トゥームレイダース

【とぅーむれいだーす】

ジャンル アクションアドベンチャー

対応機種 プレイステーション
セガサターン
IBM-PC
Windows
Macintosh
発売元 Eidos Interactive
【PS/SS】ビクター インタラクティブ ソフトウェア
開発元 Core Design
発売日 【SS】1997年1月24日
【PS】1997年2月14日
【PC】1997年3月7日
【PC】1998年12月31日(拡張パック)
定価 5,800円
廉価版 【SS】サタコレシリーズ:1998年2月11日/2,800円
配信 【PC】Steam:2012年12月28日/698円
判定 良作
トゥームレイダーシリーズ


概要

女トレジャーハンター、ララ・クロフト(1作目と2作目では レイラ ・クロフト)が財宝を求めて世界各地の遺跡で冒険を繰り広げる3Dアクションアドベンチャーゲーム。

タイトルの『トゥームレイダー』は「墓荒らし」の意であり、海外ではシリーズ累計売上3000万を突破する大ヒットタイトルである。
主人公ララ・クロフトの人気も非常に高く、2006年には「最も成功したゲームヒロイン」としてギネスに認定されている。


ストーリー

冒険家レイラ・クロフトは世界中の遺産や骨董品を収集するコレクターであり、様々な国の文化遺産を発掘し、その報酬で生活をするという気楽な毎日を過ごしていた。 カナダの山中で雪男を発見したことで一躍有名になったレイラであったが、そんな彼女のもとへ新たな冒険の話が持ち込まれる。 それは、ナトラ・テクノロジーの社長、ジャクリーヌ・ナトラから、インカに眠る秘法探索の依頼であった。 金を積まれても気が進まないレイラであったが、インカの新たな遺跡に興味を惹かれ、雪深い南米の山中に向かうのであった…。(説明書より抜粋)


特徴

基本的なゲームシステムは後方視点のTPSである。遺跡を探索して次に進むための鍵や通路を見つけ、より奥へと進んでいく。

  • ステージクリア型を採用しており、クリアすると所要時間や殺した敵の数、シークレット(後述)発見数といった記録を見ることができる。
  • アクションはジャンプ、助走をつけての大ジャンプ、ゆっくり歩く、足場の縁や物を掴む、水中を泳ぐといった具合。
  • 武器はピストル(初期装備・弾数無限)、ショットガン(至近距離での威力大)、マグナム(1発あたりのダメージがピストルの2倍)、ウージー(時間あたりの発射数がピストルの3倍)の4種類が登場する。
    • ピストル以外の弾は有限で、ステージ内にある弾薬パックを拾い補充する。いずれもピストルより高火力なので使い分けが重要。
    • 敵が射程内に入ると自動で狙いをつけてくれる上に、走ったりジャンプ中でも撃てるなど戦闘時の見栄えも良い。
  • セーブは特定の場所にある青のクリスタルの前で行う。一回使うと消える。
  • ララの体力ゲージが無くなるとゲームオーバーになり、最後にセーブしたところからやり直しになる。
    • 体力はメディパック小(体力半分回復)とメディパック大(体力全回復)で回復できる。

評価点

多様なステージ構成

  • ステージクリア型のアクションアドベンチャーゲームであるが、各ステージに個性があり、プレイヤーを飽きさせない。
  • 舞台には生い茂る草木などで装飾されたインカの滅んだ町や、通路や柱が崩落したギリシャの教会などがあり、遺跡が醸し出す退廃的な雰囲気が味わえる。
  • ステージ開始直後からいろんな場所に行くことが出来、ちょっとした箱庭風のステージの中で、高所へ飛び縁に掴まりながら移動したり、水中に潜って泳いだりと様々なアクションを行いながら進むので没入感は抜群。本当に冒険している気分になれる。

