本項目ではPSP用ソフト『スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園』と、カップリング移植版であるPS4/PSV用ソフト『ダンガンロンパ 1・2 Reload』に加え、PC移植のSteam版『Danganronpa 2: Goodbye Despair』とDMM.com版の紹介をしています。



スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園

【すーぱーだんがんろんぱつー さよならぜつぼうがくえん】

ジャンル ハイスピード推理アクション(ADV)
対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売・開発元 スパイク・チュンソフト
発売日 2012年7月26日
定価 パッケージ:6,279円
超高校級のスーパー限定BOX2:9,429円
ダウンロード:5,200円(各税5%込)
レーティング CERO:C(15才以上対象)
判定 良作
ポイント 前作のネタバレ満載の続編
議論要素が増え、更に白熱する「学級裁判」
本シリーズならではの終盤の急展開は逸品
推理要素や演出も本格化して没入感アップ
おまけモードややり込み要素も増加
ダンガンロンパシリーズ

概要

独特な世界観と個性的な登場人物などが口コミを通じて話題になった前作『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』の続編。
ジャンルは前作と同じ「ハイスピード推理アクション」で、学園内で起こる殺人事件の謎を解く「学級裁判」パートでは、シューティング・リズムアクション・パズルなど、様々なジャンルが融合した推理を行う。

本作のデザインテーマは「サイコトロピカル」であり、テーマが示すように前作に比べ開放的な舞台になり、全体的な雰囲気に明るさが増した。


ストーリー

各分野において優れた才能を持つ超高校生級の少年少女のみが入学できる「私立 希望ヶ峰学園」
新入生として第一歩を踏み出そうとしていた主人公・日向創は、急なめまいに襲われて意識を失ってしまう。

目の前に現れた扉を開くとそこは教室で、日向と同じ15人の新入生が集まっていた。
そして、突如現れた喋る謎のヌイグルミ「ウサミ」から奇妙な課題を言い渡される。

 「新入生たちは、リゾート地として有名な南の島・ジャバウォック島で修学旅行をしなければならない。
  島から帰還する唯一の方法は、この島で友情を深め、希望のカケラを集めること。」

ハリボテだった教室が壊れたかと思うと、現れたのは南国の風景。
こうして、島からの帰還を目指しつつ、希望を育む「ドッキドキ修学旅行」が始まった……かに思われた。


特徴・評価点

変更点・新要素を中心に記述する。基本的な部分は前作と同様なので、併せて参照のこと。

基本システム

島内を歩き回るADVパートと、事件の犯人について議論する学級裁判パートの二本柱からなる。

変更点

  • チャプターセレクトの選択肢追加
    • 前作ではチャプターの冒頭か学級裁判の冒頭のどちらかから開始できたが、本作はさらに捜査パートの冒頭から開始可能になった。
      • また前作ではクリア済みのパートの冒頭からしか始められなかったが、本作では進行中のパートの冒頭から始めることも可能となっている。

新要素

  • おまけモードの追加
    • アドベンチャーゲームという体裁上「一周すれば終わり」であった点を改善すべく、やりこみ要素という意味も含め追加された。
    • 本作ではシナリオを進めるとおまけモード「魔法少女ミラクル☆モノミ(アクションゲーム)」「だんがんアイランド どきどき修学旅行で大パニック?(アイランドモード)」が遊べるようになる。
      これらも本編と密接に関わっている背景が存在しているものの、ネタバレになるので詳細は伏せる。
      • アイランドモードでは「モノクマメダル」やキャラの好感度を稼ぐことが可能。前作のようにストーリーを周回プレイして稼ぐ必要は無くなっている。
    • さらに、前作のIFストーリーが読める「ノベルモード」が存在する。執筆を担当したのは、『バッカーノ!』などで知られるライトノベル作家の成田良悟氏。
      • 舞台の異なるおまけモードである都合上、完全なノベル形式で演出は殆どないが、それなりのボリュームをもって書かれている。
      • 前作では序盤で退場してしまったキャラクターにも見せ場が与えられているのも嬉しい。
  • ウサミフラワーの追加
    • いわゆる実績システムの実装。シナリオをクリアする、ノーミスでクリアするなど諸条件を達成すると実績が解除され、ページで解除実績を確認できる。
      • 後述の『ダンガンロンパ1・2Reload』ではトロフィーの追加に従い廃止された。
    • 特に獲得報酬などはない。
  • 超スキップの追加
    • ×ボタン押しっぱなしでメッセージを飛ばせるが、本作は同時に方向キー↓を押すことでスキップ可能になった。
      メッセージのみならずイベントシーンまでも高速でスキップ可能。

ADVパート

変更点

  • 三人称視点による移動
    • 前作では常に3Dの一人称視点でマップを移動していたが、本作ではマップ間の移動は2Dの三人称視点となり、施設内でのみ3D一人称視点となっている。
  • スキルの習得方法
    • 前作では自由行動時間におけるキャラとの交流で直接スキルを習得していたが、本作ではキャラとの交流後に「希望のカケラ」を取得、これを消費してスキルを購入する形になった。
      • これにより、キャラが途中で死亡してそのキャラのスキルを取得できない、という前作での欠点を克服している。
      • 冒頭のプロローグでキャラ紹介イベントがあるが、そこである程度の希望のカケラを確保出来るため最初からある程度のスキルを所有したまま学級裁判に挑めるようになった。
    • この他、交流イベントの各キャラコンプリート特典や電子ペットの報酬でも固有スキルが習得でき、習得方法が多様化している。
    • また、希望のカケラ収集に特化したモードが追加されたため、キャラ死亡による影響はかなり薄くなっている。

新要素

  • レベル制の導入
    • 移動や会話など各種行動で経験値が貯まり、一定数貯めるとレベルアップする。
    • レベルは前作でいうスキルポイントにあたり、レベルが上がるほど学級裁判における発言力ゲージが上昇し、スキルのセット可能数も増える。
  • 電子ペット
    • 生徒手帳で電子ペットを育成することができるようになった。ペットは時間経過ではなく、マップ移動中の歩数で成長する。
      • 高速移動やワープを使うと歩数はカウントされない。また、放置プレイ防止のためか、一度にカウントされるのは2000歩まで。
    • 希望度と絶望度のパラメータがあり、アイテムをペットに与えることで数値が変動し、成長に変化が現れる。糞を放置すると絶望度が上昇していき、最悪死亡してしまう。更に放置するとペットは幽霊となり、死体は骨と化している。
    • 最後まできちんと育て上げると、ペットからプレゼントを貰える。ものによってはスキルも入手可能。
  • カクレモノクマ
    • マップの各所にモノクマの人形が隠されており、調べると入手できる。
      • カクレモノクマは△ボタンで使える「観察眼」(調べられる場所が丸で囲まれて表示される)には反応しないようになっている。
    • 設置数は1章につき5つ。その章で新たに行けるようになった場所にのみ設置されており、過去の場所に遡って設置されることはない。
    • 入手すると報酬のモノクマメダルが貰えるほか、人形が部屋に飾られていく。実績要素の一つでもある。
    • これにより、前作にあった特定の場所を調べるとモノクマメダルが得られる要素は廃止された*1
  • アイテム入手方法の追加
    • 前作はプレゼント用のアイテムはガチャガチャ形式のモノモノマシーンから手に入るランダムのものだけだったが、本作は同じガチャ形式のモノモノヤシーンに加えて確実にアイテムが手に入る自販機も登場。
      • 自販機からモノクマメダル1枚で手に入るミネラルウォーターはプレゼントにもペットにも使いやすい。汎用性が増している。
      • 前作同様、あるタイミングで特定アイテムを所持しているとミニイベントが発生するようになっている。
        イベント用アイテムは自販機で入手できるため、前作よりもイベントを発生させやすくなった。また、イベント数も前作より増えている。

