星のカービィ 鏡の大迷宮

【ほしのかーびぃ かがみのだいめいきゅう】

ジャンル アクション
対応機種 ゲームボーイアドバンス
発売元 任天堂
開発元 ハル研究所(アートワーク他)
フラグシップ(企画制作、一部デザイン)
ディンプス
発売日 2004年4月15日
定価 4,571円(税別)
プレイ人数 【GBA】1~4人
【3DS/WiiU】1人
セーブデータ 3個(製造時期によって電池版とフラッシュ版が存在)
レーティング CERO:全年齢対象
周辺機器 GBA専用通信ケーブル対応
配信 【3DS】アンバサダー・プログラム
【WiiU】バーチャルコンソール:2014年4月3日/702円(税8%込)
判定 良作
ポイント エリアが全て繋がっている特殊なステージ構成
カービィとしてはやや異色だが出来自体は良好
これまでの皆勤であったデデデ大王が未登場
星のカービィシリーズリンク


概要

GBAソフト『星のカービィ 夢の泉デラックス』をベースとして制作された作品。HAL研究所は監修やアートワークにのみ関わっており、開発は『ゼルダの伝説 ふしぎの木の実』など任天堂タイトルも手がけているカプコンの子会社フラグシップと、『ソニック アドバンス』シリーズなどの開発で知られるディンプスが手がけている外注作品である。
開発会社が違う都合で前作のソースを流用する事が出来ず、プログラムは仕様書を参考に1から作り直されている。

