている。登録数も最大4つと減らされている。
      • その代わり、メニューが下画面に常に表示される仕様(『HGSS』と同じ)となった。しかしメニュー展開用のアイコンが小さくなっているため、片手プレイ中は不便さを感じる事もある。
    • 道具管理
      • よく使う道具だけを入れておけるフリースペース機能が廃止された。上述のべんりボタンの仕様変更と共に、道具管理をより難儀なものにしている。
      • 道具画面の仕組みが快適でない。カテゴリ分け・ソート機能があっても検索・マーキング機能はなく、一列にずらりと並ぶ中からお目当てのものを探すのは骨が折れる。道具ポケットが顕著で、今作ではメガストーンが追加されているため、戦闘用の持ち物や進化の石などを探すのが大変になっている。
      • その反面、種類別に並べた場合は、しあわせタマゴなどの育成面で役に立つ道具は上の方に配置されているなど、配慮は取られている。が、かわらずのいしや各種おこうは別の位置にあり、探すのが困難。
    • ランダムマッチ関連
      • 本作のランダムマッチは一度始めると、誰かとマッチングするまで抜けられない。過去の作品では任意のタイミングで抜けられたのだが、本作では電源を切る以外に手段がない。対戦相手が見つからないまま一定時間経過するとルール選択画面に戻るが、こうせずとも普通に戻れるようにすればよかったのではないだろうか。
      • マッチング中にバトルで流れる曲を設定することができるが、設定方法が目当ての曲が画面に出るまでタッチするもので、+方向にしか進めない。曲名も「曲(番号)」と書いているだけで分かりづらい。「マッチング中」という点も厄介で、対戦相手がすぐ見つかった場合は設定する暇がない。
  • バトルの問題点
    • 処理落ち
      • 3D化の弊害でバトル中に処理落ちが起きるようになった。特に3D機能をオンにすると目に見えて重くなる。
      • 一度に沢山のポケモンが登場する戦闘(群れバトル、ダブルバトルなど)では、対策として3D機能が強制オフになるがそれでも処理落ちは発生する。
    • ローテーションバトルでの画面レイアウト
      • 上画面に6体のポケモンとそれぞれのHPゲージを縮小して詰め込んでおり、細かい値が把握しづらくなっている。
      • また画面右側に前線に出ているポケモンのステータスが表示される点は前作の表示形式に比べて劣っている。
    • 一部の技モーション
      • 「おうふくビンタ」や「ミサイルばり」など一部を除いた連続技のモーションが不自然に。1発目はともかく、2発目以降は棒立ちのまま飛び跳ねる動作で撃つようになる。ゲッコウガの(当時)専用技「みずしゅりけん」は最後まで専用モーションで発動するのに…謎の手抜き感。
      • カメックス・メガカメックスは背中に立派な砲台を備えているが、モーション使い回しの弊害を受けて「みずのはどう」「ハイドロポンプ」「ハイドロカノン」を砲台ではなく口から発射する。3Dでポケモンを表現していた『ポケモンスタジアム』シリーズや、そのモーションを流用していた3D作品ではちゃんと背中の砲台から放っていた。
      • 実はカメックスには「砲台から何かを発射するようなモーション」が設定されているが、それを戦闘で見られる技の一例は口からも砲台からも何も発射しない「なみのり」と「たきのぼり」。メガシンカするとそれらの技も口から発射するモーションに統一される。
    • 一部のひこうタイプ・特性「ふゆう」の待機モーション
      • 一部のひこうタイプのポケモンは、待機中に翼(あるいはそれに近いもの)を広げて羽ばたかずに滞空する。特にトロピウスやボーマンダのようなずっしりとした身体を持つポケモンの場合、「紙のようなペラペラの翼で、地上すれすれを滞空する」という不自然な状態になってしまう。「ワイヤーか何かで宙に吊るされている」と揶揄されることもある。それまでのソフトは番外編を含め行動選択時などは飛んでいなかったのだが…
      • 特性「ふゆう」を持つポケモンも同様のもの。例えばシビルドンは宙に浮いていることを表現するためか、「クネクネしながら空中を舞う」という動作をする。『BW』で見られた重量感や太さは感じられなくなっており、同作経験者には異様な光景に映る。
      • このような現象が起きてしまったのは、空中の戦闘「スカイバトル」を実現するためだとされている。しかし「通常バトルに比べて頻度の低いスカイバトルのためだけにわざわざ不自然な姿勢をさせる必要はなかった」「そもそもスカイバトル自体不要」という声は多い。
      • 待機モーションで滞空していてもポケパルレではちゃんと地上に降りているポケモンも存在する。そこまで配慮できるのに、ポケモンのイメージに合わせ着地状態を通常バトルでも適用することは何故できなかったのか。
      • 攻撃された時のモーションも用意されたのだが、ダブルバトル・トリプルバトルではタイプ相性・「ふゆう」などの特性、「まもる」などのわざでダメージを防いでいるポケモンでも攻撃された時の行動をする。それまでの3Dソフトではなかったのだが…
    • 群れバトル
      • 移動中にもそこそこの頻度で発生するが、範囲攻撃技を持つポケモンが手持ちにいないと処理に時間がかかる。
      • 捕獲が目当ての際にも、敵の数が1匹になるまでボールを投げられないので手間がかかる。この場合、範囲攻撃で一掃するわけにはいかない*19。「ライバル関係にあるポケモンが敵同士で戦っている」という現象もあるため、捕まえようとするポケモンをどうにかして守らなければならないこともある。
      • 隠れ特性を持ったポケモンが出現することもあるが、判断するには「なやみのタネ」など特性関連の技をフル活用したり、特性の知識を活かす必要もある。単純に出現率が低いのもネック。
    • スカイバトル
      • 「待機モーションで浮遊していること」という条件があり、それを満たさないポケモンはひこうタイプでも参加できない(ドードリオ、ルチャブル、ペラップなど)。また待機モーションで地面から浮いてたり翼があったりしても前述の通りじめんタイプの技が無効でないポケモン(ウルガモス、スピアー、ヨノワール、ジバコイルなど)は参加できない。テレビアニメなどで飛び回っていたり空を飛ぶを覚えられるポケモン(プリン、ミロカロス、ヘラクロス、ゴルーグ、ハッサムなど)も同様。特にヨノワールとハッサムに関しては進化前のヨマワルとストライクであれば参加させられるのに進化させると参加できなくなる。
      • この辺りの事情を知らずに挑戦してしまうと、3体連れてきたはずが1体しか出せない事もありうる上、終盤での敵スカイバトルトレーナーはひこうタイプに強いポケモンや技を備えているので瞬殺されかねない。
      • 幸いにして通常のトレーナーと違いスカイバトルは強制でない。全てのスカイバトルで勝利すれば本作と連動するコミュニティサイト『PGL』においてメダル*20が手に入るが、メリットはその程度。本作単体ではスカイバトルをやりこむメリットは無いため、メダルがいらないのであれば全くしないで済むのが救いか。
      • そもそもスカイバトルならでは、といったものはまったく存在しない。出られるポケモンが制限され、バトル場が空のため「あなをほる」などの技が使えないという、従来のバトルから要素を削っただけの縛りプレイである。
