SDガンダム Gジェネレーション DS

【えすでぃーがんだむ じーじぇねれーしょん でぃーえす】

ジャンル シミュレーションRPG
対応機種 ニンテンドーDS
発売元 バンダイ
開発元 ヴァンガード
発売日 2005年5月26日
定価 5,800円(税別)
プレイ人数 1人
セーブデータ 3個
レーティング CERO:全年齢(全年齢対象)
判定 良作
ポイント スパロボシリーズも顔負けのクロスオーバー
ルートによって大きく変わるシナリオ
ギャザービート系列Gジェネの集大成
SDガンダム Gジェネレーションシリーズリンク


概要

ニンテンドーDS初のGジェネシリーズかつニンテンドーDS初のガンダムのゲーム作品かつニンテンドーDS初のシミュレーションRPG。
ワンダースワンの『ギャザービート2』と『モノアイガンダムズ』をリメイクしつつオリジナル要素を追加した内容となっている他、他のガンダム作品と比べて試験的な要素も多数盛り込まれている。

なお、前作にあたる『アドバンス』とは直接の関連こそ無いが、グラフィックやBGMなどは一部を引き継いでいる。
ちなみにDSのダブルスロット機能による連動要素もあり、前作のカートリッジを挿した状態で新しくゲームを始めると、強化パーツ1式を追加入手できる。

特徴

  • ストーリーは一年戦争終盤から開始するのだが、プレイヤーが操作するのは珍しいことにジオン軍側となっている。そのため初期のメンバーは1stガンダムのシャア・アズナブルを中心として、MSVのジョニー・ライデンやシン・マツナガ、ギャザービートシリーズのシグ・ウェドナーなどとマニアにはたまらない面々が揃う。なお、敵である地球連邦軍にはホワイトベース隊のほか、SEEDのムウ・ラ・フラガや0083の「不死身の第四小隊」がいるなど、相手側の配慮もしっかりしている。
    • 中盤まで進むと、宇宙世紀作品中心の「宇宙世紀ルート」と、アナザーガンダム主体の「平成ガンダムルート」に分岐する。また一度クリアすると難易度が上がる代わりにイベントや加入キャラが増える「スペシャルモード」を遊べるようになる。
      • 難易度が上がると言っても上昇は大したことはなく、1周クリアした腕前があるなら気にならないレベル。
    • さらに両ルートをクリアして一定条件を満たすと、原作では敵だったメンバー(ジェリド・メサ、ナタル・バジルール、トレーズ・クシュリナーダなど)を操作できる「ライバルルート」に進むことが出来る。
    • しかし何と言っても一番の目玉は黒幕。前作のラスボスも衝撃的だったが、今作の黒幕にも度肝を抜かれたプレイヤーは数知れない。
      + その人物とは まさかのギレン・ザビその人である。
      何故、彼が生きているのかは終盤に明らかになるが、そもそも生きて登場すること自体が一つの伏線と言える。
      ちなみにディー・トリエルやレギオン達の生みの親でもある。
      なお、ライバルルートは小説版機動戦士ガンダムの流れを汲むため、彼も他ルートとは異なる展開を見せる。

