星のカービィ64

【ほしのかーびぃろくよん】

ジャンル アクション
対応機種 ニンテンドウ64
発売元 任天堂
開発元 ハル研究所
発売日 2000年3月24日
定価 6,800円(税別)
プレイ人数 1人(メインゲーム)
1~4人(サブゲーム)
セーブデータ 3個(バッテリーバックアップ)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
※バーチャルコンソール版より付加
周辺機器 振動パック対応
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2008年4月15日/1,000Wiiポイント(税5%込)
【WiiU】2015年8月19日/1,028円(税8%込)
判定 良作
ポイント ミックスシステムによる豊富でダイナミックなコピー能力
低難易度ながらも、これまでと方向性の違う調整が賛否両論化
星のカービィシリーズリンク


概要

星のカービィ3』の続編にあたるシリーズ6作目。ジャンルは横スクロールアクション。
シリーズ初の3D作品であり、背景の奥行きやそこに連動した新しいギミックなどに工夫が見られる。

また、ニンテンドウ64のゲームソフトにおいては移動に十字ボタンを使う「ファミコンポジション」を採用した数少ない作品でもある。

なお、本作からカービィのデザインがより洗練され、今の見た目に通じるキュートな見た目に変わっている(青色のハイライトが入るなど)。


ストーリー

カービィたちの住む「ポップスター」から遠くはなれたところに「リップルスター」という星がありました。
リップルスターは妖精たちの住む平和な星でしたが、ある日、突然黒い雲が現れました。
黒い雲たちはリップルスターの「クリスタル」を狙っていたのです。
黒い雲におおわれる時、リップルスター王女は妖精のひとり、リボンにクリスタルを託します。
しかし、リボンは逃げる途中で黒い雲たちに攻撃され、クリスタルをバラバラにされてしまいました。

遠くはなれたポップスターでカービィは夜空をながめていました。
すると、たくさんの流れ星とともに妖精のリボンが空から落ちてきたのです。
実は流れ星とはバラバラになったクリスタルのかけら。小さなリボン1人ではとても集めることはできません。
これまでのいきさつを聞いたカービィはリボンといっしょにクリスタルを集めるために冒険へ出るのでした。


特徴

3D化にともなう変化

  • 3D化したことにより今作のみの独特な演出がいくつか見られる。
    • 操作感覚は従来通りの横スクロールだが、場面によってはスクロール方向が立体的に変化し、螺旋状・あるいは渦巻き状にループしているコースもある。
      • これに伴いカメラもよく動き、斜めからカービィを捉える視点になることもしばしばある。
    • 通常、カービィシリーズのステージはコースの行き来をもっぱら画面に対して垂直に掘られた横穴で行っていたが、今作ではそれが無くなり画面端やスクロールで誘導された先の入り口に入ると行き来できる仕様に変更されている。
      • 各ステージのゴールもこんな感じでゴールという目印が無い。
    • 3D化により、シャッツォやブロントバートが画面奥からこちらに向かって攻撃してくる場面もある他、ステージの演出のためか「画面奥にいるだけで何の害もない敵」が所々配置されている。
    • (即死トラップを含め)体力がなくなってミスとなった際のモーションも「画面が暗転してカービィがその場に倒れ込む」という、他のシリーズ作品では見られないものに。
    • 単独で吸い込んだ敵を吐き出しても星化せずにそのままの姿で飛んでいくなど、細かい点も幾つかある。
    • これらは後に発売された同じ3D作品である『星のカービィ Wii』には無いものである。一部は後に発売された『星のカービィ トリプルデラックス』で復活した。

アクションの一部変化

  • 敵を吸い込んで能力をコピーする…というのはいつも通りだが、今作では一部の従来のアクションの仕様が以下のように変更されている。
    • 速度は非常に遅くなるが、吸い込みながらの移動が可能。
    • 水中での吸い込み・コピー能力使用が可能。これに伴い水鉄砲は削除。
    • ホバリングに制限がかかり、無限に飛ぶ事は不可能。
  • 吸い込んだ敵を頭の上に担げる「リフトアップ」というアクションが登場。担いだ敵を真上/前方へ投げつけて攻撃したり、再び口の中に収納することも可能。
    • 大抵の敵は担いでも何のアクションも無いが、空を飛んでいる敵を担ぐと一緒に空を飛ぶ、魚を担ぐと速く泳げる、砂の敵は担いだ瞬間に消滅する、など一部には反応がある。中には担いでいる間味方になって敵を攻撃してくれるものもいる。
      投げることによってアクションを起こす敵もいる。特殊な軌道で飛んで行ったり、敵にぶつけると爆発したりするものも。

