ときめきメモリアルドラマシリーズ



シリーズ概要

  • 当時ブームを巻き起こしていた恋愛シミュレーションゲーム『ときめきメモリアル』(以降「原作」と表記)の外伝として、『ポリスノーツ』のスタッフ(小島組)がシステムを流用して制作したアドベンチャーゲームの三部作。もともと、『ポリスノーツ』のシステムを他の作品に使えないかと模索していた時、「会話の相手が女の子だったら面白いのでは?」として開発された経緯がある。事実上最後の小島組アドベンチャー作品であり、小島秀夫監督お得意の要素がふんだんに取り入れられた良作である。
  • きらめき高校での高校生活から2~3週間程度をクローズアップして、メインとなるヒロインと主人公のラブストーリーが描かれている。

特徴

  • システムは『ポリスノーツ』の流用のためほとんど同じなものの、細かい点で調整が行われておりより快適な操作性になっている。
    • ストーリーが一本道のコマンド総当たり式だった『ポリスノーツ』とは異なり、本シリーズは自由度があり且つ期間が定められている為、各シーンで行える行動には限りがある。
  • 「ドラマシリーズ」というタイトルどおり、シナリオは恋愛ドラマ的な構成となっている。
    • 本作をベースとした「虹色の青春forever」「彩のラブソングwith you」「旅立ちの詩so long」といったドラマCDも発売された。本編裏側でのヒロイン他のキャラクター達の心情を、より掘り下げたものとなっている。
    • 『ときめきメモリアル』の外伝作ではあるものの、言ってしまえば学園ドラマの舞台に借りているだけで、原作を知らないからといっても置いてきぼりにされることはない。勿論、原作を知っていればニヤリとできる小ネタは随所に仕込まれている。

登場人物

  • 各作品のメインヒロインは、コナミが行った公式ファン投票の一位から選ばれている。サブタイトルもそれぞれのメインヒロインの名前から一文字が取られている。
    • このうち本来Vol.2はVol.3でダブルヒロインを務めている舘林見晴になる予定があった。だが、諸事情(彼女の声優がメインヒロインだったこれで忙しかったとも)により、同じ投票で次点だった片桐彩子が選ばれたという経緯がある。
  • 主人公は原作の主人公と同様に藤崎詩織と家が隣の幼馴染だが、三作それぞれで別人の設定。原作におけるプレイヤーの育成方針の違いによる一種のパラレルワールドと言えるが、後の作品でも前作・前々作の主人公に相当する人物はきらめき高校に存在しており、直接登場はしないがその後の動向をうかがえる。またVol.3にはおまけ要素として、卒業を迎えようとしている前2作の主人公を少しだけだが操作する機会もある(後述)。
    • が、それゆえに「全員詩織と幼馴染でお隣さん」のようなおかしな状況になっていたりする。そのため、各主人公の交友関係及び自宅の配置図は、度々議論の的になる。学校でも全員同じ教室の同じ席、親友とも全員隣同士で全員詩織と同じクラスである。…深く考えるなということかも知れない。
  • メインヒロイン以外の原作ヒロインも登場。それぞれの作品で数人ずつにサブシナリオがあり、見せ場が用意されている。
  • 本シリーズ独自のキャラクターとして、丹下桜氏が演じる「秋穂みのり」というキャラクターが登場するが、三作を通して徐々に成長していく様が描かれており、Vol.3ではサイドストーリーで彼女のエピソードもあり陰のヒロインとでも言うべき位置づけにある。

ときめきメモリアルドラマシリーズ Vol.1 虹色の青春

【にじいろのせいしゅん】

ジャンル アドベンチャーゲーム
対応機種 プレイステーション
セガサターン
メディア CD-ROM 1枚
発売元 コナミ
開発元 コナミコンピュータエンタテインメントジャパン
発売日 1997年7月10日
定価 4,800円
判定 良作
ときめきメモリアルシリーズリンク

概説(1)

