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真・三國無双7

【しん・さんごくむそうせぶん】

ジャンル タクティカルアクション
対応機種 プレイステーション3
メディア BD-ROM 1枚
発売元 コーエーテクモゲームス
開発元 コーエーテクモゲームス(オメガフォース)
発売日 2013年2月28日
定価 通常版:7,560円
ダウンロード版:6,600円
TREASURE BOX:13,440円
プレイ人数 1~2人
レーティング CERO:B(12才以上対象)
コンテンツアイコン 暴力、セクシャル
判定 良作
ポイント プレイヤーキャラ間のコンパチ完全根絶
全シリーズを超えるアルティメット集大成
ハードへの負担もアルティメット
無双シリーズ


無双のすべてを超える。
──アルティメット一騎当千。



概要

『真・三國無双』シリーズ第7作。
上記のキャッチコピーの元、過去作で好評だった要素を一部取り込みつつもブラッシュアップしている。
ストーリーモードは前作『6』における「三国志の正史」をたどる内容を継承しつつ、「あの武将が生きていたら…」と言うファンの願いを叶え、味方勢力武将全てのハッピーエンドを目指すIFルートへの分岐要素を追加。
また、「やめどきの見つからないほどのやりこみ要素満載」との触れ込みの新モードが発表され、発表当時から話題となっていた。

イメージソングを布袋寅泰氏が担当した。


評価点

システム・アクション

  • 前作『6』においてシリーズ伝統の「チャージ攻撃」方式のアクションが大幅強化されて復活してきたが、今作ではさらにジャンプチャージ攻撃が復活。シリーズの旧ファンにとっては変わらずさらに楽しく、新規ファンにも馴染みやすいアクションが完成された。
    • 一部武器ではジャンプ攻撃からジャンプチャージに、『無双OROCHI2』のダッシュチェインの様にダッシュ攻撃から通常攻撃に繋げられるようになっている。
      • もっとも、ジャンプチャージについては『6』で削られたこと自体が論外という厳しい意見もある。
  • なんと、登場武将77名全員分の個別の武器系統が与えられ、そのモーションも全て個別に作りこまれている。
    • 汎用武将との被りこそ依然としてあるものの、前作で大きく問題視された武器の切り替えシステム導入に伴う一部モーションの共用化の問題はこれでほぼ完全に解決。
    • 過去シリーズの攻撃モーションや武器種も幾つか復刻されており、『4』の呪符のみならず『5』や『MULTI RAID』シリーズにのみ登場した鉄糸や三節棍なども技内容をある程度リニューアルしながら再登場。
    • もちろん好きな武器を好きな武将に持たせることが可能と言う前作の評価点は継承されており、武器系統が倍増し、『5』までのようなコンパチもほぼ解消された本作ではよりバリエーションに富んだ戦いを行えるようになった。
    • 武器の適性については、今作では武器の特殊能力である4つの「天禀」に直接対応して4段階に割り振られ、レベルアップで★4まで成長したものが効果を発揮するという形になっている。
      • ★4に達する天禀は武将毎に1つだけだが、攻撃モーションの速度が変化することはなくなり、武器攻撃力が★数に応じて増えるという効果に変わった。
  • 本作では新たに導入された「相性」システムによる三竦みで、装備武器の相性*1に応じて戦況が変化する。戦場に登場する名有りの敵将は必ず何らかの相性を持つので、1つのモーションしか使わない場合でも武器切り替え・ヴァリアブル攻撃をより積極的に促すようになっている、という点も進化と言える。
    • プレイヤーが優勢なら、攻撃がすべてクリティカル*2になり、敵武将に「気迫ゲージ」が設定される。攻撃を当ててゲージを削りきると「ストームラッシュ」が発動する。
      • ストームラッシュは完全無敵状態で繰り出す強力な連続攻撃。前方広範囲をカバーでき、複数人の武将を一網打尽にする事も可能。また、ボタン連打でラッシュの速度が上がりヒット数を上げることもできるため、無双/覚醒ゲージの回収率も良い。
    • プレイヤーが劣勢の場合、敵武将がハイパーアーマー状態になるうえ、攻撃を喰らうとストームラッシュで反撃してくることがある*3
    • 反面、チャージ攻撃やストームラッシュに大きな前隙ができるので、そこに合わせてヴァリアブル攻撃を繰り出すと「ヴァリアブルカウンター」が発動する。
      • ヴァリアブルカウンターは完全無敵の反撃技。カウンターが成功すると、一時的に強化アイテムの効果が発動し、さらに攻撃によって大量の覚醒ゲージを得られる。
      • ちなみに前述のハイパーアーマーは、EX攻撃やヴァリアブル攻撃・無双乱舞やストームラッシュには適用されない。また、敵武将のストームラッシュは"攻撃をアーマーで耐えた時"にしか発動してこないため、集団戦で劣勢状態を余儀なくされた際にも対応できる。
    • 無双乱舞や後述の無双覚醒を発動している間は、相性が拮抗状態で固定される。
    • この兼ね合いのためか、本作では『6』で可能だったステージ途中での装備武器変更が不可能となったが、当時から「戦場のど真ん中で武器を自在に持ち換えるのも不自然」と言う意見はあり、特に不満の声は聞かれない。
  • 属性の種類が大幅に増加。前作までのようなチャージ攻撃に特殊な効果を与えるものに加え、通常攻撃や乱舞攻撃を強化するもの、各種ゲージを上昇させるものなど、種類は多岐にわたる。
    • これらの属性は武器1つごとに最大6種類までランダムで付与され、一部属性を除き10段階のレベルが設定される。
    • システムとしては『無双OROCHI2』のそれに近い。なお過去作や『戦国無双』シリーズなどとは違い、アイテム効果と言った武将パラメーターに影響を及ぼすものはない。
  • 武器は前作の様な「1種類につき1個」ではなく、従来作のように属性がランダム決定されたものを集める形式に戻り「同じ武器を複数所持し、属性や相性によって使い分ける」ことになる。
    • 武器は各モードにある武器屋から購入・敵将や旅団長を遭遇から一定時間内に撃破・将星モードで特定の施設を利用していることなどで入手可能。所持制限は武器ごとではなく、全体で1000個の枠を共有することになる。
      • 敵将からの武器ドロップはよほど時間がかからない限りほぼ確実に発生するため、武器の入手頻度も爆発的に上がっている。ただしこの場合、まれに支援獣や属性固定のユニーク武器が代わりにドロップすることがある。
      • 『6』や『MULTI RAID』で不可能だった「全く同じ性能の武器を2つ同時に装備する」という事もできる。属性はともかく、相性まで揃えるのは本来リスキーな行為なのだが、実際のところは…(後述)。
    • 「難しい」以上で隠し条件を満たすと、属性は固定だが高い攻撃力を持った秘蔵武器を取得可能。
  • 武器種・モーションそのものに関しては『6』の時点で「舟を振り回しどこからともなく現れた波に乗ってサーフィンする」「城壁を崩すための槌とは名ばかりの小型ロケット」などすでに時代考証など一顧だにせぬトンデモコンセプトのオーパーツが散見されてきた。
    • 今作も「歯車状の大車輪を発射する戟」や、DLCに至っては「どう見てもガトリングガンにしか見えない連弩」など、エスカレートの一途をたどった新武器が出現している。
    • これも近年のファンからはむしろ好評であり、ネタ的な楽しみも含めて受け入れられているようだ。
  • 『4』初出の切り札「無双覚醒」も改良されて帰ってきた。攻撃を当てる毎に僅かずつたまる覚醒ゲージが満タンになれば、L3ボタンで一時的に能力が強化される覚醒状態に入れる。この状態では武器の相性すべて拮抗に統一させられる。
    • 1ストックだが、無尽蔵に回復できるゲージ制になった事で、『4』の覚醒と『5』の特殊技の問題だった「覚醒印・伝書がいつ手に入るのかわからないにもかかわらず複数ストックできない」という問題点を解消している。
    • そして覚醒状態の間に無双乱舞を使うと『5』までの無双ゲージ量の分だけ攻撃し続ける「覚醒乱舞」となり、多くの敵兵・武将を巻き込む大ダメージを狙える。
    • その覚醒乱舞で一定以上のヒット数を稼ぐことで「真・覚醒乱舞」となり、『5』の神速攻撃を強化したようなさらなる大規模殲滅技に発展していく。
    • 画面中に敵兵が打ち上げられたままプレイヤー武将が突進し続ける様は壮観そのものであり、ゲージと属性・アイテム出現次第によっては数百人以上の敵を一気に屠れる。
      • この豪快な乱舞はまさに全ての無双を継ぎつつ「全ての無双を超えた」、本作の象徴とも言える。
  • ちなみに前作の無双乱舞は「地上用」と、「空中用」または「(R1+◯で使用できる)もう1つの地上版」の2種類2通りであったが、今作では2つの地上乱舞と空中乱舞、そして二段階の覚醒乱舞が全武将に用意されるようになった。
    • 3種の無双乱舞も大小はあれど覚醒ゲージを溜めることができるので、積極的にゲージを回転させていくことにもメリットが加えられた。一方で空中被弾時の対処について格差が縮んだのも嬉しい。
  • 移動に関しても、今作からはL2ボタンを押し続けることで支援獣などに自動で騎乗できるようになった。
    • これは地味ながら素晴らしい改良と言えるもので、それまでありがちだった「馬に乗ろうとして失敗、垂直ジャンプしてしまう」という傍目にもいささか格好悪い光景は過去のものとなり、敵の群衆に囲まれたときも慌てず馬に飛び乗って華麗に脱出することが容易になった。
    • しかも馬の旋回力も過去の作品から大幅に上昇しており、馬上無双含む馬自体の突進によるダメージこそ微小になったものの、よりスムーズに高速移動ができるようになった。

