TRINITY Zill O'll Zero

【とりにてぃ じるおーる ぜろ】

ジャンル RPG

対応機種 プレイステーション3
発売元 コーエー
開発元 オメガフォース
発売日 2010年11月25日
定価 通常版:7,800円
プレミアムBOX:11,340円
廉価版 コーエーテクモ the Best
パッケージ:2012年1月19日/2,940円
ダウンロード:2014年3月27日/2,700円
判定 良作
Zill O'llシリーズ
Zill O'll / infinit / inifinit Plus / TRINITY Zill O'll Zero

概要

フリーシナリオRPG『Zill O'll』の5年前を描いた外伝作品。
プラットフォームがPS3ということで期待されたのだが、製作チームが無双シリーズで有名なオメガフォースが担当するということで不安視されていた。
事実、初公開時のゲーム画面はまさに無双のそれで、所謂「ジルオール無双」としての認識が広がっていた。
前作の「Zill O'll」の売りである自由度は、キャラクターの固定やマルチエンディングの廃止により大幅に狭まっている。
セールス面でも、発売日がMHP3rdやGT5などの大作タイトルと重なったことで伴わなかった。
だが蓋を開けてみれば、前作の世界観を上手く引き継いだグラフィックとサウンドとシナリオに、アクションに定評のあるオメガフォースのゲーム性が融合したことで想像以上に遊べる良作ARPGになっている。


ストーリー

――王の孫が王を殺す。
宰相ゾフォルの予言を恐れた皇帝バロルは、己が孫を身ごもった娘を手にかける。
さらに父の凶行を止めようとした皇太子ルグさえも。
信望厚いルグの死に人々は涙したが、バロルの行動を阻める者はいなかった。

それから約20年の月日が流れた。
バロル率いるディンガル帝国の権威はいささかも衰えず、周囲の国を圧倒していた。

そうした情勢下にあって、なお独立を保つ都市国家リベルダム。
その地で剣闘士として修行に励んでいたアレウスは、師ダルキナの勧めで冒険者としての道を歩き出す。
そして、冒険を進めるうち、2人の仲間と出会うことに。

1人は陽気なボルダン族のダグザ。
1人は謎めいたダルケニス族のセレーネ。

はじめ成り行きでパーティを組んだ3人の前には、避け得ぬ運命が待ち構えていた。


特徴

シナリオとキャラクター

  • まず断っておくと、このゲームは前作と違って自由に世界を回りながら散りばめられたイベントや探索を楽しむゲームではなく、1つのメインシナリオを追っていく一本道の話である。
    • そのためこの時点で前作ファンは拒否反応を示した。高い自由度とプレイするたびに変わるストーリーはいわば『Zill O'll』の象徴ともいうべき特徴だったためである。
    • ただしサブイベントは豊富に存在し、それぞれメインシナリオとはほとんど関わらないが、世界観を押し広げる描写やそこでしか手に入らない報酬などを楽しめる。
  • 主人公はハーフエルフの剣闘士アレウス、戦闘民族ボルダンの冒険者ダグザ、吸血種族ダルケニスのセレーネの三人。
    + 3人の主人公
  • アレウス
    • この世界において人間からもエルフからも疎まれるハーフエルフの剣闘士。メインの主人公であり、最初から操作できるキャラでもある。
    • その正体はディンガル皇太子ルグの隠し子であり、宰相ゾフォルの予言のために実の祖父バロルに命を狙われている。
    • ゲーム開始時においてはハーフエルフという出自から他者に心を許すことはほとんどなく、また自分を庇って殺された父の仇を討つため力に執着している。
    • 戦闘性能は剣と魔法をバランスよく使いこなすオールラウンダー。遠近両方で戦うことができ、ステータス的にも癖がなく使いやすい。
    • ダグザ
      • 戦闘民族ボルダンの冒険者。陽気な大男で、他の2人が他者に気を許さない性格であるため必然的にまとめ役になりやすい。
      • しかし過去のトラブルが原因で彼もまた他者に完全に心を許しておらず、そのせいでとある街を避けている。
      • 戦闘性能は見た目通りのパワーファイター。威力と範囲に優れた攻撃を多く持つ、また障害物を破壊することにおいては他の二人の比ではない。
      • 他の二人に比べればスピードに欠け、コンボも繋げにくいが、ストレスフルなほど鈍重というわけでもない。
    • セレーネ
      • 吸血種族であることや、満月の日に凶暴化する特徴を持つためにハーフエルフ同様迫害されることが多いダルケニス族の女性。ダルケニスは長命種族であるため若い見た目に反してパーティー最高齢。
      • とある理由でプロトエクリプスというモンスターを狩っている。退治のために他の2人と手を組むが、その出自のために他者への警戒心は人一倍強い。
      • 戦闘性能は一撃が軽く動きが機敏なスピード型。二段ジャンプやジャンプダッシュが可能であるため群を抜いた空中戦の強さを持つ。
      • 分身や身を隠すといった一風変わったスキルもよく覚える。その一方で打たれ弱いが倒れても復帰が早くなるスキルも持っている。

