天地創造

【てんちそうぞう】

ジャンル アクションRPG
高解像度で見る 裏を見る
対応機種 スーパーファミコン
メディア 32MbitROMカートリッジ
発売元 エニックス
開発元 クインテット
発売日 1995年10月20日
定価 11,800円(税別)
判定 良作
クインテットの神様リンク
アクトレイザー - ソウルブレイダー - ガイア幻想紀 - 天地創造 - ソロ・クライシス


ストーリー

かつて地球と呼ばれた星の大地の奥底、「 地裏 (ちうら)」と呼ばれる世界に佇む村クリスタルホルム。
そこに住む、村一番のやんちゃ者の少年アークは、退屈を持て余しイタズラ三昧の穏やかな日々を送っていたある日、
立ち入ることを禁じられている「開かずの扉」を破壊し、最奥に封印された「パンドラの箱」を開けてしまう。
するとクリスタルホルムを異変が襲い、アークと長老以外の村人と動物たち全てが凍り付いてしまうのだった。

助けを乞うアークに長老が告げた村人を助ける手段。それは「村の外の5つの塔がお前を待っている」という内容だった。
かくしてアークは、初めてクリスタルホルムの外へ飛び出し、何が待ち受けるかも聞かされないまま、地裏の各所にそびえる試練の塔を登りだす。
最初は村人を元に戻したい一心だったその歩みは、生命の失われた「地表」の世界に再び命を芽吹かせる冒険へと変容していく。


概要

クインテット製アクションRPG三部作の三作目。『ソウルブレイダー』『ガイア幻想紀』とあわせて、ソウル三部作とも呼ばれる。
キャラクターデザインは「ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章」「雷火」等で知られるの漫画家の藤原カムイが手掛けている。

前作『ガイア幻想記』の少年少女の儚げな冒険譚な雰囲気から一新し、現実の地球をモデルとした舞台ながらも『ソウルブレイダー』のような硬派なファンタジー路線へと回帰している。

特徴

システム

  • アクションRPG。マップを歩くフィールド画面と、町やダンジョンなどのエリア画面に分かれている。アクションが行えるのは後者のみ。
    • レベル制。敵を倒し経験値を貯めることでレベルアップ、ライフや攻撃力ステータスが増加する。
  • ダッシュやジャンプのほか、物を持ったり投げたり押したりなどのアクションが可能。
  • 装備可能武器はのみ(設定上は棍や杖なども混ざっている)。アクションRPG定番の剣は使用しない。
    • この槍を用いて様々なアクションをこなす。ダッシュやジャンプと組み合わせれば技も出せる。
  • ゲームオーバーにならない
    • ライフが0になっても最後にセーブしたポイントに戻されるだけで、ゲームの進行状況、獲得した経験値、アイテムなどは維持している。
      • 状況によってはデスルーラも可能である。
  • 主人公に固有の名前と台詞がある。
    • 『ガイア幻想紀』に引き続き、主人公の名前および台詞も健在である。
      • デフォルト名前は『アーク』だが、データ作成時に変更も可能。
  • 実利を兼ねた収集アイテム「プライムブルー」
    • 前作『ガイア幻想記』における赤い宝石のような収集アイテムとして「プライムブルー」と呼ばれる青い石が各所に散らばっており、これを各町にある「プライムブルー屋」に持ちこむことで魔法のリングや召喚のメダルを作成、魔法を使えるようになる。
    • プライムブルーの発見数=「PB」は他RPGで例えるところの最大MPとして機能し、集めるほどに大量の魔法アイテムを持ち歩けるようになる。
    • ストーリーが進行するごとに高位の魔法が登場し、そういった魔法ほど作成時の要求PBが高いうえに、魔法アイテムは使用するともとのPBへと戻る消耗品であるため、プライムブルー収集による冒険への貢献度は前作よりも大きい。消耗した魔法アイテムはプライムブルー屋に行けば再び補充できる。
      アイテム名 効果 作成PB
      魔法のリング
      火のリング 指先から炎を放射 炎の向きは動かせる   1
      氷のリング 指先から小さな氷弾を撃ち出す   1
      稲妻のリング 小時間、通常突きから雷弾が発射できる   2
      大地のリング 地面を揺らし、しばらく周囲の敵の動きを止める   1
      光のリング 指先から大きな光弾を撃ち出す   1
      炎のリング 周囲の敵全てに炎属性ダメージ   2
      吹雪のリング 周囲の敵全てに氷属性ダメージ   2
      雷電のリング 周囲の敵全てに雷属性ダメージ   3
      天地のリング 周囲の敵全てを消し去る   3
      電子のリング 周囲の敵全てに光属性ダメージ   2
      召喚のメダル
      草のメダル ライフ全回復   4
      風のメダル ステータス異常治癒   2
      骨のメダル ダンジョンから脱出   1
      水のメダル 一定時間無敵化   6
      魚のメダル 敵の特殊攻撃を10秒間防ぐ   4
  • 一風変わったメニュー画面。
    • 物語序盤に手に入る「箱」これがメニューになっている。見た目の大きさに反して人も入ることができ、中には生活できそうな空間が広がっている。武器や道具等それぞれの項目は「部屋」と呼称される。