  • フィールドの問題点
    • 本作を代表する大都市「ミアレシティ」
      • パリをモチーフにした3つのエリアからなる大都市で、かつてない広さを持つ。「そらをとぶ」の先も3か所用意されており、ポケモンセンターも各エリアに1つずつ配置されている。
        しかし、プレイの障害となる要素がこれでもかと詰め込まれており、『BW』の「ヒウンシティ」以上に複雑不便な街になっている。
      • まず、致命的なまでにカメラワークが悪い。本作のカメラは基本的に上空手前で固定されており、タウンマップと照らし合わせることで現在地や方角を簡単に把握できるようになっている。しかしミアレシティではそのカメラがプレイヤーの背後にまわる(しかもかなり寄る)ため、方角を瞬時に判断することができない。店の看板や目印であるはずのマークが隠れてしまうなどの弊害も。
      • この街のみの独特の操作を要求される。ここでは移動操作が十字ボタン左右でカメラ移動、上下で前進後退という方式に切り替わる。初めて訪れたときは間違いなく困惑する。
      • 広大かつ多数の施設があるのに詳細を記したマップがない。このため目的地にたどり着くのは至難の業。目的地まで連れて行ってくれるタクシーは有料なので無計画には使いづらく、大半のプレイヤーは有志が製作したマップを頼りに進めることになる。
      • 店舗も街の各地に点在しているために買い物に時間がかかり、従来作品の大都市ではデパートに複数の店舗をひとまとめにしていたため劣化が目立つ。
      • この街独自のシステムとして「スタイリッシュポイント」なるものが存在している。同ポイントが高いとミアレシティの各施設で割引やプレゼントといった特典を受けられるのだが、それを上昇させる条件が劇中ではっきり説明されておらず、攻略本や攻略サイト無しではポイント稼ぎに時間がかかる。
      • 特定の場所でレポートを書きゲームを終了すると、再開時に進行不能になる不具合があった。現在は修正済みだが、壁にめり込んで動けなくなったという報告がある。
    • 2ヶ所にわかれた「ヒヨクシティ」
      • ここは1つの街が12番道路側と13番道路側の2つに分かれている独特な街だが、「そらをとぶ」では13番道路側にしか行けず、両方を行き来するにはモノレールに乗るほかない。このため12番道路側に行く際は一手間増え面倒。
      • 12番道路側には図鑑収集のほか、わざマシンをくれる女性、お香屋、伝説のポケモンが潜む「海神の穴」などそこそこ訪れる機会があるので、気になりやすい。
    • 荒野の「13番道路」
      • 複数の要素が絡み合った結果、フィールドの大きさからは考えられないほど攻略に時間がかかるようになっている。
      • 10分おきに西から強風が吹き、西への移動速度が低下する。また風が吹いている間は、ローラースケート専用の通路を使って崖を渡るというギミックが使えなくなる。
      • このエリアはシンボルエンカウントになっているが、強風のせいでシンボルを回避するのが困難になっている。シンボルの当たり判定も大きく、避けたつもりでも接触してしまうことがしばしばある。シンボル復活の間隔も短い。しかも出現する3種類のポケモンのうち2種類は、こちらのポケモンがひこうタイプ・ゴーストタイプ・特性「ふゆう」以外のポケモンだとバトルから逃げられなくする特性「ありじごく」を持っており、逃げて対処するのもできない。レベルの低い野生ポケモンに遭遇しなくなる「むしよけスプレー」系の道具はランダムエンカウントにしか効果がないため、これで回避もできず、その都度捕獲か倒すしかない。
    • 雨が降りやすい地域(14番道路・19番道路)
      • 雨が降っている間は群れバトルを発生させる「あまいかおり」が実行できなくなる。『DPt』から継続している仕様だが、本作には群れバトルでしか捕獲できないポケモンが多い他、努力値稼ぎにも悩む。
      • 時間が経たないと雨はやまないので大変ストレスが溜まる。対処法も3DS本体の時計の設定を変更するしかない。しかしペナルティがあるため積極的には使いづらい。
      • 逆のパターン、即ち「雨が降ってほしいのになかなか降らない」というケースもある。新ポケモンの「ヌメイル」は「雨が降っているところでレベルアップ」することが進化条件になっているが、肝心の雨がいつ・どこで降るかがプレイヤーには予測できず、実際現地に行く以外に情報を知る手段も無い。
    • その他
      • 一部のダンジョンでは自転車やローラースケートを使えないので移動に手間がかかる。
  • バトルシャトーで爵位が下位のトレーナーを避けられない。
    • レベルの低さ・賞金の少なさ・爵位の上がりにくさから避けようと思っても戦うまで爵位がわからないので避けるのは不可能。主人公は爵位が自分より高いトレーナーとは勝負できないのも理不尽。
      • 一応、ジムリーダーや四天王なら爵位が低くならない。
    • また、ジムリーダーとの再戦もできるが、レベルアップはされてはいるものの手持ちポケモンの増員がされていないため、面白みに欠ける。そもそも初戦でも数がかなり少なく面白みに欠けるが…
      • その後のソフトでも「ジムリーダーの再戦」でしばしば手持ちポケモンが少ないままになっていることが度々ある。
  • 育成の問題点
    • 進化の石の入手方法
      • 特定ポケモンの進化に消費するものだが、店で売っていない種類のものは拾うか裏スパトレでしか入手できない。
      • 対戦用に育成を行うと裏スパトレでの入手が求められるが、難易度は高めで時間もかかる。その上に確率入手で、目当ての石が手に入るかは運次第。
    • きのみ畑
      • 水やりを怠ると収穫量が少なくなるのは過去作同様だが、本作はそれに加えて雑草が生え、虫ポケモンが湧くようになった。すべての木に一定確率で発生するので一つ一つやるのはさすがに面倒。
      • 特定のきのみ2種を隣り合わせにすると3割の確率で「突然変異」が起こり、植えたきのみと異なるきのみが追加で収穫できるシステムもあるが、これが複数の問題を孕んだシステムとなっている。
        ゲーム内での説明不足・リアルタイムの時間経過が必須・正解の組み合わせでも運次第で発生しない・突然変異でしか入手できないきのみに有用性が極めて高い物がある……等々通常プレイでは目当てのきのみを入手するのが困難かつ攻略サイト等を見ながらでも手間がかかるもので評判が悪く、結局この要素が採用されたのは本作のみで次回作以降は二度と採用されていない。
    • レストラン
      • レベル上げ用の施設だが、対戦相手のわざ構成が状態異常・時間稼ぎ・カウンター技など手間がかかるものが中心になっており、対策なしでは長期戦になりがち。
  • Oパワーのうち「そうぐうパワー」「おんみつパワー」だけは何故か自分自身に対してしか使えない。
    • 他のOパワーのように他プレイヤーには送れない(相手に送る方が使用コストが低い)ため、レベルを上げるのに時間がかかる。自分への使用コストやレベルアップに必要な使用回数が他より少なめに設定されているわけでもない。
    • 野生ポケモンとの遭遇率を調整するのみなのでOパワーの中でも使用頻度は低いのだが、使用コストが高くレベルアップが遅い影響で余計に使いづらくなっている。