コピー能力

  • 本作に登場するコピー能力は「バーニング」「ストーン」「アイス」「ボム」「ニードル」「スパーク」「カッター」の7種類。
    • 夢の泉から皆勤賞だった「パラソル」はリストラとなっている。
    • 一部の能力は前作から性能が下記のように変化している。カッターを除けば概ね上方修正されている。
      + 詳細
    • バーニング:他の作品と同様、火の玉になって突撃する。従来と比べて、攻撃判定が終了した際の後隙がやや大きくなった。
    • ストーン:丸い形の岩に変身するようになり、ダッシュやジャンプ等によって慣性を付けて変身すると、少しだけゴロゴロと転がるようになった。特にストーンに変身したまま歩けるようになったのは大きな変化。ただし歩行速度は鈍い。変身解除時に飛び散る石でも攻撃できる。
      反面、一撃で倒せないボス系や障害物系の敵と接触したり攻撃を受けたりすると、変身が強制解除されるようになった。
    • アイス:氷の吐息を横回転しながら吐くように変化した。もちろんお馴染みの「凍らせた敵を飛ばして別の敵にぶつける」というアクションも健在。攻撃しながらゆっくりと移動することも可能で、射程も少しだけ長くなっている。攻撃判定などからも「フリーズ」に近い性能。
    • ボム:爆弾を投げつける。ボタンを押す長さによって投げる角度が3段階に調節できる。
    • スパーク:攻撃しながらゆっくりと移動できるようになった。ただし、移動中は攻撃範囲が狭くなる。
    • ニードル:トゲトゲになって周囲を攻撃する。ジャンプしながら撃っても慣性が残るので、従来より移動性能が高くなった。また「壁に刺さる」という仕様が追加された。
    • カッター:「自分の半身をブーメランとして飛ばす」というものに変化し、連射ができなくなった。残り半分の本体はブーメランが戻ってくるまで歩行とジャンプしかできない。
  • 新要素として、「コピー能力ミックス」が登場。本作最大の特徴でもある。
    • 次の2通りの方法で28種類の「ミックス能力のもと」が作れる。基本の7つのコピー能力と合わせれば、全35種類のコピー能力が存在することになる。
      • 方法1.コピー能力を持つ敵、またはコピーのもとをコピー能力を持つ敵にぶつける。主に使うのはこちらの方法となる。
      • 方法2.能力を持った2体の敵を同時に吸い込む。当然ながら、この方法ではコピーできる能力が限られる場合が多い。ちなみにTVCMなどで紹介されていたのはこの方法である。
    • ミックスで得られるコピー能力は、同じ種類を2つ組み合わせたものは一部を除いて純粋な強化版になり、複数種類を組み合わせればそれぞれの個性を組み合わせた、ユニークな能力に変化する。「このステージのこの場面でこの能力はどうなんだろう?」とか、「この能力だけでクリアしてやる!」など楽しみ方は様々である。
    • ミックスの順番はどちらでも同じ能力になる。例えば、「バーニング+カッター」と「カッター+バーニング」は全く同じ能力になる。
+ バーニング+○○
  • バーニング+バーニング
    バーニングの強化版。大きな炎の矢になって突進するようになり、当たり判定と持続時間が大幅強化。これによって突進距離も大きく伸びるが、解除のタイミングを把握しておかないとダメージやミスの危険あり。
  • バーニング+ストーン
    頭から火山弾を発射する。連射中は動けないが、発射角度を調節できる。射程が弾によってまちまち。
  • バーニング+アイス
    2つの能力を同時に発動させて、周囲に水蒸気を発生させて攻撃する。使用時は動きが止まり、当たり判定が狭いので扱いづらい。
  • バーニング+ニードル
    カービィが弓のような形に変身して、炎の付いた矢を射る。射角が調整可能で、かなり遠くまで届く。矢が当たった後に短時間ながら残る炎にも攻撃判定がある。
    とあるクリスタルを取るのに必須だが、そのクリスタルは中ボスの部屋(雑魚敵が大量に出現)にある上に、壊せるブロックが部屋の模様と同化していて判り辛い配置となっているため、発見の難易度が高い。
  • バーニング+ボム
    ジャンプしながら花火のように炸裂して攻撃する。3段まで連続攻撃が可能で、段数を重ねる度に大きく綺麗な爆発になる。
    攻撃範囲的には非常に強力だが、3段目使用後は着地まで無防備になってしまうため注意。特に水中で3段目を使うと隙がかなり大きくなってしまう。その性質上、強制スクロールステージでは安易に使用できない。
  • バーニング+スパーク
    下敷きで頭をこすって静電気で攻撃。さらにボタンを押しっぱなしにしていると火花でカービィの頭が炎上して暴走する。
  • バーニング+カッター
    炎を纏った巨大な両手剣を取り出し、振り回す。剣を持ったまま移動することもできるが、ホバリングが出来ないので注意。
    頭上に掲げて頭上を攻撃することも可能で、そこから剣を放り投げる攻撃まで存在する。また持ち歩いている状態の剣には常に攻撃判定があるので、わざわざ剣を振らずとも振り向くだけで敵を倒すこともできる。
+ ストーン+○○
  • ストーン+ストーン
    通常のストーン能力よりさらに巨大な岩カービィに変身する。巨体になって歩幅が伸びた分移動速度が向上し、変身解除時に飛び散る石も強力。
  • ストーン+アイス
    カーリングのストーンに変身。ツルツルと滑りながら体当たりして、敵を凍らせる。ダッシュや下り坂で慣性を付けるとスピーディーに滑ることができるが、壁にぶつかっても自動解除されずに反射してしまうため注意。
  • ストーン+ニードル
    ボタンを押しっぱなしにすると大きなドリルで突進攻撃、ボタンを放すとドリル(敵・壁貫通能力あり)がミサイルのように飛んでいく、漢のロマンを感じる能力。使いどころこそ限られるが、空中で方向キー下を押しながら使用すれば下方向に出すことが可能。
  • ストーン+ボム
    ダイナマイトを放り投げる。このダイナマイトは爆風が画面全体を埋め尽くすほど超強力な代物だが、伏せる(十字ボタン下を押す)ことによってヘルメットを被らないとカービィ自身も爆発でダメージを受けてしまう(今作で唯一、自滅の危険がある能力)。
    とあるクリスタルを取るために必須のコピーだが、そのためにはこのコピーを維持したままステージ後半まで進む必要があり、さらに道中は敵が多く、途中に足場が狭い+足場に水流があってカービィが流されてしまう+敵が天井から無限に湧いてくる箇所もあるため、難易度が高い。
  • ストーン+スパーク
    口から岩を吐き出して、電磁力で操って攻撃する。岩はもちろん、電磁力の部分にも攻撃判定がある。岩は一定距離以上離れると、ヨーヨーのように戻って来る。この岩には鉄分が多く含まれているとか。岩は操作することができないため狙いがつけづらいものの、攻撃範囲がとにかく強力。
  • ストーン+カッター
    岩を切り出して『3』に登場したリック、カイン、クー、ナゴ、チュチュ、ピッチの6体を象った彫刻にランダムで変身できる。
    クーとピッチは一定時間のみだが空を飛べ、リックは壁キック、ナゴは三段ジャンプが可能。チュチュは高いジャンプのみで何とか移動可能。ピッチはカービィよりも軽快に動けるが飛び続けていると操作不能となり、落とし穴に落ちやすい。他はいずれも機動力はそれほど高くない。
    この中でカインはなぜかハズレで、変身してもまったく動けず、振り向くことしかできない。たとえそれが水中であっても。
    ちなみにリックの壁キックはあるクリスタルの取得に必須。クリスタルの場所や、そこへ行くための壁を破壊するのに使用するコピーに気付いても、この変身の特性に気付かないと取る事ができないため難易度は高いが、操作自体は単純なため慣れてしまえば割と楽に取れる。
+ アイス+○○
  • アイス+アイス
    巨大な雪玉に変身して転がり、敵をその中に次々と巻き込んでいく。変身を解除すると巻き込んだ敵を全部吹き飛ばす。
  • アイス+ニードル
    ゆっくりと広がる巨大な雪の結晶に変身して、触れた敵を凍らせる。他のニードル系と違って、空中に留まる事が出来る。
  • アイス+ボム
    何ともシュールな雪だるま爆弾に変身して歩き回れる。一定時間経過か敵にぶつかると爆発し、飛び散った雪で頭上の敵を凍らせることもできる。
  • アイス+スパーク
    冷蔵庫に変身して食べものを3つ発射して攻撃する。しかもこの食べもので体力を回復することも可能で、ボス戦では大変重宝する。「ゲームオーバーにならない」という点でいえば最強のコピー能力と言えるだろう。
  • アイス+カッター
    スケートで滑り、回転ジャンプで攻撃する。独特な操作感があり、かなり扱いが難しい。回転ジャンプの攻撃範囲も小さめ。
+ ニードル+○○
  • ニードル+ニードル
    コンパスやサボテン、コルク抜き、注射器など体中からありとあらゆる尖ったものが飛び出す。通常のニードルより攻撃範囲が倍近く大きくなっている。それぞれの尖りものに性能差は無い。
  • ニードル+ボム
    カービィがトゲ球の敵キャラ「ゴルドー」のような姿に変身する。浮遊しながらゆっくりと移動可能で、再びボタンを押すか一定時間経過すると爆発し、周囲にトゲを発射する。
  • ニードル+スパーク
    カービィが避雷針に変身し、そこに雷が落ちてくる。地面に発生する衝撃波にも攻撃判定がある。
  • ニードル+カッター
    カービィの両手が大きなトラバサミに変化し、頭上でガッチリ挟んで攻撃する。ボタンを押しっぱなしにすると、ハサミを広げた状態で構えられる。
+ ボム+○○
  • ボム+ボム
    3発のホーミングミサイルを発射する。ボタンを押す長さによって発射弾数を1発から3発まで調節できる。
  • ボム+スパーク
    光り輝く電球に変身して歩き、触れた敵を感電させて倒す。爆発した時の電球の破片でも攻撃可能。
    『2』や『3』のカイン+スパークと同様に暗い場所を照らす効果を持っており、ある謎解きで使うことになる。
  • ボム+カッター
    手裏剣型の爆弾を投げる。爆弾は一直線に飛んでいき、敵か障害物に刺さると爆発する。空中で使うと一瞬だけ静止する特性があり、攻撃前後の隙が小さく連射性能も高いため、ボス戦で重宝する能力のひとつ。ただし目に見えないだけでスピードはそれほど速くない。
+ スパーク+○○
  • スパーク+スパーク
    周囲に電界を発生させ、触れた敵に強力な放電攻撃を放つ。電界の範囲はスパークよりもかなり広いが、敵の飛び道具は使用開始した瞬間を除いて相殺することができず、放電すると一時的に電界が小さくなる。移動しながら攻撃することも可能だが、電界がとても小さなものになる。
  • スパーク+カッター
    ライトセーバーらしき武器を取り出し、振り回して攻撃する。前後両方に長いリーチを持つ。武器を持ったまま移動することも可能だが、バーニング+カッター同様ホバリングができなくなるので注意。
    伏せることで武器を仕舞える。こちらも持っている武器から常に攻撃判定が出ている。
+ カッター+○○
  • カッター+カッター
    カービィの半身が通常のカッターよりさらに大きなブーメランになり、地面をゴリゴリと削りながら飛んでいく。カッターを飛ばしている間は本体の行動が制限されることも同じ。

