ポポローグ

【ぽぽろーぐ】

ジャンル RPG(ローグライクゲーム)
対応機種 プレイステーション
メディア CD-ROM
発売元 ソニー・コンピューターエンターテインメント
開発元 ジーアーティスツ
シュガーアンドロケッツ
発売日 1998年11月26日
定価 6,090円
廉価版 PS one Books:2001年11月22日/1,800円
配信 ゲームアーカイブス:2007年10月10日/600円
判定 良作
ポポロクロイス物語シリーズリンク


概要

優れたシナリオで好評を博した『ポポロクロイス物語』の続編。タイトルは『ポポロクロイス』+『ローグ』から付けられている。
外伝的な内容であり、続編である『II』に直接ストーリーが繋がることはない。しかし完成度の高さは他2作に決して劣るものではない。
キャッチコピーは「『お母さんを返せ!』の次は『お父さんのバカ!』だ」。前作では母の愛がテーマになっていたが、本作では乗り越えるべき父の姿が描かれている。


あらすじ

昔むかし…夜空の星が魔法の夢を語り掛けていたころ…あるところにポポロクロイスという小さな王国がありました。

二年前、冒険の末に氷の魔王を倒し、ポポロクロイスの平和を取り戻したピエトロ王子は、 12歳になった今でもかつての冒険を忘れられず、
一緒に旅した仲間のことを思い出してはウズウズ。そして国王や兵士たちの目を盗んで今日もお城を抜け出し近くの草原を散策に…しかし、その日は様子が違っていました…
ピエトロ王子が空を眺めていると突如黒い雲がポポロクロイス上空を覆い、
王城と城下町、更に近辺の森ごと大地が宙に浮上し、異世界に飲み込まれるという天変地異が巻き起こります。

迷い込んだ異世界は「夢幻フィールド」と呼ばれ、ポポロクロイスの他にも様々な見知らぬ土地が混ざり合った不思議な世界が構成されていました。
周辺地域の調査へと送り出した兵士部隊の帰りを待つことにした父パウロ国王。
しかし帰還した兵はわずか二名、部隊の大半が行方不明に陥ったという報せに、より一層の緊張が走ります。

その後、事態解決の糸口を探し奔走するピエトロ王子でしたが、なぜか国王の理解を得られず、遂には王子の外出の禁を命じてしまいました。
そしてその晩…あろうことかパウロ国王は、置手紙を残し単身で城を抜け出してしまったのです!