対戦バランス

大幅なテコ入れが行われたものの、対戦バランスはまだまだ改善の余地が多い。
今作では強いポケモンとそうでないポケモンの格差がさらに広がったとされている。その中でも特に問題視されたのがメガガルーラとファイアローである。

+ メガガルーラ
  • メガシンカによりお腹の子供が成長し、ポケモンとしては初めてかつ掟破りの複数回攻撃を得た。
    特性「おやこあい」は攻撃した後、半分(=0.5倍)の威力で追撃する。つまり、実質的に常時攻撃・特攻1.5倍かつ技の追加効果の試行回数が2倍。これに加えて、その絶妙な種族値と技の範囲から確実に突破出来るような有効な対策がほとんど無く、環境を混乱に陥れた。
    • このゲームでの「攻撃・特攻1.5倍」という補正値はそうローコストで得られるようなものではなく、おやこあいの「デメリット無しで常時1.5倍」というのは他の攻撃アップ特性・技・道具などより明らかに上回っている。それでいて元の攻撃種族値も125とかなり高め。
    • 攻撃回数が2回なので、「がんじょう」「きあいのタスキ」など*21で確実に耐えてから反撃して突破する戦法が取れない。
      さらに、2回攻撃が行われるという事は、技の追加効果が発動する機会が2倍となる事でもあるので、確実に攻撃力を上げる効果を持った攻撃技「グロウパンチ」はダメージ2回+攻撃力2段階アップという破格の性能となる。
      勿論、ランダムに発動する追加効果の発動機会も2倍となり、30%怯ませる「いわなだれ」も51%の確率で怯ませる性能になる。
  • 習得する技も豊富で、クセはありながらも先制技の「ねこだまし」「ふいうち」によって、「対面でガルーラの攻撃を耐えられるように耐久を調整」して育成するにも相当の耐久が必要になる。
    • 高い攻撃を活かした物理型が主流になっているが、その対策(攻撃力をダウンさせる、「ゴツゴツメット」で反射ダメージを与えるなど)を回避するため、特殊型(または二刀流)も視野に入る。特攻値自体は低いが技のレパートリーの豊富さと特性で補えるのも大きい。
    • また、レベル分のダメージを与えるダメージ固定技の「ちきゅうなげ」は2撃目のダメージ0.5倍補正が適用されず、固定100ダメージの技となるのだが、レベル50以下となるフラットルールではほとんどのポケモンを2発で倒せる性能であり猛威を振るった。
      ただし、習得できるのはGBA作品のみ。当時の厳選は難易度が高いのでお手軽なものではない。
  • 耐久面の種族値が全部100近くあり、素早さも100族なので「唯一の弱点であるかくとうタイプの技で一撃で倒す」というシンプルな対策ができるポケモンも限られているうえ、ファイアローやフェアリータイプの存在で本作のかくとうタイプはかなり肩身が狭く、有用な対策には違いないが欠点とメガガルーラの強さが際立つ。
    ほかにも対策はあるが、とにかくメガガルーラは型が多いために1匹で完全なメタになるポケモンはいない。複数匹で倒せるようにしたり、選出段階から縛るといった対策が必須だった。
  • これらの性能からルールを問わず猛威を振るった。基本的に修正パッチや仕様変更などで対戦バランスを調整する事をあまりやらない本シリーズの方針が追い風となり、次作『ORAS』でもほぼ体化を受けないまま戦い続ける事が出来、登場から第6世代の最後に至るまでまさしく無双級の強さを誇っていたポケモンだった。
    このことから第6世代の対戦環境は「ガルモン」「ガルットモンスター」などと揶揄されたり、各所で弱体化や使用禁止が叫ばれるなど良くも悪くも6世代を象徴するポケモンであった。
+ ファイアロー
  • スタッフも調整に苦労したといわれる新特性「はやてのつばさ」はあらゆるひこうタイプの技を無制限で先制(優先度+1)で放てるようにするもの。優先度の仕様上、「トリックルーム」も効かない。
    • この特性の特筆すべき点は高威力の先制技を放てること。本作品での先制技は他の攻撃技に比べ威力が低く設定されている傾向があり、基本的に威力40程度。しかし、ファイアローはひこうタイプ・一致込み威力180の大技「ブレイブバード」を習得できるため、この絶大な威力を先制技として放つ事が出来る。
      よって、ファイアローの素早さを下げたり、こちらがいくら素早さを上げても、向こうが飛行技を選択する限りは先制をとられ続ける。
    • 「常に先制で動けるだけでそんなに強いの?」と思う方に解説すると、ポケモン対戦の醍醐味のひとつに「素早さ調整」という非公式ながらも重要な概念があり、簡単に言えば「素早くするために攻撃or耐久を犠牲にする」か「素早さを捨てて攻撃or耐久重視にする」かのトレードオフを指す。
    • しかし、この特性による先制技化は「攻撃と耐久共に重視しながら素早くする」ことが可能となるという、現行のシステムと相反する性能を持っている。
      • 先制技に先制する方法には「相手より素早いポケモンで先制技を使う」か「優先度+2以上の技を使う」の2つがあるが、前者はファイアローは素の素早さも高さや先制技自体のレパートリー・性能の貧弱さのせいでで実用性や現実性に乏しく、後者は該当技に攻撃技がほとんどないことを考えると活かせる場面は多くない。
    • はやてのつばさが適用されるのは「ブレイブバード」だけではない。
      • たとえば相手がステータスアップ技を積んで全抜きを狙ってきても「おいかぜ(仲間全体の素早さを4ターン上げる飛行技)」を使って後続に任せる、高火力を警戒して受けに出てきたポケモンも「ちょうはつ(補助技を封じる)」と「はねやすめ(体力を回復する飛行技)」で機能停止に追い込むなど、このポケモン1匹で様々な戦術を取れる。
    • 相手に先制をとられる心配をせずに自分の行動ができるメリットは大きく、ルールを問わずどんなパーティにも無理なく組み込むことができた。
  • 前世代で猛威を振るったかくとうタイプに対するメタから産みだされたと思われるが、このポケモンの出現により、かくとうタイプも含めてひこうタイプに弱いポケモンや耐久力の低いポケモンは、極端な話使うならファイアローに出会わないことを祈ってパーティに組み込むという羽目になった。
    しかも前述のメガガルーラの弱点となるかくとうタイプに強いのがファイアローの採用率をさらに伸ばすこととなった。
  • その他の性能も優秀。
    • ほのおタイプも持っているため、やけど状態にならず攻撃力が落ちない・逆に、やけどにする技「おにび」を覚えられる・ほのおタイプの技でひこうタイプを半減できるはがねタイプに有効打を持っている等が挙げられる。
      ほのおタイプの技も物理なら「フレアドライブ」、特殊なら「オーバーヒート」「だいもんじ」といった高威力な技が揃っている。
    • ステータスは素早さ以外に突出しているところがないが、ひこうタイプの技以外を使用するときも抜かれにくく、おたがいに先制技を使っても素の素早さで上回っているほうが先に動ける関係で有利になる点で充分に優秀といえる。
    • これがデリバードなどの「その他の性能が低い」ポケモンだったらちょうどよい強さだったと思われるが…
  • 弱点は単純な殴り合いだと素早さ以外のステータスの低さから競り負けやすい、いわタイプが4倍弱点な為相手の「ステルスロック」で最大HPの2分の1のダメージを受ける、「ブレイブバード」や「フレアドライブ」には反動ダメージがあるので消耗が激しいなどが挙げられる。
    メガガルーラほどのバランスブレイカーでは断じてないものの、多くのポケモンを封殺できることからポケモン対戦史に大きな爪痕を残した。
  • 流石に強すぎたためか、次作『サン・ムーン』では「はやてのつばさ」は体力が満タンの時しか発動しなくなった。

桁外れた強さのポケモンはこれまでにも多く存在してきたが、相手の攻撃を耐えたり、相手より素早いポケモンを使って弱点技で叩くといったシンプルな対策が通用した。
しかしこの2匹の場合、メガガルーラは「おやこあいと本体のステータスによって有効な対策が少ない」、ファイアローは「なにをしても行動を許してしまう」と対策が非常に難しく、その強さに歯止めが利かない形になっているのが特に問題とされた。
ただし、ファイアローは「使わないと勝てない」の域には達していないし、メガガルーラもそうかというと曖昧なところがあるが、どちらも相手の選出を縛れるだけの強さとは確実に有しており、それが強さの格差を広げたことにつながっていた。