ストーリーモード

  • 前作でストーリーモードは武将ごとではなく勢力ごとになり、ステージ進行も含めほぼ一本道の固定進行になった。
    それは演出面も含めおおむね好評ではあったものの、一部武将の末路もリアルに演出されるのはおろか、全く出番のない武将がいた*4などと様々な批判点も多かった。
    • ここで今作では前作に近い正史に基づくストーリーをたどる通常ルートに加え、ステージ中に隠された一定の条件を満たすと味方勢力のすべての武将が身の上に起こる不幸をことごとく回避し、全員生存のまま天下統一へと至るIFルートに分岐できるという要素が搭載された。
      • このIFルートは『5』以前の無双モードのコンセプトの復活と言えるものである。
        分岐前~史実ルートステージのBGMが新曲で統一されているのに対し、IFルートステージはすべてBGMが過去曲の再収録またはアレンジのみで構成されている。
      • その他、一部のムービーにも、PS2シリーズをやったなら思わずニヤリとする仕掛けがされている面からも、「原点回帰」を強く意識したルートであることが窺える。
    • さらに通常もIFも含め、大半のステージにおいてプレイヤー武将を2~4人から選ぶことができるようになり、そこで武将の出番もなるべく平準化が図られた。
    • ナレーション付きの丁寧な概要解説は今作も健在。『6』同様にどのステージ前にも必ず入るので、さほど唐突感なく状況を理解することができる。
    • 同じく前作からある一部ステージ前での陣中会話も継続。モブ武将や兵卒らによる会話も聞けば、シナリオなどにおける細かい状況を理解するのに役立つ。
      • 「ダジャレ兵卒」に加え、やけに無双武将のゴシップ的話題ばかりしてくる兵卒も必ず一箇所にそれぞれ1人はいるなど、戦闘の間の箸休めとして楽しめる要素も増えた。
      • またこれも地味な改良ながら、今回は陣地で会話できるキャラ上のカーソルが、会話終了後は黒く変化して一目瞭然となった。結構広い陣中を歩き回りながらの会話拾いをすることになるので、これはうれしい改良である。
    • 前作では猛将伝の「レジェンドモード」に回されることになった他勢力も、単一・単独出撃の隠しステージ扱いとは言えストーリーモードにて関連したシナリオが出現し、それぞれの主人公たる武将のステージを本作で楽しむことができるようになった。
    • 基本的に本来のストーリーで敗れる役回りの彼らは、持ちステージでは敵となるほかの勢力を打ち破るIFストーリーが基本となる。
    • 新野以降の関羽は赤兎馬、官渡以降の劉備や成都での龐統は的蘆馬と、特定ステージでの一部キャラクターはデフォルトで対応する馬が割り当てられるようになった。
    • 成長機会の格差に関しては、プレイヤー武将候補をステージに応じた下限レベルまで自動的に引き上げる事で対応。終盤のステージに初期ステータスで放り出されるような事は無く、他のモードもある程度円滑に始められる。
  • 前作ほどの濃厚なドラマチックさは薄れたものの、全体的には手堅い構成で良点はしっかり継承され、問題点も後述するようなシナリオ自体の粗以外は改善が図られている。
    • その中にちりばめられた隠し要素、それらによって開かれるIFルートでファン待望のハッピー展開が戻ってきたこと、そしてIFルートでの懐かしの曲…。
      過去シリーズのオマージュを思わせる新要素が上手く噛み合っており、濃くまとまったゲームモードと言えよう。

将星モード

  • 今作の新要素であるハック&スラッシュモード。ある荒れ果てた町を基地として発展させ、“銅雀台(どうじゃくだい)”を築き、帝を招き入れることを目指す。やめどきのみつからない「やりこみ」要素を十分に揃えている。
    • 『4 猛将伝』の「修羅モード」と『6 猛将伝』の「レジェンドモード」を下敷きにしており、さまざまな戦闘に挑み「名声」や「仲間」・施設を発展させる「素材」を手に入れて基地を発展させていく。
    • 基地を発展させる過程において、このモードでの戦闘中(猛将戦以外)に、拠点に設置される木箱を破壊する・小競り合いで各所のつぼなどを破壊したり敵将を倒すと「施設素材」「武器素材」が手に入る。
      • 基地内の施設は仲間の数と「施設素材」で発展する。武器屋を発展させると「武器素材」を使って武器の「属性」を強化する鍛錬システムが解禁され、より強力な武器に改造することができるようになる。仲間が増えると、特定の人数ごとに新たな施設が解放されていく。
      • 最後に解禁されるのは、お金を支払うことでレベルやステータスを上げる"学問所"。本作では、ただレベルを上げるだけではステータスがカンストに届かないため、武将を限界まで強化するにはこの学問所が不可欠。
    • 基地内にはさまざまな施設が存在し、それぞれに無双武将を配置することで、いつもと違う一面をのぞかせるセリフを聞くこともできる。
    • 基地に帰還せずに戦闘を連続して行うと無双武将を仲間にしたり、強力な支援獣を得ることができる。
      • ただし、将星モードの連戦では回復アイテムが一切出なくなっている。このため武器属性に体力を回復する「治癒」か「凱歌」がない場合、難易度は次第に高くなる。
    • 仲間にした無双武将とは絆を深めることができ、その進行によって特別なセリフを聞くことができる。

フリーモード

  • シリーズ恒例だった、各ステージを任意の武将でプレイできる「フリーモード」は前作では完全に割愛されており、ストーリーモードのシナリオセレクトやクロニクルモード・レジェンドモードでは到底満足できるものではなかった。
  • 今作ではそのフリーモードも復活。好きな武将ですべてのステージをやり込むことが可能になった。
    • また、ストーリーでは遊べない一部ステージの「敵側」版が、条件を満たすことで「裏シナリオ」として追加される。
      つまり「呂布で成都の戦いを劉璋軍の味方をして大暴れ」などといった展開も再びできるようになったのだ。今作の大きな原点回帰の評価点と言える。
  • ただし古参ファンにとっては『6』で削られたことが言語道断であり、復活して当たり前と認識されているのも事実である。

その他

  • 『6』における新キャラは、いわゆる「イケメン」武将やギャル・現代女子高生のような軽い言動の女性武将の参戦が目立ち、本来の歴史ゲームとしての重厚さが損なわれるとの批判が多く見られた。
    • 今作では、魯粛・韓当という大人の円熟の魅力を湛えた新武将が追加され、既存のあまりに現代的・漫画的であると批判された一部の武将も演出や設定から極端な面は削られている。
    • いわゆる美少女キャラがいないというわけではない。『4』以降差別化でやや落ち着いたデザインで登場していた大喬は初登場の『2』を思わせるミニスカート・ツインテールと、持ち武器に合わせて魔法少女のような衣装で登場している。
      • ツインテールを止めている花の髪飾りもあってか、スタッフの間でもかなり好評だったとのこと。
  • シリーズコンセプトである「一騎当千の爽快感」の肝となる雑兵の湧き具合も良好。 補充の兵が現れる各進入路は、これまではすべて制圧してしまうとそれきりになってしまったが、本作では敵本陣近くなど特定の進入路が最後まで維持されるように調整。シナリオによっては地上のある場所から次々と湧き出してくるようになっており、ワラワラ感は非常に高い。
    • 特定のシナリオで制限時間をいっぱい使えば、千人斬りどころか撃破数カンストの9999まで記録できる。新システムの「真・覚醒乱舞」も使いこなせれば、得られる爽快感は過去最高のものであろう。
    • 今作は前作の可変フレームレートを廃し、フレームレートを維持しつつ描画数を可変することで対処している。前作ではしばしば見られたカクカク感をほとんどなくし、ステルスも気にならないほどに抑えられている。
      • また、今作は経験値レベル制が採用され、撃破数を稼ぐ行為にも経験値が与えられるため、自己満足やスキル習得条件以上の意味がしっかり与えられている。
  • DLCは前作に続き充実しており、BGM・過去作衣装・オリジナル衣装・追加武器(モーション)・壁紙・将星モード用の基地テーマなど多数にわたる。
    • 値段も単価は決して高くなく、選んで買えば大きな出費にはならない。何より『6』と違いダウンロードしなくても本作のボリュームは十分であり、あくまで好みでユーザーが楽しむために買うというDLCの本分をわきまえたものと言える。