仲間キャラクター

  • カービィ、リボンの他にステージによっては仲間キャラクターが登場してカービィをサポートする。ミニゲーム(後述)では彼らも操作キャラとして選択可能。
    • ワドルディ:シリーズおなじみのザコ敵だが、今回は敵としては殆ど出ない代わりにサポートキャラに昇格。川下りやロープウェイ、トロッコなどさまざまな乗り物を用意してくれる。
    • デデデ大王:やはりシリーズおなじみのカービィのライバル(?)。今回は特定のステージでカービィを背負いながらハンマーで道を切り拓いてくれる。ちなみに操作中に体力がなくなってミスとなった際、専用の演出がある。
    • アドレーヌ:描いた絵が実体化する能力を持つ女の子。今作ではアイテムを出してくれたりクリスタル攻略のヒントを教えてくれたりする。
      • 前作に同じような姿のボスキャラ「アド」が登場していたが関係性は不明。公式ガイドブックである『プププ大全』でも「不明」という設定を貫いており、同一人物かどうかはあくまで可能性に留めている。
        ちなみに、黒い影に取り憑かれた状態の攻撃手段と対処法もアドとほぼ一緒。 手持ちが尽きるとヤケクソになって突っ込んでくる(そして簡単に倒せる)ところも同じ。
  • スタート地点の「ポップスター」をはじめ様々な惑星にあるステージをクリアしながらクリスタルを集めていき、リボンの故郷リップルスターを目指していく。
    • 世界観は前作『3』のものに近く、ステージやキャラクターの雰囲気は柔らかなものが多いが、中には工場地帯やデパートをモチーフにした近代的な建物の中を進んでいくステージを持つ、これまでとは異色な雰囲気の惑星も。
  • 各ステージには「クリスタルのかけら」が3つずつ隠されており、これを回収することで達成率が上がる。
    • 初めのうちはそのへんに転がっていることも多いが、ステージが進むごとにミニゲームをクリアしたり中ボスを倒したり、特定のコピー能力でないと壊せない壁の中にあったりと、謎解きの要素が強まっていく。
  • 各惑星のボスステージをクリアするごとにショートムービーが流れる。
    • これがなかなか楽しい内容で、ちょっと抜けているけどかわいらしいカービィを見ることができる。一度見たムービーはギャラリーで観賞できる。
  • カービィシリーズの例にもれず、和やかなこのゲームの中にもわずかながらの暗い要素はある。
    • 特に、嘘エンディングのある場面はヒヤッとした人も多いかも。もっとも、それはオトナになったらあまり味わえないようなものかもしれないが。

やり込み要素

  • 「(ボスを含めた)敵キャラクターの絵が描かれたカード」の収集があり、ファイル選択画面の「コレクション」から閲覧可能。
    • カードは各ステージのクリアしたときのゴールゲーム(『3』と同様の立ち幅跳びだが、今作では「跳ぶ方向」の要素も追加されている)に登場する。全部で81種類あり、取るまで何のカードかはわからない。
    • 未所持のカードは出やすくなる補正があるようで、「最後の数枚を埋めるのに何百枚も取ることになる」といったことがなく良心的…と言いたいところだが、ダブりも結構多い
  • シリーズ恒例、完全クリア後のオマケとして「ぼすぶっち」というボスの連戦ができる。
    • コピー能力・回復アイテムなし*1、残機0という過酷な条件で戦うため、苦戦は必至。
    • ちなみにゲームオーバーになると「カイショウナシ」(甲斐性無し)と言われる。なお一度もダメージを受けずにクリアすると……できる人は頑張ってみよう。
      • モード選択後の説明画面で「丸腰で軽くひねってやるぜ」なんて大口を叩いておいて負けるようではそう言われても仕方がないが、子供にはちょっと分かりづらいか。