+ 他のポケモン関連
  • 新ポケモンのギルガルドは「ブレード/シールドフォルム」を使い分けられる特性を持つ。
    • 後攻を取れればシールドフォルムで攻撃を受け、ブレードフォルムで攻撃できるため、両方の性能を活かせる。アクは強いがカスタマイズ性も高く、やろうと思えばなんでもできるようなハイスペックさが特徴的。
    • 攻撃のみならず特攻も高いので物理型よりも特殊型が主流になっている、特性がフォルムを変えるものなので特性を変化する技を受けない、はがね/ゴーストタイプの組み合わせが本作では非常に優秀などの長所が並び、強すぎると言われやすい。ただし、HPが低く立ち回りも難しいので上の2匹ほど理不尽な強さではない。
    • また、サザンドラとのタイプ補完が完璧で、4倍弱点が追加され発売前に不遇の烙印を押されていたサザンドラは前作以上に躍進する事となった。
  • 戦闘バランスの調整を担当した森本氏は週刊ファミ通に掲載されたインタビュー(Webアーカイブ)で「ギルガルドの特殊型が多いのは想定外*22」、メガガルーラに対しては「ゴツゴツメットで対策できる*23」、ファイアローに至っては「ファストガードで対策できる*24」と言った実情に反する発言を連発したため、あわや炎上状態になりかけた。
  • 性能が不遇なポケモンの救済は『BW』よりも進んでいるとはいえ、まだ甘いと批判されることもある。タイプ変化・新技習得・種族値上昇などがある一方、何もらえない、もらったが役に立たない、むしろ新ポケモンの登場など環境の変化で立場がより悪化したポケモンが存在した。
    全ポケモンが平等に戦えるゲームバランスに調整するのは難題であり、かつ本シリーズは「対戦が全て」のゲームではないのだが、それでも気にされやすいところなのは否めない。
+ 上記以外の問題
  • メガシンカについての問題点
    • ストーリー中のメガシンカの選択肢が少ない。
      • 殿堂入り前に入手可能なメガストーンが6種類しかないため選択肢が少ない。結局イベントで確実に手に入るカントー御三家かルカリオをメガシンカさせることになりがち。先行購入特典であればバシャーモも該当するが。
      • メガシンカを使うNPCも、クリア後を含めても4人しかいない。本作の目玉システムの割に実際の出番は意外と多くない。
      • 絆の力という割に、初期から共にいるカロス御三家にメガシンカが与えられていない点も残念な所。ただしスタッフによると(ディアンシーを除く)本世代初登場のポケモンにメガシンカ形態が無いのは意図的なもので「既存のポケモンに比べて新鮮味がない」とのことである。
      • ORASでは新規追加が行われたが、本作初登場のポケモンの中でメガシンカできるのはディアンシーだけ。元々「既存ポケモンのアップデート」の一環だが…
    • また、強化されたポケモンとそうでないポケモンの差が激しく、批判の対象となりやすい。
      • 今まで弱~中堅レベルだったガルーラやクチートはメガシンカで強力な特性を手に入れたり、リザードンは通常ポケモンで唯一2種類のメガシンカ形態を手に入れるなど、一躍対戦環境の主役になった。
        メガガルーラのほかにも対策必須級なメガシンカポケモンは少なくなく、第5世代からの問題だった「強豪が増え過ぎて中堅ポケモンではカバーしきれない」点がさらに加速した感が強まった。
      • その一方で「メガシンカしない方が強い」とまで言われてしまうほど扱いにくいものも存在する。「ステータス上昇や新特性の性能が微妙、もしくはポケモンに合っていない」とされるメガガブリアス*25やメガヘルガー*26、「持ち物がメガストーン固定のため、短所のカバーができなくなる」とされるメガアブソルやメガフーディンなどがいる。
      • 一応、こうしたポケモン達も新しい特徴をしっかりと理解して丁寧に運用してみれば戦果自体は期待できる。しかし、あまりにもメガガルーラの強化が破格過ぎたせいでどれもこれも相対的に見劣りしてしまい、せっかくメガシンカによる新しい戦法を獲得したのに「そうまでして使うくらいならメガガルーラを使った方が早い」と言われて敬遠されるポケモン達が続出する有様となってしまった。
    • また、メガシンカするポケモンの選出に対しても疑問が多い。
      • 以前からの強豪枠であったゲンガーやギャラドスなどは、元より多彩な戦術にメガシンカが加わったため爆発的な強化を得ている。一方で、未だに対戦で活躍できないポケモンも相当数おり、「どうして強いポケモンがメガシンカできて、こちらはできないのか」との声も多い。
      • また、前述の「メガシンカ導入前から強豪枠・メガシンカさせないほうがいい」と言われているガブリアスなど「これだったらメガシンカの導入はやめて別のポケモンにすればよかったのでは?」というポケモンもいる。
      • これについては「リソースの都合上全ポケモンにメガシンカを作るのは不可能」「キャラクタービジネス上、人気の高いポケモンにメガシンカを持たせたい」などの都合もあるので解決が難しい問題ではある。
    • 本作の時点ではメガシンカするポケモンの種類が少なく、パーティの多様性が薄れてしまっているのは今後の課題として挙げられた。
