メトロイドプライム3 コラプション

【めとろいどぷらいむすりー こらぷしょん】

ジャンル ファーストパーソンアドベンチャー
対応機種 Wii
発売元 任天堂
開発元 Retro Studios
発売日 2008年3月6日
定価 6,800円(税込)
レーティング CERO:B(12才以上対象)
コンテンツアイコン 暴力
判定 良作
メトロイドシリーズ


概要

プライム』『プライム2』に続く『プライム』シリーズ第3作。
前作で登場したダークサムスとスペースパイレーツの手によるフェイゾンの侵略に、サムスが自らの命を賭して立ち向かう。

それまでの『メトロイド』シリーズよりも、シリーズの世界観や設定に関して掘り下げられた描写が増えている。
従来ではイベントやログブックでのみ設定が言及されるにとどまっていた「銀河連邦」の大規模な部隊や施設がゲーム中に多く登場。
そして、そのサムス以外のバウンティハンターとの共同作戦も序盤で行われるなど、さらにストーリー性に深みが持たされている。
このため、シリーズで初めてサムス以外の人間キャラクターが(ゲーム中に生きたまま)登場する。


新システム

Wiiならではの操作

  • 今までとは大幅に異なる、Wiiリモコン+ヌンチャクのための全く新しい操作体系が構成されている。
    • 最大の特徴は、右手に持つWiiリモコンのポインターと合わせて、右腕のアームキャノンの照準+サムスの視界の移動を行うようになったこと。
      サムスの移動はヌンチャクのスティックに割り当てられ、これにより従来作では無理だった「対象をロックオンしたまま任意の場所への攻撃」「移動している敵に対しての偏差撃ち」といったことも可能となった。
  • Wii最大の特徴である直感操作をうまく使った仕掛けも非常に多い。
    • ボタンを押す、レバーを倒すといったメカニズムだけでなく、プラズマビームで金属板を溶接したり、グラップリングビームが敵の盾や装甲を引きはがせるようになったりなど…非常にリアリティかつ一体感のある動作が組み込まれている。
    • それを活かすためか、本作ではボスの細かい部位へのロックオンが出来なくなっている。ロックオンを行っても基本的には胴体の中心にしかロックできず、そこから手足の先端や間接部などの弱点を自力でしっかりと狙う必要がある。

ハイパーモード

  • ゲームをある程度進めると、フェイゾン強化装置(Phazon Enhancement Devices)を搭載した「PEDスーツ」を入手できる。入手後は、サムスのスーツのエネルギーもフェイゾンを用いたものに置き換わる。
    • そしてエネルギーを最大100(タンク一つ分の体力)を消費し、フェイゾンエネルギーを用いた超強力な攻撃を行える「ハイパーモード」になることができる。
    • ハイパーモードの攻撃は文字通り体力を削る分、威力も抜群。しかも今回はさらにゲームが進むと、ミサイルやグラップリングビームや、モーフボールでの攻撃手段もハイパーモードに対応していくようになる。前作まではラスボス戦でのみ使用可能だったハイパーモードの猛威を、いつでも振るうことができるのである。ハイパーモードを任意解除した場合は、ハイパーモードのエネルギーゲージの未使用分は体力としてのエネルギーに還元される。
    • ハイパーモードに入っている間は、殆どの攻撃に対して無敵になる。通常時の被ダメージが上がり攻撃も熾烈になる高難易度では、エネルギーを温存するためにハイパーモードの出入りを活用すべき場面が多くなる。
  • ただし、さらにある程度ゲームが進むと、ハイパーモードを一定時間維持した時にサムスの体内のフェイゾンが暴走し、暴走状態であるコラプションモードに移行する。
    この状態になるとエネルギーゲージが自然上昇を始め、敵の攻撃を受けるとエネルギーをさらに増加させる*1。しかし任意解除が不可能になってしまい、ハイパーエネルギーゲージを体力エネルギーに還元する事が不可能になる。
    • 更にコラプションモード時にエネルギーがゲージ最大を突破したまま一定時間経つと、フェイゾンの侵蝕により即ゲームオーバーになってしまう。という重いリスクを背負うことに。解除するためには敵の攻撃を喰らわずに攻撃しつづけエネルギーゲージが最大以下のまま一定時間を経過させるか、エネルギーゲージを0にしなければならない。
    • コラプションモード自体はかなり危険な状態でこそあるものの、体力を必要以上に減らされないことは変わらない上に攻撃にさらされるほどハイパーモードの手数を増やせるのがミソで、単純なリスクに終わらせていない。時にはこれを利用したゴリ押しが有効なこともしばしば。
    • ハイパーモードを発動していなくても、敵の攻撃によるフェイゾンオーバーロードで強制的にコラプションモードになることもある。
      • この場合、ゲージが最大の状態でいきなりコラプションモードに直行するため非常に危険だが、エネルギーの消費なしでハイパーモードを使用できる。
  • シリーズ通しての宿敵であるスペーツパイレーツ達も今回は全てフェイゾンに汚染されている為、パイレーツ系エネミーの大半がハイパーモードを使って攻撃力・防御力をアップさせてくる。一度使われた場合はこちらもハイパーモードで対抗する事をほぼ余儀なくされる。
    • そして一部進路上の障害物の突破や、大ボスにとどめを刺すには原則としてハイパーモードの攻撃しか効かない。今まで以上に、ハイパーモードの使用はクリアには決して避けて通れないようになっている。
  • ちなみにPEDスーツ入手後はずっとそのスーツのまま。しかし大ボスを倒すたびに少しずつサムスの容姿が変化し、フェイゾンの青色に染まっていく*2など、「汚染」の演出にも一役買っている。