ディレクター等ではなく監修としてではあるが、カービィの生みの親・桜井政博氏が最後に関わったカービィでもある。


特徴

システムなど

  • ステージ間の枠が排除された。
    • 本作はいわゆるステージクリア式ではなく、エリアが全て繋がっている『メトロイド』や、『星のカービィスーパーデラックス : 洞窟大作戦』のような探索型のゲームとなっている。
    • 「セントラルサークル」と呼ばれるホームエリアを中心に「レインボールート」という広大なフィールドが縦横に広がり、各エリアへと道が繋がっていく。
      • マップ構成はエリアによって迷宮、一方通行など様々(ボス部屋付近など大体は一方通行だが)。中には些細なトラップに気がつかないと延々ループさせられるエリアもあり一筋縄ではいかない。
    • なお、ルートの奥にはたいていゴールエリアが存在し、入ると従来通りアイテムが手に入るゴールゲームになりセントラルサークルに帰還できる。
      • ゴールエリア付近は一方通行の場合が多く、足を踏み入れてしまった場合強制ゴールになるので、迷宮探索における一種の罠と言える。
    • Lボタンを長押しすることでワープスターを呼び出してセントラルサークルに帰還することができる。
  • 今回はプレイヤー以外に3人のカービィが冒険のお供として登場する。それぞれ常にリアルタイムで独自に活動しており、それなりに共闘している感覚が味わえる。
    • 彼等はRボタンで携帯通信機を使えば全員いつでも呼び出すことができるが、そのたびに3マス分の「電池」を1個消費する(アイテムを拾うと回復できる)。協力しないと進めない局面もあるため、使いどころを見極めなくてはならない。なおセントラルサークルに戻る場合は電池の残量に関係なく使用可能。
      • 呼びだされたCPは回復アイテムを所持していて、呼びだした直後は『SDX』などに存在していた「口移し」での回復ができる。
    • また、通信機能を利用すれば、最大4人同時プレイもできる。
      • 「広大な迷宮を利用した鬼ごっこ」なんて遊び方も可能であり、工夫次第で遊びの幅が広がる。
+ CPについての詳細
  • CPの体力はゲーム開始時点から既に最大値。
    • 敵やギミックに対処しきれずダメージを受けることが多いため、このような処置がされているのだろうか。
    • ちなみに体力を全て失ったCPはセントラルサークルに戻される。また、ボス戦でCPを呼び出し自分だけワープスターで帰還しても、CPがボスを倒してくれることはなく、しばらくすると全員セントラルサークルに戻ってくる。
    • なお、CPは道中に落ちているアイテムを一切拾えない。そのため、CPの体力は「プレイヤーによる口移し」でしか回復させることが出来ない。
  • CPはマスターを除く全てのコピー能力をどこでも手に入れることが可能。
    • 例えば本来であれば不可能な「セントラルサークルでUFOをコピーする」など。
      • 本来であればUFOをコピーした状態でセントラルサークルに戻ると、強制的にコピーを外されてしまうはずなのだが…
    • なお、マスターに関してはCPは自力ではコピー出来ないが、とある雑魚敵を利用することでコピーさせることが出来る。
    • ちなみにCPはプレイヤーの破棄した能力星を吸い込むことは出来ない。
  • CPはプレイヤーのことが大好き。
    • プレイヤーを見つけるとくっついてきて、プレイヤーが移動するとCPも一生懸命追いかけてくる。
      • 一定時間カービィを操作しないでいたり、プレイヤーから離れすぎると単独で行動するようになるが、プレイヤーを再感知するまでの時間が短く、離れてもすぐに戻ってくることも多い。
      • なお、ボス戦など一部の場面ではそれぞれバラバラに行動する。
  • CPの行動範囲について
    • CPは基本的にゴールエリアには入れず、ゴールゲームに参加することも出来ない。
      • 通信機を使いゴールエリアに呼び出してもゴールゲームには参加せず、大体の場合はそのまま周囲のエリアの探索を始めるか、セントラルサークルに戻ってくる。
    • CPは壁やギミックを無視して別のエリアへ進入したり、瞬間移動することが出来る。
      • レインボールートへの扉しか存在しない初期状態でも、なぜかレインボールート以外のエリアを探索していることがあるのはこのため。また、本来は一方通行で直前のエリアには戻れない場所でも平然と逆走していることがある。
      • これらの現象はプレイヤーから離れて単独で行動しているときによく起きる。また、道中のギミックがCPによって解除されることはなく、エリア同士を繋げて探索範囲を広げるのはあくまでもプレイヤーの役目となる。
  • その他、細かい点など
    • プレイヤーと一緒に行動しているCPは、プレイヤーが硬いブロックを壊して先に進むと動きを止めてしまう。
      • どうやら壊したあとの跡地でも「ここには進入出来ない」と判断している模様?
      • 横から押してあげるなどして跡地を通り抜けさせると再びプレイヤーについてくるようになる。
    • また、プレイヤーと一緒に行動しているCPは扉の前に誘導されてもすぐには入らず、エリア内を探索するなどして一定の時間が経つとようやく扉に入るようになる。
      • 流石にゴールゲームの用意されている大きな扉や、ボスのいる部屋に通じる扉には入らない。しかし、ボス戦に関しては戦闘が始まるとすぐに駆けつけてくれるため、直前のコピーのもとが置かれているエリアで呼び出しても電池が無駄になることはない(もっとも、ボス戦には参加せず、そのまま探索に行かれてしまうこともあるのだが…)。
    • 仲間と協力して吸い込む大きなブロックをCPと一緒に吸い込む場合、CPに吸い込ませている最中に別のエリアへ移動し、再度ブロックのあるエリアに戻ると、たとえブロックを動かせていなくてもCPはブロックへの関心を失い、プレイヤーにも協力してくれなくなる。
      • どうやら「プレイヤーが移動=放置してもいいギミック」と判断している様子?
      • 手間はかかるが、一旦別のエリアでCPを呼び出したのち、再度ブロックのあるエリアで呼び出すと再びブロックを吸い込んでくれるようになる。
  • 過去作にありがちだった「吸いこもうとした敵がCPに倒されてしまう」現象は「敵はしばらく吹っ飛んでから消滅する」仕様のおかげで少しはマシになっている。
    • また、この際吹っ飛んでいる敵に対して追撃する事もでき、それを利用したちょっとしたコンボを決める事も出来る。
  • 使用するには特定の宝箱を入手する必要があるが、「カラースプレー」でカービィのカラーリングを自由に変更する事が可能になった。
    • これまでの本編カービィではカービィの色は一部のコピー能力によって色が変わる程度で基本的にピンク固定であったが、このアイテムの登場により好きな色に変更してプレイする事が可能になった。
      • 面白いシステムだが、残念ながら色を変えられるのはプレイヤーの操作するカービィのみであり、CPカービィの色は変えられない。
    • ちなみにこれは後に発売された『ドロッチェ団』にも同様に搭載されている。
  • 収集要素
    • 迷宮探索を盛り上げる要素として宝箱が各所に設置されている。
    • 「洞窟大作戦」との明確な違いは宝は観賞用ではなく実用的な道具であること。 カービィの体力増加やサウンドテストなど、迷宮の探索が育成要素や隠し要素の解放につながっている。
    • 中には通常アイテムが入っている宝箱もあり、宝箱の中身が必ず宝とは限らない。

