修正依頼」が出ています。『メダロット2 パーツコレクション』の「総評」を追記できる方はご協力をお願いします。



メダロット2 カブト/クワガタ

【めだろっとつー かぶと/くわがた】

ジャンル ロールプレイング
対応機種 ゲームボーイカラー(全GB共通)
発売元 イマジニア
開発元 ナツメ
発売日 1999年7月23日
定価 3,980円(税別)
判定 良作
ポイント 天領イッキの冒険スタート
アツいストーリー
「メダフォース」初登場
その他多くの新要素
バランスは大味も大味
メダロットシリーズリンク

概要

「コミックボンボン発のRPG」として発売されメディア展開された『メダロット』の続編。
舞台は前作から7年後になり、新たな舞台で新主人公「天領イッキ」が活躍する。
ほぼ同時期にアニメ放映が始まったこともあり、シリーズ一の売上を記録した。

ストーリー

時は近未来、「メダロット」と呼ばれるペットロボットが普及し、メダロット同士を戦わせる競技「ロボトル」が流行している世界。

前作でメダロットを使い世界征服を企んだ集団「ロボロボ団」との戦いから7年後…。
おみくじ町に住む少年イッキはひょんなことから念願のメダロットを手にする。
一方、解散したはずのロボロボ団も再び表舞台へあらわれ事件を引き起こす。
イッキは様々な騒動に巻き込まれながらも、メダロットと共に事件を解決していく。

前作から継承している特徴(一部変更点)

  • 戦闘「ロボトル」やメダロットの組み換えなど基本的な部分は変わっていない。
    • メダルの「性格」の要素、熟練度上昇ルールなど一部変更されている。
    • 攻撃時のサイト表示や演出がスピードアップしており、ロボトルのテンポは前作に比べやや改善した。また、ロボトルの指示をオートにする機能が追加。
  • 通信ケーブルを利用したメダル・パーツのやり取り、通信対戦の要素も継承。
    • メダルのトレードが可能になったが、やはりロボトルで相手のメダルを奪い取る必要がある。
    • なお、前作にあった「特定のパーツ・メダルを交換・奪取すると内容が変化する」要素は削除。
  • 「カブト」・「クワガタ」の2バージョン制。前作に比べバージョン限定のメダル・パーツが増えている。

評価点

「メダフォース」の登場

  • ロボトル中にメダロットが装備しているメダルの種類に応じた必殺技を使えるようになった。
    • メダロットの頭脳となる部位「メダル」が経験を積み、レベルアップすることで習得できる。
      • 内容は「相手1体の全パーツにダメージ」や「相手全体に特定の症状(状態異常)付加」、「味方全体のパーツを復活」など攻撃・補助・回復さまざま。
    • ロボトル中にダメージを受ける・パーツ選択時下キーで指示・特定のパーツ使用、でメダフォースゲージがたまり、一定値蓄積すると発動できる。
    • パーツ選択画面でセレクトボタンを押すとメダフォース選択画面に切り替えられる。
      • これにより、両腕部が破壊され、頭部の回数も使い切って何もできない…ということはなくなった。
  • メダフォースを利用した戦術など戦い方のバリエーションが増えた。
    • ただし、メダフォースの習得内容や効果のバランスが取れていない問題がある。

