ロックマン エグゼ3

【ろっくまん えぐぜ すりー】

ロックマン エグゼ3 BLACK

【ろっくまん えぐぜ すりー ぶらっく】

ジャンル データアクションRPG


対応機種 ゲームボーイアドバンス
メディア 64MbitROMカートリッジ
発売・開発元 カプコン
発売日 2002年12月6日
BLACK:2003年3月28日
定価 5,040円
プレイ人数 1~2人
レーティング CERO:全年齢対象
セーブデータ 1個(バッテリーバックアップ)
配信 バーチャルコンソール
【Wii U】2014年12月17日/702円(税込)
判定 良作
ポイント ナビカスの登場で更にカスタム性が増加
ストーリーの完成度は高く、やりこみ要素も多数
シリーズ最高傑作に上げる声も多い
ロックマンシリーズリンク  ロックマンエグゼシリーズ


ストーリー

世界中を震撼させたネットマフィア「ゴスペル」は、秋原町の小学生、光熱斗とロックマンの活躍により壊滅し、人々は平和な暮らしを取り戻していた…。
それから1カ月…熱斗たちは長い休みを終えて新しい学期を迎え忙しい毎日をおくっている。

そんなある日の放課後…。熱斗たちが公園でいつものメンバーと、その夜行われるチャット会の打ち合わせをしていると、テンガロンハットをかぶった怪しげな男が声をかけてきた。

「ねえキミたち、世界最強のネットバトラーを決める大会、N1グランプリの予選を秋原スクエアでやってるんだけど、参加してみない?」
「オレたちが、予選会に参加していいの!?」

熱斗、デカオ、メイル、やいと、それぞれの思惑を胸に、N1グランプリ1次予選が行われているインターネット秋原スクエアと向かう…

熱斗とロックマンは気づいていなかった。新たなる陰謀が、すぐそこまで来ていることに…。

(公式サイトより転載・一部修正)

概要

  • ロックマン エグゼ2』の続編。
  • 2003年3月28日には一部仕様変更した別バージョンの『ロックマン エグゼ3 BLACK』が発売された。
    • これに対して白いパッケージの通常版は雑誌などで「WHITE版」と呼ばれる。

前作との主な違い

  • PETがアニメのものと同じ形状になった。
    • このPETは玩具としても発売された。
  • パズルの様なプログラミングでナビを強化する「ナビカスタマイザー」通称「ナビカス」(ついでに以下「ナビカス」で統一)の存在。
    • 前作まではバスターUPを拾う、購入するなどの方法で強化していたが、今作ではこのナビカスにパーツを組み込んで強化する。
  • スタイルチェンジに「グランドスタイル(通常版のみ)」「シャドースタイル(BLACK版のみ)」「バグスタイル」が追加された。
    • 前作までのスタイルはいずれも性能が変更されている。前作にあったスタイル合体バグのせいか、一度に2つのスタイルを所持したりスタイルを通信交換したりする事はできなくなった。
    • 前作の隠しスタイルであるサイトスタイルは廃止された。
    • 一応ナビカスによって似たような効果は出せる。
  • 地形に踏むと足を取られて少しの間移動できなくなる「砂」、ひび割れにしたり穴パネルにしたりする事のできない「メタル」が追加された。
    • 砂パネルにはコガラシ*1、トルネードのヒット数が2倍になるという性質がある。
  • バトルチップが「スタンダード」「メガ」「ギガ」の階級に区別された。階級によってチップフォルダに入れられるバトルチップの枚数が異なっている。
  • 「予備フォルダ」と呼ばれる編集のできない、出来合いのチップフォルダが登場した。特定のイベントにおいてはこの予備フォルダで戦うことになる。
  • 8ケタの決まった数字を入れるとアイテムを入手できる「ナンバートレーダー」が設置された。
    • ナンバートレーダーで入力する事になるロットナンバーは当時発売されていた駄菓子「ロックマンエグゼウエハース」に付属していたシールやゲーム内で知ることが出来る。
  • ウイルスの育成が出来る。育成したウイルスは専用のチップを使用する事で戦闘中に呼び出し、攻撃させる事ができる。
  • 前作までのもっさりしたPET画面やチップフォルダ画面、及び効果音が一新されてスタイリッシュになった。

