ポケモンバトルレボリューション

【ぽけもんばとるれぼりゅーしょん】

ジャンル ポケモン3Dバトル
対応機種 Wii
発売元 ポケモン
販売元 任天堂
開発元 ジニアス・ソノリティ
発売日 2006年12月14日
定価 5,524円(税別)
判定 なし
ポイント 新ポケモンのモデルの出来は良い
旧ポケモンのモデルは64の使い回し
1人プレイには不向き
不備はあるものの対戦ツールとしての需要に応えた
ポケットモンスターシリーズ


概要

Wii初のポケモン関連ソフト。
DS版ポケモンの『ダイヤモンド・パール・プラチナ』(DPt)および『ハートゴールド・ソウルシルバー』(HGSS)対応の対戦ツール。

特徴

今回はストーリーはなく、「ポケトピア」という施設で各コロシアムをクリアしていく。Wi-Fiに対応している。
作品の内容としてはGCの『ポケモンコロシアム』シリーズよりも、N64の『ポケモンスタジアム』シリーズに近い。

DSソフトとの連動

  • DSソフト内のボックスと手持ちのポケモンをコピーして、本作で使用できる。
    • パルパーク等とは異なり、コピーするだけなので、DSソフト側のポケモンは失われない。
    • 出来は良くないものの、改造ポケモンを弾くシステムを搭載。
      • ただし、基本的に能力値でしか判断しておらず、「配布されるポケモンにしか使われないプレシャスボールに入った通常のポケモン」など確実な改造産でも通ってしまう。とはいえ、本作発売後に配布されるポケモンのことを考えればある程度は仕方がないともいえる。
  • 対戦やバトルなどで稼いだポイントを利用してDS版ポケモンで使える便利な道具と交換できる
  • DSをコントローラーにして対戦することも可能。
    • 『スタジアム』では同じ画面を用いて2人対戦すると覚えている技や控えポケモンが相手にバレてしまう難点があった。
    • 入力方式もDS版ポケモンと全く変わらない。
  • DS版ポケモンで使えるなみのりピカチュウが手に入る。
    • 性格が「がんばりや」に固定されてしまっているため実戦では使いにくいが、昔からのファンには嬉しいところ。
    • また、前作エメラルドからの新技:ボルテッカーと波乗りを両立させているピカチュウも本作が初なので、GBA版で入手済みだったプレイヤーも損はしない。
  • 当時未発売だったプラチナ・ハートゴールド・ソウルシルバーにも対応している。
    • 『スタジアム』で遊ぶ『ピカチュウ版』とは異なり、読み込みに時間がかかることも無い。アップデートせずともそのまま使える。
    • 教え技や新規遺伝技にもしっかり対応しており、バグや改造判定が発生せず普通に遊べる。
    • 『Pt』『HGSS』にも対応しているが、本作自体は『DP』発売すぐに発売されたため、対戦の細かい仕様は『DP』準拠。
      • 技・おいうちは『DP』だと道具・きあいのタスキが発動せず、『Pt』以降で処理が変更されて発動するようになっている。だが、そのせいでおいうちを特定状況下で使うとバグが発生してしまうも、本作は『DP』準拠なので発動しないのは評価点と言える。
      • 『Pt』で追加されたギラティナオリジンフォルム(=はっきんだま)、フォルムチェンジロトム、スカイフォルムシェイミなどのポケモンを使えない。
      • ねむり状態の持続ターンと、技・さいみんじゅつの命中率が『DP』準拠のまま。
      • そういった事情もあってか、『Pt』『HGSS』発売後の公式大会などではこのソフトを使われることはあまりなかった。