パーツ行動の追加

  • パーツ行動の種類が増え、戦略のバリエーションが増えた。
    • 後のシリーズでおなじみになる「防御不能」「転倒」「混乱」などの妨害系行動が初登場。
    • 対射撃・格闘しかなかったトラップにも、相手の攻撃を1回打ち消す「単発クリア」、専用連携攻撃を使用可能にする「クロス攻撃セットオン」といった種類が追加。
    • 新システム「メダフォース」に合わせ、メダフォース増加・制御といったコントロールを行う各種行動も登場。
    • 攻撃行動には、相手の援護行動やトラップを無視する「デストロイ」「サクリファイス」が追加。
    • 他にも時間経過で装甲を回復させる「継続リペア」、装備するだけで行動までの準備時間を縮める「常時充填」などなど…。
      • ただし新規に追加された行動には、まだ他シリーズに比べ効力が弱かったり、利用価値に乏しいものも多い。
  • 前作に存在していた行動も一部整理・仕様変更されている。
    • 全てのパーツからランダムに変化する「変化」は、従来の全パーツ変化に加え「変化(攻撃)」「変化(防御)」などカテゴリが追加された。
    • 前作に存在した「飛行・潜水メダロットに強くなる」攻撃は、明確に「アンチエア・アンチシー」となった。
    • 前作の裏ボス的存在が使っていた専用攻撃「ゴースト」は削除、該当パーツはごく普通の「ハンマー」に。
    • 「ミサイル・ナパーム」攻撃は「回避時に爆風による追加ダメージ」が削除され「ランダムヒット」に変更。
  • パーツ行動の追加に伴い戦闘アニメーションのバリエーションも増えた。

シナリオ・ボリュームの強化

  • 今作は予算も人員も大幅増加したことでゲームそのもののボリュームが増し、その総容量は前作の4倍に達する。
  • 登場メダロット・メダルの増加
    • 前作の登場機体数が60体に対し、本作に登場する機体数は91体(隠し含む)。
    • 後述する通信機能で前作のメダロットやメダルも入手可能。つまり全151体のメダロットを使うことができる。
  • 個性豊かなキャラクターたちが掛け合うシナリオ。
    • 前作にもストーリーはあったものの、次行くべき場所があまりプレイヤーに示されず、テキスト・会話量が少なかった。
      • というのも、前作のシナリオは執筆もシステム構築も全て抱え込んだディレクターのオーバーワークで一度破綻し、それを矛盾しないように繋ぎ合わせたものであったため、キャラはともかくストーリーの完成度はお世辞にも褒められたものではなかった。
    • 今作はその反省を生かし、制作体制が見直されたことでシナリオをしっかり作り込む方向性を取っている。そのため、GBのRPGとしてはストーリー性が強く比較的長めになった。
    • 先に展開していた漫画版・アニメ版に準拠したメインキャラクターたちが登場。
      • ただしメディアごとによってそれぞれのメインキャラクターの性格が異なることも*1
      • イイとこのお坊ちゃまのライバル、ダブルヒロイン制、悪ガキ三人組等、前作を意識した部分も残っている。
  • 本作にもイベントに応じて上下する恋愛値に応じた、ヒロイン別のエンディングが設定されている。
    • 前作ではフラグ管理が特殊でややこしかったが、今回はヒロイン毎の好感度アップイベントが判りやすくなった。また、どちらともくっつかなかった場合でも前作のように切ない結末を迎える事は無くなり、王道のエンディングとなる*2
    • エンディングのみならず、終盤のあるダンジョンのエピソードではフラグに応じたヒロインがストーリーに関わってくる。
      • この時点でエンディングが決定しており、エンディングを迎えられるヒロインが敵に拉致されてドラマチックな展開に。どちらとも迎えない場合は二人とも拉致される事になり、それはそれでストーリーに厚みができる。
    • 但し、幼馴染のアリカは比較的簡単な一方、マドンナ的存在のカリンは条件が厳しめで取りこぼしはほぼ許されない*3

グラフィック・演出面の強化

  • 「ゲームボーイカラー対応ソフト」となり、カラー表示になった。
    • ハードの制約上メダロットは装備している頭部パーツグラフィックの色パレットに応じて、全体のカラーリングが決定される。*4
      • この仕様を利用し、メダロットのカラーリングを固定するペイントショップが存在する。
  • 会話時にフェイスグラフィックが追加され、前作の「誰が喋っているか分からない」の問題が解決した。
    • モブは相応にシンプルだが主要キャラは表情もバリエーション豊富で、キャラクターの喜怒哀楽等が分かりやすくなり、シナリオを盛り上げてくれる。
    • ロボトル時には対戦相手の全身絵が表示されるようになり、どういう容姿なのかが更によく分かる。
  • 重要イベント時に一枚絵が入るようになった。