評価点

  • とにかくIF設定が質、量共に素晴らしい。
    • ほんの一例を挙げると、軍への不信を振り払ったりジョニーにときめくシーマ・ガラハウ、説得を受けてシャアと和解するハマーン・カーン、綺麗なブーステッドマン3人組などと、原作を知っていればいるほど考えられない設定が多数ある。しかも設定を大幅にいじっているのに、その全てが良い方向に向かっている辺りにシナリオライターのレベルの高さが窺える。
      • 和解したハマーン様は、加入時の選択肢で漫画「若き彗星の肖像」などで描写された少女時代の髪型に戻すことが可能(通称:若作りロリハマーン様)。通常版とはセリフが異なり、IDコマンドの攻撃性能がやや低下しているが、その後のシナリオ中において「とある人物の説得に必要な条件が緩和される」というメリットを持つ。
      • 綺麗なブーステッドマン3人組はライバルルートにおける一幕なのだが、この「ゼロ・ムラサメによるブーステッドマン3人組説得→3人組によるラスボス救出」の一連の展開はギャザービートシリーズ屈指の神イベントとして高く評価されている。
        また、3人組の相性は元はそれぞれに対して−4と原作通りに険悪なのだが、説得後はお互いに+4の補正が付いた仲良しトリオと化しており、エンディングでは自分たちなりに強化人間の境遇を語るなど、原作から一転して清々しい関係性を見せてくれる。
    • この他にもナタルを説得するシーマ様、アズラエルのあまりの非道さに怒りが爆発して離反を決意するジェリドなど、原作で敵役だったキャラクターの一味違う面がこれでもかというほど詰め込まれている。
      • この手のIF設定の定番である、原作で死亡するキャラの救済要素も数多く用意されている。ガトーといったライバルから、プル・プルツーやフレイなどのヒロインも、ルート選択と条件次第で生存&自軍に加入させることができる。
      • そもそも今作のシナリオの根幹を担っている∀ガンダムの設定からしてIF設定の塊となっているが、それもしっかりと練られている。
    • カテジナさんやクルーゼ、ギンガナムなどは最後まで敵役であるものの、一部には本作ならではのIF設定やクロスオーバーが盛り込まれていて、自軍とはまた異なる魅力を発揮している。
      • カテジナさんの乗機は本家Gジェネのオリジナル機体であるザンスパイン。ギャザビシリーズではおなじみの組み合わせであるが、本作はクロノクルが未参戦のため代わりにシロッコに追従しており、「シロッコ、来い!」と呼び付ける姿も見られる。
      • グエン卿は平成ガンダムルートにおいて自軍と敵対するのだが、その際の乗機はまさかのサイコガンダム。知る人ぞ知る小説版∀ガンダムの「ブラックドール」の再現である。
    • 後述するような中の人ネタもたまに見られるほか、ジオングに乗ったシャアを見てパーソナルカラー(赤色)を諦めたと解釈するジョニーや、ハリーとマシュマーによる「女王様もえもえ対決」など、ネタに振り切った会話や戦闘演出もある。
    • また、ライバルルートだと特定のキャラがターンXを使用できるのだが、その人選がジョニー、マツナガ、トレーズ閣下、ゼロ、セレイン、シーマ様、ジェリド、ゼクスとカオスの極みとなっている。
      • これに関連して、ゼクスでターンXを入手する際は「ゼクスとギンガナムの担当声優が同じ」という中の人ネタを意識した専用イベントが挿入されるため、イベントコンプリートを目指している人はそこにも着目。
    • 中には一部で有名な小説版機動戦士ガンダムのネタもある。何ともマニアックなチョイスだが、だからこそ面白いと言える。