評価点

  • Wi-Fiでランダムマッチング対戦ができる。発売当時においてランダムマッチができたのは本作のみ
    • 第4世代の『DPt』『HGSS』のWi-Fi対戦はフレンドコードを交換した相手だけに限られており、ランダム対戦が可能なのは本作だけだった。なお第5世代の『BW』以降は本編でランダム対戦が可能になった。
    • 2014年5月20日にWi-Fiサービスは終了。現在は利用不可。
  • レベル50制限のある対戦ではポケモンのレベルが自動的に50に調整されるようになった。
    • これまでも本家ではバトルフロンティアなどの施設においてレベルが自動調整される仕様はあったが、対戦で可能になったのは本作が初。
    • これまでは公平な対戦のためにはお互いのポケモンのレベルを揃える必要があり、レベル50を1でも超えてしまうと対戦では使えない(レベルを下げる方法は無いため)といった問題があったが、この仕様により対人戦のハードルがかなり下がった。
    • またレベル51以上で進化する・有用な技を覚えるポケモンもレベル50戦で使えるようになった。
    • この仕様は後の『HGSS』以降、本編でも取り入れられている。
  • HPバーの色が割合毎に明確に区切られて分かりやすくなった。
    • HPバーが黄色になるのは50%未満、赤色になるのは20%未満からとなり、特にHPバーが黄色になる=半分を下回っていると明確に分かるようになったのは視覚的にも非常にありがたいところ。
      • 参考までに、第4世代(『HGSS』)までの本編シリーズではHPバーの色が黄色になるのは53%未満、赤色になるのは21%未満からとなっていた。
      • なお『XD』までの据え置き機シリーズでは自他問わずHPの数値が表記されるようになっていたが、本作では相手側のHPは可視化されなくなった。これにより相手にHPの実数値から努力値の傾向を読み取られなくなったのは大きい。
  • 新規に作られたポケモンや背景のグラフィックはかなり出来が良い。
    • 技のエフェクトも作りこまれており、特に炎や水・氷のエフェクトは現在の観点から見てもかなりハイクオリティ。
    • スタジアムについても、遠い細かい所まで描かれており見渡すだけでも面白い。
  • 『コロシアム』では戦闘テンポの悪さが指摘されてきたが、本作ではそれが改善。
    • ダブルバトルで、トレーナーがポケモンを2匹まとめて出すようになった。
    • 全体攻撃をする技は複数のポケモンにまとめてダメージが入るようになった。2体同時にダメージを与えるエフェクトは迫力満点。
    • DS版のポケモンでは毎ターン発動する持ち物などは発動エフェクトが長かったが、本作では大きく短縮されている。
    • DS版のポケモンでは体力バーの減少が数値に基づいた減り方だったため、ハピナスのようなHPが非常に高いポケモンはHPバーの減りも非常に遅かった。本作では割合依存で減るので時間を取られなくなっている。
  • バトル中の実況が復活。
    • 声優は堀内賢雄氏。64版と比較すると実況というより解説に近いが、バトルを盛り上げてくれる。ボイス数もかなり多く、全てを網羅するのは困難。
    • テンションの上下が見所で、特に反動のある技や使用後1ターン動けなくなる大技で敵を倒した時の実況は必聴。
      • ただし、実況に反応する技の種類は若干謎。一部の技が決まった時に技名を言うも、威力の高い技や伝説のポケモンの固有技に台詞が用意されているのはまだしも、あまり使われない「まきつく」「からではさむ」などの技の効果で瀕死になったときの台詞なども存在している。
  • アバターのカスタマイズ要素も充実。
    • まず性別と体格の違いで計6種類(少女、男の子、女の子、大人男性、マッチョ、大人女性)から選べる。
    • その上で頭、上半身、下半身、靴、バッグの着せ替えができる。当時のポケモンシリーズは主人公の見た目を変えるという要素が無かったため、かなり新鮮な試みとなっている。
    • アバターに喋らせることができるメッセージの種類も非常が豊富。対戦開始時・交代時・勝利時・敗北時などそれぞれ異なったメッセージをカスタマイズできる。
      • このメッセージカスタム機能は後の本編には存在しない。
  • BGMが良い。『スタジアム』と違いシリーズのアレンジではなく完全なオリジナルだが成功している。
    • 特にシナリオで最後に挑むことになるスタービューコロシアム並びにラスボス戦のBGMは、プレイヤーが初めに挑戦できるゲートコロシアムのアレンジという、何とも粋な計らいがされている。
    • またジョーのBGMには『ポケモンコロシアム』のパイラの洞窟とミラーボ戦のフレーズが含まれていたりと、一部は同社の開発したシリーズのBGMがアレンジされたものもある。
  • ランダム・フリーバトルで対戦ステージを自由に選べる。
    • 気分や好みに合わせて対戦するスタジアムを選ぶことが可能。以後のポケモンは対戦ステージが固定されたため自由に選べるのは現時点で本作が最後となった。
    • また、スタジアム毎に「ひみつのちから」による追加効果や「しぜんのちから」で発動する技も異なる。対戦するスタジアムも戦術として考える必要が出来た。
  • セーブデータが4つもある。ポケモンシリーズのゲームで複数個ものセーブデータを保持できる作品は非常に珍しい。
    • 対戦用ツールとして見ればほとんど使い道は無いものの、ゲートコロシアムのトレードバトルで手に入れたポケモンをセーブデータ別に保存できるのは1人用モードをやり込みたいプレイヤーとしてはありがたいところ。

