このページでは、原作PC版「Wizardry」及び、ゲームスタジオ移植にあたるFC版について扱います。判定はいずれも「良作」です。



Wizardry

【うぃざーどりぃ】

ジャンル RPG
画像はWindows版
対応機種 Apple II、IBM-PC、国産パソコン、Windows他多数
開発元
原語版発売元
Sir-Tech
日本版発売元 アスキー他
発売日 1981年9月
判定 良作
Wizardryシリーズ

概要

ウルティマ』『ローグ』と並び、黎明期のコンピューターRPGの傑作と言える作品の一つ。 かつては『ウルティマ』や、後に発売された『マイトアンドマジック』とともに、「世界3大RPG」と称された。
1作目である本作は「Proving Grounds of the Mad Overlord(定訳としては「狂王の試練場」)」という副題が付けられている。

プレイヤーが作ったキャラクター達で、3D視点のダンジョンを探索する。ストーリー上の目標は設定されているものの、それを達成した後もひたすらレベルアップとアイテム収集*1を楽しめるRPG。一般販売されたCPRGとしては最初期の作品ではあるがシステムの完成度は高く、キャラメイクや固有名を持つ魔法体系など、すでに導入されている。

アスキーが国内PC向けに販売開始したのが1985年。オリジナルのApple II版から実に5年近い月日が経っての移植である。このことから当時どれほどの人気があったかが窺い知れる。

原作は英語であるが、本項目では各種の用語について日本でも馴染みの深い表記を主に使用して解説する。

ストーリー

圧倒的な武力をもって周辺諸国を統一し、「狂王(the Mad Overlord)」と称されたトレボー。
その強さの裏には、彼の持つ「魔除け」の存在があった。
しかし、ワードナという魔法使いがトレボーから魔除けを盗み出し、さらにトレボーの居城近くに一夜にして地下迷宮を建造。そこに立てこもって魔除けを研究し始めた。
トレボーは激怒し軍隊を差し向けたが、迷宮のトラップとワードナが召喚した魔物によって軍隊は壊滅。
ワードナを倒さねば腹の虫がおさまらないが、これ以上自軍の精鋭を失うわけにもいかない。
そんなトレボーの前に臣下が一つの提案を出した。

「『ワードナを倒し、奴の持つ魔除けを取り戻した者には、莫大な恩賞金を与えるとともに近衛兵への登用を認める』と街にお触れを出してはいかがでしょう?」

魔除けを取り戻しつつ、さらに優秀な人材の登用も見込める一石二鳥のこの案にトレボーは賛成し、さっそく街にはお触れが出されることとなった。
こうしてトレボーの命の元、街に集まった冒険者達はワードナの潜む大迷宮へと向かうのだった。

特徴

システムの背景

キャラクターメイキング、ターン制戦闘、職業とクラスチェンジ……今でも多くのRPGで採用されるシステムは、本作で既に基礎が出来上がっている。ただし、それらはゼロから作られたものではない。

  • 『Wizardry』のゲーム設計は1977年製のコンピュータゲーム『oubliette』という3DダンジョンRPGの影響を色濃く受けている。
    • 機種は「PLATO」という昔のコンピュータシステム。ちなみに『oubliette』のPC版やスマホ版のリメイクも存在している。
      • なお『oubliette』は複数のプレイヤーでパーティを組みチャット相談もできるが移動などはリーダーに委ねるオンラインマルチプレイヤーゲーム*2。(移植版は1人で複数キャラを用意する方式)
    • 設定やシステムは『Advanced Dungeons & Dragons(AD&D)』(後述)がベースになっている。これ以前のコンピュータRPGもだいたい『AD&D』ベース。
    • SAMURAIやNINJAやSAGEといったAD&D1stのPCクラスにはないクラス名が登場している。(SAMURAIはAD&DのRANGERが原型。SAGEはAD&DにNPCクラス名として存在したが両方の魔法を使える代わりに成長が遅いという性能は独自)
    • 影響の血脈では『Monster Maze』*3『PEDIT5』『DUNGEON』『ORTHANC』『MORIA』『dnd』『DND』『Avatar』なども挙げられる。
      • ちなみにWizardry開発者のロバート・ウッドヘッドは、学生時代の1977年に『oubliette』のテストプレイヤーをしたり『dnd』の改変版『Sorcery』*4を作ったりしている。なお『Sorcery』は原作者に無断で作ったアウトな代物だったのでバレて削除することになった。テレポーターで石の中に転移して死亡といった要素も『dnd』には存在していた。
      • 1979年に登場した『Avatar』は『oubliette』から人気をかっさらうこととなった。『Wizardry』には『Avatar』由来の要素も数多くある。

そして例にもれず、当然『Wizardry』も

  • 当時主流だったTRPG『アドバンスト・ダンジョンズ&ドラゴンズ (AD&D)』*5をベースに作られている。
  • TRPG(テーブルトークRPG)とは、仕切り役(GM:ゲームマスター、D&DではDM:ダンジョンマスター)のもとで各キャラクターを演じて遊ぶRPGのこと。行動の成否は各種のサイコロを振って決めるが、各自の行動提案やGMの裁量による(程々な)アドリブも利き、その自由度の高さがコンピューターゲームとは違った魅力と楽しさを生み出している。
    • ただTRPGは一人では出来ず、自分以外に少なくともGM役がいなければ遊べない。これを解消するため、GM役やサイコロ振り、ついでに各種計算もコンピューターに任せようとしたものが、本作のようなコンピューターRPGである。
  • 当時海外でAD&Dは超メジャーなゲームであり*6、本作のシステムもAD&Dを下敷きにしている。例えば以下の要素(わざわざサイコロ換算する点など)はAD&D譲りといえる。
    • 前提条件として、AD&Dは四面体、六面体(普通のサイコロ)、八面体、十面体*7、十二面体、二十面体、と言う6種類のサイコロを使っており、これらによる独特のクセをWizadryでも再現している。
    • 命中率は5%単位。これは二十面サイコロで命中判定をすることの再現である。
      また、防御力と回避力を表すAC(アーマークラス)は、防具なしの基本値が10・防具をつけることで減少する(0以下にもなる)。
      • この奇妙な数値も「二十面サイコロで「20-AC」以上の目を出せば命中」と言うAD&Dのルールを流用したからである*8*9
    • キャラクターの能力値は、基本的に3-18(六面体サイコロ3個分)の範囲内で扱われる。
    • ダメージ値も2-12(六面体サイコロ2個分)だったり3-24(八面体サイコロ3個分)だったり…
    • アイテムに関しても、数値はAD&Dそのままであるものも多い。

ゲームシステム

  • キャラクターメイキングは種族・職業・属性の3要素からなる。
  • 種族は「人間」「エルフ」「ドワーフ」「ノーム」「ホビット」の五種。
    • 初期能力値(とそれに伴う各職業への就き易さ)に違いがあり、更にボーナスポイント(総量はランダム)を分配して各自の能力値を決定する。
    • 一部の特殊攻撃に対する抵抗力(セーヴィング・スロー)にも微妙な差異がある*10
  • 属性は「善」「中立」「悪」の三種。パーティを組むときの相性や、職業の選択に影響する。
    • 一般的な意味の善悪とは異なり、「善」のキャラクターは「困っている人を無償で助ける」のに対し、「悪」は「見返りのない人助けはしない」性格とされる。「悪」といえども無秩序な犯罪者というわけではない。
    • 属性が善のキャラと悪のキャラは、酒場で一緒にパーティーを組むことができない。また一部の職業選択が制限される。
    • 中立キャラは善/悪どちらともパーティを組めるが、選択できる職業が最も少ない。
      • 「絶対的な信仰心を持たない」という理由で、僧侶系魔法を扱う職業に就けない。また、上級職の選択肢は侍のみ。
    • なお属性は冒険中にも「友好的なモンスターにどう対処するか」で変わってしまう場合がある。この属性変化により、善の忍者や悪の君主等も(ほぼ強引に)作成できる。一部高級装備は属性が違うと呪われるため、それほど得策でもないが。
    • 中立の属性は不変であり、善または悪の属性から中立になることもない。
  • 職業は基本職の「戦士(ファイター)」「魔法使い(メイジ)」「僧侶(プリースト)」「盗賊(シーフ)」と、上級職の「司教(ビショップ)」「侍」「君主(ロード)」「忍者」の8種。それぞれに習得能力や装備品の差異などが存在する。途中で職業を変える(クラスチェンジ)ことも可能。
    • 職業によって必要な特性値が違い、その職業に就くには属性が適応した上で該当能力値が必要値に達していなければならない。
      • 上級職は必要な特性値が高く、大抵は他の職業でレベル(LV)を上げてから転職することになる。ただし司教と侍は種族やボーナスポイント次第で最初から就く事も可能。
      • また、アイテムのSP(スペシャルパワー)でクラスが変わることも。
    • 上級職は「2つの基本職の長所を兼ね備えた職業」である上に、強力な専用装備があったり、その職業しか所持しない能力があるなど一見強力である。しかし基本職の方が長所の性能自体は高く、成長(レベルアップ)も早いので、普通にプレイする分にはあまりこだわる必要も無い。
      + 職業解説
    • 戦士(Figher)
      • ほとんどの武器と防具を装備でき、HPの成長率も高い白兵戦のエキスパート。前衛職の代表である。
    • 魔法使い(Mage)
      • HPは低く装備品もごく限られるが、強力な呪文で複数の敵を攻撃することができる。
    • 僧侶(Priest)
      • 主に回復や防御の呪文を得意とする。固有能力「ディスペル」でアンデッドモンスター(動く死体)を退散させることもできる*11
      • 刃物を持てないという戒律上の制限はあるが、装備できる防具が多い上にHP成長率が高く、戦士に次ぐ耐久力を誇る。
      • 「善」または「悪」のキャラが就くことができる。
    • 盗賊(Thief)
      • 白兵戦では僧侶以下で呪文も使えないが、宝箱に仕掛けられた罠の識別及び解除に最高の適性を持つ。
      • 戦闘中は足手まといだが、戦闘終了後の宝箱開けこそが盗賊の見せ場。アイテム入手によって間接的にパーティを支える職業である。
      • 「中立」または「悪」のキャラが就くことができる。
    • 司教(Bishop)*12
      • 魔法使いと僧侶の複合職。成長は遅いが全ての呪文を覚え、アンデッド退散も可能。さらに固有能力としてアイテムの鑑定を行える。装備できるものは僧侶と比べ少ない。
      • 「善」または「悪」のキャラが就くことができる。
    • 侍(Samurai)*13
      • 戦士と魔法使いの複合職。戦士の装備に加えて魔法使いの呪文を習得する。また最強の武器を装備できる。
      • 「善」または「中立」のキャラが就くことができる。
    • 君主(Lord)
      • 戦士と僧侶の複合職。戦士の装備に加えて僧侶の呪文を習得し、アンデッド退散能力も持つ。また最強の防具を装備できる。
      • 「善」のキャラのみ就くことができる。
    • 忍者(Ninja)
      • 戦士と盗賊の複合職。HPは前衛職では最低で、盗賊能力も本職に劣り、成長も非常に遅い。しかし攻撃回数にボーナスがあり同条件の前衛職より高いダメージを与えられる。
      • さらに一定確率で「敵の首を刎ねる」一撃必殺のクリティカルヒットを繰り出すことがある。
      • 武器・防具を一切装着していない場合に限り、レベルに応じてACが低下していく。やりこみの域だが、これを狙った「全裸忍者」戦法も有用。
      • 「悪」のキャラのみ就くことができる。
    • 訓練所で転職した場合、転職後はLV1・経験値0・能力値は種族の初期値になる。最大HPこそ減らず、覚えている呪文も引き継がれるものの、転職直後のキャラは弱いので無理は禁物。
      • 一方、アイテムのSPで転職した場合、LVや能力値も引き継がれる。
  • 宿屋で休むと馬小屋のみ1日、他の部屋では1週間ずつ時間が経過し、積み重なるとキャラが歳を取る。また死亡からの蘇生時には約1年、訓練所での転職時は約5年分経過する。
    • 流れる時間はキャラごとに違い、宿に宿泊しないキャラは時間の経過がない。
    • 経験値が十分なら宿屋に泊まるたびに1LV上がり、能力値が上下する。年齢を重ねるごとに能力値の上昇確率が低くなっていき、やがては高確率で下がるようになる。
      • この仕様で老衰を表現しており、生命力が下がり切ってしまうとキャラクターは寿命を迎えて「ロスト(消滅。詳しくは後述)」してしまう。もっとも、転職を繰り返す、馬小屋以外に連泊するなどで意図的に加齢させない限りはまず見られないが。
  • 独特のネーミングを持つ魔法体系
    • 魔法は「魔法使いの呪文」と「僧侶の呪文」に分かれていて、それぞれさらに7段階のLVが存在する。上位のLVほど呪文も強力になる。
    • 現代の視点から見ると変わっている点としては「魔法の使用コストが各系統各LV毎の使用可能回数で管理されている」と言う点がある。このため、例えば魔法使いLV1の呪文を使い切ったら、他のLVの呪文が使用可能でも魔法使いLV1の呪文は使えない。このレベル制魔法システムは『D&D』の魔法システムの影響が大きい*14
    • 例えば炎の呪文「HALITO」は、上位になると「MAHALITO」、「LAHALITO」という様に名称が変わる。このような「接頭辞、接尾辞による効果の変化」を初めて取り入れた作品であり、他のRPGもこぞってこのアイデアを取り入れた。取り入れていないRPGの方が珍しいほどに。
      • なお、呪文には独特の言語を用いているようで非常に凝っている。効果が逆の呪文には頭にBAの文字がつく(例:回復呪文「DIOS」の逆の効果を持つ呪文「BADIOS」)、炎を用いる呪文には「LITO」が付く等。
      • この「独特の言語」は実際にアップルのWizardryのプログラムの中で、容量節約のためのハッシュ値として使われていた。
      • なおこれは『oubliette』の呪文を模倣したものであり、『oubliette』には『Wizardry』と同じ「DUMAPIC」と言う呪文がある(ただし『oubliette』におけるDUMAPICはパーティ座標取得ではなく明かりの呪文である*15)。
  • 地下へと向かうダンジョンは、同じサイズのフロア(20×20マス)が10階層連続したもの。
    • 迷路は3D風に描画されているが、どこを見ても似たような風景、目印のようなものもない。さらにゲーム中で確認できる地図もない*16
      • このままでは当然迷うので、プレイヤーは自分で地図を作る=マッピング作業を行う必要があった。今なら「不親切」と言われるだろうが、当時はそのスタイルが当たり前であり、一つの楽しみ方として定着していた。この行為は説明書でも推奨されている。
      • 現在位置と方向を知る呪文は初歩的なものとして存在しており、その効果を無制限に発動できるアイテムも比較的入手しやすい。
  • 戦闘は最大6人のパーティー制。
    • リストの上3人までは前列、後ろ3人は後列となり、物理攻撃は前列のメンバーのみが可能。その代わり敵からの物理攻撃を受けるのも前列のみ。
      • そのため前列には戦士や侍など重装備可能な職業を置き、後衛は魔法使いや僧侶などの肉体面では脆弱なメンバーを置くのがセオリー。ただし死亡したり、麻痺などで行動不能になったメンバーは次のターンに勝手に後ろへ回されて他のメンバーが繰り上がってしまうので油断はできない。
    • キャラクターの項で述べた通り、属性が善のキャラと悪のキャラは酒場では一緒に組むことができないが、迷宮内での合流は出来る*17。これを利用して善と悪の両方がいるパーティを作る事も可能。
      • ただし前述のように、友好的なモンスターに対する態度で属性が変わる可能性があるため、何時の間にやら属性が一方に偏る場合が多い。
      • なお属性変化するかどうかは一人一人別々に判定され、完全に運(5%)なため、たった一回で変わる場合もあるし、何回やっても変わらない場合もある。
    • 戦闘ごとに一定確率で、敵または味方の先制攻撃が発生することがある。
      • 先制攻撃する側は一方的に行動可能だが、そのターンは呪文を一切使えない(詠唱によって気付かれるため)という制限がある。
        一方でアイテムの使用や、敵側であればブレス攻撃は可能。同じ先制攻撃でも状況によって展開が大きく異なる。
  • 独特な雰囲気のモンスター達
    • ファンタジーでおなじみのモンスターからパロディ、オリジナルモンスターまで存在し初期のRPGとは思えないほどのバラエティである。一例としては…
      • 西洋の伝承に登場する古典的なモンスターである「コボルド」や「ウェアウルフ」、「ウィルオーウィスプ」等。
      • プレイヤーキャラの職業にもあるように、敵側にも「サムライ」や「ニンジャ」がいる。特に後者はクリティカル(即死攻撃)を持つ強敵。
      • シンプルな名前でありながら幾多のパーティを脅威に陥れたことでシリーズを代表するモンスターとなった「グレーターデーモン」や「ポイズンジャイアント」。
      • 一見ただのウサギだが元ネタ*18同様首を切り落とす能力を持つ「ボーパルバニー」。
      • ワードナの部屋のみに出現するという特殊性に加え、FC版のグラフィックで人気となりコミックや小説などで敵側のキーパーソンとなる「ヴァンパイアロード」。
      • その正体についてはファンの間で未だに議論になる謎のモンスター「フラック」「マイルフィック」。
    • 敵の攻撃方法は物理攻撃・ブレス・魔法の3種類と少ない。ただし物理攻撃には様々な効果が付加されることがあり、特に「クリティカル」と「エナジードレイン」はなかなかに厳しい。
      • クリティカルは「対象の残りHPに関係なく一撃で仕留める」、エナジードレインは「LVを恒久的に下げる(取り戻すには再び経験値を貯めてレベルアップするしかない)」。時間をかけて育てたキャラクターが一撃で殺されたり、LVが下がるのは精神的ダメージが大きい。
      • それ以外にも、仲間を呼んで数を増やすモンスターや、勝手に個々で逃げるモンスターもいる。
  • 不確定名
    • モンスターのグループは、しばしば正式名ではなく不確定名で表示されることがある。
      • 多くの場合は「人間型の生き物」や「けだもの」など、大まかな分類しかわからない。
    • アイテムは宝箱から入手した時点では名称が不確定名である。正式名は鑑定しないと判らない。街に戻ってボルタック商店に鑑定を頼むか(有料)、または司教の固有能力で鑑定を行う必要がある。
      • 未鑑定アイテムは何であっても1gpでしか買い取ってもらえず、さらに鑑定には本来の買取価格と同額が必要となる。つまり司教に鑑定させなければダンジョン内で得たアイテムを換金できない
      • 未鑑定のままでも使用はできるが、「剣」「ポーション」などの大まかな分類しか判らない。呪われていたりマイナスの効果があるアイテムかも知れず危険である。
      • 呪われたアイテムは、買取価格と同額の解呪費用を支払わないと外せなくなる。かなり高めに設定されているので痛手となるが、逆にうまく鑑定できれば高額で売却できるという意味でもある。
      • 司教による鑑定はレベルが低いほど失敗しやすい。鑑定自体は何度でもやり直せるがノーリスクではなく、呪われた装備は鑑定失敗時に強制装備されてしまうこともある。所持品枠が呪われたアイテムで埋まった司教を削除して作り直したプレイヤーも多い。
  • アイテムの入手
    • 城下町にあるボルタック商店で買えるアイテムは必要最低限のものしか無い。多少強めのものがあっても数量限定である。
      • ちなみにこちらが売ったアイテムも、売った個数分だけ店頭に並ぶようになっている…呪いのアイテム以外。
    • 迷宮内での特定地点で入手できるアイテムもあるが、大抵は通行証代わりであり戦闘に役立つものではない。
    • そのため強力なアイテムは、敵を倒すと出現する宝箱から手に入れることになる。しかし大抵は罠が仕掛けられており中には即死級の罠もあるため、罠の識別・解除は必須*19
      • 罠を高確率で識別・解除できる職業は盗賊と忍者だけ*20
      • 盗賊の罠識別は信頼性が高い(最大95%)が、忍者はそこそこ高い程度。罠識別は失敗しただけでも罠が発動する可能性があるため、忍者に罠識別させると危険が高くなる。
      • 僧侶呪文にも罠識別の呪文がある。こちらは罠の暴発を起こさない上に常に95%の識別率を誇る。安全策をとるなら併用した方が良い。それでもなお誤識別の可能性は0にできないが…。
  • 死亡と復活、そして「ロスト」
    • このゲームはキャラクターの死亡に対しかなり大きなペナルティが存在する。
    • 死亡したキャラクターはカント寺院や呪文で復活が可能だが、失敗すると「灰化」状態になる。
    • ここからでもまだ復活は可能なのだが、ここでさらに失敗すると「ロスト」になってしまう。ロストは「キャラクターの完全消滅」を意味しており、そのキャラクターのデータが抹消され二度と復活しない。
      • さらにパーティが全滅した場合は救助部隊を編成して死体を回収しないと復活すら出来ない。死体もメンバーの1人として扱われるので、回収用パーティは必ず5人以下でなければならない。苦労して回収を試みても「死体を怪物に食われた」としてすでにロストしている可能性もある。
    • ロストは上記以外にも様々な要因で発生する。
      • 宝箱の「テレポーター」や転移呪文「MALOR」で間違えて石の中に飛んで(飛ばされて)しまうと強制ロスト。その際のメッセージ「いしのなかにいる」はよくネタにされる。
      • 能力値の低下で生命力が極端に低下(老衰)したり、エナジードレインでLVが0以下になってしまった場合でもロストする。
      • 加えて、シナリオによっては「スペシャルパワー解放でロストになってしまうアイテム」も存在する。
  • オートセーブ機能
    • 本作は特定のタイミング(戦闘が終わったあと、宝箱を開いたあと、教会に行ったあとなど)において自動でセーブされる。
    • セーブされるタイミングを知っていれば、リセット後にロードしてやり直すことも可能。「リセット技」と呼ばれる裏技である。これを封印するとゲームがえげつないハイリスクとなるため、この技を解禁して遊ぶ人も多い。
      • それゆえ、後にアスキーが製作出版したTRPG版ウィズでは、このネタから「リセツト」という最強魔法が作られた。時間を巻き戻して最悪の事態を回避できる代わりに、HAMANやMAHAMANと同等の使用制限・制約を受ける。

