真・北斗無双

【しんほくとむそう】

ジャンル アクション




対応機種 プレイステーション3
Xbox 360
Wii U
メディア PS3 BD-ROM 1枚
360 DVD-ROM 1枚
WiiU 専用12cm光ディスク 1枚
発売・開発元 コーエーテクモゲームス
発売日 PS3/360 2012年12月20日
WiiU 2013年1月31日
定価(税別) 通常版 7,800円
PS3/WiiU DL版 6,762円
360 DL版 6,858円
特別版 TREASURE BOX(PS3/360限定版)
12,800円
LEGEND EDITION(PS3本体同梱版)
31,591円
プレイ人数 オフライン 1~2人
オンライン 2~8人
通信機能 共通 ダウンロードコンテンツ(DLC)配信
オンラインマルチプレイ
PS3 Playstation Network対応
360 Xbox LIVE対応
WiiU ニンテンドーネットワーク対応
レーティング CERO:D(17才以上対象)
コンテンツアイコン 暴力
判定 なし
ポイント 『北斗の拳』30周年記念作品
徹底的かつ丁寧な伝説編の原作再現
所々に挟まれる良質なオリジナル展開
アクション面も大幅に改善
多くのプレイヤーを苦しめた無双闘舞の撤廃
リアルラックのウェイトが大きすぎる成長システム
長所もあるがそれ以上に問題が多い幻闘編
相変わらずぼったくりなDLC
無双シリーズ
北斗の拳シリーズ

概要

『週刊少年ジャンプ』で連載、アニメ化もされ、今もなお絶大な人気を誇る『北斗の拳』の30周年記念による、無双シリーズとのコラボレーション作品。

前作『北斗無双』は、ボリュームの薄さや動きのもっさり感(主に操作することになるケンシロウなどに特に見られる)、さらにはボスを倒すために強制されるやたら難易度の高いクイックタイムイベント(QTE)・「 無双闘舞 (むそうとうぶ)」などの要因から、多くのユーザーの期待を裏切る結果となってしまっていた。

※本項内でボタン操作に触れる場合はPS3版準拠で記載するので悪しからず。


特徴

  • 原作の追体験が出来る「伝説編」はラオウ編までだった前作から、本作では天帝編・修羅の国編はもちろんのこと、原作における最後のエピソードであるバット・リン編までカバーされる。
    • ラオウ編まででも、前作では丸々カットされたGOLAN編やジャッカル編も収録されている。
    • ただし、修羅の国編とバット・リン編の間に挟まれていた、ラオウの実子・リュウにまつわるストーリーであるリュウ編のみが収録されなかった。
  • 前作では完全オリジナルのIFストーリーだった「幻闘編」は本作では原作者監修の元、原作ストーリー上では描かれなかった物語の裏側が描かれる。

評価点

アクション面の強化

  • 特にケンシロウは前作では頻繁に操作することになるにもかかわらず、動作が鈍重で後述の中ボスに対する手段も乏しいため、ストレスが溜まるといった不満意見が強かったが、本作では動きが軽快になり、さらにはアクションそのものも強化されているため、非常に扱いやすくなった。
  • 前作では大量に登場して多くのプレイヤーをうんざりさせた、アーマー・拳法殺しの特性を持った中ボスも姿こそ流用されているが、前述の特性は撤廃されているので、普通にダメージを与えられる。
    • 同じくプレイヤーをうんざりさせたトゲ付鎧を装備している中ボスは特性もそのままに登場するが、主に戦うことになるケンシロウの強攻撃4に中射程の闘気弾が付与されたことなどにより、間合いをとってダメージを与えることができるようになった。
      • またトゲ付鎧の中ボスに殴りかかっても、ダメージは受けるが前作とは違って怯まなくなった。とはいえ、それ故に気が付くと大ダメージを受けていることも多々あるので過信は禁物。
  • 本作では×ボタンはその場で回避して敵の攻撃を躱すアクションとなっており、ジャンプが出来ない*1
    • 敵の攻撃を躱した後に□ボタンを押すことでカウンター攻撃を繰り出せる。
    • 回避は一部の攻撃をキャンセルして行える。またタイミングはシビアではないが、回避成功時には伝承奥義に用いる闘気ゲージを一定量消費する。
    • しかし、回避隙をフォローできるカウンター攻撃がある上、攻撃時の闘気ゲージ増加量がボスとの一騎打ちでも十分大きい物になっている*2ため、敵の攻撃を回避する手段は豊富になっている。
  • 移動しながら×ボタンで短距離のダッシュ移動を行う。連続して行える上、速度も速いのでとっさの離脱手段としても優秀*3
    • 通常移動だと一定距離を走らないと繰り出せないダッシュ攻撃も×ボタン移動+□ボタンで繰り出せる。ダッシュ攻撃は敵のガードを崩せるため強敵との戦いで重宝する。
  • 伝承奥義も前作ではあらかじめセットした4つしか使えなかったが、本作では修得している伝承奥義を全て戦闘中に切り替えて、使い分けることができるようになっている。
    • また、伝承奥義名と合わせて攻撃範囲の目安も表示されるので、それを見ながら選ぶことができる。
    • 闘気覚醒の扱いは前作と異なる。前作ではキャラクターを一定時間大幅強化すると同時に、より強力な奥義である「真・伝承奥義」発動のための準備アクション(『真・三國無双4』及び『7』での無双覚醒状態)だったが、本作では闘気ゲージが1つ以上溜まっているときに自動発動する強化効果となっている。
      • この仕様変更に伴って、前作で真・伝承奥義となっていた技*4も通常の伝承奥義扱いとなっている。
      • 十字キーの左右で順に選んでいく形になるので、前述の真・伝承奥義の伝承奥義化も手伝って、技が増えてくると選ぶのがやや煩わしく感じられるかも知れない。
      • 空いている上下に奥義をセットすることはできないため、最大で10個もの奥義を使うケンシロウは特に切り替えが煩わしい。
  • 男性キャラがダメージを受けすぎると衣装が敗れてしまうシステムが撤廃された(傷が増えたりはする)。
    • これにより、ムービーシーンなどで服は破け傷だらけのぼろぼろな無様な姿をさらしてしまい、雰囲気が台無しになることがなくなった。
      • ただし、女性キャラのマミヤと大人リンはしっかり服が破ける。