惑星探査

  • 今までのメトロイドシリーズでは一つの惑星・人工ステーションが舞台であることが多かったが、本作では様々な惑星を行き来しながら任務に挑むことになる。密林地帯や灼熱の資源施設、空中都市、酸性雨の降る敵要塞など、ロケーションの種類はこの手の3D探索アクションとしては多い。
    • 惑星間の移動はシップに乗り込み、全体マップのようなものが表示され移動したい場所を選択する仕組みとなっている。そして惑星毎に複数の着陸ポイントが存在している。
  • また、それにつれてスターシップに指示を送る「コマンドバイザー」が追加。各ランディング地点にスターシップを呼び寄せるだけでなく、サムス自身では運べない巨大な物を運搬してもらったり、一部の屋外部屋ではシップミサイルによる爆撃援護をしてもらったりできる。
    • もちろんこのシップの機能を使った謎解きもあるため、必然的に使う機会には巡り合えるはず。
  • さらに今回は期間限定ではあるが、味方の旗艦に乗り込み乗組員との簡単な会話を交わす事もできる。孤独な戦いの多かったシリーズだけに、ホッとする場面でもある。
    • ちなみに艦の中でもそのまま武器を使用することになる。武装した味方兵士は例によって無言でビームを跳ね返すが、武装していない作業員に撃ち続けると…。

その他

  • 本作ではビームの切り替えが無く、2Dシリーズのようにビーム自体が強化される形式となっている。他にもパワーボムや各チャージコンボなどは軒並みリストラされている。
  • おまけ要素も充実しており、ゲーム中で各種条件を満たすと手に入る「クレジット」と呼ばれるアイテム*3と引き替えに解禁される。クレジットの種類は赤・青・金・緑があり、入手条件は大まかに色ごとに分けられている。
    • 各クレジットで交換できる特典は、設定/制作資料・原案アートワーク・サウンドトラックといった、ゲーム進行と無関係なもので構成されている。中にはスターシップにMii人形を飾る・セーブデータを持っている他タイトルのステッカーが張られるといったお遊び要素も。
      • ただし仕様上、現在は緑クレジットの入手は不可能。これについては問題点にて。
  • 本作から周回プレイにも対応し、同じファイルでスキャンしたログや取得したクレジットなどを引き継ぎつつ、3段階の難易度を任意に選択して2周目をプレイ出来る。
    • クレジットと2~3段階難易度設定は「Wiiであそぶ」リメイク版『プライム』『プライム2』にも採用されている。
    • 本作の日本語版に限り、「銀河連邦のアンケート」という形で初回プレイの難易度が2通り(「ノーマル」「ベテラン」)から自動設定されるようになっている。 前作までのバランスに近いのが「ベテラン」であり、GBA2作でのEASYに相当する「ノーマル」はそこから敵の攻撃力・耐久力がおよそ半分となる。
      • HARDモードに相当する難易度「ハイパー」はただでさえ敵の攻撃力が「ベテラン」の1.5倍になるだけでなく、回復アイテムの出現率が減り、敵のハイパーモード使用率も文字通り跳ね上がるため、まさに命を削る戦いが続く。ハイパーモードとコラプションモードを状況に応じて使い分けることが体力温存の鍵。