学級裁判パート

学級裁判は本シリーズの目玉であり、仲間を殺した生徒1人「クロ(真犯人)」とそれ以外の無実の生徒全員「シロ」の、生き残りと卒業を賭けた戦いである。
シロ側がクロの特定に成功すればシロの勝ち、失敗すればクロの勝ち。負けた方は処刑される。

変更点

  • 結果画面の削除
    • 前作では各議論、各ミニゲームのクリア後すぐに結果画面が挟まれていたが、本作では削除。学級裁判クリア後に一括で結果が表示されるようになった。
  • 二部構成に変更
    • 本作の学級裁判は二部構成になっており、前半終了後にセーブするかどうかが問われる(セーブそのものは裁判中でも自由に行える)。
      その後モノミの会話パートをはさみ、後半へ突入するようになった。
      • 前作と比べ、学級裁判のボリュームが増したことによる配慮と思われる。
  • ミニゲームのシステム変更
    • 「ノンストップ議論」に新要素が追加。
    • 前作における「マシンガントークバトル」「閃きアナグラム」がリニューアル。「パニックトークアクション」「閃きアナグラム(改)」になった(変更点は後述)。
    • 「クライマックス推理」の仕様変更。前作では初めから全てのピースが与えられたが、本作では何回かに分けて与えられるようになった。
      • 本作では、マンガの穴だけでなくはめるコマにもヒントが表示されるようになった。
      • 前作は再現パート中に選択肢の正誤が判定されていたが、本作はコマをはめた段階で正誤が判定され、全て正解して初めて再現パートへ進める。

新要素

  • ノンストップ議論に発言への「同意」が追加
    • 本作では、発言に含まれた矛盾を指摘する「論破」の他に、逆に発言を証拠で補足して正しいと証明する「同意」が可能となった。
      • 「同意」の方法は「論破」と同様で、発言に根拠となる言弾を当てることで同意成功となり議論が進む。
      • 発言が「論破」できるか「同意」できるかは各々決まっており、色分けされて区別される。
      • 論破箇所と同意箇所が同時に出現する議論パートもあり、論破すべきか同意すべきかは推理して判断しなければならない。
    • ちなみに、アイランドモードにおいては、特殊なパターンである「ココロンパ」というものも存在する。
    • これにより「新しい方向性を提案する」「提案や思いつきを補強、証明する」ということがプレイヤーの手でできるようになったことで、「『発言の矛盾を指摘する』ことが基本」という推理ADVのイメージを脱却し、「議論をしている」臨場感も大きく増すことになった。
  • パニックトークアクション(PTA)
    • 前作のように各マーカーに対して○ボタンを断続的に押すのではなく、○ボタンを押し続けて次々にマーカーを反応させる仕様となり、よりスピード感が増している。
    • 最後のトドメの場面は、4つのボタンに対応する4つの断片的な言葉を並べて、事件のキーワードを完成させ相手に撃ち込むことで勝利となる。
  • 閃きアナグラム(改)
    • 前作ではキーワードの欠落した部分を補完する穴埋め形式だったが、本作では問題文と文字数から推理して必要なキーワードを一から完成させなければならない。
    • 文字入れの仕様も大幅に変更。本作では流れてくる文字をそのまま解答欄に送ることはできず、まず同じ文字と合体させる必要がある。
      • 画面の上下左右から流れてくる文字は○ボタンでストックでき、任意のポイントでもう一度○ボタンを押すとそこに落とせる。これによって場所を調整する。
      • 同じ文字が接触した場合はその文字がくっつき大きな文字となって停止し、○ボタンで消すか△ボタンで解答欄にはめ込むことができる。
        文字の接触を待たずとも、ストックした文字を同じ文字の上に落とせば任意にくっつけることができる。
      • 異なる文字同士がぶつかる、大きくなった文字が使われず一定時間放置される、あるいは間違った文字を解答欄にはめ込んだ場合はダメージを受けてしまう。
        そのため、ノーダメージを達成するためには単に正解の文字を順番に解答欄に当てはめていくだけではなく、「不要な文字は消去したり場所を調整して画面外に流れるようにするなど、工夫して衝突を防止する」というテクニックも必要となる。
      • 同じ文字を複数くっつけることが可能で、くっつけた文字の数が多いほど(前述の時間制限などでリスクは上がるが)高得点が得られる。
        得点は画面左上にスコア形式で表示されるが、裁判成績には一切関わらない。
      • 前作では物語の進行に伴う難易度の上昇はほとんど推理面のみだった*2が、こちらは物語が進むにしたがって同時に出現する文字が増えることで文字が接触しやすくなり、アクション面でも大幅に難易度が上がっていくようになった。
  • 反論ショーダウン
    • 推理を進めていると他の登場人物が「反論」を仕掛けてくることがあり、ミニゲーム「反論ショーダウン」に突入する。
    • 反論ショーダウンでは、画面内を流れる相手の発言を次々と方向キーかスティックの入力による剣撃で「斬る」ことで破壊していく(回数制限あり)。
      • 画面にはラインが引いてあり(初期位置は中央)、それぞれの発言を消えるまでに破壊すれば相手側に、破壊できず時間経過で消えてしまった場合は自分側に移動する。
      • ラインを相手側の特定地点まで押し込めば成功となり、次の議論に発展する。わずかに届かない場合はボタン連打による「鍔迫り合い」勝負になる。
      • 逆に、自分側にラインを完全に押し切られると「逆発展」が発生して一つ前の議論に戻される。議論が発展していない状態で「逆発展」が発生すると、発言力にダメージを受けてしまう。
      • 議論が発展すると相手の発言内に黄色の「ウィークポイント」発言が発生する。このウィークポイントはノンストップ議論で発生するものと同様であり、「論破」するための証拠*3を△ボタンで提出し斬り裂くことで勝利となる。なお、ウィークポイントは方向キー・スティックでの剣撃で斬ってはいけない発言であり、斬ってしまうとラインを大幅に自分側に押し込まれてしまう。
    • 「反対意見を切り崩さないと自分の意見を通せない」という場面で効果的に使われており、めいめいが自分の意見を言い合うノンストップ議論との対比としても機能している。
  • ロジカルダイブ
    • スノーボードを模したレースゲーム形式のミニゲームで、パイプ状のコースを加速やジャンプを駆使して進んでいきゴールを目指す。
    • コースにはチェックポイントがあり、コースアウトした場合はダメージを受けチェックポイントからやり直し。壁・ジャンプ台・穴などのギミックもある。
    • 途中で事件に関する問題が出題され、2~3択内の分岐を選んで進む。
      正解のコースならそのまま進めるが、間違った答えの場合はコースが途中で切れているため強制的にコースアウトとなり、チェックポイントからやり直しとなる。
  • スポットセレクト
    • 事件現場などの一枚絵の中から、怪しい場所を選択して指摘する。
    • また、前作で登場した人物指名も続投している。前作では犯人を指摘する時くらいにしか発生しなかったが、今作では犯人以外でもその時の議題で怪しい人物を指摘するようになった。

