修正依頼」が出ています。『ボムビー』と『キューティQ』における総評を追記できる方はご協力をお願いします。


注意:このページでは、『ジービー』(判定なし)と、
マイナーチェンジ版『ボムビー』『キューティQ』(判定なし)について解説する。



ジービー

【じーびー】

ジャンル ブロック崩し+ピンボール
対応機種 アーケード
発売・開発元 ナムコ
稼動開始日 1978年11月
プレイ人数 1~2人(交互)
判定 なし
ポイント ナムコ業務用タイトル1作目
ブロック崩しとピンボールの融合
家庭用移植には恵まれず

概要

  • Pong』から始まったパドル操作を用いた系譜のゲームであり、一作目の『ジービー』はナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)がアーケードでリリースした初のゲームでもある。
  • タイトルが三作存在するが、ルールは全く同じバージョン違いでしかない。よって本項目では三作一括で扱う。なおボムビー及びキューティーQはマイナーチェンジであるため本項では主な相違点のみを記述する。

特徴とシステム

  • パドルを操作して下に落ちないようにボールを当ててブロックを破壊する、いわゆるブロック崩しにあたる。しかし、本作ならではの特徴として、ブロックが画面上部だけではなく左右側にも設置され、バンパーやスピナーといったピンボール的な仕掛けを持っている事が挙げられる。画面レイアウトもどちらかといえばピンボールのそれに近い。
  • 面クリアの概念はなく、ブロックはある程度破壊すれば復活する、いわゆるエンドレスゲームにあたる。この辺もピンボール寄りのルールとなっている。
    • ミスをしてもブロックは復活する。
  • 一般的なブロック崩しと違い、パドルは画面下部と中部の二箇所ある。一つのダイアル式コントローラにて二箇所同時に操作する。さらに真ん中に固定された縦のパドルがある。
  • 画面下にボールが落ちてしまうとミスとなり、ストックが全部尽きるとゲームオーバーである。
    • ボールの機軸はブロック崩しの直進的な動きであり、ピンボール感覚でプレイすると違和感を覚える可能性が高いので注意が必要。
  • 画面中央にボーナススコアのカウンタが表示されている。フィールド上にあるギミックにボールを当てていくことで少しずつ増えていき、ミス時に倍率を掛けたものが加算される。また(N)(A)(M)(C)(O)と書かれたロールオーバー部分はボールが通過するたびに点灯・消灯し、全て点灯させるとボーナス得点が2倍になる。一度全灯させるとミスするまで消灯状態にはならない。
  • フィールド左右下部にはボールが入るとそのままミスとなるポケット(ピンボールで言うところのアウトレーン)が存在。ゲーム開始時は穴が空いた状態だが、サイドブロックを全て破壊するとセーフティゲートが出現、ミスを防ぐことができる。ただし一度ボールが当たるとゲートは消滅するので、復活させる場合は再度同じ手順を踏む必要がある。
  • 高得点をとり続けるとクレジットが増えていくシステムからわかるように、難易度はそれなり以上に高い。
  • 40000点/80000点(初期設定)でそれぞれ再ゲームが得られる。こういうところもピンボール的である。
    • 5球設定にすると再ゲームに必要な得点が多くなる(初期設定で60000点/120000点)。世の中甘くない。

      左・NAMCOを全灯でボーナス2倍/右・サイドブロックを全壊させるとセーフティゲートができる

評価点

  • ピンボールのギミックの導入により、従来のブロック崩しと違う面白さがある。バンパーやロールオーバー部分などはその典型。さらに左右のブロックや、ポケットのブロックなど、これらも従来にはないもの。
  • 真ん中の固定パドルは、中央パドルと同じ位置にあるため、工夫し甲斐がある。

問題点

  • 一般のブロック崩しと違いブロックが壁に密着している。このためブロック背後にボールを入れ、一気に崩していくことができない。爽快感が今一つ。バンパーはあるが、反射がそう長続きしないので爽快感というには乏しい。
  • 二つのパドルを同時に操るのは意識が分散しがちで、慣れるまでは操作が混乱する。
  • 青や紫、白などが基調の色合い。画面が全体的に暗い。

総評

ピンボールとブロック崩しの融合という新機軸な試みは大いに評価できる一作なのだが、その割に知名度は今一つである。というのも、当時は社会現象を巻き込む程の超絶ヒットとなった『スペースインベーダー』がブーム絶頂期であり、本作はその影に隠れてあまりヒットしたとはいい難い存在だった。
ある意味、ブロック崩しブームの終焉を象徴したようなゲームである。

余談

  • 作者が後日制作談として「本当はピンボールを作りたかったが機器の特許関連が全てアメリカに抑えられており作成することができず、テレビゲームとしてギミックを組み込んだ形になった」と語っていた。
  • 後のナムコのリリース作である『ギャラクシアン』や『パックマン』が大ヒットした影響で、さらに影が薄い存在となる。今現在もナムコのアーケードデビューが本作(ジービー)である事を知っているオールドゲーマーはあまり多くないと思われる。85年に刊行された「オールアバウトナムコ」にてそのことが掲載されているのだが、ほんの少し触れる程度でゲーム内容はおろかプレイ写真も掲載されていない。
  • そういう立場なのが要因なのかは定かではないが、単体での家庭用移植は一切されていない。詳しくは下記にて。