評価点

  • 冒頭の通り、Wiiリモコン+ヌンチャクをコントローラーに採用したことでプライムシリーズの魅力だった主観視点・サムスとの一体感が更に深まったことは本作を語る上で外せない。
    • 操作難易度を上げすぎず、かつ移動と照準操作を別々にしたことでよりスムーズでアグレッシブにゲームを進めることが出来るようになった。敵をロックオンしつつ攻撃を躱しながら弱点を狙い撃つといった漫画やムービー、PCの3Dシューティングに引けを取らないプレイも可能。
    • 半ば移動手段にとどまりがちだったグラップリングビームの使いみちが大幅に増えている。ヌンチャク操作との相性も良く、一体感を高めることに貢献している。
      先述した敵の盾や装甲を引き剥がす他、瓦礫や障害物を移動させる、ビームを通してエネルギーをやり取りすることで装置の起動や解除を行うなど、戦闘や移動以外謎解きに要求される場面が増え、使い勝手も向上している。
  • 敵は前作までのように意地悪さを感じさせる設計は控えめになり、単体で面倒なギミックを要求してくる雑魚敵もかなり減った。
    • 高温に適応したブリオの原生生物には冷気、薄く軽量な金属で作られたエリシアのロボットには高熱等、分かりやすい弱点が設定されており、それらの弱点を突くことで目に見えて早く倒せるようになる。
      とはいえ使い分けという面ではかなり簡略化されており、むしろ弱点をつける武器の多くが惑星を訪れてちょうどミッション中間のタイミングで手に入ることから、これについては「サムスが強くなったことを実感させる」という側面が強い要素となっている。
    • ボス格の敵はほとんどが前2作と比較して弱点部位の判定が大きめに取られているだけでなく、弱点を晒す時間も長めだったり、大技を放つまでの溜め時間が長く溜め中に攻撃を加えることで阻止出来たり、それでいて動きの苛烈さは損なわないように配慮されており、その秀逸な調整は多くのプレイヤーから高く評価されている。
  • チェックポイント制が導入され、死んでもセーブ場所からのやり直しではなくなったので、リトライがやりやすくなった。本作には即死トラップこそ無いが、油断すればどの場所でも即死がありえるシステムが存在するので妥当な処置だろう。

その他の評価点

  • 前2作同様、グラフィック・BGMは相変わらず良評価。
    • 同じ惑星でもシップ発着場によって違った顔を見せる個性的なフィールドの造形は見事。
    • 乾燥地帯に佇む古代遺跡、ハイテクな直線と宗教的な曲線を融合させた通路や部屋の意匠など、『プライム1』や『プライム2』で目にしたような景観が多々見受けられる。しかしながら単なる焼き直しではなく、過去のプライムシリーズをプレイしたプレイヤーへのファンサービスという趣が強いものとなっている。
  • BGMは前作までで使われたBGMの流用、アレンジもそこそこあるが、本作描き下ろしの中ではスタイリッシュさと悲壮感を兼ね備えたランダス戦のBGMの人気が非常に高い。
  • 巨大な石像が並んだ光景に相応しい重々しい打楽器と荘厳な男性コーラスの響く惑星ブリオの古代遺跡、雲界という神秘的な情景に合った女声コーラスと鐘の音が神々しい惑星エリシアのスカイタウン、禍禍しく不安定なアレンジを施されたオメガリドリー戦のテーマ、『プライム1』のあるBGMをより妖しげにアレンジしたものでありながらどこか美しさすら感じさせるシードや最終ステージのBGMなど、人気の高いBGMは数多い。
  • これまでのプライムシリーズ同様『スーパーメトロイド』のBGMのアレンジが流れるファンサービスも健在。
    • 採用されたのは『スーパー』のクラテリアでモーフボールとミサイルを入手した後のBGM。アイテム入手後、それまでは誰も居なかった一部フロアにスペースパイレーツ現れるようになり、それまでの環境音のようなBGMがパイレーツの脅威を表したような威圧的なものに切り替わる。
    • 本作では、パイレーツの拠点でとある装備を入手した後、拠点一帯のBGMがこの威圧的な曲のアレンジへと変わる。こちらはアイテム入手前でも要所でパイレーツとの戦闘が繰り広げられるという違いはあるが、全体的に見ればシチュエーションまでを再現した嬉しいオマージュとなっている。
  • 『メトロイド』シリーズは攻略上でキーアイテムを収集する「お使い」の要素を伝統的に含んでいるが、本作は「統一されたアイテムを集め、ボスを倒していく」形式ではなく、惑星毎に様々なシチュエーションが小ミッションとして盛り込まれている。
    • それらは比較的短期かつ分かりやすい(迷いにくい)目的地で完了するものも多く、前作・前々作の経験からより飽きが来ないよう配慮が見て取れる。
    • 詳しくは伏せるが、序盤はパイレーツの侵攻・防備を切り抜けながらの防衛装置の奪還・制圧、中盤ではパーツの組み立てから作戦の実行まで、終盤には共闘者の引き込み・護衛と、怒涛の展開を見せてくれる。
  • プライムシリーズでは初めて、ミサイルタンクなどの収集アイテムの在り処を探知できるようになった。
    • ゲームをある程度進行させると、各惑星に観測機を送り込んでエネルギー反応(各種タンクに加えてエネルギーセルなども含む)を探知する…という設定で、回収済み・未回収のアイテムがマップ上に表示されるようになる。
    • 前2作では100%収集を外部攻略情報にある程度頼らざるを得なかったが、本作ではゲーム中のヒントのみでコンプしやすくなった。