無双闘舞の撤廃

  • 前作伝説編ではボスの体力を削りきっただけでは撃破出来ず、そこからQTEである無双闘舞に移行し、これを成功させて初めて撃破となっていた。
    • しかし、これが全体的に難易度が高めとなっており、特にプレイ2回目以降になるシナリオの場合、条件次第では余程のことがなければ無理と言いたくなる程の操作を要求される上、失敗するとボスの体力が大幅に回復してしまう。
      • 無双闘舞中もプレイヤーキャラクターがボスに攻撃を仕掛けているシーンが流れるのだが、要求されるボタン入力の難易度が高いため、とてもそちらを見ている余裕などなく、QTEの目的の一部でありそれ故に出来うる「アクションを見せる(魅せる)」という部分がごっそり抜け落ちた、もはやプレイヤーに対する嫌がらせとしてしか機能していないものであった。
  • 本作ではQTE自体はあるが、基本的に時間制限が無く、画面に表示されたボタン以外の判定もない。つまり、基本的に失敗することはない。
    • 戦闘中に発生するものの場合は時間制限だけあるものの、成功すると「原作再現のシーンが挿入され、敵に大ダメージを与える or 敵からの攻撃を回避しダメージを受けない」というものである。お手つきはなく「回避QTEで時間切れになると少しだけダメージを受ける」程度に留まっている。
    • 近年のQTEがあるゲームで頻発し問題となる「クリアできて当然(なのでメリット無し)、失敗したら即死」というものではない。
    • ただしスティックを回すことを要求されるものの場合、回す方向までしっかり指示されていたりする。これに気づけないといつまでたってもシーンが進まないことも…。
    • 戦闘外でのイベントムービーに存在するQTEは、スキップしたりギャラリーで見返せるものがある。

ボリュームの大幅な増加

  • 前作が少なすぎたともいえるが、本作ではプレイアブルキャラクターが大幅に増加している。
    • 前作では登場していたものの、COM専用で使用できなかったシュウやジュウザ、フドウなどはもちろんのこと、修羅の国編のシャチ、ヒョウ、カイオウ、天帝編のアインなども条件を満たせばプレイアブルキャラクターとなる。
      • 伝衝裂波によって遠距離から手数で圧倒できるユダ・変幻自在の我流拳で文字通り多彩な攻撃を繰り出せるジュウザ・闘気ゲージを消費して強攻撃の性能を変化でき、専用の元斗やられ効果を与えるファルコ・体から魔闘気を発しているという設定を「闘気ゲージが徐々に自動回復する」という形で再現したカイオウなど、個性溢れるキャラクターが揃っている。
      • ちなみにさらにDLCでアミバ、ハン、名も無き修羅が販売されている。しかし…。
  • 伝説編では前述の通り、リュウ編を除いた原作の冒頭から最終章までをプレイ出来る。
    • 前作ではナレーションで語られるだけでカットされていたシーンもしっかり作られている。なお、ナレーション自体はあるが、ラオウ編と天帝編の冒頭に少しあるくらいである。
    • 聖帝十字陵崩壊やラオウ昇天などの名シーンには美麗なプリレンダリングムービーが用意されている。
    • これまでゲーム作品では無視されることが多かったGOLAN編や、南斗五車星全員の登場など、メイン部分の再現はほぼ完璧。
    • 特に最終回周辺のみとはいえ修羅の国終了後の原作の話は『北斗の拳』40年の歴史(2024年現在)において唯一の声付きでの描写になっており非常に貴重である。
    • ただし容量の都合なのか、シンの部下であるダイヤ・クラブ*5やユダの部下であるダガール・コマク*6などの一部の名有りのサブキャラクターはモブキャラクターに置き換えられてしまっている。
      • カーネルやアルフ、カイゼルといった本作で追加されたNPCは各自固有技はあるものの、同じ汎用モーションで統一されたコンパチキャラクター*7
    • 人物は置き換わっているが、「あ、新記録……」や「痛いか?助かりたいか?駄目だな」「あるのかないのかどっちなんだ」など、原作の名(迷)台詞もほとんど網羅、しっかり聞ける。
    • ただし、基本的にアレンジを施さず原作を丁寧になぞっているので、天帝編以降から特に顕著になっていく後付けによる矛盾*8もそのまま再現してしまっている。最後の敵・ボルゲの存在*9も。
      • ただし、トキの「私はここで生まれ育った」発言はカットされている。
      • なお、一部でオリジナル展開も見せてはいるが、特に原作のイメージを壊すような内容にはなっていない。最終章でリュウのエピソードに入れ替わって追加されたオリジナル展開はそれなりに好評。
    • 以上の点から、本作の伝説編をプレイすれば『北斗の拳』という作品全体の流れは9割ほど理解出来ると言っていい。それほどまでに高い再現度となっている。
    • ムービーにモデル選択が反映されるようになっている。もちろん基本設定は原作コスチュームで原作シーン再現を徹底しているが、素顔ジャギやバスタオルマミヤを選んでシュールな光景を楽しんだりも出来る。
  • 幻闘編の評判は後述のように基本的に良くないものの、賛否両論だった「極悪ノ華*10」と違い、当て馬という設定*11を残しながら堕ちる過程を書いたジャギシナリオなど一部は評価されている*12
    • 批判意見が多いサウザーシナリオなども原作の謎や矛盾*13に踏み込んでいるなど、その評価に関して一概に断言することはできない。
      • 原作では描かれなかった本編開始前などのシナリオを描く関係で、「素顔のジャギ」や「目が見える頃のシュウ」などが使用できる。

賛否両論点

キャラクターボイス

  • これは前作からの部分であり、本作はあくまで「原作漫画」を土台とし、キャスティングも原作者が関わって選定している。
    • しかし、テレビアニメやアーケードで稼働していた『北斗の拳』の印象がとても強いこともあり、やはり本作のキャスティングに対しても賛否両論巻き起こっている。
      • これまた前作からの部分だが、他の無双シリーズで演じている声優陣が多く出演しているため、「どう聞いても○○無双の××(武将名)の声にしか聞こえない」といったベクトルでの不満も聞かれる。
      • 少なくとも、本作でアインを演じた中井和哉氏やカイオウを演じた石塚運昇氏は、本作の中では高評価寄りである。
    • 前作の記事でも述べられているが、本作発売時点でテレビアニメの名有りキャラの声優陣は軒並み高齢であり、また発売時点で逝去されている方も多い*14。よって現在では代役を立てないことには困難な状況になっている。
      • ましてや本作のように、漫画版のほとんど≒テレビアニメ版ほぼ全編の長さを網羅しているとなるとなおさらである。代役や世代交代などについては前作の存在もありベクトルは様々だが、前作発売時に比べれば受け入れるとする声も強くなっている。