  • メインヒロインは虹野沙希。舞台は2年生の春。本作のみ、次回作予告や専用プロローグムービーがあり、より映画を意識した作りになっている。
  • 他のヒロインにも一応のサブイベントはあるものの、この時点ではまだ一枚絵のみのあっさりしたものに過ぎず、基本的には本編のストーリーをなぞっていくだけである。個別のミニゲームが用意されるのは次作から。
  • サッカー部員である主人公の特訓が、ゴールマウスに貼られたパネルをフリーキックで撃ち抜くミニゲームとなっている。蹴る方向の他、蹴る位置、強さ、風向きと風速がボールに作用し、それらを計算してパネルを狙う必要がある。シナリオ攻略のためには、一定のレベルまでクリアすることが必須。

あらすじ(1)

  • サッカー部に所属する主人公は、2年目春の選抜で後輩にレギュラーの座を奪われてしまう。事実上の戦力外通告を受けた失意の中、いつか試合に出られる日を目指して毎夜秘密の特訓を続ける主人公だが、ある日の偶然で部の女子マネージャーである虹野沙希と急接近することに……

評価点(1)

  • 『ポリスノーツ』で見られた特徴はほぼそのまま引き継がれており、オブジェクト・会話パターンは相変わらず豊富。
    • また、原作ではゲーム性のため敢えてカットされていた詳細な設定が描写されたのも本シリーズであり、作品世界の補完という意味ではかなり重要な位置を占めている。
  • ストーリーはラブストーリーとして「王道」というべきものだが、小島組が追及する映画的演出がそこかしこに組み込まれており、王道を王道で終わらせないことに成功している。
    • 特に終盤、とあるイベントをきっかけに始まる怒涛の展開は、恋愛ものでありながら息つく暇を与えずにエンディングまで引っ張っていく。次回作、次々回作共にラストでは多くのプレイヤーを感動のるつぼに叩き込んだ。
    • 今回は2年生になってさほど経たない頃の物語で、恋愛要素も三作中ではそこまで強くは無い。しかしそれ故にタイトル通りの爽やかな青春ドラマに仕上がっており、最後も2人のこれからを期待させる明るいラストになっている。
  • 忙しいのは序盤と終盤だけで、中盤はかなり自由に行動出来るのだが、メインヒロイン以外のキャラとのサブシナリオも豊富なため、中だるみすることなくゲームを続けられる。
  • 本作の音声は、アニメのアフレコのようにスタジオに声優を集めて演技をさせている。そのため、キャラクター同士の会話が非常に自然なものになっている。
    • 「当たり前じゃないか」と思う人もいるかもしれないが、普通ゲームの音声は、声優を一人ずつスタジオに入れて自分の台詞だけをゲーム内の流れに関係なく順番に収録するので、場合によってはシーンに合わなかったり、不自然なところでブツ切れたりする。非常にぜいたくなことなのだ。ゲーム中では台詞がない主人公の声も、わざわざ原作のラジオドラマ版で主人公を演じていた小野坂昌也氏をスタジオに入れて実際に演技をさせているあたり、気合いがうかがえる。
      • ちなみに小野坂氏は作中においてサッカー部監督である教師の声を演じている。ドラマCD版では上記の事情からか、教師でありながら詩織を見ると露骨にうろたえるというネタがある。
  • BGMについては、原作のアレンジサウンドトラックや「ときめきメモリアル ピアノコレクション」などからチョイスされている。シナリオの要所要所で挿入されて、原作には無かったドラマらしい雰囲気を盛り上げてくれる。
    • 例えば、Vol.1での夜の神社の境内で流れるピアノ曲は原作ではショッピング街のファンシーショップで流れる曲だったのだが、一聴してすぐにはわからないほど別物と化しており、静かな夜の練習風景というシチュエーションに抜群にマッチしている。ピアノ曲ではないアレンジも別の場面で使われており、こちらもこちらで全く違う雰囲気の曲となっている。
  • 小島組の御約束と言うべきか、本作でも他作品とのクロスオーバーが行われている。
    • もっとも分かりやすいのが、各作品でヒロインと映画に行くシーン。本作では『ポリスノーツ』がアクション映画として上映されており、しっかり劇中のシーンが映し出される。
      • ヒロインから原作を知らないとわからないような詳細な質問をされ、よく観ていなかった主人公が困惑する一幕がある。その際の選択肢は攻略に影響は無いが、同作プレイ済みの人は一緒に映画を観ていた気分になって得意気に答えてあげよう。
    • また、『ポリスノーツ』でバッグに爆弾を詰められていたマダムが、服飾店の店長としてゲスト出演している。同作プレイ済みの人は噴き出す事請け合い。Vol.3にも登場する。