通常版とBLACK版の違い

  • 前述のように「グランドスタイル」は通常版、「シャドースタイル」はBLACK版限定となっている。
  • 手に入るスタンダードチップのチップコードが異なる。
    • 例えば通常版では「キャノン」のチップコードは主にABCでDEの物はチップトレーダー限定のレアチップだがBLACK版では逆にCDEが主なコードでABはトレーダー限定。
    • この為、両バージョンで手に入るチップを上手く組み合わせればより強力なチップフォルダを作成できる。
  • 入手できる主なギガクラスチップが異なる。
    • ギガクラスチップは交換が出来ないため、両バージョンで使用できるギガクラスチップは異なることになる。
  • 背景の色やオブジェなどが異なる。
  • 通常版で登場し、バトルに関するアドバイスをくれるNPC「名人見習い」がBLACK版では「名人」になっており、更にBLACK版限定で名人のナビ「パンク」と戦える。
    • 「パンク」のナビチップは配布限定のため、「パンク」を倒しても入手できない。
  • 通常版では「ミストマン」、BLACK版では「ボウルマン」というオリジナルナビが登場する。
    • これらはコロコロコミックの「ボスキャラコンテスト」の上位3位に入賞したナビであり、大賞の「キングマン」は両バージョンで登場する。
    • 以降のシリーズ作でも「ボスキャラコンテスト」より上位3位までゲームに登場する様になった事から、今作が同コンテストの方向性を固めた作品と言える。
  • イベントで戦うウイルスが異なる。