ネタ的な部分

  • 前作では一部の伝承奥義にふざけすぎなどの意見が挙がっていたこと、加えてプレイアブルキャラクターの増加というのも手伝って、前作登場キャラクターは軒並み伝承奥義が一部削除されている*15
    • 中でも、眼前に黒王号を呼び寄せ、着地の衝撃で周辺の敵を吹っ飛ばすことが出来るラオウの伝承奥義「 黒天殺 (こくてんさつ)」の削除はネタ的な意味*16でガッカリするプレイヤーも少なくないようだ。
      • また、ネタ的なものだけでなく、実戦的な部分でもラオウはその体躯ゆえ、乗るとバイクが壊れてしまうから俺が体を預けるのは黒王号のみ」いう拘りのためか、本作でもバイクに乗ることができない。
      • しかし、ただでさえラオウは移動速度が遅いため、黒王号を呼び、技後はそのまま乗って移動にも使える黒天殺の削除はラオウの鈍足をさらに引き立ててしまっている。
      • とはいえ、ラオウは攻撃アクションが元々かなり強力なキャラクターとなっており、バランスを考えると削除も仕方ないという意見も。
    • ジャギは南斗邪狼撃が削除されているが、伝説編で戦うジャギは原作再現のためかCOM専用技として使用する。原作同様の突進技となっており前作の性能ではないが。
    • また2011年に発生した福島第一原子力発電所事故を受けての世情に配慮してか、真・伝承奥義の「核の炎」も削除。同様の理由と思われるもので、冒頭ナレーションの「核の炎に包まれた」も「最終戦争の業火に包まれた」に変更されている。
      • ジャギの「核の炎」という技は『北斗無双』のオリジナルであるため、世情に配慮しての削除もまだ理解できるものであった。
      • だが、冒頭のフレーズに関しては、元々本作は原作ありきの作品であるため、どのような理由であったとしても、やはり元の作品のフレーズに手を加えたことに対する批判意見は強かった。
      • だが、2015年に放映されたアニメ作品『北斗の拳 イチゴ味』でも同様に冒頭のフレーズが「最終戦争の炎に包まれた」となっている。
      • そのため、もはや原作の「核」というフレーズをそのまま使うのはたとえ公式であっても様々な要因から難しくなり、変更は避けては通れないものになってしまっているようだ。
  • 前作では、伝承奥義のあとに決めポーズ(もしくは技のフィニッシュモーション)と共にカメラアングルが3回切り替わったあとで技名の表示と共にシャウトする演出があった*17
    • 前作無印では無条件で発生してしまっており、技を外してしまった時でも発生するため、攻撃を外した時にやられても格好が付かず、おまけにテンポも悪くなるという批判も多く、それを受けてインターナショナル版ではクリーンヒットさせた時にのみ発生するようになり、演出としても格好良いものとなっていた。
    • テンポ面での批判があったのか、本作では奥義後のこの演出が削除され、結果として快適にプレイ出来るという意見も出ているが、演出的には地味になったことから削除を惜しむ意見もある。
  • 前作と異なり、キャラクターが大幅に増えたためか、ステージクリア時の各キャラクターの勝利デモが削除されている。
    • 伝説編ではシナリオの流れをぶった切る事もあって、前作でもあまり評判は良くなかったため削除は妥当と言える。しかし幻闘編限定で残して欲しかったという声も少なくない*18
  • キャラクター性能の公平化を優先したからか、マミヤやリンが普通に鉄柱やドラム缶をブン投げられるようになっている。
    • この点は「いくらなんでも不自然」「システム的に仕方ない」と賛否両論。
      • 「そもそも(彼女たちが)原作の強敵たちと真っ向から渡り合えること自体が不自然なのに、今更気にすることもないだろう」という意見も*19
  • 「北斗七星の形に石柱を置く事で伝承者の動きを封じる」という北斗琉拳の奥義「北斗逆死葬」は「ケンシロウの動きに合わせて石柱が頭上から落下してくる」というアレンジが施されたことで一躍ネタ技となってしまい、その扱いに賛否ある。
    • ただし完全再現をしようとなると、このシーンはどうやってもムービーに頼ることになってしまう点は留意するべきである*20
  • カサンドラの衛士フウガ・ライガの拳法「二神風雷拳」は原作ではお互いの指の間に張ったワイヤーで切り裂くという描写しかなかったためか、だだっ広い戦闘フィールドの端に2人が陣取り、アクションゲームのワイヤートラップの如くワイヤーを張った二人が端から端まで走るというかなりシュールなものとなっている。

問題点

成長システム

  • 前作では戦闘中に貯めたスキルポイントを消費して、キャラクターごとの「 経絡究明図 (けいらくきゅうめいず)」というスキルツリーに則って技能や伝承奥義を獲得したり、能力を成長させるという仕組みだった成長システムが変更された。
    • 本作では基本的にレベル制をとっており、体力・闘気・攻撃・防御・技量の5つのステータスそれぞれの経験値が規定量に達するとレベルアップするという形になっており、その上限は50(&経絡図による+50)である。
      • レベルが上がるとその上がったステータスに応じてボーナス効果を得ることが出来る*21
  • 上のは面倒に感じることこそあれ、さしたる問題はない。しかしこれを補助するシステムである「 経絡図 (けいらくず)」には批判意見が多い。
  • 経絡図にはそれぞれレベルが設定されている他、そこには最大3つのステータスが記されており、装着すると経絡図に記載されたステータスがその経絡図のレベル分上昇する。
    • 経絡図は上から5つ付けることが出来、縦方向に同じステータスを連続させると「連結」が発生し更にステータスが上昇、連結させた数に応じて技能が付与される。
      • その他、経絡図にも技能が付与されていることがあり、最終的には経絡図に記された技能、連結によるボーナス技能、更に経絡図のレベルと記されたステータスに応じた能力強化という形で上記の成長システムの補助を担っている。
+ 経絡図イメージ。クリックで展開
- - Lv.2
- Lv.3
Lv.2
- Lv.1
Lv.1