問題点(1)

  • 原作と比較したキャラクター設定・性格の差異。
    • 本編と比較するとキャラクターの設定、性格にギャップがあり、原作ファンには違和感を感じる部分がある。
    • 原作に登場する「外井雪之丞」というキャラクターの演技なども、原作と同じ声優が演じているにもかかわらず声のトーンがまるで違い、低くドスのきいた声になっている。もっとも本シリーズでは「主人公を有無を言わさず追い返す」役どころで登場するため、敢えてそのような演技にした可能性はある。
  • フリーキックの難易度が少々高い。
    • ハッピーエンドを迎えるには一定レベルまでクリアしなければならないのだが、風向きや風速が作用する為、思うようにゴールを決められない事が多々ある。しかも挑戦できる回数には限りがある為、苦手な人はロードを繰り返して部活前の日常パートを何度も見る羽目になる。
    • 練習前のボール拾いを上手くこなせばチャンスを増やす事も出来るが、こちらも法則性を見出さないと難しい。
  • 現実のアイドルの出演。
    • 当時コナミが売り出そうとしていたアイドルの卵「栗林みえ」が隠しキャラクターとして登場する。ゲーム内で名前もそのままに出演し、自分をアピールするのだが、セリフはどう贔屓目に見ても棒読みな演技であり、項垂れること必至。
    • しかも本作に限らず三作全てに登場する。
    • 更に切ない事に、栗林氏はその後あっというまに芸能界から去ってしまった。結果、必要性があったのか疑わしいだけの要素に。

ときめきメモリアルドラマシリーズ Vol.2 彩のラブソング

【いろどりのらぶそんぐ】

ジャンル アドベンチャーゲーム
対応機種 プレイステーション
セガサターン
メディア CD-ROM 2枚組
発売元 コナミ
開発元 コナミコンピュータエンタテインメントジャパン
発売日 1998年3月26日
定価 5,800円
判定 良作

概説(2)

  • メインヒロインは片桐彩子。舞台は2年生の秋。本作からOPテーマのアレンジが変わった。また、一部キャラと一緒に帰ることが出来るようになった。
  • 桑島法子氏が演じるオリジナルキャラクター「美咲鈴音」が初登場。
    • 余談だが、同時期に発売された『実況パワフルプロ野球'98開幕版』のサクセスモードにおいて、「岬法子」という彼女にそっくりなキャラクターが登場したことがある。

あらすじ(2)

  • 校内でも人気のアマチュアバンド「彩」(いろどり)のギタリストである主人公は、文化祭で演奏するための新曲の創作に励んでいた。自分の曲に日々満たされない何かを感じていた中で、校舎の屋上で偶然出会った少女・片桐彩子の一言が、彼の作曲に大きな影響を与えることになり……

評価点(2)