評価点

  • ストーリーの内容の良さ
    • 前作までの伏線を回収し、かつ起承転結のはっきりしているストーリーは評判が高い。特にラストシーンはこれまでと比べて非常に感動的で、これ一つで本作を評価する者もいるほど。
    • 特にストーリー後半からは単に悪い奴らを倒して事件を解決するだけに留まらない、これまでになかった展開が多く見受けられる。「取り返しのつかない重大な罪」等の暗い描写の後には「犯した罪はその分人の為に働いて償う」と言った明るい描写がバランスよく続いている。
    • クリア後の隠しシナリオにも、本編では姿を見せなかった「S」と呼ばれるナビの正体に迫るというストーリー付けがなされている。
  • 個性化極まる敵ナビたち
    • 前作ではストーリーに関わらない上にセリフも無い、ただ街角でネットバトルができるだけのナビが多数存在していたが、今作では全てのナビがストーリーに関わっている上に殆どのナビにセリフが付いている。
    • また、戦闘面における個性も非常に強く、どのナビにも「初見殺し」の要素が存在している。具体的には攻撃をしているとき以外は滅多に姿を現さない「ドリルマン」や、自らは殆ど攻撃せずに後方で待機し、チェスの駒によって攻守共に手堅い戦法を取る「キングマン」、ステージ後方にあるロウソクの火を消さないと無敵状態になるなどして苦戦を強いられる「フレイムマン」など。
    • あまりにも初見殺しの面が強いので、何度も敗北を重ねつつ相手のナビの弱点となる要素を付いたチップフォルダを作成していくようなプレイスタイルが求められる。その試行錯誤もまた本作の醍醐味の一つと言えるだろう。
  • パズル型の新システム「ナビカスタマイザー」(通称:ナビカス)の導入
    • 4×4(最大で5×5になる)のマス目にパズル感覚で様々なパーツをはめ込む事で自分の好きなようにロックマンを強化することが可能。
+ 詳細
  • パーツは特殊能力を付与する「プログラムパーツ」とHPやバスターを強化する「プラスパーツ」に分かれる。
  • パーツは拾ったり購入したりイベントで入手したりする他、現在のスタイルで戦い続ける事でそのスタイルに応じたプログラムパーツを得られる。
    • その分、前作までに登場したスタイルは軒並み弱体化している。
  • 組み込む際にはパーツの配置に関するルールがあり、これを破ると戦闘時にHPが減り続ける、勝手に動くなどの「バグ」が生じる。
    • 中には普通に組み込んだだけでバグが発生するパーツも存在する。
  • また、スタイルによって組み込めるパーツの色が異なっており、対応していない色のパーツをはめ込むとエラーが発生してカスタマイズが出来なくなる。
    • ただし、ストーリー中盤で手に入る「改造ツール」というアイテムを使ってプログラム毎のエラーナンバーに対応する「改造コード」を入力することで1つだけエラーを無視できる。
    • 改造コードはゲーム中の至る所で発見できる。
    • そもそもこの「改造ツール」を使わないと組み込めない色のパーツも存在する。
  • このナビカスには「エキストラコード」や「圧縮コマンド」という、ゲーム内では判明し得ない隠し要素が存在する。
    • 「エキストラコード」は「改造ツール」入手後にエラーが起きていない状態で入力できるコードであり、使うとロックマンの性能が更にアップする。ただし、無条件でバグが発生してしまうコードも存在する。
    • 「圧縮コマンド」はプログラムパーツのマスを一つ削除する事ができる隠しコマンドである。
  • ナビカスの奥深い作りによって、前作までと比べてロックマンの多様性が大幅に増すことになった。
    • バスターの性能に特化したロックマン、上限値の1000を超えたHPのロックマンなど、まさしく「自分だけ」のロックマンを作ることができる。
  • 次回作以降もナビカスは多少のルール変更を経て登場する。
  • 深みの増したスタイルチェンジシステム
    • 今作では特定のスタイルの時にしか入手できない「チップ」や「コード違いのチップ」が追加された。問題点にも繋がってしまっているが、別のスタイルに手を出すきっかけになるという良い部分も持ち合わせている。
    • 前述のようにスタイルによって「ナビカス」で使える色が変わったり、プログラムパーツが手に入ったりといった新要素と密接に関わる追加も行われている。
    • 「サイトスタイル」の廃止もスタイルの一択化を避けるという意味では英断だったと言える。
  • チップの等級分けによるゲームバランスの改善
    • 前作までは枚数制限つきのチップは「ナビチップ」のみであったが、今作ではすべてのチップが「スタンダードクラス(同じチップは4枚まで)」「メガクラス(フォルダに5枚まで、ダブり禁止)」「ギガクラス(フォルダに1枚まで、交換不可能)」という等級に分けられた。
    • 殆どのナビチップは「メガクラス」に指定されており、それ以外の特別なナビチップは「ギガクラス」に指定されている。
    • 前作まで猛威を振るっていた「ポイズンアヌビス」や「フルカスタム」などの強力なチップはメガクラスに指定され、更に極端に強いプログラムアドバンスが廃止された事もあって前作までの強力なチップ・プログラムアドバンスの応酬によるインフレしたゲームバランスが改善された。
  • シリーズ屈指の量を誇るやり込み要素
    • 今作は「クリアしてからが本番」とも言われるやり込みの多さを誇っており、あちこちに落ちているミステリーデータや沢山の依頼、ウイルス育成に隠しボス、タイムアタックなどいくらやっても飽きがこない。
    • クリア後に解禁される要素の殆どをクリアしても、タイトル画面で隠しコマンドを入力する事で更に新たな隠し要素が解禁される。
    • このコマンドはゲーム中では得られず、発売から何ヶ月も経ってから雑誌などで公開された。
  • 相変わらず、BGMは良質なものが多い。
    • 特にN1グランプリのトーナメント戦の最中に流れる「グレイトバトラーズ」とWWWの電脳で流れる「FINAL TRANSMISSION」は、それぞれストーリーの背景もあってシリーズ屈指の名曲との評判が高い。

賛否両論点

  • ゲームスピードの上昇
    • 今作は戦闘中の動きからメッセージの表示まで速くなり、前作と比べてややスピーディーに感じる。
    • ストーリーサブイベント問わずおつかいが多いため、こういったテンポの向上はありがたいが、敵の動きまで速くなったため難易度の上昇につながる。
  • 亡霊ナビに関して
    • 今作のV3ナビは前作と違ってV2ナビと遭遇するエリアとは別の場所に飛ぶ上にインターネット上ではなく特定の電化製品の電脳世界に登場する事もあり、更には特殊な条件下でないとエンカウントしない。
    • これにより、インターネットで移動中にうっがり遭遇することがほぼなくなり、移動中のストレスが軽減できる。一方、V3ナビの居場所についてのヒントが少なく、ゲーム内の情報だけでは全部見つかることが難しい。
      • その条件の中には「HPが1/4以下」「バグが発生している」などのマイナス条件もある。特に後者はヒントがあやふやで対象ナビの特徴からも連想しにくい。