上のような状態で経絡図が組まれていたとする。

まず、連結を考えずにレベルの上昇を見ると体力は3+1で4レベル、闘気は3+2で5レベル、攻撃は2+1で3レベル、防御は2+1+1で4レベル、技能は2+1で3レベル上がる。
更に防御は3連結、技能は2連結が起こっており、これらのステータスにはさらにボーナスが入る。
加算されるボーナスは連結数×3レベルなので、防御は3連結×3で9レベルさらに上がり、技能は2連結×3で6レベル上がるので、最終的には体力は4レベル、闘気は5レベル、攻撃は3レベル、防御は13レベル、技能は9レベル上がる組み合わせとなる。

なお、体力と攻撃力は位置は同じであるものの、連続していないので連結は発生しない。
また、連続して闘気の上がる経絡図を組まれているが、位置が違うため、こちらも連結にならない。

この状態から、実際には技能として3連結と2連結のボーナス技能が獲得出来、説明の上でややこしくなるので省いたが、これらの経絡図に技能が設定されていた場合は、その技能も獲得出来る。
もちろん、連結が崩れたり、技能がある経絡図を外してしまうと対象の技能は失われてしまう。

  • このシステムの一番の問題は上質な経絡図を入手出来るかが完全に運次第であること。
    • 一応、キャラクターのレベルが上がれば相対的に上質な経絡図は手に入りやすくなるのだが、上がるステータスやその位置などを書き換える手段は全く無い。
      • 従って、運が良ければ2・3・4・5連結を一度に発生させる「究極連結」も容易に起こせるが、運が悪いとそれを発生させられず、加えて究極連結自体は発生させることができても、付与される技能も上がるステータスもランダムなため、自分の望み通りの組み合わせにできるかはまた別問題である。
      • そのため、究極連結を自分の望み通りのステータスと付与される技能の組み合わせで発生させるのは、相当にリアルラックの強さを要求されることになる。
      • 前作の経絡究明図はプレイヤーに成長の自由があったが、こちらにはそれもなく、ただひたすら運を頼みに経絡図の収集に走るしかない。比率が成長と経絡図で1:1なのがまたタチが悪い。
  • また、この経絡図自体の持てる数が少なく、1人当たり装着出来る5枚の他に別途16枚しか持たせることが出来ない。
    • 経絡図自体が慣れると一度に4~5枚は簡単に獲得できてしまうと言えば、これがどれだけ少ないかはお解り頂けるだろう。
      • さらに、経絡図は獲得したキャラクターの専有となり、他のキャラクターにはそのままでは共有出来ない*22
  • いらなくなった経絡図を女人像に「奉納」する事で手持ちの枚数を減らせ、かつ他のキャラクターへ「伝授」することで、その経絡図を渡すことができるが、その女人像に奉納出来る枚数も1人のキャラクターに持たせることが出来る枚数と大差が無く、待避所として使うには少ないため、否応なしに手に入れた経絡図を捨てまくるハメになってしまう。
    • また、伝授で入手した経絡図は再度奉納することができないため、上質な経絡図を奉納して他のキャラクター全てで使い回すことはできない。
      • 女人像に大量の経絡図を奉納出来るようにして、かつ一度伝授した経絡図を再度奉納できるようにするか、あるいは奉納と伝授の仕組みはそのままでも、1人当たりの持てる枚数を大幅に増やして組み合わせの選択肢を増やせるようにするか…どちらにしても、現状の仕様では完全に制約がゲーム性の向上ではなく、プレイヤーをいたずらに縛りつけるだけの要素にしかなっていない。
    • 前述したように、レベルが上がっていくことで相対的に上質な経絡図を入手出来るようになるので、各ステータスを最大レベルまで上げたキャラクターで幻闘編のステージなどをクリアして経絡図を集めて奉納し、それ以外のキャラクターにその経絡図を伝授することで序盤から優位に戦いを進めるという手段もあるにはある。
      • あるいはそれを想定しての現状の仕様なのかも知れないが、どう考えてもただの作業以外の何物でもないと言わざるを得ないだろう。
  • 上の欠点に比べれば些末なことであるが、連結が起こっていると経絡図を付け替えたり外したりなど、経絡図を動かす度にいちいち「○連結!」と発生している連結分表示されるため、鬱陶しいという意見もあったりする。
    • 一応、この表示がされている間も操作できるだけマシと言えばマシだが、さすがに経絡図を外したときまで表示する必要は無かったのではないか。

