ブレス オブ ファイアII 使命の子

【ぶれすおぶふぁいあ つー さだめのこ】

ジャンル RPG
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対応機種 スーパーファミコン
ゲームボーイアドバンス
メディア 【SFC】16MbitROMカートリッジ
【GBA】32MbitROMカートリッジ
発売・開発元 カプコン
発売日 【SFC】1994年12月2日
【GBA】2001年12月21日
定価 【SFC】9,980円(税別)
【GBA】4,800円(税別)
プレイ人数 1人
レーティング CERO:A(全年齢対象)
※バーチャルコンソール版より付加
セーブデータ 3個(SFC・GBA共にバッテリーバックアップ)
配信 バーチャルコンソール(SFC版)
【Wii】2007年6月26日/800Wiiポイント(税5%込)
【WiiU】2013年7月10日/800円(税5%込)
【New3DS】2017年8月23日/823円(税8%込)
書換 ニンテンドウパワー
1997年9月30日/1,000円(税別)/F×5・B×4
判定 良作
ブレス オブ ファイアシリーズ

概要

『ブレス オブ ファイア』シリーズ第2作。
前作の500年後を舞台としており、ウインディア、音楽の国など前作にあった町なども再登場する。
主人公はリュウ、ヒロインはニーナと前作と同じ名前だが全くの別人(ブレスシリーズの主人公とヒロインは、代々リュウとニーナという名前)。
前作であった合体システム、仲間ごとの固有スキルなどのシステムは洗練され、後の街システムに繋がる「共同体」といった要素が追加された。


ストーリー

白竜族の戦士が仲間たちとともに邪神ミリアを討ち、世界に平和を取り戻してから500年後。

辺境のゲイト村で生まれ育った主人公リュウは、妹ユアと父ガナー神父の3人家族で穏やかな日々を過ごしていた。
ユアは村の裏山に眠る大きなドラゴンの傍らを気に入っており、ある日「ここで眠れば死んだ母の夢が見られる」とユアに勧められ、リュウは目を閉じてみる。しかしそこに母の姿はなく…
魔物のおぞましい眼がこちらを睨んでいた。

リュウは胸騒ぎを感じ村へ走ると、村人の様子がおかしいことに気づく。
父と妹の姿はなく、まるで、初めからこの村に存在しなかったかのように村の人々は誰一人としてリュウたち一家のことを覚えていなかったのだ。
途方に暮れたリュウだったが、孤児として教会に泊まっていた 野馳 (のばせ)り族の少年ボッシュと共にゲイト村を去る決心を固め、住み慣れた故郷を後にするのだった。

しかし、村を出た後に向かった洞窟で長い尾を持つおぞましい魔物「バルバロイ」と邂逅。
バルバロイはリュウが「 使命 (さだめ)の子」であることを告げるが、リュウにその言葉の意味を理解することはできなかった。

ゲイト村を出て10年後。逞しく成長したリュウとボッシュは、モトの街を拠点に「レンジャー」という何でも屋のような仕事をこなし生活していたある夜。
とある窃盗の現場に居合わせたボッシュに泥棒の嫌疑がかけられ、お尋ね者になってしまう。
ボッシュの濡れ衣をはらすためにリュウは真犯人を追う旅に出ることになるが、
行く先々で様々な事件に巻き込まれ、世界に異変が起こっていることを感じ取る。


