本記事はSFC版について解説しています。
Switch/PS5/PS4/Win向けリメイク作品については『ライブアライブ』(中黒なし)の記事を参照して下さい。


ライブ・ア・ライブ

【らいぶ あ らいぶ】

ジャンル ロールプレイング
高解像度を見る 裏を見る
対応機種 スーパーファミコン
発売元 スクウェア
スクウェア・エニックス(VC)
発売日 1994年9月2日
定価 9,900円(税別)
プレイ人数 1人
セーブデータ 4個(バッテリーバックアップ)
レーティング CERO:B(12才以上対象)*1
配信 バーチャルコンソール
【WiiU】2015年6月24日/926円(税8%込)
【New3DS】2016年11月28日/926円(税8%込)
判定 良作
ポイント スクウェアと小学館漫画家のコラボRPG
場所も時代もシステムも異なる7編+αのシナリオ
少々貧相ながら丁寧な作りのグラフィック


概要

スクウェアと小学館のコラボレーション企画として制作されたゲーム。
キャラクターデザインを手がけた漫画家は、パッケージ(表)の左から順に、石渡治・島本和彦・皆川亮二・田村由美・藤原芳秀・小林よしのり*2・青山剛昌*3の7氏。
その各漫画家がキャラクターデザインをした、場所も時代もバラバラな7つの世界(パッケージ左から、西部編・近未来編・現代編・SF編・功夫編・原始編・幕末編)を全てクリアすると、スクウェアオリジナルの8つ目の世界『中世編』を始めることが出来る。
それをクリアした後、全ての世界の主人公が一堂に会する『最終編』が始まる。