賛否両論点

属性

  • 無印『6』において猛威を振るった複数回属性攻撃の判定が乗るチャージ攻撃と、敵キャラの体力最大値に応じたダメージを与える「割合ダメージ」付き属性の組み合わせ。
    • 続く『6 猛将伝』『6 Empires』における割合ダメージの弱体化、不遇だった火属性の威力強化などで一応バランスは保たれていたが、本作では逆戻りするように再び特定の属性・武器の複合が突出する強さを見せることになった。
    • その最たるものが「旋風」属性で、その効果は「ガード無効化+1ヒットごとに割合ダメージが100%発動」という、火力インフレを指摘された無印『6』の「風」属性そのもの。
    • 本作では割合ダメージの威力自体が高まっており*5たとえ属性レベルが1であっても一気に火力が跳ね上がる。高レベルであれば1ヒット毎のダメージは無印『6』時代をも上回り、1発のチャージ攻撃で修羅難易度の敵武将を即死させることさえ可能になってしまう。
      • ちなみにこの「旋風」という属性、武器の天稟にも「旋風」という同じ名前の特殊効果があるので非常に紛らわしい。
    • 「旋風」に限らず、チャージ攻撃を強化するタイプの属性は『無双OROCHI』シリーズ以上にバランスが悪い。
    • 敵が吹っ飛んでいる間のみ確定で継続ダメージを与える「火炎」は、無印『6』の「火」属性並みに弱く、目視では効果を実感できないほどダメージが小さい。さらに敵がすぐ受け身を取る傾向にある仕様の煽りも受け、付ける意味がほとんどなくなっている。
    • 全体的に複数回属性攻撃の判定が乗るチャージ攻撃が増えていることに合わせてか、「旋風」「火炎」以外の属性は決して高くない発動率の制限をかけられており、活用が難しくなっている。
    • 確率で割合ダメージが発動する「雷撃」「斬撃」は、ヒット数が少なければまともに発動せず、多ければ即死級ダメージor効果なしの二択、と非常にバランスが悪い。
    • 特に「雷撃」は、"原則地上ヒット時限定・敵を気絶させる(=追撃すると敵が浮く)・「誘雷*6」の効果に上書きされる"という厄介な制限のために、ごく一部の武器でしか効果を得られない。
    • 「斬撃」には「敵兵や旅団長をランダムで即死させる」という効果もあるのだが、旋風属性と重複できるようになったことも相まってその効果はまず注目されない。
    • 元々は大した効果ではない「病毒*7」や、「誘爆」属性の完全な下位互換である「閃光*8*9は猶更空気。
    • 唯一「氷結*10」だけはまともなバランスを保っているが、『6』までと異なり敵の体力が尽きても解除されなくなったため、「プレイのテンポを損ねる」として嫌うユーザーもいる。
    • 「旋風」の価値をより高めているのが、本作で追加された体力回復属性の「凱歌」で、「敵を倒した際、与ダメージ量に応じて体力が回復」というもので、もう1つの体力回復属性の「治癒」が攻撃ヒットごとだが極めて僅かな回復であるのに対し、こちらはアイテム並みの回復量を期待できる。
    • 回復量の計算には割合ダメージも含まれるらしく、上の「旋風」と組み合わせると、『6 猛将伝』で取得できる特定の将軍位に匹敵する回復量を誇るようになり、ほとんど無敵状態となってしまう。
    • 高いレベルの「旋風」「凱歌」を組み合わせて複数回属性付加のチャージ攻撃が存在する武器につけただけで、修羅難易度すら「ボタンを押す作業」と化すほどのバランスブレイカーとなってしまう。このあたりも『無双OROCHI2』に通じるものがある。
      • 前作以来の賛否両論点ではあるが、修羅難易度においてはレベルがカンストした武将でも立ち回りをしくじると即アウトな状況に陥りかねない*11ので、プレイヤーの技術によっては必要不可欠な要素ともいえる。特にVer1.03以降はあえてこれらの属性を避けテクニカルでスリリングなプレイを楽しむことは十分可能であり、「不要ならば使わないまで」とユーザーも現在の仕様を大方受け入れている。
      • また、上記の将星モードが終盤ではひたすら体力と防御力だけ高い敵を倒す作業になりがちの中、同属性によって大幅な時間短縮をすることができるため、「特定の状況においては必要」としているユーザーも多い。
    • チャージ攻撃の属性効果の回数にもやはり武器ごとに格差があるが、とはいえそういった武器にも効果を十分に発揮できる属性は存在する。
    • 例として、属性効果の回数が少ない武器はCHAINカウントを稼ぎやすい場合がほとんどなので、「連撃*12」属性と相性が良い傾向にある…と言った具合。
  • その一方で、使い所が解らないような死に属性も存在する。
  • たとえば「小槌」属性は、"攻撃をガードされる度に所持金が増える"という効果なのだが、その金額はガード1回につきたった1。そして本作は攻撃をガードされること自体が決して多くないため、属性スロットの無駄遣いと化している。
  • また「体力ゲージが赤色まで減ると攻撃力が最大2倍に強化される」「体力ゲージが赤色の時にダウンから復帰すると戦場アイテムの効果が発動」という、効果に見合わないリスクを要求される属性も。
  • この「瀕死時にのみ効果がある」系統の属性もまた『無双OROCHI』シリーズと同様、Ver1.03以降も有効な使い道が見つかっていない。
  • せっかく多くの属性を用意したのだから、それぞれの持ち味を感じられる調整をすれば、プレイの幅はより広がったことだろう*13何とも惜しく、もったいない話である。
  • 割合ダメージが優遇されやすい(攻撃力が機能しにくい)敵の存在
    • 虎牢関の戦いの呂布は本作だと攻撃力も異常に高すぎるなど専用の超強化状態になっているため例外とするにしても、それ以外のオーラつき(ハイパー化)武将もこちらの攻撃力がほぼ意味をなさないほど固い。
      • こういった敵は連撃属性などもろくに通らないため、割合ダメージ属性のチャージ攻撃を当てるしか実質方法がない。これが属性格差を広げ、属性選択の幅を狭めているとされる。
      • さらに虎牢関呂布も含めてハイパー化武将の撃破が一部秘蔵武器の入手条件になっているため、完全にスルー出来る問題でもない。
    • 将星モードでは最終的に、旅団長と呼ばれるモブが総大将を務めるようになるが、旅団長には相性が存在しない(常に拮抗)。
      • つまり、ストームラッシュやヴァリアブルカウンターを狙えないため、割合ダメージを利用しない場合は戦闘が長引きやすい。
      • もっとも、それらの相性アクション自体が煩わしく捉えられてしまった無印版の段階では、モブに相性がない事が悪いとも言い切れなくなっているが…。

