ブレス オブ ファイアIII

【ぶれすおぶふぁいあ すりー】

ジャンル RPG
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対応機種 プレイステーション
プレイステーション・ポータブル
発売・開発元 カプコン
発売日 PS 1997年9月11日
PSP 通常版 2005年8月25日
DL版 2010年1月27日
定価 PS 5,800円
PSP 通常版 4,800円
DL版 713円
プレイ人数 1人
【PSP】1~2人(ゲームシェアリング使用時)
レーティング CERO:全年齢対象 ※PSP版より付加
廉価版 PS PlayStation the Best
2000年12月21日/2,800円
PSP カプコレ
2007年1月25日/1,980円
判定 良作
ポイント 3年間の沈黙を破り登場
高クオリティな釣りミニゲーム
ウォリアドラゴン無双
ブレス オブ ファイアシリーズ


概要

カプコンの手がけるRPG『ブレス オブ ファイア』シリーズの第3作。3年間の沈黙を破り発売された。
「パーティメンバーは純粋なヒト族以外の個性的な面々を中心とする」「主人公とヒロインの名前は "リュウ" と "ニーナ" で統一されている(ただしまったくの別人)」といった恒例も前作から継続。
本作のストーリーは大まかに幼年期と青年期の二章構成となっている。

キャラクターは2Dドット絵だが、地形や建造物、移動マップはクォータービュー(斜め上視点)の3Dグラフィックで立体的に描かれ、高低差の概念もある。
このように、プラットフォームがPSへ移ったことにより、過去シリーズから洗練・変更された部分も多く見られる。


ストーリー

古の時代に起きた、竜の一族がその強大な力で世界を滅ぼさんとしたという「竜大戦」とよばれる戦争。
熾烈な戦いの末、女神とその眷属達の勝利で戦争は終結し、敗北とともに滅亡を迎えた竜族は歴史から姿を消した。
数百年後、魔力を秘めた竜の死骸は特殊なエネルギーを発する鉱物「ゴースト鉱」へと姿を変え、人々の生活の一部となっていた。

そんな時代のある日、ゴースト鉱を発掘するダウナ鉱山から、生きたドラゴンの子どもが目覚め炭鉱夫達を焼き払う騒ぎが起こる…

同じころ、不作に苦しむ片田舎のマクニール村近くの森で行き倒れていた孤児の主人公・リュウは、
森住まいの 虎人 (フーレン)の青年・レイに保護され、同じくレイに拾われた孤児の少年・ティーポと共に共同生活を始めるのだった。