各シナリオ解説
本作は各編ごとに異なる世界観とシステムを持つ異色のRPGである。以下に全9編の概要を述べる。

+ シナリオ紹介 少し長いので閉じます

初期状態で選べる7つのシナリオはどれからでも順不同で始めることができる。
以下はパッケージ裏および公式サイトでの紹介順で記載。

原始編『接触』
  • 原始人の少年「ポゴ」が主人公。言葉が存在しない世界観のため、会話はジェスチャーや表情・絵文字のみ、技名も擬音語で統一というRPG史上でもトップクラスに珍しいシチュエーション。
  • 敵は見えないので匂いを嗅ぐ(Yボタン)ことがこのシナリオを進める上での最大のポイントとなる。狩りなどで集めた材料を組み合わせ合成することで有用なアイテムを得ることもできる。
  • パッケージ裏のシナリオ一覧で最初に紹介されており、時代順でも明らかに最古なのだが、上記の通り内容は初心者向けとは言いがたいため要注意。
  • イラスト担当は「おぼっちゃまくん」や「ゴーマニズム宣言」等で有名な小林よしのり先生。ちなみに先生は多忙だった為なのか、この作品については「全然覚えてないのだ。」とのこと。
幕末編『密命』
  • 時は幕末の日本。高い潜在能力を認められ、要人救出の密命を受けた新米忍者「おぼろ丸」を主人公とし、カラクリが多く仕掛けられた迷路のような城を進んでいく。
  • 城内の人間をひたすら斬るも、隠れ蓑(Yボタン)で姿を消してやり過ごすも自由。アクションゲームのようにシビアなタイミングの操作が要求される場面や、比較的広いフィールドの中に隠し要素が満載されているシナリオ。
  • ニューゲーム時のデフォルトのカーソルはこの編に合っているのだが、こちらも上記の通り内容は初心者向けとは言いがたいため要注意。
  • イラスト担当は説明不要と思われる探偵漫画「名探偵コナン」でお馴染みの青山剛昌先生。現代を舞台としたコナンで有名な現在では、青山先生が幕末編のような世界観の担当というのは珍しい様に感じるかもしれないが、当時のコナンはまだ連載が始まってそれほど時間も経っていない時期であり、先の連載作であった「YAIBA」(こちらもアニメ化やゲーム化もされている)は現代が舞台ではあるものの、ファンタジー要素も多いアクション作品であったので、当時の読者は違和感なく受け入れていたものと思われる。
功夫 (クンフー)編『伝承』
  • 中国「大志山」に居を構える老練の拳法家「心山拳老師」が、老衰と門下生不在から後継者探しを決意し、個性豊かな3名の若者を弟子入りさせ、稽古を付ける事がテーマのシナリオ。
    • 素人だが勇気ある少年「ユン・ジョウ」、野盗をしていた気性の激しい少女「レイ・クウゴ」、身のこなしが光る食い逃げ常習犯の巨漢「サモ・ハッカ」。心山拳の伝承者となるのは、果たして誰になるのか。
  • 主人公の扱いなどがやや特殊なシナリオ。功夫編の終盤までは老師を操作するが、ボス戦以降は伝承者となった弟子に引き継ぎとなる。このため名前変更できるのは流派の名前「○○拳」のみである。
  • イラスト担当は「拳児」や「ジーザス」等の作画担当として知られる藤原芳秀先生。氏の起用は中国拳法を題材とした「拳児」を連載していたところからだろうか?
西部編『放浪』
  • 凄腕のガンマンとして荒野に名が知れた賞金首「サンダウン・キッド」が主人公となる、まさしく西部劇そのもののシナリオ。
    • サンダウンは成り行きで、ライバルであるはずの賞金稼ぎ「マッド・ドッグ」や町の住人達と協力し、明朝に攻めてくる無法者集団「クレイジーバンチ」に備えることとなる。
  • 敵は大集団だが、限られた時間で罠を上手く仕掛けた分だけ人数を減らしていくことができ、敵との戦いが有利になる。そう説明すると一見難しそうだが、最悪「罠ナシで敵全員と戦う」羽目になっても頑張ればクリア可能。
  • イラスト担当は「B・B」や聖飢魔IIのOVA作品「HUMANE SOCIETY 〜人類愛に満ちた社会〜」のキャラクター原案等で有名な石渡治先生。余談ではあるが氏の代表作で小学館漫画賞を受賞した「B・B」はボクシング漫画であり、いわば格闘を題材とした作品。後述の格闘を舞台とした現代編を担当した皆川亮二先生は後に西部劇を舞台とした「PEACE MAKER」という作品を描くことになるという面白い現象が起きていた。
現代編『最強』
  • 最強を目指す日本人格闘家「 高原 (たかはら) 日勝 (まさる)」が、世界中の達人と拳を交わし直接技を集めることで最強を目指すという、RPG離れした格闘ゲーム調のシナリオ。
