ワンダープロジェクトJ2 コルロの森のジョゼット

【わんだーぷろじぇくとじぇいつー こるろのもりのじょぜっと】

ジャンル コミュニケーション・アドベンチャー
対応機種 ニンテンドウ64
メディア 64MbitROMカートリッジ
発売元 エニックス
開発元 ギブロ
発売日 1996年11月22日
定価 9,800円(税別、コントローラパック同梱)
セーブデータ 3個(コントローラパック必須)
判定 良作
ワンダープロジェクトシリーズ
J1 / J2


概要

前作『ワンダープロジェクトJ 機械の少年ピーノ』(以下『J1』)から15年後の世界を舞台とする続編。
物語の新たな舞台となる「ブルーランド島」にて、ギジンの少女・ジョゼットと「 心のふれあい 」をはかりながら、彼女の成長を導いていくゲーム。
キャラクターデザインは前作の川元利浩から山下明彦に変更された。

キャッチコピーは「 君は彼女をほっとけない 」。


ゲーム内容

  • 前作同様、プレイヤーは教育係として、インターフェイス機能を持った鳥型ギジン「バード」を通じ間接的にジョゼットとコミュニケーションをとっていく。
    • ジョゼットのアクションや質問に対し、バードを通じて「YES」「NO」で成否を掲示することで、ジョゼットは様々な知識や概念を学習し、それに応じた行動を取っていく。
      • 例えばジョゼットに本を読ませようとすると、使い方を知らない彼女は本を食べてしまったり、頭に乗せたりする。
        この行動に対して「NO」を提示し、「読む」という行為に「YES」を提示することでジョゼットは使い方を理解していく。
        このプロセスの積み重ねにより、ジョゼットに人間らしく振舞うために必要な知識や概念、身の回りのアイテムの正しい使い方などを伝えて様々な事を学習させ、人間らしさを備え持ったギジンに成長させていく事が本作の目的である。
    • ジョゼットにひとつのことを学習させるためには、他に何を学習させておく必要があるかという点を考える必要もあり、思考パズル的な一面ももっている。
  • 物語は2章立てで構成されており、第1章がコミュニケーション編。2章がストーリー編となる。
    • と言っても2章は短く、プレイヤーはほぼ見ていることしかできないため、ゲームの9割を1章が占めている。