賛否両論点

  • Wi-Fiのランダムマッチにおけるパーティの規制がほとんどない。
    • 公式大会やDS版のバトルフロンティアなどでは禁止されていた、「伝説・幻のポケモンの使用」「ポケモンや持ち物の重複」が可能。
    • 当時のプレイヤーの多くは暗黙の了解で、これらのルールを守るようにパーティを構築していた。
      • しかし、伝説のポケモンだらけのパーティとマッチングすることもしばしばあり、普通のパーティで挑んだ場合はそれだけで大きな不利となり、公平な条件の対戦が難しい。
      • 後の本家シリーズのランダムマッチではパーティの規制が導入された。しかし、本作のように「同一のポケモン6匹を使う統一パーティ」などの自由な構成もできなくなってしまったため、フリーバトルにおいてこの要素の逆輸入を求める声も少なくない。
  • GC版と同じく、また一部のポケモンのグラフィックをニンテンドウ64の『スタジアム』シリーズから流用している。
    • 一部のポケモンはグラフィックにアレンジがかかっているものの、2世代前のハードからグラフィックを流用するというのはあまり類を見ない。グラフィックのみならず、待機ポーズや倒れ方まで流用しているポケモンまでいる。
    • しかし、にもかかわらず64版のグラフィックはほとんど違和感を感じさせずゲームによく馴染んでいる。使い回しが可能なほど64版のポケモンのグラフィックが良く出来ているとも言える。
      • とはいえ、ウインディやヤドランのようにほとんど手直しされていないポケモンは流石に荒さが目立つ。
  • 対戦の勝敗数は記録されず、レーティングや切断ペナルティなどもない。
    • 記録を気にせず楽しむ事ができるので、実験的なパーティやネタパーティなどを気軽に持ち込んで遊ぶ事ができる。しかし、記録やレーティングを伸ばす事をモチベーションへと繋げる人には不向きな仕様。
    • 切断についても回数が記録されたり通信制限が掛かるなどのペナルティが無い事から、モラルの低いプレイヤーに切断を多発させる結果となっていた。
    • 但し、「不可視だがレーティングや切断数は記録されていて、レートの近い人同士、切断数の多い人同士がマッチングしやすくなる」と言う説が有力視されていた。