幻闘編

  • レビューサイトなどでは十中八九と言っても良いほどに否定的に言及される。
    • 前作の完全オリジナルのIFストーリーではなく、あくまで原作のストーリーの裏側を描くものとなっているため、ゲームだからこそのお祭り的なノリがない。
      • 原作再現で伝説編があり、せっかくプレイアブルキャラクター含めてキャラクターが大幅に増加したからこそ、完全オリジナルのifストーリーにして欲しかったという内容の意見も少なくない。
  • それ以上に批判意見が集まっているのが、幻闘編の戦闘ルール。
    • マップ上に拠点が点在しており、その拠点を制圧するごとにランクが判定*23され、拠点ごとに設定されているレベルおよびその拠点でのランクに応じたポイントを獲得、そのトータルポイントでクリア時のランクを判定*24し、それに応じて経絡図を獲得出来るという仕組みになっている。
      • 拠点の制圧は拠点ごとに50人ほどの雑魚を撃破し制圧、もしくは雑魚を撃破したあとで出現する守備隊長を撃破して制圧するというもの。
    • 問題はプレイヤーサイドが拠点を5つ制圧すると、残された敵の拠点も勝手に全て制圧したことになり、強制的にステージボスとの戦闘になってしまうという点。
      • おまけに、基本的に敵は一部の名有りキャラクター以外は拠点の外へ出ないため、結果として300~400人も撃破出来れば御の字という無双シリーズらしからぬ仕様になっている*25
      • また、ステージによって登場することもある仲間や制圧した拠点から出撃する味方部隊が、近くの拠点を(そこまでの猛スピードではないが)勝手に制圧してしまうこともあるため、更に撃破数が減ってしまうこともある。
      • 前述の通り、拠点外には雑魚敵がいないため、拠点間の移動中は誰もいない荒野をただひたすら走り続けるというつまらない絵面になってしまう。
    • 拠点のレベルが高い方が制圧時の獲得ポイントは高くなるため、高ランクでのクリアを狙うためには高いレベルの拠点を高いランクで制圧する必要があるが、大抵がよりにもよってステージの奥の方にあるため、まずはそこまでひたすら走り続ける必要がある。
      • さらに、拠点を制圧するとその拠点に隣接した拠点も弱体化してレベルが下がってしまい、それに合わせて制圧したときの獲得ポイントも下がる。
      • 従って、その拠点に向かう道中にある拠点を潰しながら進むと、大抵の場合は目当ての拠点のレベルも下がってしまうため、開始直後にがむしゃらに高レベル拠点に突き進む必要がある。
      • 前述した仲間や味方部隊が拠点を制圧した際も、当然プレイヤーサイドの拠点制圧数に1つカウントされてしまう上、高ランクを狙わずにただ敵を撃破するだけなので、味方が勝手に拠点を低ランクで落としてしまったせいでトータルポイントが低くなってしまうことも起こりうる。
    • さらに、ステージも一部に例外もあるが、どのようなステージの背景(ストーリー)であろうともほとんどが拠点を5つ制圧してボスと戦うという流れになってしまっており、プレイヤーが受ける作業感が尋常ではない。
    • モブが喋ることはほとんどなく、ほぼ無言の敵をただ倒すだけで虚しさがかなりひきたつ。
      • 加えて、操作キャラクターは違えど、シナリオは全く同じというステージも目立つため、作業感が更に増大してしまう。
    • つまるところストーリーで敵の場所に攻める。もしくは守るという展開でもゲームでは各地に点在してその場から動かない拠点を5つ潰すだけの意味不明な戦いになっている。
    • 前作もしくは他シリーズと同様味方敵がそれぞれ攻めあって戦う形式はできたはずである。何故このような方式にしたのかがわからない。
  • 原作者監修というシナリオも一部からは前後関係や原作ストーリーとの繋がりが無茶苦茶と指摘する意見や、単独で見ても展開がぶっ飛びすぎて訳が解らないといった意見が出ている。
    • 大人のバットとリンがラオウ編へタイムスリップする北斗の軍、第二話以降瞑想で部屋に篭り続け外に一歩も出ないままほぼ過去の回想で終わるファルコなどが挙げられる。
      • 元々『北斗の拳』が連載誌の編集部の意向に振り回された影響で矛盾にまみれた作品となってしまっているとは言え、ここまでのぶっ飛びっぷりはあまりにも凄まじい。

ステルスが激しい

  • PS3版の場合、処理落ちは一部の処理が重くなるような状況でもなければほとんど起こらないのだが、その代わりにステルス*26がかなり激しくなっている。
    • 伝説編では基本的に各場面で規定の数の雑魚を撃破すると先に進めるようになっているのだが、残り数名でクリアという状況になると十中八九と言って良いほどにその姿がマップ上に表示されず、しばらく走り回ってようやく登場するということが頻発する。
      • ステルス状態の敵には攻撃が当たらず、こちらにも攻撃をしてくることはないのだが、NPCに対してはお構いなしで攻撃をしかけ、それが当たるため、「特定のNPCを護衛しつつ雑魚の群れを撃破する」場面の場合、最悪「ステルス状態の雑魚にNPCが撃破されて場面の評価が下がる*27」という納得のいかないことになることも珍しくない。

キャラクターボイス(演技面)

  • アニメ版と違うなどという点は割愛するが、ファルコ役の江川央生氏*28や名も無き修羅役の貞広高志氏など、本作では複数の声優が批判されている*29
    • 江川氏はベテランの声優*30なのだが、キャラクターを掴みきれなかったのか妙にボソボソ喋っており*31、貞広氏は舞台俳優が本業で、声優経験が少ないからか棒読みになってしまっている*32
      • 本編ではファルコ対名も無き修羅の場面があるため、やたらと目につきやすい。
      • アニメ版でファルコを演じた田中秀幸氏が本作ではリュウケンを演じている事も批判に拍車をかけた。
    • 江川氏はオウガイ役も兼任しているが、そちらもボソボソとした喋り方で批判されている。
      • 余談だが、江川氏はPS用ソフト『北斗の拳 世紀末救世主伝説』にジャッカル役で出演しており、そちらの演技は特に問題はない。単にファルコとオウガイが合わなかっただけなのかもしれない。

音楽面

  • 前作からの使い回しが多いことに対する不満意見が見られる。
    • 「愛をとりもどせ!!」のアレンジは前作から削除されているため、「どうせ使い回しするなら、この曲も使い回して欲しかった」といった不満意見も出ている。
      • 繰り返すが、あくまで使い回しに絡んでの批判であり、曲自体の批判はあまり見られない。本作からの追加楽曲であるカイオウのテーマ「Majin」や修羅の国編での戦闘曲「Stranger」などもおおむね好意的に受け止められている。
    • 一部で「『北斗無双(シリーズ)』の曲は『真・三國無双』シリーズっぽい」といった意見も見受けられるが、これは本作の楽曲を担当しているのが、『真・三國無双』シリーズの楽曲を担当しているメンバーであることも少なからず影響していると思われる。
      • 主に『北斗無双』シリーズの楽曲を担当している 山田玄紀 (やまだはるき)*33は『真・三國無双5』以降の同シリーズに大なり小なり関わっているため、雰囲気の近さを感じてしまうのかも知れない。

グラフィック

  • よく指摘されるものに、涙を流す描写が酷すぎるというものがある。
    • 「目の下に突然何か白い縦線が入る」という極めて雑な描写であるため、「バグかと思った」「泣いているらしい事に気付くのに数秒掛かった」という声が多い。
      • 伝説編・幻闘編共にアクションパートの合間は漫画的なコマ割りをした擬似的コミックを読み進めるような形になっているため、「漫画にありがちな涙の描写になっている」と言えば説明も付く。
      • だが、本作の場合はコマの中でもキャラクターが動きを見せたりするのに涙は漫画的になっていたり、さらにはそういったものに縛られないムービーでも涙が頬を伝う様子もなく同様な描写をされるため、全体的な違和感として映ってしまっていると思われる。
      • 前作のラオウが涙を流すシーンは目からポロポロ涙が零れており自然な描写だったのだが…。
  • 容量の増大の影響か、画質そのものも下がっていると指摘する意見も見られる。
  • また、既に述べたように一部のキャラクターがモブの流用に置き換わっているのだが、モヒカンばかりの雑魚はともかく敵以外のサブキャラクターとなるとその流用の激しさが目につく。
    • 特に登場頻度の高い老人はリンの村の長老*34のモデルと、ミスミのじいさん*35の2種類のモデルがやたら流用される。後者は名前もあるキャラクターだということもあって「量産型ミスミのじいさん」とネタにされることもある。