IFルートの条件

  • シナリオ中の各ステージに存在する条件「IFフラグ」を達成すると、分岐点となるステージにてそのIFフラグに対応した武将が登場。それを全て達成することでIFルートへの選択肢が開かれる。
  • 他にも特定のIFフラグによって、シナリオ中の外伝ステージ*14が挿入されることがある。
  • このIFフラグを立てる難易度が問題に挙がっていた。たとえばある条件は「特定の武将を素早く倒す」というものであるが、普通に走って追いかけては到底間に合わず、馬に騎乗し無双ゲージ消費で高速移動できる「馬上無双」を使い、途中で地形や敵兵に引っかからないように巧みに操縦する必要がある。
    • また、「特定の撤退する部隊を撤退前にすべて倒す」というものの場合、対象の武将を事前に把握し、撤退開始のメッセージを聞いた後で倒していく必要があるなど…旧作の秘蔵武器のように、空で覚えるのは少々厳しい。
    • これらの条件は、ゲーム画面上では通常クリア後のステージセレクトにて大雑把な一文のヒントでしか表示されず、それでいて割と細かかったりシビアな条件が設定されている場合もある。
    • 1回プレイしただけではコツがつかみづらく、何度も試行錯誤を重ねるか、本やネットなどの攻略情報に頼らざるを得ないことになる。
    • 旧作で慣れていればどうということはないが、ライトユーザーからは煩雑だという声が挙がっていたのである。難易度設定を「天国」にして高レベルのキャラで挑めばかなり楽にはなるものの、煩わしさは変わるまい。
      • 秘蔵武器獲得のような一定のレベル以上のプレイヤーへのご褒美的要素ならともかく、このIFルートが本来全てのユーザーに楽しんでもらうもののはずならば、途中で投げてしまうプレイヤーも出るのではないか…ということである。
      • 開発側としては「何も知らない初見のプレイヤーがいきなり条件達成してストーリーの変化に戸惑うことがないように」との配慮をしたとも取れるが、それならそれで1周目は正史ルートに完全固定し、2周目以降にもう少し簡単な条件を設定しておくという手段があったかもしれない。
      • 『猛将伝』でのMIXJOY時は特定のIF条件ヒントに修正が入り、煩雑さがある程度緩和されてはいる。

フリーモードでの武将の分身

  • せっかく復活したフリーモードなのだが、プレーヤーが選んだ武将が該当するストーリーモードでの選択武将以外であり、しかもシナリオ上で設定されたNPC武将が同一の場合、2人が同時に現れる「分身」が起こってしまう。
    • たとえば赤壁の戦い・呉軍で周瑜を選んでプレイすると、もう1人の周瑜が現れてしまう。しかも、イベントを進めるのはNPC側の周瑜であり、プレイヤー武将の周瑜はまるで「敵にも味方にも認識されずに勝手に敵を倒している」だけの存在となってしまう。
    • これを回避するには、ストーリーモードでの選択武将の中で選ぶか、シナリオと全く関係ない武将を選ぶかするしかない。
    • また、敵側にNPCとして同一の武将が設定されていても、やはり分身が起こる。
    • 過去作ではNPCとして設定されているならその場所からスタートし、プレイヤー自らイベント進行に寄与できていた。敵側にいる場合も代理の武将に置き替えられていたため、これは退化した仕様ではないかとの批判が起こっている。
    • ただ、過去作に比べてイベント進行ははるかに複雑化し、特定の武将に依存する部分も多い。かつてのように汎用性を重視したイベントを作ろうとするとその手間とバグ取りは膨大なものとなってしまう。
    • 問題点で挙げたバグの発生が引きも切らぬ中、そのような仕様を満たそうとすればさらなるバグの多数発生は必至だったという見方もあり、現在の仕様が悪いことと一概には言えない状況ではある。

キャラ関係

  • 今回の新規参戦武将のキャラ立ちには無双外部にとって少なからず既視感がある傾向。
    • 呉の韓当は「目立たない」ことをネタにされ、周瑜ら味方武将のみならず一般兵にまで存在を忘れられ、ついには出撃時に「忘れないでくれよな」と自虐的なセリフまで口にする*15*16
    • そして蜀の新キャラの1人、関羽の娘・関銀屏は華奢な体つきにもかかわらず馬鹿力で巨大な武器を振り回すが、本人に自覚はなく「もっと鍛えなければ」とたびたび漏らす。結果筋肉至上主義の美少女という訳のわからないキャラに。
  • 次に、蜀の人選が偏っている。
    • 『4』から始まっていたのだが蜀は誰かの血縁キャラが多く、『7』では関興・張苞・関銀屏とさらに3人も追加されたため、関・張の血縁キャラで蜀の半分近くを占めるという事態が起きてしまった。
      • これについては呉の魯粛・韓当のように「たとえ地味でも蜀を支えた中堅武将*17を追加して欲しかった」という声も目立った*18
    • さらにこのことが、身内同士で出番を食い合う結果にまで発展している。
      • 特に被害を受けたのが『4』から出ている関平。見せ場であるはずの樊城の戦いで操作できないうえ開始数分で死亡、操作できるのはIFシナリオのわずか1ステージ*19のみ、性能もお世辞にも良いとは言えないと*20散々な扱いを受けた*21
  • 前者は「どこかで見たような」感が強く、使い古されたパターンである上に捻りも足りない。
    • 後者は、家族の絆をドラマとして強調したいのかもしれないが、それはすでに呉の孫家で散々やってきたことであり、二番煎じの水増し感を禁じ得ない。
    • おまけに、今作では晋の司馬一族までが司馬懿の妻・張春華の追加で家族ドラマを展開するありさまであり、3つの勢力にわたって同じようなことをやられては食傷気味と言わざるを得ない。
      • 『6』における現代的な感覚を反映したキャラ立てが批判された反動かもしれないが、さすがにこれだけ無双武将が増えるとネタ切れ感が否定できなくなってきている。
        もちろん、個人的好みも大いにあるので、絶対的な問題点というわけでは無い。
      • 現に、上記の韓当も出番は普通にあり、目立たない事を気にする姿も好印象で親しみのもてるおっちゃんキャラとしてファンの多くには好感をもって迎えられており、関銀屏もなんだかんだで女性キャラ中トップを争う程の人気となっている。
  • 続投キャラについて
    • 流石に長く続いたシリーズだけあって、演技が苦しくなってるキャラクターもちらほら見受けられる。
  • 武器関連
    • 得意武器のコンパチは完全撤廃されたものの、コンパチ前提のモーションが使用されている武器は未だに残っている。
    • その最たるものが刀(孫権)で、汎用武将と共用だった『6』とほとんど変わっていない。
      • 孫権というキャラクターに合っていないという訳ではなく、モーションそのものへの批判はほとんど無い。
        しかしこの刀という武器、『6』では孫権含め4人もの無双武将*22に使い回されていた。そのうえ、孫権以外の武将には本作で新規追加された武器種が割り当てられたため、「孫権の扱いが悪く見える」といった不満が挙がることはある。
      • これは余談だが、後にDLCで孫権をイメージした武器種が追加されたものの、武器の天稟と孫権の適性が合っていなかった*23
    • また、武将によっては「得意武器そのものがキャラクターに合っていない」という意見も。
      • シリーズ旧作を知るファンから評判の芳しくない『5』の要素を引き継いだ張遼の双戟・龐徳の狼牙棒、コンパチ時代の方がキャラクターに合っていると評されていた丁奉の断月刃などがその代表格。
      • 性能上で弱いというわけではないが、乱舞攻撃では必ず各武将の得意武器を使うため、プレイヤー側で完全に対処することはできない。

DLC

  • 前作『6』以来「ネタDLC」が恒例となっている。
    • これらは時代考証など一顧だにしない完全な「現代ネタ」の衣装・武器モデル・基地テーマなどである。
    • 「世界観を破壊する」と嫌う意見もあるが、大半のユーザーは「笑い取りの遊び」として受け止めており、DLC故に「買わない」選択肢もあるので大きな議論にはなっておらず、むしろ「キャラのイメージが広がる」と歓迎しているユーザーも多い。
    • 特に今回のオリジナル衣装と大半の「異色武器」は「アルティメットお仕事無双」と比喩されるまでの突き抜けたチョイスとなっている。
    • その中でも蜀軍はTwitterでも話題に上がった某有名悪の組織戦闘員風の劉禅や、五虎将軍が扮する「昇竜戦隊タイガーファイブ」など、とことん突きぬけている衣装が多い。
      • 余談だが呂布のお仕事衣装は「実業家」であり、「呪符」のネタ武器「名刺」には実在する公式サイト上の隠しページのURLが書かれており、そこに飛ぶと…。
  • 本作無印版に登場したDLC武器種はかなり特徴的な操作ギミックを持つものが多いが、「凝っている」を通り越して「煩雑」になっている武器種がいくらかある。
    • こちらも言ってしまえばお遊びコンテンツなので、突き抜けたものを作りたい気持ちもわかるのだが…。
      • DLC武器種に扱いの難しいギミックを盛り込む傾向は『7猛将伝』のDLCでも変わらなかったが、それらのDLC武器が各武将の得意武器として既存の武器種と入れ替えられた『7 Empires』では、一部のユーザーから不満が挙がった。
  • 相変わらずWin版『with 猛将伝』登場からは追加DLCが導入されず。しかし前作と違い、Win版でも他ハードでのDLCのほぼ全てを網羅しているため、その点での格差はほぼなくなった。