グラフィック

  • 当時のゲームとしてはかなり良い部類に入る。
    • 特に遠景の表現にすぐれており、高所から見下ろした時の底深さや、遥か先の背景の描画は見事。
    • 本作は「あの足場へは飛び移れそうか」「飛び降りても死なない高さか」「遠くから敵が迫って来ていないか」といった慎重な観察が必須である。当時の開発者インタビューによれば、それを逆手に取って「近景は目が行かないので少々テクスチャが粗くても構わないから、遠景の描画にメモリのリソースを割く」という割り切った手法を取ったとのこと。

プレイヤーを陥れる謎やトラップ

  • ララが冒険する遺跡には凶暴な動物の他に、先人が仕掛けた罠や謎が襲い掛かってくる。
    • トラップの種類は映画『インディ・ジョーンズ』のように突然大岩が転がってくるのを始め、落下して着地すると即死のトゲ付床、ララが乗ると崩れる床と多種多様。さらには北欧神話に登場する神トール、ギリシャ神話に登場する神アトラスといった神話をモチーフにした仕掛けまであり、ステージの雰囲気作りに一役買っている。
  • 謎解きも凝っており、レバーで水位を変えながらルートを探していくステージなどがあり、ララの冒険が一筋縄ではいかない事を実感させてくれる。
  • 序盤の敵は大して強くないが、中盤以降は遠距離攻撃を仕掛けてくる古代生物といった敵などが増え、かなり強くなっていく。
    • 序盤でも巨大なティラノサウルスといった迫力ある敵や、行く先々で神出鬼没に現れてはララと同じく銃撃してくるピエールなど印象に残りやすいものが多い。
    • 一度倒しても鍵を取った途端に背後から新たな敵が襲い掛かってくるということがよくあるので気が抜けない。

シークレット

  • やりこみ要素として、各ステージに幾つかシークレットと呼ばれる隠しポイントが存在する。
  • 近づくと音楽が鳴り、アイテムが落ちている。中には強力な武器まで落ちている。
  • ほとんどがプレイヤーの盲点を突く所に隠されており、自力で見つけるのは至難の業。
  • ステージクリア後にいくつ発見したか表示されるので、全部見つけるのも楽しいかもしれない。

音楽

  • 基本的にBGMは無いか、静かな環境音のようなものが多いが、敵が大量に出てくるときに突然鬼気迫る音楽が流れるなど、場面を盛り上げてくれる。
    • 音楽で重要な箇所が分かることもあり、ちょっとしたヒントにもなっている。

問題点

難易度が高い

  • セーブがステージ中に設置してある「クリスタル」を取得するのみと少なく、一撃死のトラップが多い所謂死にゲー。
    • PC版はどこでもセーブが可能なため、難易度は若干下がっている。
  • 戦闘面に関してはかなり大味。大半の敵は予備動作などもなく常に攻撃判定を発生させたまま体当たりを繰り返してくるものが多い。さらに被ダメージ後のララは一瞬硬直し、無敵時間などもないため半ばハメ殺されることも。
    • 特にエジプトから頻繁に登場する古代生物はララ以上に素早い動きで突っ込んでくるために攻撃を回避するのはもちろん、逃げるのも困難でありダメージ前提で回復アイテムやショットガンなどでゴリ押ししないと突破できない。
  • 探索面ではヒントは基本的にないので、広いステージを行ったり来たり、試行錯誤しながら進めていくことになる。
    • 特にとあるステージではギリシャ神話のあるエピソードを知らないと解けない謎解きが出てくる。ゲーム中でヒントがあるのだが、即死トラップである上に偶然でないと発動できない、そもそもそれがヒントであるということにも気付かない可能性がある。
  • この試行錯誤の過程が本作の醍醐味かもしれないが……。