リュウはその後、数々の苦難と出会いを経て逞しく成長し、やがてその歩みは、
竜大戦の真実と己の持つ大いなる力を解き明かす「女神へ至る旅路」に変容していく。


システム・特徴

  • 全体マップで目的地へ移動し、町でイベントをこなしたりダンジョンなどを攻略したりしながらゲームを進めていく。
    • 全体マップには敵は出現しないが、プレイヤーキャラの頭上に「!」マークが表示された時に○ボタンを押すと、ミニマップへ入る。ここにはランダムで1個アイテムが落ちているほか、必ず1回以上敵とエンカウントすることになる。
    • 全体マップ移動中に「キャンプ」を張ると、セーブ・仲間の入れ替え・スキルの付け替えなどができる。休憩をとると、HP・AP(後者は魔法や技などで消費するMPのようなもの)が全回復する。
      • キャンプ設営はゲーム開始時から可能であり、一泊のために物資を消費することも無い。
      • つまりタダ宿泊まり放題なわけだが、最大HPの減衰(後述)状態は回復できない。
      • 仲間との会話もここでできる。シナリオ進行によって細かく会話が変化し、誰かしらが目的地の確認もしてくれる。
  • 戦闘は前二作と同様のランダムエンカウントのターン制バトル。
    • 戦闘参加メンバーは前作と異なり最大3人。控えのメンバーは経験値を獲得しない。
    • ザコ敵の行動パターンや経験値は、特定の技を受けるなどの一部条件に応じて変化する場合がある。
      • 例えば、「雷属性の敵が自身に向かって雷魔法を撃ち、雷を吸収しパワーアップして危険度が増す。」といった具合に、レベル差がついた昔のザコをこういう形でうまく使いまわすのは、本シリーズの特徴でもある。
    • 戦闘時の画面切り替えはなく、その場の地形に合わせて敵が出現する。敵味方のグラフィックは、エンカウント位置に応じて手前向きと後ろ向きの2種類がある。
    • 戦闘不能のまま戦闘を終了しても、HP1の状態で復活できる。ただし、一時的に最大HPが10%減衰した状態になり、最大値が黄色で表示される。減衰の最低値は元の最大HPの10%まで(9割減)。
      • 最大HPの減衰状態は街の宿屋やダンジョン内の休息ポイントで休むことで回復できるようになっており、キャンプでは回復しない。
      • 一部のアイテムやスキルの効果、イベント中のペナルティでも最大HPが減らされることがある。
  • 素早さの重要性
    • 本作では、敵の素早さを高く上回っているキャラは、「EXターン」という追加行動を獲得し1ターン中2回行動となる。これは素早さ変動魔法の影響も受けるため、素早さ上昇魔法「ハサート」の価値は非常に大きい。
    • しかし、前作では鎧に設定されていた「重さ」が、本作では武器、兜、盾にも設けられ、前作以上に装備重量の影響は強い。
    • アクセサリー以外の装備部位をおまかせで装着する自動装備機能も用意されており、攻撃力・防御力が最も高いものを選ぶ「最強」の他に、装備重量が最も軽いものを選ぶ「最速」の選択肢もある。
    • 素早さは敵からアイテムを奪うスキル「盗む」「ぶんどり」の成功率にも影響するため、金策を楽にする意味でも重要なステータスとなる。上記EXターンを得られればスキルの使用機会が増えるので、その分成功率が高まるという相乗効果が見込める。
  • I』と『II』では味方が全滅しても直前のセーブポイントまで戻され所持金減少で再開(いわゆるドラクエ式)だったが、本作以降は全滅で「ゲームオーバー」となり、タイトル画面に戻されてしまう(いわゆるFF式)。また、味方全員が麻痺状態になっても全滅扱いになる。
  • レベルアップで覚える技・魔法とは別に、「スキル」と呼ばれる任意習得技欄が加わった。
    • 前作『II』における「せんぎり」「ド・ブンバ・ラ」といった技や一部呪文等を、イベントによって追加習得する要素を発展・強化させたシステムとして登場。本作では、敵の使用する技の一部をラーニングすることができる。