賛否両論点

  • やはりというか、Wiiリモコンとヌンチャクを使ったポインター操作は、ボタン操作に比べると安定性に難があり、スムーズに動かすにはある程度感覚を掴む必要がある。
    • 狙い通りの位置にアームキャノンが向かなかったり、意図していない動作で横や後ろに視点が移ってしまうことも多い。第1作や第2作をプレイ済みであっても、ポインティングに不慣れな人は本作最初のボスであるバーサーカーロードにすら苦戦・敗北を喫することも珍しくない。
    • Wiiの直感操作と『プライム』シリーズの一体感、臨場感を上手く融合させた本作のアイデアを高く評価する声は多いが、「これでクラシックコントローラーにも対応してくれていたら…」と残念がる声も多い。
    • 一方で流石の任天堂ブランドだけあってWiiリモコンの精度は非常に良好。視点移動の範囲も任意で設定でき、敵の部位や仕掛けの判定も狙いやすく大きめな物が多いなど、プレイヤーに配慮した部分がそこかしこに窺える。
  • サムス以外のキャラクターが多く登場してきたことに対し、『メトロイド』シリーズの持ち味の1つでもあった「孤独感」が薄れてしまったという意見がある。
    • しかし同胞のハンター達が次々とフェイゾンに汚染されて敵と化していくなど、今までのシリーズとは違ったストーリー性もあることから、好意的な見方をするファンも存在し、必ずしも不評というわけではない。
      • 特にムービーシーンでは各ハンター・サムス双方の感情が伝わってくる演出に仕上がっており、各ハンターも少々癖のあるデザインではあるが、個性は抜群でキャラは立っている。
    • ストーリーについては、個性的な登場人物の他、各惑星に残されたログブックの作り込みも完成度に華を添える。科学の発展を進める層と伝統を重んじる層との間で起きた戦争を克明に記したブリオ星人の碑文や、フェイゾンに汚染される間際に遺され自分たちを造り出してくれた鳥人族への感謝を記したエリシアのロボット達のログは世界観に深みを持たせるのに大いに貢献しており、感慨深い気持ちにさせてくれる。
      • 一方でダークサムスに洗脳されたスペースパイレーツのログは、洗脳によって歪んでいく組織を上手く表現していると同時に、その文面は本作を象徴するネタとして有名で一見の価値あり。
  • 今作はシリーズの大半で火力源として活躍していたミサイルが比較的活かしづらい。
    • プライムシリーズでは弾速と連射の遅さを「チャージコンボ」で補う面があったのだが、今作はチャージコンボが全く存在しないため、豊富なミサイルを一気に瞬間火力として叩き込むことができなくなった。ロックオンに融通がきかないボス戦では自分で狙えるビームまたはハイパーミサイルが主体になってくるため、ミサイルが余りやすい。
    • ハイパーモード中も含め、ビームよりもミサイルのほうが効きが良い敵がいるので、完全に無意味というわけではない。しかし、シーカーミサイルはハイパーミサイルと併用できず、エイムに自信がないと終盤では出番が無くなりがち。
  • また、本作のスターシップは「シップミサイル」という武装が可能になっているのだが、このシップミサイルは進行に必須な特定の場面以外では出番がほぼない。
    • 謎解きだけでなく戦闘に活用できる状況があるのだが、使用できるのが屋外エリアのさらに一部のみと非常に限られているのである。一応、使えるならばミサイルの爆風で吹っ飛ぶパイレーツの姿が思わず笑ってしまいそうになるものではあるのだが…趣味の域である。
    • 収集アイテムのひとつにシップミサイルの弾数を増やす「シップミサイルタンク」があるが、シップミサイル自体の使用頻度が低いため恩恵がほとんどない。