カービィの新アクション

  • 「がんばり吸い込み」「ころがり体当たり」という新アクションが追加された。
    • 「がんばり吸い込み」は、一定時間吸い込み続けると範囲と吸引力が上がり、大型の敵や重い障害物を排除できるようになるアクション。不発に終わった場合は隙ができるので注意が必要。
    • 「ころがり体当たり」は、急な坂道でスライディングを行うと「ころがり状態」となり、雑魚敵を倒すことができるようになるアクションである。こちらは正直に言ってしまうと特に使いどころはないが…。
  • コピー能力は、新しく追加されたものも含めて全26種類。
    • 一部コピー能力に「コマンド技」と「属性」の概念が導入され、『星のカービィ スーパーデラックス』のような操作感になっている。
    • 新しいコピー能力として「エンジェル」「スマブラ」「ミサイル」「マジック」「ミニマム」が追加された。
      • 特に目を引くのが「スマブラ」能力で、その名の通り『大乱闘スマッシュブラザーズDX』でカービィが使える能力をセットにした豪華能力。中ボスとして出現するマスターハンドを吸い込むかミックスルーレットでのみ手に入る(クレイジーハンドもマスターハンドと共に登場するが、この場合はゴール前ボスでありどちらも吸い込みは不可)。
    • 従来の能力は、一部性能が調整された。

敵キャラの仕様

  • 雑魚キャラにもライフが設定され、攻撃や接触した際には右下に敵キャラ名とライフゲージが表示されるようになった。
  • 少し手強い大型の雑魚キャラが登場。これらの敵はやや体力が高めで通常の吸い込みが通用しないため、がんばり吸い込みを使わなくてはならない。
    • 「大きい = 遅い」というわけではなく、攻撃スピードが早い「ヘビーナイト」のような敵もいるため、敵の動きやタイミングを見極めてがんばり吸い込みをする必要がある。
    • また以上の特性に加え「飛行能力」も持つ敵もいるため非常に厄介。

BGM

  • 今までのシリーズを担当してきた作曲家は関わっておらず、代わりに両ディンプススタッフの稲垣博信氏、伊勢村篤義氏が担当している。

世界観

  • 本作の舞台は「鏡の国」となっており、プププランドは物語にあまり関わっていない。そのため、敵キャラは過去作品と違う新キャラが多数登場する。
    • 舞台が違う国なため登場しないのも仕方ないといえるが、それまで皆勤だったデデデ大王が登場しないことを惜しむ声もある。