ボムビー

【ぼむびー】

ジャンル ブロック崩し+ピンボール
対応機種 アーケード
稼動開始日 1979年8月
プレイ人数 1~2人(交互)
判定 なし
ポイント よりカラフルなレイアウトに
隠しフィーチャーの赤バンパー

前作との違いと特徴

  • 1979年8月リリース。高めであったジービーの難度を調整、新たなフィーチャーとしてエクステンドや隠しバンパーといった要素が導入された他、画面が多色化され、レイアウトも一部変更された。また1000点単位でスコアが得られる赤バンパーや、2倍止まりであったボーナスが3倍になるなど、若干ではあるがスコアインフレの傾向が見られる。
  • 中央上部のトップブロックを全て消すと赤バンパーと赤い矢印(ボムビーシグナル)が出現。下のパドルでボールを打ち返すたびに矢印は赤バンパーに近づき、最後は赤バンパーを爆破、トップブロックとセンターブロック(横2列に並んだ緑のブロック)が復活する仕組みとなっている。ゲームタイトルの「ボム」ビーはこの爆発のフィーチャーが由来となっている。
  • 左右いずれかのポケットブロック(縦3つに並んだ緑ブロック)を全て消すと、セーフティゲートに矢印が現れ、そこにボールを入れるとボールが1つ増える。

左・中 トップブロック全消しで赤バンパー出現、最後はボムビーシグナルで爆発。/右・エクステンドという要素もある

評価点(ボムビー)

  • バンパーの破壊という分りやすいプレイターゲットができた。
  • 中央にブロックができたため、ブロック崩し的な爽快感が多少得られる。またバンパーが奥のポケットに配置されたため、反射が長くなった。ピンボール的な面白さも増した。
  • 色合いがカラフルになり、印象が大分明るくなった。
  • シリーズ中では、ピンボールのゲーム性が最も色濃い。

問題点(ボムビー)

  • ブロック崩しとしてみると、まだまだ爽快感には乏しい。

キューティーQ

【きゅーてぃーきゅー】

ジャンル ブロック崩し+ピンボール
対応機種 アーケード
稼動開始日 1979年11月
プレイ人数 1~2人(交互)
判定 なし
ポイント 画面レイアウト一新
ウォークマンなど動く仕掛け登場

前作までとの違いと特徴(Q)

  • 1979年11月リリース。画面レイアウトがほぼ一新され、ミニモン・ウォークマンという動くフィーチャーが登場。ゲームの進行度合いでフィールド内の地形が随時変化するなどTVゲームならではの演出が加わる。
    • 一方で、ピンボール的な色合いは薄まった。バンパーがなくなったのがその典型。ブロックの配置もピンボールというよりは、ブロック崩しに近くなった。中央の固定された縦パドルもなくなった。
  • 左右に位置するトップブロックのいずれか一方を全壊させると「ウォークマン」というキャラが登場、ボールを当てることで得点が入り、トップブロックが復活する。トップブロックの段数はゲーム開始時点では2段だが、ウォークマンを出す(全壊させる)につれ増えてゆき、最終的に5段にまで増える。
  • 中央上部には紫色のオバケキャラ・ミニモンが常駐、ウォークマン同様、ボールを当てれば得点が入る。また進行に応じて、ウォークマンの数が変動し、キャラを覆う外壁の形状がその都度変化してゆく。
    • ミニモンの通路にボールを入れると、ブロックの背後にボールを入れる事ができるようになった。
  • ロールオーバー部分が「(N)(A)(M)(C)(O)」から、緑のスマイリーマークに代わる。倍率上限や仕組みに関しては従来通りである。

    ウォークマンに当てるとボーナス/中央の壁は随時形状変化する/トップブロックは5段まで増える

評価点(Q)

  • 難易度がさらに低下。プレイしやすいものとなっている。
    • 中央左右のポケットに入ると、ボールの速度が落ちるなど救済措置ができた。
  • キャラクターを使った変化するギミックは、従来のブロック崩しにはないコミカルさでありインパクトの大きいもの。
  • ブロックの背後にボールを入れられるようになり、ブロック崩し的な爽快感が得られるようになった。

問題点(Q)

  • 問題点と言うほどでもないが、一作目のコンセプトだったピンボールの色合いは薄れ、むしろブロック崩しの発展版というゲーム性となった。

家庭用移植

  • オムニバスソフトとしては、1996年2月9日発売のプレイステーションソフト『ナムコミュージアム Vol.2』にボムビーとキューティーQ(前者は隠し収録)が、2007年12月6日発売のWiiソフト『みんなで遊ぼう!ナムコカーニバル』にキューティーQが移植収録されている。
  • 単体での家庭用移植のソフトは存在せず、残念ながら元祖であるジービーだけは一切の移植はされていない。
+ タグ編集
  • タグ:
  • ピンボール
  • ブロック崩し
  • ナムコ

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最終更新:2021年06月25日 03:17