      + 以下、ライバルルートにおける小説版要素について。ネタバレ注意 一定条件を満たした上でア・バオア・クーの決戦においてアムロを撃墜すると、アムロが死亡する。これをきっかけにカイはニュータイプとして覚醒し、ホワイトベース隊はシャアと共にザビ家を叩くことになる。
    • これだけなら小説版準拠ということで許されるかもしれないが、戦後カイがプレイヤーのティターンズ部隊の前に颯爽とνガンダムで現れる。カミーユやジュドーと共に「人の心の光を見せなきゃいけないんだろ」「νガンダムはダテじゃねえんだ」と叫びフィン・ファンネルを乱舞させる最強のニュータイプ・カイに多くのプレイヤーが衝撃と恐怖を覚えた。
    • もっとも、最後にはプレイヤー部隊も戦争終結のためにエゥーゴと合流するので、カイとは協力することになる。
    • とまあこのようにカイさんが凄まじい変貌を遂げるわけだが、ライバルルートはこのカイ覚醒が霞んで見えるほどやりたい放題な展開が満載なので、特別カイさんが目立つゲームというわけではない。それでも十分目立ってるけど
  • また、本作の宇宙世紀ルートはモノアイガンダムズのリメイクで有るとされるが故に…。
    + ... 原作のモノアイガンダムズでは最終的にミアンかセラ(セレイン)のどちらかしか助けられず、その内選ばなかった一人は死亡することになる。一応、条件を満たせばハーレムも可能だがその難易度は高かった。
  • だが今作では2人が生存可能となり、シグを取り合うハーレム展開も見る事ができるほか、とある人物から冷やかしを受ける場面すら用意されている。
  • また、ライバルルートではこれとはまた違った展開を見る事が出来る。
  • キャラ毎の相性もユニーク。
    • 各キャラには相性が存在し、数値にして±1〜20の範囲で1人あたり最大4枠まで設定されており、チームを組んで戦闘を行う際に命中率などに補正が入る。これ自体は前作にもあった要素であるが、本作では数値の幅が大きくなっているほか、「女性かつ子供キャラ全員に対して+4」といったカテゴリー指定の相性も登場した。
    • 上記のロリコン例は実のところシャア(クワトロ)の持つ相性なのだが、対するハマーンは「男性かつ子供に対して+4」持ちと意味深。また、ウッソやムウなどは「女性かつ大人に対して+4」となっており、ハリーに至っては「女性に対して+4」と幅広い対象が設定されている。
      • このほか、作中で相思相愛だったシローとアイナは互いに+20と高相性である一方で、ヘンケンはエマに対して+20だが、エマはヘンケンに対してわずか+1と、色々と笑える設定がなされている部分も。
      • ロランのソシエに対する相性など、同じキャラに対して+と−の補正が同時に設定されている場合もあり、原作における複雑な心情が再現されているケースもある。
      • 先に述べたブーステッドマン3人組のように、同じキャラでも時期や状態によって全く異なる相性になっていることも多い。中には、通常版と比べて相性の良いキャラが減っているカミーユ(ハイパー)やシャア(逆シャア版)といった妙な設定もあるが。
  • 登場MSもマニア心をくすぐる物が多い。
    • 色違いエルメスが3機も出てくる作品は後にも先にもこれだけである。
    • ドム・バインニヒツにドム・グロウスバイル、スーパー・ディアスなどといったギャザビシリーズのオリジナル機体も健在。これらの機体は本家Gジェネや他ガンダムゲーには登場しないことも多く、貴重な存在と言える。
  • オリジナル機体・キャラも好評。
    • オリジナル機体として「センチュリオ」が初登場。(ガンダム用語としての)黒歴史を満載した機体であり、その設定通りに圧倒的な機体性能と個性的な攻撃演出が特徴。