シナリオ~まさに天地創造~

  • 第1章 旅立ち
    • 世界は最初、暗く生き物のいない「地裏」から始まる。アークの住むクリスタルホルムという小さな村が唯一の生き物の拠り所。生き物は外に出ることなく一生をここで過ごす。
    • しかし、地上を蘇らせる使命を帯びたアークは、唯一の例外としてクリスタルホルムを抜け、地裏での試練を乗り越えることで地上に5大陸を生み出す。
  • 第2章 世界の復活
    • 大陸が姿を現した後「地表」へ降り立ったアークは、岩と土と魔物ばかりの荒れ果てた大地を歩み、地表から失われた生命、「植物」・「鳥」・「動物」・「人間」を復活させてゆく。
      • 創世記と違って魚が取り扱われていないが、魔法メダルには水棲生物が2枠居る。
  • そして文明を発展させる「第3章 天才の復活」、物語の黒幕と相対する「第4章 えいゆうの復活」と続く。
  • つまり、タイトル通り旧約聖書の「天地創造」に沿った壮大な目標がこのゲームの大きな特徴というわけである。
+ 旧約聖書の「天地創造」抜粋

創世記(口語訳)

1:3-4
神は「光あれ」と言われた。すると光があった。
神はその光を見て、良しとされた。神はその光とやみとを分けられた。
1:9-10
神はまた言われた、「天の下の水は一つ所に集まり、かわいた地が現れよ」。そのようになった。
神はそのかわいた地を陸と名づけ、水の集まった所を海と名づけられた。神は見て、良しとされた。
1:11-12
神はまた言われた、「地は青草と、種をもつ草と、種類にしたがって種のある実を結ぶ果樹とを地の上にはえさせよ」。そのようになった。
地は青草と、種類にしたがって種をもつ草と、種類にしたがって種のある実を結ぶ木とをはえさせた。神は見て、良しとされた。
1:20-22
神はまた言われた、「水は生き物の群れで満ち、鳥は地の上、天のおおぞらを飛べ」。
神は海の大いなる獣と、水に群がるすべての動く生き物とを、種類にしたがって創造し、また翼のあるすべての鳥を、種類にしたがって創造された。神は見て、良しとされた。
神はこれらを祝福して言われた、「生めよ、ふえよ、海たる水に満ちよ、また鳥は地にふえよ」。
1:24-25
神はまた言われた、「地は生き物を種類にしたがっていだせ。家畜と、這うものと、地の獣とを種類にしたがっていだせ」。そのようになった。
神は地の獣を種類にしたがい、家畜を種類にしたがい、また地に這うすべての物を種類にしたがって造られた。神は見て、良しとされた。
1:26-30
神はまた言われた、「われわれのかたちに、われわれにかたどって人を造り、これに海の魚と、空の鳥と、家畜と、地のすべての獣と、地のすべての這うものとを治めさせよう」。
神は自分のかたちに人を創造された。すなわち、神のかたちに創造し、男と女とに創造された。
神は彼らを祝福して言われた、「生めよ、ふえよ、地に満ちよ、地を従わせよ。また海の魚と、空の鳥と、地に動くすべての生き物とを治めよ」。
神はまた言われた、「わたしは全地のおもてにある種をもつすべての草と、種のある実を結ぶすべての木とをあなたがたに与える。これはあなたがたの食物となるであろう。
また地のすべての獣、空のすべての鳥、地を這うすべてのもの、すなわち命あるものには、食物としてすべての青草を与える」。そのようになった。
1:31
神が造ったすべての物を見られたところ、それは、はなはだ良かった。夕となり、また朝となった。第六日である。
2:1-2
こうして天と地と、その万象とが完成した。
神は第七日にその作業を終えられた。すなわち、そのすべての作業を終って第七日に休まれた。
  • 目的そのものの壮大さもそうなのだが、この天地創造においてもっとも外すことのできない要素はその演出である。
    • 各大陸の復活、植物の復活、獣の復活、それぞれSFCとしてはとてつもないクオリティのグラフィックとそれにマッチしたBGMによる演出が非常に秀逸。文章では伝わりづらいのが残念。