  • 任意の相手を選択して1対1で戦い、相手の特定の必殺技を受けるとそれを習得できる。しかしそのボス戦闘以外の要素は全て存在しない(装備品/アイテムやレベルアップの概念もない)。
    • 最もシンプルな構成だが、それゆえに本作の特徴的なバトルシステムが強調されている。
  • このシナリオの主役である高原日勝は最終編においていくらレベルアップしても 知力が25から成長しない ことがよくネタにされる。これは原始編のポゴはおろかその相棒の 類人猿であるゴリ以下 という数値。現代日本人という設定のはずなのにどうしてこうなったのか…(一応装備で補強することは可能だが)。
  • イラスト担当は「スプリガン」や「ARMS」等で有名な皆川亮二先生。氏の作品はどちらかといえば機転が利く、所謂アタマのキレるタイプの主人公が活躍するといった内容のものが多いのだが、これまたどうして上述の様なことになったのか…。ある意味イラスト担当にシナリオのノリが引っ張られている後述の近未来編とは真逆なことになっているといえる。
近未来編『流動』
  • 主人公は日本の日暮里近辺の孤児院で暮らす、超能力を持った不良少年「アキラ」(本名: 田所 (タドコロ) (アキラ))。物語のカギを握るは、巨大ロボット「ブリキ大王」。
    • 話し相手の心をテレパシーで探りつつシナリオを進めるが、意外にも7編の中では最も正統派な内容。原始編と同じく、アイテムを作成するシステムもある。
  • イラスト担当は「炎の転校生」や自伝的作品であり、テレビドラマ化もされた「アオイホノオ」等アツイ そしてそこから醸し出される妙なバカバカしさの溢れる 作品でお馴染みの島本和彦先生。
    • 全体的にイラスト担当の島本和彦を意識したノリで、作家に作風が引っ張られている人気シナリオ。
  • ちなみに現代の高原が知力25から成長しないのをネタにされがちだが、こちらのシナリオに登場する無法松も実はレベルアップしても 知力19から成長しなかったりする 。レベルアップ時にノリノリでライダーポーズを決めるのだか、そんな場合じゃあないだろう。まぁ最終編に登場するキャラではないのでそこまで問題ではないのかもしれないが (松のレベルを上げる人はそれほどいないのか、高原ほど話題にもされないし)
    • 無法松は自身を「昭和の男」と言っており、上述の現代編も発売時期を現代とするならば、平成に入ってそれほど時間が経っていない年代と思われる(1994年発売なので平成6年)。高原の年齢は10代後半〜20代かと思われるので、彼もおそらく「昭和の生まれ」ということになるだろう。この作品の「昭和の男」は知力が低い&成長しないのだろうか?
  • プロレス中継でミサワ対ムトーの試合が行われている。今となっては過去といえるのかもしれないが、発売当時を考えてみると近未来という時代設定に妙なリアリティが感じられなくもない要素になっているといえるかもしれない。ちなみにこの中継、最後まで観るとプロレスの知識がある人ならば、非常に興味深い内容に発展して終わりを迎えることになる。
SF編『機心』
  • 主人公は宇宙船でメカニックのカトゥーに作られたばかりの、高い自己学習能力を持つ小型作業用ロボット「キューブ」。
    • 無機質で閉鎖的な船内やほぼ環境音のみのBGM、脱走した凶暴生物ベヒーモスなど、パニックホラー調の雰囲気。
  • 戦闘はミニゲーム「キャプテン・スクウェア」とボス戦しかなく、アドベンチャーゲームのように会話中心でストーリーが進む。
  • イラスト担当は「BASARA」やテレビドラマ化もされた「ミステリと言う勿れ」等で有名な田村由美先生。このシナリオは戦闘がミニゲームのみで仲間になるキャラクターがいないためなのか、田村先生が登場人物全てのイラストを描いてくれている。
  • 以上、最初から選択できる7編全てのストーリーにボスや黒幕が存在するのだが、その名前にはある共通点が存在する。 そしてこれら7編をすべてクリアすると…
+ ネタバレ注意
中世編『魔王』
  • 主人公は若き剣士「オルステッド」。ルクレチア王国を舞台に仲間を集め、共に魔王に攫われた姫を助けに行く。
    • 隠しシナリオでありながら(本作に限っては「隠しだからこそ」)、従来のオーソドックスな王道ファンタジーRPGを強く意識した内容。
    • このシナリオからザコ敵との遭遇が実質的なランダムエンカウントに変化するが、それ以外に特殊なシステムは無い。
  • この中世編のみイラストを担当する漫画家が存在せず、キャラクターデザインもスクウェア自身が行っている。