問題点

  • 道中での所謂「おつかい」イベントが多い
    • ストーリーの都合上仕方ないとは言えやはり同じような場所を延々と行ったり来たりばかりで大変面倒。
    • 中でも火事騒動や泡騒動といったイベントは「属性チップが一定数必要である」点や「インターネット中の各エリアに移動しなければならない」点などで特に面倒とされている。
  • 移動が面倒
    • 本作はエリア同士のつながりが少なく、シナリオ進行とともに定位置のショートカットは解放されるものの、インターネット内で往復するには大抵の場合長距離を歩いて進むこととなる。マップは広大、かつ移動スピードも速くないため移動に要する時間は長くかなり億劫。
    • それだけならまだ「現実世界経由で移動」という手があるが、現実世界と電脳空間のアクセスも明らかな設計ミスがうかがえる。
      • ストーリー中盤で訪れるエリア「ビーチエリア」は何故かそれに対応する現実の場所「ビーチストリート」からプラグインできる場所がなく*2、ビーチエリアに行くにはわざわざ地下鉄に乗って他の場所に行かなければならない。
      • 逆に、「ジゴク島エリア」はどのエリアからも入ることができず*3、対応する現実の場所「ジゴク島」でしかアクセスできない。ジゴク島自体はビーチストリート経由でしか行けないため結局現実世界でも長距離移動する羽目になる。
      • 本作の隠しエリアも現実世界の特定場所でしかプラグインすることができないため、他のエリアに移動するには一々外へ行く必要がある。隠しエリアは前作のと同様プラグアウト不可のため脱出手段は徒歩しかなく面倒。
    • その影響もあって、おつかいイベントがより煩わしく感じる。
  • ロックマンの性能強化とは全く関係のないナビカスパーツの存在
    • インターネット上の細い通路に入れるようにする「プレスプログラム」など、本来キーアイテム扱いでよさそうなイベントアイテムがナビカスパーツになってしまっているものが4種類存在する。それらのプログラムはいずれも戦闘時には一切効果が無い。
    • シナリオ進行上必須となるシチュエーションに遭遇する度にナビカス再構築を余儀なくされテンポが損なわれている。
  • 前述のナビカスの隠しコマンドである「エキストラコード」「圧縮コマンド」が不親切
    • 「エキストラコード」は「改造コード」と違って一度入力された物が保存されないため、カスタマイズの度に入れなおすのが面倒である。
    • 「圧縮コマンド」を実行すると一部のパーツはナビカス中央の「コマンドライン(プログラムパーツはこのラインの上に乗せないと効果を発揮しない)」にセットしにくくなる上に一度圧縮すると戻すことができない。
+ 具体例


「メガフォルダ1」を例に解説すると


■■ →圧縮後→ ■■
■■       ■■

________________________

■ ← ここをコマンドラインに乗せると1マスで済む
■■
■■


■■ ←
■■ ← こうなるとコマンドラインを2マス占有してしまう
________________________

次回作以降では「エキストラコード」は廃止され、「圧縮コマンド」はもう一度入力することでパーツが元通りになるようになった。

  • 先述の交換用アイテム「バグのかけら」は、落ちているミステリーデータから得るか、敵をカウンター(相手が攻撃する瞬間に攻撃)して倒せば入手できる。
    しかし完全クリアのためにはこれを大量に集める必要があり、面倒で時間のかかるだけの作業が必要。
    • そのためあるナビはカウンターの取りやすさ、挑みやすさからコイツだけを何十回も倒しまくるというプレイヤーが多発した。
  • フォルテGS、セレナードとの再戦が不可能。
    • 正確にはSPナビとして2回目の戦闘が行えるが、V3のように徘徊する事はないのでSPナビをデリートした後は二度と会えない。
      • 『6』でも似たようなポジションのフォルテBXやグレイガビースト等がいるが、こちらは亡霊ナビとして徘徊するので再戦可能。
      • なお、この2体に限らずSP版のナビはプロトを除くと一度倒すと再戦できない。