  • 都市発展
    • 一部の都市は主人公の行動により発展させることが可能。
    • 都市を発展させると町並みが変わり、アイテムを入手できたり売っている物の質が上がったりする。
+ ただ、いいことばかりというわけにもいかず
  • 都市を発展させると、困っている子供や死亡してしまう町人が現れたり、はたまた、第2章で親交が深まった鳥や動物達が人間によって捕らえられ、檻に囚われたり動物園へ連れてこられたりといったネガティブなイベントも起きる。
  • 文明の発展はいいことばかりではなく、犠牲も伴っているということを描いているのだろうか。

評価点

  • グラフィック、サウンド
    • 前作『ガイア幻想記』からグラフィック面、サウンド面ともに大幅に洗練され、高いクオリティを誇る。上でも触れているが、特にムービーによる演出面の進化が著しい。
    • 地裏フィールドBGM「旅立ち」と、地表フィールドBGM「さらなる広い世界へ」の二曲はとりわけ高い評価を誇る。
      特に前者は、ゲーム序盤と終盤でプレイヤーの感じる印象が激変する二面性を秘めた本作を象徴する一曲となっており、視覚演出も相まってプレイヤーの感情を大きく揺さぶる。
  • 多彩なアクション
    • ダッシュやジャンプはもちろん、物を持ち上げて投げる・大きい物体を押す・狭い場所を腹ばいになって進む等、多彩なアクションで戦闘・謎解きにバリエーションを持たせている。
    • 槍を使ったアクションも、単発の通常攻撃のほかに連続突きやダッシュ攻撃、ダッシュジャンプからの滑空攻撃など種類豊富。
      • 突進系の技は攻撃後も止まることなくダッシュの速度を保ったまま移動可能なのでストレスレス。無敵時間もあるため、操作の腕次第で攻撃を翻しながら敵を処理するテクニカルなプレイも可能。
    • 操作性は良好。慣れれば問題なく動かせると思われる。
  • 豊富な探索・やりこみ要素
    • ワールドマップやひとつひとつの町が広めに作られており、先述の通りイベントによる都市の発展要素も存在するなど、探索の楽しみは豊富。
    • 町の発展に関わる大きめのサブイベントや報酬が貰えるミニゲームだけでなく、町の露店やレストランで少額のお金を払って実際に食事ができたり、南国の島で昼寝をしてこんがり日焼けしたり…といったちょっとしたお遊びもふんだんに用意されている。
      • 後者はゲーム的には特別意味は無いものの、町の雰囲気や世界観に深みを与え、ひいては「復活させたこの世界を好きになる」という本作を楽しむ上での重要な演出として効果的に機能している。
  • ARPGとしての高い完成度
    • 上記の高いアクション性による爽快な戦闘や、秀逸な演出で彩られたシナリオ、ダンジョンの謎解きや町での豊富なイベント等、当時のARPGとしての総合的な完成度は非常に高い部類に入る。
    • 後述するようにゲームバランス面ではやや大味な部分はあるものの、「探索やレベリングで主人公を強化し、アクションを活かして攻撃を避けつつ敵を撃破」という基本をこのレベルで押さえているARPGは希少であった。
  • 主人公・アークのキャラクター性
    • お調子者で口は悪いが情に厚く、困っている人がいれば力を貸してあげられる*1気のいい少年。明るくよく喋りよく笑いよく怒るためプレイしていて愛着が湧きやすく、相棒のマスコットキャラ・ヨミとの掛け合いも小気味良い。
    • 本作のシナリオは全編を通してシリアスで、理不尽な目に遭ったりショッキングな出来事が起こることも少なくないのだが、全体的な作風が陰鬱になりすぎないのは彼の人柄によるところも大きい。
    • 物語が進むにつれて自らの使命を意識し、悩みながらも運命に立ち向かってゆく終盤の展開はプレイヤーからの評価も高い。