特徴・評価点

  • 大幅に進化した2Dグラフィック。
    • 前作は3~4頭身程度のドット絵だったが、ハードが64に移行した為に技術力が大幅向上した影響でキャラのドット絵は本物のアニメ絵に近い物となっており、表現力はPS末期に匹敵する位の力の入った物となっている。要となるジョゼットのドット絵も『 立体移動しながら画面に接近してくる 』という2021年現在でも驚愕の技術をふんだんに使っており、喜怒哀楽の感情表現やリアクションのパターンの豊富さや個性も相まって、文字通り生きたキャラクターとして表現されている。
    • アニメーションは書き込み枚数も多く、ぐりぐり動く。前作同様本職のアニメーターが作画に携わっているお陰で作画に違和感が無くちゃんと口パクもする。(CVは前作から引き続き日髙のり子氏)。
    • 背景グラフィックも前作のドット絵から、本職のアニメーターが描いた手書きの美術をスキャンしてゲームに実装しているという、当時では珍しい技術が使われている。その恩恵で、街や自然物等の背景が緻密に描かれた美麗な物となった。ゲーム序盤で前作のコルロ島が描かれるが、その差は一目瞭然である。
  • 自由度の高いイベントと育成。
    • 前作は細かな章立てで育成も一本道だったが、今作ではどのイベントを順にクリアするかは自由となっている。料理作りに精を出すのもいいし、身体を鍛えて発掘作業に没頭するのもいい。各地を巡って友達をつくるのもいい。
      • ただし第2章に移行する為には一定以上のイベントをクリアが必須となっている。
  • 魅力あるキャラクター、シナリオ、
    • ストーリーに関わる人物はどれも魅力的。陽気なダンサージャイケル、頑固な印象の機械技師ガンテ、無骨なハーベン大佐、何かとジョゼットの面倒を見てくれる居酒屋の女主人カレン、ネコのカッツェ、前作のピーノと容姿が瓜二つのポッコなど。前作からのキャラクターも引き続き登場し、前作をプレイ済みならニヤリとできる部分も多い。ただのモブキャラにもキャラ付けがなされており、愛嬌のある人物ばかりである。
  • 前作同様、シナリオは秀逸。ジョゼットとふれあうことによって住民にも変化が現れるようになる。暗い一面もあるが、ジョゼットの明るさ(無知)によりうまく中和されている。
    • 第1章で張られた伏線は、ストーリー編の第2章で回収され、いよいよ物語は大詰めを迎える。
    • 特にラストシーンは涙腺崩壊ものなのでハンカチを忘れずに。ここまで導いてきたプレイヤーだからこそ尚更。
  • 美しい世界観と感動的なBGM。
    • いい意味でジブリくさい世界観*1と、森彰彦氏作のBGMの素晴らしさは今作でも健在。
      • 森氏のBGMは世界観とその引き立てに見事にマッチしている。
  • ジョゼットの魅力
    • やはり何と言っても ジョゼットのかわいさは本物 。素直で純粋で明るい女の子であり、誰しもが好感を抱けるポテンシャルを秘めているだろう。
    • 声優・日髙のり子氏の演技がまさに光っており、人ならざる存在であるゆえに世間知らずなジョゼットのキャラクター性がよく表現されている。
    • 特に「死ぬって、なあに?」や「わ~い! マンキ~!!」は彼女の名言(迷言)として有名である。

問題点

ゲーム面

  • 自由度が高いのは良いが、何をすれば良いのかわからないということになりがち。
    • 特に序盤は資金が限られているので、色々な商品に手を出した末に行き詰る可能性も*2
      • もっともそれは「色々なことを試してほしい」というスタッフの意図でもあるのだろうが。
  • 前作ではキャラクターの数値パラメーターを参照できたが、本作ではそれができず、ジョゼットとの会話と表情から大まかに推測する必要がある。
    • シミュレーションではなく、あくまで相手キャラとコミュニケーションをとるゲームであるということを強調するための措置とのことである。
  • ジョゼットの頭が良すぎる。
    • ジョゼットはピーノよりも高性能なコンピュータを積んでおり、「インプット」で記憶したデータや行動は絶対に忘れない。
      そのため、様々な面白アクションが用意されているにもかかわらず、最終的には見られなくなってしまうものがある。
  • 前作で行えた「食べる」という行動の阻止ができない。
    • 「行動を阻止する事により食べてはいけない物を教える」というプロセスで、前作ではピコハンでピーノを叩き食べたものを吐き出させるという形で阻止できたが、本作では阻止すること自体が不可能。
    • 高価な物を食べられてしまうと経済的ダメージが大きい。
  • 3D表現
    • 潜水艦やシーバ(戦闘機)等は3Dで作られているのだが、出来は良くも悪くもそれなり。他が綺麗なアニメ絵なのでポリゴンがより浮いてしまっている。
      • 当時は何かと3D化がもてはやされていた時代なので仕方なかったのかもしれない。
  • 第2章
    • 第2章において、今までになかったような高難易度アクションを突然要求される。ここで詰んだプレイヤーも多いと思われる。
      • 全8階の階層を、迫ってくる兵士を避けながら突き進まなければならない。失敗すると1階からやり直し。
      • 実は天井に攻略のヒントが記されているのだが、なにせプレイヤー自身がテンパっているため初見では気付きにくい。
  • カートリッジ自体にバックアップ機能がないため、付属品の「コントローラパック」無しではセーブ不能。
    • 新品ならばパック付きで発売されているが、中古品を入手する場合はなんらかの方法でパックを入手しておく必要がある。
    • セーブファイル1つにつき24ページ*3必要で、最大で3ファイル(パック容量72ページ分)作成可能。