    • 宇宙世紀ルートと平成ガンダムルートでは「ディー・トリエル」という少女が加入する。一見するとただの無口なニュータイプだが、アビリティ内容をよく見ると普通のニュータイプとは異なる効果が働いており、シナリオが進むとその真相が見えてくる。
      • 彼女と相性が良いキャラはコウ、ルー、アポリー、キラという意外すぎる人選。前者2名は宇宙世紀ルートで、後者2名は平成ガンダムルートにて絡みが描かれているのだが、各エピソードではそれぞれ異なる形で彼らの面倒見の良さが描写されており好評。
      • なお、ライバルルートではトリエルは登場せず、また異なる人物が加入する。その人物と相性が良いキャラは、シナリオ的にも納得の個性的なメンバーで占められている。
    • そして上記のセンチュリオを駆るオリジナル敵キャラの設定は、今作の奇抜さを端的に表していると言える。特に本編ラスボス戦は初見だと確実に絶望するレベルであろう。
  • 図鑑について
    • 前作に引き続き、解説の一部はユーモアに満ち溢れているのが特徴。真面目に解説している項目があるかと思えば、思わぬオチを付けている事があったり、今作のトンデモ設定へのセルフツッコミになっている項目も。特にカテジナさんや覚醒カミーユなどは必見。
    • また、本作からデモシーンや一部のイベント戦闘も図鑑に登録されるようになった。1枚絵が表示されるものや「ヒイロvs.」など専用のアクションが見られるものもあり、それらの再確認が容易なのは嬉しいところ。
  • BGMも好評で、一部は前作『アドバンス』から引き継いでいるものもある。
    • 本作のガンダムWのBGMは、アニメでは終盤の数話しか使われていない後期OP「RHYTHM EMOTION」が選曲されており、アレンジ・選曲も含めて評価が高い。
      • 前作のBGMにおいても、前作のものをショート版としつつサビにあたるパートを追加しフルコーラスに近い尺を再現した「めぐりあい」や、逆にイントロをカットしたショート版を追加収録した「あんなに一緒だったのに」など、地味な改善が為されているものがある。
    • その他、過去作のBGMをリメイクした「モノアイガンダムズ」や「戦いのとき」、ディー・トリエルのテーマである「見つけたもの」など、ゲームオリジナルBGMの評価も高い。
    • ちなみにサウンドテストにおいては、本作から効果音の再生も可能となっている。ビームライフルやサーベルなどの攻撃音から、ニュータイプやSEEDが覚醒した時のSEなども自由に視聴できる。
  • 機体を改造することができるのだが、どのユニットも2段階目で似たようなスペックになる。
    • つまり、ザクやジムでも頑張って改造すれば使い続けられるという事であり、これらの機体のファンにはうれしい所。もっとも、弱い機体の2段階目の改造は費用が凄いことになるが…。
  • IDコマンドや一部必殺技を発動するために必要なSPは、本作では各キャラクター毎に最低値から開始し、フェイズ開始時や戦闘後・敵機撃破時に増加する仕様となっている。このため前作と比べてIDコマンドや必殺技を多用しやすくなっており、戦闘の爽快感が増している。
    • また各ハイパー化は、一度発動条件を満たすとそのセッション中は永続発動するようになった。
    • 新たに「チーム攻撃」という要素も追加されており、チームを組んでいる時にメンバー全員のSPを10消費して全体攻撃を仕掛けられる。序盤から使用できる強力な攻撃手段となるほか、時には低レベルなパイロットを利用してレベル上げで活用できる場面も。