パスワード機能

  • コンビニでパスワードを入力することでパーツを入手することができるシステム。
    • パーツを入手するにはミニゲームクリアで入手できる消費アイテムが必要となる。
    • アニメ放映中のCMやコミックボンボンなどの媒体で隠し機体が手に入る特定のパスワードが公開されていた。
    • また二台のゲームボーイとソフトを使ってパスワードを送り会うことで、通信ケーブルが無くても擬似的にパーツのプレゼントが可能。

前作との通信機能

  • ゲームをクリアすると前作GB版『メダロット(パーコレ・パーコレ2含む)』からパーツ・メダルのコピーを行うことができる。
    • 前作ソフトに加え通信ケーブルと本体2台が必要。なお一回の転送で3体分の『1』のパーツとメダルを『2』に送れる。*5
      • 前作の通信には『2』の方で特定の消費アイテムが必要となる。

問題点

偏ったゲームバランス

  • 主役機と後述するラスボス機など、ごく一部の強力パーツの存在。
    • これに伴い下位互換性能パーツも必然的に生じている。
      • 例を挙げるとメタビーやウォーバニットの下位互換にあたるブルースドッグや、ヘッドシザースやスミロドナットの完全下位互換にあたるヒパクリト等。あげていくとキリが無い。
    • 通信で入手可能な前作機体のパーツの殆どが、『2』で登場した機体に比べ能力値が追いついていない。
      • 利用価値があるといえるものは互換パーツが存在しないボディアタック*6やサムライ、ブラックメイル等ほんの一部しかない。
  • 一応「反射」「反撃」「完全防御」等一部パーツの持つ能力で対策を取ることは可能。
    • ストーリー中はともかく、通信対戦で多くの補助・回復系パーツを生かすことは難しい。
      • これらパーツ間能力バランスの問題は『R』でさらに悪化することとなる。
  • バージョン毎に入手可能なメダルのバランスの悪さによる、ストーリー攻略への影響。
    • 「カブト」はとにかく射撃系の属性のメダル、「クワガタ」はとにかく格闘系の属性のメダルが集まる。
    • 一応、レベル・熟練度さえ上げれば問題はないのだが、入手した時点で予め得意な行動が設定されており、パーツの少ない序盤は入手パーツとメダルの得意な行動がかみ合わず苦戦することも。
  • メダフォースの習得内容のばらつき
    • 一部メダルを除いて、メダルが習得できるメダフォースは属性に応じた効果の上位版しか習得しない。
      • 例えば「トータス」メダルなら、使用者のパーツ威力を2倍・3倍・4倍にするメダフォースを習得していく。
    • 一部メダフォースのバランスがおかしい。
      • 一例としてデビルメダル。最上位のものは「使用者と全ての相手メダロットの頭部以外のパーツを破壊する」。一応消費メダフォースゲージ量も莫大。
      • 一方メダフォース消費量と効果が釣り合わないメダフォース(習得するメダル)も存在する。