問題点

システム面

  • 今作の武器はDLCなしでも77種類に達するため、それに対応し上述通り合計1000個まで武器を所有できるが、1000を77で割ると13にも満たない…つまり、平均的に武器を取得していった場合、全種類の平均が10個を超えた段階でもう限界が近いことになる。
  • そして今作では旅団長含むモブ武将を倒せば高確率で武器をドロップするため、普通にプレイしているだけでもどんどん溜まっていく。
    • つまり、放っておくとあっさり限界に達して新たに拾うことができなくなるため、戦闘後はこまめに不要な武器を武器強化の材料にする、あるいは売却や放棄などで減らす必要がある。
    • しかし、その武器強化をするには「武器素材」というものも必要で、そして「武器素材」を入手するために戦闘をすればまた武器も手に入る。
      • 消費するよりも入手するペースの方が明らかに速く、とにかく常に武器を売却し続けなければ次のステージに行くのもままならない。
  • だが、そんな仕様にもかかわらず武器・アイテム周りのインターフェイスは良いものとは言えないものだった。
    • 発売当初の仕様では、ソートが一切できず取得と売却を繰り返すと順番がぐちゃぐちゃになってしまい目的のものを探すのが大変だった。
    • Ver1.02のアップデートでソートは一応行われるようになったものの、今度はいちいちカーソルが武器リストの一番上に戻るようになってしまい、延々とスクロールを繰り返すことになった。
    • Ver1.03のアップデートによって、今度はカーソル位置が記憶されるようになり、ようやく快適に売却の作業ができるようになった。
      • 現在ではこの問題はかなり解消したが、他にもデフォルトで武将が装備している武器をうっかり売り払うと自動持ち替えの処理の関係で不具合が起こる可能性があるなど、依然欠陥は拭いきれていない。
      • 明らかにテストプレイによる検討が不足していたとしか思えない状態であり、後述のバグ・フリーズ問題と併せて開発側の姿勢が問われかねない問題である。
  • 見づらいカメラワーク
    • これまでも無双乱舞の発動時など操作キャラがアップになるカメラワーク演出はあったが、今作ではそれに加えてストームラッシュ、ヴァリアブルカウンター、あるいは敵将を撃破したときなど同様のカメラワークが頻繁に発生する。
    • 操作キャラのアクションに迫力を持たせる演出と考えることもできるが、裏を返せばプレイヤーの意図しない方向に勝手にカメラアングルを変えられてしまうということであり、また、演出終了後にもとの位置にカメラが戻ってくるとは限らない。
      • 概ね操作キャラの背後視点にされる*24が、周囲の地形等によってはそうならない場合も多い。
      • また、アクションによっては「演出発生(カメラ位置固定)→ 演出終了(カメラ操作可)→ カメラ位置自動修正」というように、一旦カメラ操作が可能になった直後にまたカメラ位置が自動修正されるという、厄介極まりない調整になっているものもある。
    • カメラワーク演出の頻度があまりにも高いため、慣れないうちは方向を見失いやすく、また慣れていても画面が頻繁に切り替わるので煩わしい。
    • さらに、演出終了後、カメラ位置が再び操作可能になるタイミングがかなり遅く、無双乱舞などの無敵時間が終わって操作キャラの行動・当たり判定が復帰する方が速いため、必然的に演出終了後ほんの1秒程度ではあるが周囲の状況が確認できないまま戦わなければならない。
      • また、演出終了直後はカメラと操作キャラの距離がかなり近い状態になっており、これが通常の距離感に戻るまではカメラ操作が可能になるタイミングよりもさらに遅い。
    • カメラの移動自体も(戦闘のスピード感に対して)かなり遅く、吹き飛ばした敵の姿を追いたい場合や急に振り返りたい場合などはカメラが追い付くまでワンテンポ待たなければならない。
    • しかし、チェイン数などの関係などで待っている時間もないため、カメラを待たず視界不良のまま適当に戦ってしまう方が良いというのが実情。
      • にもかかわらずカメラの移動速度はオプションで変更できない。
  • 全体的な視認しづらさ
    • 上記カメラワークの悪さも含めてだが、過去作に比べて全体的に敵兵の状況などが視認しづらい傾向がある。よって、ミニマップ表示切り替えの重要性が必要以上に増している。
      • 敵兵の服の色・質感が背景に近い。
      • 武器属性による雷撃や爆発、その他過剰なエフェクト*25
      • 敵兵が多すぎて敵将が埋没しがち。敵兵の多さは爽快感と表裏一体でもあるのだが…。
      • プレイヤーの吹き飛ばし攻撃で飛んでいく距離が過去作よりも大きいため、敵将が画面外に飛び出してしまいやすい。
      • 上記と同様の理由で大きく高速移動するアクションなども敵将の位置を見失いやすい*26
    • しかし、これほど視認性が悪くても、ミニマップを拡大表示にしながら適当に攻撃を振り回しているだけでそれなりにクリアはできるというのが却って困ったところ。
    • 確かに自分の操作で大軍を薙ぎ払ってはいるのだが、ただ暴れているだけという感じで敵兵の多さ・見た目の派手さのわりには爽快感が得られない。