特徴・評価点

  • 前作以上に多彩でアクの強い仲間・キャラクターたち。
    • 仲間数は基本的に前作と同じ8人だが共同体での待機時のセリフの変化の多さ、合体システムの進歩による性能変化、演出の強化による各キャラの見せ場の増大など、様々な面でパワーアップしており、ただでさえ個性的なキャラクター性がますます強まった。また前作はキャラの戦闘における性能の格差が激しかったが、今作はどのキャラも使い勝手がよいバランスとなっている。
    • ブレスシリーズのキャラクターデザインは毎回吉川達哉氏が担当しているが、新作が出るたびに絵柄が変化することでも知られる。その中でも本作のキャラクターデザインはおそらくシリーズで最もファン人気が高い。
      • この作品のニーナとリンプーという2人のヒロインの人気はシリーズ屈指。
    • 各キャラに必ず1つ以上はメインの見せ場となるイベントが起きる期間があり、いずれも好感が持てるキャラクターづけがされているため、感情移入度が高い。
    • また前述のバルバロイはその正々堂々とした性格やいかにも強敵らしいデザインなどから、シリーズでも人気の高い敵役。
      • ラストダンジョンで一騎打ちになる熱い展開、セリフなどもあって登場シーンは少ないにもかかわらずインパクトは強い。そのせいでラスボスはあまり存在感がないが。
  • 呪文周りのシステム整備
    • 前作では呪文選択画面において効果解説は無く、敵味方ともに魔法発動時に、呪文名ではなく「ざっくりとした効果内容」が文字表示され*1、種類の膨大な呪文*2のうちどれが発動したのかが解りづらかった点が今作で改善された。
    • 具体的には、「同じ属性の攻撃呪文は多くても3種類まで」に統一され、「呪文選択画面に効果解説文が表示」となり、「魔法発動時に呪文名が文字表示」されるようになった。
  • 仕様変更された主人公リュウの必殺技「竜変身」
    • 前作同様に、ゲームが進行すると主人公の内に眠る竜の力が呼び起され、ドラゴンに変身し敵を攻撃する「竜変身技」を習得する。しかし仕様が前作から大きく異なる。
    • 変身形態は「パピー」・「ドラゴン」・「カイザー」の3種が存在し、全種類共通でリュウの残AP全部を消費し一撃大ダメージを与えるのみ(竜形態のまま戦闘しない)という、シリーズ中でも屈指にシンプルな竜変身となっている。
      変身名 攻撃範囲 AP全快時ダメージ 備考
      ファイアパピー
      アイスパピー
      サンダーパピー
      単体 256 三種の属性から選択
      属性弱点の相手にダメージ倍
      属性耐性の相手にダメージ半減
      ファイアドラゴン
      アイスドラゴン
      サンダードラゴン
      全体 512 バグにより三種とも無属性攻撃
      カイザー 全体 999 無属性攻撃
      • ダメージ量は「使用時の最大APに対しての現在値の割合」によってのみ決まる上に防御力を無視するため、リュウのレベルを問わずAP全快で放てば最大ダメージとなり、高位の形態ほどダメージ最大値が高い。
    • 竜変身はストーリーが進むごとに強力なものを会得でき、低位「パピー」、高位「カイザー」は進行上必ず習得するが、中位「ドラゴン」は寄り道で発見する隠しイベントで習得する。
    • リュウの最大APの成長が遅いことがこれらの仕様と噛み合い、AP回復アイテムを大量に持ち歩けば、毎戦後リュウのAP全快を保つことはそれほど難しくはない。
    • 中位「ドラゴン」以上の攻撃なら大抵の道中の敵を一手で殲滅でき、名実ともに切り札と呼ぶに相応しい性能となった。
  • 強化された合体システム
    • 前作の仲間同士が合体する仕様ではなく、本作は世界中のどこかにいる6人のシャーマンのうち1~2人と仲間が合体する仕様に。ただしリュウと隠しキャラのディースは合体不可能。
    • シャーマンごとに属性や強化される能力が違い、キャラクターの欠点を補ったり長所を伸ばしたりすることができる。
    • さらに究極合体という、キャラクターごとに特定のシャーマンを組み合わせた状態になるとグラフィックや性能が大幅に変化する。
      • キャラクター性とかっこよさを両立させたキャラデザインは秀逸。また性能の変化によって多彩なパーティー編成ができるのも魅力。