システム

  • ゲームの流れは基本的に「街でイベントを起こしたり依頼を受けたり準備を整えたりする」→「ダンジョンに潜ってイベントをクリアしたり依頼の目的を達成する」ことの連続である。
    • 街は非常に簡略化されており、施設を選択してそこで用を済ませるという形式になっている。自由に街中を見て回ることはできない。そのため必然的に戦闘がゲームの中心となってくる。
  • ドラクエ式な戦闘システムであった前作とは打って変わって一見無双シリーズに近いアクションRPG的な戦闘システムとなっている。
    • しかし遊ぶ感覚は無双シリーズとは似ている部分もあるが差別化されており、独自のシステムといえるものとなっている。
  • 〇△□にそれぞれ基本攻撃を割り振っておき、それらを組み合わせて敵を倒す。R2ボタンで基本攻撃パターンをあらかじめ用意しておいた別のパターンに入れ替えることができ、実質的には最大6つの基本攻撃を組み合わせて敵と戦うことになる。
    • 別々の攻撃を組み合わせることでコンボが発生し、発動の隙がキャンセルされて敵に攻撃を畳み掛けられる。
    • 強めの敵には行動のタイミングによってラッシュサインという輪が現れ、そのタイミングで弱点を突くと一定時間行動不能になるブレイク状態に陥る。
    • なお、一度その敵を倒してさえいれば敵の弱点はオプションのモンスター辞典を見れば確認することができる。
      • 全体的に敵が固めであることもあって、ボスクラスの敵はいかにブレイク状態に追い込んで攻撃を畳み掛けるか、ということを考えて戦っていく。
    • それぞれの攻撃はダンジョン内の仕掛けを発動させるためにも使用でき、水辺にいる敵に氷結魔法を使って凍らせる、可燃性のガスが吹いている場所に炎魔法を使って大爆発させるといった場所に応じた戦い方ができる。
      • また滝を上るために魔法で凍りつかせて足場にする、水晶に対応した属性の魔法を当てて仕掛けを作動させるなど謎解きにも使用する。
  • ×はジャンプ、L1でガード、R1で回避、L2でキャラクターの切り替え。アイテム使用や装備変更などはセレクトでメニューを開いて行う。
  • 攻撃を当てることによって増やせるバーストゲージが溜まった状態でR2とL2を同時に押すと周囲の敵に大ダメージを与え強制的にブレイク状態に陥らせる必殺技バーストアタックが使用できる。
  • またパーティーが3人いる状態で敵が瀕死の時にブレイク状態にするとサインが表示されとどめ用の必殺技トリニティアタックが発動できる。これで敵にとどめを刺すと取得経験値・スキルポイントが増加しHPも回復する。
  • ストーリーがある程度進むと、攻撃中にL2を押してキャラクターを切り替えながらさらに攻撃を加えることで、複数人数によるコンボ「スイッチコンボ」が使用できるようになる。
    • スイッチコンボが成功するとブレイク状態の時間が増加する。
  • 戦闘が終了すると自動的にパーティー全体のHPが全快する。また戦闘中にパーティーの誰かが戦闘不能になっても、他のキャラクターが生存していれば一定時間が経つとHPが全快して復活する。
    • このため初心者でも逃げ回りながら敵の隙を窺いつつ攻撃を加えることでなんとかクリアできるものの、考えなしに敵につっこむとすぐに戦闘不能になる程度に敵の攻撃力は全体的に高め。
      • この特徴のため無双シリーズの感覚で特攻をかけるとガンガンHPを減らされる。敵の配置や行動パターン、弱点を見極めつつ遠近両方で対処しながら確実に攻めていく態度が肝心。
  • モンスターの中にはエリートモンスターという強力かつ通常のものとは弱点の異なる敵が存在し、彼らを倒すとレアなアイテムが入手できる。