    • 賢さが1以下、混乱状態など条件を満たす敵味方の攻撃を指定したターゲットに誘導させる「めいれい」、対象を聖属性弱点にさせる「邪気」など、ユニークな技が多数存在する。
    • 戦闘中に「見る」というコマンドを使用し、敵のラーニング可能な技を観察した場合、一定確率で自分のスキルとしてその場で習得する。後述する「師匠」から教えてもらうことでも習得できる物もある。
    • ひとつのスキルを複数人で同時会得はできず、覚えたキャラ以外は習得できない。
      • どのキャラでどのスキルを使用するかの戦略性もあり、他のキャラクターに覚えさせたい場合は、キャンプメニューで「スキルインク」という消耗品を使用して会得キャラを移し変える。
  • キャラクターの成長に変化を生じさせる「師匠」システム。
    • 世界のあちこちに「師匠」と呼ばれるキャラクターがいる。これらに関連するイベントをこなすと、パーティメンバーは弟子入りすることができるようになる。
    • 弟子入り中は、レベルアップ時のパラメータ成長に補正がかかる。倍率ではなく固定値の増減で補正されるので、本来ならまったく伸びないはずだったパラメータを意図的に伸ばすことも可能。また、弟子入り中に規定回数レベルアップすると、最初に達成した1人に1回だけ、スキルを教えてもらえる。
    • 半分近くの師匠には隠しステータスが設定されていて、戦闘の先制攻撃のしやすさとされやすさに影響する注意度などの能力が上下する。
  • 本作でも自分だけの町「共同体」を作れる。
    • 本作では、旅の途中で出会う妖精を使役して町を発展させていくスタイルになった。
    • 一定数の戦闘回数で町に変化が起こり、適切に行動の指示をした上で戦闘をこなすと、新たな住人の誕生、土地の開拓、家屋の増設、産業、文化レベル上昇等の発展を経て、前作以上にバリエーションに富んだ機能の施設を利用可能になる。
    • ただし「狩り」(食料調達)に割く人員をケチったり、低能力で派遣すると危険な「探検」をさせると、せっかく増えた住人が死んでしまうこともある。
      • 妖精にはそれぞれ能力値があり、住人数が最大定員になると新規で生まれないため、低能力な妖精をわざと死なせることで住人を選別するプレイも可能。
    • 食料が枯渇して住人が減っても最低保証の人数で踏みとどまるので、いくらでも立て直す事が可能。施設の内容も後から何度でも造り直せるので、取り返しのつかない要素が無く気軽に遊ぶことができる。
  • 一時的に属性耐性を強化できるドーピング屋。
    • 炎属性や異常属性などの中からひとつを選び、耐性を補強できる。キャンプやベッドで休むまでは効果が持続する。
      • ラストダンジョンの自動回復ポイントでは解除されないのでラスボス戦でも活用できるが、料金がレベルに比例して高くなったり、ドーピング屋が限られた町にしかないので、積極利用するプレイヤーはそれほど多くない。
  • 主人公リュウはストーリーを進めると、戦闘時にドラゴンに変身できるようになる。
    • 竜の力の結晶「ジーン」を集め、それを組み合わせることで変身を行う。ジーンはイベントでもらったり、ダンジョンで拾うなどの入手手段がある。
    • ジーンは全18種類存在し、3つまで組み合わせることができる。属性を司る「ファイア」「アイス」と、特徴を表す「パワー」「プロテクト」に加え、その他特殊な形態を呼び起こす「トランス」「フュージョン」などがある。
    • ジーンにはそれぞれ消費APが設定されており、変身時には使用したジーンの合計額のAPを消費する。また、1ターン経過するごとに変身に要したAPの半額を変身維持に消費し続け、AP切れで変身解除となる。
      • 基本的に「強いドラゴンほど燃費が悪い」ことになるため、使いどころをよく考えないといけない。
    • 初代を彷彿とさせる、パーティメンバーと合体する特殊形態のドラゴンもある。