評価点

  • やりごたえのあるボリューム。
    • 普通にクリアするだけでもなかなかの内容だが、達成率100%(宝を全て収集、全マップ踏破など)を目指すとかなりのボリュームとなっている。
    • 特に宝の収集は「洞窟大作戦」同様、テクニックやコピーに関する知識が必要となるため、プレイヤーの腕が問われるものとなっている。入手が困難な宝もあるため、過去作品をやりこんでいる上級者も満足できるような難易度になっている。
      • 部屋を行き来するだけで仕掛けは元に戻るので、やり直しの手間は少ない。例外的に、部屋に他のプレイヤーやCPがいる場合は仕掛けやステージの変化は引き継がれたままとなる。
      • 行き来する手段が無く、失敗するとセントラルサークルからやり直しになる箇所も存在する。
  • 高い自由度。
    • 各エリアには「エリア1」「エリア2」といったように番号が振られているが、攻略の順番は決められていない(どのエリアから攻略しても良いとされている)。そのため、「エリア1から順番に攻略する」「いきなりエリア9を攻略する」といった自分の好みに合わせたプレイが可能となっている。
  • 「洞窟大作戦」から進化した探索要素。
    • 迷宮は広大で迷いやすいが、今作は宝箱から「地図」を入手することで地図を見ながら探索ができるようになる。
      • 地図は、宝が回収できていない部屋と宝を全て回収した部屋とで色分けされるため、どの部屋を探索すればいいのかすぐ分かる。部屋のつながりもマップに書かれているため、探索がスムーズに行える(未踏=赤、宝未回収=黄色、宝全回収=白く光る黄色)。
    • 地図を見ながら行動することで、「今どこにいるのか分からない」「どこに宝があるかわからないため、無駄にウロウロしてしまった」といった事態が起こりにくくなり、快適な探索が可能になっている。
  • 一部のコピーはコマンドで技が変化するため、状況に応じて技を使い分ける楽しさがある。
    • 中でも「スマブラ」や「ファイター」は技が多様に変化するため、「使っていて楽しい」という意見が多い。
  • 作りこまれたグラフィック。過去作品同様、今作のグラフィックも評価が高い。
    • カービィや敵キャラは相変わらずかわいく描かれている。「キスをされたので顔をタオルで拭く」「UFOからアンテナを伸ばして仲間と通信する」など、細かい動きも多く見ていて飽きない。
    • 背景もとても細かい部分まで作りこまれている。エリアごとの特徴もはっきりと出ているため、各エリアを探索する面白さが増している。
  • BGMは新規の曲が大半を占める。評価は上々。
    • 中でも「森・自然エリア」「氷・水晶エリア」「宇宙エリア」「ラスボス/ダークマインド第2形態」は評価が高い。
  • アクションが苦手なプレイヤーに対する配慮。
    • 携帯通信機で仲間を呼び戦闘に協力してもらうことで、ピンチを打開することができる。
    • また、仲間を呼んだ際には回復アイテムが出るため、補給手段として通信を利用することも可能。
    • 迷宮をクリアするだけなら、高度なアクションの腕前は要求されない(それなりの腕前は必要となるが)。ボスをすべて倒すことで、宝を全て回収しなくてもエンディングを見ることは可能である。
  • 「カラースプレー」の導入。
    • これにより、カービィの色を好きな色に自由に変更してプレイする事が可能に。現状では今作と『ドロッチェ団』のみの要素。
    • 変更したカラーはセーブされないのでプレイする度にオプションから変更する必要があるのが少々気になるが…。
  • 『夢の泉の物語』のスターロッドのようにラスボス戦用のコピー能力が本作にも存在するが、これがクリア後には自由に使用可能になる。
    • 反則的な攻撃力、作中でも随一の技の多さで無双感を味わえるだけでなく、全ての仕掛けに対応し剥がれても通常のコピーと異なり、コピーの星が落下するor自身がエリア移動しない限り消えないので探索にも便利。
    • 強すぎるためか通信プレイでは複数のプレイヤーが同時に使用不可で、ボスと次々に戦う「かちぬきボスバトル」ではラスボス戦まで使用できない。