問題点

  • 槍攻撃アクションの追加は無い。
    • 前作の『ガイア幻想記』はゲーム進行とともに、主人公に攻撃アクションがどんどん追加されていくゲームデザインだったが、
      今作は槍による攻撃技は最初から全て習得済というデザインとなっており、中盤以降の攻撃手段の目新しさに乏しい。
  • レベルによるステータス上昇の火力差が大きく、適正レベル以外では難易度に大きな差を生じる。
    • レベル不足で挑むとボスに与えられるダメージが極端に低く厳しい戦いを強いられる。
      • 厄介なことに、ボス戦には通用しないレベルであっても直前のザコ敵には普通にダメージが通ってしまうダンジョンが多いため、「レベルが足りていないせいでボスにダメージが通っていない」と気づきにくい。
    • また逆にレベルアップによる成長率が高い分、少しレベルを上げただけで与ダメージが跳ね上がってしまいやすく、鍛え直して再挑戦したらあまりにもあっさり勝ててしまった といったことも起こりやすい。
      • レベルを上げ過ぎるとどんなボスでも一撃で倒せるほどの火力にもなる。ラスボスでさえも、初期装備であるクリスタルの槍のクリティカルで一撃となってしまうほど、ステータスによる火力の上昇は大きい。
  • 属性の要素が練り込み不足。
    • このゲームには属性の概念があり、与ダメージ・被ダメージの増減に影響するのだが、基本的に新しく手に入る性能の高い武器・防具に持ち替えていくだけでダメージ面で苦労することは無い*2ため空気気味。
      • 敵の属性に合わせて頻繁に装備を付け替えなければならないとなるとゲームのテンポが大きく損なわれるため、これだけであれば特に問題ではないとも言えるが。
    • そんな中で大きな罠として立ち塞がるのが中盤のボス「ブラッディマリー」。
      • このボスに挑む時に持っているであろう単純攻撃力最大の武器が、ブラッディマリーが超軽減する属性であるため、ボスのHP400に対して一撃で与えられるダメージが2前後に抑えられてしまう。
      • 属性要素の存在自体はこのボスの少し前の町で教えてくれるモブキャラがいるのだが、タチの悪いことにこのボスは上記の「レベル不足のせいでダメージが全く通らない」という状況も併発しやすいため、ますます武器の属性が悪いことに気づきにくいという二重の罠。
      • これに気づかずに「防御力が高いボス」だと勘違いしたままチマチマ戦っていると演出もホラーなのでトラウマ化する事に。属性の相性によって与ダメージが落ちていることがSEやダメージ表記の色などで判別できればよかったのだが。
    • 属性要素がここまで重要になるのは後にも先にもこのボスくらいであり、戦闘に深みを与える要素としてはあまり機能していない。
  • 魔法の使い勝手がイマイチ。
    • まず先述の「所持しているプライムブルーの数の範囲内で魔法のリングやメダルを事前に買って使う」というシステムが微妙に煩雑でややこしい。一応ゲーム冒頭に解説はあるものの、非常にあっさりとした説明でいまひとつ要領を得ない。
      • やっていることは「所持PB数=最大MP」「使った分の魔法はお店で買いなおして補充」と考えれば理解しやすいのだが、一般的なRPGの魔法システムと比べると直感的に分かりにくく、ここで敬遠して使わずじまいになってしまうプレイヤーも多い。
    • ゲーム中で必ず魔法を使わなければならない場面は一切無い。
      • 槍による物理攻撃とアイテムによる回復だけでも充分に戦えるバランスなため、攻撃系・補助系の魔法はあえて使いたいと思う場面が少ない。
      • かといって強力なボス戦では魔法を使おうとすると「ここではプライムブルーの力が抑え込まれている!」と出て使えないことがやたらと多く*3、肝心な時に役に立たない印象に拍車をかける。
    • もちろん上手く使えば便利。HP全回復の「草のメダル」・ダンジョン脱出の「骨のメダル」を使えば道中がかなり楽になり、上記「ブラッディマリー」にも上手く攻撃魔法を当てられれば大ダメージを狙える。
  • サブイベント・ミニゲームの報酬がプライムブルー一辺倒。