評価点

  • シリアスとコミカルの同居した、それでいて不自然さのない独特な雰囲気の世界観は好評。
    • 例えば、ものすごい地方なまりで突っかかってくる「かんさいイルカ」というボスのセリフを標準語仕様で再生する機能のついたイベントシーンがあったり*1、 「ゾンビ族の医者」という位置づけで登場する敵モンスターが回復魔法を味方(もちろんゾンビ)に使って勝手に全滅したり、といったお笑い要素があるが、それらは作品世界にうまく溶け込んでいるため、自然に受け入れられる。
    • そんな中、主人公リュウは竜族の生き残りとして、何故竜族は滅びなければならなかったのか、この世界はどのようにして成り立っているのかというテーマの物語を追っていく。個々のエピソードは重いが、考えさせられるものがある。
  • 地味ながらも戦略性のある戦闘・竜変身・共同体などといった、シリーズの基礎を固める要素の完成度が全体的に向上している。
    • ゲームバランスは後述の一部の竜変身とアイテムを除けば安定している。無策ではボスもザコも苦戦しうるが、工夫すれば楽に突破できる。
    • 隠しモンスターとして、ゲーム終盤のとくにイベントもない場所に出現する、ラスボスより強い裏ボス級の雑魚敵が2種類存在する。出現率は低いがトラウマザコとして知られ、大量の経験値やレアドロップアイテム等の実益もあるため、十分なキャラ強化を経た後ならば腕試しに挑むのも一興である。
    • 竜変身はステータスの増減や耐性の変化が奥深くなっている。最近のジーンの組み合わせやお気に入り登録ができ、自分好みのドラゴンを探す楽しみがある。
  • 師匠・弟子入りシステムやスキルによって、かなり自由度の高いキャラ育成が可能であり、キャラクターを自分好みにカスタマイズできる。
    • 各キャラ固有の技、専用の装備、隠しステータスなどキャラ本来の個性はきちんと保たれている。
  • パーティメンバーは3人しか連れ歩けないが、キャンプ画面の機能が充実しているので不自由さはあまり感じない。
    • 前作はメンバー入れ換えや仲間との会話をしようと思うと、少々手間だった。本作は全体マップに出てキャンプ画面を開くだけでOK。
    • また、キャンプ以外でもダンジョン内の休息ポイントに日記帳が設置されていることがあり、そこでもメンバーの変更やスキルの付け替えができる。
  • 本作のパーティメンバーたちもまた魅力的であり、ドットキャラの細かな表情や動きも多彩。
    • フィールド上で使える各キャラ固有の特殊アクションも健在。普段のゲーム中からイベント演出まで、様々な使い道がある。
    • 本作は公式イラスト及びステータス画面とドット絵のデザインが違うことがしばしば話題になる。ガーランドがヒゲと眉毛のどちらかしか生えていなかったり、青年期ニーナの服が全然違うものだったりする。
      • これは「一般受けするように」ということで開発後期にデザインが変更されたからである。
    • 前作の共同体の個室のようにキャンプで各キャラクターの意見や人間関係などを垣間見ることができ、キャラクターに深みを持たせ感情移入させやすくなっている。
  • 「主人公の趣味は釣り」という伝統があり、本作でもミニゲームで釣りができる。
    • 魚の種類に対して適したルアー(エサ)の選択、ルアーアクションの概念の追加など過去作よりも出来が本格的になっていて、ミニゲームとしての評判も良い。
    • 釣り上げた魚の使い道も豊富。釣った魚は主に消費アイテムとして使用できるほか、釣り場を遊泳中の魚人商人マニーロをコインというルアーで釣り上げることで開店する、魚とアイテムを交換するショップにおいても出番がある。
      • 魚集めに時間はかかるがその時点の店売り品より高性能の装備品や便利アイテムなどがあるため、必須ではないがやり込むことで進行を楽にできる。
      • 前述の「スキルインク」も主な調達手段は釣りの交換品に頼ることになる。ストーリー上の宝箱などで手に入る数は限られるため、釣りに励むことで柔軟性に富んだスキル運用が可能になる。
      • 魚自体も、序盤では貴重なまとまったAP回復手段となる「チヌーク」や、釣るのは容易でないものの貴重な全体回復手段となる「ヒュージマウス」や「バラムンディ」に加え、味方全体の毒を治療する「イシムペスラ」などは大きな助けになる。
  • 戦闘時において声優陣がキャラクターの台詞を喋るようになった。
    • 有名声優は青年リュウ役の山口勝平とニーナ役の氷上恭子の二人のみ(幼少期リュウは高井智子という人物が担当)で、他のキャラは当時大阪に存在していたキャラクターランドという声優、舞台、司会を中心とした事務所の役者が担当しているのだが、その役者たちの演技も好評である。
      • もっとも、カプコンは予算の都合でイベントシーンをフルボイスにしなかったのだろう。
      • 死亡時のボイスが男性に人気となったキャラも。
      • 一部のボイス配役に大阪の事務所を起用した経緯はカプコン本社が大阪なことや予算の関係などの都合と思われる。 また、開発当初は全て社員が声を当てており、ベイトのみ社員の声がそのまま製品版でも起用された。
      • キャラクターランドがキャスティング協力した他作品はコナミから発売されたN64用ソフト「麻雀MASTER」やアステック21から発売されたPS1用ソフト「忍ノ六」などがあり、いずれも本作に出演した声優が一部起用されている。
    • 本作以降のシリーズ作品でも山口氏と氷上氏はそれぞれリュウとニーナの役を担当している。