シナリオ面の問題点
牧歌的な世界観やシナリオの筋運びが評価されている本作ではあるが、細かいところを見ていくとキャラクター描写含め粗がやや多い。

+ 第1章『コニュミケーション編』についての問題点
  • 前作の舞台であるコルロ島や登場人物の扱いについて
    • ナンバリングが付けられているものの、同一世界観上で展開するというだけで、前作との実質的な繋がりは薄く、前作の舞台であるコルロ島もオープニングで出てくるのみでゲーム中では行く事は出来ない。
    • 前作主要の人物であったジェペット博士も 開始早々に突然死を迎える というあんまりな扱いである。
    • ブルーランドに避難したジョゼットは、島に駐留するシリコニアン帝国兵に、自身がギジンだと言う事実を隠しながら島での生活を始めていくのだが、 追手が迫ってきている状況で足を止め、島での生活を楽しむ というのは状況的にやや不自然。
    • コルロ島はシリコニアン帝国に反抗したせいで島自体が襲撃されるという理不尽な目に遭う……と、扱いが非常に悪い。
    • 前作の主人公ピーノの転生体である人間の少年ポッコはジョゼットと出会って早々、彼女の事を馬鹿にするなどの言動をとってくる。性格も素直で勇敢だったピーノと比べると、ポッコは母親似のせいか内向的で少々陰湿な一面もある。「容姿だけがそっくりで人格も性格も別人」というのは転生ものでは一般的だが、描写的に前作プレイ済みのユーザーからすると受け入れ難く感じられ易いのは否めないだろう。
      • 一応、最後まで態度が変わらなかったパールとは違い、イベントをクリアすると反省したせいか大人しくなり、ジョゼットに対して素直になる。
      • また、第2章においてジョセットと共に革命団に入り戦争に参加する事を決意するが、実際の戦場での彼が取った行動は、『 怖くて終始泣き出す 』と言うあまりにも情けない立ち回りである。前作主人公を受け継ぐ存在だと考えても、あまりにも扱いが不遇すぎる。
      • 彼もまたジョゼットと同じく、父親のシグマス王の命によりシリコニアン帝国の追ってから逃れる為にブルーランドに避難したのだが、Jの力は完全に消失した為にゲーム中では存在意義が全く無く、何の為に出て来たのかが分からない位の存在感の無さである。恐らく王族の生き残りとして逃がしたと思われるが、作中では有耶無耶にされてしまっている。
  • 舞台となる地域の雰囲気の相違
    • 前作の舞台であるコルロ島は、戦争の爪痕を残すスチームパンク風の退廃感漂う島だったが、ブルーランドは 1996年当時の文化を反映させたバリバリのおしゃれな島であり、公園や映画館等も完備されている等、コルロ島との雰囲気の違いが顕著。 単にコルロ島が戦争の爪痕の著しい荒廃した土地だったともとれるが、こうした違いについての説明がゲーム中では全くない。
      • その一方、島では侵略者であるシリコニアン軍とレジスタンス組織『ブルーランド革命団』が対立し、反抗した団員が公開処刑されるなど殺伐とした状況が続いている。そんなに日夜抗争が勃発していたら避難生活どころではないと思うが……。
  • 不快感の強いイベント・キャラクターの存在
    • ブルーランドの住民も多種多様で、ジェペット博士と大学時代の同士のガンテや前作のとあるキャラと関係性がある酒場の女店主カレン等ジョゼットに対して好意的な大人もいる反面、ジョゼットに対して否定的な人間も存在し、一筋縄では行かない不快感を催すイベントも多い。
    • その筆頭格であるブルーランド市長の娘パールは見た目が素朴なジョゼットとは対照的に、見たまんまの高飛車系美少女という当時の子供向けアニメにありがちな造形であるが、サリー・ローザ・ヒルダと言う3人の意地悪娘を従え、事あるごとに4人でジョゼットを虐めようとする性悪さである。そればかりか 暴漢を雇ってジョゼットを襲わせる というシャレにならない悪事を働いたりもしている。