問題点

  • 技のモーションが全体的に変。主に接触技。
    • 『スタジアム』『コロシアム』ではパンチなどの格闘技を使うとポケモンがモーションをし、その後パンチの衝撃波のようなものでダメージを与える、という演出になっていた。これについては開発側も不自然さを感じていたらしく、本作ではモーションの進化が大々的に宣伝されていたのだが……。
    • 本作でそういった格闘技を使うと、敵の目の前までジョギングのような速さでエッサホイサと走って行き、棒立ちの敵に大振りの攻撃を繰り出す。下手にリアルさを追求したせいかこうなってしまっており、不自然さは消えていない…というか、別方向に不自然な演出となってしまっている。
    • 鳥ポケモンもとても飛んでいるとは思えない速度で接近し、急に勢いをつけて体当たりする。
    • 自身の同レベル分の数値を相手に固定ダメージを与える「ちきゅうなげ」の相手を宇宙空間まで吹き飛ばし、地面に落下した衝撃でダメージを与えるという演出等十分な迫力を感じられるものもあるが、あらゆる点でツッコミどころの多さが目立つ。
    • 一部のポケモンのモーションの弊害で不自然な点が目立つ。メガヤンマに至ってはどう見ても避けているのに攻撃を喰らっている。
  • DS版からポケモンをコピーする時、くさきのミノのミノムッチ以外から進化させたガーメイルはダメタマゴになるバグがある。