  • 体育系の前作とは異なった文化部に焦点を当てたシナリオであり、前作とは違った深みを与えている。
    • 最初からヒロインに好感を抱いている前後作と異なり、当初は主人公がヒロインを快く思っていないと言う珍しい構図となっている。
    • オリジナルキャラながら美咲鈴音はストーリーに大きな影響を与えており、存在感は強い。特に彼女に関するエピソードは切ない事この上ない。
      • これが本編であれば彼女と恋人になる展開も可能だっただろうが、ストーリーが決まっていて、しかも次回作のようにダブルヒロイン制ではない本作ではそれも適わず。一部のファンからは彼女のルートが無い事を嘆く声もあったほどである。
  • 劇中で主人公が実際に作曲を行う場面がある。最終的に作曲することになる曲にはサビの候補が3種類あり、どれを選んだかによってエンディングテーマのサビと全体のアレンジが全く変わる。つまりAメロとBメロが同じエンディングテーマが3曲用意されているという凝った作りである。
    • 演奏練習のシーンは曲に合わせてタイミング良くボタンを押すミニゲームとなっている。
  • 前作に比べてサブキャラクターのシナリオ周りが充実。多くのミニゲームも収録されており、ボリュームがある。
    • それに伴い、本編を一度クリアした後に本編なしでサブキャラクターのシナリオだけを楽しめる「放課後モード」が実装されている。仲良くなったサブキャラクターとは最終日に下校演出が発生する。誰とも仲良くならなかった場合は…
  • 小島組クロスオーバーも健在。
    • 今回上映されている映画はあの名作『メタルギアソリッド』。もっとも当時はまだ発売前であり、映し出されるのも開発中の画面である。
      • Vol.3でも同作が映画として登場し、こちらでは完成版の映像が上映されている。

賛否両論点(2)

  • 声優の上達
    • ヒロインである片桐彩子は、声をあてている川口雅代氏の演技が原作の頃と比較にならないほど上手くなっている。
      • これにより原作には無かったキャラクター性が付加されたが、原作との乖離・ギャップがまた生じてしまった。
      • 演技が上達したのに賛否両論になるのも変な話だが、それだけ原作が愛されているという事だろう。勿論、より一層魅力が深まっているという一面もあるので好意的な意見も多い。

問題点(2)

  • 鈍感な主人公。
    • 他作品でも主人公の鈍感さや曖昧さがトラブルを招く事は多少はあったものの、本作の場合は「彩」の軋轢の原因になったりと顕著に表れている。更には上述の美咲鈴音の件に繋がるのもその所為である。
    • 精神的に未熟な高校生らしさはあるものの、それ故にプレイヤーの方が苛立たせられてしまうかもしれない。
  • 進行不能のバグ。
    • 物語中盤でゲームが進行しなくなるバグがある。
    • 初回生産版のみであり、後期生産版や再発売版では修正されている。

ときめきメモリアルドラマシリーズ Vol.3 旅立ちの詩

【たびだちのうた】

ジャンル アドベンチャーゲーム
対応機種 プレイステーション
セガサターン
メディア CD-ROM 2枚組
発売元 コナミ
開発元 コナミコンピュータエンタテインメントジャパン
発売日 1999年4月1日
定価 5,800円(PS版)
8,800円(SS版)
判定 良作

概説(3)

  • 藤崎詩織と館林見晴のダブルヒロイン。舞台は卒業式目前。
  • SS版はハード末期に発売された*1ため、卒業証書入れに入った藤崎詩織の等身大ポスターと卒業アルバム型イラスト集の付いた限定版のみの発売。初回限定生産のため生産数が少なく現在でもプレミアがついており、品薄により購入できずにPS版に乗り換えるプレイヤー、逆に特典目当てでPS版からSS版に乗り換えるプレイヤーも多かった。PS版にはポケットステーションにインストールできる各キャラクターを模したアラームが収録されている。
  • 今回の主人公が挑戦するマラソンもまたミニゲーム扱い。二つのボタンを交互に押して走るが、状況によって一定のペースを乱さず走ることを要求される。回数をこなす事で主人公のステータスが上がっていく。ハッピーエンドを迎えるには特定のコースをクリアする必要がある。
  • 前2作のミニゲームから、サッカーゲーム・ギターゲームなども復活収録された。ギターゲームについては「ギターマニア」なる名称のアーケードゲームとして劇中に登場しており、2ヶ月前にコナミから出ているBEMANIシリーズの『ギターフリークス』が「ギターマニア」ではなかったのは、本作の影響であるとする説がある。