      • 特に仲間の1人のタペタは素では弱くて能天気だが、究極合体するとデザインが精悍なものに変わり、ステータスも非常に強くなるというギャップが魅力のキャラである。
      • ただし1人のシャーマンにつき1人しか合体できないため、全員を究極合体させようとすると特定のキャラを入れた場合、メンバーがほとんど固定になってしまう(必要なシャーマンが被ってしまっているキャラもいるため)のが残念か。
  • 共同体システムの導入
    • 世界各地にいる移住希望者に話しかけて、主人公たちの創る集落「共同体」に誘致し、住民になってもらうというシステム。
    • 住民になった人間に応じて家屋内に道具屋や武器防具屋、ウインドウ変更やサウンドテストといった機能施設が追加される。
    • 更に最初の共同体のレイアウトの選択によっても施設のデザイン、追加施設が変わる。ここでしか入手できないアイテムや利用できない施設も多い。
    • 建物の数が決まっているため全ての移住者を移住させることはできないものの、当時としては自由度が高く、プレイヤーの手で自分好みの共同体を作ることができる。
    • 更に隠しイベントを進めると共同体が浮遊し、空飛ぶ乗り物として使うことができる。
  • 豊富な隠し要素
    • 「せんぎり」等の追加習得の隠し技、前作に登場したディースが隠し仲間として登場、特定の条件を満たすと真のエンディングが見られる、非常に貴重なアイテムを持つモンスター「グミオウ」が生息する島、釣りで会うことができワンランク上や当店限定の武器防具を販売するマニーロ、前述の共同体を含め様々な種類がある。
      • ちなみにグミオウが出現する小島では、他にもゲーム序盤に登場したモンスターが超巨大化した強化モンスターも出現する。発売当時双葉社から刊行された攻略本ではこの島のことに一切触れておらず、巨大モンスターのデータも載っていなかったため、初見で度肝を抜かれたプレイヤーは数多い(GBA版の攻略本には載っている)。
    • またシャーマンを見つける合体システムや移住者を見つける共同体も、一部見つけにくい移住者やシャーマンがいるため一種の隠し要素といえる。
  • 個性は抑え目だが、正統派で盛り上がりのある音楽。
    • シナリオのある山場を越えた後通常戦闘のBGMがよりシリアスなものに変更され、これがプレイを盛り上げる演出に一役買っている。
  • 前作に続いてファンタジーの基本を押さえてはいるものの、終盤になるにつれて暗くシリアスになっていくシナリオ。
    • 冒頭、なぜ村人はリュウたちのことを忘れてしまったのか、父や妹はどこへいってしまったのか、使命の子とはなんのことか それらの謎が解き明かされる終盤のシナリオはまさしく怒涛。
    • 特に敵の本拠地「大教会」へ突入するイベントはNPCの死亡の連続で、クライマックスへの勢いと同時に陰鬱な気分になってくること請け合い。
      • 彼らの死の一つ一つに意味があり、展開によっては救えるキャラもいるので話題に上ってもあまり批判はされない。
    • 陰鬱なイベントだけでなく、シリーズ伝統のセクハライベントやカエルの国でゴキブリやミミズ、ハエを使った料理を作るといったシュールでコミカルなイベントも多い。
    • そのギャップのせいで余計に暗いシーンがますます暗く見えてしまう所もあるが…。
  • 94年時とは思えない秀逸なドット絵。戦闘画面の様子は前作Ⅰよりもさらに細かくなり、動きもすばらしく敵も味方もグネグネ動く。
  • 会話相手の感情が見える「ドラゴンズ・ティア」
    • 特定のキャラとの会話時に「ドラゴンズ・ティア」という宝石がウインドウに表示されることがあり、この宝石の色によってその人物がリュウに対しどんな感情を持っているのかが可視化される。想像を膨らませ補完するのにも、相手の善意や悪意を感じるのにも一役買っている。
    • 上の色ほど友好的、下の色ほど敵対的
      宝石の色 色が表す感情
      虹色 運命
      水色 忠誠
      エメラルドグリーン 好意、協力
      黄緑 共鳴、共感
      親切、理解
      中立
      不信、疑心
      赤黒 敵意
      殺意
  • 任天堂が優遇している数少ない他社RPG作品。
    • 本作の内容ではないものの、リメイクなどで早期に発売及び配信されている。プラットフォームもGBA、Wii、3DS、Switchなどと非常に幅広く同じ任天堂のRPGよりも早く配信されているほど。

