伝説のスタフィー

【でんせつのすたふぃー】

ジャンル マリンアクション

対応機種 ゲームボーイアドバンス
メディア 64MbitROMカートリッジ
発売元 任天堂
開発元 トーセ
発売日 2002年9月6日
定価 4,800円(税別)
プレイ人数 1人
セーブデータ 2個(バッテリーバックアップ)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
※バーチャルコンソール版より付加
配信 バーチャルコンソール
【WiiU】2015年7月29日/702円(税8%込)
判定 良作
ポイント トーセが開発公表している数少ない作品の一つ
使いまわしがほぼ存在しない可愛らしいキャラ達
伝説のスタフィーシリーズリンク


概要

可愛らしいキャラクターが売りのマリンアクションシリーズ第1作。
元々はゲームボーイカラーで開発されており、画面写真が公開されるまで開発が進んでいたが、後継ハードのゲームボーイアドバンスに変更された経緯を持つ。
このため本作にはステージ中L、Rボタンを使用する操作は一切存在しない。

なお、本シリーズはゲーム開発の下請けを専門とし、なおかつ関わった作品を滅多に明かさないトーセが開発したことが公表されている。
他に公表しているのは、『ゲームボーイギャラリー3』、『NINTENDO パズルコレクション』などがある。

物語

スタフィーは空に浮かぶ王国「テンカイ」の王子。
ある日、宝物を運んでいる途中に海に落としてしまった。
すると、大嵐が起こってスタフィーは海に落ちてしまった。
海に落ちた時、ロブじいがスタフィーを助けた。
スタフィーはテンカイに帰るため、冒険に出る。

(Wikipediaより引用)


特徴

システム

  • ジャンルは他に類のない「マリンアクション」だが実際のところ水中面が多いぐらいでシステム自体は一般的なアクションゲームである。
    • マリオシリーズのようなジャンプアクション系ではなく、メトロイドシリーズのような探索アクションに近い。
  • 主人公のスタフィーにできることは非常に少ない。
    • 移動、ダッシュ、高速泳ぎの一般的なアクションを除くと、唯一の攻撃手段である「スピンアタック」とゆっくり落下できる「ムササビジャンプ」だけである。
      • だからといってゲーム自体もシンプルかと言えばそうでもない(後述)。
    • また、特定のポイントでは「のりもの」に乗って先に進むことになる。通常時とはまた違った操作を要求されるためなかなか新鮮である。
  • 2周エンド。以降のシリーズも同様である。
    • 2周目は地上に散らばってしまったテンカイのお宝を探すため再び地上を巡ることになる。
      • 1周目は入れなかった場所にも入れるようになる。
    • 1周目はストーリーの展開上一度クリアしたステージに引き返すことはできない。自由にステージ選択ができるようになるのは2周目からである。

登場キャラクター

+ 詳細
  • スタフィー
    • テンカイの王子。水中でも呼吸に問題はない。
    • しゃべらない主人公だが表情は豊か。リアクションも豊富。
    • スピンアタック一本で世界を救ってしまった勇者。
      • 名前の由来は「Starfish(ヒトデ)」だと思われる。海にいる者からは当然のようにヒトデと勘違いされるが、前述の通りテンカイの住人であり、ヒトデではない。混同しないように。
  • キョロスケ
    • スタフィーの相棒の黄色いハマグリ。
    • 弱い相手には強気だが実際の実力はからっきし。しかし知識は豊富でボス戦前にはそのボスの倒し方のヒントを教えてくれるありがたい存在。
  • ロブじいさん
    • 海に落っこちたスタフィーを助けた海の長老。
    • とてもそうは見えないが昔は魔法を使いスタフィーの父、パパスタと共にオーグラを封印した実力者。ただしこの設定が明かされるのは後のシリーズである。
  • オーグラ
    • 今回の事件の黒幕でありラスボス。海を荒らし回り、テンカイの征服を目論む。
    • 壺に封印されていたが、スタフィーのドジで封印が解け自由になり、海をワルモノだらけにしてしまう。

ステージ

全9ステージ。ここではその一部を紹介する。

+ 詳細
  • ロブのどうくつ
    • 助けられたスタフィーはここから冒険を始めることになる。
    • チュートリアルステージなので敵は少なくステージ自体も短め。しかし2周目では難易度が大幅に上がる。(他のステージも同じだが)
    • ボスはいない。チュートリアルを終えたら次のステージに進む。
  • サンゴショウ
    • ここから本格的に冒険が始まることになる。敵の数も一気に増え構造も複雑になってくる。また以降のシリーズでも名前は違えど序盤で出てくるステージである。
    • ここではキョロスケに出会うことになる。以降の冒険をサポートする頼もしい仲間である。
    • ボスは「ボンボーン」。キョロスケの恋敵の巻貝で、以降のシリーズでも大抵ステージ1のボスとなる、『カービィ』シリーズでいうところのウィスピーウッズ的ポジションであり、愛すべき馬鹿でもある。