      • 後に発売された『ORAS』ではメガシンカするポケモンが増えたが、選出基準の不明瞭さが余計に問題視されるようになりメガシンカそのものへの批判の声が更に強まっていった。
      • また、くさタイプはフシギバナとユキノオーだけ、どくタイプもフシギバナとゲンガーだけと偏っている。「ORAS」でもくさタイプの新規追加はジュカインだけ、どくタイプもスピアーだけだった。
  • タイプについての問題点
    • 前述の通りドラゴンタイプは所属するポケモンの優秀さがずば抜けており、そこにメタとしてフェアリータイプが登場して、はがねタイプ以外でもドラゴンタイプの一貫性を切れるタイプが登場したこと自体は評価できるが、その機能性については不便なところが目立つ。
      • そもそも対戦でメジャー級とされるようなドラゴンタイプはあくまでも「優秀な種族値・特性・サブウェポン」が揃っているから強いとされるのであり、決してドラゴンタイプそのものが強いから採用されやすいという訳ではなく、タイプ内にも強弱差は存在する。そのため、メジャー級の実力があるドラゴンタイプは攻撃技がフェアリータイプに通じないところで、高いステータスからの幅広いサブウェポンで簡単に処理することができてしまう。
      • 特にトップメタのドラゴンタイプ「ガブリアス」に対しては、対応できる耐久や素早さを持ったフェアリータイプは本作時点ではほぼおらず、逆に大半はもう一つのメインウェポンである「じしん」や弱点を突くサブウェポンで致命傷を受けてしまう。フェアリーの中でもマリルリやトゲキッスなどはガブリアスには強く出られるが、他のメジャーポケモンで止まってしまうことが多く、ガブリアスの使用率を大きく落とすような抑止力となるには至らなかった*27。上記のメガガルーラに対して先手をとることのできる強みも持っていることも使用率が下がらない一因となっていた。
      • このように、「強いドラゴンは強いまま」になってしまっている。これにより、フェアリータイプの当初の目的であろうドラゴンキラーとしての役割は本作の時点ではかなわなかった。
      • 一方で、他のフェアリータイプには攻撃・防御面以外の面で優秀な性能の持ち主が少なからず存在し、種族値が中程度のドラゴンタイプにとっては無視できない存在として立ちはだかった。つまり、この変更によって「強いドラゴンは強いままだが、中堅以下のドラゴンは弱点が増え弱体化する」という状態になり、結果的にドラゴンタイプ内での格差は更に広がってしまい、本末転倒な状態になってしまった。
      • その反省を踏まえてか、第7世代では高スペックのフェアリーが大幅に増加することとなり、ガブリアスが使用率トップに位置する時代に幕を下ろすこととなった。
      • しかし、「中堅以下のドラゴンは弱点が増え弱体化」しており、ミドルスペックのドラゴンタイプに救済がほとんど無く弱いままという問題点は未だ改善が見られない。
    • タイプバランス調整役として登場したフェアリータイプだが、「メジャーなドラゴンタイプや強化されたあくタイプに有利、攻撃技としては微妙だったはがねタイプの技・耐性がいまいちなほのおタイプ救済*28」なのは理解できるが、「ただでさえファイアローの存在で立場が危うく前から攻撃技としても微妙だったむしタイプに耐性あり」は問題点として上がりやすい。
      • むしタイプは第五世代時点で6タイプに半減と攻撃性能に恵まれていなかったが、フェアリータイプの追加により半減7つとくさタイプに並びワーストタイになった。しかし4倍弱点持ちの仮想敵が一定数存在し独特の攻撃範囲という利点もあるくさタイプに対しむしタイプは利点に乏しいため、元々攻撃範囲が微妙なのにますます動きにくくなってしまった。
      • 加えてフェアリータイプがかくとうタイプに強いのも第四・五世代でかくとうタイプがメジャーだったためなのだろうが、第六世代ではかくとうタイプはファイアローの影響で数を減らしており、ガルーラ対策として採用するにもフェアリータイプの対策をされてしまうため、結果的にガルーラの流行を一助してしまった感は否めない。
  • エスパータイプは「タイプ相性に有利不利が少ない」「技が威力不足」という問題を抱えていたが、豊富な補助技や高いステータス、強い複合タイプを持っているポケモンもそれなりにいたため、そうしたポケモン達が地力と弱点の少なさ、そして弱点となるゴースト・あくタイプの攻撃技のレパートリーの貧弱さを利用して戦っていたのが今までの状況だった。
    しかし、そこに「ゴースト・あくタイプの強化」などが加わってしまったためそうした利点も失い、強豪だったラティオスやメタグロスですら(もう片方のタイプも弱体化されたのも加わって)トップ勢から一気に脱落することになってしまった。
    • さらに得意としていたかくとうタイプはフェアリータイプやファイアロー等の登場で激減。もう一つの得意タイプであるどくタイプでメジャーなゲンガーやメガフシギバナにも大して有利ではなく、メタというには不十分。
    • 攻撃範囲や威力が不遇だったタイプの多くは本作で何らかの強化を受けているのに対し、エスパータイプには強化点が少なく、弱体化した点ばかりが目立つ。