ぼったくりレベルのDLC

  • 前作無印で散々批判された「ぼったくり」と言う他ないDLCだが、インターナショナル版の発売と合わせてようやく適正と言える価格となった。
    • 前作無印で散々批判された以上、さすがにコーエーテクモもそれを反省しているのかと思いきや…そんなことはなかった。
  • ほとんどデータが入っているアンロック式とそう大差ない追加キャラクター1人につき762円、原作コスチュームは1人につき286円、シナリオ1つにつき96円(いずれも消費税別)と前作無印と同じ価格設定での配信である。
    • 一応、前作無印と違ってパック販売をしてはいるが、元が明らかに高すぎるため、あまり有難みを感じないのが現実である。
      • とはいえ、値段は法外だが性能はまさかの南斗聖拳主体のアミバなど、追加キャラクターは3人とも個性に溢れている。価格設定のせいで内容まで見る以前の話になってしまうという、勿体ない所でもある。
  • バンダイナムコゲームス発売の『ワンピース 海賊無双』シリーズや『ガンダム無双3』でもDLCがぼったくりレベルで、それらの作品の開発を担当しているコーエーテクモもDLCでぼったくっていると思われがちだが、コーエーテクモ製である『真・三國無双6』『真・三國無双7』『無双OROCHI2』などの無双シリーズ作品のDLCは最終的な量はとても多いが、1つあたりの価格は非常に良心的でDLCの質も良質だと評価されている。
    • だが、同社発売の本作や前作無印のDLCは一転してぼったくりレベルに値段が跳ね上がり、その割に内容も薄いという状態になってしまっている。
      • 本作の場合は版権料などの問題が発生しているが故の価格設定なのだろうと推察はできる*36のだが、ユーザーからすればそんな事情は関係ないもので、内容に対して明らかに割高な価格設定に対して反発の声が出ている。
+ DLC詳細。クリックで展開
コンテンツ PS3/WiiU Xb360
原作コスチューム
タイアップコスチューム
286円/1着
原作コスチュームパック
北斗無双操作キャラクター8名
286円
※期間限定で無料配信していた(現在は終了)。
原作コスチュームパック・ラオウ編
ユダ・シュウ・リュウガ・フドウ・ジュウザ
1,143円
原作コスチュームパック・修羅の国編
シャチ・ヒョウ・カイオウ
762円
原作コスチュームパック・天帝編
バット・リン・アイン・ファルコ
953円
追加キャラクター 762円/1キャラクター
追加キャラクターパック
アミバ・名も無き修羅・ハン
1,715円
追加シナリオ 96円/1シナリオ
追加シナリオパック
第1弾~第5弾・第6弾~第10弾
429円/1パック(5シナリオ) 381円/1パック(5シナリオ)
オンラインパス 953円
※新品ソフトを購入した場合は取説裏のコード入力で無料で入手可能。
 コード使用済の中古を購入した場合のみ、オンラインプレイに必要。

※マイクロソフトポイントは2013年秋に廃止され、それぞれの現地通貨へ変換されているため、360版はXbox.comのマーケットプレイス上で表示されている金額を表記している。
※2014年4月の消費税率引き上げに伴い、全て消費税別の表記をしている。小数点以下の扱いが異なるのか、一部税込価格に差違が生じている。

不具合・バグ

  • 本作では様々なバグや表記ミスなどの不具合が確認されている(※リンク先は本作の攻略Wikiのバグ情報ページ)が、一部はパッチによるアップデートで対応されている。
    • しかし、上記ページにある、大音量の雑音が鳴り出すバグ・女人像に奉納した経絡図が突然消滅するバグに関しては再現性が低いのか、原因が未だ不明なために手の施しようがなく、修正は成されていない。
      • 360版では異様に長時間のロードを要していたが、こちらはパッチで対応されているものの、あくまで読み込み時間の修正パッチであるため、それ以外のバグなどに関しては手付かずの状態となっている。
      • 他機種版においても、有志よりコーエーテクモへ問い合わせを行ったところ、ほとんどのバグに関して「修正などの対応予定は無い」とのこと。…メーカーとして、それでいいのだろうか…。

その他の問題点

  • ハード格差
    • 360版のみ最新のアップデートが放棄されているため、一部のバグやバランスが他機種と異なっている。
  • 伝説編のフドウVSラオウ戦、原作ではラオウが線を引いて「自分がこれより後ろに下がったら自分を殺せ」と部下に命令し、最終的にラオウが下がってしまった時に部下がラオウを助けるべくフドウを撃ちぬいて殺し、ラオウがそれに激昂して部下を殺す、と言う流れになるのだが、本作では戦闘中に部下が弓で撃ってくる上、ラオウも驚きながらもそれを止めない。
  • ゲーム本編の評価とは別だが、タイトルロゴが明らかに手抜きで見栄えが悪い。ゲームを手に取る前に確実に目につく部分なので、ここが手抜きというのは印象が悪い。
    • 「北斗無双」の部分が前作の流用なのは問題ないのだが、「真」の部分が明らかに『真・三國無双』からの流用。フォントが違いすぎるせいで凄まじく浮いている。
    • 戦国無双』や『無双OROCHI』のナンバリングはちゃんと元のタイトルロゴに合わせたフォントだったのに、なぜ本作は三國無双からの流用なのか…。
      • ちなみに、『真・ガンダム無双』もやはり「真」の部分が明らかに流用だが、こちらは「ガンダム無双」の部分も近しいフォントなので違和感は然程でもない。…徹底的に「真」の部分は使い回すつもりなのかも知れない。

総評

ボリュームがなさ過ぎると批判された前作から大幅なボリュームアップを果たし、アクション面でも大きく改善を見せたことで群がる敵を薙ぎ倒す爽快感は確かに得られるようになっている。

特に伝説編では修羅の国編までではなく、アニメですらカバーされていなかった原作最終章のバット・リン編までカバーされ、同章の実質的な初映像作品となっている。
さらに、プレイの雰囲気を盛り上げる程度の介入にとどめて難易度も抑えたQTEや、一部差違や弊害も出てはいるが、忠実に原作を再現されており、その作り込みは素直に評価に値するものである。
また、アクションも軽快にしつつも、プレイの邪魔にならない程度に技の重みも表現されており、まさしくプレイヤーはケンシロウたち拳士の戦いを追体験できると言っても過言ではない。