キャラクター

  • 今回も、主要人物はいずれも一癖も二癖もある魅力的な面々ばかりである。
    • 本作でも全員が「超高校級」と賞賛される才能の持ち主達。
      「料理人」「体操部」「保健委員(知識はほぼ医者レベル)」など才能として普通の肩書きから、「王女」「飼育委員」「極道」「ゲーマー」などといった変り種もまた豊富。
      • 前作の主要人物の一人「超高校級の御曹司」十神白夜も登場するが、なぜか体重130キロの巨漢に激太りしており、前作そのままの尊大な口調も相まってプレイヤー達に笑いと様々な想像を抱かせた。
      • キャラクター造形のパロディ要素も健在。「超高校級の飼育委員」田中眼蛇夢(タナカ ガンダム)*4、「超高校級の軽音楽部」澪田唯吹*5など、もはや固有名詞の引用と捉えられてもおかしくないものもある*6
      • もっとも前作の大神さくらもそうだが、パロディなのは一部の設定面だけであり、むしろキャラクターの性格や描写といったパロディ以外の点で人気は高い。
    • 前作で主人公・苗木誠を演じて主題歌を歌った緒方恵美氏は、今作では主要人物の一人である狛枝凪斗を演じるとともに、引き続き今作の主題歌も歌っている。
      • また、狛枝も苗木と同じ「超高校級の幸運」という肩書きを持つ。「真っ直ぐな少年」といった印象であった前作の苗木に対し、どこか謎を秘めた今作の狛枝との演じ分けにも注目されたい。
    • 前作で「邪悪なマスコットキャラ」としての立ち位置を確立したモノクマが続投していることに加え、今作では 「モノクマの妹」という触れ込みのキャラクター「モノミ」 も登場。
      • 前作ファンの期待を煽りつつも、「ただのモノクマの二番煎じキャラなのでは?」という心の中の疑念が拭えないプレイヤーも多かったと思われるが、そういった不安を見事に裏切り、居るべき位置に収まっている。
    • 他にも、前作の登場人物に深く関わる人物も登場する。
  • 前作同様、CVには豪華なキャストが起用されている。
    • もちろん、モノクマは先代『ドラえもん』の大山のぶ代氏が引き続き担当。今回もドラえもんネタは豊富。
      • スタッフの遠慮が薄れてきたのか、ボイスは前作以上に弾けている。大山氏の特徴的なボイスで「うっふーん、おねがーい!」なんてのが聞けるのは本作ぐらいだろう。
        慎みたまえ、君はジャバ王の前に居るのだ!」や「バルス*7」といった別の意味でアブナイボイスもある。
    • そしてモノクマの「妹」である、モノミのCVを担当しているのは国民的アニメ『サザエさん』のタラちゃん(フグ田タラオ)で有名な貴家堂子氏*8
      • 貴家氏がゲームで声を当てたのは本作が初であり、スタッフは断られたらキャラごと変えるつもりだったとコメントしている。
      • ちなみに、大山氏は以前に『サザエさん』の磯野カツオの声を当てて貴家氏と共演していた縁がある。
      • 相変わらずのモノクマと敵か味方かわからないモノミのやり取りは昭和的なギャグタッチで描かれ、妙な愛嬌を醸し出している。
    • また、主人公・日向創の声は『名探偵コナン』でおなじみの高山みなみ氏。そちらではまずお目にかかれない、人前で率先して推理に参加するコナン君が見られる*9
      • 結果、外道ドラえもん、いじめられ役のタラちゃん、積極的なコナンというなかなか豪華且つカオスな有様が展開される。
    • 生徒役に関しては20代~30代の声優が増え年齢層はやや下がったが、演技面の評価は前作に勝るとも劣らない。
      • 特に罪木蜜柑役の茅野愛衣氏と西園寺日寄子役の三森すずこ氏はともに当時芸歴3年目*10であり、平均して長いキャリアを持つ他の声優陣と比較すると浮きがちではあったが、茅野氏は前年の『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』で既に高い評価を得ており、三森氏も翌年の『ラブライブ!』で頭角を現し現在は人気声優としての地位を確立している。