  • 音技が「みがわり」で防げなくなり、同時に身代わりの方に攻撃できなくなったが第6世代時点での実用的な音技の多くがはがねタイプやいわタイプに半減されるという問題点を抱えている。
    • しかも「みがわり」の採用率が高いヒードランやクレッフィに限って鋼タイプなのでメタとしての機能性が怪しかった。
  • 制限時間の短縮による放置プレイの問題
    • 1試合の制限時間が60分から30分に変更された。戦局が泥沼化したときに早期決着が望めるというメリットもあるのだが、今度は逆に1ターンの制限時間60秒をフルに使ってのタイムアップ勝ちを狙う行為が横行してしまった。通称「TOD(Time Over Death)」。相手に勝つことはできるものの、実際にやっていることはただの放置プレイに近いため賛否両論となっている。
    • この仕様を利用し「ひたすら相手を眠らせ続ける」「ひたすら体力を回復し続ける」「ひたすらまもる+みがわりを繰り返す」などして30分粘って勝利を収めるという戦法もある。
      • これは前作でも出来たことだが、1時間も放置してまで勝とうとするプレイヤーはそう多くなく、途中で相手に回線切断されてしまって徒労に終わるケースもあったため、『BW2』で話題になった「ねこのてレパルダス」のような露骨なハメ戦法以外はあまり問題にならなかった。
        しかし、30分だと普通に戦っていても条件を満たせることが多くなり、今作では切断されても勝ち扱いとなるため、積極的に狙う価値がある。
      • 公式大会である『WCS2014』のジュニアリーグでも、残り時間が少なくなった際、0になるまで選択しないという事態が発生した。放置をすれば勝っていたプレイヤーがあえてそうせずに果敢に攻めるも、逆に相手側に放置されて負けてしまうという実に後味の悪い試合もあった。
    • 公式側もこのことを重く見ているのか、公式大会などでは対戦時間15分まで短縮された。
      • しかしこの措置は逆効果で、むしろ放置作戦を助長している。最大まで時間を使えば、行動ができるのはわずか15ターンしかない。これは手持ちを耐久向けのポケモンで固めれば余裕で逃げ切ることができてしまう時間である。
      • 「超速バトル」という対戦時間が15分のルールが設置されたが、実際に行われている戦いは時間切れ狙いの放置作戦ばかり。本来ならば「超速」となるはずが、現実では「超遅バトル」になっている。
  • フリーバトルのモラル問題
    • 相変わらず回線切断が横行している。切断をすると負け扱いになるが、フリーバトルでは勝敗の記録が残らないため、実質切断行為にペナルティがないのと同然である。切断をするメリットはないが、同時にデメリットもないのである。
    • ただし勝敗が付かないことによるフリー独特の雰囲気はちゃんとある。前述の放置プレイのような何が何でも勝ちをもぎ取ろうとするプレイスタイルはフリーではほとんどなく、また相手が害悪戦法をとってもさっさと降参して次に行くことができる。
  • 禁止級ポケモンの「ダークライ」の専用技「ダークホール」の解禁
    • 命中率80*29で相手を眠らせる技だが、ダブル・トリプルなどのルールでは相手複数にヒットする。
      しかも命中率も高く、これさえ決めれば、相手を実質何もできない状態のまま一方的になぶり殺しにできてしまう壊れ技。
    • もっともダークライ自身は禁止級なのでレートに出られないが、それを解決したのは実質的にすべての技を覚えられる「ドーブル」。
      第5世代ではダークホールを持ったドーブルが大暴れし、2011年終わりごろにダークホールそのものを禁止技に指定するという前代未聞の措置が取られたほど。
    • だが、ポケモンバンク・ポケムーバーの開始に合わせて、フリーバトルのみならずレーティングバトルでもダークホールが使えるようにルール変更されたのだが、技の弱体化は一切無かった。
      • それどころか、相手全体を攻撃する技を無効化する「ワイドガード」でも防げないため、対策手段が少ない。本作で優先度のついた技を無効化する「ファストガード」が「いたずらごころ」で優先度の上がった補助技も防げるように強化されたことを考えると理不尽な仕様と言える。
        一応、複数対象の変化技を防ぐ「トリックガード」という新技が追加されているが、ワイドガードは比較的多数のポケモンが習得するのに対し、こちらはクレッフィ(とドーブル)しか習得できない。対策として有用であることに違いないが、それなら素直にワイドガードを強化してほしかったところである。
    • 本作ではねむり状態の弱体化がされているため解禁したのだろうが、それでもこの技は強力過ぎた。ドーブル自体の性能が高くないとはいえ、第6世代の最後までこのドーブルは猛威を振るっていたほど。
    • 流石に本作で弱体化せず解禁された事が問題になったためか、次世代の『サン・ムーン』では「ダークホール」は命中率が50に低下し、ダークライ以外で使うと失敗するという大幅な弱体化を受け、「ワイドガード」は複数対象の変化技を防げるようになるという強化を受けた。