賛否両論点

  • 回復魔法の出番がアイテムに奪われがち。
    • 今作の回復魔法は前作と比較すると、全体的に高燃費に下方修正されており、さらに回復魔法に長けている仲間の素の最大APも低めで長旅になるとAP切れが起きることも珍しくない。APが高い回復役は一応いるものの、上級回復魔法は覚えない。
      魔法名 今作性能 前作性能
      リリフ 消費AP4(40HP回復) 消費AP3(50HP回復)
      アプリフ 消費AP7(100HP回復) 消費AP6(100HP回復)
      トプリフ 消費AP14(全回復) 消費AP15(250HP回復)
      リフラル 消費AP20(範囲120回復) 消費AP35(範囲250回復)
      リフレスト 消費AP50(範囲全回復) 存在しない
    • 一方で回復アイテムの性能は、100ポイントもの数値を癒すアイテム「げんきだま」が今作から店売りされるため、大量に買い込めば戦闘のシステム上、誰でも中回復魔法「アプリフ」が扱えるに等しい回復係を請け負うことができてしまう。
    • 加えて、仲間キャラの中で回復魔法の扱いに最も長けているボッシュが、ゲーム開始からほどなくして長期間離脱となる上に再加入時も離脱時のままの低レベルであり、前線級にレベルが追いつくまでの育成の手間がかかることもこの難点に拍車をかけている。
      • しかし、HP全快アイテム「リフルエキス」が店売りされていた前作とは異なり、今作の全快アイテム「トプリフエキス」「ロース」「サーロイン」「ちぬ」等は軒並み非売品。「げんきだま」も50ゼニーと序盤ではやや高額であり、中回復魔法「アプリフ」・全回復魔法「トプリフ」の出番は奪われていない…と思いきや、
      • フィールドマップにランダムで出現する「狩りスポット(動く草むら)」及び「釣りスポット(跳ねる魚)」は、フィールドマップでの戦闘終了後に一定確率で出現し、狩り・釣りの成果次第ではあるが非売品の回復アイテムが獲得可能となっており、そのラインナップに前述の全快アイテム「ロース」「サーロイン」「ちぬ」も含まれる。
      • また序盤の釣りスポットでは回復魔法「リリフ」「アプリフ」に相当する回復量の「いわし(40HP回復)」「きす(100HP回復)」を多く調達することができ、そのまま使うのも良いが「いわし」は売却すれば全く同等の回復アイテム「薬草(40HP回復)」約4個分の30ゼニーに換金できる。釣りはエサであるみみずが4ゼニーであり、後述の狩りと比べるとボタンを連打するだけで釣れる比較的易しいミニゲームのため序盤においては非常に経済的である。
      • 更には、狩りスポットで調達できる肉で最も低レアリティの「すじにく(40HP回復)」も、売却すれば薬草約12個分の100ゼニーに換金可能となっている。
      • 後述の通りエンカウント率が高いこともあり、時間さえかければHP全快アイテム複数調達や序盤のゼニー稼ぎはそれほど難しくはない。今作の敵は強いこともあり、この設定は救済措置の一つと言える。さらにHP全快アイテム調達は終盤のあるイベントを満たすための実質的条件となっている。