「これ以上城の者たちを犠牲にするわけにはいかん。まして息子に肩代わりはさせられぬ。国王として許されぬことだが、わし自身が見届けねば…」

ピエトロ王子は、国王と行方不明の兵士たちを探し出すことを決意し、父の思いと世界の真実を探るため、夢幻フィールドを巡る冒険へ旅立つのでした。


特徴

  • 基本の戦闘システムは前作のそれを踏襲したシミュレーション風のものである。
    • しかし、それ以外の部分は別物と言ってもいいほどに異なる。以下違いを挙げていく。
  • 好きな仲間を選んでPT編成する「傭兵」システム
    • 前作でともに戦った仲間達は、それぞれの事情*1により今回は一緒に冒険してくれず、非戦闘面でのサポートに徹する役回りである。
      ではピエトロ一人の冒険になるかと言うともちろんそんなことはなく、各町で営業中の傭兵所に在籍している傭兵キャラを2人まで仲間として雇うことができる。
    • 在籍する傭兵は、ストーリー進行や寄り道イベントに伴い増えていく。前作の仲間達に負けず劣らず個性豊かなので誰を選ぶかは悩みどころ。
      • 「傭兵」なので、雇用手続きの際に料金の支払いが必要だが、一度雇えば無制限にどこまでも追加料金無しで連れ回すことが出来る。ただし死亡した状態で解雇手続きを行うと本来返ってくるはずの保証金は返金されない。
      • ストーリー中盤以降、傭兵所で待機中の傭兵を2名選び、「ダンジョン探索」に派遣する事も出来るようになる。
        探索を完遂すると、その2キャラはまとまった量の経験値を入手し、アイテムを持ち帰ることもあるが成果はランダム。ここでしか手に入らないアイテムもある。中には前作でおなじみのアイテム「しろがねのけん」も…。
    • また傭兵だけでなく「旅好きの村人」という4人目の仲間枠がある。
      • ストーリー中盤以降に該当の村人と会話すると連れて行けるようになる。傭兵との違いは「お金は必要ない」「連れて行くためには本人が生活している町、村まで行く必要がある」「自分の判断で行動する(命令不可)」「レベルアップが早いが、能力はほとんど成長しない」「HPが0になると元の町まで逃げてしまう(蘇生不可)」といった特徴がある。
      • 仲間に誘う事ができるキャラクターの種類も傭兵同様に豊富。人間のみならず、なんと犬や猫といった動物まで連れて行く事も可能。
      • デメリットが目立つ上に戦闘能力が極めて低い場合が多いが、「店で割引」「どこでもショップ」「宝箱出現率アップ」など傭兵が持っていない特殊な能力を持っている村人も存在し、特性を見極めてうまく活用すれば大活躍する。ただし、中には何の能力も持たない村人も。
      • ちなみに傭兵を雇わなかった場合、この村人を最大3人まで連れて行くという酔狂も可能。戦力的には大幅ダウンなのでネタ以外の何物でもないが。
  • ローグ」を名乗っているだけあり、今回のダンジョンは「不思議のダンジョン」方式。
    • ダンジョンごとに出現するお宝や敵の傾向はだいたい決まっているが、実際の構造は入ってみないことにはわからない。このためいつでも新鮮な気分でプレイできる。
      • 一度踏破したダンジョンは出入口のショートカットが開放される為、次回からは短時間で通り抜けることができる。