あらすじ(3)

  • 卒業を控え、幼馴染である詩織と共に文集委員となった主人公。思わぬ詩織との急接近で、彼女への想いが再燃する主人公であったが、詩織からバレンタインチョコを渡された時の「いつまでも仲のいい幼馴染でいようね」との台詞に衝撃を受ける。
    さらに、卒業文集の『自分が一番輝いたとき』という題材に書くことが何も無いことから、自分が今までの高校生活で何も成し遂げていなかったことに気付いてしまう。残り少ない高校生活で何かできることを求め、主人公は一度は諦めたマラソン大会での完走を決意する。

評価点(3)

  • ダブルヒロイン制の採用。
    • 原作メインヒロインである詩織と、原作で隠しキャラながら高い人気を誇る見晴の両方がヒロインに採用された事はファンを大いに驚かせた。
    • 詩織編と見晴編はゲーム中盤の選択肢により分岐して独立しており、両者と主人公が三角関係となるような展開はない。それぞれで異なった展開を楽しむ事ができる。
  • 時期の関係もあり、初代ときめきメモリアルシリーズ自体の最後を締めくくるかのような内容である。
    • 実際にこれ以降シリーズはほぼ完全に『ときめきメモリアル2』へとシフトし、初代の関連作品はタイピングソフトやパチスロなど、ごく限定的なものを除いてほとんど出ていない。
    • 本編は勿論、サブシナリオなどはいずれも登場キャラの卒業に向けたエピソードで、それぞれの旅立ちの思いが綴られる事になる。
    • エンディングでは卒業証書を持つヒロイン達がメインサブ問わず全員映し出され、ファンにとっては非常に感慨深いスタッフロールとなっている。
    • 主人公の親友である早乙女好雄も最後だけに、今回は終盤でニクい役どころを見せてくれる。
  • 原作では詩織はラスボスと称されるほど攻略条件が非常に厳しく、完璧超人でしか釣り合わないほどの高嶺の花であった。
    • 対して本作の主人公はその条件には程遠い高校生活を送って来ている。そんな主人公が残った僅かな日数で「自分が一番輝いたとき」を作る為に時に打ちのめされながらも奮闘し、遂には詩織の心をも掴む。正に本編ではないドラマシリーズだからこそ可能なストーリーと言えよう。
    • パッケージに描かれている詩織の姿の意味が分かった時、感動が押し寄せてくるはずである。クライマックスの主人公が走るシーンも小島流の演出が光る。伝説の樹は関係ないまま終わるが。
  • 前作に引き続きサブキャラクターに関するシナリオやミニゲームも充実している。放課後モードも引き続き実装。
    • 上述したようにこれらは各サブヒロイン達の卒業に向けた内容となっており、彼女達の旅立ちが迫っている事を実感させる。
  • 本編中に卒業文集のレイアウトを編集することができる。完成した文集はクリア後のおまけとして閲覧可能である。
    • また文章校正もミニゲームとして扱われている。『ゲーメスト』ばりのネタ誤植だらけの内容と、それに対して冴え渡る主人公のツッコミは必見。
      • 主人公が見逃した誤植は詩織が直してくれるのだが、詩織に頼らず全ての誤植を自力で見つけると一枚絵が追加されるご褒美もある。
    • 尚、この文集の各部活の紹介文や人物の紹介文は一般公募されたものであり、スタッフロールでは「文集に協力してくださった皆さん」がクレジットされている。
  • 虹色の卒業式・彩の卒業式
    • 条件を満たすと出現する隠しシナリオ。Vol.1とVol.2のストーリーから続く卒業式とそれぞれのヒロインからの告白を描く。
    • 原作の「卒業式の日に伝説の木の下で女の子からの告白を受ける」という設定のため、前作・前々作ではヒロインからはっきりと「好きだ」と言われるシーンは存在しないが、本作にてそれを見事に補完している。

賛否両論点(3)