1人プレイでの問題点

  • 『スタジアム』シリーズにあったバトル以外の要素が少ない。
    • ミニゲーム、ポケモンや道具を預けたり別カートリッジへ移動させる機能、TVでポケモン本編を遊ぶ機能など、バトル以外の要素はほとんどオミットされている。
    • 一応、こちらでもトレーナーのコスチュームを変えたり、アイテムをDS版のカセットに配信したり、チュートリアルを見たりすることができるが、それでも64版やGC版と比較するとやはり物足りない。
  • CPUの頭が悪い。
    • 交換読みをしないどころか相性が悪くても続投する、タイプの相性が悪い攻撃をわざわざ仕掛けてくる、などの珍妙な行動が多くあまり賢くない。
    • 本家ポケモンのクリア後対戦施設に登場するトレーナーなどはそんな行動はしてこない。素直にこちらのAIを参考にしたりはしなかったのだろうか。
    • ただしあくまでそれらの珍妙な行動が目立つのはクリア前、もしくは低ランク帯のCPUくらいであり、高ランク帯のCPUの場合はAIがかなり強化される。
      • 特に顕著なのがダブルバトル。本家ポケモンでは倒せるポケモンを優先して狙うAIの都合上、「HP1のポケモンに2体掛かりで集中攻撃を仕掛ける」といった無駄な行動が多く見られるのに対して、本作では体力の少ないポケモンに対してのとどめは1匹に任せて、もう1匹のポケモンには攻撃を分散させる場合が多い(確定ではないが)。そのため本家ポケモンと同じ感覚で「倒されそうなポケモンに「まもる」を使わせて集中攻撃を凌ぐ」といった立ち回りをしてしまうと足元を掬われることも多い。
    • 技のPPが残り1になると その事実を隠すかのように使わなくなる。 PPを切らせようとしている場合しっかり数えておかないと不意の一撃を貰うこともある。
  • ごく一部のルール以外では使用ポケモンの制限がない。クリア後のサニーパークコロシアム・スタービューコロシアムを除いたフラット50ルールの相手はコロシアムリーダーに限らず道中のモブですら大会での使用が制限されている禁止伝説級ポケモンが容赦なく投入されている。
    • 特にこだわりスカーフ+しおふきを使うカイオーガ、圧倒的な耐久を盾にめいそうでこちらを追い詰めるルギア、4倍弱点が無く安定したステータスから威力の高い技を放つミュウツー・ディアルガ・パルキアなどは並大抵のポケモンでは到底太刀打ち出来ない強さを誇る。
      • 禁止伝説では無いがラティオス・ラティアスは唯一公式大会で使用が禁止されているどうぐ・こころのしずくを持っている個体までいる始末。
    • スタービューコロシアムに関しては各トレーナー毎にコンセプトが設計されており、大半が通常〜準伝説をベースにパーティを組んでいる関係で、後述の「ミステリオ」を除き禁止伝説によるゴリ押しをしてくるトレーナーがいなくなる。一応ミュウ、ジラーチ、デオキシス、ギラティナを使うトレーナーもいるにはいるが、ジラーチを除いてサポーター、もしくは耐久型となっている。
    • その代わり個体値・努力値・性格が徹底的に練られているため、個体値で劣るレンタルポケモンではいわゆる「同速負け」*1をする機会が他のコロシアムとは比にならない頻度で起こり得る。
      • しかし本作ラスボスのミステリオはスタービューコロシアムにおいても禁止伝説による数値の暴力を得意としたパーティが組まれており、特に雨パーティ版はミュウツー、マナフィ、カイオーガ、ラティオス、パルキア、ルギアとすべて禁止級の凄まじい面子。これ以外のパーティもまた強力で、特にグラードンはせんせいのツメを持っており、徹底して対策すれば意外と対処しやすいカイオーガと違い、安定した対処は難しい。
      • カイオーガは他のコロシアムでも猛威を振るったこだわりスカーフ+しおふきの強力なコンボを使用。ラティオスは当然のごとくこころのしずく持ちとなっている。
    • それらと互角に戦える伝説のポケモンが手に入らない「DS版と連動プレイをしていないプレイヤー」は猛烈なハンディキャップを背負った状態でこれらの相手をしなければならない。
      • しかも「DS版と連動プレイをしていないプレイヤー」対するミステリオの手持ちには前述のスカーフカイオーガだけでなく、性能の相反するグラードンまでもが加わる。カイオーガとグラードンのどちらが出るかはランダムなため、仮にカイオーガの対策は万全でもグラードンの方を出されてしまい負けてしまう事態も起こりうる。
    • 本作のみでプレイすると使用できるポケモンはわざなどを自由に調整することもできず、手持ちの調整すら難しい。本家で育てたポケモンを使う方が自由度が高いのは仕方ない事だが、それにしてもこの条件は少し過酷すぎる。
      • 一応、「みきり」で攻撃を凌ぎつつ特性「かそく」によって素早さを上げてから「さいみんじゅつ」を放てるメガヤンマ、「コメットパンチ」「しねんのずつき」が揃っている上運が良ければ「だいばくはつ」まで覚えていることのあるメタグロス、こだわりスカーフによってカイオーガよりも高い素早さを発揮しつつ「ギガインパクト」で攻撃できるケッキングなど、レンタルポケモンの中にも非常に優秀な性能を持ったポケモンは存在している。
    • 一方で「レベル30オープン」というルールが枷になり、レベル50を超過して進化するカイリューとバンギラスは手に入れることができない。特にバンギラスはラティオス、ラティアス、アグノム、クレセリアなどのエスパータイプを持つ伝説のポケモンの大半に強いため非常に痛い点となる。
    • 反面、レンタルポケモンの中にバンギラスに代われるような強力な性能をした悪タイプのポケモンが全く存在しない。
      • 優秀な悪タイプの代表格であるマニューラは時折習得していることのある「しっぺがえし」を除けば悪タイプの技が「だましうち」しか無く、「れいとうパンチ」「こおりのつぶて」「ねこだまし」のような汎用性の高い技も習得していない。特攻の高さで優秀なヘルガーはステータスと噛み合わない物理型しかおらず、「ふいうち」を使用可能な悪タイプは1匹も存在していなかったりと弱めに調整された傾向にある。まともに戦うことができるのはダーテングとドラピオンくらい。