賛否両論点

  • 優秀すぎるHP回復アイテム
    • 本作の道具鞄は、所持限界にはまず届かないほどに大容量であり、かつアイテム1種につき99個までスタックされるため、前作よりも大量の物資を気軽に持ち運べる。
    • この仕様により、非常に安価で購入できるうえに中級回復魔法以上の数値を癒すアイテム「げんきだま」の使い勝手が飛躍的に向上、更に一部ショップでは単体全回復アイテム「純げんきだま」が購入可能であり、これらを買い込むと単体回復魔法の出番はほぼ消滅する。
    • 更には釣りで入手可能な、範囲回復効果の魚「ヒュージマウス」「バラムンディ」「ホーンドマリーナ」「 勇魚 (いさな)」が調達できれば、範囲回復魔法の出番も奪いかねない程である。
    • ただその一方で、AP回復アイテムは知力の種、知力の実ともに非売品とかなり渋い。釣りで手に入る「チヌーク」でも回復量は知力の種と同じなので、終盤の戦闘中のAP回復は厳しいものとなる。
  • ボス戦のバランスが竜変身を前提としている。
    • 中盤からボス戦の難度が大きく上がり、終盤に差し掛かると適正レベル前後ではリュウ以外の仲間の攻撃の大半はまともに通用しなくなっていく。
      ボスの攻撃も苛烈となり、特に耐久面の乏しいニーナは、師匠システムで耐久面を補強しなければ終盤ボスでの運用は厳しい。
  • 一部の竜変身は能力が高い上に燃費も良く、多くのボスを圧倒してしまう。
    • 代表的なのが「パワー」のジーンで変身できる「ウォリアドラゴン」。攻撃力が2倍になる上、素早さも高く維持燃費も良い。素早さ上昇魔法「ハサート」を使えば容易に「EXターン」を狙える*2ため、このドラゴンを使うと難易度が大幅に下がってしまう。
    • さらに「パワー」に「トランス」のジーンを組み合わせる事で変身できる「ウォリアセカンド」は、AP効率こそ「ウォリアドラゴン」に劣るものの攻撃力は3倍になるため、バランスブレイカーすれすれな性能である。
      • しかしウォリア系はそれほど打たれ強くはなく、状態異常耐性も無い。性質上特に混乱が天敵なため過信はできない。
  • ドーピングアイテムが簡単に入手できる。
    ザコ敵から盗み/ドロップ*3、ミニマップであっさり拾う、コピー屋はそこそこ高確率で複製成功、
    と簡単に量産できてしまうために、師匠システムを殺しているという意見もある。
    • 師匠育成をミスしたと判断したときの救済措置と見れなくも無い。また増加量が1しかないので、やりすぎなければバランス崩壊の心配はない。それでも気になる人は気になるだろうが…
    • コピー屋で増殖させる場合、通常は成功(2個に増える)、失敗(増えない)、大失敗(アイテム喪失)のため、リセットを絡めても成功を狙うのが面倒なのだが、所持個数が98個のときにのみ実行可能なアイテム無限増殖法が存在する*4。準備と実行の両方に手間がかかるが、すべてのステータスをカンストも可能。
  • 中盤のとあるザコ敵で、膨大な経験値を稼げてしまう。
+ 裏テクニック的ではあるものの…