      • ちなみに、草むらの狩りはボッシュのボウガン狙撃かリンプーの棒殴りのいずれかが必須となり、慣れないと苦戦することも。しかし裏を返せば、狙撃弾の速度が上昇する究極合体ボッシュが解放されれば、「ロース」「サーロイン」の調達は容易となる。
      • なお、これらの全快アイテムはすべて単体対象のアイテムであるため、さすがに範囲回復魔法の出番が奪われるまでには至っていない。
  • アイテム合成施設「料理屋」の一部レシピ内容が強すぎる。
    • 共同体の建築様式を「通常」にした場合に利用できる施設の「料理屋」。HP回復アイテムが振舞われそうな施設名とは裏腹にその実態は、
      「消費アイテムを1~4つ合成し新たな消費アイテムを生み出す」…という恐ろしいポテンシャルを備えた施設である。
    • 攻略情報無しの全容把握は困難を極めるものの、ごく一部とてつもなく有用なレシピが存在し、そのいずれもがバランスブレイカー級の利益を生み出す。
      • レシピ内容は割愛するが、「パワーフード」や「はやめし」といった能力値強化のドーピングアイテムや、高額換金アイテム「おうごんとう」、全員のHPを全回復し守備力上昇効果まで備える「ハードせんべい」、果てにはAP100回復の超貴重アイテム「ちえのたま」すらも、共同体の移住者次第では店売りの素材のみで作り上げることが可能
      • 自重することなくフル活用した場合、能力値ドーピング・所持金増殖・最大威力の竜変身を毎ターン連打可能、とまさにやりたい放題となってしまう。たまに失敗し「おこげ」になるのはご愛敬
  • 戦闘の行動順がその戦闘内限定で各ターン全てで固定される。
    • 戦闘開始前に素早さと乱数で行動順が決まるが、例えば1ターン目の行動順が「仲間1→モンスター1→仲間2→モンスター2」の場合、以降素早さアップの魔法などが使われない限り全てのターンでこの行動順となる。
    • このシステムを利用して素早さの高い仲間が回復アイテムや補助魔法を使うことで素早さの低いキャラを支援する戦法を安定して取ることができる。逆に素早さの高いモンスターに毎ターン先制を取られることで泥試合になったりすることもある。
+ マルチエンディングについて
  • 本作のエンディングも前作同様のマルチエンディング方式となっており、バッド・ノーマル・グッドエンドの3パターンの幕引きが存在する。
    しかし、攻略情報無しにグッドエンドの条件を満たす難易度は前作から上昇しており、SFC版では存在すら知らないままのプレイヤーも非常に多かった。
    • 物語終盤のある選択肢で誤った選択をするとバッドエンドとなる。その際の不気味なBGMと暗闇に魔物達が集結している一枚絵はトラウマもの。
    • グッドエンド条件を満たさないままラスボス討伐することでノーマルエンドとなる。おおよそハッピーとはいいがたいビターな結末になるものの、違和感の無い綺麗な幕引きとなる。
    • シナリオ中一度しかチャンスの無い分岐条件で正解を選び、その上で隠しイベントをこなすことでグッドエンド条件が満たされ、ようやくハッピーエンドと呼べる幕引きとなる。
      • しかし、ノーマルエンディングのほうが正史にふさわしいとして支持するファンも多い。
        特に、攻略方法が明確になったGBA版で初めてグッドエンドを鑑賞したプレイヤー曰く、期待した程の感動は無かったという感想も少なくない。