賛否両論点

  • 登場するキャラ・MSに偏りがある。
    • 特に序盤はジオン軍の立場で行動することもあるからか、敵役の連邦軍が後のティターンズ中心のメンツだったり、0080や0083のエピソードの流れなど、ジオン贔屓な事は否めない。MSに関しても、ジムに対してザク・ドム・ゲルググのバリエーションはそこそこ充実しておりやや格差がある。
    • 裏を返せば、このおかげで特徴で述べたようなジョニーやシーマ様などのキャラクター達にスポットが当たっているとも言え、IF展開も含め当時としても新鮮かつ斬新なシナリオではあった。
  • 一部作品にゲームシナリオの都合による弊害が生じている。
    • 前作で各作品の地上戦を再現していたことの反動、及び差別化を図るためか、本作では一年戦争をはじめとして地上戦の多くが省略される傾向にある。
      • 一年戦争以外だと0083が分かりやすい例で、本作では観艦式襲撃からストーリーが開始する。このため素のGP01は登場せず、運用できるのはフルバーニアンのみ。
    • これにより、史実では本来地上に居たメンツが無理矢理宇宙に上げられていることもある。特に08小隊がその煽りを受けていて、一応原作を意識した専用シーンはあるものの、ノリスやギニアスとの決戦ではシローはガンダムEz-8ではなくジム・コマンドに乗っており、いまいち物足りない。一応、ジム・コマンドは当時の最新高性能量産型MSで、一部のエースや隊長格に優先的に配備される設定ではあるが…。
      • 陸戦型ガンダムやグフ・カスタムといった作中の地上用MSがいない中でアプサラスIIIだけは収録されているが、配置されているのはソロモンという不可思議。本来アプサラスはジャブロー強襲を想定したMAなので、ソロモンに居るのは少々違和感がある。
      • 過去作の『ギャザービート』や『アドバンス』ではオリジナル機体としてEz-8の改造機が登場していたが、今回はそれらも収録されていない。同じギャザビ出身のMAグロムリンは登場しているのだが。
    • このため、本作では地上専用機体という概念がほぼなく、上記のフルバーニアンなどの宇宙専用機体のみ登場するようになっている*1
  • マニアックな要素や展開が多い。
    • これ自体は評価点ではあるのだが、キャラゲーの宿命として、それなりにガンダムシリーズの知識がなければ何が楽しいのかわからない可能性がある。特に宇宙世紀関係の作品(1st、Ζ、ΖΖ、0083、0080、08小隊、MSVなど)は、事前に調べるなりしておいた方がより楽しめるだろう。
  • 変形形態が省略されてしまった。
    • 前作と違って本作では変形コマンドが省略されており、マップアイコンなどで各可変機の変形形態を拝むことはできなくなった。例外的にリ・ガズィはBWSによる変形形態で運用できるほか、イベントシーンではΖガンダム(ウェイブライダー)のマップアイコンが確認できる程度。
      • ただし、前作では本家シリーズと異なり「移動前に変形して移動→戦闘(確定)前に変形解除」が行えたため、移動以外で変形形態を維持する必要がほぼなかった。本作の可変機は素で高い移動力が与えられており、無駄な操作を省いてより合理的な仕様にしたとも言える。
    • 戦闘アニメにおいては一部武装で攻撃する時のみ変形するようになっている。ただし、メタスなど変形形態を確認できない可変機もいくつか存在している。
  • フルアーマー機体の仕様