その他の変更・追加点

  • 前作からライフが4つも減らされており、2以前同様6となっている。
  • 中ボス(ルームガーダー)の仕様が従来作から大幅に変更。
    • 大多数が「雑魚キャラを相似拡大しただけ」となった。そのほとんどはフィールドを往復するだけだったり、その場で跳びはねたりするだけだったりと、行動パターンの単純な敵が多い。
    • 中ボス自身はこちらが吸い込んで反撃に使うための物体を出さず、代わりに中ボスごとに異なる種類の雑魚敵が中ボスを倒すまでの間、無限に出現する。
    • また、中ボスを倒すとその場で消滅してしまうため、吸い込んでコピーすることができなくなっている。
  • 掛け声程度であるがシリーズで初めて声優が起用された*2
    • 声が付いたのはカービィとデデデの二人。カービィ役は本作より先に発売された『スマブラ』や後のアニメ版でも務めることになる大本眞基子氏、デデデ大王の声はシリーズ生みの親の桜井政博氏が担当した。
  • カービィシリーズのお約束であったカービィダンス・パラソルのコピー能力はなくなっている。

評価点

  • アクションゲームとしての楽しさは健在
    • 3D化により、立体的なギミックが登場。多数のコピー能力の組み合わせがあり、ステージ攻略の幅が広がった。
    • 本編クリアだけなら初心者でも楽しみやすく、収集要素やボスラッシュといったやり込みは上級者向けといったバランスのとり方。
  • BGMは総じて良質。
    • 全体的に和やかなものが多いが、状況によってうまく使い分けられている。いわゆる「捨て曲」もほぼ無いと言っていいレベル。
      • 特に真のラスボスのBGMは「神曲」と専らの評判。『スマブラX』にもアレンジされて収録されているがまるで別物(いい意味で)になってしまっているので、ぜひオリジナルも聴いてみてほしい。
    • BGMの一部は『カービィのエアライド』で再使用されている。また、アレンジされたものが『星のカービィ ウルトラスーパーデラックス』『星のカービィ トリプルデラックス』で使われている。
    • ちなみに、なぜか無敵キャンディー取得時のBGMがこのタイトルに限りおなじみの曲から変更されていたりする。
  • さらにオマケとして対戦ミニゲームが3種類用意されている。
    • どのミニゲームもシンプルながら地味にハマる良作でハイスコアまで記録される。
    • どのゲームも1~4人用でプレイでき、プレイヤーで4人に満たない分はCOMが担当。多人数のプレイヤーでやると燃える
    • 操作キャラの選択こそあるがスペックは全員同じ(強いて言えばリアクションが違う程度)。なお複数人が同じキャラを選んだ場合は色違い(いわゆる2Pカラー)となる。
    • COMの難易度は「よわい(ステージ1)」「ふつう(同2)」「つよい(同3)」「めちゃつよ(同4)」の四段階で、1位を取るごとに次の難易度(ステージ)が解禁される。
      + ミニゲーム詳細
      • けんけんレース:名前の通り、様々な障害物を避けつつ地面に描かれた○印を跳んで行く(ステージ4は水場の上に飛び石が多数存在するデザインで、飛び石を渡っていく)ゲーム。レースごとに障害物の配置が変わるため、「コースを丸覚えする」という攻略法は通用しない。 1つずつ飛ぶ場合と2つずつ飛ぶボタンが設定されており、状況に合わせて素早く判断しないといけない。
        • 難易度が上がると障害物の種類が増えていく。種類は以下の通り。
          + 障害物
          • 水たまり:入る直前のマスまで戻される。ちなみにキャラごとに入った際の効果音が異なる。
          • カエル:首位のプレイヤーに対してのみ出現。こちらが追い抜くまでの間、一定間隔で1マスずつ跳び跳ねながらプレイヤーの進行方向と同じ向きに進んでいき、踏むと転んでタイムロス。水たまりやプレイヤーが一度引っ掛かった落とし穴に入ると消滅する。
          • バナナの皮/ギョッパー:早い話が移動しないカエルで、踏むと同様に転んでタイムロス。バナナの皮はステージ2と3、ギョッパー(本編に登場するザコ敵)はステージ4で出現。
          • 落とし穴/蓮の葉:水たまりと同様、落ちる直前のマスまで戻される。落とし穴とは名ばかりで、地面に○印がないため判別は非常に容易。蓮の葉も乗れるように見えるだけで踏むと水たまりに変化。落とし穴はステージ3、蓮の葉はステージ4で出現。
          • 亀:一定間隔で浮かんだり沈んだりする。浮かんでいる間は上に乗れるが、乗るタイミングを間違えたり乗ったままでいると水たまりに落ちてしまうので注意。ステージ4のみ出現するが、上に乗れる性質を利用する必要のある箇所が必ず2箇所存在する。
        • とるとるバトル:上から落ちてくる木の実(ステージ4のみ宝石)をどれだけ多くカゴに入れられるか、というゲーム。敵にぶつかると邪魔できたり、入れ替わって木の実/宝石を横取りできたりと「バトル」の名に恥じない内容。
          • ステージ2からは爆弾木の実(落下時に点滅している)/爆弾宝石(導火線が付いている)が混ざり、地面落下時に発生する爆風(範囲は大体キャラ2人分)に当たると取った木の実/宝石を全て失う。ステージ3→4となるにつれて爆弾が落ちてくる頻度が上がる。
        • おちおちファイト:8×8マスのステージで衝撃波を起こして前方の床を一直線に崩し、相手を落とすゲーム。ストックは5つで最後まで生き残ったら勝ち。床の崩れる速度と崩す際の隙のバランスが絶妙で、人によっては本編よりハマるとの声も。
          • 一人脱落する毎に端のマスが崩れて狭くなっていく。
  • 『3』では限定的だったボスの再戦が本作では正式に可能となっている。
    • しかし一部再戦できないボスが存在する。詳しい問題点は後述。