      ジョゼットを認めようとする描写も全く無く、出番は序盤のイベント位しか無いので非常に存在感は薄く、中盤以降はほとんど目立たなくなっていく。
      そのまま忘れ去られたと思いきや第2章の中盤で唐突に再登場するが、ジョゼットへの態度や接し方は相変わらずで、その言動で彼女のみならずブルーランド島の民をも危機に陥れたあげく、追手の攻撃でジョゼットの体が負傷するという事態(これについてはパール自身がそうなるように仕向けたわけではないが)に発展してしまう。
      • 「主人公と対立する個人」というキャラクター配置自体は問題あるものではないが、プレイヤー目線から見れば不快感の強さは否めないだろう。
  • ジョゼットの恋人・アーノルド
    • ジョゼットはストーリー上、彼と恋仲になっていくのだが、あまりにも軽薄でありお世辞にも良い人物には見えない。
      実際はそんな人物ではないのだが、作中でのフォローが少ないため、伝わり難い。
  • 成長に伴うジョゼットの突飛な変化
    • ジョゼットもある種突き抜けたキャラクター性を持っており、物語序盤では所謂『アホの子』と言うべき鈍感さだったが、様々なイベントを経験していく事で 素手で鎖をひき千切ったり、戦闘機や潜水艦の操縦スキルを身に付ける と言う斜め上の成長を見せる。ちなみに彼女が乗る事になる戦闘機シーバは、深海漁師ガンテがシリコニアン軍から盗み出した物、という非常にアバウトな設定となっている。
      • とあるイベントではシリコニアン帝国の軍人ハーベン大佐と 格闘戦 を繰り広げる事になるが、元々大人しかった性格で少女型のギジンである彼女がバリバリの格闘に興じるのはさすがにイメージとのギャップが激しい。対するハーベン大佐は格闘試合が始まると分厚い軍服を脱ぎ、ムキムキマッチョな薄着のおじさまとしての姿を表し、ジョゼットのステータスが低いと一方的に殴り続けると言う ある種の変態的 誰得な試合結果を見る事になる。
      • そしてイベントを一定以上クリアすると、 ジョセットが革命団に入団して自ら戦争に参加する と言うある種の超展開に突入し、物語は第2章に移行する事になるが、序盤の避難生活から一転していきなり戦争に身を投じるというのはあまりにも唐突で突飛すぎるだろう。
  • 第2章『ストーリー編』についての問題点
    • 長文でのネタバレになるため詳細の掲示は避けるが、物語の核心に迫る要となる設定全般に後付け感が強い、「第2章の最重要キャラでありジョセットと対峙するべき宿敵『シリコニアン13世』の顛末」「前作の舞台であるコルロ島の行く末」等の超展開的かつ唐突な筋運びが散見される(かつそれについての説明が一切ない箇所が多い)など、やはり細部に粗がある。
      • 監督の米田氏は後に公式ファンブックにて「製作時間と容量の都合で第2章を中心に多くの部分をカットしてしまった」と裏事情を明かした(同時に「あれはちょっと飛ばしすぎた気がする」とも述べている)。
    • 第2章で始めての操作パートにおいては迷宮を攻略しながらダンジョンの最上階を目指すことになり、その道中で1章でジョゼットとどれだけ交流を深めたかを問われる質疑イベントが発生するが、ここで回答を間違うとダンジョンの1階からやり直しとなってしまうため、1章のイベントでどのような展開を経たかを覚えておかないと苦労させられることになる。
    • 前述の3D脱出パートで追手に追いつかれると ジョゼットが銃殺される というショッキングな結末を迎えてしまう。