    • 上記の変形形態と似た形だが、本作ではアレックスなどの追加装甲を持った機体はフルアーマー形態がデフォルトとなっており、イベント演出などを除いて素の状態で出撃させることはできなくなっている。
      • 例外はガンダムMk-IIとスーパーガンダム程度で、素の形態で戦闘させるには発艦した後にパージ操作を行う必要がある。GP03は機体サイズも変わるため、ステイメンでチームを組みたい時はやや不便。
    • とはいえ、こちらも基本的にはフルアーマー形態が優先して使われるので、無駄を省いたと言えなくもない。開発ルートの簡略化にも一役買っている。
  • SEEDキャラが目立ちすぎている。
    • 各ルートに共通して一定の出番があるため、平成ガンダムルートやライバルルートはともかく、宇宙世紀ルートにSEEDのキャラが出張してくるのが気になる人もいる。
      • とはいうものの、当時はSEED DESTINYが放送中で宣伝を考えれば無下に出来なかったと言う事情があり、またSEEDファンにとっては評価点になり得る要素ではある。
    • ちなみに別作品に目を向けると、Xはニュータイプ設定のため宇宙世紀ルートと平成ガンダムルートの両方に登場するし、∀やクロスボーンのように全ルートでシナリオに絡んでくる作品もある。
  • 本作では、前作にはなかった戦闘アニメのカット機能が追加されている。
    • それ自体はテンポの向上になるので好評なのだが、これは隠し要素扱いで一度エンディングを見るまでは解禁されない。そのため、初回プレイから戦闘アニメを省略して手早く進めることはできない。
    • もっとも、本作の戦闘アニメは後述の演出省略もあってかなりスピーディーな構成となっており、前作や続編と比べてもテンポ良く進むようにはなっている。
  • 総じてゲーム難易度は低め。
    • スペシャルモードにおいても手応えは大きくは変わらず、いずれにしても強力な機体やパイロットが揃うゲーム終盤以降は無双ゲー状態になりがち。
    • とはいえ全てが低難易度という訳ではなく、本編ラスボス戦など要所要所で「突っ込んでいるだけでは落とされる」ような歯応えのあるステージはいくつか存在する。
      • 全ステージクリア後には、他ルートの主要キャラ達が敵として出現する「特別演習」に挑戦できる。後述のバグが存在する点は残念だが、ハイパー化持ちのユニットは開幕時点からハイパー化しているのも特徴で、完全クリア後に相応しい高難易度の戦闘を楽しめる。
  • 行動封印バグの存在。
    • IDコマンドの中には「戦闘中に敵チームの一切の行動を封じる」という強力な効果のものがあり、それらは消費SPも多めで乱発できないよう調整されているのだが、あろうことかこれをノーコストで発動できるバグが存在する。
      • 条件も手軽で、敵軍フェイズで戦闘を行う際に行動封印効果のIDコマンドを選択し、戦闘前のスタンバイ画面まで進めてからキャンセルするだけ。キャンセルした時点で相手の攻撃が行動封印で上書きされているため、IDコマンドを取り消せばSPを消費せずに攻撃を封じることができるし、別のIDコマンドを発動しながら一方的に攻めることも可能となる。
    • 幸い、このバグは敵軍フェイズでしか使えないためこちらから攻める時に活用できず、そもそも行動封印持ちのキャラクター自体が少なく加入時期も遅めであるため、ゲームバランスを根底から崩すほどの存在感は発揮していない。プレイヤーにはメリットしかないバグなので、嫌なら利用しなければ済むレベルでもある。