チップ・戦略の問題

+ 詳細
  • スーパーキタカゼが強すぎる…というよりオーラやバリアが弱い?
    • バリアはダメージの蓄積、オーラは耐久力以上のダメージで破壊されるという性質なのだが、スーパーキタカゼはそれを問答無用で吹き飛ばす。
    • バリア系チップ、オーラはスタンダードクラスなのでまだいいが、プログラムアドバンスである500バリア、メガクラスチップであるドリームオーラ、BLACK版限定のギガクラス兼闇のチップ*4であるダークネスオーラですら歯が立たない。
    • 一方、スーパーキタカゼはスタンダードクラス。バリアはともかくオーラは時間経過でも消えるようになったので、ここまでする必要はなかったのではないだろうか。
    • シールドコマンドを入力すれば防ぐことはできるが、慣れるにはかなりの経験が必要。
    • ただし、今作最強のオーラであるダークネスオーラはレギュラー指定が容易なことやポイズンファラオと同じコードAであることも相まって、対戦では非常に強力。
  • 電気属性の攻撃面がズバ抜けて優遇されている。
    • 画面全体にブレイク+対インビジブル性能+麻痺効果を持つ光を放つ「フラッシュマン」。
      • 大雑把に言えばブレイクはガード無効+障害物破壊、対インビジブルは大ダメージを受けた後などの無敵を無効化する性質。フラッシュマンはその二つの性質を持った攻撃判定が全体に発生するという恐ろしいチップである。
    • 一定時間周囲に電撃を放つウィルスを設置する「プラズマボール」。
      • これがヒットしても麻痺はしないが無敵状態にもならないので設置場所によっては大ダメージは免れない。通信対戦以外のナビに対しては、1度ヒットするとスーパーアーマー持ちでもければその後全弾ヒットし続ける。
    • 敵が視界に入ると即座にフラッシュマンと同じ効果を持つビームを放つウィルスを設置する「キラーセンサー」。
      • キラーセンサー3は一定時間経過するか破壊しない限り消えないので中央列に置かれると上下移動が困難になる。
    • 滑るというデメリットよりダメージ倍増というメリットの方が大きい「アイスステージ」。
      • 元々電気属性の攻撃は水属性の敵に2倍のダメージを与えられるのだが、それ以外の敵でも氷パネルの上だとを受けるダメージが2倍になる。氷パネルの上にいる水属性の敵ならさらに倍加されて4倍に。
      • 草パネル上で火属性の攻撃判定が発生した場合と違ってノーマルパネルに戻ることはないため、つまりアイスステージにするだけで電気属性の攻撃が常に2倍以上の威力を出せることになる。
      • 氷パネルには水属性以外では滑るという欠点があるのだが、それもエクストラコード1つで解消できる。しかもバグを起こさない。
    • そのせいで水属性なら事ある毎にプログラムアドバンス級の攻撃が襲ってくるという事になるため、対戦では極めて不利になる。また上述の強力なチップはそれも拘束力が強く、攻勢が展開されると止まらないため、結果的に対戦バランスが前作と大して変わらず、「先にAボタンを押せた方が勝ち」となってしまう。
  • スタンダードクラスチップであるバリアブルソードのコマンド技の一つであるエレメントソニックが非常に強力。
    • 縦3マスの属性付き衝撃波を火>水>電>木の順に飛ばすという物。威力は160×4と似たような攻撃方法であるエレメントソードより1発辺り10高い。しかもエレメントソードの攻撃範囲は目の前の縦3マスなので全体的にエレメントソニックの方が優れている。エレメントソードはチップ4枚使ったプログラムアドバンスなのに…。
      • 160×4は普通のパネルの上の無属性の敵に当てた時の話。敵が何かしらの属性持ち、又は氷か草パネルの上であれば4発の内1発の威力が2倍になる。属性持ち+氷or草パネルの上であれば4発中2発の威力が2倍、又は1発が4倍となり全段ヒット時は最大960ダメージとなる。
    • フォルダが制限されるタイムアタックも、N1フォルダAにバリアブルソードが入っているためエレメントソニックさえ使えれば短時間での撃破は容易である。
  • スタンダードチップ、コピーダメージが地味にバランス崩壊している。
    • コピーダメージの効果は前述の通りだが、この効果はほぼすべての敵にダメージを与えられる。例外的にキオルシンやジェリーなど攻撃の届かない上空に移動できる敵には無効になるが、ドリームオーラだろうがアゾマータの本体(火属性攻撃以外無効、通常は攻撃時に出す蔦を狙って倒す)だろうが容赦なく貫通する。
    • ただし、効果の関係上1体しか出現しない敵(通信対戦含む)ではまったく役に立たないのでバランスは取れているといえば取れているが。
  • その他、強力なチップが特定のコードに集中していたり、ギガチップのフォルダリターンが異様に高性能だったり、リフレクトやカワリミがリスクに大して威力が高すぎたりと粗を挙げるとキリがないが、過去作までのそれらと比べるとバランスはマシになっており、次回作以降は更に改善されていくことになる。

