おいらじゃじゃ丸! 世界大冒険
【おいらじゃじゃまる せかいだいぼうけん】
ジャンル
|
アクション
|
|
対応機種
|
ゲームボーイ
|
発売元
|
ジャレコ
|
開発元
|
トーセ
|
発売日
|
1990年9月28日
|
定価
|
3,400円(税抜)
|
配信
|
バーチャルコンソール 【3DS】2012年1月18日/411円
|
判定
|
なし
|
ポイント
|
ゲームボーイ唯一のじゃじゃ丸くんゲーム 基本ヌルゲー・稀に即死ゲー
|
忍者くんシリーズ
|
概要
1990年にジャレコからリリースされたゲームボーイ用ソフト。『忍者じゃじゃ丸くんシリーズ』唯一のゲームボーイ作品でもある。
生贄目的でアメリカ出身の妖怪サタンに"さらわれた"さくら姫を救う為、じゃじゃ丸くんが6つの国を舞台に活躍するというストーリー設定。
特徴
-
一人プレイ専用。全6章(ステージ) + 2ボーナスステージ構成。
-
操作系統。
-
じゃじゃ丸くん(以下:自機)の操作は以下の通り。
-
十字ボタンで左右移動。十字ボタンとBボタンの組み合わせで、前後左右4方向へと手裏剣攻撃ができる(地上時・ジャンプ時を問わず)。
-
Bボタンでメイン攻撃である"手裏剣"を放つ。手裏剣は使用無制限・連射可能だが射程制限がある。
-
Aボタンでジャンプ動作。ボタンの押す長さでジャンプ力の調整ができる他、ジャンプ中の移動制御も可能。
Aボタン長押しで、自機の重力を反転できる(下地形へ着地 ⇔ 上地形へ着地)。但し、地形によっては例外もある。
-
特定のボス戦限定で、SELECTボタン押しにてメイン攻撃と特殊武器へと切り替えられる。
-
ボーナスステージでは上記とは違う操作系統となる(下記)。
-
ステージの流れについて。
-
本作は至ってオーソドックスな横スクロールアクションのルールを採用している。
-
自機を右へとスクロール移動させれば下記の中ボス・ボス戦へと突入する。あまり意味はないが、左スクロールへと後戻りする事は可能。どの章も制限時間は設けられていない。
-
各章毎に必ず「中ボス」と「ボス」が待ち構えており、両方のボスを倒せばステージクリアとなる。
-
中ボス・ボス戦ではボスクラス以外の敵は出現せず、必ず自機とのタイマン勝負となる。
-
4章の中ボスは物理的な襲撃を行わず、"クイズ"で勝負を挑んでくる。クイズに正解すると倒せるが、不正解でも正解になるまでクイズが出題され続ける(不正解ペナルティはない)。
-
1・2・3・5章の中ボスを倒すと、「先のボスを倒す為の特殊武器」を自機に授けてくれる。
-
該当ステージのボスには通常の手裏剣攻撃が一切効かない。上記操作で武器を切り替え、その攻撃でボスを倒す必要がある。
-
特殊武器は手裏剣攻撃同様に使用無制限であり、攻撃回数を気にする必要はない。特殊武器は該当ステージをクリアすると必ず消滅してしまう(次ステージへの引継ぎ不可)。
-
4・6章には特殊武器自体が存在しないので、手裏剣攻撃のみでボス敵にダメージをあたえられる。
-
1・4章クリア後は「ボーナスステージ」が挟まれる。
-
このステージでは自機が海中ハンターとなり、海中を泳ぐサメやエイを"モリ"でハンティングしていく目的となる。
-
サメには耐久度があり、モリを複数回撃ち込まないと倒せない。エイはモリ一発で倒せる。サメなどを倒すと自機ライフが40回復するボーナス。
-
十字ボタンで自機の海中八方向移動。ÅかBボタンでモリを放つ。SELECTボタンは未使用。スクロール制限があり、アイテムの類は出現しない。
-
すべてのサメなどを倒せばステージクリアとなり、次の章へと進める。なお、ボーナスステージではあるが、自機がサメなどに触れるとダメージを受けてしまう。
-
アイテムについて。
-
各章の雑魚敵を倒すと以下のアイテムを落とす。各アイテムは放置すると上方向へと浮遊していく。
-
「魂」「薬瓶」…前者は自機ライフを15回復する効果。後者は75回復する効果。
-
「爆弾」…一定時間、自機の攻撃が"爆弾"となる効果。攻撃すると放物線を描く感じで投下される。連射はできないものの、投下後は凄まじい程の攻撃判定が発生する。
-
「忍法の書」…一定時間、自機の攻撃が"分身の術"となる効果。攻撃すると自機が停止した状態で分身の体当たりを行える。分身にアイテムが触れると、それを拾えてしまう。
-
「わらじ」…一定時間、自機の移動速度が2倍増しになる効果。
-
「トロッコ」…一定時間、自機が無敵化・及び体当たりで敵を倒せる効果。手裏剣攻撃しながらの体当たりも可能。
-
ミス条件について。
-
数値によるライフ制を採用している。
-
初期ライフは200、最大ライフは999まで溜められる。ステージクリア後もライフ数値が引き継がれた状態となっている。
-
自機が敵・敵攻撃・トゲに接触すると、ダメージによりライフ数値が減る。敵などによって減少するライフ数値に差異があり、ダメージ後の無敵時間は皆無といっていい。