      • その一方で物語の進行によって閉ざされた扉が開く、新たな空間や階層ができるなどする為、一度クリアしたからといって用無しになるとは限らない。
      • この「常にダンジョンの構造が変化する」ことの理由は本作の舞台が夢の世界であることと関係している。
      • この機能は本ゲームをPSで再生した場合は正常に機能するのだが、PS2だと機能しない。
      • ダンジョンの状況はそれぞれの町や村に「ダンジョンを探索する冒険者同士の情報交換板」という形で情報を得る事ができる設備が用意されており、エリアが開放されるたび逐一情報が更新されていく。交換板自体が多くの主要な町に設置されているため、確認も容易な親切設計。
  • シンボルエンカウント式。敵シンボルに触れると、画面内にいる全ての敵と交戦状態に入る。
    • マップ上の敵の行動パターンは種類ごとに決まっている。こちらのレベルが一定以上あると逃げるように動くものや、積極的に襲ってくるもの、追いかけると逃げ出し、背中を見せると追ってくるものなど。うまく誘導して有利な形で挑みたい。
  • 魔法や必殺技は従来通りレベルアップでの習得の他に、消費型のアイテムである魔法書と秘伝書でも習得できるようになった。
    • キャラクターごとに得意不得意もあり、どの魔法書、秘伝書が使えるかはそれぞれで決まっている*2
  • 武器種の増加、防具に「鎧」と「盾」が追加、薬アイテム装備の概念は廃止と、より王道的RPGの感覚になった。
    • 前作で剣・杖・グローブ程度だった武器種に、斧・槍・弓・ハンマーが新たに加わり、装備可能キャラが区切られているものの、より多彩な武具を冒険の先々で拾うこととなる。
    • そして今作の装備部位は、武器・鎧・盾・アクセサリー1枠の4項目となり、戦闘中のアイテムコマンドは、直接アイテム鞄にアクセスし選択するスタイルになっている。
    • その代わりにアイテムは1種類につき9個までしか所持できず、回復アイテムを大量に積んで挑むといった物量作戦は取りづらくなっている。*3
      • 『II』では装備が再び武器、装飾品、薬アイテムの3項目となり、アイテム所持可能数も1種類につき99個と、『I』とほぼ同様の仕様に戻っている。
  • 属性・魔法のシステムやバリエーションが強化された。
    • 前作で味方が扱える攻撃魔法は、炎・雷・風・聖属性にそれぞれ魔法1つの合計4種のみ*4だったが、
      今作では新たに氷・地・闇の属性魔法が追加され、1属性内でも概ね6~7つほど性能の異なる魔法が存在し、属性ダメージ魔法は合計42種類と膨大な量を誇る。
    • また、各キャラが持つ「属性の得意度」(高いほどその属性魔法の、与ダメージ量アップ/被ダメージ量ダウン)が「属性値」として明確に数値化され、ステータス画面で確認可能になった。
    • ダメージ表示の際、属性付きのものであればその属性の英単語があわせて表示されるようになった。
    • 「〇〇(属性名)のたね」という、特定の属性値を強化するアイテムも登場。
  • 今作の戦闘ではパーティアタック(仲間を攻撃)することも可能。
    • ゲーム内でも序盤のダンジョンで説明がされるが、睡眠などの一部の状態異常にかかった仲間は、攻撃を当てることで解除ができるようになっている。