隠しシナリオをクリアするためのハードルが高すぎる。

+ 詳細
  • 隠しシナリオの最終ボスと戦うためにはスタンダードクラスチップコンプリートしないといけないが、スタンダードクラスチップの中に「カスタムスタイルでナビチップ・バスター(ため撃ちも)を使わずに、バスティングレベルSでウィルスをデリートしないと手に入らないチップ」が存在する。
    • 更に 2回目のカスタム画面に入ってウィルスをデリートする*5と、1回しかカスタム画面でチップ選択をせずにデリート成功した時と違うチップが手に入るウィルスもいる。
    • 高評価を得るには極力移動しない、複数のウィルスを同時にデリートする等の条件があるが、高威力で攻撃範囲が広い非ナビチップやプログラムアドバンスが開始早々に使える事は滅多にない。
    • フルカスタム&コピーダメージ(チップの対象となった敵以外の敵にダメージを与えた時、そのダメージ分対象にダメージを与える。これをプログラムアドバンスと組み合わせれば運任せではあるが素早く敵を倒せる)やチップオープン数を増やすカスタム2を駆使すれば少しは楽になるが、カスタム2を手に入れるには何百回もの戦闘を強いられてしまう。
    • ただし、V4チップと異なりスタンダードチップはすべてバグピーストレーダーから排出される上、前述の通り一定確率で未取得のチップから選択される仕様のため、カスタムスタイルにならずともあらかたライブラリを埋めてからトレーダーでコンプリートという力技が可能。
  • 前述の「隠しコマンド」を入力するのに必要な条件の一つ、「メガクラスチップコンプリート」の難易度が非常に高く、完全クリアを阻害している。
    • その主な原因は「V4ナビチップの入手難易度が高い」事と「通常版とBLACK版の両方が必要」な事に尽きる。
+ 詳細
  • V4チップはブラザースタイルでバスティングレベルがS、なおかつ20秒以内にV3ナビを倒さなければ入手できない。
  • 前作では強力なチップを何枚もチップフォルダに入れられたりかなり強力なプログラムアドバンスが存在していたりするゲームバランスのお陰で容易にV3ナビをSランクで倒せたが、今作では前述のようにチップフォルダの制限が多くなった上に極端に強いチップやプログラムアドバンスが殆ど存在しないため、この条件を満たしてV3ナビを撃破するのはかなり難しい。尤も、そのための試行錯誤こそ前述のように今作の醍醐味でもあるのだが……。
  • 今作では一度に2つのスタイルを所持できない上にスタイルチェンジの仕様が「100回戦った際の行動によって変わる」というものであるために、他のスタイルになっていた場合はV4チップをとるために100回以上の戦闘作業を強いられることになる。
  • また、「ミストマン」のチップは通常版、「ボウルマン」のチップはBLACK版限定のため、両方のバージョンが無いとコンプリートできない。
  • どうしても入手できないチップがある場合はそのチップを入手した人に「ライブラリコンペア」して貰う事でその人が獲得したチップを「ヒグレヤ」で購入できるようになる。
    • また他の救済要素として、「バグのかけら」10個と引換に比較的強力なチップがランダムで1つ出てくる「バグピーストレーダー」という装置があり、どうしても取れない場合はこれに頼ればV4チップは入手できる(もっとも、設置場所は「隠しエリアの最下層」だが…)。未取得のチップが手に入る確率は常に25%と比較的高め。
    • ただしバグピーストレーダーからはミストマン及びボウルマン系統のチップは出現しないため、別バージョンとの通信はどうあがいても必須である。
  • これらの条件のハードルの高さ故に完全クリアを投げ出した人は多い。尤も、隠しコマンドはもう遊び尽くしてしまった人のためのオマケのような物であり、クリア後の隠しシナリオをクリアするだけでも今作を十分遊んだ事になる。
    • ただし、完全クリアしないと入手できないギガクラスチップがある。闇のチップではない上、広範囲に安定した高ダメージを与えられるのでないよりはあった方がよい。
  • 両バージョン共通で、フラグミスに起因するバグがある。
    • 本来ウラランク3位のコピーマンを倒さないと挑めないミストマンorボウルマンに、コピーマンを倒さずに挑戦できてしまうバグ。この状態でミストマン(ボウルマン)の居場所に侵入してLボタンを押すとフリーズする他、このままミストマン(ボウルマン)を倒してしまうと、以降コピーマンイベントが起きる場所に向かうだけでフリーズするようになる。
      • 一応、シナリオ進行に素直に従っていればまず遭遇することはないバグではあるが……。なお、アドバンスドコレクション版では修正されている。