問題点

  • 緑クレジットは様々な条件で入手できるチケットをフレンドから渡されることでしか入手できない。つまり本作を遊んでいる友達のいない人は入手できない特典が存在する。さらに2013年6月28日限りでフレンドとのデータ交換サービスが終了してしまったため、現在新たに始める人や当時友達がいなかった人は緑クレジットとその特典が入手不可能になってしまった。
    • なお、緑クレジットに対応しているものはジオラマ、スクリーンショット機能、スターシップに飾れるMiiの首振り人形といったお遊び要素が中心だが、一部アートワークにも対応している。普通にゲームを遊ぶ上では問題ないが、今からこうした要素に触れることができないのは少々残念である。
  • ロード箇所と時間が長い
    • プライムシリーズ全てに言える事だが、扉を開くアクションの間にシステムが裏で次フロアの読み込みを行っている。この読み込みが終わり次第扉が開くため、ロード時間がそのまま扉が開くまでのラグになる。多くのフロアでは体感的に待ち時間が殆ど無いが、尚更長く待たされるフロア箇所は悪い意味で印象に残りやすい。
      • 敵をスルーして進もうとする場合等はロード待ち時間中に攻撃を喰らうことも多い。
    • 上記のフロア間ではなく、マップ移動時の演出も長い。惑星内の別エリアに移動する場合はスターシップで「惑星上空を移動するデモ」が流れ、星系間移動ともなると「離陸」「軌道上からワープし、目的星系の軌道上にワープアウト&突入」「着陸」のデモ演出をいちいち見せられる。
      • 一応、離陸と着陸のデモはボタンスキップ可能だが、他はローディングとの兼ね合いからかスキップ不可。
  • スペースパイレーツのハイパー化によるログブック埋めの難しさ
    • 冒頭で述べた通り、中盤以降になるとパイレーツ系のエネミーは自らハイパー化し、パワーアップした状態でサムスに襲いかかってくるのだが、ハイパー化したパイレーツはスキャンバイザーでスキャンしても「ハイパー化の発動により攻撃性と耐久性が上昇している」という旨の説明しか入手できなくなってしまう。敵のハイパー化もなかなか解けないため、ログブックを埋めたければ実質ハイパー状態になる前にスキャンしなければならない。
    • 今作はパイレーツの階級・装備が細かく定義づけられ、軽装、中装、重装、特装、シールド持ちなど多様な種のパイレーツ構成員が出現する上、その中には期間限定の種もしばしばいる。中でも数が少ない上にハイパー化までの確率が高い重装兵や指揮官クラスのスキャンは低難易度で終わらせないと厳しい。
  • 序盤のボス「モゲナー」の存在
    • 本作で惜しい・残念な箇所を挙げられる場合にしばしば話題に挙がるボス。理由は難易度も勿論だが*4、真に嫌われる理由は何よりも作業感に辟易させられる事である。
    • 本作は今までと違いボス戦での部位ロックオンができず、きちんと照準を合わせなければならない。そこまでは少なくともこれまでのボス戦で慣らされるのだが、モゲナーはかなりの巨体であり、旋回の身じろぎ一つが相対的に大きく動くため、弱点部位が意外と狙い辛い。加えて「弱点部位がかなり硬め」「それを覆うシャッターがランダムにせわしなく開閉して攻撃が弾かれる」「ダメージが蓄積してもうすぐ破壊できると思ったらシャッフルを連発」「なかなか背を見せない(背にも部位がある)」…と、無駄な時間を強いられる鬱陶しさは筆舌に尽くしがたい。
    • 尚、初心者は部位の自動回復や特定攻撃時のロックオンの強制解除によってさらに苦しむ事になる。
    • モゲナーには新しい装備を使った有効な攻略ギミックも大したリターンがなく*5、展開も最後まで変化がない。他の多くのボスが刺激的で撃破時の達成感があるだけに、モゲナーさえきちんと調整していればと惜しむプレイヤーも多かった。
  • 惑星エリシアクリア後のスカイタウンのアクセス悪化
    • 惑星エリシアの攻略終盤において、スカイタウンのとあるフロアを切り離す過程が必要となるのだが、分離後は該当フロアが消失し代替として用意される移動手段の都合上、三差路のうち1ルート封鎖されてしまう。
      • 一応、消失するフロアには収集アイテムなどは配置されていない。
    • このフロアは三差路の交通の要衝であるため、消失後の移動では大幅な遠回りを余儀なくされる場合がある。
      • スカイタウンでは足場のない場所をボールキャノン、ジップライン、カーゴ、スクリューアタックといった手段で渡ることが多いが、このフロアの跡地はボールキャノン1組しか用意されていない。