問題点

  • セーブデータの初期化ができない。
    • 久しぶりにプレイする際に、新たな気持ちで全データを初期化して最初からプレイをするといった行為ができない。
      • 中盤の宇宙海賊参戦イベントは、ストーリーを完全クリア済か否かで内容が分岐する仕組みがある。しかし、データの初期化ができない仕様から、一度完全クリアまで到達すると非クリア状態の専用イベントを確認できなくなってしまう。
    • また、当然中古で購入した場合だと前のプレイヤーのデータを引き継いでプレイすることになる。登場人物やユニットの図鑑をプレイを通じて埋めていくのもGジェネの醍醐味の一つだけに残念なところ。
  • 各ルート毎の戦力差が大きい。
    • 宇宙世紀ルートはアムロを筆頭に強力なニュータイプが多数揃い、艦長枠もブライトといった有能キャラで固められるため最も戦力が充実している。そうでなくとも加入可能なキャラが多いため、例え主人公格を除いて編成しても出撃枠が足りないという贅沢な悩みが出るほど。
      • 主力メンバーの一人であるカミーユのハイパー化イベントを完遂するためには、一部キャラを離脱させるか隠しキャラを最低1人は諦める必要がある。ディアナ様加入の関係からヘンケン艦長が割を食いやすいのだが、そもそもキャラの離脱に抵抗のあるプレイヤーには辛い仕様となっている。
    • 逆に平成ガンダムルートは人員に乏しい傾向にあり、艦長枠も中盤までは微妙な能力のキャラしかいない上にニュータイプも不足している。さらに中盤以降は追加キャラもほとんどおらず、主力たるドモンはよりにもよって隠しキャラなので、加入条件を知らないとさらに戦力差が開く羽目になる。
      • 「平成ガンダム」故に致し方ないが、ニュータイプ系キャラはノーマルモードの本編内ではわずか4人。その内2人が専用機持ち、1人は原作再現すると離脱してしまうため、最悪ファンネル機を扱えるのが1人しかいない状況となる可能性もある。隠しキャラの増えるスペシャルモードなら十分な人数になるのは救いだが…。
      • そもそもXと∀は宇宙世紀ルートにも登場する上、SEEDはキラ&アスランが共通戦力となっているため、平成ガンダムルート固有の作品そのものが少ない。SEEDのカガリなどといった専用メンバー自体はそれなりにいるが、バランスに偏りがある感は否めない。
      • また、ドモンが加入する隠しステージは、場違いな強さを誇る敵ユニットと「HP完全回復」を行う大型敵ユニットが揃う構成もあり難易度が高い。突破にはHP回復などの搦め手を封じる「ID封印」を活用する必要があるが、この時点ではマツナガしか使用できるキャラがいないため初見殺し感も強い。
      • 共通パートではモノアイガンダムズやデラーズフリート、アクシズ関連のキャラが活躍するのだが、こちらのルートではそれらの関連人物のほとんどがフェードアウトして結末が分からず終いとなる。かろうじて「特別演習」に一部キャラが出てくる程度。
    • ライバルルートは当初こそ微妙な人員しかいないものの、最終的にはかなり充実する上にその人選も個性的であるため、戦力差はさほど気にならなくなる。
    • こういった格差から、前述した「特別演習」の敵部隊の構成の差も大きい。特に、強力なニュータイプ部隊と交戦する形になる平成ガンダムルートは最も難易度が高くなっている。
  • 一部キャラにバグがある。
    • バグの内容は「クリア後にステータスが弱体化」と、「戦闘中の台詞が出にくい(出ない)」の二種類。
      • 前者のバグは特定条件で発生するものであり一応は回避可能だが、知らないと戦力低下は避けられない。 このバグに該当するのは宇宙世紀ルートのカミーユと、ライバルルートのジェリドの2名。条件を満たさないとなぜか初期バージョンに差し変わり、能力が大きく劣化する。カミーユは前述のハイパー化イベントを最後まで進めることで、ジェリドは自身でターンX入手イベントをこなせば回避可能。しかしジェリドの場合、他キャラでターンXを入手すると弱体化確定となる。
      • 後者はバグと言うより仕様なのか回避不能。一応、台詞を意図的に出させる方法が無いわけではなく、こちらはゲームの進行には全く影響しない。
    • また前述の「特別演習」にもバグがあり、一度クリアして再挑戦すると「敵キャラのハイパー化が解除されたままとなる」ため、難易度が意図せず低下してしまう。
      • 正確には「パイロットのハイパー化のみが解除された状態」となっており、機体のハイパー化はそのまま。この仕様上、アムロ&νガンダムやウッソ&V2アサルトバスターなどの一部ユニットは弱体化しておらず、シンやカガリなどのように条件を満たせばしっかりハイパー化してくるものもいる。一方でドモン&ゴッドガンダムのように再度のハイパー化が絶対に起こらないユニットもいるため、バグの影響もルート毎で差が大きい。
  • 前作と比べて戦闘面での演出が劣化している。
    • 戦闘グラフィックは前作から一部を流用しているのだが、回避・被弾モーションが省略されていたり、演出が簡略化されたものがあったりと劣化点が目立つ。
      • 前作ではアムロ&νガンダムやキラ&フリーダム、コウ&GP03の必殺技にカットイン演出が入っていたのだが、本作ではいずれも削除されている。
    • 前作から引き続きではあるのだが、戦闘アニメの効果音の再現度はさほど高くはない。特にビームライフルの発射音は、作品・世界観を問わず大半が初代ガンダムの発射音で統一されてしまっている。
      • 一応、Ζガンダムのビーム発射音なども収録されてはいるが、これらはビームライフルの上位版といったイメージで起用されており、原作再現は重視されていない。
    • ハードの進化を考えると、こうした点は努力不足と言わざるを得ない。モーション省略に関しては賛否両論点で述べたように、テンポ良く進むという利点もなくはないのだが…。
+ 今作

+ Gジェネアドバンス

+ モノアイガンダムズ

  • 「艦隊戦1」「艦隊戦2」など、尺が極端に短くアレンジされているBGMがある。それらの出来が悪い訳ではないのだが、シナリオによっては戦闘以外の編成画面などでも延々と流れる場面があるため、やや単調に感じられることも。

総評

ルート間のバランスの悪さや戦闘の演出面、一部のバグなどの難点はあれど、圧倒的な質と量を誇るIF展開とハイレベルなキャラ改変からガンダムシリーズのキャラゲーとしては高い評価を得ている。
それ故にギャザービートシリーズの魅力を存分に楽しめる名作とも呼ばれており、『GジェネF』並にマニアックなファンが今なお多く存在する。
近年では古い作品の機体やキャラクターが再び脚光を浴びる機会も多いため、センチュリオやトリエルなどの再登場に期待を寄せる者は決して少なくない。