問題点

  • 前作同様エンカウント率が高い。
    • 前作ではエンカウント封印効果があり頼りになった「まもりけむり」の効力が、今作ではエンカウント「軽減」に変更となり効果がかなり薄くほとんど役に立たない。
  • 敵の強さとパーティー人数のバランスが明らかに悪い箇所があり、しかもその区間がそこそこ長い。
    • 特に序盤、リュウ一人旅から回復役がいないパーティまで続く期間は突出して難度が高く全滅することも*3
+ 強い敵の例(ネタバレ注意)

マンイーター

  • リュウ一人旅最大の難所。スゥイートブレスは味方を眠り状態にさせる厄介な技である。この時点では2匹以上エンカウントすることもあり、リュウが先制を取れないことも多く、先制された時点で前述の戦闘システム上、まともに戦うと先に使われてしまった時点で「にげる」を選ばない限りほぼ詰みとなる。

アーガス

  • HP,攻撃力が高くさらに2回行動をしてくるボス。特にためて直後の攻撃は3桁のダメージを出すこともあり、あっさりと全滅されてしまうことも。
    • 直前のイベントで誤るとパーティ2人で戦わないといけない場面になるため、難易度がさらに上がってしまう。

リザードマン、キラーゴブリン

  • 前者は攻撃力倍増のギガート、後者は守備力半減のデイルで猛攻をしかけ、合計4匹でのエンカウントが起きることもある。おまけに行動力(素早さ)もリンプーで確実に先制できるのがやっとで、道具で回復しようとすると先制されて回復が無駄になってしまうことも。
  • 敵から入手できる経験値が少なく、レベルが全然上がらない。
    • GBA版で入手経験値が2倍に調節されていることからも、少ないのは明らか。
  • 前作よりも仲間の育成の手間が増大した。
    • 今作のPT編成では、リュウの他の仲間は3人しか同行できず、同行していない仲間は経験値を得られない仕様である*4
      この仕様変更のため、仲間の人数が増す程にメンバー内のレベル格差が顕著となり、バリエーション豊かな仲間達ではあるものの、効率を考えてしまうとずっと同じ顔ぶれで最後まで押し通すというプレイングになりがちである。
  • ドラクエでいうルーラにあたる移動魔法「ヒュール」が一部のキャラしか使えない上に、そのキャラの加入が中盤。
    • これも上記のPT編成の仕様変更により、快適さを損なってしまった事例である。
    • 今作ではリュウと同行している仲間しか移動中呪文が唱えられず、仲間の育成状況によっては…
      「スタメンにヒュールを扱える仲間が不在→ヒュールを覚えている仲間と入れ替え→ヒュールの後にまた元の編成へ戻す」という面倒な手間が大いに起こりうる。
  • ゲーム序盤に共同体まで何度も戻らなければならないイベントがある。
    • この時点でヒュールは扱えず徒歩で往復せざるを得ないのだが、この町と町の距離はかなり遠い。ある仲間のフィールド特技を使えば、ほぼエンカウントなしで移動できるが、それでも時間が掛かる。
  • ドラクエにおけるリレミトにあたるダンジョン脱出魔法「デルダン」は用意されているが、使用不可のダンジョンも多い。
  • お使いイベントが非常に多い。
    • 波乱含みな物語導入部分を過ぎると、倒すべき巨悪、世界を脅かす大問題といったものが提示されないまま、ひたすら主人公の目の前に起きる問題の解消に奔走する展開となる。
      「一見平和な世界だが、実は徐々に見えない悪に侵食されている」ことに気づくことからシナリオが始まり、更にその正体をつかむまでの期間にシナリオの大半を費やされるため、終盤になるまで目的が示されないのがその理由。
    • 主人公たちは世界を回り各地で起きている問題を解決し、それが終盤になってその原因が一つの所に繋がっているということが初めて判明するという展開である。
    • このため、新たな土地を訪れればご当地の事件を解消、次に向かう地域でまた別の問題を解消…と、終盤になるまで単調な展開になりがち。
    • 過去に解決した事件で得た人脈が事態打開の糸口になるなど、終盤は勢いがあるのだが。
  • 仲間の合体が、最大HP4分の1まで減ると解けてしまう。一旦解けたら、共同体までいちいち戻らないといけない。
  • 釣りで会えるマニーロ(武器防具屋)は釣り上げる際にエサの「コイン」を消費する必要があるが、道中でコインを拾える場所が少ない。
    • それ以外では敵と戦ってのドロップでしか手に入らないため、確実に手に入るコインだけでは全てのマニーロに会うことができない。
  • 終盤に利用可能になる空を飛ぶ乗り物が期間限定
    • RPGによく見られる「空を飛ぶ乗り物」(前述の共同体とは別)が存在するが、なんとシナリオ最終盤で使用不能になる。