評価点

無双とは異なる戦闘の駆け引き

  • わかりやすくとっつきやすい操作性
    • 複数のアクションを組み合わせた複雑なコマンド操作はほとんど要求されない。無双シリーズとはやや勝手が違うものの誰でもすぐに慣れるほどよい操作性である。
      • スイッチコンボはいくらか慣れが必要だが、このシステムが解禁される頃はストーリーの後半になってからのため、その頃にはほとんどのプレイヤーが使いこなせるようになっているはず。
    • MPという概念がなく、バーストアタック以外の攻撃はいくらでも使うことができるためコストを考える必要はない。
    • 強い敵でもラッシュサインが現れたタイミングで攻撃を加えることで対処でき、ピンチになっても逃げ回っていればいずれ倒れた仲間は自動的に回復する、という親切設計。
    • 攻撃の一つ一つは適度に派手で、かつ冗長すぎない設計で非常にスムーズに進行できる。
  • 優れたゲームバランス
    • 無双シリーズほどわらわらと敵が群がってくるわけではないが、その分敵は固めに設定されている。かといって固すぎて倒せないというほどでもなく、冷静に敵の動きを見極めながら攻撃を加えていけば必ず倒せる。
    • 難易度を優しいに設定すれば爽快感重視でガンガン進められるが強敵にはそれなりに考えて立ち回ることを要求される。難易度を普通に設定すれば非常に歯ごたえがあるが、しっかり考えて見極めていけば誰でも攻略できるほどよいバランスになっている。
    • 難易度の設定はいつでも可能で、たとえ戦闘中であろうと変更した直後に今戦っている敵の強さが変更される。
    • 三人の主人公も「バランスがよく、剣と魔法を使い分ける性能のアレウス」「取り回しが重めだが少々のダメージではのけぞらず、強烈な打撃力を持つダグザ」「脆いが非常に素早く、高速の連続攻撃やトリッキーなスキル、空中戦を使いこなすセレーネ」とそれぞれ使用感が全く異なる。
      • それぞれに強い局面と苦手な局面、そのキャラにしかできない行動がある良好なバランスが整えられている。
  • 優秀な味方AI
    • 高い攻撃頻度、よほど無茶をしなければ死なない立ち回り、敵が怯めば集中攻撃し、率先して弱点をついてくれる。初心者どころか下手な中級プレイヤー以上に上手い。
    • アクションが下手なプレイヤーが後ろから遠距離攻撃をして援護しているだけでもそこそこやっていけるほど。おかげで「プレイヤーが囮になって仲間に攻撃を任せる」などといった戦術も機能してくれる。
    • これらのおかげで仲間が単なるサポート役にとどまらず「プレイヤーと共闘している」実感が湧き、非常に頼もしい存在になっている。
      • 戦闘前に仲間がプレイヤーキャラクターに敵の弱点属性付加や自動回復機能など援護魔法をかけてくれることもあることがなおさら「共闘感」を引き立ててくれる。
    • シナリオ上とある理由でアレウス一人で依頼をこなしていかなくてはならなくなる期間がある。そういったタイミングではいつもに比べて敵がなかなか思うように倒せないため仲間のありがたさ、心強さがシステム的にも実感させられる。
  • 敵や地形に合わせて求められる戦術
    • 敵を水中に誘い込んで氷結魔法で凍りつかせたり、枯れ草の塊を燃やして敵の群れに突っ込ませたりと地形に合わせて戦術を組み立てられる。
    • 基本アクションがわかりやすい分、場所や相手次第で戦い方を工夫する余地を残してあるゲームデザインとなっている。