賛否両論点

  • 通信機で呼べる仲間(CP)は、あまり賢いとはいえない。
    • 穴に飛び込んで、早々にアウトになることも珍しくない。
    • 複数のカービィで先に進むための協力アクションをこなさなければならない場面があるが、しばしば吸い込むべきブロックに密着して動かせなくする事などがある。
    • ボス相手に数の暴力を仕掛けるために呼びだしても、積極的な攻撃・回避をするわけではないので戦力としては期待しにくい。
      • これらの仕様は他プレイヤーとの協力プレイをする意義を与えるため、強すぎてプレイヤーの立場を奪わないためにあえてそうした可能性もあり、一概に否定はできないポイントである。本編をクリアするだけなら協力アクションが必要な場面に呼びだすだけで問題ない。
      • どちらにせよ、救済措置としては戦力的に期待できず、呼び出し時の口移しや「大勢での吸い込みでブロックを動かす」事だけを目的に使用されることも珍しくない。
  • キャラクターの扱いが一部ファンには不評。フラグシップの初担当ということやその後のこともあって物言いがつくことになってしまった。
    • 特にデデデ大王のシリーズ初降板が槍玉に上がり、隠しボスとして出るなどというデマまで(画像付きで)出回る始末。
    • また、多くのカービィで1面のボスを担当していたウィスピーウッズも今作では登場しない。その代役を務めたのは石の塔のようなボスキャラ「キングゴーレム」。舞台が舞台なので仕方がないという意見もあるが、宇宙ステージの迷宮がある等、何もステージが建物・洞窟・室内等に限定されていたわけではなく、中には青空が見えている場所もある。一方で同じ様に多くのカービィ作品で登場していた、クラッコは何故か火山に登場しているため、出そうと思えば出せただろうという意見もある。
    • その一方でメタナイトは非常に優遇されている。まぁ彼は今作が初めて味方になった作品ではあるが…。
  • 宝箱の中身について
    • カービィの体力増加やサウンドテストが可能になるものが入っている等有用性の高い物がある反面、大半の宝箱は中に単なる通常アイテムが入っている物が多い。入手に苦労するものの中にも単なる普通の回復アイテムが入っている場合もある。
    • とはいえ、「そういうもの」だと特に気にしない人も多いうえ、何も役に立たないアイテムが入っているわけではないため、そこまで問題があるという程ではない。また、無理に特殊なアイテムばかりにした場合、後に発売された『ドロッチェ団』のように「意味のないアイテムが多く実質ただの水増しに近い」と批判された可能性もある。
  • 敵キャラの地形に対する判定が一部おかしい。
    • いかにもダメージを受けそうなトゲや溶岩に飛び込んでもケロッとしている。これは後に発売された『ドロッチェ団』でもそのまま残っている。
    • もっとも、前作に当たる『夢の泉DX』でも同様だった他、こちらがダメージを受ける地形が敵に無効というのは他のアクションゲームでも結構あったりするので、これに関してはさほど気にしていないプレイヤーが多い。
  • 不評だったのか操作感覚が前作の64とは別のものとなり夢の泉2と同じ仕様となった。
    • そのためホバリングがまた無制限に使用できるようにはなったものの1度でも被弾するとコピー能力が外れる点もそのまま。