    • この乗り物でないと入場できない釣り場の宝箱などが存在するため、気づかないままシナリオを進めてしまうと取り返しがつかない。
  • 一部の究極合体時のゾンビ状態(ターン開始前に状態異常回復しないと完全ゾンビ状態となって合体が解除され、仲間を攻撃する)のキャラクターが状態異常なし時との区別が難しい。
    • 究極合体時の仲間は瀕死状態のモーションがないため、状態異常にかかった場合は通常時と同じモーションをとるのだが、大半の状態異常は仲間の近くに該当のマークか文字があるのに対し、ゾンビ状態は色で判別しなければならない。
      • 特に肌色が藍色のリンプーはほとんど大差ないため(ゾンビ状態は肌が紫)、誤解してアイテムや魔法が無駄になったり、状態異常なしと勘違いし完全ゾンビとなったという例も少なくない。
  • セーブしたデータをロードすると、設定した陣形が初期化されてしまう。
  • 終盤、因縁の中ボスとの決戦時、イベント中演出時に見せた強さとはほど遠い。
    • 運が悪いと大魔法攻撃を連発してくるが、補助魔法やAP吸収魔法(ドラクエにおけるマホトラ)を好み無駄行動が多いため、強さのムラが大きく人によっては拍子抜けする。
    • 強さに関しては、倒した直後の選択肢によってはバッドエンドになるので、間違って選ぶことを考慮してのことだろうか。
  • 主人公の妹の出番が中途半端に終了し、それっきり忘れ去られる。
    • プロローグ以降に登場しない。と思わせて…実は本編序盤から登場しており、図らずもこの人物の最初の行動によって主人公と仲間たちとの出会いのきっかけが生じていた。
      …という役回りの重要人物ではあるのだが、主人公の妹という直接な描写は無い*5上に終盤のイベントシーンで草むらに突き飛ばされ、その後エンディングを含め全く登場しないという謎の結末を迎えている。父親と違って主人公との再会を喜ぶシーンすら無い。
      せめてエンディングくらいには出番を与えてもよかったのではないか、という意見も少なくない。
  • 主人公リュウが高レベルになるほどに「竜変身」の使い勝手が悪化する。
    • 竜変身のダメージ量は「使用時の最大APに対しての現在値の割合」によってのみ決まる上に防御力を無視するため、リュウのレベルを問わずAP全快で放てば最大ダメージとなる。しかし裏を返すとこれは、現在AP値以外のパラメータは竜変身のダメージに全く関わらないことと同義。極端に言えば竜変身の最大威力は変わらないまま最大威力に要するAPのみが膨らみ続けるという仕様である。
    • そのため、「リュウのレベルが未熟なほど少ない補給で大ダメージを狙える」という低レベル時の経験値稼ぎ促進の救済措置と取れる反面、リュウの最大APが成長する程にどんどん使い勝手が悪化する。
    • これらの仕様を理解すると、「リュウのレベルアップはデメリット」と感じるプレイヤーも少なくない。下記の補給手段の要素も相まって、最大APが20の倍数からはみ出した時に大きく使用感を損なう。
      • APを大量に回復する手段が、宿や回復ポイント以外では少ないのもそれに拍車をかけている。手軽に調達できるAP回復アイテム「ちりょくのみ」「アブラメ」「なんこつ」は20ポイントしか回復できない上、HPに20ダメージを受けるというペナルティつき。
        戦闘中の場合はHPが0以下になれば気絶してしまうため、よく考えて使わなければならない。
  • 竜変身「ドラゴン」に関する不具合
    • 竜変身中位「ドラゴン」は、中盤ボス戦の要と言える威力なのだが、炎氷雷の3属性のバリエーションが、設定ミスにより全て無属性技となってしまっている。
    • この属性不備はGBA移植版では修正され、機能している。
  • ボス敵のセリフにやたらと「殺す」という言葉が出る
    • コミカルな描写が多い作中で度々差し込まれるシリアスの演出ではあるが、あまり良い要素とは言えない。
    • GBA移植版ではテキストが修正されている。
  • ラストダンジョンはエンカウント率を抜きにしても非常に長く、極めて過酷な道のり。
    • 途中に回復・セーブできる場所はあるが、仲間の合体が解けてしまった場合は共同体まで戻らなくてはならないうえにラストダンジョンの入り口から移動しなおしである。しかもやり込み要素を考慮した場合はキャラによっては仲間の合体をしてはならない場面があるため、より道のりが面倒になる。
    • ラストダンジョン内でセーブした後でデルダンで脱出し、外の用事を済ませたところでわざと全滅すれば内部のセーブポイントから再開することが可能、という小技も一応ある。もちろん、誤って外でセーブしてしまったらご愁傷様だが。