賛否両論点

  • 前作とは毛色の異なるゲーム性
    • ピーノを育成してパラメーターを上げていくRPG要素が強かった前作から打って変わってADVの要素が強くなり、結果として育成要素が薄くなった。
      • 『教える事で思考回路を変えていく』と言う基本システムは続投されているが、ハードが変更されたせいで根幹にあるシステムはガラリと違うものとなっており、ジョセットとの協議によってイベントの解決口を切り開いて行くという形になる。端的に言えば「能動的に様々なイベントをこなすことで進行させていくADVゲーム」といった感じで、後に発売される『レイトン教授シリーズ』や『逆転裁判シリーズ』のイベント進行に近いと言える。
    • ADV要素が強くなってしまった弊害で、前作にあった横スクロールの移動パートが大幅に廃止された。
      • 実質的に移動出来るのはドルフィン号の船内と船を出た先の船着き場位であり、ブルーランドの各地に移動しても、イベントシーンのみが展開されると言う省略された仕様となってしまい、単調さが否めなくなっている。
  • 自由度は高いがボリューム不足である
    • 前作が「章立てで決められたシナリオの進行に添ってイベントが進行する」という形式だったのに対し、本作は最初から全てのイベントをこなせると言う形式に変更された。
      • これに関しては、ジョセットと共に島での生活を楽しむと言うゲームのコンセプトと上手く噛み合っているので概ね評価できるが、イベントの解法さえ分かればとクリアは容易であり、手際よくイベントをこなしすぎると何処に行ってもイベントが発生しなくなり物寂しい感じを受けてしまう。イベントキャラクター自体もいなくなってしまうので、汎用的な会話もない。
    • 本作ではイベントをクリアする度に実績のパーセンテージが上昇していく仕様となっているが、実績100%を達成するには10時間程しか掛からないため実質的なボリュームはSFCだった前作とさほど変わらず、ボリューム不足感が強い。
      • ちなみに、実績100%を達成すると天国にいるジェペット博士からピンクの服(パッケージイラストでジョセットが着ていた服)がプレゼントされるが、 これといった効果はない 。ある意味、唐突過ぎる第2章のエンディングよりも真のエンディングと言えるかもしれない。
  • 2章の進行上の制約
    • 第2章に入るとジョゼットとのコミュニケーションが取れなくなり、ストーリーの進行上、後戻りも不可能。
      • 事前の説明や注意などの言及は、取り扱い説明書、ゲーム内含め一切ない。セーブデータを上書きしてしまい、泣きを見たプレイヤーも多いはず。
    • 第2章は実質的に丸ごとエンディングのような位置づけであり、第1章でどのようにジョゼットを育てていてもストーリー展開自体には変化がない。

総評

前作からのシステムを進化発展させ、引き続き素晴らしいシナリオをプレイヤーに魅せてくれた、文句ない名作。
育成ゲームよりもADVとしての側面が強くなった点や、実質まるごとムービーで介入の余地がなくシナリオ展開にも粗が多い第2章など問題点がやや目立っており、前作ファンの中には今作について否定的な意見を持つ層も存在しているが、作風を肯定的に受け入れられたプレイヤーからは「素直に泣ける名作」として高い評価を得ている。