賛否両論点

  • ミックスによりコピー能力の数が増えているが、前作『3』とは違って攻撃力はどの能力でも同じなので、使いやすさによって能力の強弱がハッキリと分かれている。
    • 強力なのは遠距離から高速かつ誘導性能のあるミサイルを3発放つことができる《ボム+ボム》、特にボス戦において連射力と射程の長さで重宝する《ボム+カッター》、全身と左右、真上に広い攻撃判定が出る《ニードル+カッター》など。そのほかにも強力な能力は多数存在する。
      • 変則的なものとしては、《アイス+スパーク》は攻撃に扱いやすいとは言えないが、無限に回復アイテムを出せるという点でゲームバランスを崩している。
    • 逆に使いづらいものとしてよく挙げられるのは、《バーニング+アイス》。狭すぎる攻撃範囲・短すぎる持続時間・移動及びジャンプ不可の枷を背負っている。おまけに対応したコピー能力で壊せるはずのギミックが壊せない場所もあるなど、踏んだり蹴ったりの仕様。下記の能力とは異なり見た目も地味で、誰得なコピー能力になってしまっている。
    • 他にはスケートで滑る操作がかなり難しい《アイス+カッター》*3、自爆の危険性がある《ストーン+ボム》なども扱いづらいか。ただしこれらは独特の操作性とビジュアル面による魅力がある。
      • ただ、カービィが花火になる、下敷きで頭を擦って火を出す、カッターで体が細くなるなど…決して強くはないが、ユニークな発動方法を高く評価する声は根強くある。そのため、低評価の能力はあまり多くない。
  • 過去の作品と比べて大半のステージの難易度は低い。一部の強力なコピー能力を使えば、「かなり」がつくこと間違いなし。攻略法を知っていれば、このゲーム自体が実時間にして3時間程度でクリアできる。
    • そもそも各ステージは一つあたりが短く、また一部を除いてクリスタルのありか「自体」は非常にわかりやすいこともクリアしやすい一因。
      • 特に苦労をしてクリスタルを全て集めて出現する真の最終ステージ・ファイナルスターはエヌゼットしか敵がいない非常に短いエリアが2つあるだけで、しかも2つめのエリアは回復ポイントとボス戦への入口があるだけで単なる真のラスボスへの通過点のようなものになっており、非常に呆気ない。レベル7の割にも合っていない。
      • ただし一部のステージは他の作品のエキストラステージや高難度ステージにも引けを取らない程難しい。工場ステージのプレス機地帯や溶岩に追いかけられる火山ステージは相当なひやひや感を味わえる。そんなこともあって、工場ステージのBGM「こうじょうけんがく」は違う意味で有名になってしまった。
      • クリスタルの配置もその一部は結構難しく、画面外ギリギリの崖下に浮かんでいたり、入手方法の関係上別のステージから特定のコピー(ミックス)能力を維持しなければならないステージも所々ある*4
      • またホバリングに制限があるため、従来の作品ではホバリングを使って難なく復帰できるような穴でも、今作では落ちたら戻れない場合がある。
    • 多くのステージで中ボスに当たる「ルームガーダー」が配置されているが、これも大体は初見ノーダメで攻略できるレベル。
      • ほとんどのルームガーダーは単なるデカい雑魚であり、取り巻きの雑魚を無限に召喚しながら散発的に攻撃してくるだけ。個体によってはそもそも攻撃すらしてこない単なるデカい的であることも。過去シリーズの個性的な中ボス群に比べると、種類だけは多いが無個性かつ弱い。
    • ボス戦はミックス能力はおろか、通常のコピー能力を使いこなせばたいてい楽に倒せるほど簡単。
      • これはコピー能力を使わない前提にしたゲームバランスにしているのが原因であろう。ボスは一定タイミングでカービィが吸い込める飛び道具を使うパターンとなっており、ボス敵の体力ゲージ自体は多いのだがこちらから一度に与えられるダメージがコピー能力、吐き出し共に一定でしかも与える量が大きいのである。コピー能力が事前にあれば吸い込む手間が省けるため、楽に倒せてしまう。
    • 特に真ラスボスの圧倒的弱さは、カービィシリーズどころか、アクションゲーム全体で見ても語り草になるレベル。
      • シリーズお馴染みのシューティングで戦うボスだが、ダメージを与える手順が少々ややこしいこと以外は、散発的かつやる気のない攻撃モーションのせいで、ほぼ手こずる要素がない。時間がかかると言っても、手慣れたプレイヤーなら1回の攻撃チャンスで全体力を削り切るのも不可能ではないレベル。演出やBGMに関しては非常に好評なのだが……。
    • しかし最終盤(レベル6「リップルスター」)のボス「ミラクルマター」は他のボスとの強さの違いがかなり大きく、本作屈指の強敵と評され、星のカービィシリーズ全体でもかなりの難易度を誇る。
      • ミラクルマターはこちらの特定の攻撃以外を完全防御する見えないバリアを展開しており、ダメージを与えるにはミラクルマターが取るそれぞれの変身体と同じ属性(コピー能力)か、攻撃の際に残すモノを吸って吐いてぶつける必要がある。おまけに後述のぼすぶっちではコピー能力が使えないのに弱点の法則も変わらず適用されるので本編以上に攻撃できるチャンスが限られ、難易度が上がる。
      • しかし、戦闘中はバリアに関するヒントが全く提示されず、事前情報無しだと手探りで弱点を探らなければならない。そのためバリアの仕様を理解する頃には体力・残り人数共に消耗させられたプレイヤーが多発することに。
      • 何より頻繁に変身を繰り返す(=弱点を切り替える)行動パターンの性質上、一つのコピー能力で戦い抜くことは必然的に不可能という星のカービィシリーズではかなり特殊なボス。しかも形態一つ一つに体力が設定されており、それがなくなるとその形態を二度と使用しなくなる*5。形態をすべて倒せば撃破という扱いのため、嫌でも能力を外して戦わなければならない。前述のアイス+スパークといった強力なミックスコピーもここで限界が来るため、コピー能力なしでの戦いに慣れていないと少々辛い。
    • 他のボスに関しても、コピー能力が使えない「ぼすぶっち」になると難易度が大きく上がる。
    • オマケ要素であるミニゲームについては、CPUの強さと連動してステージそのものが高難度化するのでなかなか手ごわい。
    • ぼすぶっちやミニゲーム、後述のカード集めも含めて、本編よりもおまけ要素の方に難易度が偏っている設計。
  • 大きく一新された登場キャラクター。
    • 特にボス勢に顕著で、ウィスピーウッズとアクロ以外は全員新規。お馴染みのクラッコすら未登場というかなり異色の面子である。
      • 雑魚敵も、本作で初登場したものが非常に多い一方で、過去作からの続投キャラは少数派というかなり思い切った人選となっている。
    • キャラデザに関してはカービィの世界観から逸脱しているものではなく、大きな不評点は少ないが、なぜか本作出身のキャラは以降のシリーズで妙に冷遇されている(詳しくは余談参照)。
  • 3同様、未クリアでもステージから出られる代わりに*6ポーズ画面によるコピー能力の説明が廃止されている。
    • ミックスコピー能力がある本作において使い方を手探りで調べる必要があり非常に痛い点である。また単純に説明が見ていて楽しいので惜しい仕様である。
    • なお「夢の泉デラックス」以降の本編では全て解説がある。