シナリオ

  • 「続編」としての性質がやや強く、前作プレイヤーを意識した展開が繰り広げられていく。
    • 場所については記さないが、前作で起きた事件内容や物語の結末といった、前作の核心部分に関わるネタバレも出てくる。
    • このゲーム自身前作で未回収だった伏線、「超高校級の御曹司」十神白夜の存在、モノクマのセリフなど、「前作をプレイした前提」でのネタがあったりもするので、前作『ダンガンロンパ』を先にプレイしておくことが推奨される。
    • 前作なしでは意味不明だということはなく、一応単体でも理解できるように作られてはいるが、やはり前作をやる・やらないでは、相当な差がある。
    • とは言え、この前作のストーリーを意識した展開こそが本作の評価された部分のひとつであり、後付け感はほぼ無く、前作の展開を正統に昇華したものとなっている。
  • シナリオ自体の評価も、前作に負けず劣らず高い。
    • 公式からネタバレが許可されているチャプター1は、前作をはるかに凌ぐ超展開でプレイヤーを驚愕させるだろう。その他にも、舞台設定を活かした数々の印象的なエピソードが待ち受けている。
    • 特に推理要素については前作と比べかなり強化されていて、事件段階で容易に犯人や犯行の手口がわかってしまうというほどでは無くなっている。
      • 詳細は伏せるが、本作の終盤には 『ダンガンロンパ』だからこそとも言える特徴的な動機やトリック も存在する。シリーズ内での学級裁判における名シーンでも真っ先に挙げられることの多い本作屈指の見所であり、評価は極めて高い。
    • パロディや引用系の小ネタも、おまけモード追加も相まって前作以上に増えている。また、かなり元ネタの対象世代も広がっている*11
  • 前作では、せっかくの「超高校級の才能」が事件内容に無関係であったり、逆に「超高校級の才能」を使ったトリックであるために犯人をすぐに特定できてしまうといったケースがあり、その点が不満点としてもあげられることがあった。
    • 今作ではその反省を踏まえてか、「犯人の持つ超高校級の才能が何らかの形で犯行に関係しており、なおかつ核心に迫るまでは犯人が誰であるか分かりにくい」という絶妙なバランスの配慮がなされている。
    • 終盤部分は今までの伏線や謎が徐々に明らかになり、前作以上の絶望から這い上がる希望のストーリーはプレイヤーを燃えさせてくれる事必見。また、あるキャラクターの信念や意思を継ぐ展開に涙を流すユーザーも多く、泣きゲーと評価されることもある。
    • また、前作では苗木と黒幕の因縁が薄いという指摘もあったが、今回日向と黒幕は因縁が強化されている。
  • 演出についても目立つ場所・目立たぬ場所それぞれに工夫が凝らされており、前作以上の洗練がみられる。
    • 裁判前には、各キャラのカットインが画面の分割を埋める形で差し込まれていくシーンが追加された。
      • シリアスな曲調の中、カシャンカシャンというシャッター音と共にカットインが現れる演出は単純に恰好いいと高評価。死亡したキャラクターは背景含め赤色で表示されるため、ストーリーが進むに従って徐々に赤色の割合が増えていくのも悲壮感の演出に役立っている。
    • 裁判中のカメラワークも、地味ながらパターンがかなり増えている。
    • 高田雅史氏の手による新規追加曲も、高い質でまとまっている。
      • 「モノミ先生の教育実習」のようないい意味で緩い、舞台に合わせた南国っぽい曲も増えた一方で、「絶望トロピカル」のような緊迫感を煽るシリアスな曲も増え、より緩急の激しいものとなった。
      • 前作と比べて裁判中の曲にもテンションの高いものが多く採用され、議論が紛糾した際の盛り上がりを強めてくれる。
      • 終盤の調査パートで流れるBGM「エコロシア」は、その展開もあって極めて強烈なインパクトがあり、プレイヤーの驚愕を更に盛り立ててくれている。

賛否両論点

  • 欠点というものではないが、シリーズを通して世界観や描写からやはり人を選ぶ要素はある。
    • 昨今の流行におけるアニメや漫画のビジュアル、世界観や設定などに馴染めないプレイヤーにはあまり合わないだろう。

癖の強いキャラクター

  • 本作は前作よりもキャラゲーとして特化している節があり、男性キャラは女性ファン受け、女性キャラは男性ファン受けを意識したキャラ付けがされていると評される事がある。

システム面・世界観など

  • 裁判結果の表示方法が「最後に一括」方式に変更されたことで、パーフェクトを狙う際の手間が増えている。
    • 前作では「議論・ミニゲームの開始直前にセーブ→終了後に結果を確認してミスがあれば即やり直し」という手順で比較的簡単にパーフェクトが取れた。
      しかし、今作では学級裁判終了後に一括で結果が表示されるため、ライフにダメージを受けない小さなミス*12に気付かなかった場合はそのまま最後まで裁判を進めてしまうこととなり、やり直しが面倒になっている。
      • 今作の裁判結果の表示方法は、前作で「いちいち結果画面を挟んでいるため議論のテンポが崩れている」という指摘があったための変更であり、裁判結果の表示が一括になったことでテンポが良くなっているのも確かである。この点は意見が分かれるところであろう。
  • 前作同様、ミニゲーム関連はいずれも賛否両論。
    • 特に否定的な意見が多いのは「ロジカルダイブ」と「閃きアナグラム(改)」で、どちらもパーフェクト狙いのプレイヤーにとってはかなりきつい仕様である。
      • 「ロジカルダイブ」ではミスした場合もすぐにはリトライできず一旦クリアするしかない(ロジカルダイブ中はメニュー画面を表示させることができない)ので手間がかかる。1回あたりにかかる時間が長いこともあって、面白さという観点で評価が分かれやすい。
        また、アクション要素も強く、あまりアクションに慣れないライトゲーマーは苦戦するであろう難易度である。
      • アクション系に付き物な要素だが、後半になればなるほど長く、かつ難しくなりがちなため、1問1問の問題が出るまでに時間がかかりやすい。アクション慣れしているプレイヤーだと冗長に感じてしまう。
      • 頭の中を整理するという演出故か、既に分かり切っている内容が問題文に出てくることもある。長々とそうした問題をクリアしておいて出た結論が結局最初に出ていた答えと同じと言うこともあり*13、学級裁判を無駄に長引かせる要素にしかなっていない。
      • 3択問題が多いのだが解答を間違えて落下する際、他のルートも見えてしまっているため正解が分かってしまう。
      • 全体的にはアクセントや独自性として有効に機能しているとする声は多いが、そういったプレイヤーでも改善の余地があるという意見が主流である。
      • 高難易度における終盤の「閃きアナグラム(改)」では、異なる種類の文字2つが半分重なった状態で流れてきてしまうことがあり、その場合は運良くカーソルの位置が対象の文字の近くだったということでもない限り精神集中を使っても間に合わず、ミスが確定してしまう。要するにランダム性が強過ぎるのである。後半は文字数や大きさによって難易度がかなり上昇している。
    • 「反論ショーダウン」「パニックトークアクション」に関しても、人によって好みに差が出ている。
      • 「反論ショーダウン」は相手の発言を斬るのにそれなりに連打が必要な上、発展後もウィークポイントを斬ってしまったり証拠選びにもたついたりすると逆発展になり再度やり直しとなってしまうため単純に疲れる。同時押しや返し斬りで斬りやすくなるが、序盤は連打でゴリ押せてしまい説明不足感も相まって気づきにくい。
      • 「反論」の内容に関しても「現場の違和感」等を指摘した際に(物語後半にも拘らず)「モノクマの仕業だ」といういい加減な理由で仕掛けてくるパターンが多く、テンポを削ぐ要素となっている。議論をしているというよりも単に邪魔をしているようにしか映らない。
      • 「パニックトークアクション」は前作と同様中盤以降相手の防御力が高くテンポを損なっている。
    • ノンストップ議論における「同意」の追加、学級裁判中の「反論」要素の追加に関しては「みんなでクロを探す」という展開を掘り下げていると好評であり、批判意見はあまりない。
  • 一部の実績(ウサミフラワー、Vita版ではトロフィー)が理不尽。
    • 特にPSP版では、「総歩数99999歩達成」という非常に作業的なものがある。普通にプレイすればクリア時点では数千歩程度であり、達成ははっきり言って苦行。
      • 上記の2000歩で打ち止めとなる仕様もあってボタンを固定したまま放置ということも出来ず、非常にダレる。
      • PSV版のトロフィーでは「総歩数10000歩」に大きく緩和された。
    • 「魔法少女ミラクル☆モノミ」に「全装備を集める」という実績がある(これはPSV版でも共通)。
      • 既に所有している装備もドロップするため、何度もステージを回らなければいけなくなり、これまた結構面倒臭い。
    • 「500ガヤ撃墜(ノンストップ議論で雑音セリフを500個撃ち落とす)」も、個々の雑音セリフに照準を合わせて地道に撃ち落としていくしかないため、面倒に感じやすい。
      • 撃ち落とす数自体はゲーム開始時からの累計であり、高難易度では雑音セリフそのものも多いため、意識してサイレンサーを使用していればさほど大変な実績ではないものの、ゲーム中では撃墜数が一切表示されないこともあり、実績獲得のためひたすら議論をループさせて撃ち落とすだけの作業となってしまいがち。さらに本作ではスキルを所持していない場合は2回当てないと消すことが出来ない雑音セリフもあり、1度当てても残っていると撃ち落とした判定にならない。
      • Vita版にも同内容のトロフィーがあるが、いちいち照準を合わせずとも背面タッチパッドを叩くだけで雑音セリフを撃墜できるようになったため、面倒さはかなり軽減されている。
  • 2Dマップが広く、各島のワープポイントも基本1ヵ所しかないため走りだと移動に時間がかかる。クイック移動機能もあるが歩数はカウントされない。

