ポケモンでパネポン

【ぽけもんでぱねぽん】

ジャンル アクションパズル
対応機種 ゲームボーイカラー(専用)
発売元 任天堂
開発元 インテリジェントシステムズ
任天堂
発売日 2000年9月21日
定価 3,800円(税別)
判定 良作
ポイント キャラゲーに留まらない良質な内容
隠しモード「パネルでポンGB」
ポケットモンスターシリーズ
パネルでポンシリーズ


概要

パズルゲーム『パネルでポン』のポケモン版。
登場キャラクターは『ポケットモンスター 金・銀』、ゲームシステムはゲームボーイ版『ヨッシーのパネポン』がベースとなっている。

特徴

  • シリーズで初めてバッテリーバックアップによるセーブ機能を採用し、ゲーム進行だけでなくハイスコアや最高連鎖数など細かな記録の保存を可能とした。
  • 初心者のためにデモ動画と練習モードが用意されている。
    • パネポンではパネル消去中にパネルを並び替えて連鎖に繋げる「アクティブ連鎖」が重要。しかしパネルが消えている間の短時間に素早く操作するテクニックが要求されるため、初めて遊ぶ人は慣れるまでに時間がかかってしまう。
    • それを解消するために用意されたのが「じょうたつへのみち」。デモ動画で基本を学び、練習モードでコツを掴むことが出来るようになっている。
    • 練習モードはパネルの消える速さや落下速度が遅く、アクティブ連鎖の練習に最適。
  • パズルモードではヒント機能が追加され、使うと最初に動かす場所を教えてくれるようになった。
    • ただし、1ファイルにつきヒントを使用できる上限は限られ、初期は3回までとなっている。各ステージ10個全てクリアすることで1回ずつ増加する。
  • 従来のルールに加え、「ばくはつせりあげ」が新たな要素として追加された。
    • これを有効にするとパネルが消えている間もせり上げが出来るようになる。「アクティブ連鎖」と組み合わせて半永久的に連鎖が可能。
    • これを利用するには、オプションを拡張させる必要がある。連鎖数の記録は「ばくはつせりあげ」がONかOFFで別カウントになっている。

評価点

  • ゲームボーイカラー専用となり、マシンスペックがやや向上したのか、SFC版『パネルでポン』と遜色のない程にまで操作性が向上している。
  • 豊富なモードが用意されており、やりこみ度が高い。
    • コンピュータと対戦する「VS COMモード」ではジョウトのジムリーダーと四天王、チャンピオンを相手に勝ち進んでいく。
      • ステージ開始時にプレイヤーとなるポケモンを選ぶ。初めは金銀御三家の3匹だけだが、ノーマル以上の対リーダー戦である条件を満たすことで乱入する敵トレーナーを倒すことでポケモンをゲットでき、最終的には8匹まで増える。
      • 勝利条件は敵ポケモンのHPゲージを空にすること。連鎖を行うことでダメージを与える。属性・弱点などの概念は無く、どのポケモンでもダメージは同じ。
    • 他にもゲームオーバーまで続ける「エンドレス」や決められた手数で全てのパネルを消去する「パズル」、ラインより上のパネルを全て消せばクリアになる「ステージモード」、制限時間内で高得点を目指す「スコアアタック」、一定のタイミングでおじゃまブロックが降ってくる「おじゃまアタック」など。
      • ステージモードではジムリーダーが一枚絵と共に登場。ある程度上昇した後に表示されるラインより上にあるパネルを全て消せばクリア。1ステージは5面構成で面クリア毎にパネルが一旦リセットされる。ステージ3クリア直後・及び最終ステージではVS COMモードと同じCPUキャラとの対戦形式になる。いずれもLevel.50からのスタート。ステージ3クリア直後の乱入戦は負けても次に進むうえに勝ち負けが以後の展開に影響があるわけではない。
      • パズルモードでは一度エンディングを迎えると裏面が出現し、さらに難しい問題に挑戦することもできる。問題数も単純に倍の数となっている。
  • 『ポケットモンスター 金・銀』の戦闘や町のBGMをアレンジしたものが多く使われている。
    • 一部は原曲を知っている人でもすぐにはわからないほどのアレンジっぷり。しかし決して駄アレンジではなく、良曲に仕上がっている。
  • 使えるポケモンはピカチュウを除き、すべて金銀で初登場したポケモン。
    • プレイしていくとタマゴから生まれるポケモンも存在し、最大13匹のポケモンが操作可能になる。
      • 例外として「ステージクリアモード」では、ゴース・ハクリューを除く各ジムリーダーが出してきたポケモンを使用することになる。
    • もちろん攻撃時に鳴き声も出るが、集中したい人のためにオプションで鳴き声を効果音に変えることもできる。
  • ポケモンにはそれぞれ「レベル」があり、各モードをプレイするごとに上がっていく。
    • そのポケモンをどれだけ使ったかの記録で、上がってもメリットは無い。
    • 100を超えるどころか4桁まで上がる。まんべんなく使ってもよし、好きなポケモンのレベルカンストを目指してもよし。
  • パネポンシリーズとしては初のセーブ機能が搭載された。基本的にセーブはオートでされるため、携帯機との相性は良い。
    • 中断セーブも搭載しており、ポーズ中にこれを選択して電源を切っても、前回ポーズしたところから再開される。