問題点

  • ストーリーが始まる前に聞かれる質問で「カービィのコピーのうりょくのつかいかたを...」と聞かれるが、「しってる」を選択するとSDXとは違い、古参向けの説明もなしにゲームが開始する。
    • 結果としてコピー能力ミックスについての説明も聞きそびれるため、罠が最初手から存在する。
  • 特徴の点でも述べたが、カービィの行動が一部制限されている。慣れれば問題は無いものだが、従来とは異なる性質なので気になる人もいる。
    • 特にホバリングの制限、移動スピードの異様な遅さはよく指摘される。
    • また、リフトアップのアクションは反応する敵がそれほど多くないので、投げてぶつける以外の存在意義が薄くなってしまっている。
  • クリスタル収集の難易度
    • ステージ難易度自体は高いわけではないが、100%クリアの為にノーヒントでクリスタルを集めるとなると中々苦労する。
      • 一部クリスタルは収集の為に色ブロック(ブロックの色と同じコピー能力で破壊可能)や地形を破壊する必要があるのだが、単体コピーだった『2』『3』とは異なり、ステージが進む度にミックスコピーが要求される傾向にある。またこの点は説明書やゲーム内での解説が一切ないため、無情報で気づくのは意外と難しい。
      • 一部のステージでは、クリスタルが隠されている地形に対応するコピー能力がそのステージでは入手できなかったり、(中ボスや強制スクロールの影響で)フロアが封鎖されてコピー入手のための逆走ができなくなるといった制約があり、レベルが進むにつれてこのような場面が目に見えて増えてくる。このため、対応するコピーを保持したまま慎重に進めたり、別ステージから持ってくるといった対応が必要になる。
        初回で何があるか分からない場合、偶然持っていなければやり直してコピーを持って来なければならず、また一見してもヒントや配置が分かりにくいものも存在する。
      • 一度仕組みがわかれば問題はなく『3』ほど理不尽なものはないが、ネットが普及していない当時は攻略本がないと100%クリア出来ない事態に陥るプレイヤーが多発。現在でも完全ノーヒントで100%クリアを目指すとなるとシリーズ内でもなかなかの難易度である。
  • 倒してしまうと二度と再戦できないボスが存在する。
    • 該当するのは、1-1、1-2、1-3の中ボスの黒い雲に憑依されたワドルディ・アドレーヌ・デデデ大王の3体。1度倒してしまうと以後そのファイルでは再戦できなくなる。クリア後再度ステージに入っても再戦不可能*7で、おまけの「ぼすぶっち」でも一切登場しない。倒さずにクリアする事は絶対に不可能なため、どうしても再戦したい場合には最初からやり直すしか方法がない。
    • 彼らに関しては、悪に操られてカービィが倒したら元の姿に戻り仲間になるという設定なので再戦できないのは当然といえば当然である。とはいえラストステージあたりで彼らとも戦えるボスラッシュくらいあってもよかったのでは、という声もなくはない。
      • 彼らと戦うのは1面ステージなので、再戦の為のやり直しにかかる労力が然程大きいものではないのが救いか。
  • やりこみ要素のカード集めは後半になると入手済みのカードを入手してしまう確率が極端に上がるため、コンプリートに時間がかかる。
    • 本作1周クリアまでにカードを手に入れる機会は、同じステージに再突入しなければ22回。一方カード全入手には80回以上ステージをクリアする必要がある。
    • カードも名前とグラフィックしか表示されず、揃えても特典がないため、集める楽しみが薄い。また、まれに倒す前のボスキャラの物を入手してネタバレになってしまうことがある。突然ラスボスのカードが手に入ってしまうことも
      • 説明書には「ボスのカードは倒すまで手に入らない」と書いてあるのだが……プログラムのミスだろうか。
  • カービィダンスがない。
    • シリーズでは毎回恒例だったクリア演出のカービィダンスが一切無くなってしまった。
      • 前作『3』ではステージクリア時こそ無かったものの、ボス撃破時にはしっかりダンスを踊っていた。しかし今回はボス戦後だろうと一切踊らず、シリーズファンにとっては少々寂しい事になっている。
      • ちなみに今回の勝利演出はカービィが手を振るだけのあっさりしたもの。いつものファンファーレも流れない。
    • ファンファーレ自体はサウンドテストには収録されているが、本編中に聴く機会は無い。
  • ワープスターの出番が少ない。
    • クリスタルに役を奪われたためか今まで続投だったワープスターが本作ではステージ中にもボス撃破後にも登場せず、最後のラスボス戦前でようやく姿を見せるため通常エンドでは一切登場せず影が薄い。
      • 他にはのちのソフトを含めても「毛糸のカービィ」だけである。こちらは一切登場しないが。

総評

グラフィックの3D化やコピー能力のミックスなどの新要素が取り入れられ、64に合わせて順当に進化した『星のカービィ』。
その一方で一部アクションが制限されていたり難易度が低くなっていたりするため、SDXのような刺激的なアクション性を求める人にはやや物足りない内容と言わざるを得ないのも事実である。

しかし、バラエティ豊かなコピーのミックスやちょっぴり黒いけれど和やかで可愛らしい世界観やBGMの評価は高く、ナンバリング作品の看板を背負うにふさわしい良作である事は間違いない。