評価点

  • 冒頭で挙げた黎明期のコンピューターRPGの三本の中では、後世に最も影響を与えたゲーム。
    • コマンド選択式戦闘、パーティ、職業等々、本作の基本システムが後に与えた影響は計り知れない。
  • マップ探索、キャラクターの作成と成長、アイテム探しなど、後世にも引き継がれたRPGの基本的な楽しみが詰まっている。
    • マッピング作成によるダンジョン探索は、まさしく探検。しばらく後も、RPG基本的な楽しみ方の一つとなった。
    • 明確な差がある種族・職業・属性を考えたキャラクター作りの妙。LVが上がるごとに実感できる、強さの上昇。
      • さらに職業変更による、特性や魔法の付加など、キャラクターの強化の方法は多彩。
    • モンスターが落とすアイテムの中には、レアアイテムというべきもの存在し、これを獲得した時の満足感は大きい。ワードナ討伐後もこれらを求めて迷宮を彷徨うプレイヤーが居たほど。
  • 多彩なモンスター達とのパーティ戦の面白さ。
    • 前衛と後衛の違い、属性の違い、さらに各キャラクターの性能。これらの要素によりどんなパーティーを組むか熟考できるのも特徴、物理攻撃・呪文・盗賊能力・鑑定等。戦闘や探索を考慮してパーティーを編成する楽しみもある。
    • 対するモンスターも、なかなかに手ごたえがある。特に下の階層のモンスターの特殊攻撃は、まさしく脅威。
      • 魔法を使うモンスターも侮れない。たとえ低LVの魔法であっても、集団でグループ攻撃魔法や状態異常魔法などを連打されるとパーティー壊滅の危機にも陥る。まあバンパイアロードがZILWAN(対戦相手のアンデッド1体を破壊する魔法*21)を唱えることはネタにされているが…。
  • 終わりの見えないゲーム性
    • 本作は「ラスボスのワードナを倒し、魔除けを城に持ち帰る」ことでエンディングを迎える。
    • しかし、その後もゲームを続けることが可能。「アイテムコンプリートを目指す」「LVをひたすら上げる」あるいは「新しいキャラクターを作成してもう一度やり直す」…プレイヤーのやる気と情熱が冷めない限り、いつまでも楽しむことが可能。
      • そしてウィザードリィの魅力に取りつかれた人は、時々無性にウィザードリィをプレイしたくなる…。
    • またワードナの魔除けは「城に持ち帰らない限り没収されない」。しかも魔除けの特殊効果が絶大なので、迷宮に居残りするキャラクターに預けておくという手もある。
      • 更にはストーリーは取って付けた様な作品のためか、他の雑魚同様ワードナは何回でも現れて何回でも倒すことが出来るので、パーティー全員に装備させる事も可能。FC版ではエンディングを迎えたことがあるキャラの前には二度と現れないと言う制限が付いたが、そもそも魔除けを城に持ち帰らない限りはエンディングは迎えない。
  • シンプルなストーリーとイベントフラグ
    • 一般的なRPGでは問題点や賛否両論点と捉えられがちであるが、WIZは自分でキャラメイクをして迷宮に臨むのが基本なので、ゲーム側からの設定の押し付けが少ないのは寧ろプレイヤーの想像力を高めるという長所でもある。
      • イベントフラグも緩く各地にショートカットが出来るエレベーターや帰還用テレポーターがあり、たとえフラグを満たしていなくとも転移呪文のMALORを使えばラストフロア(厳密にはラストフロアへのシュート)までひとっ飛び出来るのでイベントに介入されずにハクスラやキャラ育成に没頭しやすい。