評価点

  • キャラクターの可愛らしさ。
    • 海の生き物をモデルにしたキャラクターのデザインはかなり秀逸。スタフィーもアクションをする度に可愛らしいリアクションをする。
    • さらに特筆すべきことに、先述の登場キャラ一覧に載っているメインキャラとサポート役の人魚を除き、本作に登場するキャラクターは、敵キャラ・味方キャラ共にステージ間の使い回しが存在せず、全てステージ固有のものになっている。 (例外は「ヤドカリタ」というキャラが道案内という形で先述の2ステージに登場する程度)
  • 美麗なグラフィック。
    • ゲームボーイアドバンス発売からさほど間の空かない内に発売されたが、グラフィックレベルはゲームボーイアドバンスでも上の方。アドバンスのスペックを見せつけた。
  • 歯ごたえのある難易度。
    • 任天堂製アクションゲームの例に漏れず本作に難易度調整は存在しない。プレイヤーの目指す位置で難易度は変わってくる。
      • 1周クリアだけならアクションゲームに不慣れなライト層でもトライ&エラーを繰り返せばたどり着けるレベル。
      • しかし2周目クリアを目指すとまた話は変わってくる。特に強化された2周目ラスボスはゲーム中屈指の高難度。
    • とはいえ高難易度を売りにしているわけではないので無理ゲーというほど鬼畜なわけではない。
    • 救済策として「ゲームオーバーになりにくく、なってもリスクがほとんどない」ということが挙げられる。
      • スタフィーのライフは5個。「しんじゅ」(マリオでいうコイン)を5個集めればそれだけでライフが一つ回復する上、穴に落ちたりしてもライフ1つを失って特定の場所まで戻されるのみ。
      • また、セーブポイント兼回復ポイントである人魚も随所におり、仮にゲームオーバーになってもそこからやり直しになるだけである。
    • ボスはいずれも一筋縄ではいかない。
      • 基本的に普段はスピンアタックが通用しないのでなんとかして隙を作る必要がある。
      • ボス戦はスタフィーもボスもライフが5個に固定される。「先に5回攻撃を当てた方が勝ち」というシンプルな方式であると同時に、ダメージを与えれば与えるほどボスの攻撃が激しくなるため緊張感も増す。
  • 豊富なやりこみ要素。
    • いきもの図鑑
      • 倒した敵と出会った人物が載っておりそれらに対するキョロスケのコメントも聞ける。
      • 中には特定の場所に行かないと倒せない敵がいたり、後述のミニゲームをクリアしないと登録できない敵もいるためコンプリートはなかなか大変。
    • ミニゲーム
      • ステージ内で特定の人物に出会うとプレイできる。1周目は「かんたん」しか遊べないが2周目以降「ふつう」と「むずかしい」が解禁される。
      • 「むずかしい」をクリアするとそこでしか出会えない特別な敵がいる場所に行ける。
      • どのミニゲームもシンプルながら地味にハマる良作。
    • お宝
      • 2周目はこれを集めるのが目標になる。
      • グラフィック的にはなかなか面白く、「なんでこれがテンカイのお宝なんだ?」と思うものが多数だが、解説などはついていないのが残念。
    • 写真
      • ステージ内で集めたしんじゅの総計で写真に写っているキャラクターが増えていく。
      • 最初はスタフィー一人の寂しい写真だがだんだん増えていくのが楽しい。
      • ちなみに最終的に9999個のしんじゅを集める必要があるのでおそらくやりこみ要素では一番手間がかかる。
  • インターフェイスも良好。
    • 会話イベントは全てスキップ可能。ボスへの再挑戦がスムーズ。
    • 2周目ではお宝未回収のルートに入ると「!」マークが表示される。単純だが間をおいて再プレイした際未回収ルートと回収済みルートが一目でわかる。

問題点

  • 「死にづらい」ことの弊害として「ミスすると特定地点まで戻される」場所が多い。
    • 即死ルールの戻り復活を考えれば理不尽というわけでもないのだが煩わしく感じる人も多いだろう。
      • しかも「強制的に戻される」ならばまだマシな部類で「ミスったら自力で戻らなければいけない」という場所もある。これにはほとんどの人がストレスを感じるはずである。
  • 前述の通り1周目ではステージセレクトができずまたリトライもできない。
    • やりこみ要素のほとんどは2周目に入ってから解禁されるうえ、取り戻せないものもないので基本的に問題はないのだが、「スピンアタック」のパワーアップ版「りゅうせいスピンアタック」というアクションを1周目で取り逃した場合、2周目まで習得不可能となってしまう
      • 習得できる場所は特に隠されているわけではないが、「逆らえない水流の途中」という微妙に面倒臭い位置にあるうえに、このエリアは謎解きにミスった場合のみ行くことになるペナルティエリアなので、攻略方法を知っていてサクサク進みたい再プレイヤーほど見逃しやすい。
      • なくても攻略に一切支障が出るわけではないのが救いか。
  • 評価点にもある通り、各ステージに登場する味方キャラが変わるのだが、そのほとんどがチョイ役でしか出てこない。魅力的なキャラが多いだけに非常にもったいない。
    • 例えばキョロスケのそっくりさん、「ショロスケ」と「チョロスケ」なるキャラが存在する。しかしそっくりさんという非常においしい役を持ちながら本人との絡みは一切なくかなりさびしい。
  • 地上におけるダッシュがスピンアタックボタンと兼用なので一度スピンアタックを出してからでないとダッシュできない。
    • そこまで違和感を覚えさせるわけではないが一応欠点として挙げておく。
      • 前述の通りL、Rボタンを使用する操作が本作には存在しない。どちらかをダッシュボタンにしておいても良かったのではないだろうか?

総評

既存のゲームとまったく違ったゲーム性を打ち出しているということはなく、水中面が多いことをのぞけばアクションゲームとしては割とありふれたものである。
しかし、ありふれていながら細部まできちんと作りこまれたゲームというのは意外と少ないのではないだろうか?

後にシリーズ化されたことからもわかる通り、その世界観やキャラクターに引き込まれた人は多いようである。


  • 続編
    • GBAで『2』『3』が発売され、『4』以降はDSで発売された。
    • 詳細はリンク先を参照。
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最終更新:2021年09月06日 05:18