問題点

  • 各部屋の繋がりが複雑で、初見で地図を見つけていない時は迷いやすい。
    • そこはいいとしても、肝心要のその地図も見慣れないうちは構造が理解し辛く、迷いやすい。
      • また、地図上では複数の場所から行ける1つの部屋に見えても、実際は壁で区切られているため別々の3つの部屋になっていたりと、地図として機能しているのかどうかすら怪しい部分もある。
    • 一旦戻ろうとしても、過去作の様にポーズ画面からセントラルサークルに帰還するということができない。必ずLボタンを長押しする必要があるが、少しわかり辛い。
  • 宝箱コンプ狙いのテンポが悪い。
    • 通常クリアを目指すだけならそこまで問題はないが、100%クリアの為には全てのエリアが点滅している必要がある。
      • しかし、行ったことのないエリアには当然ながら点滅しておらず、その中に宝箱が存在しているかはどうかはその都度ポーズ画面で確認する必要があり、いちいち手間が掛かる。
  • コピー能力の問題点
    • 本作に限った話ではないが、ファイター・ソード・スマブラ等の近接攻撃能力だけ技が飛びぬけて多い。
      この三つの能力(とラスボス戦用の能力)は技の多さがそのまま対応できる状況の多さに繋がっており、強さの格差が激しい。
      • 特に強いのはスマブラ。多くの技を持つため導火線以外の全ての仕掛けに対応でき、さらにハンマーはハンマー能力より振りが早く、さらに下+Bにストーンが存在するため防御面も優れるなど他の能力と比べて弱点が無さすぎる。
      • クリア後に自由に使えるようになるラスボス戦用能力も万能だが、クリア前に使用可能なスマブラの陰に隠れがち。探索面、機動力ではこちらに軍配が上がるが、それはやりこみにおける話で、通常プレイでも匹敵する性能の能力が獲得できるのはバランス的にやりすぎとも言える。
      • 一応、スマブラの技はいずれもリーチが短く、水中では効果を発揮しない等欠点もまったく無いわけではない。しかし、やはり技のレパートリーの多さがウリでそれでも十分強いことには変わりはないだろう。
      • 一方でアイス・ビーム・カッターなどは技が1つしかない。ストーンに至っては「坂道で転がりながら変身できる」以外でスマブラに勝る要素が存在しないなど、能力ごとの優遇・不遇の差が激しい。この点が改善されるのは「Wii」まで待つ事になった。
    • UFO能力で梯子や床降りができない。せっかくUFO能力を持っていても、進路上に梯子等がある場合は手放すか道を変えるしかない。本作のようなエリアを行き来するタイプのゲームではかなり気になりやすい。
    • また、今作で初登場した「エンジェル」「ミサイル」がいまいちな性能。
      • 「エンジェル」は矢の威力が低すぎて一部のザコ敵相手でも耐える事がある上、連射能力も低すぎる。
      • 「ミサイル」は地形だけでなく敵に当たっても変身が解除される為、敵が多い場所やボス戦だといまいち使いづらい。この為「タッチ」では敵にぶつかっても変身が解除されなくなり、「参上!ドロッチェ団」以降は登場しなくなり、後に敵のミサイルを吸い込んでコピーできる能力も「ボム」になった。
  • ホバリングが暴発しやすい。
    • 複数の技を持つコピー能力にある、十字ボタン上との同時押しで出す技を使う時にホバリングが同じく十字ボタン上に設定されている為、暴発することが多い。そのせいで反撃を受けやすく、本作では夢の泉DX同様1回ダメージを受けただけで能力を剥がされる仕様となっているため二重のストレス。更に出てきた能力星が電撃壁などで消えたら三重のストレス。キーコンフィグ機能も無いため、この暴発を無くす方法は無い。
      • 参考として『スーパーデラックス』や『64』の場合、特別なケース(特定のキャラの投げ技等)を除いて基本的に能力を一発で剥がされず、ホバリングもジャンプするボタンのみで十字ボタン上には割り当てられていない。過去作と比較しても操作性の劣悪さが浮き彫りとなっている。
      • 『夢の泉の物語』などもホバリングが十字ボタン上、被弾すると必ず能力が剥がれる、と本作と同様の仕様だが、こちらは十字ボタン上と同時押しで発動する技がないため、このような問題が起きることはない。
    • 一応、一瞬だけ上を押して空中専用の技が超低空で素早く出せたり、ホバリングの出始めをキャンセル*1して落下速度を緩めることで空中攻撃の手数を増やす、など使いこなせば本作独自の恩恵も得られる。
  • 大砲
    • 本作では8方向に回転する大砲があり、Aボタンを押すことで狙った方向に発射できるというものだが、その回転速度が早めで、目押しが少し厳しい。
      • コツは「やや気持ち早めにAボタンを押すこと」。ある程度の慣れも必要ではあるが、比較的飛ばしたい方向に発射させやすくなる。
    • ちなみにCPは大砲には入れない。そのため、エリア5にある「大砲を使って進んでいく床も天井もトゲだらけの部屋」で彼らを呼び出すと悲惨なことになる。
  • ラスボス戦が長い
    • ラスボスの第1形態を4回戦う(1回ごとにショートステージが入る)→ラスボス第2形態→最後にシューティングという構成なのだが、最初の4回戦うという点でうんざりすること請け合い。
      • 一応回数を重ねるごとに攻撃パターンが変化するようにはなっているが、それでも体感的な長さを軽減するには至らない。要は4回も戦わせる必要があったかという話。かちぬきボスバトルでは第一形態の場合、1戦目だけに短縮されている。
      • 幸いにもコンティニューや救済措置が手厚いため難易度が理不尽ということはない。