改善されていない一部インターフェース・仕様

  • 戦闘時のダメージ表記がGB版1と同じく全装甲値が一体化したバーで表示される。
    • 前作のリメイク『PE』ではパーツ部位別に装甲値が表示できていたが、本作では採用されなかった。
  • 前作同様メダロット組み立て画面からメダル・パーツ性能の確認に一覧表示を挟むため面倒。
  • シリーズおなじみだが、戦闘回避には専用アイテム「ロボロボメダル」を使わないといけない。
    • 今回はミニハンドル使用時にはエンカウントしなくなるので前作よりは楽になった面もあるのだが、ミニハンドルを使えるのは屋外のみで、室内やダンジョンではやはりエンカウント地獄に悩まされる。
  • 戦闘のテンポは上がっているが一戦毎の戦闘時間が長いのは変わらず、しかも今作はストーリー中でとにかくロボトルをやらされる
    • 挨拶代わりにロボトル、目が合ったらロボトル、邪魔者をどかすためにロボトル、揉めればロボトル、とりあえずロボトルと言った具合に本編中の強制戦闘回数が異様に多い。それに加えてエンカウントも避け難いので、プレイ時間の殆どは探索やカスタマイズやイベントではなく戦闘に費やされる。ロボトルに飽きてしまったら進めるのが苦痛になる事も。
    • 敵が数で攻めてくる事もしばしばあるので、2〜3連戦も何度かある。
    • 最終章では、ラストダンジョンに向かう場面からラスボス撃破までの強制戦闘の回数は30に迫るほど。これに少なくないエンカウントバトルを合わせると、ラストダンジョンだけで40〜50回はロボトルをする事になる。
      • その前のフユーン編ではクリアまでエンカウントしないのでまだ良心的…と思いきやこちらでも強制戦闘は20回近くある。
    • ストーリーが長くなった分、強制戦闘の機会も激増している。ボリュームが多いのは間違いないが、水増しならぬロボトル増ししている面も。

一部ミニゲームが抱える難点

  • ミニゲームの一つ「メダロードレース」*7が連打ゲー。
    • 勝利しなければストーリーが進まないため、連打が苦手な人は苦労する。
    • 一応レースに参加させるメダロットの脚部タイプを統一し、脚部と相性の良い地形が選ばれるまでリセットを繰り返す事で難度を下げることは可能。

改悪された移動専用アイテム仕様

  • 前作に続いて「ミニハンドル」「かぜのつばさ」と言った乗り物アイテムは登場するが、ポケモンとの差別点なのか使用時に特定の純正パーツ一式組み立てる必要がある仕様に変更された。
    • アイテムを使用する際にいちいち一式を組み立てるのが面倒なら、パーツ変更を行わないなど一式状態のままゲームを進行するべきだが、このシステムによって3体ものティンペットがアイテム専用枠で埋まってしまう。
      本作のティンペットは最大で9体まで所持出来るが、このシステムによりカスタマイズの自由度が低下している点は否めない。
    • 確かに前作ではどうやって使っているのか説明が無かったため説得力を持たせようとしたのかもしれない*8が、結果としてプレイヤーに不自由を強いる事に。
    • なお、『3』以降の作品の多くでもこのシステムが続投している。加えて、同作以降では一式パーツ組み立てが更に推されてしまう事に…

メダル・パーツコンプリートの手間の増加

  • パスワードによる隠し機体、後述する『パーツコレクション』限定のメダルが登場。
    • パスワード機体に関してはネットで調べれば問題ないが、一部のメダルだけは本編で使用するためには『パーコレ』と通信交換する必要がある。
  • 前作登場のパーツ・メダル収集の手間
    • 一回の通信転送で3体分(3枚のメダル・12パーツ)しか送れない。
    • さらに通信転送に必要となる消費アイテムは本編1周で手に入れられる数に限りがある。
    • 結果、前作のパーツ・メダルもそろえる場合も前作・本作共に複数本用意し何周もすることに。
      • 全パーツ・メダルを集めても何も起きないのが幸いか。
  • 前作は『パーコレ』を使わなくても、バージョンと本数さえ用意出来ればコンプリートが可能だった。*9