『J1』とともに移植・リメイクの希望が多く、未だに根強いファンがいる作品である。


その後の展開

  • 開発元の倒産によりリメイクは難しいと思われていたが、2010年には新要素を加えた上でiアプリで配信された。
    • 2018年にスクエニモバイルのサービス終了したため現在はダウンロード不可となっている。
  • 本作を開発したギブロは後にセガサターンにプラットフォームを移し、2DADV『七ツ風の島物語』を開発することになるが、本作のディレクターを勤めた米田喬氏(現、平野文鳥氏)は開発に携わっておらず、『牙狼』や『ルドラの秘宝』で有名な雨宮慶太氏がディレクターを勤める事となった。
    • ゲーム自体も本作を発展させたものとなっており、更に磨きが掛かった2Dドット絵や横スクロール部分の復活等、実質的な『J3』と呼ぶに相応しいものとなっている。
  • 米田氏自身もギブロ退社後に開発会社『パルスエンターテイメント』を設立し、ドリームキャストで大沢在昌氏原案の3Dアクションアドベンチャーゲーム『UNDERCOVER AD.2025 kei』を開発し、2000年に発売する事となる。
    • 本作とは打って変わってフル3Dとなっているが、ヒロイックな女性主人公と言う共通点や、本作で問題視されていた3Dの迷路パートの改善等、本作の反省点が生かされたものとなっている。
  • 本作のキャラクターデザインを務めた山下明彦氏は、後年スタジオジブリに所属、様々な作品でメインスタッフを勤めている。
    • 彼が関わった映画『借りぐらしのアリエッティ』の主人公・アリエッティはなんとなくジョゼットに似ている。髪を洗濯バサミで止める、全身を包む白い服と赤い服など、いくつか共通点が見られる。ただし、山下氏曰く『共通しているのは偶然』だと言う事であり本作との関連性は無いとの事。

余談

  • 近年になってシリーズの産みの親である米田氏がツイッターで前作『J1』と本作について『非常に高い評価を得たが、思う様に利益が出なかった為、プロジェクトとしては失敗だった』と発言している。やはり、名作だが人を選ぶゲームデザインと生活体感型ADVと言う所謂『時代が早すぎたゲーム』として烙印を押され一般受けしなかったのが要因だろう。
  • 実際に売り上げが芳しく無かった要因として「テレビCMの内容に問題があったのではないか」と噂されている。どう言うものかというと、いかにもオタクっぽい青年「タカシ」が、彼女のデート中に「タカシ君ってばぁ~」と呼びかけるジョゼットの幻影を目撃する。タカシは彼女そっちのけで家に帰り、暗い部屋でジョゼットに向かってモニタ越しにキスをするという、ギャルゲーを思わせるようなトンデモ内容である。 当然の事ながら、何故この様なCMが制作されたのかは謎 。新作ゲームを宣伝するハズなのにゲームの内容を冒涜すると言う今からでは考えられないプロモーションの仕方である。
    • プレイすればすぐにわかるが、本作はまさしく『J1』の正統続編と呼べる素晴らしい作りであり、CMを見て想起されるような要素はほとんどない(ゼロではないが)し、ジョゼットの性格も本編と全然違う。
      旧作ファンにはガッカリだっただろうし、またもしそんなイメージで本作を購入したら、それも肩透かしをくらってしまう。結果、受け手と送り手のイメージの食い違いによる、なんともちぐはぐな内容になってしまった。
      何より、ギャルゲーまがいの演出のせいでゲーム内容を誤解させる原因になってしまったのは確かで、売り上げに悪影響を与えてしまったというのも否定できないだろう。
  • サウンドトラックが発売されているが、需要の割に数が少ないためか、ネットオークションにおいては30,000~50,000円という超高額取引になっている。
    • なお前作『J1』のサントラも10,000~30,000円と、こちらも負けず劣らずの値段である。

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最終更新:2023年12月09日 10:20

*1 奇しくも本作のキャラクターデザインを務めた山下明彦氏は後年本当にスタジオジブリに所属し、ジブリジャンルの先駆者とも言える宮崎駿監督からも一目置かれるようになる。

*2 無料で何度でもこなせるアルバイトが有るので完全に「詰み」になることはない。登録料や多少の条件が必要だが高額な報酬が期待できる仕事も存在する

*3 「ページ」とはN64用コントローラパックの容量単位。パック1個の最大容量は123ページ