    • クリアに必須ではないサブイベント・ミニゲームの数こそ豊富なものの、このゲームでそうした要素をこなして入手できる報酬は基本的にプライムブルー(1つ)だけ。
    • 貰って困る物ではないものの、あまりのバリエーションの乏しさに後半は期待感も達成感も乏しくなってしまう。
  • ラスボスが回避不能攻撃を使用する。
    • 効果はHP半減なのでその攻撃で倒れることはない(HP1までしか減らない)し、ガードすればダメージを1桁に抑えることも可能だが、収束するまで何度もダメージを受けるため地味に削られて反則気味。
      • ただし、HPが1のときにガードすると1ダメージ受けて倒れてしまう。
    • ここまでの敵の攻撃は全て操作テクニック次第でノーダメージで避けられるものだっただけに、攻撃の強さよりも「回避不能攻撃が存在すること」そのものを残念に思うARPGファンも。
    • 1回しかダメージを受けない方法もあるが、裏技の範疇。
  • 後半の一部のダンジョンが手抜き構造。
    • ダンジョンの構造が後半になるにつれて味気なくなっていく点はよく指摘される。
    • 力の入った骨太な謎解き要素が存在するダンジョンは中盤の「シルバイン城」がピーク。後半のダンジョンはスイッチを押して道を開く地味な仕掛けが多くなったり、大部分がイベントで進行する一本道のものだったり、ボスとの戦闘だけで済んでしまったりとあっさり終わってしまうものが増えてくる。
  • メインシナリオ進行の導線がやや分かりづらい。
    • 次にどこへ行けばいいのか、何をすればいいのかのヒントが少なめ。
    • 特に中盤はサブイベントの多さや行動の自由度の高さが若干裏目に出ており、「長めのイベントをこなしたがメイン進行とは特に関わりの無いサブイベントだった」「サブイベントをメインシナリオだと思い込み、その時点では入手できない見当違いのアイテムを探し回ってしまった」といったケースが起こりやすい。
  • 中盤のとある村での二択について。
  • とある村で新しい指導者を決める選挙を行うイベントが発生し、プレイヤーの投じる一票によって革新派・保守派のどちらの立候補者が当選するかが決定される。
    この選挙の結果によってその後の村が辿る道が大きく変わることになるのだが、その内容が少々極端。
    + (ネタバレ注意)
  • 革新派が当選した場合、村は更なる発展を目指し様々な発明・芸術活動に取り組んでいくことになり、それぞれのイベントを進めていくとやがて大きな都市へと発展するまでになる。
  • 一方で保守派が当選した場合、村の発展はそこで完全に停滞してしまい、上記のイベントの数々が一切発生しなくなる。
    • 革新派が当選した場合に生まれる発明や産物は他の都市のさらなる発展に影響することも多いため、これらが生まれなくなることは この村のみならず他の都市の発展の停滞にも繋がってしまう。
  • 革新・停滞のどちらの道を辿ったにせよ、村の現状を喜ぶ者・嘆く者はそれぞれ一定数現れてくるため、どちらの選択が正しいかを単純に決めつけることはできないものの、
    保守派を選んでしまうとこのゲームの醍醐味である「都市の発展」要素の大きな割合を楽しむことができなくなってしまうため、ゲーム的には罠と言っても過言ではない選択肢となってしまっている。
  • 非ムービー時の演出は少々物足りなさも感じられる。
    • 上記にある演出の秀逸さは、いずれも挿入ムービー周りの品質に依る所が大きく、非ムービー時の演出と比較してしまうと少々物足りなく感じられるかもしれない*4
    • 上質なシナリオであることは間違いないが、細かく見れば粗やツッコミどころもそれなりにある。
      例として、終盤にウィルと言う少年が世界で初めて飛行機を完成させるのだが、世界で初めて飛行機が完成されたばかりなのに、 都合よく次の目的地の付近に滑走路がある 、 協力者の一人であるロイドが「飛行機事故で4000メートル以上からの墜落からでも助かった記録がある」などと言う等。 世界で飛行機が作られたばかりという、ストーリー設定とは不自然である。
  • メニュー画面が風変わりすぎて使いにくい、という意見もある。
    • 最後までアイテムの捨て方がわからなかったプレイヤーも少なくない。