ラスボスの強さ

  • その無慈悲なまでの圧倒的火力によって、多くのプレイヤーにトラウマを刻み込んだ。
+ 以下ネタバレ
  • 本作のラスボスは前作ラスボス機体の改良版「ゴッドエンペラー」。
    • どのパーツも並のメダロットの装甲なら一撃で蒸発、或いは機能停止寸前にまで追い込む程の威力を持つ。
      • 特に左腕「デスレーザー」は莫大な威力を有していながら、それでいて攻撃の準備速度もライフル系攻撃パーツと同程度には速い。
    • ラスボス戦では相手メダロット3体のメダフォースゲージが最大値の状態で始まる。
      • もちろん開幕メダフォースもありうる。しかもラスボスが使ってくるのは「自分の装備している射撃パーツの威力を合わせて攻撃」する必殺メダフォース。
    • やっとの思いで勝利しても「ユ・ル・サ・ン!!」という台詞と共に、そのまま連戦へと突入する。勿論セーブをする暇など無い。二戦目も相手メダロットのメダフォースゲージは最初から最大値であり、援護防御を行う機体まで入れてくる。
  • 「メダフォースを制御し使用不能にするパーツ(フォース制御)」と「相手の強い攻撃を跳ね返すパーツ(反撃)」の2つを使うという、安定してラスボスを撃破可能な戦法が存在しており、これを使えば難度はぐっと下がる。しかしこの2つのパーツは入手のチャンスが殆ど無く、事前知識無しの初見プレイで両方を揃えてラスボス戦に臨むのはかなり難しい。
    • 前者はストーリー中盤の必須イベントで頭パーツを入手可能。正攻法でクリア前にフォース制御パーツを手に入れるほぼ唯一の機会なので、絶対手放さないように。
      • …邪道を厭わないのであれば、とある場所で特定のパスワードを入力し、隠しパーツを手に入れるという方法も無い訳ではないが。
    • 後者はパーツ所持者とストーリー中では1回しか戦う機会が無い上、戦闘前に余計なロボトルを2回もさせられるので、パーツを入手し損ねた際のやり直しが面倒。
      • 一応救済措置として、ゴッドエンペラーとロボトルするフロアでは、野良エンカウントでこのパーツを装備した機体が出現する事がある。
    • この攻略法を使わなくとも勝利は可能。やり込みプレイとして、これらのパーツを使わないで挑むプレイヤーも存在する。
  • ちなみにこのゴッドエンペラー、クリア後のイベントでパーツ一式を入手可能。頭部は最大2個、両腕は1個ずつ、脚部は所持金次第だが最大99個(!)まで手に入る。
    • あれだけプレイヤーを苦しめた超火力を、今度はプレイヤー自身が敵メダロットに対して思う存分揮える。但し相手の反射・反撃パーツには注意。
    • 前述したゲームバランス崩壊の原因の一つである。対人戦で使う際はくれぐれも自己責任でお願いしたい。
  • プレイヤーに強烈なインパクトを残したこの機体は、以降のシリーズ作品でもほぼ皆勤。作品によって能力にばらつきこそあるが、その強さは維持されている。

その他

  • 先に進む為に特定のパーツを要求されるシーンがある。
    • 岩を破壊するためにナパーム攻撃、電子ロックを解除するためにバグ攻撃といった用途で使う。それ自体は良いのだが、何故か主人公は特定のパーツを名指しする。名指ししたパーツを持っていなかった場合は付近の宝箱からパーツを入手するか、周囲の敵を狩って当該パーツを落とすまで粘るかしなければならない。
      • 問題は後者。そのエリアでは目的のパーツを付けたメダロットと必ずエンカウントするのだが、目当てのパーツを獲得できるかどうかは当然ランダム。運が悪いとしばらく足止めを喰らってしまう。
      • 必要なパーツの大半は事前に入手できるのだが、よりによって殆どが期間限定。正確には「パーツが必要な局面まで行くと大抵そこに閉じ込められる」ので、後からパーツを取りに行く事ができないのである。
    • 宝箱を残さず回収する人ならあまり心配は無いかもしれないが、あるパーツはマップの端にいるNPCに話しかけなければ貰えず、しかも先にその奥の中ボスまで行ってしまうとパーツを貰うイベントを起こせなくなる。
    • パーツをわざわざ名指しせずとも、同じタイプの行動を行うパーツなら何でもOKという仕様で良かったのではないだろうか。
  • モブキャラのバリエーションはさほど多くは無い。
    • ゲームを構成する上では十分なのだが、成人男性は中年サラリーマン、成人女性はOLで殆ど賄っているので状況によっては不自然に見える事も。
    • 作中で戦う番長はしっかり表情差分も用意されているキャラなのだが、マップ上のキャラグラフィックは「おとこのこ」と同じなので違和感が強い。