総評

概要で述べたように、今作は探索が中心となっているため「洞窟大作戦」を一つの作品として昇華したような作品となっている。
全体的な完成度は高く、やりごたえも充分にあることから、本作を高く評価するプレイヤーも多い。
ステージの仕様の変更など今までの作風と違うことや、全ての要素をクリアしようとするとかなりの技術が求められる点から、「カービィの皮をかぶったメトロイド」と評されることもあるが、シンプルながらも奥が深いアクションや個性的なコピー能力など、カービィらしい要素はしっかりと入っている。
細かい仕草やコピー能力の外見などカービィの魅力はしっかりと描かれているため、カービィの愛らしさを楽しみたいファンでも楽しめる作りだと言えるだろう。

単純にクリアするだけでもそれなりのボリュームとなり、ある程度の腕前も必要となるため、「入門用には決して向かない」という声も多い。
しかし、初心者用の措置もある程度とられているため、興味のある人や「『洞窟大作戦』が好き」という人はプレイしてみてもいいかもしれない。


余談

  • 一部の電池や回復アイテムは取り尽くしても一度ボスを倒しセントラルサークルに帰還することで再配置されることがある。
  • ボスキャラの中には、「攻撃を当てた際の無敵時間がない」という仕様と「該当ボスが水中にいる」という要素が重なった結果、ストーンを当てると多重ヒットが発生し結果一発で倒せてしまうものがいる。
  • 監修者の桜井氏によれば、コピー・ボスに見られるスマブラ関連の要素は内輪っぽいのでハル研で出た企画ならば問答無用でボツにしたが、フラグシップのカービィを理解しようとする熱意と努力を見て、ある程度好きにやってもらったとの事。
    • このため後の作品ではスマブラ能力は『20周年スペシャルコレクション』の1コーナー、『ロボボプラネット』にしか登場していない。
      • しかもロボプラでは入手条件が厳しく、amiibo使用か隠し部屋でしかお目にかかれないという位置づけをされている。
  • 本作の開発に関わっているディンプスは元SNK社員が中心となって設立された会社であり、そのためか今作のファイターカービィのBボタン長押しによるエネルギー弾を飛ばす技はよく見るとSNK作品に登場する必殺技である『覇王翔吼拳』に似た見た目になっている。
  • 本作のデモ版には、製品版には存在しない手書き風のコピー説明画面がデータとして入っている。基本的には製品版の説明画像のラフ案のようなものだが、1つだけ不謹慎でヤバい画像がある参照)。
  • シリーズから52曲選り抜いたサウンドトラック「THE VERY BEST OF KIRBY 52 HIT TRACKS(星のカービィ ベストセレクション)」(青い方のCD)のプレゼントキャンペーンも同時に行われたが、実はベストセレクション以外にもサウンドトラックのプレゼントが存在した。
    • それが「星のカービィ 鏡の大迷宮 サウンド+」(赤い方)である。こちらはろくに告知もされず、入手も極一部の地方の店舗に限られていた為、存在すら知らない人もいた。
  • アンバサダープログラムのひとつとして3DSに配信された他、WiiUのバーチャルコンソールでも配信されている。
    • こちらはGBA版と異なり、通信できない仕様上どちらとも協力プレイやミニゲームの複数プレイは不可。
  • 本作の内部データに未使用BGMが4曲ある。内容はエリア1、エリア2、エリア8、汎用ボス戦のBGMだが、鳴る音が増えており若干豪華になっている。
    • ちなみに、森・自然エリア(エリア1)は11番目のトラック(トランペット)が鳴らない。これはGBAの仕様で10トラックまでしか鳴らせないため。
  • 本作初登場のキャラクターに「チップ」というキャラクターがいるが、本作より先にアニメ版で同じ名前のキャラクターが登場している。
    • もっとも、共通しているのは名前だけで、偶然の一致の可能性が高いが。
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最終更新:2023年11月15日 11:47

*1 十字ボタン上との同時押しの際にホバリング暴発の防止としてキャンセル可能になっていると思われる。それでも暴発はしやすいが