  • 本作のみでこのゲームをクリアすることは非常に困難
    • ゲーム開始時にレンタルパスという予め用意されたポケモンPTを2種類を貸して貰えるのだが、どれも中間進化系ばかりで強敵と戦うには厳しいメンツ。
      • リンのパスはリザード以外は扱いやすいポケモンが揃っており、腕と根気があればこのパスだけでエンディングを迎えることも出来なくはない。とはいえ縛りプレイの域の難易度となるが。
    • ゲームを進めると途中で新たなレンタルパスを入手できるようになるが、正式に自分のものとするためにはゲートコロシアムのレンタルバトルを1周クリアする必要があり手間が掛かる。
      • クリア後のトレードバトルではより強力なポケモンを補充出来るようになるが、入手出来るポケモンは性格が完全ランダム、持ち物は特定の1〜4枠内からランダムで抜擢、ごく一部を除き*2、4番目の技は個体ごとに変動と運要素が非常に強く、一般的なユーザーにはとても手出しできるようなものではない。しかもレンタルパスは6枚しか貰えないので36匹までしかレンタルポケモンを確保できず、的確に取捨選択していかないとすぐに枠が足りなくなってしまう。
      • 一応「エメラルド」にも登場していたバトルファクトリーと類似したルールとなっているため、そちらが好きなユーザーにはそれほど苦にはならない…かもしれない。またバトルファクトリーとは異なり交換時には能力や技などを全て確認可能なため、いわゆる地雷型を掴まされる心配は無い。
    • 過去作は本家を持ってなくても遊べたが、このソフトでゲームクリアを目指すにはDS版で育てたポケモンがいないと選択肢が非常に狭く遊びづらくなっている。
      • 『スタジアム』シリーズでは伝説・幻のポケモンを除くほぼ全種類のポケモンをレンタルポケモンとして扱え、編成も自由なため不便な点が目立つ。
      • 一方で『ポケモンスタジアム金銀』と異なり進化系であっても高い能力や強力な技をしっかり備えているため、使うポケモンを見極めれば本作だけでもクリアは充分に可能となっている。
    • 『コロシアム』シリーズもレンタルポケモンは無いが、ストーリーで手に入るポケモンを育てて使える。
      • ただし選択肢が豊富で相手ポケモンも常識的な範囲の強さに収まる『XD』はともかく、『コロシアム』で手に入るポケモンだけではグラードン、カイオーガ、ラティオスなどの強豪を押し除けられるようなポケモンは手に入らないため、『コロシアム』のみでの対戦モードの制覇は本作とは比にならない程難しいのだが。
  • クリア後のサニーパークコロシアム攻略にDS版が必須
    • 上述通り本作だけでもクリア自体は可能にはなっているものの、クリア後のサニーパークコロシアムだけは「レベル5以下のポケモン」を用意する必要があるため、本作だけでは挑戦することができない。
      • レンタルできるポケモンは全てレベル50のものだけであり、レベル5以下のポケモンはレンタルすることができない。
  • 色違いのコスチュームの獲得難易度が理不尽すぎる
    • エンディング後に各コロシアムで解禁される「レベル50フラットルール」の初回セットクリア時に「ボストレーナーが着ていた、ポケモンをモチーフにした衣装」が手に入る。この時、ボストレーナーがごく稀に色違い版の衣装を着ている事があり、この時に倒せばその色違い衣装を手に入ることがある。
    • しかし、一度通常版の衣装を手に入れてしまったセーブデータでは色違いの衣装は入手不可能。実質的に収集要素として機能していない。しかも色違いの衣装厳選を始める場合、色違いの衣装を獲得するまでステージを未クリアの状態でリセットする必要があるため、レベル50フラットルールが実質的に遊べなくなってしまう。
      • おまけに色違い衣装の存在と入手条件の注意事項は攻略本にしか記載されていなかった。そのため、何も知らないプレイヤーは色違いコスチュームの存在にすら気づかないまま入手機会を逃す羽目になってしまった。
    • 正確な出現確率は不明。しかし、一説には本家ポケモンの色違い出現確率と同じ1/8192と言われる程の低確率であるため、数千回単位で試行回数を稼がないとまず出てこないような代物であることに違いはない。
      • その上、どのコロシアムもボストレーナーに会うまでに6戦程度戦う必要があるため、ゲームの進行テンポが悪いこのゲームではとにかく時間がかかる。コンティニューが続く限りボストレーナーの前でわざと降参し続けて試行回数を稼ぐこともできるが、焼け石に水である。
    • 色違い衣装の種類は6種類(カイオーガ、グラードン、ルカリオ、ロズレイド、エレキブル、パチリス)とかなり多い。1つ1つが本編の色違いポケモン厳選の数倍は時間と労力を要する衣装厳選作業を6回も達成なければコンプリートには至らないというのは最早狂気の沙汰と言う他ない
      • 特に、ルカリオとロズレイドの衣装が手に入るコロシアムはそれぞれランダム配布されるNPCからのレンタルポケモン群しか使えないルール、敵味方の手持ちがルーレットでシャッフルされるルールであり、自前の強いポケモンでゴリ押しできない(しにくい)仕様のせいで攻略難易度自体が高い鬼門である。その上、いずれも周回プレイの基本となるパターン化した動きだけの攻略がほぼ不可能なため周回し辛く、6つの衣装の中でもぶっちぎりで入手難易度が高い。
    • これらの衣装の収集(厳選)難易度の高さは間違いなく歴代ポケモンシリーズ史上最高クラス。ポケモンコロシアムの伝説のポケモン達や、XDの特別なわざを覚えたポケモン達のように対戦環境に直接的な影響がないのは不幸中の幸いだが、本編ほど多くないこのゲームのプレイヤー数に対してあまりにも理不尽な仕様と確率だったことは否めない。

