「修正依頼」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。
依頼内容は、「初代より変更があったシステム関連記述の補強」です。
剣と魔法と学園モノ。3D
【けんとまほうとがくえんもの。すりーでぃー】
ジャンル
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3DダンジョンRPG
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対応機種
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ニンテンドー3DS
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メディア
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1Gbyte3DSカード
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発売元
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アクワイア
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開発元
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ゼロディブ
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発売日
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2011年7月7日
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価格
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5,880円(税込)
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判定
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なし
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ポイント
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3からの使い回し多数 ゲームとしては可もなく不可もなく
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剣と魔法と学園モノ。シリーズリンク
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概要
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『剣と魔法と学園モノ。(通称ととモノ。)』シリーズの第4作目。
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ウィザードリィをベースとした作品だが、同作のようなシビアさはなく、全体的にマイルドなつくりになっている。
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『ととモノ。3』に登場した「モーディアル学園」が本作の拠点となる。ストーリーは『3』のエンディングの一年後から始まる。
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プレイヤーはモーディアル学園の新入生という設定
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前作のキャラクターが先輩として登場する他、『1』『2』からのゲスト出演もある
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後にPSP「剣と魔法と学園モノ。Final」が発売。バグ修正、新要素など変更点がいくらかあるもののほぼ3Dの移植版と言える。
特徴
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いわゆるウィザードリィシリーズの亜種として製作された『ととモノ。』『ととモノ。2』とは異なり、ほぼ別物と言えるほど独自のシステムへ変わった。
ベースは前作の『ととモノ。3』から流用しており、一般的なRPGのような要素が多くなっている。
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もちろん自由なキャラクリエイト、最大6人までパーティを組める、ハクスラ要素、と言った3DダンジョンRPGらしい要素は健在。
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年齢、ロスト要素もなく、全滅しても所持金半分で拠点に戻されるのみと従来の作品とは異なり初プレイでも救出、控えのパーティを用意しなくてもクリアは可能である。
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可愛らしい見た目のキャラを生かすようなストーリーも用意されており、そちらの面も楽しめるようになっている。
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呪文やスキルの使用にはWizシリーズの呪文の使用回数ではなくRPGではお馴染みのMPに変更されている。
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学科(職業)は独自の経験値と言える「履修値」を溜めていく事で新たに呪文やスキルを身につけていく。それぞれの種族にしかつけない専用学科も存在する。
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キャラクター一人につきメイン学科とサブ学科の2種類につくことが出来る。
サブ学科は覚えられる呪文やスキルに制限があり、学科によるステータス補正もややマイルドに。
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学科の変更に制限がなく、学校(拠点)に行けばすぐに変えることが可能。これまでに溜めた履修値もリセットされない。
呪文、スキルはその覚えられる学科でしか使うことが出来ないためよりキャラクターの個性を強調させやすくなっている。
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装備に関しては制限などが一切なく、学科によって能力に補正が入る。組み合わせによっては攻撃力や素早さ等に大きく影響するため、ただ単に強い武具を装備するだけでは強みを引き出せなくなっている。
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キャラクター同士に好き嫌いを設定できる「相性表」というシステムが存在している。
組み合わせ次第では強力なスキルを習得出来るため、ただの個性付けで終わっていない。
評価点
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可愛らしいキャラクターデザインで、自分好みのキャラメイクが出来ること。
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制服は『3』に登場した3学園のデザインから自由に選べる。『FINAL』ではさらに1種類追加された。
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所謂男の娘や漢女など本来の性別とは異なる見た目にすることも可能。