問題点

  • 理不尽な戦闘仕様
    • 本ゲームにもランダムで敵または味方による1ターンのみの奇襲による先攻と言う要素がある。呪文を唱えたら敵に気付かれてしまうと言うことなのか、先攻ターンにおいてはキャラクター自身が覚えている呪文は使えない。*22
      • 言い換えると呪文ではない特殊攻撃は普通に使える。プレイヤー側は呪文が書かれた巻物などの所持しているアイテムを利用した呪文の使用か、忍者のクリティカルヒットで首を刎ねるぐらいしか出来ないが、モンスター側はエナジードレインでレベルを下げたりブレス攻撃をしてきたりもする。
      • 巻物は一度使うと消費してしまい、何度も使えるアイテムは最弱に近いグループ攻撃呪文しか行えない(それでも雑魚散らしはできる火力は出せるが)。後者のアイテムを持っているとモンスター陣営の後衛に居る雑魚の数減らしくらいはできるわけだが、モンスター側は下記の通り1ターンで全滅に持ち込めるブレスを使えるものが存在するため、理不尽・不公平感はどうしても残る。
      • 本ゲームのブレスは、回避不能で使用者のHPの半分のダメージ(ブレス耐性のあるアイテムを装備する他*23、運が良いとダメージを更に半減できる可能性はある)。例えばHP約80*24のPoison Giantなるモンスター4匹が全員ブレスを放てば、合計160のダメージである。これに確実に耐えるためには、HPの高い戦士系の職業ですらレベル30程度は必要である*25。そして後述する様に、本作のレベルアップはかなり遅い部類だ。
      • ブレスは使用されると回避不能であるため、弱い敵を相手に膨大な稼ぎを行ってレベルとHPを稼ぐプレイスタイル以外では、ブレスを使える敵に先攻されただけでパーティーは全滅もしくは壊滅状態となる。これは希な状況でなく、日常茶飯事である。そして壊滅時に逃走に失敗すると…。
    • それでなくとも、キャラクターのレベルを1~4下げるエナジードレイン攻撃を食らえば、高レベルでは膨大な経験値を失う事になる。弱い敵を相手に延々と稼ぎを続け、レベルを戻して出直さなければならない*26
    • 更に、うっかり死んでしまったキャラは永久に失われる可能性があると言う鬼仕様*27
    • この様な仕様であるため、一般に本作は魔法職が全ての呪文を覚える可能性があるレベル13程度でクリアできるとされているが、それはリセット前提での話。ノーリセットクリアはステータスである。確かにスリルはあるが、バランスが良いとは言えない鬼畜ゲームである。
  • 呪文の使用方法と罠の解除方法
    • これを難点と言って良いかは微妙なところだが、PC機の場合は後のコンシューマー版と違って呪文の選択や宝箱の罠の解除がコマンド選択式ではなくキーボードの特性を活かし「コマンド入力式」となっている。要するに呪文を唱えたり、罠を解除するにはキャラクター自身の強さだけでなく『正確なスペル(英単語)の入力』が必要で、タイプミスすると詠唱に失敗したと判定され正しい効果を発揮しない。
      • 国産PC以降の作品は判別可能なところまでは入力する必要はあるが省略可能。たとえばティルトウェイト(TILTOWAIT)の場合、他にTから始まる呪文が無いので、なんと「T」だけで撃てる*28
      • このタイピングを「まるで呪文を詠唱しているかの様で臨場感がある」と評する向きもあるにはあるが、ゲームを一通りクリアするために何度呪文を使うのかと考えると…。
      • 宝箱の罠も同様の仕様。こちらは正しく罠の名前を入力することで「盗賊や忍者が予想した通りの罠に対して細工をして罠が発動しないようにしている」ということなのだろう。もちろんこちらは呪文とは違い、正しく入力しても運が悪いと罠が発動してしまうし、罠の内容の調査は解除とは別に存在する。
  • 一部のアイテムのバランス
    • 前衛の装備品に関しては明らかに悪の方が強い。「ロングソード+3*29(悪)」、「プレートメイル+3(悪)」、「ヘルム+2(悪)」という様に明らかに一回り上の装備品が装備可能で、中立や善のキャラクターは若干肩身が狭い*30
  • 種族のバランス
    • 初期のWizardryではステータスの上限はどの種族でも一律「18」となっており、育ち切れば種族差が無くなるようにはなっているものの、転職すると特性値が種族に設定された初期値に戻るという仕様上種族による格差は完全に無視できるものではない。
    • エルフはほぼ死にパラメータと化している知恵と信仰心*31が高いが、他の重要な特性値は他の種族に劣るという悲惨なステータス初期値になっている。しかも前述のセービングスローも弱い*32*33
      • キャラクター作成時のステータスはボーナスポイントで誤魔化せるが上述の通り転職時は虚弱体質なステータスに強制的に変更されるので転職後の年齢によってはかなり辛い状況になる。転職した後に生命力が育たないまま死亡し、そのままロストという事故が他の種族よりも起こりやすい。
    • ホビットもエルフと同じく力と生命力が低いので転職には向かないが、素早さと運の良さの初期値が飛びぬけて高いということで盗賊に抜擢されやすく、レアアイテムの「盗賊の短刀」を使って現在のステータスを維持したまま忍者に転職が出来るので、この問題は無視される事が多い。また、素早さの高さから魔術師や僧侶一本でやらせるのも序盤が有利になるので悪い選択ではなく、AppleII版のみ「ホビットは敵の沈黙呪文モンティノで沈黙しにくい」という他の移植版には存在しない利点があるためより呪文使いに向いている。
    • 人間、ノームは初期生命力が高く能力のバランスも良いのでキャラクター作成時のボーナスポイントを他のパラメータに割り振りやすく、転職後の事故も起こしにくい。また、人間は敵の攻撃により毒、麻痺、クリティカルを受ける確率が他の種族と比べて低く、ノームは石化しにくい。
    • ドワーフも生命力が高いため人間・ノームと同様だがこちらは素早さが極端に低いのでこの二種族には一歩譲る形になる。ただしドワーフはセービングスローが「ブレスのダメージを半減する確率が高い」と強く、HPが高い戦士か僧侶として採用していればブレスによる全滅の危険性を回避しやすくなる利点がある。
  • 職業のバランス
    • 通常のクリアを目指す程度のLV帯だと、上級職全般、特に司教と忍者がかなり使いづらい。
    • 司教は魔法使い呪文と僧侶呪文を両方覚えていきアイテム鑑定能力も持つが、レベルアップが遅い上に各呪文を覚える必要LVも高いため、魔法使いや僧侶より戦闘面ではかなり劣る。最終的には全呪文を覚えられはするが、魔法使いで呪文を覚えきった後に僧侶に転職する(またその逆)方が必要経験値はずっと低い。
      • 鑑定能力も、長期間迷宮に篭る(=篭れるだけ強くなっている)のでもない限り、その場鑑定の有り難味は薄れてしまう。数戦で街に戻るなら、酒場に鑑定専門の司祭を待機させておいても良いのだから。
    • 忍者は専用武器の手裏剣が非常に強力で、素手でもそこそこの攻撃力があり、武器の有無に関わらず攻撃回数が増え、さらに一撃で敵を倒すクリティカルヒットを持つ。また、防具なしだとLVに応じてACが良くなり、さらに宝箱の罠の解除も行える。
      • しかし転職前提のため、どうしてもLVが低くなり、更に上昇させるための必要経験値は全職業中で最高。専用武器の手裏剣も入手が非常に困難。
      • LVに応じて罠解除判定や戦闘判定にボーナスが加算されるWIZでは恩恵よりもデメリットの方が大きい。戦闘面でも罠解除においても専門職に差を付けられ、おまけに呪文も覚えないのでますます肩身が狭い。
      • 有名な「裸のほうが硬い忍者」に関しても鎧より良くなるLVはクリアに必要なLVよりはるかに高い。そこまで育てれば十分な強さを発揮できるようになるが、それをやりこみという。
      • 低LVなら鎧装備の方が安全。加えて、特定の攻撃に対する耐性は裸ではつかず、どうしても装備品に頼る必要がある局面も多い(ワードナの魔除けで全てOKだが)。
      • 攻撃回数のボーナスにより、同じ武器であれば成長の遅さを差し引いても戦士よりも高いダメージを出せる事が多い。しかしHPが盗賊と同等なので前衛としては致命的にHPが低い*34
    • 他の2つの上級職である侍と君主は、非常に強力な専用装備である聖なる鎧と村正があるが、クリアまでにすんなり手に入ることはほぼ望めない上に、通常の攻略の範疇なら全く必要の無い代物であり、戦士でも装備可能で入手も比較的容易なカシナートの剣で事足りてしまう。
      • さらに通常のクリア時点では多少の呪文が使える利点があるだけで、成長が遅い分だけ戦闘力は戦士に及ばない。
      • とはいえ低レベル帯でも有用な呪文は多く、HPも十分に高くなるので、忍者や司教と比べて早期からパーティに加えても大きく不利になることは無い。
    • 呪文等に関しては魔法使いや僧侶に転職して覚えさせるのが最も効率が良く(習得Lv・必要経験値共に)、上級職で呪文を覚えさせるのはほぼ趣味の領域となる*35
  • 盗賊の存在意義の薄さ
    • 所謂ハック&スラッシュ作品故に仕方ないかもしれないが…*36
    • 盗賊は宝箱を安全に開けるために必須と思われがちだが実は必須ではない。宝箱の罠はLV2僧侶呪文であるカルフォでも調べられるし、毒針等の比較的安全な罠ならそのまま開けて、罠を食らいながら無理矢理中身を回収してしまうことが出来るためである。警報に至っては経験値稼ぎのためにわざと発動させるプレイヤーも居るほど。
    • 盗賊であっても罠の調査の最大成功率はカルフォで調べた時と全く変わらず*37、調査しただけで罠を発動させてしまうこともある*38。盗賊がいれば宝箱開封時に罠を回避しやすいというのは間違いないが、回避失敗したときのことを考えると「プリーストブラスターやテレポーターなどの危険な罠だったら開けない」を徹底したほうが安全で、それをやるなら盗賊を入れる必要はない。
      つまり盗賊のためにパーティの枠を1つ埋めるか、僧侶のMP配分を盗賊の穴埋めに割り振るかの違いでしかない。そしてWiz#1では深層であっても容易に城に帰還できるマップ構成であるために宝箱の中身が豪華になった段階で僧侶のMPに困るほどの長丁場になる場面が存在しない。戦闘要員にならない盗賊の代わりに僧侶か魔法使いを増やした方が楽にクリアできてしまう。
      • 盗賊が不在であるために困る場面は地下4階の固定敵の宝箱の罠がテレポーターか警報*39であった時だけだが、ここは盗賊を連れていても固定敵の攻撃が熾烈であるために肝心の盗賊が戦闘終了時には死亡していることが決して少なくなく、あまり当てにならない。宝箱の中身もあれば便利*40というだけであって必須ではないので無視できる範疇。その時は宝箱を開けるのを諦めても固定敵を楽に倒せる強さになってから回収に来ることも可能。
      • 特にPC版では呪文と同様に罠の解除にも罠の名前を直接入力する必要があるため、盗賊を抜いて僧侶を増やしておけば罠の解除を省略することができるメリットもある。
    • この問題に関しては後のシリーズでは隠し扉の存在を見破ったり鍵がかかった扉を開けられる盗賊を必須の職業にしたりするなどで一応の解決を見せている。また、隠れての奇襲や長射程武器の登場により後衛からでも攻撃できるようになっている。
  • 宿屋の存在の歪さ
    • 宿屋は馬小屋はHPが回復せずMPのみ回復するが、他の部屋と違い無料で宿泊可能で加齢が1日だけであり、他の部屋はHPが回復するがゴールドが必要な上に確実に加齢していくという設定になっている。*41
    • この時点で縛りプレイでも無ければ馬小屋以外の部屋に宿泊する理由が無く、WizardryにおけるHPの回復は基本的に僧侶呪文の習得者が馬小屋と迷宮を延々と行き来しながら味方に回復呪文を唱え続けるという形で行われる。 この問題点は後の本家シナリオや派生作品でも基本的に変わらない不文律となってしまった。
    • しかも治療に馬小屋を利用するのを禁止すると 序盤に入手できるゴールドの量と宿屋代が釣り合っていないために今度は慢性的な資金不足に陥ることになる。 しかも前衛のHPが増えれば増えるほど治療に必要な宿泊の長さも延びていき、資金の減りと加齢の速さも増大し馬小屋禁止プレイは上級者向けのやり込みとして成立するほどの難易度と化す。
    • 例として挙げると宿屋でHPを50回復するためには一週間でHPが1回復する簡易寝台なら500ゴールドと50週間を要し、一番高い部屋のロイヤルスイートでも一週間に500ゴールド支払い10HP回復なので2500ゴールドと5週間必要になる。死亡したHP150の戦士を蘇生直後のHP1の状態からロイヤルスイートに泊まらせた場合は全治約三カ月の重傷になり、宿泊代は7500ゴールドと立派な武器が買えるほどに莫大になる。簡易寝台なら全治三年弱。ここまで来るとリアリティがあるのか無いのか分からないが、僧侶が馬小屋通いすれば運が悪くともこれが僧侶がHP全回復呪文マディのために一週間分年を取る程度で戦士は完治するのである。
  • レベルアップまでの戦闘回数の多さ
    • 一回の戦闘にそれほど時間がかからないことは良いのだが、経験値の高い敵の出やすい場所を選んで稼ぎに励んだとしてもそれなりの戦闘回数を要求される。上級クラスだとそれが特に顕著。
    • レベルが高くなるに従って、経験値はまさに天文学的な数値にまで上昇していく。おまけに本作は「強い癖に経験値が安く、見合わない敵」も多いため、経験値稼ぎの苦労は並大抵ではない。
  • 戦闘におけるグループ内でのターゲット設定がない。
    • Wizardryの大半の共通仕様として直接攻撃のターゲットはグループ単位でしか選択できない。
      • 機種、作品によってシステムは異なるが、Iは「常に全員が先頭の敵を攻撃」が多い。II以降は「一人目は敵の一人目、二人目は敵の二人目、三人目は敵に三人目がいればそれを、いなければ一人目を攻撃」といった割り振りが多い。
    • ターゲット指定がないことで戦闘の時間が短くてすむという利点をもたらしているが、後者のシステムだと敵を集中して攻撃してくれない。
    • この点は移動の概念があるTRPGとは完全に異なっている。しかし現実性を考えて戦いの中で相手を選ぶ余裕などなく目の前の敵に当たるのが当然という考え方はある。
  • 攻略の難易度は極めて高い。現在の視点で見ると「不親切なダンジョン」「やり直しのきかないセーブシステム」「厳しすぎるキャラクターのデスペナルティ」など、不満が上がるであろう点が多数ある。
    • もっとも、発売当時は多くのRPGでも見られた特徴であり、そういった要素を面白いと感じられていたプレイヤーが多かったということにもなる。
    • ダンジョンの移動は必ず1グリッド単位で、地形が動くようなこともないのでマッピング自体は比較的簡単。ただし現在地と方角をしっかり把握できていればの話であり、それを混乱させる罠は多い。同じ階の別の場所に飛ばされるテレポーターや一方通行のドア、向きが強制的に変更されるターンテーブルなどの厄介な存在がマッピング作業の重要度を上げている。そして嫌がらせのごとく踏むと全員が小ダメージを受ける(HPが低い魔術師にとっては痛い)ピットがいたるところに用意されている。
      • 大半の階は北端と南端、西端と東端の通路がつながっている(B1からいきなりである)が、マニュアルにも説明がない。これを知らないと座標で混乱する。
      • また階段やシュート等で階移動した場合、移動後の座標は移動前と一致しない(上下でずれている)ことが多いので注意。上下の位置のつながりがしっかりしている『ダンジョンマスター』シリーズとは大違いである。
    • 東西南北同じ風景が広がる十字路に回転床と落とし穴が設置されているB3、マッピングの難易度が高いB7&B8はかなりしんどい。
      • そもそもB5~B8は(移植にもよるが)行く必要がまったくない。B4からはエレベーターでB9までの各階に行けるようになるが、途中階のB5~B8には攻略に必須なイベントも謎解きも無いのである*42
    • またB9Fには最終階へつながる「シュート」があるが、それが目に見えず踏むまで分からない。しかも行き止まりにあるわけでもない。
      • 当時の攻略本の記事に「そういうものの存在だけは知っていて、何度もプレイしてうろうろして今日も見つからなかったな…」というユーザーの体験談がある。*43
    • 戦闘バランスもかなり厳しいものがある。前述した通り、クリティカルとエナジードレインはかなり凶悪*44。また、B4からB9に直行すれば当然ながら敵の強さが跳ね上がるため、ここで全滅することも多い。
      • もっとも、倒しやすく経験値の高いモンスターもいるし、強敵にも効き易い即死呪文や「HAMAN」「MAHAMAN」といった救済呪文等もあるため、完全に打つ手なしにはなりにくかった。勿論不意打ちや先制されて強力なブレスや物理攻撃後の追加効果等で一気に総崩れになる展開と紙一重であったが。
  • 一部の要素の設定ミス疑惑
    • 一部の呪文が初期版では有効に機能しなかった。殆ど効かなかったり、他の作品と効果が違う等使い勝手が悪かった。
      具体的には殆ど効果が無かった「KATINO(眠り)」と「MONTINO(沈黙)」、戦闘ごとにかけ直しを必要とする「LATUMAPIC(敵識別)」、効果を指定できない「HAMAN」そして「MAHAMAN」等。
      • これらは♯2で調整され、かなり有効な呪文として生まれ変わった*45
+ その他の設定ミス疑惑。長くなるので格納
  • B2に出る「CREEPING COIN?」というHP1の敵はブレスを吐いてくるのだが、ダメージ0なので無意味。1グループに9匹いるし複数グループで出る上に仲間まで呼ぶためにメッセージが大変うっとうしい。ネタなのだろうか?
    • 「魔物が吐くブレスは魔物の現HPの1/2・小数点切り捨て」という共通仕様なので、バグというよりこいつのHPが低すぎるうえでの必然なのだが、ここまで低いと大抵の人は「HPの設定ミスではないのか?」という疑問が浮かぶ。
      ただし、もしこれが1でもダメージブレスと設定されていた場合、この敵は3グループで出ることが多いため「全員に27ダメージ」という強烈なブレスになり、B2に初めて来た段階ではかなり強敵となるのは確実。
    • 尤もそのお陰で安全に経験値が稼げるので、一種のボーナスキャラ*46と考えれば一概に短所やミスとは言えない所もある。また、♯3ではストーリーに若干関与する等WIZの顔役と呼べるモンスターの一つになった。
    • なお、IBM-PC版だけは小数点切り上げ計算になっていて、ブレスで1ダメージ受けてしまう。むしろこちらがミスだろうか。
    • 余談だが味方として連れ回せる『IV』ではHPが増加されてちゃんとダメージがあるブレスになっている。必ず9匹で召喚され殺されても仲間を呼んで補充してくれるためにかなり使い勝手の良いモンスターとなっている。
  • 魔術師のLV3の呪文「MOLITO」は1グループを攻撃する火花の呪文で、ダメージ量が「3-18」であるが、同じ魔術師LV3の「MAHALITO」が1グループを攻撃する火炎の呪文でありダメージは「4-24」と優れている。乱数の偏りが違うとか属性が違うということもないらしい。両方とも覚えた後はMOLITOを使う必要は皆無。
    • 本家D&Dで同LV呪文に範囲が違うファイアボール(円状範囲)とライトニング(直線状範囲)の2種類が存在したのでその名残で設定されている節もある。
    • 余談であるがMOLITOはPCエンジン版ではLV2に移動されて、TRPG版では無効化されにくい範囲呪文として存在意義が出た。流石にMOLITOがLV2ではバランスが悪くなると判断されたのかFC版のダイヤモンドの騎士ではLV3のままで、LV2呪文に#5の新規呪文MELITO(1グループに1-8ダメージ)が追加された。
  • 僧侶のLV5の呪文「BADIALMA(敵1体に3-24ダメージ)」も、同LVの呪文「LITOKAN」が同ダメージで1グループに攻撃できるためにまったく意味のない魔法となっている。
    • もっとも僧侶のLV5にはこれらの呪文とは比較にならないほど重要な回復呪文「DIALMA」が存在するため、前述の「レベルごとに別のMPがある」という仕様上BADIALMAもLITOKANもまず使われることはない呪文なのでさして問題ではないが。
    • 実はBADIALMAもD&Dの「逆呪文」の再現である。一応D&Dでは使い道がないこともないが*47、やはり回復呪文を削ってまで使われる事は少ないだろう*48
  • そもそもLV毎に分かれたMPシステム自体が問題なのかもしれない??各LVの呪文数のバラつきが少なくなるように四苦八苦していたのだろう*49
    • 一応「転職直後のMP=各LVごとの呪文数」というシステムの中では転職直後のMPの増大には貢献している。
    • 呪文はプレイヤーだけではなく、敵の行動の選択肢にも含まれており、使用する呪文の内容も調整されている。例えば、MAHALITOを唱えることが可能な敵はMOLITOも唱えるし、僧侶系の敵はBADIALMAを使用するがLITOKANは使用しない、という具合。容量の都合か、モンスターの使用呪文はLV単位で決められているのみで細かい設定はなされていない。敢えて弱い呪文を入れることで攻撃に緩急を付けるという効果を考えていたのかもしれない。

総評

コンピューターRPGの基本的なフォーマットを作り上げ、発展させた作品。
現代から見ると非常にシンプルであるが、当時は6色のカラーで描かれたモンスター、擬似主観視点、アニメーションするタイトル画面と、当時の技術で可能な限りのビジュアルを詰め込んだ革新的なタイトルでもあった。
「人生を変えたレベル」のゲームとして語られることも、決して珍しくない。それだけ、当時としては突出したものを内包した良作であったと言えるだろう。


ウィザードリィ

【うぃざーどりぃ】

ジャンル RPG
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売元 アスキー
開発元 ゲームスタジオ
発売日 1987年12月22日
定価 5,800円
判定 良作

概要(FC版)

上記、シナリオ1『Proving Grounds of the Mad Overlord』の移植。
若干の調整及び変更(B6~B8の全面改装、ゲームバランスの調整)が行われているが、全体の雰囲気は損なわれていない。ただし、これらの変更を「オリジナルに忠実ではない」とするオールドファンも存在した。

変更点(FC版)

  • アイテム名はD&Dのような「ショートソード+1」といった感じの名前から、「よいたんけん」(良い短剣)といった固有名詞になっている。
    • なお、よく勘違いされているのだが、このアイテム名変更はゲームスタジオ監修版オリジナルではなく、先に発売されていたMacintosh版#1のアイテム名を訳したものである。
      • オプションでアイテム表記を「英語」にすれば、Macintosh版と同じ名前であることが確認できる。
      • +1に相当する「きりさきのけん」と+2に相当する「まっぷたつのけん」。名前は「まっぷたつ」の方が強そうではあるが、売値は「きりさき」の方が高いため、武器の性能が直接表示されない本作ではややこしい。一方、防具については装備すれば防御力はすぐにわかるが、後述のバグによりあまり数値には意味が無い。

評価点(FC版)

  • 操作性の変更など
    • PC版のコマンド選択はキーボードを駆使した独特な操作法であったのだが、家庭用機での操作デバイスはコントローラーなので同じ方法は使えない。その結果、いわゆる「ドラクエタイプのコマンドウィンドウ型」に変更された。そしてそれはレスポンスの向上につながり、操作におけるストレスが大幅に軽減されている。
    • 戦闘メッセージの表示スピードを自分で変更できる数少ない作品である。ウェイトを「∞」にするとAボタンを押さない限り進まないようになっている。
    • メッセージやアイテム名、スペル名、モンスター名を日本語/英語で切り替えられる。和訳のクオリティも上々。
      • ただし、直訳してしまったがゆえに珍妙になってしまった語句もある。有名どころはクリティカルヒット発生時のメッセージ「○○ は くびをはねられた!」。訳としては間違ってはいないのだが、「首のないスライムの首をはねる」などのおもしろ現象が発生したためネタにされた。
  • グラフィック面が大幅にパワーアップした
    • 迷宮のグラフィックはオリジナルではワイヤーフレームであったが、ゲームスタジオ監修版ではドットによるグラフィックが表示されるようになった。なお、コンフィグでワイヤーフレームに切り替えることも可能。
    • モンスターおよびイメージイラストを末弥純氏が担当。ファミコンのハード性能ではイラストの完全再現とまではいかなかったが、それでもApple II版との差は歴然。攻略本などに載っていた美麗イラストはプレイヤーを魅了するに十分であった。後に画集も刊行されている。
      • ちなみに末弥氏自身も、Apple II時代からのWizファンであることを公言している。
      • マイルフィック、フラック、グレーターデーモンなどは特に好評であったようで、イラストレーターが異なる外伝シリーズにおいても、これらの人気モンスターは末弥デザインに準拠したグラフィックであった。また、アスキー以外のメーカーから発売された和製ウィズにおいてもその影響は大きく、似たような特徴のイラストであることが多い。
  • BGM担当に羽田健太郎氏を採用
    • 羽田健太郎氏は『西部警察』や『渡る世間は鬼ばかり』、『超時空要塞マクロス』など、数々のテレビ番組の曲を担当した有名な作曲家兼ピアニスト。しかしゲームについてはあまり詳しくなく、『「ウィザードリィっていうゲームの曲を作ってくれ」→「ウィザードリィ?何かの鳥か?アホウドリみたいな」』というやりとりがあった。
    • 「暗いイメージで、中世ヨーロッパを連想させるクラシック曲でいきたい」という意向があったため、羽田氏に白羽の矢が立った。このあたりのやりとりは『ウィザードリィ リルガミンサーガ 公式ガイド』に詳しい。

賛否両論点(FC版)

  • アレンジ内容
    • ただありのままを移植するのではなく、(作品にもよるが)ちょっとしたアレンジを利かせている。これも支持を集めた要因であると言えるが、人によっては「なぜ変えた!」という人も。
    • 代表的なのは、「ロスト(キャラ喪失)」の条件を緩和したこと。本来は問答無用でロストする状況のいくつかを「死亡」または「灰化」に置き換え、全滅時(確率)・灰からの蘇生失敗・レベルアップ時に生命力が一定以下に低下・エナジードレインによるLv0以下への低下以外ではロストが起こらなくなっている。
    • ゲームスタジオ監修版においては、パスワードや外部記録装置を用いることで別のシナリオ間でキャラクターを引き継いでプレイすることができる。その場合、「職業とシナリオクリア時に獲得した称号を引き継いだLv1のキャラクターとして『転生』する」ようになっており、中でもGBC版では最大で10個もの称号を獲得させることができる。*50
    • PC版では発動しなかった一部のフラグが起動する様になったので1階のエレベーターへの直通ドアを利用するために2階を探索する必要がある。
      • あくまで使用できないのは直通ドアなのでエレベーターには別ルートから遠回りで行けるのでさほど問題では無いが。

問題点(FC版)