総評

前作で確立された要素を各方面からパワーアップさせ、ブームの立役者となった作品。
一本のゲームボーイのRPGとして見てもシステム・ストーリー・ボリューム共に遊びごたえがある。
一方、パーツ・行動数の増加もあってか、通信対戦における根本的な戦闘バランスは改善されておらず、
収集要素のコンプリートまでハードルは上がってしまっている。この問題点はシリーズ通しても改善出来ている作品は少ない。

本作から始まるイッキ編は『3』『4』と続き、以降の外伝作品や続編にキャラクター・ストーリー面で多くの影響を与えているため、
シリーズを通して遊んでみたい方は、(『1』がUIなどが優れていない事もあり)出来れば本作から始めることをお勧めする。

余談

  • シナリオ中で本作主人公のイッキが、アイテムを使って変装する事がある。
    • 「遊園地のアトラクションで勇者の格好になる」「ロボロボ団基地に潜入する為モブ団員に変装する」*10「クリア後のオマケでペットのソルティそっくりになれる犬の着ぐるみが手に入る」と、比較的まとも(?)なシチュエーションの変装もあるにはあるのだが…。
    • 「スカートめくりの犯人をおびき出す為に幼馴染の持っていたスカートで女装」「川に落ちて濡れた服を、女物の着物に着替えさせられる」「先述のアトラクションで着替える際、手違いでお姫様のドレスを着せられる」と、なんとシナリオクリアまでに行う変装の半数以上が「女装」なのである。
      • 更に、クリア後には「大人のお店でバニーガールのお姉さんに、お姉さんと同様のバニーガールの衣装を着させてもらう」という、よくよく考えずともアウトなイベントも…。一応、発生させるかどうかは任意ではあるが。
    • しかもクリア後になると入手した変装アイテムを使うことで、自分の意思で女装が可能。自分の意思で女装が可能。大事な事なので(ry
      • 当時純真だった多くの少年達の性的嗜好を捻じ曲げてしまうキッカケになったであろう事は、書くまでもない。
      • ちなみにゲームと並行して展開していたアニメ・漫画版には女装のシーンなどは一切存在していない。それどころかアニメ版のイッキはどちらかといえばテンプレな熱血主人公気味である。*11
  • 上述の通り、本作に合わせてアニメが放送された。
    • 登場人物はゲームを踏襲しつつ、漫画の他作品からも登場させるなど、メディアミックスの要となった。但し、キャラ設定や世界観はゲーム、漫画を綯交ぜにしつつ独自の味付けをしているため、それらのいずれとも異なった独特の作品となっている。
    • 長らく配信やソフト化がされなかったが、シリーズが再始動を始めた2010年頃にはニコニコ動画の動画チャンネル「フルアニMAX」で配信されたりDVDも発売された。しかしフルアニMAX版は権利調整のゴタゴタで配信が滞り、全話配信から程なくフルアニMAX閉鎖によって視聴できなくなった。
      • しかしシリーズ20周年を機に各サイトで配信が再び始まっている。興味がある人は勿論、テレビ東京系列故に当時は観られなかった古参ファンもこの機会に。
  • 多くのプレイヤーにトラウマを植え付けたラスボス「ゴッドエンペラー」のモチーフはメスのシャコとのことである。
    • シャコのパンチは世界最強といわれる程の破壊力を有しており、ゴッドエンペラーの超火力はある意味ではモチーフ通りと言えなくもない。
    • 本作といい『ダライアス外伝』のクラスティハンマーや『カニノケンカ -Fight Crab-』の初期バランスでのシャコ等、ゲーム界隈では何故かシャコが強キャラにならないといけない風潮のようなものが存在している。
  • 本作発表前、コミックボンボン誌面では「『メダロット2』の主人公は犬」という噂が記載されていた。確かに原作者ほるま氏のデビュー作は犬が主役だったが…。
    • 割と信じられていた模様で、『2』が主人公イッキと共に正式発表された際にはボンボン上にて「主人公は犬じゃないよ。イッキ君だ」と言った見出しで掲載された。
  • 漫画版も前作に続いてほるま氏によってボンボンで連載された。
    • しかしストーリーや設定が基本的にゲーム準拠でその補間も兼ねていた前作に対し、本作以降のイッキ編は登場人物こそ共通するもののストーリーは全くの別物となるなど明確に差別化していく。
    • 内容自体もほるま氏特有のギャグは健在ながら、生命としてのメダロットの存在、社会における在り方、風刺を描いた重くシリアスな作風になっていき、『4』まではシリーズが進むにつれてその傾向が強まっていった。時には児童誌らしからぬテーマを扱う事もあった。
    • これは漫画の幼年誌にありうる背伸びの傾向をテーマに「力強さ」「情緒豊かさ」「利口さ」の内、当時のボンボンでは少なかった「利口さ」の方向を進んだためとされる*12。この漫画の影響で、想定通り「利口さ」の背伸びをするようになった当時の読者も多い事だろう。