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初心者に優しいつくり
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チュートリアルがかなり充実しており、3DダンジョンRPG未経験者でも取っ付き易い
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アンチスペル+ディープゾーン(回避の難しい即死トラップ)を代表とする、理不尽なトラップが存在しない
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極端だったゲームバランスの調整
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前作で弱すぎた魔法(特に補助)は強化され、強すぎた全体魔法は弱体化を受けた(それでも主力になり得る強さだが)
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敵のステータスも調整され、丁度いいバランスで戦闘を楽しめるようになった。少なくとも術師1人によるゴリ押しは通用しない。
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前作で評判の悪かった点の改善
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水増しされていた学科の統一、変更。例えば『3』で6つも存在した術師系学科は、攻撃特化の黒魔術師、回復特化の白魔術師、万能だがステータス補正に不安がある灰色魔術師の3つに纏められた。
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錬金システムの簡略化。武器鍛錬(武器ステータスの強化)をお金だけで行えるようになり、また既存の武器をワンランク上の武器に進化させる「武器強化」の概念が追加された(こちらは素材が必要)
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作成できる武器も、その時点のレベルに見合ったものに調整された
賛否両論点
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過去作からのゲスト出演
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続投NPCについての説明がほとんどない。にも拘らずストーリーに深く関わってくるため、過去作未経験者は置いてきぼりを喰らい易い。
逆に言えば知っていれば経験者にとっては嬉しい要素である。
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『3』からの使い回しが非常に多い
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事実上の続編であるためか、プレイヤーキャラクターのグラフィック、キャラクターボイス、一部のダンジョンマップ(グラフィックは描き直されている)などシステム面を含めてほぼ同じである。
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特にキャラメイク関連は『3』から一部のボイスが減っただけであり、『3』経験者には残念がられている。
『Final』ではモーディアル学園の制服が追加されているが、既存制服の色違いである。それ以外に変更点はない。
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ダークゾーン+回転床のトラップが多い
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画面が真っ暗になるトラップと、プレイヤーの向きがランダムに変更されるトラップの組み合わせ。
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これに加えて特定の壁にぶつかるとダメージを受けてしまうトラップも併用されていることが多い。HPに不安のある術者を良くも悪くも常に困らせている。
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実際にはダークゾーンに入る度に全体マップを表示して現在地や向きの確認を怠らなければ対処は容易。
慣れているプレイヤーにとっては問題にならないと言えるが多く設置されているため非常に面倒と感じられる。
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好きと嫌い両方共つけなければならない点や一人のキャラクターに嫌いを集中させるとデメリットにしかならない「相性表」に不満が残るプレイヤーが少なくない。
もちろん使用しなくても問題はないが、専用スキルが強力なため使わないと損してしまうのも印象を悪くさせてしまっているのだろう。
問題点
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マップの現在地、向きが見辛い
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携帯機の画面の小ささも相まって、扉の存在に気づけなかったり、上(下)向きと左(右)向きの区別が付かなかったりする。
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ペットシステムの調整不足
飼い主のステータス上昇、ペットスキルによる戦闘の補佐といった恩恵があるのだが、実際のところ全く役に立たない。
戦闘時々顔を出す程度のマスコットにしかなっていない。
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ステータス上昇はその割合が5.8%と低く気休め程度にしかならない。最大値の255まで育成しても上がるのはたったの15。
素早さの恩恵はそこそこあるものの手間を考えるとやはり微妙か。
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ペットスキルも発動率が低すぎるため戦術に組み込むことができない。ステータスが影響しやすい攻撃面はともかく補助に関しては多用してくれるならまだ無視出来なかったのだが。
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特殊能力を追加させるアイテムもあるのだが、入手がランダムな上レアなので狙った効果を付与するのも困難なのも……。
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バグ
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代表的なのが「道具乱舞バグ」。同スキルを繰り返し発動すると道具欄に謎のアイテムが出現、カーソルを合わせるとフリーズする。
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他にも錬金で作成したアイテムが消えるといったバグがある。
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『Final』では修正されている。
総評
特別に優れている点はないが、かといって明らかに駄目な部分がある訳でもない。良くも悪くも無難な出来。
過去作がことごとくアレだった『ととモノ。』シリーズの中に限って言えば間違いなく最高の作品と言えるもので、本シリーズに興味を持った人はまず本作か『Final』をプレイすること、これに尽きる。
最終更新:2022年05月18日 23:33