操作性

  • 入力方向への移動ではなく前後移動+左右旋回のラジコン操作を採用しているため、とっさの方向転換が難しい。またカメラワークを自由に変えることもできず、カメラ自体もキャラクターにかなり近いので視認性が悪い。
    • ツインスティックによる移動・視点操作が前提の現在のTPS作品と比較するともどかしさを感じがちな部分。しかし、TPSのボタン配置が洗練される前の作品であるため仕方ないところではある。
  • 走りジャンプの距離感がつかみにくい。「バックステップ(移動キー下)1回分=走りジャンプができる最低助走距離」なのだが、それは作中で解説されないため慣れないうちは落ちて死にまくる。
  • PS版のキー配置は海外版準拠なので、初期設定が×で物を拾い、□でジャンプとなっている。このため、日本のゲームに慣れている人には誤操作が多い。
    • タイトル画面から選択できるチュートリアルステージ「ララの家」で各種アクションの練習が可能なので、しっかり練習しておくと良い。

PC版における問題点

  • PS版にあった要所でのBGMが全てカットされている。
  • ムービーシーンはPS版よりロークオリティで非常に粗い。
    • 一応どちらも非公式パッチで改善することはできる。

総評

当時の3DCG水準を鑑みてもいわゆる洋ゲー的な「濃い顔」でデザインされたキャラクターや、高めの難易度の為か日本での知名度はあまり高くないものの、決して理不尽ではなくトライ&エラーを繰り返していくことでレイラ(ララ)をうまく動かせれば映えるアクションを取れるようになるなど上達が実感できるようにしっかりと作られ完成度が高くやりごたえがある。
また没入感も高く、高低差や場面の明暗などアクション中心ではあるもののどんどん目標へ向かっている探検している感じ、高所からの飛び移りが大丈夫かとなるような緊張感のある構成、そしてシークレット探しといったサブコンテンツも冒険に花を添える要素となっている。
腕に自信のあるゲーマーにはぜひお勧めしたい作品である。


余談

  • 当時では珍しい女性主人公の三人称視点の3Dアクションアドベンチャーゲームだったこともあり、全世界で500万~700万本を売り上げ、2001年にはアンジェリーナ・ジョリー主演の映画まで作られた。
    • 言わずと知れた、彼女がハリウッドのトップスターとして不動の地位を築いた作品である。彼女の風貌、そして作品内でのタフネスさや強心臓ぶりを見て、先にゲームをプレイした事のある人々は「どこからこんなハマリ役を連れてきたんだ」と皆驚いたのである*1
  • 原題は『TOMB RAIDER(トゥームレイダー)』であり、『トゥームレイダー』なのはPS/SSの日本版のみである*2*3
  • PC版では追加ステージパックの「アンフィニッシュド・ビジネス」も発売された。(海外版タイトル:『Tomb Raider:Gold』)
    • 海外限定発売だが好評だったらしく、2及び3でも同様の追加ステージパックが発売される事になった。
    • 2013年にiOS、2015年にはAndoroidバージョンもリリースされている。
  • 2024年2月14日に本作と『2』『3』を収録したHDリマスター版となる『Tomb Raider I-III Remastered Starring Lara Croft』がAspyrから発売された。グラフィックをオリジナルとHD版から常時切り替え可能で、操作系もオリジナル版とアレンジ操作を選択可能。別売りされた各作品の追加シナリオも全て収録。
    • 開発はパブリッシャーのAspyrと現在のシリーズデベロッパーであるCrystal Dynamicsとの共同体制で行われている。

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最終更新:2024年03月28日 08:28

*1 彼女は1995年に『サイバーネット』で映画初主演を果たし、その後も1999年の『17歳のカルテ』でアカデミー助演女優賞を受賞するなど、ぽっと出の俳優ではないのだが当時の洋画ファン以外にはほとんど知られていなかった。

*2 Win版は元から原題で出ており、2作目以降は日本CS機版も原題で出るようになった。

*3 ララ→レイラの変更も含め、これらはPS/SS版の国内販売を担当したビクターの独断である。続編が出るほどの人気となり「なぜタイトルや主人公の名前を勝手に変えたのか」と日本のファンから苦言を呈されることになった。