総評

グラフィックが全面3Dに進化したものの、従来の「ポケモンらしさ」はそのまま。登場する野生ポケモンの種類も歴代最多なので、ただ草むらを歩いているだけでも様々なポケモンと出会え、好きなポケモン達と旅する楽しみを味わうことができる。

また厳選・育成作業の手間が大幅に緩和され、対戦のハードルが下がった点も嬉しい。ただその対戦のバランスはメガガルーラやファイアローなどの強すぎる存在のせいで不安定気味だったものの、一本のソフトとしてみればポケモン初心者から上級者まで幅広く楽しめる安定した続編と言えるだろう。


余談

  • 外部サイト「ポケモングローバルリンク(PGL)」
    • 2014年に追加されたポケモンの使用率などが把握できるポケモンランキング機能の評価が高い。
      • 全てのルールに対応しており、対戦環境でどのポケモンが使われているのかはもちろん、使っている技や持っている道具、どのポケモンと一緒に出ているのか、どのポケモンを倒したか倒されたかなど様々なデータが一目でわかるため、ただ眺めているだけでも楽しめる。これに似た機能は他のオンライン対応ゲームにもあるのだが、それの比でないくらい情報量が充実している。
    • この機能により、現在このポケモンはどの型が主流なのかを簡単に掴めるようになった他、今までプレイヤー間の印象や机上論のみで、強弱が決められていたポケモンの強さが数値データとして確認できたため、プレイヤーからは喜ばれていた。
    • 2020年2月25日にPGLが閉鎖したため、現在はPGLサイトの閲覧が不可能。参考リンク
  • 全世界同時発売によって発生した、海外ユーザーのフラゲによるネタバレ問題
    • よりによって発売の2週間ほど前というタイミングで、本作をフラゲした海外ユーザーが登場。新ポケモンの情報などがネット上に拡散された。嫌なら見なければいい話ではあるものの、意図しない所で情報を知ってしまったユーザーも存在する。
    • ポケモンに限らず海外市場ではフラゲ販売の規制が緩く、また広大な販売地域の全てで発売日をあわせる必要があるという都合上、発売日に対して遥かに早い段階で各地の店舗へ商品を送らなければならないという事情もある。
      • 今後もポケモンが世界同時発売を行うのであれば、海外勢のフラゲによるネタバレを根絶するのは困難を極めると断言する。どうしてもネタバレは嫌という方は、発売数週間前からネットを閲覧しないようにするなど自衛を行うことをお勧めしたい。
  • 覗き見ツール騒動
    • あろうことか海外のハッカーに内部の情報をすっぱ抜かれ、インターネット対戦で相手のポケモンのステータスはおろか選んだ技までも丸見えになるツールを開発されてしまう。しかもそれを全世界に配布されてしまう事件があった。
    • このツールを用いれば相手に楽勝できてしまうため、公式がレーティングバトルを中止するという異例の事態となった。その後パッチの配布により、ツールが機能しないような通信方式に変更された。
  • 急所率は従来通り1/16だが、発売当初は急所率が上がったという噂が流れていた。
    • バトルディレクターの森本茂樹氏は、「社内で10000回以上の検証をしましたが、設定通りの結果になっています」と否定している。(参考リンク
  • 過去に行われた「ニンテンドー3DS LL 月替わりオススメソフトキャンペーン」の対象作品でもあった。
    • 期間内にニンテンドー3DS LLを購入すると本作を無料ダウンロードできた。
  • そこまで大きな問題ではないが、ごく一部のポケモンの分布に関して、設定ミスと思しき箇所が存在する。
    • ショウヨウシティでいわくだきを行うと時々出現するポケモンが、『X』ではイワーク、『Y』ではカメテテになっている。すぐ南の8番道路では両バージョンともカメテテが出現する。
    • 釣りで出現するバスラオは、バージョンとつりざおの種類に応じて出現するすがた(あかすじ・あおすじ)が決まっているが、21番道路に限りバージョン・つりざおを問わずあかすじしか釣れない。
    • 他にもバージョンの違いで、同じ場所で出現する同じポケモンでも出現レベル帯が異なる場合がある(8番道路のイシズマイ・カメテテなど)。
  • ゲッコウガはアニメ版の活躍やゲーム内での性能の高さもあり、現在では全ポケモン中でも高い人気を誇る存在となっている。
    • 2016年の「ポケモン総選挙720」、2020年の「ポケモン・オブ・ザ・イヤー」において1位に輝いている。(参考リンク)(参考リンク2
    • 一方で実写映画『名探偵ピカチュウ』では探偵ピカチュウと主人公たちを襲う刺客として登場している。