  • レブル7シーフというモンスター名の誤字も存在する。また、「アーチメイジ」は後作では「アークメイジ」に改名された。*51
  • PC版と比べるとテンポは大幅に良くなっているが、町やキャンプ、戦闘等コマンド決定時に若干詰まるようなもっさり感がある。
    • 次作以降では改善されている。
  • バグが多い。普通に遊ぶ分には問題がないものから、ゲームバランスに影響を与える深刻なバグまでよりどりみどり。
    • なかでも重大なものは、味方のACが機能していないことである。回避判定には「攻撃実行者の」AC値が参照されてしまっている。
      • このため、特殊効果のない防具は装備しても無意味である。マツやマポーフィックの呪文で味方のACを下げても何の意味もない。
      • レベルの割にACが低いマーフィーズゴーストなどは攻撃をほとんど当ててこない。
      • ディルトやモーリスで敵のACを上げるとこちらの攻撃が当たりやすくなるが、敵の攻撃もその分当たりやすくなってしまうという副作用がある。
      • 「みをまもる」時は正常な処理をしていると言われる事があるが、実際には「みをまもる」時も味方のACは機能していない*52
      • 言語道断の重大なバグだが、驚くべきことに20年以上もの間、ほとんど気づかれていなかった(当時から「最弱クラスの敵の攻撃が妙に当たりやすい」という指摘は一応あったのだが)。近年になって、TAS制作者によるROM解析によって明らかになった。
      • 『ウィザードリィ』シリーズのACはダメージ軽減ではなく回避率に影響するものであり、これが異常をきたしてもダメージ値計算は正常に行われていたためゲームバランスが大きく崩れていなかったこと、ならびに全体的にランダム性が高いゲームなので回避率の不自然さも見過ごされることが多かったことが、気付かれなかった一因と思われる。

総評(FC版)

移植に際してアレンジした事は多少の賛否は分かれるものの良質な移植作といえる。
新たなバグも存在するが、全体的なクオリティは高かったため、バグの多さを考慮してなお高く評価したプレイヤーは多い。

ちなみにメーカーは「13歳以上の方に特にオススメします」としていた*53


その後の展開

本家

生みの親であるSir-Tech社はナンバリングタイトルを8作品出した。#8を除いたそれらはアスキーやローカスなどによる移植作業が行われ、中でもFC版#1は原作者をして「これは今までで一番良くできたウィザードリィだ」とのお墨付きをもらうほどのクオリティであった。しかしFC版発売当初は「オリジナルを尊重していない」などといった批判的な意見もあった。

その後、本家のタイトルは、米Sir-Tech社の倒産などにより8作目で終了。*54

  • 版権を継承したカナダSir-Tech社や1259190オンタリオ社が版権の利用権を複数の企業に販売したこともあり、様々なシリーズがリリースされたが、2006年に日本企業のアエリアIPM(現IPM)が6作目以降の全版権とWizardryの全世界における商標権を獲得。
    その後アエリアに代わりIPMの親会社になったゲームポットが「ルネサンスシリーズ」を展開することとなり、それ以外の和製Wizシリーズは全て終了した。
    2021年に同じく日本企業のドリコム社に権利が移行しており、独自の新作を開発中であることがアナウンスされている。
  • しかし、2021年6月にドリコム社の版権で発売予定だった『ウィザードリィ外伝 五つの試練』(Steam)が発売前日になって「#1~5とは関係ないタイトルです」と表明された上で発売延期、その後発売には漕ぎ着けたもののシナリオエディター機能の一時廃止に追い込まれており、未だWizの版権に関する火種はくすぶっていることがうかがえる。