問題点

  • 敗北すると選んだポケモンはVS COMモードをクリアするかやり直すまで使用不可。全てのポケモンが使用不可になるとゲームオーバーとなる。コンティニューすると最高難易度を除きチャンピオンに会えなくなる(最低難易度はコンティニューの有無にかかわらずジムリーダー戦で終了)ため、ポケモンを増やしておいた方が当然有利になる。
  • 難易度は全部で5段階。最高のV-HARDは極悪と言われるほどの難易度を誇る。まさにViolence HARD(比喩でもなんでもなく、ゲーム中でバイオレンスハードと書かれている)。
    • 具体的に言えば、一人目から開幕10連鎖は当たり前。他の難易度に比べて敵ポケモンのHPの減りが少なく(3個消しではまず減らない)、しかも途中で回復してくる敵もいる*1。おまけに何回コンティニューしても構わないとはいえ、1回負けたらその場で一旦ゲームオーバーになるので、煩わしい。
      • 負けた瞬間にオートセーブされるので、負けた直後にリセットしてもコンティニュー扱いになる。
  • 「VS COMモード」で使用可能になる、あるポケモンの条件が多少厳しい。
    • その条件は「4分以上経過した状態でクリアする」というもの。初見でもよほど苦戦しない限り気づきにくく、分かったとしてもV-HARD以外で4分以上持たせるのが難しい。

総評

今作はただのポケモンのキャラゲーと思いきや、豊富なやりこみ要素や初心者でも安心の練習モード、良質なBGM等パネポン経験者も初めての人も遊べるハイクオリティなゲームとなっている。


没データおよび隠しモード『パネルでポンGB』

  • 実はゲーム内のデータを覗いてみると、リップをはじめとしたSFC版『パネルでポン』のキャラクターグラフィックが多数残っていることが確認された。
    このことから、本来このゲームはSFC版『パネルでポン』のGB移植版として発売する予定だったのではないかと思われていた。
  • その後、さらなる解析の結果、隠しゲームとして 『パネルでポンGB』そのものが同時収録されている ことが判明した。
    • モノクロGBでもGBカラーでもプレイできるが、簡単にプレイしたいならモノクロGBで起動し警告画面でAボタンを24回、Bボタンを24回押せばよい。このゲームではリップが登場するエンドレスとおじゃまアタックがプレイできる。
    • GBカラーの場合は、タイトル画面(PRESS STARTの所)で「↑×2、→×4、↓×1、←×10、↑×4、→×1、↓×6、B」と入力することで、上記のモノクロGBの警告画面を喚び出せる。その後上記のコマンド「A×24、B×24」を入力すればOK。
    • 上記の出現コマンドからも分かる通り、こちらはグラフィックがモノクロGB仕様となっている。もしかしたら元々はモノクロGBで開発中だったものが中止され、そのデータを流用する形でカラーGBの本作ポケモン版が制作されたのかもしれない。
    • (参考:The Cutting Room Floor)、参考動画(niconico)
  • また、さらなる解析により、 SFC版『パネルでポン』の曲がほぼ全て収録されデータ内に眠っている ことが判明した。もちろんGB音源に合わせたアレンジがなされている。
    • その数(重複分を除いて) 63曲もあり、ポケモンでパネポン本編の曲数よりもはるかに多い。 上記の隠しモードではこのうち数曲しか使われていないため、 ほとんどが未使用の没曲 である。勿体無い……。
    • BGM参考動画(niconico)
  • 解析ではこの他に、原作では見られなかったイベントシーンと思われる意味深な未使用グラフィックもいくつか眠っていることが発見されており、ストーリーにアレンジが加えられる予定であったことが窺える。
    • また、GC版『パネルでポン』のジルバとカインのキャラクターグラフィックが入っていたり、没曲にもGC版の曲が入っている。そのため、GC版は本来パネポンリメイクとして日の目を見るはずだったこれらの要素を再利用したのでは…とも推測されている。
      • なお、カイン絡みのロマンス的な描写はその大部分がGC版でも同じ構図で使用されているが、GC版では主人公がリップではなく娘のフリルに変更されており、当然そのシーンのリップの立場もフリルに置き換わっている。すなわち本来母とフラグを立てるはずだった相手を娘に割り当てたという、なんとも言えない複雑な裏事情があったようだ。
  • 急遽ポケモンを題材にしたゲームに変更された影響なのか定かではないが、当初は「ポケモンアタック(仮題)」というタイトルで発売リストに掲載されていた。
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最終更新:2023年04月25日 12:44

*1 もっとも、本家ポケモンでもジムリーダーや四天王(後、3世代ではエリートトレーナーも)HPが減ってきたら回復してくるが