関連ゲーム

  • 大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』にカロス御三家の1匹「ゲッコウガ」がファイターとして参戦。
    • ゲッコウガをファイターとして選択した際の妙に恍惚したナレーターの声(「ゲッコウガァ…」)がネタにされることがある。
    • またステージとして3DS版では「プリズムタワー」が、WiiU版では「カロスポケモンリーグ」が登場している。
    • 参戦が決定した時点ではゲッコウガは一般に発表される前だったが、人気が出ると見越しての抜擢だったらしい。
    • 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』でも「ゲッコウガ」とステージ2つが続投されている。「カロスポケモンリーグ」はギミックOFF仕様の追加により、ガチ対戦でも使われるステージとなった。
  • 『Pokémon LEGENDS Z-A』
    • 「Pokémon Presents 2024.2.27」で発表されたタイトル。2025年にNintendo Switchで発売予定。

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最終更新:2024年02月28日 09:22

*1 ポケモンごとに決められている、種別ごとの強さを示す数値のこと。

*2 例外として、伝説のポケモンのヒードランの専用技「マグマストーム」は120から100と、幅にして20も低下している。これは恐らくバインド技のバインドダメージが1/16から1/8に強化されたためのバランス調整と思われる。

*3 接触技を強化する特性は『BW』で追加された「どくしゅ」(接触技を受けた相手をたまに毒状態にする)が初。

*4 これについては本作の発売直前に発刊されたゲーム雑誌『ニンテンドードリーム』2013年11月号の開発者インタビューにおいて、本作のバトルディレクターの森本茂樹氏が公式に語っている。

*5 ゴースト・あくタイプはエスパー、ゴーストの2タイプにしか弱点を突けない上、その2タイプがいずれも『BW』ではややマイナーであった。また、技の威力の面でも当時はギラティナの専用技の「シャドーダイブ」(威力120)を除くと全て威力100未満で威力80前後の技がほとんどであった。

*6 ただしメガフーディンのみ90しか上昇しない。設定ミスなのか次世代の『サン・ムーン』では修正された。

*7 メガシンカによって一部の種族値が低下するポケモンは他にメガスピアーやメガバクーダなどが該当するが、こちらは本作ではなく『ORAS』が初登場となる。

*8 ポケモンの能力を底上げする数値。公式はきそポイントと呼称している。

*9 強いて挙げるとすれば、不快なニックネームを付けられたポケモンやチートで作られた不正なポケモンが送られてくることがある。

*10 0~31の32段階ある個体値のうち最も高い31を32進数で表した値。6つの各ステータスに個体値が設定されており、「2V」や「6V」などはそのポケモンが持つ個体値Vの個数を指す。また、30を「U」、0を「逆V」と呼ぶ。

*11 ポケモンにおいては主に、非常に時間がかかり運に左右される厳選作業を延々と繰り返すことを指す。

*12 3か所の個体値が一致し、2か所が異なる場合の話。性別と特性の遺伝を考慮しなければあかいいとによる遺伝の当たりパターン1/6×1/2×1/2の1/24

*13 今までは255が限界だったが、ステータス計算式の都合上、253以上割り振ると無駄が出る。

*14 ミュウのような幻のポケモン、ゼルネアスやイベルタルといった伝説のポケモンのこと。

*15 メガリザードンとメガミュウツーのバージョン違いを含めた場合。

*16 大方のファンがこのタイトルを予想していた。ちなみにジガルデの英語表記は「Zygarde」。

*17 北海道・青森県だと「せつげんのもよう」、長崎県だと「たいりくのもよう」、沖縄県だと「スコールのもよう」になる。

*18 例えば、ビオラが使ってくる「はなぞののもよう」は欧州版でしか入手できない。

*19 一応、捕獲したいポケモンに対してだけ無効な範囲攻撃であれば一層が効く。捕獲したいポケモンだけが飛行タイプ・特性が「ふゆう」なら「じしん」で一掃できる。

*20 BW2の「メダルラリー」のようなもの。こちらはただの勲章という訳ではなく、多く集めるとゲームプレイで溜まるポイントと交換可能な景品や、サイト内で遊べるミニゲームの種類が増えていく。

*21 両方とも、体力満タンから倒される時にHPを1だけ残す特性・道具。この作品では、連続ヒットする攻撃を受けた時には最初の攻撃しか耐えられずに追撃は耐えられない仕様となっており、メガガルーラの攻撃を凌ぐことが出来ない。

*22 ただしこれはあくまで「ギルガルドは物理系の攻撃をメインに戦うポケモンとして考えていた」という前の発言を受けてのもので、「特殊型をまったく想定していなかった」ということではないと思われる。

*23 前述の通り特殊型には意味が無く、そもそも攻撃力が高いのでガルーラを削りきる前にこっちが先に倒れることがままある。

*24 先制技を無効にする技。シングルバトルでは他のポケモンで攻撃できないため、完全に無意味。ダブルバトルでも汎用性が低い技なので使いにくい。

*25 攻撃力は上がるが素早さが下がってしまうので相手に先制でこおりタイプの技を撃たれて倒されてしまいがちであり、メガストーンを持たせずに別の持ち物を持たせて従来の方針で戦う方が合っていると言われがち。メガシンカできるポケモンのうちメガストーン所持率がずば抜けて低いポケモンでもある。また特性が天候に依存してしまう。

*26 メガヘルガーの特性は、日差しが強いの時に特攻が1.5倍になるが、ターン終了時にダメージを受ける「サンパワー」。全く使えないというわけではないが適用条件が局所的であり、無条件で攻撃・特攻が上昇してタスキ・頑丈を貫通するメガガルーラの特性「おやこあい」の完全下位互換である。また、「日差しが強くなるとダメージを受ける」というデメリットはあるが、夜行性のポケモンであるヘルガーのイメージに合わないという意見も多い。

*27 その証拠にシングルバトルでは全シーズンで使用率トップを維持し続けていた。

*28 ほのおタイプ自体は実ははがねタイプに次ぐ6タイプの技を半減できるものの、みずタイプ、じめんタイプ、いわタイプと採用率の高いタイプの技を弱点に持ち、耐久に優れた種族がほとんどいないため、耐性面では弱めと評価されやすい。

*29 基本的には80%命中する、という解釈で問題ない。