様々なカップリング移植

  • 『ウィザードリィ リルガミンサーガ』および『ウィザードリィ ニューエイジオブリルガミン』(開発:ローカス)
    • リルガミンサーガは#1~3の、ニューエイジオブリルガミンは#4&5の移植。PS、SS、Win版が発売されている(SSはリルガミンサーガのみ)。基本的に国産PC版の移植だが、FC版と同じ羽田健太郎氏の新規BGMを使用し、モンスターグラフィックも末弥純氏の原画をリファインしたものを選択できる*55。ニューエイジ~収録の#5ではアイテム名をSFC版準拠にすることも可能。
      • シナリオ3の国産PC版ではApple II版から差し替えられたモンスターがいるが、それらについても差し替え後のモンスターグラフィックが新たに描き下ろされている。
    • SS版にはボーナスダンジョンが、Win版#5には数点の追加アイテムが存在する。また、PS版のみメモリーカードの制約上リアルタイムセーブが任意セーブに変更されている。
    • PC版基準のためマカニトやラカニトが呪文抵抗を貫通せず、#3の敵から得られる経験値が極めて少ないためファミコン版よりも難易度が高い。
    • ダンジョンはポリゴンで表示される。このためかワープポイントでワープ先の壁が見える処理はカットされている。また実際に踏まずとも床グラフィックで落とし穴や回転床が判別でき、実際に激しく回転する演出や、ワープでエフェクト演出が入るため、踏んだことに気付かないと言う事はない。
      • 線画表示に設定すればこれらの演出はカットされ、ワープポイントの表示も原作通りになるが、SEは鳴ってしまう(SEもオフには出来る)。
    • オートマップはゲームスタジオ監修版などと違い、いつでもノーコストで参照できる上、現在位置を始め、前を通るだけで一方通行や隠し扉なども全て表示される。オプションでOFFにすることは可能。
      • このため、これを縛らない限り、単に見えないだけの#1~3の隠し扉は殆ど無意味なものになってしまっている。
      • デュマピックは原典どおり座標表示のみ。やはりオートマップONだと殆ど利用価値がなくなってしまう(オートマップに座標表示はないため、マラー(マロール)用途で全く無意味ということはないが)。
    • カーソルを移動させて決定した時の「カッ・カッ・バツッ」というやたら鋭い音や敵が仲間を呼んだ時の「 ウェイ! 」プレイヤーキャラが死亡した時の「 うおぉ↓ 」と気の抜けた断末魔*56など効果音が非常に独特。
    • 最初から酒場に居るキャラがレベルがある程度高い状態で固有の名前も付いている。#1-#3の初期キャラは名前はログアウト冒険文庫の小説「リルガミン冒険奇譚」シリーズの登場人物から取られている。#5の初期キャラは何故かアメリカのTVドラマ「スタートレック」のキャラの名前や担当俳優の名前で登録されている。
      • 特性値がレベルの割に異様に低いという難点はあるが、#2の初期キャラはLV10、#3の初期キャラはLV5からのスタートになる上に#3は最初から忍者が居るため、抵抗が無ければ#2の初期キャラを#1に送って攻略の手間を省いたり#3の初期キャラに攻略を助けてもらうというプレイも可能。#5は全職業が一人ずつLV5で登録されている。なお#1の初期キャラのみLV3からのスタートで使用するメリットは無いが、PS版#4のアレンジバージョンに子孫が友情出演していたりする。
    • 「博物館」の追加。いわゆる図鑑であり、シナリオごとに倒したモンスターや入手したアイテムが記録され、詳細なデータやグラフィックを見ることができる。ただし未識別状態では登録不可。
    • セーブデータが3作品で共有されている上、キャラの転送(転生)を行うと元のデータは削除される。このためキャラのコピーが完全に封じられている。
    • リルガミンサーガで全称号を集めたキャラを#5に送ると性格を自由に指定可能という特典がある。これにより#5では作成できない中立のロードや司教が登録可能。
    • PS版#4の敵冒険者は末弥Wizイラストオールスターズ状態となっており必見。SFC版#6のプレイヤーキャラやNPC、リルガミンサーガの各シナリオイメージイラストにも使われていたあの冒険者、果てにはムック本の表紙用に描かれたワードナまでワードナに襲い掛かってくる。
      • 撃破するとリルガミンサーガや#5でプレイヤーキャラが死亡した時と同様のなんとも言えない断末魔を上げながらフェードアウトしていくため、攻撃呪文でまとめて吹き飛ばすとかなりシュール。
    • PS版はPCエンジン版と並ぶPC版#2、#4の貴重な家庭用ハード移植版であり、#4はPS、Win版両方にアレンジ版も並録されている。
    • リルガミンサーガ、ニューエイジオブリルガミン共にPC版以外の機種では目立ったバグが存在しない。これ以外の移植版は何かしらバグっているためWizardryというゲームではかなりレアなことだったりする。
  • 『ウィザードリィコレクション(ローカス版)』
    • 厳密にはゲームソフトではなく書籍なのだが、Apple版の#1から#5までのイメージファイル入りCD-ROMが同梱されている。ただし、ゲームプレイにはAppleのエミュレータを各自でダウンロードする必要がある。
    • どちらかと言えば、ゲームプレイよりも開発・販売の経緯やシリーズの紹介といった資料的価値の方に重点が置かれている。
  • 『ウィザードリィコレクション(エレクトロニック・アーツ版)』
    • #1から#7までのPC-98版のイメージファイルが収録。プレイには同梱のPC-98エミュレーターを使用する。
  • 『ゲームスタジオ監修版』
    • FC版#1をはじめとしたFC、SFC、GBに移植されたもの。詳しくは上記、及び個別記事を参照。
  • その他移植版
    • PCエンジン版(ナグザット)
      + 長くなるので格納
    • PCエンジン版の開発は全作品通してアクセス。全機種で見てもかなり異質な仕様が目立つ。
    • PCエンジン版『V』
      • PCエンジン版では一番初めに発売されている。また、アスキー版のSFC版『V』よりも2ケ月発売が早い。PCエンジン版としては『V』が最初の移植のためか、『V』のみUIがかなりアレンジされているがレスポンスは非常に悪い。
        そしてOPとNPCがフルボイスであるが全体的に棒読み気味。ここで力尽きたのかEDは無声。
      • PCエンジン版では『V』のみ国産PC版の末弥絵を元にアレンジされているため、こちらのほうが馴染み深いかも知れない。
        ただしPCエンジン版#1-#4と違いドット絵のクオリティは稚拙で、目コピしているためなのか末弥絵のデザインから細部がかけ離れているモンスターも多い。*57
      • キャラクターをパスワード化することで『I』以降のPCエンジン版Wizに転生可能……なのだが PCエンジン版『V』はクリアするとそこでゲームが終了してしまう。
        つまり称号を受け取ったりクリア後専用呪文のアブリエルを習得してゲームを続けることができない。
        この仕様のため後の『I』以降にも『V』の称号持ちキャラの転生ができない。逆に『I』『II』『III』から『V』にキャラを転送することも一応可能。やはり称号は引き継げないが。
      • なおパスワードで転送したキャラが呪文が使える職業の場合はレベル据え置きなのに呪文の再習得ができず、レベルが上がってから呪文を確認するとフリーズするようになってしまい使い物にならない。実質戦士、盗賊、忍者限定の機能になる。
      • 開発の際にSir-Techから資料を貰えなかったのか疑われるほど、他機種から見て異常な挙動を見せる。
        武器に最低攻撃回数、種族倍打、種族防御の概念が無い。 死亡状態のキャラクターにアイテムを渡すとアイテムが消滅 。召喚呪文は今居る階層に出現するモンスターからランダムに召喚*58
        エンカウントする敵の組み合わせもその階層で出うる敵からランダムで選ばれるのでラスボス+裏ボス3体の組み合わせ*59で登場する可能性がある。 敵が唱えるロカラやモガトを食らうと「〇〇は消滅した」となりロストする *60等。
    • PCエンジン版『I・II』
      • 移植というよりアレンジバージョンと言えるほど根本的な中身が別物だが、当時のスタッフ曰く「PCエンジン版でしか行えないような内容にしてみた」とのこと。(ツイート)
      • トレボー城塞都市がリルガミンという名前になっている以外は『I』の背景ストーリーは概ね他機種版と同じだが、『II』の背景ストーリーが大幅に改変されており、ダバルプスとアラビクとマルグダのくだりが完全に無くなっている。
        明言はされていないが、『III』のOPでもトレボーの領土戦争がワードナとの戦いやニルダの杖探索と並んでピックアップされているため、トレボー王が争いを繰り返すリルガミンをニルダの杖そのものが見限って迷宮に姿を隠したという設定になっているようだ。
        なお『II』にマルグダは出てこないが、『III』にはマルグダの曾孫のベイキ女王が登場する。
      • 『I・II』のモンスターグラフィックは山田章博氏が新規にデザイン。
        リアルすぎるボーパルバニー、バテレン風バンパイアロード等、末弥絵とはまた違った解釈のモンスターの表現がなされている。
        『III・IV』で追加されたモンスターに関しては監修のみ担当。
      • BGMは「天地創造」、「イースIV MASK OF THE SUN(SFC版)」のBGMを作曲してきたCUBEの小林美代子氏*61が担当。
        全体的にファンタジーらしさを意識した楽曲になっているものの、『I・II』の通常戦闘曲のみ他のPCエンジンゲーに合わせたような超スタイリッシュなBGMになっている。
        ファミコン版Wizで培われたWizの硬派なイメージとは真逆を行く曲調なので賛否は分かれるものの、「ウィザードリィという作品と切り離して聞けば名曲」という評価に概ね落ち着いている。
        また、『I』の地下4階の固定敵に全機種中唯一固有のボスBGMが付いている。
      • 迷宮内のBGMと雑魚敵戦のBGMは設定でCD音源かPSG音源に切り替え可能。
    • 前述の通り、PCエンジン版独自の要素が多い。
    • 攻略要素の追加
      • 『I』は攻略と無関係だった5F~8Fも直接探索する必要がある(各フロアのスイッチを入れなければエレベーターを使えない。8Fはスイッチが2つあり、片方のスイッチを押すと9Fも移動可能になる)。
        『II(KOD)』はコッズアイテムと戦う為に、その階層のどこかに追加されている謎解きイベントを解かなければならず、更に「ディンギル」のダイアモンドドレイクに次ぐあまりに出鱈目な強さの隠しボスが追加されている。
    • 独自色が強い初期キャラ
      • 初期キャラはリルガミンサーガと違って簡素な名前になっているものの、珍しく全員性格が悪になっており*62、戦士と盗賊はその職業にとって必要な特性値が18(PCエンジン版での特性値の上限は最大22)に設定されているなど実用に足るステータスになっている。悪の侍という変わり種も居る。
    • WEEK(週)の可視化とDAY(日)、MARKS(撃破数)、RIP(死亡回数)、性別の追加。
      • PCエンジン版のキャラクターのステータス画面には、他機種版ではマスクデータになっていたキャラクターの年齢の単位の一つであるWEEKが表示される。更に、馬小屋に宿泊した時に加算し、7になった時点でWEEKが一つ加算されるDAYの概念も追加。
        つまり、これまで確率で加齢していた馬小屋が確実に加齢に近づいていく設定になっている。
      • また、PCエンジン版では先に『V』を移植したこともあってかNP版に先駆けてMARKSとRIPが追加されている。更にPCエンジン版独自の要素として性別の概念すらある。性別の設定はゲーム中の要素には特に関わらないが、レアアイテムに「 性転換 」の効果があるものがあり、想像を掻き立てるようになっている。
    • 戦士系以外の職業もレベルアップで攻撃回数が増える。
      • 後述のアイテム性能の調整も併せて、盗賊が戦力になるようになっている。
    • アイテムや商店に大規模な調整が入っている。
      • アイテムデータを全シナリオで共用しており、商店経由で別のシナリオのアイテムを購入したり、商店に売れないアイテムでも所持しているキャラのSERIESを変更することで他のシナリオに持ち込むことが可能。
        クリアアイテムかつ性質上一品物で確実に没収されるワードナの魔除けとニルダの杖を除けば全てのアイテムを別のシナリオに送ることが可能。
      • この関係で、商店の初期在庫が『I・II・III』を全て合わせたような独自のものになっている。そして大半の装備品には倍打や属性抵抗など何らかの特殊効果が追加されている。PCエンジン版の厳しい仕様を生き延びるにはこの特殊効果の把握が不可欠となる。
        例としてはCUIRASS系統の鎧(『III』の革鎧)には全て冷気耐性が付いている。ではCUIRASSを装備すればいいのかと言うと、CUIRASS以上に重要な効果が付いている鎧が別に売られているのでそれを探さなければならない。
        ちなみに予備知識無しで買うと思われる装備品は大抵効果無しとなっている。
      • ほとんどのエンチャント武器(設定のITEM NAMEがORIGINALになっている時に名前に+〇が付いている武器)に倍打が付いている。
        特にDAGGER+2(切り裂きの短刀)は比較的入手しやすい上に悪魔系倍打が付いているため、盗賊や魔術師でもグレーターデーモンを一撃で撃破可能という強力で頼りになる武器になっている。更に初めから売られているSTAFF+2(硬い杖)には不死系倍打が付いているので僧侶や司教でも戦力になる。
      • 薬や巻物の破損率が30%と低めになっている。巻物は後述の不具合の関係で役に立たないが、薬は生命線になりうる。
      • 一部の装備品にはレベル制限が課されており、必要レベルに達していないキャラクターが装備しても性能を発揮できない。
        『II』のコッズシリーズの装備品には全てレベル制限がかけられているが、何ともない装備品にレベル制限がかかっているパターンもあり、『III』で転生した直後などは油断できない。
      • 司教は既に鑑定されているアイテムを更に鑑定することで、武器の最大ダメージと攻撃回数、SPの有無などのアイテムの性能を確認することができる。その他の特殊効果は「何らかの秘められた力を感じる」と何かしらの効果が付いているということだけ分かる。
      • 何気に自分自身にアイテムを渡すということができるので、アイテムの整理が楽。アイテムの所持欄に空きが無い他の味方に対してアイテムを渡そうとすると当然弾かれるが、自分に対してアイテムを渡す場合のみアイテムの所持欄に空きが無くても渡すことができる。
        他機種版では自分自身をアイテム交換の対象にできず、他のキャラを経由しないと所持アイテムの順番を整理できないことが多い。
      • 更に激レアの新規追加アイテムも多数存在。シナリオ毎に全く違う新規アイテムが用意されているので、アイテムハントを繰り返す楽しみがある。後述するゲームバランスに耐えられればだが
    • GBC版に先駆けて呪文リストの調整が行われている。
      • TZALIK、LADALTOが実装されている。MELITOのみ実装されておらず、代わりにMOLITOが魔術師呪文L2に移動。僧侶呪文はKANDIがリストラされていたりLOKTOFEITが僧侶呪文L7だったりする。
        他にもレベルが変更されている呪文も多い為、低レベル帯や転職した後のMPが他機種版とはだいぶ異なる。他機種だと魔術師4/2/2/3/3/4/3、僧侶5/4/4/4/6/4/2なのだが、PCエンジン版では魔術師4/3/3/4/3/3/3、僧侶5/4/4/5/4/3/3となり、魔術師呪文のMPが確保しやすくなっている。
      • BADIOSなど一部の攻撃呪文の威力が高めに設定されている。更に敵がMAKANITO*63、LAKANITO、MANIFO*64、LITOKAN、LORTO、MALIKTOなど他機種では使わない呪文を敵が使ってくる。
      • 効果そのものが変わっている呪文もあり、MAKANITOは対象がレベル7以下からレベル8以下の敵の即死に変更、TILTOWAITとLORTOには属性が付いてそれぞれ火炎系、冷気系の攻撃呪文に変更。
        味方が使うMANIFOは「敵を即死させる代わりに経験値を獲得できない」というディスペルに近い効果になっている。DIとKADORTOはどのシナリオでも戦闘中に使用可能。LOKTOFEITは移動中も使用可能になり、失うゴールドの量やアイテムはランダムとなっていて全てを失わないようになっている。
    • 全滅時のペナルティが死体が迷宮内に残る以外にほとんど無い。
      • キャラクターのロストは起こらず、ゴールドや所持品も手付かずのまま残る。このため全滅の結果を受け入れやすくなるようになっている。
      • ただし、麻痺状態や石化状態のキャラは全滅時に死亡状態になってしまう独自のペナルティがある。しかもこの仕様に付随するバグあり。
    • PCエンジン版独自のオープニングとエンディングの演出がある。
      • 電源投入からそのシナリオの迷宮に入るのが初回の時のみOPが流れ、そのシナリオのバックストーリーが語られる。EDの最後にはクリア時のパーティキャラとリセット回数が表示される。
        リセット回数が少ないとクリア時のパーティキャラが強化されるが、500回を超えると10歳加齢するペナルティが付く。なおカウントしているのはパッドリセットのみなので電源の切り替えでリセットしていた場合はカウントされない*65
      • しかしノーリセットクリアしてしまうと全呪文を強制的に習得させられてしまい、後述の問題点の通り全ブラスターの対象になるというデメリットがある。
        ノーリセット報酬や加齢ペナルティを回避したい場合はエンディング中に電源を切れば回避して称号だけ獲得可能。
    • 寺院で灰からの復活に失敗したり、キャラクターがロストした状態で城に戻るとキャラデータ削除の際にお悔やみの文章が表示される。細かい。
      • なおMALORのワープ失敗や『III』の石の罠によるロストは文章が表示されない。
    • そこまで丁寧に調整しておいてゲームバランスはかなり無茶苦茶であり不具合も非常に多い。
      他機種版の常識が通用しないため、PCエンジン版に応じた戦略を練り直す必要がある。
      キャラクターデザインと音楽がアスキー版Wizやリルガミンサーガとは違うというのは序の口で、このゲームバランスに面白さを見出せるかどうかがPCエンジン版を楽しめるかの分かれ道となると言っても過言ではない。
    • 宝箱の中身が異常に渋いためにハクスラ的な面白味に欠ける。
      • 例としては『I』のワードナ戦を迎えた時の最強装備がMACE+2(力のメイス)やSHORT SWORD+2(最強の短剣)でも珍しくない。他機種ならLONG SWORD+2(真っ二つの剣)やカシナートの剣が揃っている段階だが、PCエンジン版だとどちらも激レアアイテムと化している。
        ロングソード+2は入手できるアイテムテーブルに他のアイテムが多く単純に出にくい。カシナートの剣のドロップ率に至ってはなんと手裏剣と同等。なお村正とGARBofLORDS(聖なる鎧)はよりドロップ率が低く、一説によると泣く子も黙る 数万分の1 とのこと。
      • 救済措置として『II』と『III』は隠しボスを撃破すると確実に激レア枠のアイテムのいずれかを入手できるが、隠しボスは『III』に対処法が分かれば勝利が難しくないものが一体居るくらいで*66、それ以外はいずれも極めて高いステータスを誇り、それらを撃破できる時点で既にやり込みの領域となる。
        『I』はそういったものすら無い上に『I』独自の新規アイテムも存在するので地道に宝箱を開けなければならない。
      • なお手裏剣は隠しボスのいずれを倒しても入手できない設定になっているため、見ようによっては村正以上の激レアアイテムと化している。カシナートの剣も『III』の隠しボスを何度も倒さねばならず、入手難易度は高い。
    • 事実上の没アイテムが多い。
      • 入手出来ないと思われる追加アイテムに加え、他の機種では入手出来たアイテムすらアイテムテーブルに入っていないケースも多い。
        例えば「盗賊の短刀」「宝石の指輪」「僧侶の指輪」「変化の指輪」「力のコイン」「エクスカリバー(ロングソード+5)」「手袋(ウインターミトン)」などが該当する。 というか『II』は追加アイテム以外は『I』でも入手できるアイテムしか入手できない。
      • このため盗賊で作成してしまったキャラは盗賊の短刀が存在しないために盗賊から他の職業への転職というあまりに無駄な転職を行うか、『III』のバタフライナイフに頼るしかなくなってしまう。
        一定の法則に従って転職を行うSPを持つ追加アイテムの「ORBofSPECTER*67」というものも存在するが、何故か盗賊には効果が無いという嫌がらせのような設定がされている。
      • 『III』も「羊飼いの杖」が何故か入手できない。これに関しては羊飼いの杖は設定されている攻撃力がバグっていて1回ヒットにつき3~248ダメージになっており、先発で出した『I・II』でもデータ上はこのバグった攻撃力の羊飼いの杖が設定されているため、開発側が『III・IV』のリリース前にこのバグの存在に気付いた結果、『I・II』に持ち込まれた羊飼いの杖が猛威を振るうことを恐れて出すに出せなかったのだと思われる。
      • 「中立の鎧」「悪の鎧」にあたると思われる「PLATE+2/ NUTRAL PLATE」「PLATE+3/ARMORofEVIL」という防具もあるが、いずれも入手不可の模様。
        しかも NUTRAL PLATEは性格が中立のキャラが装備しても呪われる呪縛品と化している上にEXTRA時の名前の「 NEUTRAL 」の綴りを間違えている代物。
        性能そのものは毒属性と石属性への抵抗効果が追加されており、元の中立の鎧に比べれば悪くないのだが。
    • 一部のアイテムの設定が変。
      • SHIELD+3(守りの盾)は悪以外の性格のキャラが装備すると呪われ、SHIELD+3(E)(悪の盾)はどの性格でも装備可能。名に偽り有りである。
      • 追加アイテムのほとんどのSPの効果が「 灰化 」。ゲームの仕様上装備を付け替える度にSPの実行を行うか聞かれるので鬱陶しいことこの上ない。
      • 「年齢が50歳になる*68」というある意味灰化より恐ろしい効果の追加アイテムもある。そのアイテムは無限にDIOSが使えるが、もっと楽に入手できてDIALMAを無限に使えるコッズシールドがあるので希少性に反してメリットが霞んでしまう。
      • 不可解なレベル制限がかかっているアイテムも多い。LONG SWORD+1はキャラレベル10以上でないと扱えないがLONG SWORD+2は制限無し、PORFIC*69を発動させるのにキャラレベル10を要求されるRINGofPORFICなど。
      • 属性抵抗が機能していないことがある。例えば吸収属性に抵抗がある装備品を身に着けているレベルドレインを受ける頻度は確かに減るのだが、必ずレベルドレインを回避できるわけではない*70
        また、呪文属性抵抗が機能していない*71
    • プレイヤーキャラの最大HP、及び特性値の上がり方もかなり渋い。
      • 他機種版であればLV13もあれば戦士系の職業と僧侶はHP三桁台を普通に狙える段階だが、PCエンジン版ではドワーフの戦士ですらLV16~18くらいにならないとHP三桁台が見えてこない。
        もともと最大HPが低めになる職業は他機種版とほぼ同様の上がり幅だが、戦士系の職業は生命力が20あってもHPがあまり上がらない。
      • なおLVが30を超えた辺りからHPが急激に成長し始める。それでもLV30で最大HP200前後と、LV30で最大HPを300以上狙える他機種版と比べると一回り低めだが…
      • 『I』でもTILTOWAITや後述のグレーターデーモンの攻撃などそれなりの頻度で三桁台のダメージが飛び交うので、LV13でもHPが三桁行かない前衛のキャラクターの即死は結構な頻度で起こる。
      • キャラ作成直後の初期HPも出鱈目で、他機種版では僧侶は安定してHP8前後になるところが、PCエンジン版では 初期HP4の僧侶 という世にも珍しいキャラを拝める。
        当然こんな状態ではコボルドに一回殴られただけで即死するため、とても前衛には置けない。レベルが上がれば次第に戦士系職業の次に高いHPに落ち着いていくが…
      • 特性値に関しては「上限は種族毎の初期値+12で、転職、召喚直後などで特性値が低い時は上がりやすく、特性値が高いほど上がりにくくなっていく」という独自の仕様になっている*72
        具体的にはある特性値が13を閾値として以降2ずつ上がるごとにその特性値はどんどん上がりにくくなる。上限そのものは他機種より高めだが、自力で18以上に到達する確率が低い。
        このため自力で上級職への転職を狙うのが困難になっている。転職狙いの場合は予め高ボーナスで上級職の転職条件を満たしているキャラクターを作成しないと転職が見えてこない。
      • こんな有様なのに職業の就職条件は他機種版と同様のため、全特性値が17必要な忍者に転職するのがやり込みの領域になっている*73
        PCエンジン版は盗賊の短刀や力のコインが事実上の没アイテムと化しているので、隠しボスを撃破することで比較的楽に入手できる『III』のバタフライナイフのSPを使うまでは忍者のキャラを作成することそのものが非常に厳しい。
    • 特性値による影響が大きすぎる。
      • この結果何が起こるのかというと、力による命中補正の振れ幅が大きく、召喚直後で特性値がリセットされているキャラは例え高レベルでも一度に多くの攻撃をヒットさせることが難しく火力が伸び悩む。
        素早さによる宝箱関係の確率修正の影響も非常に大きく、転生直後でLVが1になっているが素早さが22に到達している魔術師は盗賊顔負けの確率で宝箱の罠を解除することが可能。逆に素早さが半端だと盗賊や忍者でも罠の解除をやたらしくじる。
        運はクリティカルを受ける確率に影響しているらしく、ある程度育っているキャラであれば首をはねられることはほとんどないが、召喚直後で運が初期値になっているキャラはLV1000の忍者*74でもボーパルバニーに首をはねられる、など他機種版ではまず有り得ないような光景が頻発する*75
      • 生命力だけは前述の通りHPの成長にあまり関与しない上に蘇生時に生命力が下がることもないために、特性値の重要性がかなり歪になっている。
        また、レベルアップ時やSP解放時に特性値が下がり過ぎて3以下になった時の老衰やロストが生命力以外のすべての特性値で起こりうるため、特性値に初期値が極端に低いものを持つエルフとドワーフとホビットは転職直後や召喚直後のロストに警戒しなければならない。
    • SPによる転職の仕様のクセが強い。
      • SPによる転職は転職前の装備品が外れない。 転職系のSPがあるアイテムは前述のバタフライナイフとORBofSPECTORしか存在しないが、バタフライナイフや忍者が装備できる重装備系の防具を装備した司教や、村正を装備したロードや忍者が作れる。
        後者は趣味の領域になるが、前者のバタフライナイフを装備した司教はバタフライナイフ自体の強さと攻撃回数が伸びる仕様もあって忍者とほとんど変わらない火力で敵をなぎ倒していく衝撃的な強さになる。
        元々忍者と司教はHPの伸びも同等なので、これで司教がホビットで素早さを22まで上げられて宝箱の罠の解除も得意となると、いよいよ忍者の存在感が霞む。
      • しかしいざバタフライナイフ司教を作ろうとするとここにも落とし穴があり、「その職業で呪文LV7のMPが9(最大)になるキャラLVを過ぎた状態でのレベルアップでは呪文の習得判定が発生しない」というPCエンジン版『V』にもあった挙動を見せる。
        PCエンジン版の司教はLV41到達時に全ての呪文レベルのMPが9になるため、LV41以上で忍者から司教に転職してしまうと 司教なのに呪文が全く使えないキャラクターが誕生してしまう。
        これを回避するには、レベルドレインをわざと食らいまくるか事前に覚えている場合のみHAMANかMAHAMANを唱えたり、その効果があるアイテムをLV40になるまでひたすら使わなければならなくなる。
    • PCエンジン版『V』と同じく敵は現在の階層で出うるモンスターがランダムに登場する。
      • 例としては『I』の10階層ではマイルフィック+グレーターデーモン+グレーターデーモン+ポイゾンジャイアント等の他機種では有り得ない鬼畜編成で出てくる可能性がある。
        ある程度は制御されているらしくフラック+マイルフィックの組み合わせなどは出てこないのだが、それでもフラックorマイルフィックに加えてグレーターデーモンやポイゾンジャイアントの複数グループなどの、奇襲された場合パーティ壊滅が見えてくる編成が結構な頻度で出てくる。
    • 『I』では状態異常呪文と即死呪文が高確率で成功する。
      • 『I』の場合、KATINO、BADI、ZILWAN、LAKANITOは対象になっている敵であれば通用する。グレーターデーモンやウィルオーウィスプすら普通に眠るし窒息する。KATINOとLAKANITOはたまに失敗するが、BADIは必中と言っても良い精度になっている。
        BADIは僧侶呪文LV4になっており、ワードナの取り巻きに効くZILWANも魔術師呪文LV4となっているため、多少のリセットを行えばキャラクターLV7でワードナ撃破も可能。これを行うには事前にエレベーターのスイッチを押して移動できるようにしておく必要があるが。
      • 敵が使うKATINO、MANIFO、BADI、LAKANITOは成功率が低めになっている。また、『II』は深層では通用しない敵の方が多い。マジックソードには何故かBADIが当たる、アースジャイアントがLAKANITOで窒息するなど効く敵と効かない敵の基準が不明瞭だが…
      • こちらも召喚直後で特性値が下がっていると各種呪文の成功率が露骨に下がるために、知恵や運などの特性値が成功確率に絡んでいる可能性もあるが、詳細は不明。
    • 敵のステータスが出鱈目に設定されており、攻撃力も不当に高い。また、敵のMPが実質無限で、前述の通り他の機種より強力な呪文を使う。