シナリオ

  • 閉鎖状況という点では前作と同じだが、ある人物の存在や本作の生徒達が持つ「過去」もあって人間関係の荒れ方は前作とまた違った空気となっている。
    • 前作も現実離れした超展開はあったものの中盤から地道な伏線を張っていたが、本作は前作以上に世界観・背景の重要設定が最終盤にならなければ明かされない作りとなっている。
+ ネタバレ注意!
  • 主人公は前作と比べて心の脆さが強調して描かれているが、他のキャラにおいてはどちらかというとどんと構えた風の者が多く(例外も勿論いる)、全体的な人間関係も良好で、前作にあった生徒同士のギスギス感は弱まり、それぞれが精神的に追い詰められている描写はほとんどない*14。そのためか、今作は明らかに生徒たちに対してモノクマの干渉が増えている。
    • しかし、仲間同士の連帯感やイベントが豊富で、キャラクターに好感が沸きやすいというメリットもある。
  • 前作もモノクマからの煽りはあったものの、犯人がもともと持っていた自身の信念や被害者との人間関係が主な殺害の動機になっていたが、今作はモノクマの干渉がなければまず起こらなかったであろう事件もある。
    • 特に3章は謎の感染症の影響で豹変した人物が殺人を犯すというかなりいい加減な理由になっている。後述の通りその豹変には意味があることが後程分かるのだが、この事件のトリックはかなり手が込んでおり、なおかつ不測の事態が起きた際の対応もこなすなど、犯人はかなり頭の回転が速いことが窺える。手の込んだトリックを使った犯人が判明した際は納得のいく人物である場合が多かった*15のに対し、この事件に関してはそれまでの人物像からそこまで考えられた犯人とは思いにくく、無理やり犯人に仕立て上げた感がずば抜けて高い。
    • メンバーを2つに分けるなどのある程度の感染症対策は行われてはいるが、看病する側の人物含め誰もマスクの着用をしない、感染の疑いを注視しない手緩さも、人によってはシナリオにキャラクターが振り回されているように感じられる。
    • 4章は殺人が起こるまでは食料・飲料も無い場所に監禁させるという前作からしたらあり得ないもの。前作と本作とでモノクマがコロシアイをさせる動機が違う点では納得がいくかもしれないが…。細かい話だが、こんな状態でも自由時間(会話パート)があり、(会話の進行度合いにもよるが)監禁されているのになぜか呑気に飯を食いに行こうとするキャラが出てきてしまう。
    • その結果、本作で殺害されてしまう相手も、その動機は一切ない。単に運悪く選ばれてしまったとしか言いようがないうえに、そのキャラの死が悲壮的に描かれる描写も少ない。
    • このせいで「モノクマに殺人をやらされている感」が強くなり、 そのキャラが犯人or被害者である必然性が薄くなってしまっている という意見は多い。
      • 裏返せば『2』のメンバーの絆がそれだけ強いという証明であり、その分事件が起こった時のショックは大きい。
  • 前作と似た展開が多い。
    • 特に3章は被害者人数が同じで、またこの展開か…という意見も。とはいえお約束という意見もあるが
  • 「一見不自然に見える描写の積み重ねが、実は伏線の一つであった」ということが終盤で明らかとなるのだが、それゆえに「終盤の種明かしで評価が一変したものの、序盤を初プレイした際は不自然な描写の連続についていけず楽しめなかった」という意見もある。
    • 不自然というよりも、もはや超展開と言っていいような描写も多々ある。そのせいで、多少ハードな展開になっても『1』ほどの閉塞感・絶望感を感じられなかったというプレイヤーは多い。ただし、その超展開にもちゃんと意味がある。
  • おしおき
    • 「おしおき」の内容が生ぬるい、と批判される。
      • 学園生活の友人を殺人事件の犯人として処刑しなければならない、面白おかしく演出されつつも悲しい結末の見せ場であり、魅力の1つである。画竜点睛を欠く感覚は否めない。
    • 主因とされるのは、大きく分けて2つ。1つは、「死」を覚悟した犯人が前作より多く、プレイヤーにも覚悟が心構えができてしまっていたこと。
    • もう1つは、ネタに走りすぎて、あっさり目に感じられるものが混ざっていること。「処刑の方法そのものが分かりにくい」というものもある。
      + おしおきネタバレ注意
    • 第四章の犯人のおしおきは「牛に轢かれて天国へと連れて行かれる」というもの。犯人自身がある程度望んだ死であったということもあり、「非業な死」というイメージではない。
      • ただし犯人は地獄に落ちて裁かれることを望んでいたので、それを踏まえるとある意味では最も望まない結末・犯人の死に対する最大の冒涜だったとも言える。
      • マシンガンの如く1000発のボールを撃ち込まれたり、超加速するバイクに縛りつけられバターになってしまったりという前作のおしおきに比べると、少なくともグロテスクさは薄まっている。
    • 第三章の犯人のおしおきは「腕の形をしたロケットに乗り、ロケットに薬を射たれ、恍惚な表情を浮かべながら何処かへ飛ばされる」という、どういう状況なのかまるで分からないおしおきとなっている。
      • ただしこれは、薬を打ち込まれてトリップした状況の暗示だという考察意見もある。そのままの描写だとレーベルに引っ掛かるため、ぼやかしたのではないかとも言われている。
  • 制作側も後に認識したようで、次回作『V3』の発売前インタビューにて、ライターの小高和剛氏は「『2』のおしおきはぬるかった(ので『V3』では痛々しくショッキングなものにした)」と述べている。
    • 本作のCERO審査レーティングは、CERO:D(17歳以上対象)だった前作と比べて、CERO:C(15歳以上対象)に引き下げられている。
      • 2017年に『V3』が発売された現在も、本作はシリーズ唯一のC判定である。
      • 製作サイドの発言やシリーズの作風を見る限り、レーティングに配慮したわけではない、はずである。
  • 前作では舞台が窓すら塞がれた学校の校舎一棟だけであり、極めて閉鎖的な空間であることが終始描写されていた。舞台が変わり、それが無くなったことを残念に思う声はある。
    • 今作も島が舞台なので一種の閉鎖空間は成立している*16が、島は広く施設も充実しており、何より太陽も出ている明るすぎるほどの空間である。BGMも明るい。
    • ストーリー上の必要性や前作との対比・住み分け的な意味合いは明確に感じ取れるため非難される訳ではないが、「前作のほうが雰囲気はよかった」という意見もしばしば出る。
      少なくともダンガンロンパのテーマの一つである「絶望感」の演出は『1』の舞台の方が優れていると言えるだろう。一方でそのような明るい環境から殺人事件に突入する「上げて、落とす演出」によってより絶望感が増しているという見方もある。
  • 終盤部分の賛否
    + ネタバレ注意!
  • 前作キャラクター
    • 最終部で前作のキャラクターが登場するシーンがあり、『2』のキャラを食ってしまったという意見もある。
      • ただし、物語上の必然的なものであり、『2』キャラの存在を殺すような意図は感じられない。
      • また、その後の展開と『2』メンバーの存在感は逆に『1』メンバーを食っている。
    • 生き残り
      • 前作『1』で生き残ったキャラクターは、それまでの裁判で犯人だと疑われたり、トリックに思いっきり巻き込まれたりと存在感を示したキャラクターが多かった。一方、本作での生き残りとなったキャラクターは、詳細は記せないものの「裁判で目立った順」ではそれほど上位に来ないキャラクターも複数いる。むしろ「反論」などで邪魔ばかりしてくるキャラも複数おり、好感度を下げている。
        • また、本作においては仲間の誰かの死を乗り越えて改心・成長していく、というキャラクターがほとんど存在しない。申し訳程度にそれっぽい要素が入ってはすんなり忘れられたかのような展開が起きてしまう。前述の通り本作では、その人物が被害者・加害者役に相応しいとは言い難い場面が多いのも影響していると思われる。
      • しかし、どのキャラクターも決して終始存在感のないような印象ではないし*17、『ダンガンロンパ』のキャラクターらしく存在感は発揮している。途中の展開の違いによってこういう批判が生まれた面はあるが、欠点として責められるような点ではないだろう。
    • 黒幕
      • 「黒幕が誰か」という点についてはしばしば批判を受ける。中核のネタバレになるので少しぼかすが、本作は『1』から繋がった物語である故、黒幕も『1』の黒幕から繋がった存在である。その為がっかりしたというユーザーもいる。
      • 一方、これにも物語上の必然性があり、「なぜ日向たち『2』のキャラクターは閉鎖空間でコロシアイをさせられたのか」という状況を成立させる伏線にもなっている。また日向と黒幕の関係は前作苗木よりは因縁の深いものになっている。