評価点

  • 変わらぬストーリーの完成度の高さ。
    • 前作では母に比べ影の薄かった父・パウロだが、今回は老いた体に似合わぬアクティブさを発揮し夢幻世界を駆け回ることになる。
      • ピエトロにはその理由が明かされることはなく、故に不信を抱くこともある。しかしそれゆえに父子の絆の強さはより深く表現されている。
      • 終盤の展開はやはり号泣もの。
    • 一見明るいファミリー向けのシナリオに見えるが、実は相当エグいシーンもあったり。
      • 本作にも前作同様「四天王」に相当するボスモンスターがいるのだが、シナリオ進行上の障害に近かった前作の四天王と異なり、「人間の負の感情」を元にしているためその影響を受けた町ではその感情が過剰に増幅されるという描写がある。
      • 例えば「欲望」から生まれたモンスターの影響下にある街、「ガバス」には巨大なカジノが存在し、勝者は夢のような生活を送れ、敗者は勝者のために強制労働させられる。大分マイルドな表現にはなっているが、実際にやっていることは「賭博黙示録カイジ」とほとんど同じレベルである。
      • ちなみにピエトロは「子供だから」と言う理由でギャンブルはさせてもらえない。ほっとするような残念なような。
    • 前述の通り『II』には直接ストーリーは繋がらないものの、ポポロクロイス王国の過去が語られる貴重な物語でもある。
      • また、『II』には僅かだが今作のネタが仕込まれているため、今作をプレイしたプレイヤーはニヤリとすることも。
  • きつすぎる『I』、ぬるすぎる『II』に比べると緊張感のあるほどほどの難易度。
    • 初見ではキツイダンジョンも、装備の選定、傭兵の選出、適度な稼ぎによりかなり楽に突破できるようになる。その辺りRPGとしての本分を忘れてはいない。
    • 前作はエンカウント率の高さに悩まされがちだったが、シンボルエンカウントに変更されたことにより余計な戦闘を回避しやすくなった。
      • しかし前述のとおりエンカウント時には画面内の全てのモンスターと交戦状態に入るので、あまり避けすぎると一回の戦闘で大量の敵と戦う羽目になり、窮地に陥ることも…。
    • この冒険を意外な形でサポートするのがダンジョン中随所に立っている「看板」。どうでもいい情報も記されているが、嘘は絶対に書かれていないので見かけたら確認する癖をつけたい。
      • 特に「危険」と書かれた看板には要注意。その先には大抵そのダンジョンへの初侵入時では、まず手が出ない強モンスターが登場する。どのぐらい強いのかまでは記されていないのが難点ではあるが、とにかく危険と書いてあったら危険なのである。
  • 前作同様、グラフィックレベルは高い。
    • 町や村の細部に至る描きこみも健在。またポポロクロイス城や城下町の構造は前作と全く同じであり、逆に細かい変化に気づきやすくなっている。
      • ただし一部問題のあるグラフィックがある(後述)。
  • 豊富なやりこみ要素。
    • 前作も多かったが今作ではさらに増加している。また、取り逃すと入手できないアイテムもかなり少なくなった。
      • 一例としては、鉱石を集めて最弱クラスの武具を最強になるまで鍛える「伝説の武具」イベント、パーツを集めてロボットの傭兵を完成させるイベント、前作同様のお土産の収集やモンスター図鑑の完成など。
    • さらにクリア後には「夢の王家の洞窟」という本家で言えば「もっと不思議」に相当するやりこみダンジョンが出現する。
      • ここでは前作の序盤の仲間キャラ、ゴンとドンを傭兵として雇うことができるようになる。情けなかった前作と異なり、あらゆる武器種と汎用の秘伝書、魔法書を全て使用可能という強力なキャラ。しかし情けない側面を強調する専用技を持っておりキャラが崩壊しているということはない。
  • 小ネタ、サブイベントも豊富。
    • 「ビン」で捕獲したモンスターを渡すことで、そのモンスターを素材にした料理を提供する施設「グルメパレス」
      • これがまんま昔懐かしき「料理の○人」。番組そのまんまな内装の調理場で、和・洋・中の料理シーンをドットアニメーションで用意する拘りよう。和食に至ってはお品書きを渡すところまで再現という徹底ぶり。
      • モンスター毎にどの料理人を選べば美味いor普通or不味い料理が出されるかは完全固定されている。
        美味い、または普通の料理を食べた場合はHP、MP、TP回復や、能力値が上昇するものもあるが、不味い料理を食べた場合は能力値が下がってしまう代わりにお詫びとしてアイテムをくれる。完全に相性の悪い属性値を鍛えることのできる唯一の方法であり、上記の「(属性)の種」などがお詫びアイテムに設定されているモンスターもいるなど、やり込み甲斐のあるサブイベントである。*5
      • ちなみに美味い、または普通の料理を食べさせると食べたキャラが反応を示してくれる。傭兵たちの個性が出る数少ない場面でもある。
    • 一風変わった収集コンテンツ「スタビン」
      • 世界各地に配置された「スタンプ台」を探し、ビンゴカードに押印してビンゴを完成させる「スタンプビンゴ」の略であり、完成した列数に応じて景品が貰える。
        このイベントに関わる人物として、常にピエトロの先をゆく「スタビン○○」(先生や帝王など。進行により○○に入る称号は変わる)という男が登場する。
      • 勝者の余裕からかピエトロにスタンプの場所を教えてくれる。しかし「スタビン帝王」にまで上り詰めた彼は意外な結末を迎えることになる。
    • たまに宿屋に泊るとピエトロの夢に現れる謎のピエロ「ナイトメア」
      • 泊らずに進めようと思えば進めてしまうため、無視することも可能。しかしその正体はストーリーに大きく関わるので是非とも見てもらいたい。
    • ピエロの夢を含めて冒険中ピエトロの印象に残った出来事は「ピエトロ日記」に記載される。
      • 期間限定のサブイベントなどもきっちりと体験した順に記録されるので集めがいがある。あとから確認して一個抜けてたりすると、いい感じに脱力してしまうが。
  • 傭兵一人一人をベテランの声優が担当している。
    • 前作同様に戦闘中は、必殺技・魔法発動時にきっちり技名をボイス付きで叫んでくれる。前作よりキャラクター数も技の数も増えているのに手は抜かれていない。