しかし、その評価点を無にしてしまうほどに問題だらけの幻闘編、プレイヤーの介入の余地が少なく、運がほぼ全てを支配している成長システムなどのせいで、本作を素直に良作・傑作と言えるかと問われると、かなり苦しいと言わざるを得ない。
特に幻闘編の仕様は一騎当千ならぬ「一撃当千」の文言を真っ向からぶち壊しにかかるものであると言わざるを得ず、無双シリーズらしさを自ら捨てにかかってしまっていると評されるのも無理はない。

前作の時点でこのレベルの作り込みであれば、「次作では幻闘編の改良を~」などと期待をすることもできたのだが、残念ながら本作では原作のほぼ全てをカバーしてしまっているため、現状では『北斗の拳』を題材とした続編が出る可能性も決して高いとは言えない状況である。
せっかくの作り込みも、シリーズとしての特徴やユーザーの求めるものを見誤ってしまえば、その部分さえも無になってしまう…そういう意味では本当に惜しい作品である。

とはいえ、再現度やゲームバランス面などで難ありの問題児が多く「北斗ゲー=クソゲー」とまで言われる『北斗の拳』のゲーム作品の中では、間違いなくトップレベルの再現度と出来を誇る作品ではある(比較対象が酷すぎるという部分が大きいが)。


余談

2016年3月、サミーより『ぱちんこCR真・北斗無双』としてパチンコ化。
元々サミーは原作・アニメとしての『北斗の拳』をパチンコ、パチスロで手掛けており、それとは別に『真・北斗無双』もシリーズ化されている。
コンシューマ版や初代『ぱちんこCR真・北斗無双』では神奈延年氏が演じていたサウザーだが、『パチスロ真・北斗無双』からは三宅健太氏に変更されている。また、ナレーションは本作では田中秀幸氏が担当していたが、パチンコ・パチスロでは『北斗無双』の若本規夫氏に戻されている。

価格の動向について

前作の仕上がりがあまりにも微妙であったせいか、それともメーカーもしくは小売や問屋が強気に出すぎたのか、その辺の事情は定かではないが、本作の特にPS3版と360版は早い段階からかなりの値崩れを起こしていた。
なお、1ヶ月ほど遅れて発売されたWiiU版はそれら2機種版に比べるとそこまで価格の下落は激しくなかったようである。

トロフィーおよび実績について

本作は伝説編や幻闘編をクリアしていけば、大方のトロフィーの獲得・実績の解除が出来るようになっている。
一部に稼ぎ*37や放置*38も必要になる他、ただクリアするだけでは獲得できないものもあるが、それらも難易度が飛び抜けて高いという訳ではないので、基本的にはトロフィーの獲得・実績の解除がしやすいタイトルである。

しかし、コンプリートを目指すとなると一転して難易度が跳ね上がる…というよりも2014年1月の時点ではもはや不可能と言っても良い状況となっている。
と言うのも、オンラインプレイに関連したトロフィー・実績が2つ存在しているためで、オンラインプレイが出来さえすれば、獲得・解除自体は決して難易度は高くない。
だが本作の発売時期もあり、もはやオンラインに人がいないため、そもそもオンラインプレイができないのである。
従って、本作でトロフィー・実績のコンプリートを目指すというのであれば、フレンドなどに協力をしてもらうしか無い状況である。
全てのプレイヤーがトロフィーの獲得・実績の解除を目指してプレイをする訳ではないがその点は留意しておいた方が良いだろう。

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最終更新:2024年03月16日 16:40

*1 通常操作で出来ないだけで、特定地点の移動手段として行う特殊アクションになっている。

*2 他の無双シリーズにおいては、集団戦に比べると武将とのタイマン戦で溜められる無双ゲージはかなり少量だった。

*3 ケンシロウは前作の固有アクションがこのダッシュ移動と似た性能であるため、固有アクションが変更されている。

*4 ケンシロウの「北斗有情猛翔破」やトキの「北斗有情鴻翔波(ほくと うじょうこうしょうは)」など。余談になるが、トキは前作の闘気覚醒の発動モーションで秘孔・刹活孔を突いていたが、こちらも仕様変更に伴い、トキの固有アクションが刹活孔によって体力を消費する代わりに30秒間能力を強化するものとなった。

*5 名前も「KINGの指揮官」になっている。ちなみに、ダイヤ・クラブは『北斗の拳 バイオレンス劇画アドベンチャー』や セガ・マークIII用ソフト『北斗の拳』でも登場していた。

*6 名前も「ユダの副官」「ユダ側近」になっている。ちなみにダガールはPS用ソフト『世紀末救世主伝説』やセガのアーケード・PS2用対戦型格闘ゲーム『北斗の拳』でも登場していた。

*7 アミバは前作同様トキ、ソリアはファルコ、ハンはシャチのコンパチ。アミバとハンだけは後に固有モーションを持つDLC追加キャラクターが配信。

*8 原作者である武論尊氏と主に作画を担当した原哲夫氏の両氏は元々はラオウ昇天で一旦は話を終わらせ構想期間を2ヶ月ほど取る予定だったが、人気作品を作者の意向を問わず延命に走ることで知られる『週刊少年ジャンプ』によって話の引き延ばしを命じられてそのまま天帝編に至ったため、矛盾が多数生じることになってしまった。そのせいか武論尊氏は「ラオウ編よりあとのことは良く覚えていない」という旨の発言を残している。

*9 ただし、序盤でケンシロウが囚われていた牢獄にバットが落書きするシーン(最終章でケンシロウが記憶を取り戻す足がかりとなる)が追加されている。

*10 「ジャギは伝承者候補ではなく、あくまで家族として養子に迎え入れられた」「昔は人格者だった」といういわゆる「きれいなジャギ様」だったため、賛否両論となった。

*11 武論尊氏が1987年に発売された『週刊少年ジャンプ』における『北斗の拳』の特集を組んだ別冊本の中で、ジャギの拳法家としての才能は認めつつも、「北斗神拳の伝承者争いにはジャギのような毒も必要だった」という理由でジャギを養子に迎えたとした。つまり、最初から伝承者争いの当て馬としてリュウケンはジャギを養子にしたことになる。

*12 ただし、ジャギの口から極悪の華という単語が飛び出したり、リュウケンにとってのジャギの存在が幻闘編と極悪ノ華で正反対になっているなど、少なからず「極悪ノ華」を意識していると思われる部分は見受けられる。