-
ライフ数値が0になるとミス。また、自機が落とし穴に落ちると、ライフ数値に関わらず即ミスとなる。
-
残機概念やコンティニュー機能は搭載されておらず、ミスすれば即ゲームオーバー(タイトル画面行き)となる。
-
妙にフレンドリーなボス敵達。
-
中ボス・ボス戦登場の前後には何かのイベントシーンが挟まれるが、どのボスも"じゃじゃ丸くん"に対してフレンドリーな対応をしてくれる。
-
対決前のボス達は「俺と勝負だ!」的な好戦的会話をしてくる。"襲い掛かる前に話しかけてくる"ボス達の律儀さも若干変だが、それ自体は他のゲームでも珍しく無い展開である。
-
しかし、直前まで殺意全開で襲っていたのに撃破後は本当に何の脈絡もなく「章のボスを倒すには○○(特殊武器)が必要だ、持っていけ」「さくら姫は●●(国名)にいるぞ、急げ」的な会話で情報提供をする。
評価点
-
操作性はとても良く、画面を越えるぐらいのジャンプ力や天井歩きによって自由自在に移動することができる。
-
連射性能も高く、ザコ敵の耐久力も低いので、ほぼ止まることなくサクサク進めることができる。
-
グラフィックの書き込みは悪くなく、ちゃんと"じゃじゃ丸くん"らしさが表現されている。
-
世界各地が舞台という関係上、他シリーズでは"あまり"見かけない怪しげな洋風デザインが目立つ。コミカルながらも洋風妖怪の個性が"そこそこ"上手く描けているのではなかろうか。
-
ただし、別の国にもかかわらずステージ構成が似通っていたり、BGMが同じだったりする章もありバリエーションは少ない。
-
BGMも良好で、ゲームを盛り上げてくれる。
-
ちゃんと章毎に専属の楽曲が用意され、舞台となる国のイメージに近い曲が流される。
賛否両論点
-
基本的にかなりのヌルゲー。
-
適当にプレイするだけでも自機ライフ数値が腐る程に増えていくので、よほどの事がない限りはミスになりにくい仕様。
-
雑魚敵を倒すと大量の人魂アイテムを落とす。これを回収しながら進んでいけば、早い段階からライフ数値がカンスト気味になってくる。
-
後半章に進もうが、人魂アイテムの飽和状態は変わらず。極端な話、敵に突っ込みながら人魂アイテムを回収しても、ライフ数値ダメージより回復量の方が上回る。
-
ボスクラスの敵も全体的に弱い。とあるボスに至っては「適当に攻撃連打してたら倒せていた」という場面がある程。
-
但し、ダメージ後の無敵時間が皆無なので、あまり調子に乗って突進していると、ライフ数値が"ごっそり"奪われてしまう事態もある(特に中ボス・ボス戦全般にありがち)。
問題点
-
初見殺しにも程がある開幕落とし穴
-
「開始直後に落とし穴がある(ジャンプ状態で始まるため十字ボタンで回避しないと転落確定)」という、突然の初見殺しが2ヵ所存在する。
-
前述の通り、本作には残機制もコンティニューもない為、そこで落ちてしまったらゲームオーバーである。
-
その2ヵ所以外にも多くの穴があるが自機のジャンプ力は非常に高く、落下も制御しやすいため、普通にプレイしていればまず落ちることはない。
総評
1つのアクションゲームとしては無難に楽しめはできる出来だが、サクサク進める反面ヌルゲーすぎてやり応えはない。
そのくせ凶悪な落とし穴で即死するなどゲームバランスは大味で良くも悪くも初期GBらしい荒削りな作品である。
余談
-
海外でも『Maru's Mission』という名前で発売されている。
-
海外に合わせてか、オープニングからしてNYで金髪美女と歩いているところを空飛ぶ侍(ラスボスMURAMASA)に襲撃されるというカオスなものに変わっている。……もちろん主人公は忍者のままで。
-
最終章を侍の国日本にするため1章と6章の敵とBGMが入れ替わっているがステージはそのままである。6章にはキツネの代わりに謎の相撲取りが大量に出てじゃじゃ丸に張り手をしてくる。
-
5章クリア後にボーナスステージが追加されている。
-
敵がリアルな画に差し替えられている。一部の敵は攻撃方法も変わり強くなっている。ボスに至っては全く違うものに差し替えられているものもいる。
-
鏡バリアが鏡の盾に変わり、鏡を構えてメデューサの攻撃を跳ね返してダメージを与えるよう変更されている。
-
スフィンクスのクイズが「朝は四本足、昼は二本足、夕は三本足。この生き物は何か?」という本当のスフィンクスクイズになっている。
-
じゃじゃ丸の移動手段はカエルではなくカメ。
-
デフォルトの手裏剣が十字手裏剣のような形になっている。新たな忍術アイテムが登場する。
-
コンティニューが3回まででき、穴に落ちてもすぐ近くで復活できる。ただし敵の攻撃でライフ0になったときは死亡する。
-
"初代"の存在が強すぎる故にシリーズ内でもマイナーな目で見られていた本作だが、現在は3DS版のバーチャルコンソール配信で見る機会は増えた。
最終更新:2021年02月14日 00:13