アクション面

  • 敵武将のガード・受身頻度の増加
    • 『6』では2つの武器を利用したコンボなどで遊ぶことも出来たが、本作では敵武将の反応がシビアになり、戦闘時の選択肢が大きく減少した。
      • 空中コンボを狙おうとすれば大抵すぐ受身を取られ、無双武将は空中乱舞で反撃してくる。また、前作までと比べ仰け反り時間も短いので、ガードで割り込まれることが多くなった。
      • 雑魚戦に対する対抗策を強化したことで敵武将を強化しようとしただろうが、決まりきった戦法で瞬殺する以外認めないこの調整はやり過ぎ感がある。
  • 無双乱舞を避ける手段が無双乱舞・ヴァリアブル攻撃・軽功しかないという問題も続投。
    • 空中乱舞の全キャラ実装により一応どのキャラでも緊急回避は可能になったが、敵の無双乱舞の頻度が上がっているため不意を突かれ事故しやすくなった。
    • しかも、今作はこちらが空中にいるときに無双乱舞を発動された瞬間、その場に固定されて静止してしまうことがある。こうなるとこちらも空中無双乱舞を使うか、途中セーブを使わなければならなくなる。
  • 武器相性の練り込み不足
    • 武器切り替えを促すという点だけを見れば進化と言えるのだが、それ以外の部分で問題が多く、結果として戦闘の自由度を大きく削ぐことになってしまった。
    • 敵との相性に応じて武器を持ち替えたら、その後はできる限り有利な相性を保つ…つまり同じ武器で戦い続ける事がセオリーになりがち。
    • 能動的にヴァリアブルカウンターを狙って覚醒ゲージ回収や強化を狙うと言った選択肢もなくはないが、高難易度では劣勢相性での被ダメージアップが看過できない。
    • 結果として「プレイヤーの意思で自在に武器を切り替えて戦える」というシステムの美点を自ら潰すような要素で、上記の受け身猶予短縮もあってヴァリアブル攻撃を組み込んだコンボが制限大きく減少した。
      • ヴァリアブル攻撃は他の攻撃をキャンセルして出すことができ、全てではないが多くの武器種に共通して出始めの無敵時間やガード不可などの特性があるなど非常に性能の高い攻撃アクションである。『6』ではヴァリアブル攻撃がコンボの要となることも多々あり、流れるような連続攻撃を演出する重要なアクションパーツであった。
    • 武器相性が変わるのを防ぐためヴァリアブル攻撃が使いづらくなるということは、結果的に通常攻撃とチャージ攻撃だけで戦うことになり、『4』以前にまで逆戻りした感が否めない。
    • 相性ごとのメリット・デメリットにも大きな問題があり、優勢相性はストームラッシュの仕様がすべてを台無しにしていた。
      • ストームラッシュの発動条件は「敵武将の気迫ゲージを0にする」ことだけで、攻撃範囲に敵がいなくてもお構いなしに発動してしまう。しかも、ストームラッシュを途中でキャンセルする手段は無い。
      • 無双乱舞と異なり敵をロックしないため、「周囲の敵を吹っ飛ばした直後に、誰もいない場所でストームラッシュが発動」という状況が起こることもある。
      • 時間が無駄になるのはもちろん、見た目にも気分の良いものではない。また、遠距離攻撃が強力な武器は自ずとストームラッシュの範囲外で戦うことになり、優勢相性そのものが邪魔になってしまう。
      • ストームラッシュの性能は武器に依存するのだが、武器種ごとの格差が大きく、普通に攻撃した方が強いような場合すらある。複数の武将に囲まれた時などは緊急回避としてそれなりに有効なので、それが救いではある。
    • 劣勢相性は、デメリットの影響が薄く、そのまま戦っても大した脅威にはならない。
      • 一見問題になりそうなハイパーアーマーは、前述の通り無視して攻撃できる手段が充実している。
        そうでなくとも、劣勢相性の敵はなぜか行動パターンが弱体化してしまうため、下手に武器切り替えやヴァリアブルカウンターを狙うよりゴリ押ししたほうが早い場合が多い。
    • 結果として、無印版では優勢相性を避けるのが基本という本末転倒な戦い方が当たり前になってしまった。
  • アクション面の調整不足
    • 「通常攻撃が最後まで繋がらない」「敵を真上に浮かせたのに、斜め上に向かって追撃するため普通に使うと当たらない」など、連続攻撃として成立していないアクションが非常に多い。
    • 無双乱舞発動時の見栄を切っている最中も味方が敵を攻撃し続けているため、実際に乱舞攻撃が始まった時点で狙っていた敵将がどこかへ運ばれていってしまっているため、味方が多い状況での投げ系乱舞はほとんど死に技。
      • 前作『6』では無双乱舞発動時に周囲の敵・味方すべての動きを止める効果が発生していた。しかし今作では敵の動きは止まるものの、味方は止まらなくなっているため上記のようなことが起こりやすい。
    • 無双乱舞発動時の見栄を切っている最中でもチェイン数がリセットされる。そのため、乱舞発動=チェイン数リセット。武器属性「連鎖(チェイン数の持続時間が延びる)」をLv10で付けていても、一部の武将ではチェインが繋がらない。
    • 前作『6』に比べて、吹き飛ばした敵の飛距離や、攻撃をガードされた際や浮いた敵を攻撃した際の遠ざかる距離が非常に大きくなっている。つまり攻撃していると敵はどんどんプレイヤーから離れていく。
    • そのため、ガードの堅い敵に対してガード崩しやガード無視攻撃を当てようと思っても、通常攻撃を当てている間に射程外へ出てしまって肝心のガード崩し攻撃が当たらないといったことが多々ある。
    • 新しく登場した武器等のアクションは地面や空中を滑るように移動しながら攻撃するものが多い。見た目には楽しいが特定の敵を狙い続けるのは難しく、上記のカメラワークの悪さによるストレスを非常に強く感じる。
      • アクション面の調整不足というよりも、敵兵数の多さ・攻撃範囲の広さ・吹き飛ぶ距離の拡大などから考えると今作は「集団を蹴散らす爽快感」を重視した調整になっているのかもしれない。
      • 「大暴れゲーム」としては問題ないが、敵将に連続攻撃を叩き込み撃破する「コンボアクションゲーム」という面はほとんど成立しないほど大雑把な作りになっている。
    • 細かい点では、『6』の時点から「武器を切り替える際にヴァリアブル攻撃の有無を選べるようにしてほしい」という意見があったのだが、聞き入れられなかったようである。
  • 爽快感を削ぐ調整ミス
    • 代表的なものが、武器適正による能力強化の仕様変更である。
      前述の通り、本作では武器適正によって攻撃モーションの速度が変化することは無くなった。『6』を知っているファンであれば「適性が低くても快適に戦える」と思ってしまいがちだが、実際はその正反対。適性が★4であっても、『6』における適正★1相当のモッサリした攻撃になっている。
    • 原因は、『6』における武器適正の仕様にある。
      よく勘違いされるが、『6』の正確な仕様はゲーム上の表記とは真逆に「適性が★2以上で攻撃速度が上がる」という仕様になっていた。要するに 適性が低い時の鈍重なモーションがデフォルト だったのである。上で挙げたような事態は、『6』のデフォルトモーションを安易に流用・踏襲した結果と言える。
    • 本作には攻撃速度を上昇させる「神速」という属性があるのだが、『6』のような感覚でプレイしたい場合はほとんどの武器で必須となり、貴重な属性スロットがひとつ潰れてしまう。
    • 他にも「軽功でキャンセルできる技が減った」「吹っ飛ばされたときに転身で復帰できなくなった」「旋風天稟の追加攻撃でチャージ攻撃1のガード不可判定が覆い隠され、かえって戦いづらくなる」など、残念な点がいくつか見受けられる。
  • 前作の「印」は「スキル」に置き換えられ、武将毎に4つまでセット可能。特定条件で敵将を倒すことで難易度に応じた確率で成長する。
    • こちらにも「武器相性が劣勢の敵将を倒す → 属性攻撃で受けるダメージが減る」など、条件の達成しにくさなどと効果のほどが見合わないものがちらほら。
  • 馬の挙動がおかしい
    • 評価点で述べた通り、今作では移動しながら馬に乗れようになった。スムーズな移動が可能になり、過去作からの大きな改善点と言える。
    • ただし、それはこの機能が正しく挙動しているときのみ。呼び寄せボタンを押すことで馬は自動的にプレイヤーの方へ走ってくるが、この際に馬が地形に引っかかりやすく、門や建物の入り口など狭くなっている場所*27は上手く通れずに、他の出口を探してあらぬ方向に飛んでいってしまうことが多々ある。
      • また、場所によってはシステム的な見えない壁もあるようで、反応すらしない場合もある。
    • 結局、地形が少しでも入り組んでいる場合はいつもどおり自分の方から馬を迎えに行ってやらないといけず、酷い時は勝手に走り回る馬*28を追いかけ回さなければならないこともある。
      • 機能が上手く働いているときは進行方向に進みながら馬に乗れるため、プレイヤーは馬を呼びながら前に進んでいることが多いため、機能が上手く働かないときは過去作で馬に乗るときよりも長い距離を馬に向かって引き返さなければいけない。
    • さらに、馬は降りた後の挙動も非常に奇怪で、プレイヤーが下馬した直後も馬は移動時の勢いでもって少しだけ前に進むが、なぜかそのままプレイヤーの目の前に割り込んできて進路を塞ぐように立ちはだかるという異常な行動を見せる。
    • 目の前は見えなくなるし、前に進めないし、敵を攻撃しづらいしで邪魔以外の何者でもない。
      • 馬はプレイヤーが騎乗しないまま一定時間傍にいると遠ざかるようになっている。これは騎乗目的でないのに傍にいる=戦闘中であると判断し、コンボの邪魔にならないよう馬をどけるための機能で、前作『6』では地味ながら非常に便利な調整であった。
      • 今作における下馬後の馬の異常な挙動は恐らくこの機能が暴走しているものだろう。今作では前作よりも馬が遠ざかるまでの猶予時間が短く設定されており、乗るつもりがあっても少し遅れるだけで馬がどこかへ行ってしまう。
      • このため、恐らく下馬する際も下馬モーションに入った時点で既にこのカウントダウンが発生しており、降りた瞬間に馬がプレイヤーから遠ざかるために移動を開始、停止する場所がちょうどプレイヤーの目の前を塞ぐ位置になりやすいプログラミングになっているのだと思われる。

マップ

  • 高低差による一方通行、立体交差など入り組んだ地形のマップが非常に多い。
    初心者が道に迷いやすいのはもちろんだが、慣れていても移動を煩わしく感じる場面が多々ある。
    • 例えば、橋や崖の上などでの戦闘時、うっかり橋の下に敵を落としてしまったり自分が落ちてしまったりという場合、近辺に橋の上へあがれる道があればさほどストレスも感じないが、今作ではこのような場合だいたいが異常なほど回り道をしなければ元の場所に戻れない地形構造になっている。
      • 単純に景色・建造物として見ても不自然極まりなく、いかにもゲーム用に作られた場所という雰囲気。
    • にもかかわらず、敵やミッションの配置的に橋の上→飛び降りて橋の下 → また橋の上に戻らないといけないので回り道、というように往復させられる展開がある。
  • 今作では敵の兵数が多いため戦闘中の拡大マップでは敵兵の赤丸でマップが埋め尽くされており地形の切れ目が見えづらい。
    • しかも拡大マップは平面図なのでどちらが高くどちらか低いのかは全く分からない。また、ポーズ画面のマップでも立体交差は分かりづらい。
  • マップ全体が奇をてらって無意味に入り組んでいる、と言っても良いだろう。前作『6 Empires』の新マップからそのような傾向はあったが、それが本作ではより顕著になってしまった。