前作同様深みのある世界観

  • 前作が世界観で評価された作品であるためある意味当たり前ではあるが、概要にあるとおり開発チームがオメガフォースになったことで前作との矛盾や世界観に相応しくない展開が組み込まれてしまうのではないかという不安が発売前に漂っていた。
  • しかし実際は前作から布石が用意されていた魔王バロルの覇権時代がほとんど違和感なく描写されており、前作に繋がる時代の流れを味わうことができるようになっている。そのため発売後は上記の不安は払拭された。
  • ハードが変わってグラフィックが美しくなっている。ダンジョンの美麗さ、モンスターの迫力、末弥純が手がけるキャラクターの描写など全てがHD機の恩恵を受けている。
    • 特にダンジョンは美麗なグラフィックもさることながら、場所によって地形や登場モンスターが様変わりする、ギミックが練られているなどかなりの凝りよう。数自体も多い。
    • 前作に登場したダンジョンも多数登場するが、ゲーム内容自体が大きく変わっているため別物である。ただし全体的に雰囲気は似通っている。
  • 音楽も暗く混沌とした世界観をよく表現しており、派手さこそないが十分に物語の臨場感をかき立ててくれる。
  • 酒場やイベントでの会話で得た世界観に関する情報はコレクションされ、ジルオールの世界がどのようなものになっているかが整理された形で見ることができる。
    • ただし作中では活用されない設定も多く、どちらかといえば雰囲気付けや前作をこれからプレイするプレイヤー向けの情報である。
  • ただ街もダンジョンのように作りこんでほしかったという声が大きく、その点が惜しまれている。

仲間との絆を感じられるシナリオ

  • ディンガル帝国の覇権主義、迫害される少数種族、暗躍する魔人や暗殺者など世界観はとてもダークかつハード。ギャグイベントや恋愛など軽い要素は皆無。シリアス一徹のストーリーである。
  • 特徴の「シナリオとキャラクター」にある主人公たちの設定のとおり、彼らははじめから同一の目的を持っているわけではなく、積極的に他者に親しくする性格でもない。
    • しかし幾多の強敵との戦いや人々との出会い、葛藤を跳ね除ける出来事などを経て彼らは絆を深めていく。その流れは次第にTRINITY(三位一体)の名に相応しいものに昇華されていく。
    • そこに至るまでの過程は時に仲間と結束し、時には対立し、時に挫折があり、時に過去との決別があり、特に後半以降は起伏に富んだ目まぐるしい展開となっていく。一本道であることもあって描写もわかりやすく丁寧である。
      • 主人公たちが確執を乗り越えたり絆が強まるごとに新たなシステムが解禁されたり性能が変わったりと、イベントとシステムが相互にリンクしていることがシナリオの説得力をより強めている。
    • 終盤はまさに英雄叙事詩といった熱い展開となり、その一方であるキャラクターの犠牲など残酷な一面も見せてくれる。そして主人公たちの運命も…
  • 弟弟子のアレウスを気遣い、ともに力を高め合う一方でバロルを大陸に秩序をもたらすものとして信奉するドラドや、アレウスを慈しみ安らぎを与えてくれる母や義兄など 主人公以外のキャラクターたちも人間臭く、作りこまれている。
    • また前作の重要人物である勇者ネメアとそのパーティーや、ゼネテス、アンギルダンなどもシナリオに深く関わってくる。彼らも前作と変わりないキャラクターでプレイヤーを魅せてくれる。
    • 声優の演技も良好。ただしセレーネは演技はともかく声質が老けているといったことが指摘される*1

圧倒的なボリュームと快適性

  • 本編だけでも一般的な大作RPGクラスのボリュームはある上にサブイベントも充実している。さらにダウンロードコンテンツを用いればサブイベントがかなりの数追加される。
    • ダウンロードコンテンツは全て無料。コスチュームだけでなくサブイベントや新規ダンジョンまでもがタダという、コーエー商法が嘘のような太っ腹ぶり。
  • 闘技場やフゴーの館、レオニックの迷宮といったお遊び要素や隠し要素も充実。
  • 辞典や称号などのコレクション要素もあり、遊ぼうと思えばかなり長く遊べる。
  • そのボリュームに対してほとんど気にならないロード時間、冗長にならない戦闘演出、省略された街やマップなどのおかげでテンポが非常にスムーズで、作業感の強いゲーム性でありながらそのストレスがかなり緩和されている。
  • 目につくようなバグも全くない。
  • 値崩れしているのが逆に幸いして新品でも安価で買えるため、PS3のゲームとしてはコストパフォーマンスがかなり高い。