ズブロ火山に生息する「ラーバビースト」は、炎攻撃を吸収する毎に[攻撃][防御][素早さ][経験値]が強化される性質を持ち、15回目の吸収時点で経験値がカンスト値の65535*5になり、仕留めることができればレベルが一気に上がってしまう。

ただ当然ながら入念な準備が必要で、対策を怠るとあっけなく全滅する。この敵の特性に気付くかはプレイヤー次第であり、この時点でレベル上げするかもプレイヤー次第。


問題点

  • ローディングは少し長い。特にエンカウント→戦闘に入るあたりのローディングが気になりやすい。
  • バランスブレイカーな消耗品があり、複数個用意も手軽。ウォリアセカンドよりもはるかに凶悪。
    • 装備中にHP0になると装備者が自動復活する効果の装備が2種類存在する。
      男性専用防具のおとこふく。全員装備できるアクセサリーのせいれい石。これらは復活時に破壊され消失するデメリットがあるものの、どちらも店売りされている*6ため、ゼニーさえあれば大量に買い込めてしまう。
      • かつ本作の「戦闘中でも防具・アクセサリーを装備変更可能」のシステムと相まって、もし戦闘中に失ってもストックさえあれば装備し直すことが可能であり、効果とデメリットが釣り合っていない。
    • 使用者以外の全キャラを3ターン行動不能にする「時の砂」がありとあらゆる敵に対して100%有効である。*7
      • 時の砂自体は非売品で拾える個数も6個のみだが、共同体のコピー屋*8で時間をかければいくらでも複製できる。コピーの成功率は売値を基準にしているので、安く売れる時の砂は高確率で成功する。もし失敗してもリセットしてしまえばいい。
      • 内部データに残っている没技で「ザ・ワルド」というものがあり、効果は設定されていないが、名称から時の砂と同じ効果であろうこの技を採用されていたらバランス崩壊もいいところ。専用ボイスまで収録されているのが恐い。
  • シリーズおなじみの最強のドラゴンである「カイザードラゴン」の使い勝手が悪い。
    • 「カイザードラゴン」自体は全能力値が非常に高い、強力な専用技を使える、さらに変身前の全魔法とスキルを使える…と確かに強力なのだが、肝心の攻撃力において上記の「ウォリアセカンド」に劣る上に、変身維持の消費APが「ウォリアセカンド」の3倍以上と非常に燃費が悪く、すぐに変身が解けてしまう*9
    • 「ウォリアセカンド」を差し置いて「カイザードラゴン」を選ぶ場合、知力の実の確保や、師匠システムの素早さビルドでEXターン獲得=変身維持AP実質減が欠かせない。
  • 敵味方共に攻撃の命中率が低く、回避率も高い場合があり攻撃が外れやすいため、戦闘のテンポが微妙に悪い。
    • さらに命中率が低い特徴を持っている仲間もいるため、余計にそう感じやすい。
    • 命中率を100%にできる武器やスキルもあるが、相手の回避率を無視できるわけではないので確実とは言い難い。
    • 回避率の高い相手には、必中の魔法などを使って攻撃することで対応する必要がある。
  • 視点とマップ構造は斜めなのだが、PSの十字ボタンの関係か、やや操作性が悪い。
  • ストーリー上の都合か、移動魔法「ヒュール」や脱出魔法「デルダン」が廃止されたので前2作と比べると移動面が若干面倒。
  • ストーリー進行やダンジョン攻略に特定の仲間キャラを連れてくる必要があることが多く、パーティ編成しに戻る手間もあって不便な上に、ダンジョン攻略することになるパーティ編成に偏りが生じている。
    • ただしボス戦まであるダンジョンばかりというわけではない。またストーリー展開としても妥当なキャラ選択にはなっている。
    • 全ての仲間にそういう機会があるという訳でもなく、あるキャラは編成の自由も無い序盤のダンジョンで固有アクションを使って以降まったく必要な機会が訪れなかったり、またあるキャラはダンジョンに入るまでのギミックに必須なだけで、以降必要な場面は他のキャラで代用可能だったりと、出番の格差が大きい。
  • ストーリー進行に必須の一部のミニゲームは難易度が高かったり、時間がかかったりして批判意見が少なくない。
    • とくに不評なのが終盤における「砂漠渡り」。
      + 過酷な仕様の数々
    • 進む方角は空に浮かぶ星から判断しなければならない。*10星は3種類あり、常に北にある星以外は自分の現在位置によって変動する。
    • 一定歩数歩くとエンカウントマップに移動する。そこから出た後は再び星の位置を見て方角を修正しなければならない。
    • 昼は体力(水)の消耗が激しくなり、星の位置も見えないためキャンプで寝て夜を待つ必要がある。「北に○日歩き、次は東に○日…」という目的地へのヒントを貰えるが、夜のみ歩くことを前提としているので昼に無理して歩くメリットはほぼ無い。
    • 自分の現在位置など分からず、どれぐらい進んだかは何日経過したか、水をどれぐらい消費したかで判断するしかないため、ヒントをしっかり理解していなければ迷いやすい。また仲間が過酷さで気力が無くなっていく様を見るのはなんとも痛々しい。
    • とはいえ、この過酷さが世界観やストーリー演出にもマッチしており、それらを描写する為には仕方ないという側面もある。