問題点

  • グラフィックレベルは高いのだが、容量削減のためか所々で手抜きが目立つ。
    • 傭兵が顔以外の胴体のパーツは全ての傭兵で使いまわされているのだが、このせいで全ての傭兵が同じ体型という事態になっている。
      • 特に説明書などのイラストとのギャップが酷いキャラは「メル」と「ザッパ」。メルはイラストでは2頭身ほどの猫のような生物であり、ザッパはカバのような顔(本人曰く、ドラゴンらしいが)をした超肥満体の巨漢。この2名がゲーム中では同じ体型で表現されていると言えばどれほど異常かわかるだろうか。
      • また魔法使い系のキャラでも全員が盾を持っている、勝利ポーズや魔法使用ポーズが全員同じなど違和感を感じる場面は多い。
      • ちなみにモンスターはホワイトシープ系、トコ系などかなりの数が追加されている他、前作モンスターもロボニンジャやボーンデッドなどの動きが追加されたもの、イビルナイトなどの完全に新規グラフィックのものも多い。その労力と容量を傭兵に回せなかったのだろうか…。
    • 今作では何故かハシゴが存在せず、前作においてハシゴだった所は全て階段に置換されている。
      • 特にギルダの館は樹の上の住居部分に向かって階段が設置されており、前作から比べると些か違和感は拭えない。
    • 宿屋などで泊まる際はアイリスアウト(丸抜き)でピエトロしか寝る姿が映らず、ガバスの物置部屋で泊まるイベントに至っては傭兵達の姿自体が消えてしまってピエトロが起きても話しかけることすらできない。
      • これらも傭兵、村人がハシゴを伝って登る、寝るグラフィックを削減した結果と思われる。モンスターの労力と容量をry
  • 前作ほどではないが、一部取り返せない要素がある。取り逃し注意。
    • また現在ではおみやげのコンプリートはほぼ不可能になっている。
      • 本作の『体験版』でのみ獲得可能なおみやげが存在し、流通量も相まって調達は絶望的である。
        更にこのおみやげは、前作「I」と次回作「II」との連動要素にも含まれるため、シリーズ連動おみやげ制覇の最大の難関とされている。
      • ゲームアーカイブス版では一定期間配信されていたものの、現在は配信終了したためこちらもコンプリート不可。また、そうでなくてもポケットステーションなしでは入手できないおみやげがあるので、PSの周辺機器が使用できないアーカイブス版ではどのみちコンプリートはできなかったと思われる。
      • ただし、ゲーム内のアイテム図鑑はこれらの限定アイテムが記載される場所が設定されていないので、図鑑コンプリートには差し支えない。
  • 前作から続投となった収集要素の一つであるモンスター図鑑だが、本編のみでは一部のモンスターと極端に出会いづらい。
    • ゲームの進行度に伴って進めるようになるダンジョンの深部エリアにのみ登場する敵、パーティの平均レベルが一定未満、あるいは一定以上になると出現する敵など、モンスターの出現条件はかなり細かく設定されており、人によっては一度も出会わない敵も多い。
      • 特に「アングラー」や「キングタートル」といった敵は、クリア後の「夢の王家の洞窟」でなければほぼ出会う事ができないものとされる。一応、攻略本には出現するらしいダンジョンが記載されているが、通常のプレイではまず見かけない。
      • コンプリートを目指すだけなら他の収集要素同様「夢の王家の洞窟」で達成自体は可能。ただし、本編のストーリー終盤に一定期間中しか進入できないダンジョンがあり、そこで出現する敵の中に他のダンジョンでは絶対に出現しないモンスターが存在するため、これを見逃してしまうとコンプリート不可能となる。
  • やりすぎるとバランス崩壊のおそれのある「伝説武具」
    • 「伝説武具」は、ダンジョンに潜って回収した「鉱石」と多額のゴールドを消費して鍛冶屋で鍛えていく特別な武具だが、鉱石自体が高値で売れる上ダンジョンを出入りするたびに復活する*6。つまり鉱石をひたすら集めるだけで複雑な手順無しに限界の+20まであっさり鍛えられてしまう。
    • ピエトロの分だけなら問題ないと思うかもしれないが、このゲームには「掘り出し物屋」というピエトロの装備品の数値以下の装備をランダムで販売するショップが存在し、ピエトロに超強化した伝説武具を持たせると、超高性能の強装備が手軽に量産できてしまう。流石に一部の希少装備は出ないがバランス崩壊の危険性がある。
  • 前述のようにクリア後にやりこみダンジョンがあるにもかかわらず「グルメパレス」はオーナーがやる気を喪失していて利用不可であり、クリア後のやりこみプレイに水を差してしまっている。
  • 町→町間のワープ移動手段が無くいちいちダンジョン内を通って移動する必要がある。
    • ダンジョン内にショートカットなどもあるのだが、わずらわしいことは事実。
    • ポポロクロイス城のみ、「竜の翼」を使うことによって直接帰還することは出来る。
  • ストーリーにおける傭兵の描写が少ない。