余談

  • スーパーマリオ64』など任天堂発売の作品のほとんどは「64」の部分を「ろくじゅうよん」と読むが、本作ではCMも含めて「ろくよん」読みに統一されている。
    • 「ろくよん」読みの作品は『ハイパーオリンピック イン ナガノ64』や『電車でGO!64』などサード製ソフトが多かった。
  • カービィシリーズ初の3D作品と言う事もあってか、上記で挙げた演出の他にキャラの造形もやや独特で、特にデデデ大王のデザインは他作品とは大きく異なっている。
    • 体型が洋梨のような形になっているばかりか、デデデの特徴とも言うべき分厚い唇は尖った嘴のようになっている。時折ペンギンに似ていると言われるデデデだが、本作の彼はまさにそれである。
  • 今回の敵である「黒い雲」の勢力は見た目、名前、能力と明らかに前作までの敵「ダークマター族」の系統なのだが、彼等の正体についての発表が一切無い為、公式設定ですら現在までも関連性、及びその正体は不明となっている。
    • 以降のシリーズでも似た名前や外見の悪役が幾つか登場したが、いずれも詳しい設定や過去作との関連性についての発表は無い。
    • ちなみに海外版では今回の敵勢力もダークマター族と明言されている。
  • 上述の通り、アドレーヌとアドの関係は今を以ても不明だが、当時の媒体では同一人物として紹介される事も少なくなかった。
    • また、コロコロコミックの漫画版カービィ「デデデでプププなものがたり」(通称「ひかわカービィ」「デデププ」)や『3』の四コマアンソロジーでは既にアドレーヌの容姿のアドが登場している。これは『3』発売前から『64』の開発は始まっており、『64』上におけるアドレーヌの資料がアドとして作家陣に配られていた為と推測されている。
      • この事から、製作サイドでも当時は同一人物として扱われていた可能性が高い。しかしこれも敵勢力の正体と同様、公式の発表が無いまま時が流れ、結局あやふやなまま現在に至る、と言った所だろうか。
      • カービィの生みの親の桜井氏(本作にはデデデの声以外には関わっていない)は「カービィの座右の銘は必要に迫られて決めた」「カービィがどこから来たのかは不明。そうしておきたかった」などと、設定を定めることに消極的な態度を見せている。細かい設定は想像に任せるというスタンスで、公式発表も敢えてしなかったのだろう*8*9
    • 尚、「デデデでプププなものがたり」ではアドとアドレーヌは特に区別されていない*10。当初こそ服のボタンの形や髪の色に多少の差異はあったが、アド時代からキャラそのものは変わっておらず、同一人物である事が窺える作りになっていた。
      • 2019年に刊行された傑作選ではアド時代のエピソードの名前表示が「アドレーヌ」に変更されており、明確にアドレーヌと同一人物だったとされた。欄外の作者コメントからも、最初から同一人物として描かれていた事が窺える。コロコロ連載時代でも時折「アド」と呼ばれることもあり『「アド」は「アドレーヌ」の愛称』という解釈になっている。
      • コロコロ連載終盤はアドレーヌもリボンも全く姿を見せなかったが、連載再開後はまた登場するようになっており、特にアドレーヌは頭身が高めに描かれる事が多くなった。作者であるひかわ博一氏の話によると、唯一の人間タイプキャラであるアドレーヌは描くのに毎回苦労するようである。
        一方で妖精であるリボンの方が描きやすいとコメントしている。
  • 真ラスボス戦のポーズ中の仕様について
    • ゲーム中にスタートボタンを押すと、普通は「つづける」「でなおす」になるのだが、真のラスボスと対戦しているときだけは「つづける」「がんばる」となっていて、中断ができなくなる。
  • オプションメニューから画面下部のパネル表示を変更することが出来る。
    • 中にはライフ表示が「気」「鬱」(全部「鬱」になったらミス)、コピー能力が「針」(ニードル)「石」(ストーン)というように漢字表記になるものもある。
  • 実はレベル5のボスには時限要素がある。
    • ボスが少しずつ足場を破壊しながら追いかけてくるのだが、あまりに時間が経ちすぎると行き止まりとなり、最終的にボスに弾き出される形で1ミスとなる。ちなみに、同じように追いかけられながら戦うレベル3のボスは時間無制限。
      • とはいえ普通にプレイしていればそうなる前にボスを倒すか、あるいはカービィがやられてしまうかすることが大半。ボスを普通に倒せるプレイヤーがわざと手を抜くなどしなければまず到達しないレベルの制限であるため、気づかなかった人が大半であった。
  • 星のカービィ 20周年スペシャルコレクション』で公開された資料によると、ワドルディを2Pキャラとして操作する予定があった模様。
    • メインでなければ『SDX』のパラソルワドルディや、『タッチ!カービィ』等でも操作可能だが、メインキャラとしてのワドルディが操作可能になるのは『星のカービィ Wii』を待つことになる。
  • 何故か本作初登場のキャラクターは以降に発売されたタイトルへの出演が少ない、あるいは出演がない等の傾向があった。
    • その中には「本作においてワドルディが味方として参加している」事に伴う代替キャラも含まれており、能力無し雑魚敵のポジションをそちらに譲ってワドルディを本格的に自機キャラor仲間NPCにする…という方策もできない訳ではない筈なのだが、そのような動きを見せる気配も一切無い。
    • 一部ではプロデューサーの違いによる版権上の問題とする説もあるが、真偽の程は不明である。現在、カービィキャラの版権は株式会社ワープスターで一括管理されているし、更に本作初登場のキャラが1体だけ、後にGBCで発売された『コロコロカービィ』に出演しているので信憑性は薄い。
    • また、本作ではコピー能力を持つ敵がコピー能力1種につき6種ほどだが、本作以降のゲームソフトでは1種のコピー能力につき敵が2~3種程度になっているのも関係していると思われる。
    • 後年放送されたカービィのアニメにおいても、スタッフの異なる多数のカービィ作品のキャラが登場する中で本作初登場のキャラだけが1体も登場していない。
      • キャラクター以外にも本作の要素は「水中でも吸い込みができる」「ストーンで石になったまま動き回れる」「吸い込んだものを星にせずに吐き出す*11」と言った点くらいくらい。
    • ただし、コロコロコミックや学年誌におけるカービィの漫画においては普通に本作のキャラが数体登場している。
    • Wiiで発売された『星のカービィ Wii』には、本作品に登場したザコとほぼ同じ性質、見た目の敵がいるがいずれも別物扱いである*12
    • 転機が訪れたのは『トリプルデラックス』以降。サブゲームにて工場ステージの有名な即死ギミック「巨大ハンマーロボット」がまさかの復活。完全に原作そのままではなく、口の部分が開閉・回転するモーションが新規に追加されているものの、元々一ギミックであったこれをキャラクターにカウントした場合、長らく続いた「64キャラの不参加」は遂に終止符を打たれた形となる。
    • さらに『星のカービィ ロボボプラネット』では「アドレーヌ」と「リボン」のステッカーが入手可能。実に16年ぶりの登場である。
    • また、旧作からのキャラの復活参戦が多く採られた2018年の最新作『星のカービィ スターアライズ』には本作からも「プラズマ」能力のキャラとしてコンセが、アップデート追加のヘルパーとしてなんと「アドレーヌ&リボン」が参戦。コンセは実に18年越しの再登場となった。また、この登場に伴う「ニンテンドードリーム」でのインタビューで何らかの事情(詳細は不明)があって出したくても出せなかったということが明らかになった。これを皮切りに他のキャラも登場できるものと思われる。
    • ゲーム外ではあるが、『ロボプラ』と『スタアラ』の間に漫画『星のカービィ 今日もまんまる日記!』でアドレーヌが登場していることから、『ロボプラ』周辺でその事情が解決されたものと思われる。『スタアラ』後は書籍『星のカービィをさがせ!カービィがいっぱい』にゴロピョンやギョドンといったキャラが登場したりしており、ゲーム内外問わず『64』キャラが日の目を見始めている。
  • 一方で、本作のBGMに限っては後発作品でもよく使われている。
    • 特に「ルームガーダー」は後年のシリーズにおいて中ボスの曲に採用されることが多くなった。
  • 本作の特徴である「コピー能力ミックス」は『参上!ドロッチェ団』や『スターアライズ』にも類似する要素が存在するが、仕様はやや異なりバリエーションも少ない。
    • ボムやソードなど一部コピーに属性が付加するのみで、「ハンマー+ソードで斧」といった各コピーの組み合わせを楽しめるような仕様ではない。もっともコピー能力の種類自体は『2』『3』『64』の単体能力とは比べ物にならないほど多く、それだけ技の組み合わせやその性質も多種多様、かつ複雑になってくる為止むを得ないという事情はある。
  • ボムやスパークストーンの能力は、開発中は製品版の物と異なっていた。
    • ボムは自分自身が爆弾に変身して攻撃する能力。スパークストーンは磁石になって押しつぶす能力だった。
    • 「デデデでプププなものがたり」の14巻の背表紙(および同書本編のとある話のラストシーン)では、開発段階でのカービィ64のボム能力が登場していた。ゲームに登場しない能力ゆえ疑問に思っていた人も多いのではないだろうか。
    • なお「デデデでプププなものがたり」作中で、『3』すら発売されていなかった雑誌掲載当時、カービィが「64のカービィはいつになったら出るんじゃー!」と発言し、周囲に「それは大声で言ったらあかん」と制止される場面がある*13
  • サウンドテストのとある効果音をスロー再生すると"いろは歌"になるという不気味な要素がある。
    • ゲーム内で使用されている場面は見当たらず、何のために作られた音声なのかは全くもって不明。
    • 近年に入り、とある海外プレイヤーが発見した要素。ネットのどこを見ても詳細が見当たらなかったため、動画サイトでこの事実を公表するに至ったという。
  • サウンドテスト(ミラクルマター撃破後のセーブデータのオプションに追加される)で聴ける曲のうち、3曲のみゲーム中のどこにも使われていない曲が存在する。
    • このゲーム中のどこにも使われていない3曲はサウンドテストのNo.2、No.61、No.62。ちなみに3曲とも過去作品に使われていた曲のアレンジ版である。No.2は星のカービィ3でおとも達がいる部屋内で使用されていた曲のうちの1つで、No.61とNo.62は星のカービィシリーズの多くでステージクリア時に流れる曲(No.61:ロング版・No.62:ショート版)である。
  • 前作が『星のカービィ3』で本作が『64』なので、しばしば「『4』から『63』はどこに行った?」とネタにされる。
    • 尤も、それまでのナンバリングを無視してタイトルに「64」を冠するというのはニンテンドウ64で発売された多くのゲームに見られる慣習のようなものであり、このようなネタも別に本シリーズに限った話ではない。
  • サントラがリリースされた数少ないシリーズ作品の一つだが、収録漏れが多く、非常に残念な仕様になっている。
    • なお、未収録となっていた一部の曲は、後に発売されたCD「星のカービィ ベストセレクション」などに収録され、正式に音源化されたものもある。
  • シリーズ恒例のボスラッシュモードであるが、「コピー能力が使えないボスラッシュ」は現時点では本作が最後である。
  • 本作のCMには、カービィ役の大本眞基子と元おはスタの山寺宏一が声優として出演している。全3種類。