  • ラスボス戦前には二択の選択肢を選ぶ場面があり、その内の一方を選ぶとラスボスと戦う事なくバッドエンドとなってしまうが、初期カーソルがバッドエンドとなる選択肢を指している為、誤ってバッドエンドとなる選択肢を選んでしまいやすい。
  • 師匠システムの不具合
    • 師匠から習得できるスキルの中には、キャラクターが自力で習得できる魔法と同じ物*11も存在するが、魔法を覚えるLVに到達した時に本来覚える魔法と同名のスキルを装備していると、その魔法を習得できないままゲームが進行してしまう。
      • 例を挙げると、ニーナは本来LV15でシェザーガを習得する。また師匠メイガスからはスキルのシェザーガを習得できるが、スキルのシェザーガをニーナに覚えさせた状態でLV15にすると、自力習得版のシェザーガを覚えられない、という具合。
  • 師匠に弟子入り中のキャラがLVアップした時は、師匠毎に設定された能力値補正がパラメータそれぞれに発生するのだが、
    一度に大量の経験値を得てLVが段飛ばしに上昇した場合、下降補正の能力値の成長が悪化するという不具合が発生する。
    • 例を挙げると、師事中のレベルアップ時に賢さ-3の補正のある師匠に弟子入り中のリュウのLVが18から21に成長する際に、
      リュウは師事無しの場合LV19で賢さ+3、LV20で+0、LV21で+6、という上昇量になるのだが、
      -3の補正込みで1レベルずつ成長した場合、LV19で+0、LV20+0、LV21+3という成長値になり、リュウの賢さは3上昇する。
      師事無し時の賢さ上昇量 師事による補正 補正込みの成長値
      LV19 +3 -3 +0
      LV20 +0 -3 +0
      LV21 +6 -3 +3
      対して、3レベル分段飛ばしに成長した場合、LV20の時点の上昇値0の範疇に発生した-3の補正をLV21の上昇量から相殺し成長値ゼロとなってしまう。
      師事無し時の賢さ上昇量 補正の合計 補正込みの成長値
      LV19 +9 -9 +0
      LV20
      LV21
  • 師匠のうち2名は行動次第では永久に弟子入りできなくなってしまう。
    • ある師匠への弟子入りにはとあるアイテムが必要なのだが、一品物であり売却可能な上にアイテムの説明文には「高く売れる」としか書かれていない。師匠に出会う前でも注意深く探索をしていれば見つかる事も相まって、換金アイテムと勘違いしてうっかり売ってしまいやすい。
    • もう一人の師匠はシナリオ上での会話にて特定の選択肢を選ぶ事が条件。一見ただの他愛のない会話なので条件とは気付きにくい。