総評

ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』と並ぶほどの完成度にするために延期させたというのもうなずけるほどで、システム面もWiiの直感操作とマッチしていて評価は高い。
『プライム』から続いてきた「フェイゾンを巡る一連の戦い」の最後を飾るのに相応しい作品であると同時に、初めてメトロイドシリーズに触れるようなプレイヤー層にも楽しめるように間口を広げたという点もある。
その為シリーズの中でも、あるいはWiiタイトルの中でも、特に存在感の大きい作品である。


余談

  • 本作のログブックの一部は、日本語版と英語版で内容がかなり異なっており、全体的に英語版の方が内容が充実している傾向にある。
    • スペースパイレーツの指揮官級であるパイレーツコマンダーは、10年以上生き延びたエリート兵士のみが昇格出来る肩書きであることや、逆に最下層に位置しているメタパイレーツは、 反抗的な個体が一般兵の食糧にされているという噂が流布 しているなど、裏設定的な文章が豊富でなかなか興味深い。
  • 後に『Wiiであそぶセレクション』として発売された『プライム』『プライム2』のWiiリメイク版に本作の操作方法が流用されている。
    • 海外ではこの仕様を採用したWiiでのプライム3部作を、1本にまとめた『Metroid Prime Trilogy』として販売されている。
  • ニンテンドー公式サイトの「社長が訊く」における開発者との対談を見る限り、本作及び本シリーズはWiiリモコンとヌンチャクの誕生のきっかけになった模様。
  • 前述のように、第1作から続くフェイゾンを巡る戦いは本作をもって終止符が打たれた。ただし、スタッフのコメントによると本作にてフェイゾン3部作自体は終了するが、『プライム』シリーズ自体は今後も続くとされている。
    • 実際に本作のEDにも次回作の伏線らしき描写があるためすぐに続編が出る物と考えられていたが、次に発売されたのは『プライム』シリーズではない『Other M』で、その後しばらく新作が発売されず、長らくシリーズが休止状態となってしまった。
    • 2015年のE3でようやくのシリーズ作品『メトロイドプライム フェデレーションフォース』が発表されたが、当作は時系列上本作の後日談ではあるがスピンオフに近い作品であった。
    • そして2017年になりようやく『メトロイドプライム4』のティザーPVが公開され、Switchで正式に続編が出る運びとなった。結果的に本作から10年近くかかってようやく『4』の制作発表である。

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最終更新:2023年12月25日 07:34

*1 ハイパーモードと違い、コラプションモードになると攻撃を受けた時の仰け反りは防げなくなる。

*2 スーツの青い部分が目立つようになるだけでなく、バイザー越しのサムスの顔にも青い筋が浮かんでいく。

*3 ゲーム進行で自然と入手できるものもあれば、一部場面をノーダメージで突破といった入手難易度の高いものもある。他ハードで言う「実績」「トロフィー」に近いか。

*4 実際には回復ポイントが意外と豊富で復活阻止ポイントも分かり易いため、ゲーム慣れしていればやられる要素は少ない。

*5 決められるチャンスが少なく、また決めても有効時間が短い。しかもその間もモゲナー自身が身じろぎをして弱点が動く上、のけぞった状態なので他の部位に弾かれたりする等とてもではないが攻略らしい攻略法ではない。「上手く決められれば少しラッキー」ぐらいのレベル。