移植・リメイク

  • メダロット弐CORE』としてGBAにリメイクされている。
    • ストーリーは基本的に本作そのまま、ゲームシステムに様々な変更点を加え、ハードに合わせグラフィック・BGMを強化した良移植作である。
    • 大幅な調整により、ゲームバランスもかなり改善されており、対戦ツールとしての評価も割と高い。
    • 長らく入手困難であったが、現在ではWii Uのバーチャルコンソールで配信中の他、Nintendo Switch用ソフト『メダロットクラシックス プラス』にも収録されているため容易に入手可能。
  • 2017年12月21日にニンテンドー3DSで発売されたオムニバスソフト『メダロットクラシックス』に本作のオリジナル版が収録されている。

メダロット2 パーツコレクション

【めだろっとつー ぱーつこれくしょん】

ジャンル ロールプレイング
対応機種 ゲームボーイカラー(全GB共通)
発売元 イマジニア
開発元 ナツメ
発売日 1999年10月29日
定価 3,980円(税別)
判定 良作
メダロットシリーズリンク

概要(パーツコレクション)

『メダロット』おなじみ「パーツコレクション」。今回もロボトルを勝ち抜くことでパーツ・メダルを集めていくことができる。

  • 基本的なカスタマイズやシステムは本編と同じ。
    • 初期入手メダロットは「トラ」または「ライオン」*13のどちらかから選ぶ。
      • ゲームを進めれば、ちゃんと選ばなかった方も入手可能。
  • 今回の塔は1つのみ(20フロア)だが、1フロアに5つの部屋が存在する。
    • パーツ、メダル、アイテムは前作の『パーツコレクション』同様、登場人物とのロボトルに勝利して入手する。いくつかはサブイベントで入手。
  • 本作のみの特別ルールロボトル「スペシャルロボトル」
    • このルールが採用される部屋は事前に「お題」が示される。
    • 自分の所有するメダロットを使用することはできず、お題ごとに用意された組み合わせでロボトルを行う。
    • 示されたお題自体がどのパーツを使えばよいのかのヒントとなっている。詰め将棋みたいなもの。
  • 前作『パーコレ』のようにパーツ性別を無視したセッティングはできない。

ストーリー(パーツコレクション)

新生ロボロボ団との戦いも終わり、学校で授業を受けていたイッキ。
突然、学校が大きく揺れ、外に出てみると学校が巨大な塔に変貌していた。
そこに宇宙人たちが現れる。
どうやら彼らの母船が学校に不時着し、動力源である「フユーンストーン」が破損・各地に散らばり、そのせいで時空が歪んでしまったのだという。