総評

ブレス オブ ファイアの正統進化系で、細かい粗さはあるものの前作より安定したゲームバランスと整えられたシステム、生き生きと描かれたキャラや印象に残るシナリオによってシリーズファンの中でも、特に人気のある一作である。


余談

  • CMがネタバレ
    • アニメ調の主要メンバーと実写キャストが扮するサブキャラによる寸劇である。初見では意味不明のCMだが…今作をクリアした後(重要)にもう一度見ると、本編中のとあるイベントシーンを抜き出したものであることが判明する。
  • 副題は『ファミリーコンピュータMagazine』誌上で行われた読者公募によるもの。
    • ちなみに結果発表時は「しめいのこ」とルビが振られていたが、製品版では「さだめのこ」が正式名称となった。
  • 物語序盤のダンジョン「魔女の塔」にとんでもない小ネタが含まれている。
    • ダンジョン入口の床のスイッチをなぜかリュウを先頭にして数回踏む…という手順を経て中へと進むギミックがあるのだが、このフロアの構造を俯瞰で見渡す(重要)と、先ほどの「手順」に恐ろしい意味が含まれていることが判明する。
  • 発売当時は他に話題を持って行かれてしまった
    • 前週に『スーパードンキーコング』が発売されており、そちらが大ヒットした事もあり、本作は陰に埋もれてしまっている。
    • また発売前のVフェス94でも本作が紹介されたものの、同時に発表された『ドラゴンクエストⅥ 幻の大地』、『クロノ・トリガー』の話題にしか目がなかったゲームプレイヤーも多く、知名度を下げてしまった一因となっている。

移植

  • 2001年12月21日にGBAへ移植されている。現在はプレミア化しており値段は高め。
    • GBA版では取得経験値がSFC版から2倍に、獲得資金が3倍に増えた。またダッシュ、中断が追加された。
    • 前作に引き続き、前述通り「殺す」という台詞が(ある場面を除いて)ほぼ全てカットや差し替えとなっている。
    • 各イベントやエンディングなどに新規イラストが追加。
    • さらに他プレイヤーとの通信で武具などアイテムの交換が可能にもなり遊びやすくなっている。
    • ある救出イベントが戦闘画面の仕様により、SFCより難易度が大幅に上がっている。初見で救出することはまず不可能。
    • エンカウント率も少し下がっている…のだが、初めて訪れた地のエンカウント率が跳ね上がる(イベント進行で下がっていく)というシステムが追加されたため、体感的なエンカウント回数そのものはSFC版よりも多くなってしまっている。
  • 2007年にWii、2013年にはWiiU、2017年ではニンテンドー3DSにて各バーチャルコンソールで配信されていたが、いずれも現在は終了している。
    • 2020年からは『スーパーファミコン Nintendo Switch Online』に収録された。
      • 2024年2月6日からは期間限定ホームページの『カプコン超選挙』の「レトロゲーム」のコーナーで、5月31日まで無料でプレイすることが可能。
      • いずれもSFC版の配信であるため、上記のGBA版追加要素はない。
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  • 1994年
  • カプコン
  • ブレス オブ ファイア

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最終更新:2024年04月02日 16:47
添付ファイル

*1 例えば雷魔法ならば、呪文のグレードに関わらずどれも「いかずち」という表記である。

*2 ひとつの属性につき5種類の差分が存在し、発動エフェクトも似たり寄ったりである。

*3 今作の全滅時は、所持金半減で最後にセーブした竜の神像に戻される。ゲームオーバーとはならない。

*4 前作では戦闘不参加の控えの仲間も経験値を得られた。

*5 イベントで幼少の時の口癖が戻り、実はという程度

*6 ローソンで1997年9月30日~2002年8月31日まで行われたゲームソフトの書換えサービス。空状態の専用メモリカセットを3,980円購入して別料金で書換て入れる必要がある。割高な上に端末の操作がわかりにくくスーパーファミコン自体が時代遅れ同然だったこともあって普及しなかった。しかもこういった既存タイトル専用タイトルに比べると書換え料が安かったが中古カセットを購入した方が安かったため尚の事利用されなかった。