対人戦の問題点

  • 「アンテナ」と呼ばれる仕様。
    • Wi-Fi対戦時、どちらかが行動を決めたかどうかは画面内に表示されるアンテナの有無で確かめられる。つまり、相手が短時間で選択したら深く考えず即断即決した可能性が高い、などの推察が可能になってしまう。
    • またプレイヤーが手持ちを確認するとカメラがかなり引く画面演出があるのだが、どういう事かこのカメラが相手と同期してしまっているため、カメラが引いた時点でアンテナが消えれば相手が交換した事が確定し、当然こちらが交換すれば同様にバレる。
    • いずれも対戦において重要な読みあいの要素に水を差す欠陥点となってしまっている。
  • 事前にアナウンスはあったが4人対戦に対応していないため、マルチバトルができない。
  • 対人戦に限ったことではないが、「とんぼがえり」を使用した後に自分の手持ち画面に切り替わってしまい相手の体力がどの程度残っているのかが分かりづらい。
    • 本編でも『ソード・シールド』以降生じてしまっているものの、攻撃時のHPバーが見辛く、体力の割合ごとに区切られた色の変化にも乏しいため尚のこと判断が難しくなっている。

総評

1人プレイ用としては不備点が多々ありオススメできる出来ではないが、当時としては初かつ唯一のランダム対戦可能という点に重要な価値があった。
そもそも『ポケモン』はゲームの特徴上、相手に技構成などが知られていない状態での対戦が前提となるため、不特定多数と気軽に多くのバトルをこなせるランダムマッチの需要は非常に高く、それに答えた形となった。
もっとも対戦ツールとしては伝説・幻だらけのパーティともマッチングするなど住み分けができていない発展途上の面が否めないものの、本作がポケモン対戦のメジャー化に貢献した度合いはかなりのものがある。


余談

  • テレビ番組『ポケモンサンデー』では番組内のバトル企画で使用されたものの、『Pt』発売後は仕様上の都合からか使用されなくなった。
  • 公式ガイドはどういう訳か、ポケモンのイラスト集とでも言うべき内容になってしまっている。
  • 本作の発売時期にはニコニコ動画やYouTubeといった動画サービスが全盛期を迎えており、このソフトを用いて多くの対戦動画がアップロードされた。
    • その中にはかなりの好評を博した動画も存在しており、インターネット上におけるポケモン対戦の人気・知名度向上に多大な貢献を果たしたと評価できるだろう。
  • 本作で実況を担当した堀内賢雄氏はその後アニメにて二代目オーキド博士役を担当することとなった。
  • 本作のデモムービーが公開されたが、そのグラフィックは製品版を大幅に上回るクオリティである*3
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最終更新:2023年12月24日 21:03

*1 そもそも個体値の関係で実際には「同速」ですら無い場合が大半となる

*2 ダブルバトルのエレキブルは4番目の技も含めて技構成が固定されているなど、例外もある

*3 前述の通り製品版のグラフィックも水準以上の出来であるが。