余談

  • シナリオ上の繋がりはないが、続編として『クロスドライブ』が発売された。しかしその内容は…
  • ユニットの開発ルートを全て埋めた状態で新たにゲームを開始すると、特典として全種類の「ユニット変換パーツ」を入手した状態でプレイできる。
    • これを利用すれば、サイコガンダムやメッサーラといった性能的にも設定的にも場違いな機体を一年戦争中に投入できたりする。とはいえ特にシナリオ上で反応があるわけではなく、固定出撃によって活用できない場面もあるが。
  • 高評価なシナリオ・テキストを持つ本作だが、それらを確認するためのハードルはやや高い。
    • 一昔前のゲームであるため攻略サイトが少なく、今となっては攻略本も入手困難で、情報源に乏しいのが現状である。
    • 豊富な戦闘前会話は勿論のこと、発生条件が難しいイベントも複数あり、特にカミーユ完全覚醒やライバルルート突入の難易度は高く、ターンX入手イベントに至ってはノーヒントで達成するのはほぼ不可能に近い。
      + ライバルルートにおけるターンX入手条件解説 その条件とは、「ターンXのマスター候補のレベルを30以上にし、指定ステージでチームを組まずに1人でギンガナムにトドメを刺す」こと。
      特に経験値稼ぎをしない場合、このステージでの自軍の平均レベルは15前後。
      味方よりもレベルの高い敵を撃破した方が多く経験値が手に入ること、そしてチーム攻撃する場合隊員がリーダーと同じ経験値が入る仕様を利用して、数戦ほど演習でレベル稼ぎの寄り道をして初めて条件を満たせる。
      また該当ステージのギンガナムは1度復活するので、その復活後に1人でトドメを刺す必要がある。
      なお、候補キャラの内セレインは条件を満たすと、指定ステージの直前に一時離脱して演習に参加できなくなる。隠しキャラを集めつつ彼女にターンXを与える場合は早めにレベルを上げ切っておくこと。
  • 図鑑の説明文が特徴的な本作だが、角川書店刊の攻略本のキャラクター解説も割とフリーダムである。
+ 名有りキャラ編

+ 哀れな一般兵編

  • 本作オリジナル機体「センチュリオ」の特殊防御はゲーム中では「レルム・D」と表示されるのだが、正式名は「レルム・ドミナートゥス」である。この名称はゲームをプレイするだけでは確認できず、発売当時の雑誌『ガンダムエース』に収録された機体解説記事「GAME'S MsV」にのみ記載されていた。
    • 同記事では機体のイラストも添えられており、公式でリアル頭身のセンチュリオを拝める貴重な機会でもあった。
  • 本作は防御コマンドがないが盾防御の概念はあり、シールドを持つ機体は回避選択時に被弾した場合のみシールドを構えるモーションが入る。
    • 特殊防御が発動するとシールドを構えなくなる仕様や、敵は基本的に回避を選択することはないため、ザンスパインなど一部機体のシールド構えのグラフィックを視認するのは極めて困難。一応、コウ&GP03の必殺技を当てると被弾時に必ずシールドを構えるという小ネタはあるが。
  • 後に発売された『Gジェネクロスレイズ』にシグ&シスクードが参戦している。シグは本作以来久々の参加となり、さらに木島隆一氏によるキャラクターボイスも初収録となった。
    • また、シグの専用BGMも新たに収録され、本作のBGM「モノアイガンダムズ」をベースにアレンジ+新規パートを加えたものが用意されている。
+ タグ編集
  • タグ:
  • SRPG
  • バンダイ
  • ヴァンガード
  • SDガンダム

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年11月24日 18:34

*1 一応、シナリオ上でプレイヤーが制約を受けることはないが、アウドムラなどで地上専用機はいくつか存在する。