学校の外に出る前に手にしたフユーンストーンのかけらによって、歪んだ時空を動けるイッキ。
歪んだ時空を元に戻すためにはフユーンストーンのかけらを集め、母船に戻さなければならないという。
学校を元に戻し仲間を助けるために、イッキは宇宙人から受け取ったメダロットと共に塔の探索を始める。

評価点(パーツコレクション)

  • 本編では入手できないメダルやバージョン別・パスワード入力パーツの入手が可能。
    • もちろん通信で本編に転送可能。
    • ただし、本ソフトでコンプリート出来るのは『2』に登場するメダルとパーツのみである。
  • 縛りロボトルである「スペシャルロボトル」の存在。
    • 延々と普通のロボトルを繰り返す前作『パーコレ』に比べ、アクセントがついた。

問題点(パーツコレクション)

  • 多くのスペシャルロボトルの内容がいい加減。全体的に運ゲーと化している。
    • 特に「症状効果で戦いを有利にしよう」系のミッションが該当。『2』は攻撃の追加効果が確率発動なので、お題通りにはうまくいかない。
      • 「『ていし』で動きを封じろ」「『ぼうぎょふか』で頭パーツを撃ち抜け」などは殆ど運。
    • 何に変化するかはランダムの「変化パーツ」を使うミッションもある。この場合完全に運任せ。
    • しかも時間切れの場合、本来は判定で勝ち負けを決めるのだが、スペシャルロボトルでは時間切れの場合は問答無用で「負け」となる。このため運が悪ければ、何時まで経っても先に進めない。
  • 中盤に入るとラスボスのパーツが入手できる。
    • もちろん適切なメダルと組み合わせて使えば、ノーマルロボトルの難度がぐっと下がってしまう。
  • 『2』のパーコレなので『2』のパーツ・メダルは揃うが、『1』のパーツ・メダルは入手できない。
    • やはり『2』で使用可能な全てのパーツとメダルをそろえるには、前作との通信が必要となる。
  • 前作『パーコレ』と比較して、一応ストーリー性はついたものの、やはりシナリオは薄い。
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最終更新:2023年06月16日 00:55

*1 特に顕著なのは、主人公である「天領イッキ」とライバルである「辛口コウジ」の二名。

*2 また、前作では高難易度のEDのためにはもう一方の告白を断らなければならなかったが、今回はそんな事は一切無い。

*3 しかも序盤で複数回話しかけるなどと言った、初見では気付きにくい好感度アップイベントもある。

*4 この仕様はプラットフォームをGBA作品に移すまで続く。

*5 転送されたパーツ・メダルは『2』でも一部性能を除いて能力は『1』のまま。パーツやメダルのグラフィックも前作のものを意識して描き直されている。

*6 レッドマタドールの頭部パーツで、回数3回の「完全防御」。男性型が使える物としては最多の回数を誇り、装甲も硬い。

*7 メダロット3体によるリレー。参加させるメダロットの脚部パーツと走る地形の相性が良いとスピードが上がる。Aボタン連打でスピードアップ。

*8 漫画版『1』でも本作同様のメダロット(その前世代)を変形させる描写があったのでそちらを取り入れた可能性も。

*9 ただし膨大な手間がかかるのでお勧めできない。

*10 勇者とモブ団員の変装のみ、アイテム入手直後以外にもう1回変装したまま行動する機会がある。モブ団員の方は少し進むとあっさり変装がバレてしまう為、他の変装と同様の一発ネタと考えても差し支えないが。

*11 ゲーム版の一人称は「ぼく」だが、アニメ・漫画版では「オレ」である。

*12 尤も、ボンボンはその当時ですら『スーパーマリオ』や『サイボーグクロちゃん』など、他の児童誌に比べればその傾向が強い作品は多かったが。

*13 本編でライバルが使っていた機体のモチーフ。