    • 入れ替え制の弊害であるのだが、その場にいるはずの傭兵を完全無視してピエトロだけでやり取りが進むため若干の違和感が残る。『II』の終盤にも似たような問題があるが、本作の場合序盤からラストまでこの仕様である。
    • また、ほとんどの傭兵は初対面時を除くと個別のイベントが極めて少ない。
      • せめて全員一度は個別イベントがあっても良かったのではないか。特に加入時ですら「なんとなく登場してなんとなく加入した」と受け取れるような一部のキャラは不遇である。
      • なぜかダイソンとラウラのみセットで、ストーリーと関係ないFEシリーズの支援会話のようなイベントがある。元々、傭兵のキャラクターを掘り下げる個別イベントを用意する予定だったのだろうか?
  • この手のゲームの宿命というべきか、キャラクターのバランスは今一つ。
    • はっきり言ってピエトロが強すぎるので、傭兵なしでも割と簡単にクリア出来てしまう*7。致命的な状態異常も即死ぐらいしかないので、対策してしまえば一人旅も割と簡単に出来る(手数が減るので時間はかかるが)。
    • 直接攻撃も魔法攻撃もこなせる「ボリス」*8や初期から高レベルの攻撃魔法を多数使える「ドグマ」などは使いやすいが、「素早さが高い」以外特徴がない「ユキ」や戦士系としては微妙な能力の「ムサシ」が2軍行きになりやすい。
      • そこまで絶望的に使えない、というわけでもなく愛情でカバーできるレベルではあるが。
    • 習得技の設定が不遇なキャラクターもしばしば。中でも「レパルド」は数少ない槍の使い手にもかかわらず、専用必殺技が何故か剣装備時しか使えないため、装備同士で個性を潰し合ってしまっている。
    • 「旅好きの村人」のうち実用に堪えるのは数人しかいない。
      • しかしそのうちの一人、よろず屋の「イムジー」がバランスブレイカー。MP回復アイテムを無限に購入できるのでダンジョンの中でもMP切れを一切気にせず最強魔法連打で進めてしまう。他にもアイテム売却・鑑定もその場で出来、便利すぎる。
      • 次点では宿屋の「ノース」と踊り子の「ジニー」。移動中いつでもHPの回復ができる為、回復に関してはイムジー以上にコストパフォーマンスが良い。
  • システムの変更に伴い仕方がない面もあるが、前作の重要アイテム「竜の剣」がピエトロの最弱装備に格下げされている。
    • 『I』『II』において「竜の剣」はピエトロが強くなるに伴って攻撃力が上がり、また「竜の玉(両作とも世界に3つある)」を手に入れると強化されるという特徴があるが、今作ではピエトロがレベルアップしても攻撃力は上がらず、竜の玉も存在しない為、本当にただの最弱基本装備でしかない。
  • 前作では豊富だった戦闘BGMが3,4種類の使い回しになってしまった。これは続編の『II』でも同様である。
    • とはいえ、BGM自体は良質なものが揃っている。特にボス戦のBGMなどは人気が高い。
  • 少ないが致命的なバグがある。
    • 中でもボリスの声が途切れ途切れに再生されるバグが致命的。せっかくの子安氏なのに……
    • 戦闘に参加していないメンバーの熟練度が初期化されてしまうバグがある。せっかく育てたのにまたやり直し…
    • 「エニグマ」という魔法の処理に問題があり、使用するとゲームに非常に大きな負荷がかかる。最悪フリーズの危険性も。
  • 致命的ではないのかもしれないが、かなり困るバグもある。
    • 移動中に使える魔法は魔法のLvが4を超えてからしばらく使った後、セーブロードをすると魔法Lvが下がってしまうバグがある。回復魔法に関してはLv4を移動中に使ったらセーブする前に戦闘中に使ってから勝利する…を毎回する事で発生が抑えられるが、マジカルロード等に関しては防ぐ方法はほぼ無いに等しいと思われる。
    • 属性値にもバグがあり、種を使えなくなるまで上がった後、なんらかの条件で大きく属性値が減りマイナスにさえなってしまう事がある。こうなった場合は再度種が使える様になるので、更に種を使い続ける等で内部数値を完全にオーバーフローさせて元に戻さなくてはならない。
+ ピラミッドバグについて
  • ゲーム中盤にかけて訪れる事になるダンジョン「ピラミッド」に纏わる再現性のあるフリーズバグ。
    • まず、このダンジョンに入るためには入口を開くことができる特定の村人の協力が必要で、パーティに必ず加入させ、ピラミッドまで連れていく必要がある。条件の関係もあり、ピラミッドの攻略を行っている最中はパーティから絶対に外せないようになっている。
      • しかし、ピエトロ達が全滅した場合のみ、この村人はパーティから離脱してしまう。そして、ピラミッドの入口を開けてもらうイベントを発生させたあと、この村人がパーティにいない状態で再びピラミッドに入ろうとすると、その場でフリーズする。
      • 条件自体は限定的だが、ピラミッド内で全滅する可能性は皆無ではないため、プレイの際には注意したい。