賛否両論点

  • 舞台が前作の5年前という、かなり近い時系列で設定的には前作の登場人物はほぼ全てこの時代でも生きているはずなのだが、登場するのはネメアパーティーとゼネテスパーティー、敵とNPCの一部くらいでやや物足りない。
    • 作中の会話で前作をプレイ済みのプレイヤーが「これは前作の〇〇のことだな」などと勘付けるような、関連を匂わせる会話はけっこうあるのだが本人が登場する機会はほとんどない。
    • もっとも前作をプレイしていない人が遊んでも置いてきぼりになることがないともいえる。
  • 良くも悪くも単調なゲーム性
    • 後述の自由度の低さや簡略化された街などのせいで、ゲームの流れは「イベントを起こしたり依頼を受けたりする→ダンジョンに潜る」の繰り返しが大半である。
      • 一応依頼の内容やダンジョンの構造のバリエーションは豊富なのだが、結局やることは大して変わらない。
    • このため戦闘にのめり込めないと飽きが早いといえる。前作のように多彩な仲間やルート次第で変化するシナリオを堪能することはできない。
  • 固めの敵
    • 上述したように無双シリーズに比べると敵の数がかなり減っており、大型の敵と戦う機会が多いため全体的にHPが減りづらく設定されている。
    • バランス調整としては妥当なところだが、多数の敵をばっさばっさと薙ぎ倒す爽快感ではなく、強大な敵の隙や弱点を突いて一気に畳み掛ける爽快感を見出す必要がある。開発が無双シリーズと同じということで一騎当千の爽快感を求めようとすると確実に肩すかしを食らう。
  • 遠距離魔法の連打が強い
    • MPの概念がないため単体ボス戦ではダークメテオやマジックアローなどの遠距離から攻撃できる魔法の連射がローリスクハイリターン気味でかなり強い。
    • 初心者救済ともいえるし、多数の敵を相手にする時や狭い通路ではこういった戦法もやりづらいが。

問題点

  • 低い自由度
    • 前作の過去という設定もあるため仕方ない部分も大きいが、シナリオは一本道で前作のような自由度は全くない。
      • 前作同様この作品でも少なくない数の死人が出るため「このキャラを救いたい!」と思ってしまうような場面もあるのだが、前作のようにルート次第で死亡者を救えるといったことはない。
    • 街も徹底的に省略されており施設以外利用できないため非常に淡白。街を歩き回るというより自動販売機で用事を済ませているような感覚。
  • 暗いダンジョン
    • 雰囲気という点でいえばこれぞダークファンタジーというべきグラフィックになっているのだが、全体的に暗い作りであるため進行方向がわかりにくいこともしばしば。
      • 洞窟、深い森、鉱山、死者の徘徊するゴーストタウン、地下墓地など舞台自体が暗いものばかりであるためなおさらそういった場面が増えてしまっている。
      • タチの悪いことに暗闇の中に壊せる壁が存在することもあり、行き止まりと勘違いして無駄に道に迷ってしまうこともある。
      • 敵やドロップアイテムは光っていて見やすいので見逃しにくいのは幸い。ただ宝箱は環境に紛れて見落とす可能性がある。
  • 会話イベントの淡白さ
    • 作中の重要なシーンではムービーが積極的に用いられておりこれらは問題ないのだが、ムービーを使わない通常の会話イベントは紙芝居そのもので味気ない。

総評

開発チームが変わったために内容はがらりと様変わりしてはいる。
だが、世界観やキャラクターなど『Zill O'll』の重要な部分はきっちりそのままであったため、結果的に前作ファンにも受け入れられた良作。
前作の最大の評価点の一つであった自由度がなくなった代わりに前作の最大の欠点である戦闘が面白くなったともいえる。

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最終更新:2022年02月01日 21:21

*1 逆に長命種族らしさがある、といった意見もある。