移植

  • 2008年4月15日にはWiiの、2015年8月19日にはWii Uのバーチャルコンソールにて、それぞれ配信がされた。
  • 2012年7月19日発売のWii用ソフト『星のカービィ 20周年スペシャルコレクション』に収録されている。
  • 2022年5月20日より『NINTENDO 64 Nintendo Switch Online』の追加タイトルとして配信が開始された。
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  • ニンテンドウ64
  • 星のカービィ
  • 任天堂
  • HAL研究所
  • 2000年

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最終更新:2023年10月10日 13:53

*1 一部ボスではコピー能力を持つ敵も出てくるが、飲み込んでもスカになる。

*2 カービィに限って言えば、ゲーム外だが『夢の泉の物語』のCMや、1994年に発売された「星のカービィ おしゃべりCDコミック」(川田妙子女史が担当)でも声が付いている。

*3 『スーパーデラックス』等、他のシリーズ作品でもアイス能力所持時にダッシュがスケート滑走になるものがあるが、それらの比にならない程操作性が悪い。具体的には、一度ジャンプすると操作不能になってしまう。当然うっかり穴に落ちたらそれで終わりである。

*4 『3』でも同様に「特定の仲間(そのステージにはいない)をゴールまで連れていく」というステージが存在するにはしていたが、終盤の1ステージのみであり、それ以外の「特定のコピー能力(『特定の仲間と一緒である』が必要な場合を含む)を使う」「特定の仲間をゴールまで連れていく」が要求されるステージでは、そのステージ内でコピーも仲間も調達が可能となっていた。

*5 「特定の形態時のみ集中攻撃する」という戦法が使えない

*6 真のラスボス戦のみ脱出不可

*7 戦った場所は素通りするだけになる

*8 熊崎信也氏が総括するようになって以降のシリーズ作品はその限りではない。

*9 後の『ディスカバリー』発売時にもストーリー性の強い熊崎カービィに対して意見を述べており、「"理不尽を楽しむ"という自分のスタンスが時代に合っていない部分があるのは理解している」「しかしカービィが続くなら"不思議"を忘れないで欲しい」と語っている。

*10 しかもこちらでは「人間」とはっきり記されている。

*11 後期OPでは星にして吐き出している。

*12 もーれつプププアワー!を除く。

*13 この頃は『カービィボウル64』に『カービィのエアライド』と、ニンテンドウ64ソフトとして発表されていたカービィ作品が軒並み開発中止になり、ニンテンドウ64が発売されてしばらく経つのに一向にカービィ作品が発売されない状況であった(そんな中でようやく登場した『3』もSFCソフトだった)。