総評

タイトル通り「ポポロ」で「ローグ」な作品だが、実際にはローグライクのタイトなゲームバランスはほとんど感じられず、ポポロらしい万人向けの印象が強い。
その一方でやりこもうと思えばかなり深いところまで極めることができる通向けの側面も持つ。
「間口の広さ」と「懐の深さ」を併せ持つ稀有な作品であると言えるだろう。


余談

  • 本作にはネタ的な意味でユニークな装備が存在する。
    • 「てつのよろい」といういかにもRPGらしいアイテムがあるが、それを英名にしただけの「アイアンアーマー」というアイテムも存在する。実際にはアイアンアーマーの方が性能が高い。間違えて同じような名前のアイテムを出しただけか、何かのネタかは不明。
    • 「ギルタのつえ」という誰も装備できない謎の武器が存在する。ちなみにストーリーに関わる魔女の名前は「ギル」であるため多分無関係。
    • 「おもいやり」という槍系の武器があり、特徴はクリティカルが出ない。「思い遣り」の心を持つことで敵にクリティカルしないということなのか、「重い槍」なので扱いづらくクリティカルできないのかは不明。
+ プレイヤー有利なバグ
  • 攻撃モーション中にL2を押し続けることで、通常はランダムで発生するクリティカルが必ず発生する。開発時のテストプレイ用コマンドの消し忘れだろうか?
    • これは味方だけではなく敵にも適用。味方が攻撃する時だけL2を押しっぱなしにすることで有利に戦闘を進めることができる。一種のバグ技であり、本来想定された仕様ではないことには留意しておこう。

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最終更新:2022年10月30日 01:14

*1 白騎士は武者修行に出ており行方不明。ナルシアは夢幻フィールドに取り込まれた際魔力を失っている。ガミガミ魔王はナルシアが不在ならついていく気がない。

*2 ピエトロは闇属性の魔法は一切習得できず、闇系の魔法書を使用することもできない、など

*3 たとえよろず屋の「イムジー」を連れていたとしても戦闘中はアイテムの購入はできない。

*4 カイの変身は含まない場合

*5 ただし料理人は3人中2人しか選択肢に出ないので、目当ての料理人が選べない場合もある。

*6 しかも鉱石が入口近くに配置されるダンジョンまで存在する

*7 ただそれだけにパーティーメンバーに変身するモンスター、「まがどり」が恐ろしいのだが。前作とは異なり変身する対象がピエトロだけになったのも強さを増長させている。

*8 ちなみに担当声優は人気の高い子安武人。やや渋めの声質なので近年の子安ファンからは違和感があるかも。