問題点

  • ノンストップ議論中に早送りをした場合、前作では基本的に音声も含めて滑らかに早送りされていたのだが(早送りをした際に長い台詞は途中でスキップされるが、スキップ時も次の台詞にスムーズにつながるよう調整されていた)、今作ではボリュームが大きく増えたために読み込みが追い付かないのか、長台詞がスキップされた際に音声がぶつぶつと切れたり、ほんの一瞬ではあるが画面が止まったりすることがあるなど、若干テンポが悪くなっている。
    • また、ノンストップ議論の進行度合いを示す表示も前作のようなデジタル表示からアナログ表示になったため、2周目でコトダマを撃ちたい場所までスキップする際の目印として見づらくなってしまっている。
      • ノンストップ議論では早送りを使う頻度が高いため*18、テンポが悪くなっているのは少々気になるところである。
  • 前作に比べてバグがやや増えている。表示バグ、移動バグ、裁判結果のスコアバグなどなど…。
    • 少ない例ではあるがフリーズバグや強制リセットが発生してしまう場合もあるので、セーブはマメに行った方が良い。
  • 前作では目立たなかった誤字脱字の類も散見される。2ヶ所程度だが音声ミスもある。
    • 非常にテキスト量の多いゲームとは言え、30ヶ所以上の誤植が指摘されているのは少々いただけない。
    • あろうことかOPムービーにまでキャラ名の誤字があり、PVを見たファンからの指摘で気付いたものの修正が間に合わず製品版でもそのままというとんでもないミスまで発生している。
      • 後述のPSV移植版では、流石に他の誤字と共に修正されている。
      • …筈なのだが、PSV版でもまだ誤字は散見される。「犯人を"追求"する」「"早い"乗り物」等、日本語の誤用も多い。
  • 「希望のカケラ」を集める自由行動イベントを一度全て見終えてしまうとそのデータでは自由行動のやり取りを二度と見れなくなってしまう(回想モードが存在しない)という前作の欠点は今回も解消されていない。
  • 前作同様、終盤、本作の世界観の核心部分についての説明が少なく、やや駆け足気味の展開。
    • 前作ほどではないが、若干シナリオを力技で締めている感はある。
  • 豪華な声優陣も本作のウリの1つであるが、音割れしている音源が存在する。
  • スタッフのコメントとして「前作を未プレイでも楽しめる」という旨の発言があったが、実際に今作は前作を未プレイでも話についていけなくなることはない。
    しかし、その理由が「今作の終盤で、前作で起こった重要な出来事について事細かに説明されるから」というものであったため、前述のようにこの作品が前作も含めて公式でネタバレを禁止していることもあり、ファンからは疑問の声が上がった。
    • 当然、前作でじっくり説明していた内容を終盤の限られた時間で説明するのだから、かなり駆け足で詰め込み気味である。
      しかも「前作で誰が生き残ったのか」「黒幕の正体とその目的」など本当に重要な部分もしっかりネタバレされてしまう。
      シリーズに興味があって楽しみたいのであれば、少なくとも前作はやっておくことが推奨される。
    • さらに、おまけ収録のノベルモード『ダンガンロンパIF』に至っては前作のIF展開ルートであるため、内容そのものも前作のプレイが前提となっている。
    • なお、小説版の『ゼロ』の内容に関しては本作内でほとんど触れられない。
      詳細は伏せるが本作の核心部分の設定は『ゼロ』が初出のものも多いので、前作をプレイしただけだといきなり新たな設定がいくつも出てきたように感じられてしまう。
      • 設定上重要な部分だけは一応補完してくれるし、『ゼロ』の内容について詳細に触れることはないので、本作の後に『ゼロ』を読んでも楽しむことはできるし、『ゼロ』の後に本作をプレイしてもよいのは救いと言えるか。
    • これに近い問題だが、『ゼロ』で初出のとある設定と、前作で死亡したとあるキャラと深く関わる人物の設定が最終盤にならないと明かされないため唐突感を覚えるという意見もある。
  • 前回同様全員分の「おしおき」が無い
    • 犯人に対する罰である「おしおき」はファンの中でも好評なのだが、全員分のおしおきが無いことに対し残念がる声もある。
    • また『2』は『1』の時のようなおしおきの設定資料などが無いため、妄想するしかない状況である。