  • 詩織のキャラクター
    • 原作とのキャラの設定・性格のギャップはドラマシリーズ全体で散見される点だが、その中でも特に大きいのが原作でメインヒロインであり本作Vol.3のヒロインでもある藤崎詩織である。
    • 原作での迷言「一緒に帰って、友達に噂とかされると恥ずかしいし…」にも象徴される、主人公を歯牙にもかけていない時のような不遜な性格ではなく、人気のある優等生として描かれている。そのため、本編とのギャップを感じるプレイヤーも少なからずいる。
      • とは言え、詩織は本来そう言ったイメージのキャラである。原作の詩織はゲームシステム的な都合と攻略難度の結果でもある。
    • 一方、本作の詩織ルートの主人公は詩織をそう言った「理想が完璧超人」と言うイメージで見ている節があり、多少の混乱を生む。

問題点(3)

  • 「虹色の卒業式」・「彩の卒業式」の出現条件。
    • 「虹色の卒業式」・「彩の卒業式」自体は評価点だが、この出現条件に問題がある。
    • 本来ならばVol.1・Vol.2のエンディングを見たシステムデータがあれば出現するはずだったのだが、フラグの管理にバグがあったのか「1回だけエンディングを見たシステムデータ」でないと出現しない。各作品のアルバムを埋めるためには複数回プレイが前提だったが、そうしていた場合はこの卒業式が見られないという困った仕様であった。
    • PS版ではポケットステーションにインストールしたアラームを規定回数鳴らすことでもフラグが立つが、SS版は新しいセーブデータを作り直さないといけなかった。
    • また、各作品では途中から任意でヒロインの呼び方を呼び捨て等に変えることが可能だったが、そうしていたとしても卒業式では苗字にさん付けで固定となる。

シリーズ総括

  • 映画的演出、王道ながらまとまったシナリオは、単なるギャルゲーのファンアイテムの域を超えた恋愛アドベンチャーの名作。メインヒロインだけではなく全ての登場人物が魅力的に描かれており、原作ではプレイヤーの想像に任されていたきらめき高校の具体的な高校生活を豊かに補完してくれる。
  • 本シリーズの特徴は、原作に頼らない作り込みだといえる。その結果、ファンに限らないハードルの低い作品に仕上がっている。原作を知らない人でも、見かけたら手に取ってみるのも悪くない。

余談

  • 基本的に原作では、ヒロイン達のプロフィールは好雄から聞く以外に知る方法はなかった。しかし本シリーズでは、直接会話することでヒロインの過去や子供時代に関わる事など様々な情報を聞き出せる。
    • 本シリーズはコナミエンタテイメントジャパン(KCEJ)の開発であり、原作のコナミ東京(KCET)ではない。それゆえこれらの中にはオリジナルの設定や後付けが多く、それが原作スタッフをして「これは自分たちにとっての『ときめきメモリアル』ではない」とまで言われる原因になった。のちに小島秀夫氏が小島プロダクションを立ち上げた時にも、作品リストに本シリーズは掲載されていない。
      • 一方で小島秀夫の担当作品としてインターネットや雑誌などで紹介されることもある。
    • 高い評価を受けたドラマシリーズだが、本家スタッフには前述の通りあまり評判は良くなかった。その為、本家スタッフが「自分たちにとっての『ときめきメモリアル』」として作り上げたアドベンチャー版ときメモが『ときめきメモリアル2 Substories』である。こちらが実際どのような評価だったのかは当該記事を参照されたし。
  • 上記の通り、Vol.2とVol.3にて『メタルギアソリッド』が劇中劇として登場するが、『メタルギアソリッド』本編でもサイコ・マンティス戦のイベントで本シリーズのセーブデータをしっかり認識してくれる。ときメモが好きなようだな。
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  • 1997年
  • コナミ
  • ときめきメモリアル

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最終更新:2023年09月10日 09:32

*1 発売された前の年にドリームキャストが発売された。また、本作品はコナミ最後のSS用ソフトである。