イベント進行

  • 戦闘そのものは爽快でも、シナリオの各イベントがテンポを悪くし、ともすればストレス源にすらなりうるものもある。
    • 今作ではシナリオ中にたびたび投石機などの兵器で門や特定の地形・建造物を破壊するイベントが存在する。
    • だが、今作の投石器は極めて当てにくく、対象もどこを狙っていいのかわかりづらいステージがある。そのくせ、敵の投石器などは正確にプレイヤー武将を狙って当ててくるため、敗北はせずともかなりうっとうしい思いをすることになる。
    • また、川や堀のあるシナリオでは泳いでいるキャラクターは互いに攻撃できないため、水の近くで戦うとたびたび敵武将が泳ぎだしてしまい上がってくるまで延々と待つことになる*29
    • そして、無双シリーズ共通のログ蓄積によるイベント進行遅延の問題は今作も例外ではない。おまけに今作は門の開閉によるマップの区域封鎖が多く、これをさらに助長している。
    • また敵兵のワラワラ感を実現させた「進入口から敵が出現し続ける仕様」だが、言い換えればこれは特定地点での敵出現を止める手段がないことになる。マップによっては味方総大将近くの進入口からも敵兵が常にわき続け、場合によっては総大将が襲われてしまう。
    • もちろん、味方の士気が高ければ総大将が撃破されることはまずないが、それにもかかわらず「総大将敗北の危機!」がアナウンスされてしまうことが多い。これで本当の総大将のピンチか否かが判別しづらくなり、プレイヤーが状況判断を誤りかねない。
    • マップは全て新規に作られているが、細い迷路のような道が多く、武将の位置などが把握し辛い。
  • 戦闘前後のムービーが単調かつ出来が良くない
    • 前作のストーリーは武将を選択できなかった分凝った演出が出来たが、本作では複数の武将が選択に対応するため構図が単調になりがち。
      • 特に戦闘終了後には「自軍の武将達が敵大将を追い詰める → 何故か逃がす → もうよい」といった展開が多く、間抜けに見えることも。

史実や演義から歪曲&他勢力に半ば乗っ取られ気味のシナリオ

本来死亡している武将が死亡した後の時期の戦いに登場するのは死亡する描写がない以上、こちらで挙げるのはイレギュラーな例のため、基本割愛する。

  • 魏・呉と蜀のシナリオ「樊城の戦い」では明らかに立場と描写が異なる
    • 魏シナリオでは始まった時点で既に水計がされ、龐徳が危機に陥っている。呉は水計前だが開始直後に龐徳が関羽に討ち取られる。
      • 魏と呉では多少の差異で然程問題ではない。問題なのは、樊城後の呉シナリオで、龐徳が死亡した表現があったにもかかわらず何事もなかったかのように登場している。
    • 蜀シナリオでは何故か龐徳が水計を行い関羽達を潰走させると言う本来とはあべこべの展開がされる。
  • 晋の史実ルートは司馬昭が主人公…の筈が、正史や演義での出番は悉く賈充に取られており、司馬昭自身にはこれといった見せ場がない。
    • 司馬昭は正史・演義共に、董卓と同等かそれ以上の野心家として知られているが、本作の司馬昭は野心の欠片もない人物として描かれており、野心家としての面は全て賈充が持って行ってしまった。
    • 前作では野心家としての司馬昭も描かれていたため、「新キャラクターの出番を無理矢理ねじ込んだ結果」「陽と陰という対比をしたいがための史実無視」と言える。もう何十年も三国志のゲームを制作してきたコーエーが、ここまで史実を無視した改変を行ってしまったのは流石に頂けない。
    • 諸葛誕に至っては、改変された2人を引き立てるために「一族の誇りや名声に拘る無能」のように描写されている。
      改変された2人を引き立てるためのさらなる改変という「二重の改変」であり、三国志ファンからの評価はかなり悪い。
    • 史実の諸葛誕は極めて優秀であり、征東大将軍に上り詰めたほどの人物なのだが…*30。そしてそんな彼を処断するのはやっぱり賈充、いくら何でも度が過ぎる。
    • さらに諸葛誕には、「司馬師に心酔しており、その弟が納める魏など認めないという理由で反乱を起こした」というとんでもない改変が加えられている。史実で諸葛誕が反乱を起こした理由は、曹爽一族の残党である夏侯玄(未参戦)らと親密だったために、粛清・誅殺を恐れたからである。
    • 司馬師はその親交の深かった夏侯玄を処断した張本人であり、そんな司馬師に心酔するなど絶対にありえないことである。シナリオライターは三国志の歴史を知っているのかかなり疑わしい。
  • IFルートシナリオの呉の「汝南の戦い」は、他の勢力が出しゃばりすぎている。
    • 「汝南の戦い」は敵が晋武将で、途中で王元姫と張春華の会話イベントが挿入されるのだが、そのイベントの中身が問題。王元姫と張春華が画面を占有してしゃべり続け、物語の中心である呉の武将は呆気に取られる表情と後ろ姿が一瞬映るだけ。そんな内容でありながら、ギャラリーでは呉に割り振られてる。このイベントは晋に割り振るべきとの声も。

バグとフリーズ多発

  • 今作の最大の問題点として挙げずにいられないのが、プログラム不良によるゲーム上の障害(いわゆるバグ)やフリーズなどの処理遅延によるゲーム進行不良多発の問題である。
    • 幾度かオンラインアップデートが行われてかなり改善されたものの、依然ユーザーからのバグ報告は発売から3ヶ月経った現在(2013年5月)の時点でも引きも切らなかった。
    • さらに、あろうことかVer1.03のアップデートの時には、一部のイベントの再生が行われない、その絡みで一部のシナリオの進行が止まりクリアできない、騎乗時に一部のSEが異常な音量になるといった新たなバグまで発生してしまった。
      • 単なる開発のバグ対処力の問題のみならず、企業としての姿勢を問われることにすら波及しかねない異常事態と言える。
    • そして、爽快感の追及のために派手なエフェクトを追求したためなのか、特定の真・覚醒乱舞などで高確率でフリーズが起こったり、長時間プレイをしているとキャラクターが突然空中で停止する・セリフの音声がブツブツ途切れたり全く再生されないと言った現象がしばしば起こっている。これらも度重なるアップデートによって改善されてはいるが、根絶には程遠い状態である。
      • 一説には「PS3本体の処理能力をめいっぱい使いきっているため、少しでも熱による処理の遅延が発生するだけでもダメなほど余裕がないためだ」とも言われており、PS3本体を熱のこもらない開放された環境に置く・部屋を冷房したり風を当てるなどの積極的な冷却を行っただけである程度改善したとの報告もある。

将星モードが作業化する

  • 将星モードにおける戦闘では、撃破した武将は自動的に仲間になる。
    • しかし、汎用武将を含めすべての武将を仲間にした段階で、将星モードの戦闘には名前付きの武将が現れなくなり、代理の副将である「旅団長」しか出てこなくなる。
    • 汎用武将相当の能力を持っているものの、武器相性が必ず拮抗となる名無しの副将ともいうべきキャラである。
    • これでは、仲間を集めきった後の戦闘はセリフもなく黙々とやってくる旅団長ら敵兵をひたすら倒すだけの味気ないものとなってしまう。
    • ゲームの進め方によっては意外と早くこの状況になってしまうため、依然残っている施設の発展や武器の鍛錬、仲間との絆を高めるために延々とこの味気ない戦闘を続けることになる。
    • そして、連戦をすると難易度が上がっていく仕組みであるが、実際に上がるのは敵の体力と防御力だけであり、攻撃の威力や頻度は連戦開始時の難易度設定の範囲を超えて変化することはない。
      • つまり「天国」で連戦をすると、敵は修羅難易度なみに硬くなってゆくが、攻撃力は低いまま。とはいえ攻撃仕様の変化が大きすぎた場合、難易度設定の意味が薄れてしまうため、これは賛否両論点とも取れる。
    • 一応、仲間武将との戦いを楽しむための「模擬戦」も用意されているが、こちらでは素材を集めることができないため、文字通りの模擬戦にしかならない。ストーリーやフリーモードでも素材は集められないので結局「旅団長無双」を続けるしかないのである。
    • そのため、確かにやりこみは深くその途中までは面白いのだが、進めれば進めるほど飽きが来やすくなっている。ストーリーも何もない純粋なハック&スラッシュモードとしては、もっと工夫がほしかったところと言わざるをえないだろう。

武器の強化鍛錬(オンラインアップデートで改良済)