*13 何故天帝がいるにもかかわらず聖帝を名乗れたかなど。

*14 発売時点で死去しているアニメキャストは、リン役の鈴木富子氏、レイ役の塩沢兼人氏、ジャギおよびハン役の戸谷公次氏、牙大王役の渡部猛氏、ウイグル役の郷里大輔氏、リハク役の青野武氏、アイン役の山口健氏、シャチ役の鈴置洋孝氏など多数に渡る。

*15 ステータスアップ系および対戦格闘ゲーム『北斗の拳 ~審判の双蒼星 拳豪列伝~』に登場した技がほとんど消えた。ケンシロウだけは伝説編で主に使用することもあってか、真・伝承奥義であった「北斗残悔拳」がケンシロウの固有アクションに降格、という程度にとどまった。

*16 自分は黒王号を呼んでしかいないのに、伝承奥義後のカメラアングルの3回移動 → 技名のシャウトの流れでどや顔を決めているラオウという光景がかなりシュールでネタにされていた。

*17 一部のキャラクター・伝承奥義は技名の表示やシャウトがないが、決めポーズと共にカメラアングルが切り替わる演出は入る。

*18 特にカメラ(モヒカン?)に百裂拳を叩き込むケンシロウや同じくカメラにロケットランチャーを発射するジャギなどはネタにされていた。

*19 例えば、マミヤは原作だと凡百のモヒカンどもは蹴散らせるが名無しの中隊長以上には勝てない程度など、メインキャラクターとしてはかなり弱いほうである。

*20 厳密に言えば、北斗逆死葬は戦術であってカイオウ自身の技ではないため。また、ほとんどの3Dアクションでは石柱はただの障害物にしかなり得ない以上、プレイヤーの介入ができないムービー以外で再現することはまず困難である。

*21 例えば、体力レベルが上がれば体力が完全回復、攻撃レベルが上がれば攻撃レベルの上昇分と別に一定時間攻撃力上昇といったもの。

*22 伝説編に限り、ケンシロウの装備している経絡図およびケンシロウの各ステータスのレベルがそのまま他の操作キャラクターに適用される。

*23 拠点ごとに高評価を得やすくなるための条件が設定されている。例えば、伝承奥義で敵を倒せば倒すほど高評価になったり、拠点に侵入してからの規定の時間内に撃破した人数が多いほど高評価になったりなど。前述の賛否両論点にあるマミヤやリンに関する点も、条件の中に「鉄柱を用いて敵を倒すと高評価」というものが存在しており、彼女たちだけ鉄柱を取り扱えなくしてしまうと、キャラクター性能以外のゲーム仕様の部分で難易度が上がってしまうことが影響していると思われる。それならせめて彼女たちだけ鉄柱絡みの条件を別のものにするなどすべきだという意見が出てしまうのは無理からぬ所だが。

*24 クリア時のランクは拠点制圧時のポイントだけではなく、実際にはそのステージでクリアまでに要した時間や敵を倒したときなどに獲得出来る「カルマ」と呼ばれるアイテムの獲得量及び戦闘中に受けたダメージ量が判定要素に絡んでくる。もっとも、序盤はともかく、ある程度キャラクターが育ってくると、余程変なプレイをしたりでもしなければ、拠点制圧時のポイント以外の要素が足を引っ張ってクリア時のランクが下がるようなことはあまり起こらなくなってくる。

*25 ちなみに、幻闘編では100人単位の撃破数を達成すると戦況メッセージで表示はされるが、戦闘画面上でリアルタイムに撃破数が表示されない。これも無双シリーズとしては異例である。とは言え、前作も「常時」表示はされなかったのだが、敵を撃破したときには画面左下部分に表示されて数字が増えていくようになっていた。本作ではそれすらも無くなっているのである。

*26 画面内の描写処理が追いつかず、そこに存在しているにもかかわらず、画面上に表示されない状態。この状態の敵には攻撃が当たらない。

*27 幻闘編同様に場面ごとの評価のトータルが章クリア時の評価に影響し、合わせて獲得出来る経絡図にも影響する。

*28 江川氏は奇しくも、『スターフォックス』シリーズや『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズに登場するキャラクターの「ファルコ・ランバルディ」も演じている。キャスティング時に意識したわけでは無かろうが。

*29 他の作品では聞いたことが無いような演技をして批判されている声優もいるので、演技指導がおかしかったという見方もある。

*30 ちなみに、江川氏は無双シリーズでは『真・三國無双』シリーズにおいて曹仁役を、『戦国無双』シリーズにおいては石川五右衛門・島津義弘役を演じている。

*31 ファルコの声はBGMや効果音に埋もれ聞き取りづらい部分が多く、同様の声で演じている『真・三國無双』シリーズの曹仁はそうなっていないことから、ゲームの音の調整ミスの可能性も指摘されている。

*32 「(名も無き修羅の)キャラクターとしては合っている」という意見もある。

*33 作品によっては英語表記で「Haruki Yamada」表記になっていることもある。

*34 頭が禿げて大きな白いひげを蓄えた老人。

*35 種籾を集めて村に帰ろうとしたところをシンの手下・スペードに襲われ、最終的に殺害された老人。「今日よりも明日なんじゃ」のセリフで有名。

*36 一例として、アーケード版『北斗の拳』の「闘劇'08」での模様を収録したDVDが版権料の問題により発売中止となっている。というのも2008年は北斗25周年のために版権料が大幅に上がっていたためである。前述の通り、本作は北斗30周年作品であり版権料が高騰していた可能性があり、『真・三國無双』シリーズなどのように版権が絡まない無双シリーズ作品のDLCの価格は良心的な設定になっていることと合わせ、版権料の問題が本作や前作無印のDLCの価格設定にも大いに影を落としていることは充分に考えられる。

*37 「トータルの撃破数が10万を突破する」というトロフィー・実績が存在するが、普通に伝説編や全キャラクターの幻闘編をこなしてもこれの半分もいくかどうかのレベルである。一部DLCのシナリオに撃破数を稼ぎやすいシナリオもあるが、それを利用しない場合はかなり面倒である。

*38 「総プレイ時間50時間突破」というトロフィー・実績が存在するが、こちらも普通にプレイしていればその半分くらいの時間で伝説編・幻闘編共に大方の要素はクリアできる。撃破数稼ぎと平行すれば幾分かは時間も稼げるが…。