その他

  • バグはほとんどないと思われる。プレイしていて遭遇することはめったにない。
  • 藤原カムイのキャラクターデザインは好評。「ロトの紋章」「雷火」で人気のあった氏のキャラクターは、前作の萩尾望都のキャラクターや前々作の不評パッケージからすると至って王道。
  • 地表の大地は、現実の地球を忠実に模したデザインであるため、ゲーム内に登場する地名の数々は、実在する(もしくは実在した)地名・都市名と同じ、もしくはもじったものとなっている。
    • とある都市にはクインテット本社ビル(いわゆる開発室)があり、制作スタッフ達のコメントが楽しめる。なお、シナリオ終盤になると…。

総評

同年発売ゲームに、長期にわたり話題を掻っ攫う『クロノ・トリガー』。同時期発売に『バーチャファイター2』、『真・女神転生デビルサマナー』。その後間も無く『ドラゴンクエストVI』、『風来のシレン』が来た為悲しいほど隠れてしまったが、ARPGとしての完成度は高く間違いなく名作と呼べる出来であり、今でもファンが多い。

余談

  • 海外では「Terranigma」の名前で欧州圏で発売された。パブリッシャーは任天堂。
  • 開発部のクインテットが倒産したせいかVCの配信自体が絶望的な状況。
    • とはいえ今でも根強いファンから愛されている作品であり、権利関係に最も近いであろうスクウェア・エニックスにVC配信やあわよくばリメイクをと求める声もある。
    • キャラデザを担当した藤原カムイ氏にとって思い入れがある作品であるようで、発売から26年もの時を経た2021年に氏の作品を展示した天地創造の個展が催されている。
    • また本作のサウンドを手掛けた小林美代子氏と共同で本作の再配信を求める署名活動も実施された。
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  • ARPG
  • クインテット
  • 1995年

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最終更新:2023年06月02日 16:15

*1 まともな選択肢を選んでいる限りは。

*2 レベルさえ足りていれば。

*3 シチュエーション的にも抑え込まれている理由が分からないものが大半。

*4 解りやすい所で例えると、序盤のボスとラスボスの撃破時演出がほぼ同じ爆発エフェクトだったりするなど