総評

前作において、15人の登場人物が殺し合いをするという壮絶な物語に一応のオチを付けて終わっただけに、「果たしてこの物語に続編を作れるのか」と不安視する声も少なからずあった。
前作の設定を引き継ぐ以上、既視感の発生と目新しさの損失というリスクが懸念されたものの、蓋を開けてみれば前作と遜色のないストーリーが出来上がっていた。
特に、それまでの伏線やお膳立てとしての設定を踏まえた終盤の衝撃的な展開は、前作を十分超える出来になっていると高く評価する意見も多い。
また、トリックがちゃちであるという批判があった前作と比べ、推理ゲームとして十分楽しめる出来になったことも大きい。
システム面でも前作で指摘されていた主な問題点を比較的解消しつつ、ボリュームアップを中心にクリア後も十分楽しめるようになっている(ある意味、クリア後が本番である)。
「スーパー」を冠するにふさわしい進化を遂げ、『ダンガンロンパ』シリーズにおける1つの到達点ともいうべき作品になったと言える。


余談

  • 公式で第2章以降のプレイ動画配信が禁止されている。
    • 前作は発売から時間が経ったこともあってか配信禁止は解除されたが、本作は配信禁止の措置は残っている。
  • PSP版では前週に発売されているレベルファイブの『TIME TRAVELERS』と他社間提携を行っており、作中に同作のポスターが張ってあったり関連するセリフがあったりする。
    • PSV版の『1・2Reload』では本シリーズのスピンオフである『絶対絶望少女 ダンガンロンパ AnotherEpisode』の広告に代わっている*19

その後の展開

  • 2013年10月10日にPSVで『1』とのカップリング移植『ダンガンロンパ 1・2 Reload』が発売。詳細は後述。
  • 2016年4月19日に『Danganronpa 2: Goodbye Despair』のタイトルで、PC版の配信がSteamで開始された。詳細は後述。
  • 2021年11月4日にシリーズのナンバリングタイトル+新作ボードゲームがまとめられた『ダンガンロンパ トリロジーパック+ハッピーダンガンロンパS 超高校級の南国サイコロ合宿』がNintendo Switchで発売された。
    • ダウンロード版として各タイトルを個別購入することも可能となっている。
  • 前作以上にコミカライズが充実しており、複数のキャラの視点で語られている。
    • ファミ通コミッククリアで連載されている本編コミカライズ『スーパーダンガンロンパ2』(作画は黒軌キュー氏)
      • 日向が主人公ではあるが、学級裁判を生徒全員で廻している雰囲気が上手く描かれており、キャラの心境描写も好評。
      • 残念ながら、3回目の殺人が発生した所で連載終了してしまった。エンディングまでやりきって欲しかったという声も多い。
    • 「狛枝凪斗」を主人公に据えた『超高校級の幸運と希望と絶望』(作画は須賀今日助氏)
      • 本編における狛枝の動きを、彼の時系列順に描いており、一部は通信簿ネタのエピソードなども含む。
    • 「七海千秋」を主人公に据えた『七海千秋のさよなら絶望大冒険』(作画は鈴羅木かりん氏)
      • 基本的には本編と大筋の流れは同じだが、本編の日向の行動を肩代わりしていたりと主人公である七海の立ち位置がゲームとは大きく異なる。
        それ故に七海は序盤から日向や狛枝を信頼し、仲間達の中に溶け込んでおり、ある種のIFとも言える。
    • 『だんがんアイランド ココロ常夏、ここロンパ♪』(作画は要龍氏)
      • アイランドモードのコミカライズで、コロシアイとは無縁の展開が描かれている。1話につき1人のキャラにクローズアップしたエピソードを展開している。
        本編のネタに基づいたギャグも多いが、「いい話」への持ち込み方も好評。生徒5人のエピソードを描いて1巻で完結したが、早期完結を惜しむ声も多い。
    • 『南国ぜつぼうカーニバル!』(作画はあららぎあゆね氏)
      • 同人誌に近いギャグパロディ。なお『絶対絶望少女』のPVにおいて没企画「だんろん部」の絵を描いた人物である。
    • 「左右田和一」を主人公に据えた『絶望的因果律の中の左右田和一』(作画は星トマジロウ氏)
      • 本編を左右田の視点から描いており、各エピソードにおいて左右田を始めとするキャラクターたちがどのように動いていたかも描かれている。
  • 『1』のアニメ版の最終話で本作のとある登場人物が最後の最後に顔見せしており、「早く会いたい」という意志を見せていた。
    • その後2015年末、ついにアニメ化が決定!…かと思いきや続編『ダンガンロンパ3』の制作発表であった。
    • しかし更にその後の2016年3月、『ダンガンロンパ3』は2の後日談『未来編』と前日譚『絶望編』の二部構成となることが発表。『2』本編のアニメ化は未定のままだが、違う形で展開されることになった。
      • 『3』の詳細発表PVは「クマでもわかるダンガンロンパ」というタイトルで1・2双方のネタバレが満載。『絶望編』は設定そのものが『2』のクリア・ネタバレ前提になってしまうため、未クリア者は注意。
      • だが、このダンガンロンパ3はゲーム本編との致命的な矛盾、無理のある後付け、大幅なキャラ改変が大量にあり、最終話である『希望編』の内容も相まって本作の評価は決していい物ではない。特に前日譚を行った『2』はこの傾向がかなり強いため、そういった意味でも視聴には注意が必要である。
    • 後に発売された『ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期』の限定版には本作の後日談であり『ダンガンロンパ3』とのミッシングリンクとなるOVA『スーパーダンガンロンパ2.5 狛枝凪斗と世界の破壊者』が同梱された。

ダンガンロンパ1・2Reload

【だんがんろんぱ わんつーりろーど】

ジャンル ハイスピード推理アクション(ADV)