バージョン分けを初めとする商法などの問題

  • 前述のように通常版とBLACK版の両方がないと完全クリアができない。
    • 前作でも最低2つのソフトがないと完全クリアができなかったが、バージョンは分けられていなかった。また、次回作以降もバージョン商法は続いたが、隠し要素の完全クリアについては通信が不要に改善されており、今作の「完全クリアに別バージョンが必須」というのはシリーズ中でも露骨な商法と言える。
    • 今作から「グッズの付録でパワーアップアイテムやレアチップが出る」「イベント限定で強力なバトルチップ配布」などの商法が目立つようになる。この商法は作品をまたぐにつれてより露骨なものとなっていく。
  • BLACK版限定のギガクラスチップ「フォルダリターン」が強すぎて通常版が不利になっている。
    • 「使用したチップをこのチップを含めて全て元に戻す」という効果に加え、一瞬でカスタムゲージを満タンにするフルカスタムの効果まである。そのうえコード*。このため、対戦の時には通常版がチップ切れになって不利になりやすい。
    • エグゼ3どころか、チップ単体で見たらエグゼ史上最大の壊れチップといえる。公式大会では「フォルダリターンは1バトル中一回のみ」と言うルールが出来たほどである。

総評

一説によると「本作でシリーズを完結する予定だった」とも言われるこの作品*6。問題点こそ多いもののそれをはるかに上回るゲーム性が魅力的である。
エグゼシリーズではトップクラスの人気を誇っており、実際にシリーズ完結後に公式で行われたアンケートでも堂々の1位を飾っている。

問題点も情報が手に入らない事が原因の物が多いため、エグゼの世界までとは行かずともインターネットが発達した今日ならあまり障害にはならない。
何よりスタイル固有のナビカスパーツを手に入れた時やウイルスを育てきった時の達成感は何物にも代えがたく、GBAを支えた名作ソフトと言っても過言ではないだろう。


移植

  • Wii Uバーチャルコンソールで『3』『3 BLACK』の両方が配信されている。
    • 通信機能を使用できないが、メニュー内の「つうしん」を選択することで、通信機能を使用して入手できるチップを入手できる。
  • 『1』『2』『3』『3 BLACK』をセットにした『ロックマン エグゼ アドバンスドコレクションVol.1』がSwitch/PS4/Steamで2023年4月14日にダウンロード販売。
    • 『ロックマン エグゼ アドバンスドコレクション』として『Vol.2』とセットになったパッケージ版も同日販売。
      • Wii Uバーチャルコンソール版と違い、他バージョンにいる応募ナビチップはトレードしなければ手に入らないようになっており、且つ自身のソフト内でトレードできるようにはなっていないので、GBA版通りに一人プレイでは完全クリアできないようになっている。Switch版ではローカル通信ができるため問題ないが、他プラットフォームでは仮にネットワーク周りのサービスが終了した際に二度とコンプリートできない仕様になっている点には注意が必要である。

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最終更新:2024年04月18日 16:09

*1 ウッドスタイルのチャージショット。

*2 というかビーチストリートはどのインターネットエリアにも繋がらない。一応ウラインターネットにつながるプラグインポイントがあるがあそこは離れ島である。

*3 一応ビーチエリアとウラインターネットにつながる部分が存在するが、そこは完全に独立する横道である

*4 ダークホール、またはダークマンを使用し、その時にできた空間が広がった時しか使えない。ダークライセンスというプログラムを組み込めば普通に使えるが、最初から選べるチップが4枚になるバグが発生する。

*5 フルカスタムを使えば容易に条件を満たせる

*6 ラスボス戦後のあるシーンがそれを明確にしている。また、ロックマン エグゼ6究極攻略COMPのスタッフ対談でも某スタッフの中では一度は完結していたと答えている。