総評

明るいタッチで描かれたコミカルなRPG。知らない人は第一印象でそのように感じるだろう。
しかし実際のストーリーは深く、重い。特殊な存在に生まれついた主人公の運命をたどる物語は、仲間たちや存在感溢れる脇役に彩られ、プレイヤーの心境に深く訴えかけてくる。
かと思えば、迫り来る世界の危機をよそに、趣味の釣りに打ち興じたり妖精さんと戯れたりしてもいい。この巧みな緩急のつけ方が本シリーズの持つ不思議な魅力の1つである。
多少の粗はあれど、シリーズの色を濃く濃く反映させつつ全体的なパワーアップを図り、見事に成功を収めた名作である。


余談

  • 作中にムービーなどは無いが、エンディングでは一見普通のゲーム画面のように見えて、キャラドットをイメージイラストに近付けた精密なクオリティで且つ大きく描く演出がある。
    • ヒロインのニーナは服の色などがイラストとドットで結構違うので、ゲーム中ではここで初めて本来の姿が映ると言える。
  • TVCMではアニメーションが用いられている。更にCMソングとしてSOPHIAの「街」が起用され、印象的なCMになっていた。
    • しかし本編中はエンディング主題歌こそあるが、「街」は収録されていないため、CMに惹かれて買って残念がったプレイヤーもいたとか。
    • 次回作のオープニングは主題歌は無いが、アニメが採用されている。
      + TVCM
  • ドラマCDが発売されている。
    • 内容はゲームとは違う展開で、ニーナ視点での幼年期から青年期開始までを描く。
    • 声優も異なっており、幼年期リュウも山口氏が担当しているほか、リュウとニーナ以外のキャラは全員有名声優に変更されている。
  • PSPで移植版が発売された。新モードとして、釣りのみを行う「FISHING MODE」と、設定資料イラストを見られる「GALLERY MODE」が追加されている。
    • しかしUMD版はPSP初期の作品のためかロードが非常に遅くなっている。後にDL版も発売されており、こちらであればロード時間は幾分か改善されている。
    • その他細かい変更点として、とあるボスの配色とスキルの名称が変更されている。あまりにもパロディ色が強かった影響だろう。
  • シリーズ6作の内、本作のみサブタイトルが存在しない。
+ タグ編集
  • タグ:
  • PS
  • 1997年
  • RPG
  • カプコン
  • ブレス オブ ファイア

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最終更新:2024年04月07日 08:36
添付ファイル

*1 海外版ではオーストラリア訛りとして表現されている。

*2 EXターンの追加行動では変身維持AP消費が発生しない、このため変身持続時間が実質倍となる

*3 アイテムドロップ率が上昇する技まで存在する。

*4 コピーに成功した複製品を受取ろうとすると「減らしてから取りに来て」と言われ受け取りが保留となるのだが、このセリフの時点で実は1個だけ受け取って99個に増えており、1個だけ使って再び98個にして受け取りを繰り返す

*5 三人生存で勝利ならばこの額が三等分となり21845となる

*6 男服は中盤の町で比較的安価で販売され、せいれい石は多少高価だが共同体の店で販売される

*7 「3ターン時を止める」効果だが、敵に先制すれば使用ターンを含めて4ターン動けなくさせることと同義。

*8 アイテムをランダムで増減させる施設

*9 追い討ちをかけるように、本作ではAP回復アイテム「知力の実」は非売品の貴重アイテム

*10 砂の模様を見る事でも東西南北に対して真っすぐかどうかだけは判別できる

*11 カテゴリは異なる