      • 例として挙げると、ファイアードラゴンの種族設定が 巨人系 のため、竜系に倍打効果のドラゴンスレイヤーの対象にならない。
        またファイアードラゴンは元々MADALTOを使用するが、他機種版であればMPの概念がありやがて使用しなくなるところが、PCエンジン版は敵にMPの概念が無く、長期戦になってもMADALTOを連発してくるようになっている。
      • ちなみにPCエンジン版の『I』だと竜系に設定されている敵がガスドラゴンとドラゴンパピーしか居ないので、終盤以降に入手機会があるドラゴンスレイヤーを入手したところで役に立つ機会が無い。
        『III』の隠しボスは全て竜系だが、『III』ではドラゴンスレイヤーを上回る性能のFLAMETONGUE(炎の団平)が気軽に手に入る。不遇。
      • 敵の通常攻撃の威力が、PC版の1回目の攻撃の最大威力×攻撃回数になっている。これはPC版、というか普通のWizであれば攻撃する回数ごとに威力が設定されている仕様をPCエンジン版では考慮していないためである。
        例えば、ブッシュワッカーはPC版であれば1回目の攻撃は2~7(1D6+1), 2回目の攻撃力は3~9(2D4+1)で最大16ダメージ、PCエンジン版では1~7×2に設定されているので最大14ダメージとなっている。
      • この影響で、グレーターデーモンの通常攻撃の最大ダメージが120となんと他機種版の42と比べて3倍弱。KATINOが効きやすいといってもグレーターデーモンに奇襲された場合はどうしようもないため、危険度が増している。
      • 『I』の4階で登場するもの含むハイプリーストがMALIKTOを使用。MADALTOを上回る火力であるため、ゲーム中盤の時点で使われればもはや勝ち目は無い。このため他の敵よりも優先して倒さなければならない相手になっている。
      • 『I』の4階では何故かハイニンジャが雑魚敵として普通に登場。初めて4階に到達した時点では間違いなく死人が出る。BADIが確実に決まるのを知っていれば対処はできるが。
      • 本来不死系の敵であるマイルフィックの種族が全シナリオ通して魔法生物系。ZILWANが効かない。
      • 『I』のレイバーロードを倒した時の入手経験値が0。(他機種版では4155)そのくせ強さは据え置き。
      • 『II』の隠しボス「N*U*M*E*R」の最大攻撃力が 1950 。これは『ディンギル』の隠しボス達の攻撃力を優に超える数字*76である。また、HPこそ9999と『ディンギル』の隠しボス達のHPの1/3にも満たないが*77、N*U*M*E*Rのヒーリング値は255とあちらのヒーリング値の2倍。しかも通常の呪文の無効化率が99%となっている上に、MAHAMANを無効化してくるため、逃げ道が無い。
        もっとも、N*U*M*E*Rは石化付与はしてくるがノックアウトやレベルドレインが無く、お供がTILTOWAIT連発で一掃可能であることを考えると実質N*U*M*E*R単騎での登場なので、きちんと鍛えたキャラクターとN*U*M*E*Rのヒーリング値を上回るダメージを出せる装備品*78を用意できれば、『ディンギル』の隠しボスほど理不尽ではない。むしろ最大の敵はその肝心のアイテムがさっぱり手に入らないゲーム性だと言える。
    • 毒とマイナスヒーリングの仕様が凶悪
      • 毒ダメージが最大HPの1割、現在HPが100以下の場合は9ダメージに固定されており*79、序盤の内はどんなにHPがあっても10歩以内に死亡*80
        また、1度毒ダメージを受けた後にメニューを開閉した時、MALORで移動した直後にも毒ダメージを受ける。このためあと数歩で城に戻れるという状況で余計なことをすると計算が狂って死亡する可能性が出てくる。
      • そのくせ敵の毒属性のブレスでパーティ全員が毒状態を受ける。毒属性抵抗を持っているキャラクターは毒を受けないが、持っていない場合は確定で毒状態になる。
      • 更に呪われるとアイテムの種類や性格不一致で呪われたかどうかに関わらず毒状態と同等のマイナスヒーリングが付く。
        死の指輪のみ持っているだけでマイナスヒーリングが付くのは変わらないが、MALOR無しでこれを持っているキャラクターを生かしたまま城に戻るのは困難になっている。
        なお本来なら死の指輪と同様の仕様を持つ『III』の偽物の宝珠は持っていてもマイナスヒーリングが付かない。
      • 救済措置としてボルタック商店には最初から毒属性抵抗が付いている防具が売っていたり、前述の通り薬の破損確率が低めに設定されているので、予備知識があればどうにかなるのだが、ゲーム中で装備品の効果を判断するには司教で何らかの効果が付いているのを調べた上で実際に装備して確かめる以外に方法が無い。
        薬も破損格率30%では結局2~3回使った辺りでだいたい破損するので、何も知らずに毒属性ブレスを受けた時は間違いなく死人が出る。
      • また、『I・II』限定でヒーリング効果のある装備品を装備して死の指輪を持つと、ヒーリング・マイナスヒーリングを受けるタイミングで現在HPが最大HPの1/5で固定されるという仕様がある。1ターン中に最大HPの1/5以上のダメージを受けない限り死亡することが無くなるため、高レベルキャラ向けの裏技。『III』では修正されてヒーリング効果もマイナスヒーリング効果も無効化されるのみとなった。
    • 宝箱の罠を発動させてしまった時にキャラクターが完全に回避することがあるという仕様があるが、テレポーターやアラームも回避して無効化することが可能。更にブラスター系の罠は死亡しているキャラが罠を回避したと表示されることがある。 どうやって?
    • 宝箱の罠のブラスターの対象がその種類のLV1呪文を習得しているキャラ全員。 *81
      • この仕様を知らないとMADIを習得した状態で転職した侍や魔法使いなどもプリーストブラスターを食らって動けなくなってしまい、立て直しが面倒なことになる。このためPCエンジン版では僧侶と魔術師両方の呪文を習得していることにそのものにリスクが伴い、ブラスターの罠を考慮して転職計画を考えなければならない。
      • このためにノーリセットクリア時の「称号をもらったパーティメンバー全員が全呪文習得」が半ば罠と化している。
      • 判定対象になっているのはLV1呪文のため、DIOSや無関係な呪文などを連打してLV1呪文のMPを0にしておけばブラスターは回避可能。
        しかしPCエンジン版では僧侶呪文LV1にCALFOが存在するため、CALFOとブラスターの回避の二者択一となってしまう。また宿屋に泊まる度にMPを0にする作業が面倒でもある。
      • 更に宝箱の罠のブラスターで全員麻痺・石化状態になっても、即座に全滅状態にならず敵に遭遇するまで自由に歩き回れる不具合あり。(『I・II』のみ)
      • しかもブラスターで行動不能なキャラが居なくなると、直後に宝箱から入手できるゴールドを行動できるキャラの人数(つまり0人)でゼロ除算してしまい、それを手に入れたという表記を表示してしまう為に画面が激しくバグる。
        ゴールドは行動可能なキャラしか入手できないので実際にバグった表示のゴールドを入手することはないが、見た目がかなり派手にバグる不具合なのでかなり不安になる。
    • 全滅時に麻痺状態や石化状態のキャラが居ると、元々死亡状態だったキャラの死亡回数も何故か1増える。
    • 宝箱の罠のスタナーで石化することがある。
    • カント寺院が麻痺や石化の治療に失敗することがある。
      • 状態の悪化は起こらないが、治療代はしっかり取られる。所持金が少ない序盤にスタナーで石化したキャラの治療に失敗すると悲惨なことに…
    • 宝箱の罠のテレポーターで壁の中に埋まって全滅すると、死体が別の階層に飛ばされる。
      • MALORによる移動で壁の中に埋まった場合は移動前の座標に死体が戻されるが、テレポーターの場合はその階層の一つ前の階層の階段かシュートの前に戻される。
        死体がどの階層にあるかは訓練場で確認できるが、上述の通りPCエンジン版にはKANDIが存在しないので、この仕様を知らないと該当する階層を虱潰しに探すことになる。
      • なおフロア内の壁の中に埋まった場合は死亡で済むが、迷宮外の地下や上空にワープした場合は全員ロストする。その際表示されるメッセージは地下・上空共に非常に生々しい。
        なお他機種版の堀にあたる座標にワープしようとするとテレポートに失敗する。また、『III』の石の罠は「いしのなかにいる!」表示の後に地下テレポートでのロストとなる。
    • 『I』のエレベーターのスイッチのフラグはキャラ単位で管理。
      • 該当する階層のエレベーターのスイッチを押したキャラクターがパーティに居る時だけその階層へ移動できる。
        そのため、全滅してもリセットしないプレイスタイルの場合、予め救助隊となるキャラクターにも該当する階層のスイッチを押させないと、エレベーターが必要になる階層で全滅したパーティをすぐに救助できなくなる。
    • 登録できるキャラクター上限が15人。
      • 他の機種だとシナリオ毎に20人登録できるのだが、PCエンジン版は15人しか登録できない。PCエンジン版ではキャラクターは「SERIES」というパラメータを持ち、SERIESに表示されているシナリオの迷宮にだけ進入することができる。
        また、当然SERIESが同じキャラクター同士でしかパーティを組むことができない。この15人の枠+商店の在庫を『I・II・III』の3シナリオ間で共用することになる。『III』は善と悪の2パーティ作って攻略しなければならないシナリオなのだが…
      • この15人の枠を全て埋めてしまうと、当然パスワードを使用したキャラクターの召喚ができなくなる。召喚機能を残したいのであれば使用できる枠は更に14人まで減る。
      • 更にこのゲームはPCエンジンの本体メモリを全て使用する。そのため、キャラクターに関しては天の声バンクやパスワードの出力を使ってうまくやりくりしなければならない。
        また、残念ながらアイテムは『外伝』とは違い別のセーブデータに移す手段が無い。
        『III』で回収したアイテムを商店に売って『I』『II』のキャラが購入して使用するという、PCエンジン版の仕様ならではの面白さが無いわけでもないのだが、これも称号を揃えたキャラはシナリオ間を自由に行き来できるようになることを考えると、全シナリオを同時進行で攻略するなどのあまりに特殊な遊び方でないと活かしがたい。
    • 『I』の称号の表記が『>』ではなく『く(ひらがな)』。
      • ちなみにフォントデータ上は『<』も『>』も存在するのだが、ゲーム中に表示されているのはどう見ても『く(ひらがな)』である。フォントデータの実装が間に合わなかったのだろうか。
      • なお『III』の称号は『*』ではなく『#』。こちらは装備中のアイテムを示すアイコンとして『*』が使われているはずなのだが…?
    • 『II』に『K(Knight of Llylgamyn)』の称号が存在しない。
      • どういうことかと言うと、ニルダの杖を持ち帰ったキャラ専用の称号である『G(Mark of Gnilda)』はあるのだが、エンディング時に『K』の称号を与えるキャラを選ぶイベントが発生しないので、結局迷宮から戻ってきたキャラしか称号を貰えない。
        このため、一度にパーティ全員に称号を付けたい場合は一旦迷宮内で合流させる必要がある。なお、他機種版だと一人で杖を持ち帰らないと称号が貰えず杖だけ没収されるものもあるので、それらを知っていると大人数で杖を持ち帰ることに抵抗を感じてしまうかもしれない。
      • エンディングの文章では「他の者にも騎士の位を授けよう」と書いてあるのだが…
    • 行動不能状態のキャラはクリア時の称号と報酬を獲得できない。 *82
      • クリアアイテムを所持して城に戻った際に行動不能状態だったキャラクターは、エンディング前に寺院に運ばれてしまうため、エンディング時に名前が表示されず、称号と報酬も獲得できない。
        行動不能状態を解除できるキャラも行動不能になって迷宮内での治療が不可能になっていた場合は、城に帰る前に他パーティで救助して治療する必要がある。
    • 行動不能状態のキャラはアイテムを他のキャラに渡せない(『I・II』のみ)
      • 未鑑定品や死の指輪を持ったまま死亡するとそのキャラを生き返らせるまでそのアイテムは回収できない。
        薬も渡せないので、毒属性ブレスやガス爆弾を受けた直後に毒消しを持ったキャラが死亡すると二次災害が起こる。このため毒消しは複数のキャラに常備させるのが安全策となる。
      • 当然、迷宮内でロストしてしまえばロストしたキャラの所持品はその時点で回収不能になる。『III』であれば麻痺状態か石化状態でも交換可能だが、死亡以下の状態だとやはり受け渡しできない上にそもそも行動不能のキャラはSERIES変更の対象にできないので…
    • 味方が唱える単体攻撃呪文はダメージ表記だけで実際には敵にダメージが入っていない。敵が唱えた場合はダメージが入る。(『I・II』のみ)
      • せっかくTZALIKが追加されていたりBADIOSなどが強化されているのに、この不具合のせいでMPの肥やしにしかならなくなっている。そのくせ敵に唱えられると高火力であるため非常に厄介。
    • レベルドレインの上限が無く、同じ戦闘中にレベルドレインを連続で受けることがある。
    • レベルドレインを持っている敵の攻撃を回避した時にレベルドレインを受けることがある。また、後列に居るキャラがレベルドレインやクリティカルを受けることがある。(『I・II』のみ)
    • 他機種版だと一度レベルドレインを受けると、それ以降はレベルドレインを受けることは無い。しかしPCエンジン版ではそういった上限が無く、 ライフスティーラーやナイトストーカー相手にレベルを4も8も下げられて最悪ロストといった現象が起こる。
    • 更に『I・II』では攻撃を回避しても何故かレベルドレインを受ける場合がある。また、後列に居るキャラは通常攻撃の対象にならないのだが、稀に唐突に攻撃無しにレベルドレインされたり首をはねられることがある。
      もっともレベルドレイン持ちやクリティカル持ちの敵を真っ先に倒すのはWizの定石であるため、これらを徹底していれば通常は問題無いのだが、奇襲された時は…
      • ちなみにレベルドレインを防ぐ防具は最初から商店で売っているのだが、あまりに地味な防具であるため、それを予備知識無しで判断するのはまず不可能だろう。
    • 転生・召喚の仕様に難あり。
      • 前述のキャラのSERIESを別のシナリオに変更すると転生となり、レベルが初期化され呪文もLV3までのものが残った状態になるが、転生前の最大HPの半分と特性値は残り、所持品と所持金を持ち込める。
        パスワードでの登録は特性値が初期化されるが、レベルと呪文そのままで所持品とゴールドを持たない召喚となる。
      • ただし転生でも召喚でも年齢が初期化されることはない。 『II』の若返りの泉でしか年齢を下げる手段が無い。
      • SERIES変更先が既に称号を持っているシナリオであればキャラデータの初期化は起こらないが、称号を持っていないシナリオへのSERIES変更は例え『II』へのSERIES変更でも転生となり初期化が起こってしまう。
        つまり、『I』『III』からまだクリアしていない『II』にキャラレベルそのままで召喚するには 同じソフトの中における話なのにわざわざ召喚するキャラ全員分の48文字にも及ぶ長ったらしいパスワードをその都度打たなくてはならない。
        しかも「へ(ひらがな)」「ヘ(カタカナ)」のように区別が付かない文字が同時に使われているので一度で入力を成功させるのが難しい*83
      • 『II』への転生では地下一階から敵の強さがレベル13以上のプレイヤーキャラ向けの『II』にレベル1の状態で放り込まれるためまずゲームにならなくなる。
        強い装備品を持ち込めば戦えなくもないが、『II』は地下一階からレベルドレイン持ちの敵(ナイトストーカー)が出現する上に、前述の「回避したのにドレインされる不具合」の存在もあり、レベルを上げている最中のリスクが非常に高い。
        転生で『II』を攻略するのであれば、レベルドレインを防げる防具が存在するという予備知識が必要になる。
      • 開発側もこの問題は考慮したのか、『II』の地下1階のとある部屋にマーフィーズゴーストの部屋が追加されているのでそこで地下1Fの敵に対抗できるレベルまで経験値を稼げないこともない。
        しかしその部屋まで行くのに何度か玄室を通らなければならず、結局のところレベルが上がりきるまでのリスクが高いことには変わらない。
      • また『III』への召喚も可能なのでこれを行うと『I・II』で育てたレベルが高いキャラで攻略できるためMALORを駆使してあっさりクリアできてしまう。
        しかし後述の『III』のゲームバランスは召喚キャラでも死人を出さずに勝利するのが難しいほど強化されている雑魚敵が散見され、『III』を転生キャラでクリア可能なのかどうかは疑問が残る。
      • また、善の盗賊や悪のロードなどの就職条件と性格が不一致のキャラを『III』に転生した時の性格の矯正が起こらない。
        後述の『III』の不具合に頼らず真面目に攻略するのであれば、事前に性格を『III』で編成する予定のパーティに合わせる必要がある。
      • なお、最終的に全ての称号を持っていればSERIES変更で全ての迷宮を自由に行き来できる。この仕様に起因してそこまでの道のりに困難が生じているのだが…
      • これは恐らくAppleII版では一度『III』に転生したキャラは『D』という特殊な称号が付き、その称号が付いているキャラは『III』に転生してもレベルが下がらなくなりシリーズ間を自由に移動できるようになる仕様を、PCエンジン版なりに再現しようとしたのではないかと思われる。
        とはいえPCエンジン版のそれは『II』の仕様を巻き込んでパスワード機能の使用を実質強要している上に、後述のPCエンジン版『III』のゲームバランスを考慮すると、この転生の仕様が妥当なものであるのかどうかは何とも言えないものがある。
    • メッセージは日本語だがモンスター名、呪文名、アイテム名、コマンド名などのゲーム中の固有名詞は全て英語で固定のため違和感が強い。しかもリドルは回答を英語以外受け付けてくれない。
      • このせいでヒントとなっているメッセージの英文のアナグラムを推理する必要がある『II』の6階のスフィンクスの謎解きがほぼノーヒントと化している。
        答えを知らない場合は、日本語のヒントメッセージでも答えの一部である単語が入っているので、そこから推測するしかない。
        また、PCエンジン版『II』独自の謎解きもノーヒント*84。しかもPCエンジン版『II』独自の謎解きは解答を間違えると城に飛ばされる鬼畜仕様。
      • しかも称号を付けた後にもう一度コッズ装備を集める為には、謎解きからやり直さなければならない。
        他機種版では倒すとコッズ装備を落とすボスとはコッズ装備を捨てるとその場で再戦できたため経験値稼ぎを容易に行えたのだが、PCエンジン版ではコッズ装備を入手した直後にそれを捨ててもボスが再登場せず謎解きからのやり直しになり、かなり面倒になっている。
    • 設定のITEM NAMEをEXTRAにした時のアイテム名が非常に分かりづらい。
      • ITEM NAMEの設定は二つあり、設定に応じてアイテム名が変わる。AppleII版の命名規則に近い「ORIGINAL」、Mac版のような抽象的なアイテム名になる「EXTRA」があり、初期設定はEXTRAになっている。
      • EXTRA表記はMac版のような名前にしているだけで全くの別物になっている。例えばロングソード+1はORIGINAL表記では「LONG SWORD+1」、Mac版及びそれを基にしたFC版では「Sword of Slicing(切り裂きの剣)」だが、PCエンジン版では「SWORD of ENERGY*85」である。ロングソード+2はそれぞれ「LONG SWORD+2」「Sword of Slashing(真っ二つの剣)」「MUM BLADE*86」となっており、ORIGINALと比較するとEXTRAでの表記は司教で鑑定するまで性能差があるかどうかまるで判別できない。
      • せめてPCエンジン版で独自に追加されている装備効果が分かりやすい名前なら良かったのだが、EXTRA表記における名前と装備効果は結び付いていないことがほとんどである。
        例として上記の「SWORD of ENERGY」には昆虫系の敵に対する倍打が付いているが、「エネルギーの剣」という名前だけで昆虫倍打効果を判別するのは不可能だろう。
    • 仲間を探すコマンドで仲間を見つけた際の表示が生きているキャラでも「 DEAD BODY 」。
      • 性格が違うキャラ同士でパーティを組む場合、『II』『III』で攻略に参加したパーティ全員で称号を付けたい場合は必ず拝むことになる。他の書き方は無かったのか。
    • キャラクターのACが-100を下回った際の簡易的な表示が「 LV 」。
      • アスキー版『V』NP版などでは同様の状況では「Very low」として「VL」表示になるのだが、「LV」とは…?
    • PCエンジン版『III(III・IV)』
      • 『I・II』にあったいくつかの不具合は修正されているものの、死体はアイテム交換ができないなど不具合が疑われる挙動が仕様としてそのまま残されている。
      • 致命的なものとしては、「 『III』の称号を持っているキャラクターがセーブデータに一人でも登録されているとクリアアイテムを始めとした各種イベントアイテムが出現しなくなる 」という仕様がある。
        一度クリアしてしまうと、称号が付いたキャラを削除するまでイベントアイテムの回収が不可能になる。称号が付いているキャラがセーブデータ内におらず、パーティ内に同じイベントアイテムを所持しているキャラが居なければ何度でもアイテムの回収が可能なので、
        「必要分クリアアイテムを入手して保管する」「パスワードで称号が付いたキャラクターを控えた上で削除して攻略」「称号を付けたいキャラを新しいセーブデータにパスワードで送って攻略」することで対処可能ではあるが、
        この仕様を知らずに普通にプレイした場合、相変わらずクリアアイテムを持ち込んだ6人にしか称号が付かない*87
      • 更に善と悪のパーティを1組ずつ用意して攻略するという『III』のシナリオの特徴そのものを揺るがす不具合があり、「 性格限定フロアの判定が最後尾のキャラの性格しか見ていないので、最後尾に性格が中立のキャラクターを置けば1パーティで全フロア攻略可能 」というとんでもないもの。
        プレイヤー側で自制できることではあるし、そもそものキャラクター登録数がカツカツなのでこの不具合を利用するかどうかは自由だが…。
        なおパーティキャラが『III』の称号を持っている場合は性格限定フロアの制限に引っかからなくなるので、追加された階層に向かう場合はわざわざパーティ編成や隊列に気を遣わずに済んで楽ではある。
      • 『III』は全ての称号を集めたキャラのみとある場所から追加された階層へ行って追加ボス達と戦うことができる。『II』のN*U*M*E*Rでやりすぎたのか、『III』の追加ボスはHPやヒーリング値と言った耐久力はN*U*M*E*R並みでも攻撃力は比較的控えめになっている。
      • しかしこの追加階層に行く過程にも罠が仕掛けられており、とある場所に入った時点で 称号を揃えていないキャラが一人でもパーティに居るとパーティキャラが全員ロストする 。前述の称号持ちキャラが居ると再クリア不可能になる仕様や、死亡したままクリアすると称号を獲得できない仕様が修正されていないことも重なり、事前知識無しでは隠し階層の進入すら困難を極める。
      • ただでさえ難しいシナリオなのに『I・II』と同じく敵の攻撃力が激増しているため戦闘の難易度がとんでもないことになっている。
        呪文が強化されている影響で『III』の1階のガリアンプリーストがBADIOSでHPが低いキャラを即死させてくるのは序の口で、元々攻撃力が高かった敵がPCエンジン版の仕様につられてデスエンカウントとも呼ぶべきとんでもない強さになってしまっている。
        1Fのクローリングケルプが9(他機種版)→30(PCエンジン版)と初期キャラでは即死級の最大攻撃力になっており、こんなものが序盤から最大で8体も登場する、3Fのケンタウロスに至っては最大攻撃力が24→50となんと二倍な上に最大で7体出現することもある。4Fのゴブリンプリンスは最大100ダメージ、5Fのフェアリーが最大75ダメージ、6Fは全体的に『II』を彷彿とさせるインフレっぷり…と、とにかくプレイヤーキャラへの殺意が高い。
      • LVが30を超えているような前衛キャラでもHPがせいぜい200前後であるゲームなので、出てきた敵を毎回TILTOWAITで一掃しないと召喚で登録した高レベルキャラでも普通に死が見えてくる。
        『III』で初めて登録したキャラや転生させたキャラだけではゲームにすらならない。こんな有様だが、隠し階層目的で称号を付けるだけなのであれば、クリアに関わるイベントがある場所に召喚キャラでMALORしていって6Fを普通に攻略するだけなので比較的楽。
      • 追加された階層に出てくる敵の設定が不可解。ライカーガスが不死系になっていてZILWANで即死させることができる*88アスキー版『III』のライカーガスの見た目で種族を決めたとしか思えない。
        また、『I』ではレベルドレインを仕掛けてくる魔法生物系の敵だったシェイドがブレスを吐く動物系の敵になっていて中身が全くの別物になっている。もっともPC版本来のシェイドは不死系の敵なので最初から設定がおかしいのだが。
      • 『II』からの転生で伝説の剣ハースニールとコッズ装備を『III』に持ち込むこともできる。『III』でハースニールを振るえるのは、ある意味ロマンがあるかもしれない。とはいえ必要とされるのはハースニールよりも無限にTILTOWAITが使えるコッズガントレットかもしれない…
      • 先述の通り『III・IV』では山田章博氏はキャラクターデザインの監修のみ行っているが、『III』はバテレン風バンパイアロードに引き続き仏教僧侶風のソウルトラッパーなど、隠しボス含めてオリエンタルなデザインの敵が多い。
      • メッセージの質が怪しい箇所がある。ル・ケブレス関係の文章が顕著で、「われ ル・ケブレスのことば  しっかりと (しかと)きくがよい」「さらばだ。なんじのどうてい(道程。みちのり)の  やすらかならんこと (易からんこと)を!」と、FC版を参考にして誤字だと判断して誤って修正したのか疑いたくなるものがある。
        他は誤訳や言い回しの問題で片づけるにしても、「やすらかならんこと」は根本的に意味が変わっていて言い逃れできない。
    • PCエンジン版『IV(III・IV)』
      • 『IV』初のコンシューマ移植作品。『IV』は元々従来のWizとはかけ離れた仕様なので資料無し目コピ状態もそこまで気にならず、その上で独特なアレンジが入っている。
      • PC版とは違いトレボーの亡霊が存在しない*89、敵冒険者が通常モンスター扱いのため同じ冒険者が延々と登場し続け*90、ワードナが連れているモンスターが命令可能かつレベルアップし*91不要なアイテムと交換で連れているモンスターを補充できるという独自仕様がある。
      • 『IV』プレイ中はシステムメッセージがワードナの口調になる(例として読み込み時の「しばらくおまちください(III)」→「しばし またれよ(IV)」)。そのため、アイテムを捨てると「 こんなもの要らぬわ!! 」と突然キレるワードナを見ることができる。
      • 『IV』のプレイ中もセーブ領域が一つだけなのでそのセーブデータでハマると最初からやり直すしかなくなってしまう。更に『IV』プレイ中はセーブデータが『IV』専用のものになってしまいセーブデータを移し替えない限り『III』がプレイできなくなってしまうのが難点。逆も然り。
      • セーブデータ自体は移動可能なので天の声バンクなどで複数データを所持することでハマりは防げる。
      • 本来特定の条件を満たさなければ撃破できないラスボスにあたる敵をレベルドレインでロストさせたりマカニトで塵にして撃破できてしまう。 ただしレベルドレインするためにラスボスに攻撃を当てる必要があるので味方のモンスターの育成と根気が要るし、この時点なら素直に正攻法で倒した方が早いやり込みの領域になる。
      • なお『IV』にKEYS(キー入力の回数)の概念が無い。他のシナリオのようにエンディングにおけるリセット回数の表示も無い。
  • 携帯アプリ版
    • キャラ作成時のボーナスポイントを12で固定化し、攻略と無関係だったフロアを省略。機種に合わせた思い切ったアレンジである。
  • WSC版『I』(スティング)
    • 『リルガミンサーガ』のシステムや追加要素と、ゲームスタジオ監修版のゲームバランスが組み合わさった良いとこ取り*92。また戦士系以外の職業もレベルアップで攻撃回数が増えるなど、PCエンジン版が先駆けて実装していた要素も完備。
    • モンスターグラフィックは独自のものになっている。解像度の関係で流石にグラフィックがやや潰れてしまっているのが残念。
    • 致命的なバグこそ無いが、「ACを変動させる呪文が一種類一回ずつしか効果が無い*93」「アイテムを使用しようとする時、対象を選ぶタイミングでキャンセルしても破損判定が起こる」「宿屋に宿泊した際に加齢してもお誕生日おめでとう等のメッセージが表示されない」「アークメイジが魔術師呪文ではなく僧侶呪文を使用する」「灰化・ロストしたキャラが堀で溺死判定を引くと*94と死亡状態に戻る*95」など妙な挙動や設定ミスが目立つ。
    • ワンダーゲート*96を使用した追加ダンジョンの配信が行われていたが、現在ではダウンロード済みのソフトを入手する以外にプレイする方法はない。
    • 追加ダンジョンでは強力な追加アイテムが手に入るが、本編では有り得ない凶悪なマップ構造ばかりだったりワードナが雑魚敵として登場するなどカオスな空間になっている。
  • PC(Windows)版リメイク(Digital Eclipse)
    • 2023年9月15日にSteamおよびGOG.comで『I』のフル3Dリメイクの早期アクセス版ながら発売された。価格は3,400円(税込み)。