対応機種 プレイステーション・ヴィータ
プレイステーション4
発売元 スパイク・チュンソフト
開発元 シェード
発売日 PSV:2013年10月10日
PSV(Best)/PS4:2017年5月18日
定価 PSV:
・パッケージ:4,980円
・ダウンロード:4,476円
・the Best版:2,980円
PS4(共通):3,800円(各税別)
レーティング CERO:D(17才以上対象)
判定 良作

概要(1・2)

前作『1』とカップリングする形での、PSVへの移植版。


特徴(1・2)

  • 移植にあたっての変更点は、『1』と同様に高画質化とタッチパネルへの対応、細かなバランス調整とバグ・誤字修正など。
    • 前作『1』と異なり、こちらは元々クリア後のおまけ要素が複数存在するため、カップリング移植に際しての追加要素は特にない。
      • 前述の通り、『タイムトラベラーズ』の広告が本作の外伝『絶対絶望少女』に変えられた。
  • 『2』部分は最初から解放されており、前作『1』部分をクリアしなくてもプレイ可能。
    • だが、前述の通り本作は『1』をクリアするか最低でもアニメなどの媒体で大まかな流れを把握してからプレイするのが好ましい。
  • 2017年5月18日にPS4版が発売。同日にPSV版の廉価版も発売。
    • 2019年4月24日にPS4で『1・2』と『V3』のセット商品である『ダンガンロンパ トリロジーパック』が発売。

Danganronpa 2: Goodbye Despair(Steam)

【だんがんろんぱつー ぐっばいでぃすぺあ】

ジャンル ハイスピード推理アクション(ADV)
Steam版
対応機種 Windows
Mac OS X
Linux + SteamOS
発売元 スパイク・チュンソフト
開発元 スパイク・チュンソフト
Abstraction Games
発売日 2016年4月19日
定価 3,600円(税込)
⇒ 2,138円(税込)
判定 良作

概要(Steam)

  • 2016年4月19日に『Danganronpa 2: Goodbye Despair』のタイトルで、PC版の配信がSteamで開始された。
    • Steam版は『ダンガンロンパ 1・2 Reload』の『2』の単体移植にあたる。

特徴(Steam)

  • 配信当初は前作同様UIと字幕は英語のみで、ボイス吹き替えのみ日本語と英語を選択可能となっていた。
    • しかし、2016年8月5日に前作も合わせ、アップデートで日本語&中国語テキスト追加パッチが無償配信され、これにより事実上日本語版としてのプレイが可能になった。
      • 前作とセットで買うと割引になるお得なバンドルセットも存在するため、未プレイの人は充分購入候補になるだろう。
    • 2017年6月29日には『絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode』発売に伴い定価が値下げされ、同作との3本セットバンドルも販売開始された。

スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園 / ダンガンロンパ1+2(DMM.com)

ジャンル ハイスピード推理アクション(ADV)
対応機種 Windows
Mac OS X
発売元 スパイク・チュンソフト
開発元 スパイク・チュンソフト
Abstraction Games
発売日 2017年7月28日
定価 単品: 2,138円(税込)
1+2: 4,104円(税込)
判定 良作

特徴(DMM.com)

DMM.comで『1』と共に配信。起動に使用するゲームクライアントが異なることを除いてはSteam版とほぼ同内容。

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  • ADV
  • PSP
  • スパイク・チュンソフト
  • ダンガンロンパ

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最終更新:2023年03月22日 18:43

*1 前作では、チャプターが進むごとに到達可能な全エリアにばらまかれており、各所をいちいち調べて回らねばならなかったので、その不満を解消したと思われる。

*2 解答欄の文字数が多くなる。また、解答欄に当てはめるために文字を撃つ回数が増加する。

*3 ノンストップ議論で使う際の証拠が「言弾」(コトダマ)と呼ばれるのに対し、このモードでは「言刃」(コトノハ)と呼ばれる。

*4 製作側の意図があるかは不明だが、担当声優の杉田智和氏は「ガンダムシリーズ」の熱心なファンにもかかわらず、2012年当時はモブ以外での出演経験がなく、本家より先の「ガンダム」役となった。

*5 軽音部を舞台に人気を博した漫画・アニメ『けいおん!』の主人公4人から1文字づつ並べて作れる名前。誕生日の11月27日も「平沢唯」と同じであり、代表曲の「放課後ボヨヨンアワー」も明らかに意識されている。おまけに「方向性の違いでガールズバンドを脱退」という、いかにも音楽アーティストにありがちなプロフィールまで網羅している。

*6 後のテレビアニメ『ダンガンロンパ3 絶望編』では、田中眼蛇夢が「封印されし田中」というキャラクター名にされており、「眼蛇夢」の名前を呼ばれそうになると制止するなど、無関係に「ガンダム」の名前が使えなかったのではないか、と予想されてしまったほど。なお、その後の展開では「封印を解いた」として完全に「眼蛇夢」と名乗っている。

*7 厳密には鍵の掛かったコテージを開ける呪文「''パ''ルス!」と同様なのだがボイス上「バルス~!」と聞こえる。

*8 インターネット配信の公式ラジオにゲスト出演した際は、貴重な地声でのトークを披露した。

*9 コナンは正体を隠すため、警察や不特定多数などの前では他人になりすますか子供っぽく演技をしている

*10 三森氏は主役級やレギュラー出演は何作かあったものの、本作と同年に放送された『戦姫絶唱シンフォギア』では名無しのモブキャラクターとして出演していた。

*11 本作のサブタイトルも、週刊少年マガジンで本作発売の1ヶ月前である2012年6月まで連載されていた久米田康治氏のマンガ、「さよなら絶望先生」の捩りである。

*12 評価内容に「制限時間をどのくらい残せたか」が含まれるのだが、特に閃きアナグラムでは「正解の文字がなかなか出てこない」ということが多く、更にどのくらい制限時間を使ってしまうと減点されるかは自分で計算するしかないため、時間を使い過ぎたことに気付かず進んでしまう場合がある。

*13 しかもそれを劇中の登場人物に突っ込まれるというオチまである。

*14 前作は追いつめられた生徒たちが引き起こす人間ドラマ、そこから起きる悲劇も一つの見所になっていた。

*15 ダンガンロンパにおいては頭の回らなそうな人物が犯人の場合、必ず別の人物の干渉などの何らかの副次的な要素が加わった殺人となっており、キャラクター性を壊さないトリックが施されている。

*16 『そして誰もいなくなった』を代表として、「島」はクローズド・サークル系作品の定番である。

*17 実際、生き残りの人物全員がどこかしらの場面でちゃんと役に立つシーンが用意されている。

*18 矛盾点を撃ち損ねた場合は基本的に早送りで議論をループさせることとなる。更に後半では「他の人物の発言をキャプチャーする」という要素が追加されるため、矛盾を撃ち抜くために議論を2周しなければいけない場面も多い

*19 無印部分のプレイ中に絶対絶望少女のネタバレ広告が流れる構成ミスが報告されている。