  • 今作において武器につく属性は6種類にまで増加され、さまざまな属性の組み合わせによって変化する武器の特性を楽しむことができるが、発売当初はこの属性の付与条件が完全にランダムで操作不可能であった。
    • 将星モードの武器屋による強化鍛錬で効果のレベルはある程度固定できるが、種類に関しては望むものがそろうまでは何度も鍛錬を行ってはリセットとロードを繰り返すしかなく、運任せの要素となっていた。
    • その確率たるや、数千回行っても実用レベルにギリギリ到達するかどうかというレベル。ゲームを一日中連続でやれる条件のプレイヤー以外は理想の属性付き武器をあきらめざるを得ないものだった。
    • 属性の問題にあるように、思い通りに強力な武器が作れてはゲームバランスを崩すという可能性はあるにせよ、ある程度の工夫が通用する自由度が欲しいという要望がユーザーからは非常に多かった。
    • それに応えるように、2013年5月に行われたVer1.03へのアップデートでは、鍛錬のベースとなる対象武器の属性を残しつつ新たな属性を媒体武器から付加する方式に改められた。
    • これでやり方によっては理想の属性を厳選することが可能になり、ユーザーからは歓迎されることになった。
  • しかし、そもそも一部の武器属性は付与してもほとんど効果が実感できない*31

総評

前作で批判の対象となったボリュームの不足やモーションのコンパチ化という問題は完璧に解消され、同時に過去作モーションの復刻も様々な形で成し遂げられ、アクション選択の幅は大幅に広まった。
またマンネリ感を打破すべく導入された「正史」を重んじたストーリーモードに、それらを伝統の隠し条件を以ってあえて覆すIFルートを併設することを筆頭として、新旧両方へのファンサービスを兼ねた要素も多い。

総勢80人近い操作キャラクターがおり、しかもそのそれぞれに個別のアクションが用意されているなど、他のゲームでは考えられない規模である。

雑兵の出現数は過去作を遥かに凌ぐものになっており、また覚醒乱舞などその大量の敵集団を一気に殲滅するアクションがプレイヤーに爽快感を与えてくれる。
過去作を彷彿とさせる要素を盛り込みながら「無双のすべてを超える」「アルティメット一騎当千」というキャッチコピーが示す通りのものを本作は紛れもなく実現しているだろう。
PS3というハードにおいて「やれることはやりきった」ことを感じさせ、シリーズ全体の集大成にふさわしい作品となったと言える。

その一方、細かい点では粗削りな部分も非常に多いのが悔やまれる。
特に武器に三竦みの相性を付加した新システムは前作におけるプレイヤーの自由な武器切り替えを縛る要因となったことで、武器を切り替えながらの連続コンボなどといった「武器を2つ持てることの利点」などを損なっている。
『6』からある武器のモーションはそのまま移植しているのだろうが、他にも敵の吹き飛ぶ距離やのけぞり時間など細かい仕様も半端に変更しているため、コンボが成立しなくなっているものが多々ある。
UIの操作性、カメラワークの悪さなども気になるところ。

次作『真・三國無双8』は中国全土を1枚のマップのオープンワールドにするなどゲームシステムに大幅に手が入っており、最終的に本作は『真・三國無双』シリーズを総括した存在のひとつとなる。
良くも悪くも「集団を蹴散らす」という点に特化した方向性で打ち出された無双シリーズ本編だったが、それはある意味「雑兵が増えた=爽快感」というだけの構図である。
アクションゲームとしての完成度・緻密さでは前作よりも劣化し、調整不足な部分があったのは否めないだろう。

バグやフリーズの多発問題は、今後の対処次第でこの点の評価が定まっていくことだろうが、よき形で収束することを願ってやまない。
これからもDLCなどの新要素や『猛将伝』『Empires』といった派生作が作られるだろうが、それによってユーザーの満足度を高める方向に進んで欲しいものとの期待を残して一旦の幕引きを飾った。


余談

  • 今作の発売から約10日後の2013年3月10日に『真・三國無双』から13年に渡り司馬懿役を演じてきた滝下毅氏が不慮の事故で他界。
    • そのため、この『真・三國無双7』が、滝下氏が司馬懿役を演じた最後の作品となった。
  • 過去曲が多数収録されているためか、本作のサウンドトラックはシリーズでも最多の100曲に達している。
  • ここはボツコニアン
    • 宮部みゆき著のファンタジー小説で、「動くたびに体力が減っていく」「フィールド上の敵は出現すらせずアイテムやお金を手に入れられない」と言った、ゲームのボツネタが集まった世界での物語。
    • そこには三国志エリアもあるのだが、そこも例外でなく「赤壁の戦い」以前に死亡したものや大して活躍しなかった「二軍三国志」となっている。そして、その中に本作より参戦した楽進もいる。
    • 本作の楽進はイケメンだが、ボツコニアンの楽進は顔が丸っこい中年男性である。だが、作中で「二軍と呼ばれたくない(意訳)」と言っていたので楽進の夢は果たせたと言えるだろう。
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最終更新:2024年01月04日 15:00

*1 天(青)> 地(緑)> 人(赤)> 天…のように、左に位置するものが有利。

*2 青いヒットスパークとともにダメージが1.5倍に上昇する。スキル「白刃一閃」を装備していると攻撃をヒットさせた際にランダムで発生するようになるが、確率が低い。

*3 敵のストームラッシュは操作武将のものほど強烈ではなく、敵専用のEx攻撃程度に考えてよい。

*4 それ故に、そのような武将は成長要素で大きな差ができてしまっていた。

*5 前作ではレベル1毎に体力の1%ダメージだったのが、本作では2%に倍増している。

*6 攻撃ヒット時にランダムで落雷による追加攻撃。

*7 一定時間ダメージを与え続けるが、ダメージ量そのものは低い。

*8 チャージ攻撃時、ランダムで爆発による追加攻撃。

*9 「誘爆」「閃光」ともに攻撃性能や発動率は同じだが、「誘爆」は通常攻撃でも発動する。

*10 敵を一定時間動けなくする。

*11 回復アイテムが少なく、強化アイテムの効果がない状態で敵武将の無双乱舞を喰らえばほぼ即死する。

*12 CHAINカウントに応じて与えるダメージが上昇。

*13 例えば体力ゲージが黄色以上のときでも、連撃属性のように無段階式に効果が変動するなど。

*14 分岐前の外伝ステージがIFルート条件に関係するか否かは勢力によって異なるが、「外伝にIFフラグがある」「外伝が出現するとIFルートに入れなくなる」のどちらかに大別される。

*15 公式ページの無双武将紹介ページでは自己紹介(名乗りと言うべきか)ボイスがあるが、そこでも「俺が韓義公(かん・ぎこう)だ。忘れないでくれな」というボイスになっている。ちなみに、「義公(ぎこう)」と言うのは韓当の字(あざな)である。

*16 正史での記述が途中でぱったりと途絶えているのが由来らしいが、正史・演義ともにある赤壁で黄蓋を助けるなどの見せ場がなくなっている。とはいえ出陣する戦いでは勝利のカギを握るキーマンとなることも多い。

*17 史実・演義ともに活躍した法正、廖化、王平など。

*18 ただし、関興・張苞は人材不足になりつつある北伐時の蜀軍に花を添える要素のある武将であるため、間違いと言えるような人選ではない。

*19 しかも他の操作武将が、ピュアさが人気のイケメン関索、前作の非難を受けての演出変更で可愛くなったと評判の鮑三娘、新武将の中どころか全武将でも一二を争う人気キャラクターの関銀屏である。

*20 現在は修正されたがEx攻撃の性能もかなり弱体化されていた。

*21 さらに、以前から星彩への片思いを匂わす描写があるのだが、モデルの人物の史実からしても星彩は劉禅と結ばれるのが確定事項であり、恋愛面でも不遇なのかとファンからは同情されている。一応、星彩本人の台詞を見る限り、劉禅より関平の方が扱いは良さそうだが。

*22 孫権、孫堅、曹操、司馬昭。しかも、無印『6』ではそこへ夏候惇が含まれ、1種類のモーションを5人で使い回していた。

*23 『7 Empires』で正式に得意武器となった際は、孫権の適性を変える形で天稟に対応させている。

*24 演出発生前が背後視点でなかった場合もある。

*25 多すぎるエフェクトはフリーズの原因にもなっている。逆に言えばハード本体がフリーズしてしまうほどエフェクト過多。

*26 今作では全キャラに覚醒乱舞という高速移動技が搭載されている。

*27 と言っても馬の体格の数倍程度には広い。

*28 プレイヤーの方へ近付こうとしているのだろうが最適なルートを見つけ出せず見当違いの方向へ走り続ける。

*29 一応馬上攻撃なら当てることはできる。

*30 ただし、前作と違って「民を案じる人格者」としての一面は史実通り表現されてる。本作では非常に人間臭い人物にされており、キャラクターとしての人気は意外にもかなり高い。

*31 バグか設定値のミスで効果が極小の状態になっている。