和製ウィズ

  • 日本のメーカーが許諾を得て独自に作った「和製ウィズ」と呼ばれる作品も存在する。『ウィザードリィ外伝シリーズ』、『BUSINシリーズ』、『ウィザードリィエンパイア&XTHシリーズ』あたりが有名どころ。
  • 「#6-#8」までのWizの版権は長らく日本企業が所持しており、「ウィザードリィルネサンス」と題し、各メーカーによって変わってしまった作品世界を統一するとして、新たなシリーズを複数のメーカーからPS3・DS・携帯アプリ・オンラインゲームに出していた。現在は上述の通り別の企業が該当する版権を所持している。
    • ルネサンスシリーズではかつて竜族の高度な文明が栄えたといわれるアザルス大陸にある人間のディメント王国、機械工学が発達したドワーフのハーサント連邦、エルフの宗教国家クォパティ法制院といった国家が舞台となっており、以前のシリーズとの繋がりは無い。
    • システム面でも見直しが入り、PS3版では難易度を上げる要因だった年齢制やオートセーブを廃止(どこでも手動セーブが可能)、LVも通常のRPG同様迷宮内で上昇し、さらに余ったお金でもLVを上げられるなどの調整が行われている。
  • 「ウィザードリィエンパイア」は後にエルミナージュシリーズとして再出発。また「剣と魔法と学園モノ。シリーズ」が「XTHシリーズ」を参考作品としている(該当記事参照)。「外伝シリーズ」は携帯アプリ作品「ネザードメイン」に外伝1と外伝2が移植されていた(現在はDL不可能)。

余談

  • I&IVの舞台であるトレボー城塞とII&III&Vの舞台であるリルガミンだが、これが同一の都市なのか別個の都市なのかははっきりしていない。前者は一都説、後者は二都説と呼ばれる。
    • オリジナルの設定を見れば別の都市であるのは明白なのだが(IからIIへキャラクターの年齢をそのままで転送できる以上、この2つの事件は同時期に起きている。これで同じ都市だとするならIで狂王トレボーが健在なのに、IIでダバルプスにマルグダ・アラビク姉弟を除いてリルガミン王家が滅ぼされたという設定と矛盾してしまう)、国産のリメイク版や外伝シリーズ、小説などで同一のものとして扱われることが多くなっていった。これは「リルガミンシリーズ」等と銘打ってカップリング移植する際、そのほうが都合がいいことも影響していると思われる。
    • PS版、WSC版では日本産のウィザードリィTRPGで設定されたオリジナル世界「エセルナート」の設定を使用しており更にPCエンジン版、PS版では一都説になっている。
    • なお前述の矛盾以外にも、「IVでトレボー城塞が健在なのに一都説を採用するとIIで一度滅んでいることになる」「IVのトレボー城塞は王政を廃止し議院内閣制になっているのにIII及びIIIから数年後のVではベイキ女王が国を治めている」等、一都説の問題は多い。
    • トレボー城塞とリルガミンを同一視するにしても別個解釈するにしても、「リルガミンの近くにはダンジョンが複数あり、度々危機が発生するので物騒なこと極まりない地域だ」「ラスボス養成都市*97」とユーザーの間でネタにされる。そしてとうとう外伝IIIで…。
  • 一見硬派ではあるが、実は迷宮内でのテキスト(例:カエルの像が「イェイ!イェイ!」と叫んでいる*98)に見られるように、実はかなりおちゃらけたユーモアにも溢れる内容である。
    • モンティパイソンやセサミ・ストリート、モノポリーや実在のメーカー、日本の時代劇などパロディ元は枚挙にいとまがない。これらはD&Dと合わせてアメリカのギーク文化に強い影響を与えた作品であり、本作がそういう文化の延長線上で製作されたことを暗に示している。
    • 国王トレボー(Trebor)とラスボスであるワードナ(Werdna)の名前は、開発者であるロバート(Robert)・ウッドヘッドとアンドリュー(Andrew)・C・グリーンバーグの名前の逆さ読み。
      しかも迷宮内の地下8階と9階には彼らのイニシャルまで彫られている。……が、移植作品の中には攻略に必須ではない5~8階の構造が一新されているため一部消えてしまっている。
    • 今では大人物扱いのワードナだが、元々ストーリーが無いも同然だったため、日本語版発売時には「馬車の行き交う大通りを渡れずに困っている老婆から金を巻き上げたうえで道の真中に置き去りにする様な奴」と言う、いかにも小物な解説をされた事もある*99
    • 経験値稼ぎに使われ、新米冒険者に何度もボコボコにされる「マーフィーズゴースト」。彼のモデルはテストプレイに関わった同級生との説がある。友情とは一体…なお、別の説ではロバートとアンドリューが大嫌いだった同級生の名とも言われている。
  • 日本における移植版でも上記の要素は忠実に訳されている事が多いが、オリジナル作品や二次創作作品では原作のコミカルな面が抑えられ、至って真面目な中世ファンタジー風の世界として描かれている事が多い。
    • 数々の元ネタの知名度が低い日本ではまずジョークとは思われなかったのだろう。そこで原作を尊重しつつもパロディ要素を控えめにしていった。
    • PC版の攻略本の時点でこの風潮ができつつあり、さらにFC版発売以降メディアミックスが活発になるとさらにこの流れが加速した。これは日本上陸にあたって日本人好みに姿を変えた結果だと言えよう。
    • 実際、おバカ要素の集大成とも言える第4作『ワードナの逆襲』がコンシューマー移植されるまでにはかなりの時間がかかっている。もっともこれにはパロディ要素だけではなく、バランス調整や設定などの問題のせいでもあった。
    • とはいえ「ボーパルバニー」*100、「カシナートの剣」*101といった要素は、シリーズを代表するものとして日本オリジナル作品でも積極的に取り入れられている。
  • この作品が他の作品に与えた影響も大きい。
    • 後に『ドラゴンクエスト』で有名となる中村光一と堀井雄二。エニックス(当時)の研修旅行で、アメリカの大手ゲーム博覧会に参加した際にこの作品に触れて感動し、「いつかファミコンでウィザードリィより面白いRPGを作りたい」と触発されている。また、『ポートピア連続殺人事件』には「もんすたあ さぷらいずど ゆう(monster surprised you)」というウィザードリィ由来のジョークメッセージが入っている。
    • 『女神転生』シリーズの開発者の1人である岡田耕治氏も、FC版女神転生制作時にウィザードリィの影響を受けており、後に『BUSIN』シリーズを制作することになる。
  • 版権問題について
    • Wizardryそのものの版権に関しては、非常に複雑かつ大きな問題が生じている。
    • Wizシリーズのうち「新たに制作される作品の商標権」「シナリオ#6-8の全権利」については、現在は先述の通り日本企業のIPMが所持し、作品を展開している。
    • しかしシナリオ#1-5の権利については、既にゲーム会社としては倒産しているSir-Tech社と、開発者のひとりアンドリュー・グリーンバーグとの間で、版権を巡って20年という長期間に渡る泥沼の裁判が行われた。
    • その裁判の結果、Sir-Tech社がアンドリュー氏にライセンス料を支払う事で和解。
    • 後にアンドリュー氏は版権を手放したと語っており、現在は「FRP Assets」という団体が所有しているとされているのだが、そのFRPの所在については現在消息不明となってしまっている。
    • そのため版権所有者のFRPの関係者の所在を掴んで許可を得ない限り、新規の#1-5及び外伝シリーズの移植、またバーチャルコンソールやゲームアーカイブスでの配信については、これまでは権利関係の問題から不可能な状況となってしまっていた。その影響で一部の商品には定価越えのプレミアがついてしまっている。
    • その後権利関係が無事に解決したのか、前述のフルリメイク版の発売が決定している。
    • 現時点で最も気軽に初期のWizシリーズに触れることが出来るのはPS・SS・Windows版『リルガミンサーガ』(#1-3)及びPS・Windows版『ニューエイジオブリルガミン』(#4・5)と、それでもかなり古いハードとなっている。
  • その中毒性は数多くの人を魅了し、日本国外では勿論、日本国内でもウィザードリィを想い出のゲームとして上げる人は数多い。
    • 特に『ドラゴンクエストシリーズ』に関わった人はWIZファンを公言している人物が多い。すぎやまこういち、堀井雄二、中村光一…など。
    • アニメ監督の押井守はウィザードリィをやりこんでいたことを公言しており、自分の作品中に幾度となくウィザードリィからの引用を登場させている。
    • SF作家の矢野徹はエッセイ『ウィザードリィ日記』で第19回(1988年)星雲賞ノンフィクション部門を受賞している。
  • 当時のアスキーはウィザードリィを大々的にプッシュしており、メディアミックスの一環として小説やアニメ、漫画など様々な展開が行われた。出版社ではJICC出版局(現:宝島社)がウィザードリィに注力し、雑誌「ファミコン必勝本」上でベニー松山氏の小説やファンコーナーを掲載したり、「ドラクエ・FF・Wiz・メガテン」を「日本四大RPG」と認定し盛り上げるなどしていた。
  • ウィザードリィの生みの親であるロバート・ウッドヘッド氏は、FC版#1発売当時「これが最も出来のいいシナリオ#1だと思っています。グラフィックだけでなく、操作方法や音楽などもApple II版と比べてずっと進化している。ほんとにすごい」と絶賛した。
  • ロバート・ウッドヘッド氏はPLATOのゲームにハマって成績がガタ落ちして停学になり、母親のビジネスパートナーの所でAPPLE IIでプログラミングの仕事をするようになった。停学中なので大学のPLATOでゲームは出来ず仕事用のAPLLE IIがあるこの環境の下、高性能なPLATO上のゲームを低性能なAPPLE IIに再現する形でウィザードリィは開発された。
  • FC版の「むらまさ」は、元々のPC版における名称は「MURASAMA BLADE」(むらま)。
    • 「MURASAMA」は名前を間違えているわけではなくジェームズ・クラベルの小説『Shōgun』(1975年)が元ネタ。「Shuriken」を登場させたのもこの小説に手裏剣が登場していたのが直接の元ネタ。(インタビュー記事)
      • 小説『Shōgun』で「Murasama」だったのも間違えているわけではなく村正を元にしたもじり。Yoshi Toranaga(Ieyasu Tokugawaをもじった徳川家康に該当する登場人物で最後にタイトル通り将軍になる)の祖父はMurasamaで家臣に殺されており、Toranagaは別のMurasamaで腕を怪我したことがあり、Toranagaの長男を斬ったのもまた別のMurasamaなど、概ね村正の妖刀伝説に準じた設定。一族に不幸をもたらす刀なんて迷信は信じていなかったToranagaも、破壊されたか海に捨てられたと聞いていた祖父を殺したMurasamaとの対面に戦慄することになる。
      • 本作開発の前年の1980年にはアメリカでテレビドラマ化もされており三船敏郎がToranagaを演じた。ちなみに『Wizardry #3』ではサムライの上位版の敵として三船敏郎が元ネタの「MIFUNE」が登場する。
    • なお『Shōgun』のテレビドラマの影響で日本の文化が注目され始めている時期だったとのこと。(インタビュー記事)
  • ゲームスタジオの取締役である遠藤雅伸氏はPC版をやりこんでいたことで有名。このゲームが氏に与えた影響は大きい。*102

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最終更新:2024年04月09日 18:53

*1 当時の見解ではアイテム収集は日本独自の遊びという見方があり、国外ではさほど重要ではないらしい。海外との文化の違いを表しているともとれる。

*2 ウィザードリィも初期はマルチプレイヤーも想定しており、キャラにパスワードで鍵をかけて本人がいないときに勝手にキャラを使えなくしたりもできた。

*3 PLATO移植版のファイル名『m199h』の名でも知られる。

*4 1976年製のタクティカルコンバットRPG『think15』の改変版『sorcery』とは別物

*5 初期のD&DであるオリジナルD&D(OD&D)のアドバンスト(進化)ルール。2000年以降の3版からはこちらが無印の『D&D』を名乗っている。1985年以降に日本語で最初に出た赤箱などの『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(2000年以降はクラシックD&D(CD&D)と呼ばれている。)はAD&Dやウィザードリィより後に出たシステムであり、AD&Dより前に出たオリジナルD&Dとは別物である。なお日本でAD&Dが発売されたのは1991年の日本語版AD&D2版からであり、当時はAD&DをCD&Dの派生進化と勘違いするプレイヤーが多かった。ちなみに戦闘ルールを簡略化しているCD&Dは出来れば戦闘を避けて目的達成時に経験値を得る志向があるのに対して、AD&D1版は戦闘自体を楽しんで敵を倒した経験値によって強くなっていくハクスラ志向が強めだった。

*6 どれくらいメジャーかと言うと、超有名映画「E.T」の序盤で主人公たちがこのAD&Dを遊んでいるシーンや、台詞の幾つかに明らかにAD&Dを由来とするものがある。ハリウッド映画は「世界中の誰が見ても理解できる」ことを基本コンセプトとして作成されており、つまりAD&Dは「誰が見てもAD&Dだとわかる」ほど有名だったということである

*7 正十面体と言うのは存在しないので、これだけは疑似正十面体を使用している(実は見やすさのために疑似正十面体でさえないのだが)。

*8 レベルが上がるとサイコロの目にボーナスがつくので、20以上の数字を要求されても高レベルなら問題はない。また特例として、サイコロの目が20だった場合は無条件で命中する。

*9 なお2000年以降のD&Dでは計算式が変わったので(二十面サイコロで相手のAC(初期値は同じく10)以上を出せば命中)、防具を着けるとACが上昇するようになった。

*10 ゲーム内ではノーヒントだが『AD&D』プレイヤーにとっては基礎知識であるようだ。

*11 ただし「退散」なので、ディスペルした分の経験値は手に入らない。

*12 AppleIIの初期版ではSage。

*13 AppleIIの初期版ではRanger。

*14 同じく『D&D』の影響が顕著な初代『FF』も類似のシステムであり、また同時代の『Ultima』は「購入した個数が使用回数」であったなど、むしろ現代で言うところの「MP」が後発の概念であった

*15 DUMAがdirect、PICがlightの意味と設定されている。その他も『oubliette』の呪文は全て対応する訳語の設定された2~4語を組み合わせて作られている。ある呪文中で語尾の語が他の呪文では語中に出ているケースなどもあり正確に言えばこちらは「接頭辞、接尾辞による効果の変化」ではない。

*16 移植版の中にはオートマップを確認できるものもある。

*17 Apple II版はできない

*18 聖杯を探すアーサー一行の騎士をその能力で多数死に追いやったが、最後は手榴弾で退治された。なお記載者の誇張やガセではない…と言っても元ネタは後述するコメディ映画であって、『アーサー王伝説』そのものではない。

*19 解除の前に罠の種類を正しく識別しておかないと、必ず解除失敗してしまう

*20 やり込みの域の高LVになれば、盗賊・忍者以外でも宝箱の罠を確実に解除できるようにはなる。

*21 プレイヤー側にはアンデッドはいない。むしろバンパイアロード(吸血鬼の君主)自身がアンデッドである。

*22 AppleII版のみ使用可能。そのため、敵の魔法使いに先制攻撃されると為す術無く全滅という事態も……。

*23 ブレスの属性がモンスターによって異なるため万能な対策ではない。

*24 国産PC版の値。

*25 戦士系は1レベル毎にHPが1~10(平均5.5)上昇する。また各キャラクターのバイタリティを基に修正も入るが、よほど極端に高いか低いかでない限り修正はない。

*26 高レベルの魔法を使える状態であれば、エナジードレインを食らった時、レベルはただちに下がるが経験値が失われるのは戦闘終了時、と言う仕様の穴を突き、魔法で戦闘から脱出すればすぐにレベルアップし直せる。…が、この魔法にも一定のリスクがある。

*27 高レベルの魔法を使える状態であれば、レベルダウンと引き替えに確実な復活も可能。だがこちらもこちらで別の意味で運ゲーの要素があるのだが…

*28 故にシナリオ5で追加された「ツザリク(TZALIK)」が不評だったとか(この魔法のせいで、「TI」までタイプする必要が出来たため)。

*29 +表記はTRPGにおいて「魔法が付与された武器」という扱い。+3は伝説の武器LVの強さ。

*30 悪は性格維持のために、友好的なモンスターに対しても襲いかかる必要があり戦闘回避の機会が少なくなるので、そのバランス調整のためとする説もある。

*31 レベルアップ時の呪文の習得確率にしか関わらず、呪文の威力は能力値どころかレベルが上がっても変わらない。

*32 ACと同じく、セービングスローは低いほど強い。

*33 D&Dでは魔法アイテムに対するセービングスローが低くくなっているが、本作ではモンスターがアイテムを使わないので無意味になっている。

*34 レベル毎に1-6(平均3.5)であり戦士系(平均5.5)の6割しかない。というか僧侶(平均4.5)よりも低い。

*35 ただし転職時にLVごとの呪文使用回数はそれぞれのLVの呪文数、だいたい2-4に下がってしまいそれぞれの呪文を本来覚えないクラスに転職すると回数はそのまま増えない。ついでに年齢も+5ほどされてしまう。それでも1から上級職で呪文を覚えさせるよりは遥かにマシだが。

*36 後のMMORPG等でも盗賊がNPC専用扱いされている理由である。

*37 素早さ18の盗賊の調査もカルフォも最大成功率は95%。

*38 カルフォなら発動しない。

*39 警報が発動すると宝箱の中身が警報で出現したモンスターのものに変わってしまうため。

*40 しかもその3つの内の1つを活かすには上述の司教が必須、もう1つは市販品の毒消し。

*41 厳密には馬小屋は宿泊の際に1/7の確率で一週間分加齢が進み、他の部屋は部屋に設定された数値分HPが回復するごとに一週間分加齢する。

*42 しかもPC版準拠には凶悪な罠がありB7からB8への階段を降りたら一方通行で回転床地帯に放り出されるのだ。そこから脱出した後も事前にB4でエレベーターの使用許可証を入手していないとエレベーターを利用できず帰れない。MALOR(瞬間移動)の魔法を覚えていれば回転床地帯からでもいつでも帰れるが順当に各階を攻略しようとしているプレイヤーがMALORを習得している可能性は低いわけで…

*43 実はエレベーターから数歩の距離で行ける。その場所は普通の部屋にしか見えないためいつも脇を通るか一見しただけで踏まなかったのだろうが

*44 システム流用元である『AD&D』と比べると、プレイヤーがとれる対抗手段が極めて限られている

*45 最も♯2においてこの情報を知るためには10万ゴールドもの大金が必要だが…

*46 「CREEPING COIN?(這いまわる硬貨?)」という名前もボーナスキャラっぽい

*47 D&Dの僧侶は朝のお祈りで「今日使う予定の呪文」を神から授かるシステムなのだが、授かった呪文がDIALMAでも、その場の判断でBADIALMA(逆呪文)に変更できると言う利点がある。一方LITOKANを使いたいなら最初からLITOKANを授かるようにお祈りをしないといけない。当然、後になってDIALMAの方が良かったと思っても翌朝まで変更は出来ない。

*48 そもそもD&Dの「性格:正義」な僧侶は「逆呪文は邪悪な呪文」だとして嫌っている。

*49 ぶっちゃけD&Dでも「魔術師のLV2呪文は使い方が難しい」等の話がある。

*50 内訳は「#1」「#2」「#3(2種)」「外伝1」「外伝2(2種)」「村正獲得(GBC3作)」。

*51 「Arch」の読みは「アーチ」の方がネイティブの発音には近い。ただし、日本語の片仮名表記にする時は「アーク」の方が一般的で、多くの作品で用いられている。

*52 「みをまもる」効果によるAC-2効果だけが正常に機能している。だからといって「みをまもる」を選べば正常処理になるわけではない。

*53 本作のキャラクターがレベル13で一応の完成とされていることにかけた洒落の可能性もある。レベル13で一応ワードナ討伐可能と言われており(実際のところやや厳しいが)、僧侶と魔法使いはレベル13で呪文レベル7の呪文を習得する。

*54 とはいえ最後のBCF三部作は#8でしっかり完結しているので一区切りは付いている。

*55 #1のフロストジャイアントのみ諸々の事情で#5のものに変更されている。

*56 性別の概念が無いのでどのキャラもこの男性の断末魔になる。

*57 OPイラストのモンスターの集団にリッチ(FC版IIのポレと同じ見た目)とおぼしきモンスターが居るのだが、顔が完全に別人と化しており明らかに元の末弥絵を把握できていないのが窺える。

*58 他機種の召喚呪文は階層に関わらず呪文ごとに定められた特定のモンスターの中からランダムに召喚。

*59 裏ボスが登場する階層が本来のB777Fに加えてラスボスが居るB8Fも追加されているため。

*60 そもそも地割れで飲み込むロカラはともかくモガトは悪魔系の敵を魔界に追い返す呪文なのだが、何故人間であるプレイヤーキャラに効いているのか。敵をロカラやモガトでトドメを刺すと経験値が入らないため、内部的にはアンデッドに対するDISPELL(呪いを解く)と同じ仕様の模様。

*61 ゲーム中はKK CUBE名義。

*62 他機種では性格善と中立のパーティになっているのが基本。PS版#3と#5のみ司教と忍者が性格悪に設定されている。

*63 レベル8以下のプレイヤーキャラが食らった場合、きちんと死亡状態になる。

*64 プレイヤーキャラが食らった場合石化する。マニフォはD&Dの「ホールド・パーソン」が元ネタであり、スタッフがTPRGに詳しいリルガミンサーガでは「〇〇を捕らえた」という命中メッセージになっているので良くて麻痺効果だと考えられるのだが、ファミコン版Wizの創作においてマニフォが「彫像」と呼ばれていたことを参考にしてしまった結果だと思われる。

*65 実機におけるプレイだと頻繁な電源の切り替えは本体に負荷がかかるので推奨されないが。

*66 そのボスは呪文以外の攻撃が効かないくらいで理不尽な攻撃力は持たないので、時々唱えてくるTILTOWAITをしのげれば十分勝利できる。

*67 魔法使い→ロード⇔侍←僧侶、戦士→ビショップ⇔忍者と、上級職が相互に転職が行えるSPなので呪文を習得した戦士系の職業を楽に作れるアイテム。盗賊だけ何故か効果を発揮せずそのままORBofSPECTERが破損する。

*68 どの年齢でも50歳になるため、50歳より老けていた場合は若返る。そこまでやり込んでいた場合は、希少な若返りアイテムにはなる。

*69 僧侶呪文LV1の防御呪文。自分にしか対象にできない上に、敵に殴られる隊列位置ならこちらも殴った方が早いので滅多に使わない。

*70 他機種版では石化、吸収は属性抵抗があれば絶対に回避できる。

*71 他機種版では呪文属性抵抗を持っていると呪文によるダメージを半減できるのだが、PCエンジン版ではその半減効果が起こらない。

*72 他機種版では特性値の成長のしやすさは年齢依存で、特性値そのものの高さは関係無かった。

*73 というか、特性値の上限が種族毎の初期値+12なのも忍者の就職上限に合わせた結果だと思われる。

*74 有名攻略サイトで公開されているパスワードで召喚可能。

*75 他機種版だとキャラLVの高さによって運の良さと同じ補正がかかるため、LV1000もあればクリティカルを受ける確率がゼロに等しくなる。

*76 ダイアモンドナイトが1210、ダイアモンドドレイクが1705

*77 ダイアモンドナイトが28225~30250、ダイアモンドドレイクが30255~32550

*78 魔法生物倍打が付いている唯一の武器であるSWORD+3/BLADEofEVIL(悪のサーベル)か、所持しているだけで魔法生物倍打を得るBLUE PEARL(青真珠)を用意できれば対抗可能。なおSWORD+3は隠しボスが存在しない『I』限定で登場し、村正と同等のドロップ率の武器である。BLUE PEARLは『III』の隠しボスを倒し続ければいずれ入手可能。

*79 現在HPが100以下の時に毒ダメージを受けるとHPが9の倍数で揃えられる

*80 他機種だとHP50以上で現在HPの1割ダメージで49以下になると1ダメージ、それ以外は常に1ダメージ

*81 他機種は現在の職業で判定。

*82 他機種版では死亡しているキャラクターでも称号を獲得できていた。

*83 実際は「へ(ひらがな)」しかパスワードに入らないようになっているのだが、まずそれを見抜くのが難しい。

*84 とはいえ、「その装備品が必要としている物は何か?」という謎解きなので、この時点で回答はだいぶ絞られるが。

*85 「Might and Magic II」にこれと近い名のEnergy Bladeという武器があるが、ここからの引用だろうか?

*86 ウィザードリィに強い影響を受けたクリスタルソフト製のRPG「ファンタジアン」に同名の武器が登場する。これ自体がウィザードリィのMURAMASA BLADEのオマージュであろうが、それをウィザードリィの方に逆輸入し、しかも村正よりも遥かに弱い設定にするとは……。

*87 他機種版ではパーティキャラと同時に他の6人にも称号を付けられるのだが…。

*88 Wizのライカーガスは初出のシナリオ4の時点で悪魔系になっており、アスキー版Wizで登場する場合も悪魔系で登場するのが普通。

*89 PC版だとトレボーの亡霊を解放するのが友好的解決の条件のNPCが居るが、代わりにゴールドを渡すことで解決するように改変されている。

*90 PC版では一度殺害した冒険者は階層を変えるかリセットするまで登場しない。

*91 LV3の「レベル1プリースト」という変なモンスターも作れる。

*92 具体的には細かいバグは修正されて、オートマッピングの完備、ゲームスタジオ版ではキーアイテムが必要だったテレポーター直通ドアが最初から使用可能、マカニトが効く敵がゲームスタジオ版準拠、NP版の鑑定の失敗要素と恐怖状態の撤廃も採用、と言う様に「プレイヤー側にとって有利な修正だけを」残して移植されている。

*93 呪文の重ね掛けを行うとACの表記こそ変わるが、バマツを何回唱えても実際はバマツ一回分しか効果が無い。カルキ+マツ++バマツのように他の呪文と重ね掛けした時のみ効果が重複する。ディルト、モーリス、マモーリスも同様。

*94 PCエンジン版以外の他機種では地上一階の北0南0以外の座標にマロールでワープすると城の堀で溺れたという扱いになり、パーティキャラがランダムで死亡するという仕様がある。PCエンジン版のみ堀へのワープが失敗する。

*95 SFC版の爆弾の罠と同様、現在の状態を考慮せず直接死亡状態にしているのが原因。

*96 携帯電話と接続して、追加コンテンツをダウンロードするシステム。

*97 トレボー城塞都市出身の可能性があるワードナ、#4のホークウィンドとカドルト神を抜いてもGBC版#3裏ボスのダバルプス、#5のソーン、外伝1のソークス、外伝3のアガンはリルガミン出身確定。というのも、『II』で登場したリルガミンの街を守るニルダの杖の効果がリルガミン出身の者には発動しないという効果の影響である。

*98 後の原作者へのインタビューで「セサミストリート」のカーミットが元ネタだと明言されている。

*99 前述のPCの属性に関して「本作で言う悪は世間一般で言う悪とは違う」と言う説明のために用意された文の一部。「善は困っている老婆を無条件で助け、悪は見返りがあるなら助け、中立は自分が道を渡るついでなら助ける。ワードナは極悪なので~」と解説された。

*100 映画『モンティパイソン ホーリーグレイル』において、円卓の騎士達を窮地に追い込んだ「殺人ウサギ」。

*101 アメリカのフードプロセッサーで有名なクイジナート社の綴りをもじったものであり、設定上はハンドミキサーの形をしている。日本では無名メーカー扱いでギャグとして通じないためか、大抵はムラマサブレード(村正)と同じく名匠カシナートによる名剣という扱いになっている。

*102 例えば、「ドルアーガの塔」では武器の候補に「メイジマッシャー(シナリオ#1に登場する、「魔術師殺し」の短剣)」があったりした。