さらに、中世編もクリアすると…

+ さらなるネタバレ注意
最終編
  • 黒幕の手によって一堂に会する事となる、各8シナリオの主人公達。全てが1つに繋がる、本作最後のシナリオ。
    • これまでの8編の主人公8名から、1名を選択してゲームスタートとなる。
  • この世界の真意を読み解き、このゲームの真のエンディングを目指せ。

評価点

シナリオ

  • 重いストーリーも多い(詳細は後述)が、とてもよく練られている。
    • 各シナリオごとにテーマとなるサブタイトルが存在している。例えばSF編『機心』・現代編『最強』・中世編『魔王』というように。
    • 特に近未来編はその熱いストーリー、明確なテーマ性、優れた演出から非常に人気が高く、感動したというプレイヤーも多い。
    • あるシナリオの中盤より始まる衝撃の大どんでん返しの連鎖は、多くのプレイヤーを戦慄させた。
      • ネタバレになるため本記事での詳細な記述は避けるが、一般的なRPGに対するアンチテーゼと呼べるものになっている。
    • 最終編は全シナリオの主人公・アイテム・敵キャラが勢揃いする、まさに本作の集大成ともいえるシナリオである。
  • 『幕末編』の0人斬り/100人斬り、『現代編』の技のラーニング、『原始編』のレアアイテムを落とすモンスターなど、予想以上にやり込み要素が充実している。
    • 西部編での最後の行動や幕末編での最後の選択肢など、細かい行動で変化するエンディングもある。
    • 色々と無茶なことができるゲームなので、タイムアタックも熱い。
  • 全編クリア前なら、セーブデータロード時にシナリオの最初からやり直すことが可能。クリア済みのシナリオを再度最初からやり直す事もできる。
    • 強力なアイテムを取り逃してしまったり、現代編で主要な技を覚え損ねたりしてしまった場合でも詰みにはならない。
  • 名シーン、名台詞*4やネタ、迷ゼリフ*5も多く、当時のスクウェアらしい作風はよく現れていた。
    • お色気イベントもいくつかあり、西部編、近未来編では女性キャラクターの着替えや入浴を覗けたり、下着を盗めて装備する事も出来る。原始編のエンディングや、幕末編の姫やコマまわしなど、想像をしたくなるものも。
    • 小ネタも充実しており、分かる人にはニヤリとできたりする。
    • 各シナリオは当時流行していた映画やアニメ、ゲームなどをモチーフとしている。近未来編は『AKIRA』と『ゲッターロボ』、現代編は『ストリートファイターII』、SF編は『2001年宇宙の旅』といった感じ。
      • 作曲者の下村氏は『ストII』の作曲者でもあった(当時カプコンからスクウェアへ移籍してきたばかり)ため、現代編はセルフパロディとも言える。
  • フォントの品質も良く、会話では色々な吹き出しが出たり、アイテム名まで漢字が使われている。また、選択肢においてもはいといいえだけではなく色々な選択肢があり奥深い。
  • どこでもセーブができる、会話も移動もテンポが良く快適、全てのアイテムや全ての技に簡潔な説明文が表示されるなど、全体的にプレイヤーに対して親切設計。
    • ただしセーブについては場合によっては状況が詰んでいるという事もありうるのは注意されたし。
  • 本編と直接は無関係だが、タイトル画面を放置して流れるオープニングデモの完成度が極めて高い。
    • 映画の予告編のような構成となっていて、本作の雰囲気・7編の雰囲気・熱い戦闘シーンの内容が一気に伝わってくる、RPG界屈指の名デモである。
  • オムニバス形式ということもあり、一つ一つの編自体はそこまで長く無いが、それ故にひと段落付けやすい気軽さがある。
    • 同じくSFCでオムニバス形式を用いた『星のカービィ スーパーデラックス』のディレクター桜井政博氏は、SFC当時はその性能もあってフィールドの広さやストーリーの重厚さに重きを置く流れがあったと語っている。そう言った風潮に囚われないシステムに挑戦したということは評価に値するだろう。

音楽

  • 下村陽子氏による音楽は秀逸。
    • 思わず胸が躍ってくるメインテーマ「LIVE・A・LIVE」や、各編のボス戦前イベントで流れる「魔王オディオ」から相乗効果でバトルを盛り上げてくれる全編共通のラスボス戦曲「MEGALOMANIA」、近未来編のロボのテーマ曲でいわゆる王道アニソン(しかも歌詞字幕付き)のノリの「GO!GO!ブリキ大王!!」などは人気が高い。*6
    • 音楽は秀逸なだけでなく、曲目数も非常に多い。特に「各章ごとに固有の通常戦闘曲」が存在するため通常戦闘曲が豊富である点はRPGとして最大限に特筆すべき点であり、通常戦闘曲だけで8曲*7もあるのは発売当時ではこの作品くらいではないかと思われる。
  • クリアしたシナリオの曲は、メニュー画面にあるサウンドテストの項目でいつでも聴くことができる。曲名も同時に表示される。
    • さらに一度最終編を真のエンディングでクリアすれば、最終ボス戦を含む全曲が聴けるサウンドテストがすべてのセーブデータで無条件解放される。
    • ただし、ごく一部の曲*8や通常曲のアレンジ違い*9はサウンドテストでも聞くことができない。

戦闘システム

  • 「チェッカーバトル」と称する、7×7のマスを使ったフィールドバトル。キャラを操作してマス目を移動し、「技」や「パス」などの行動を選択する。いわば簡易的な戦略シミュレーション型の戦闘。
    • 技の一つ一つには射程や攻撃範囲などが設定されている。これを考慮して有利な位置を取るのが本作の攻略の肝と言える。
    • 各キャラクターの「技」にはMP等の概念はなく、ごく1部のボス戦闘での技を除き何度でも使用できる。しかしその効果はかなり多種多様で、強力な技には「発動まで数ターン掛かる技」や「自身のステータスレベル低下などの反動が伴う技」もあり、使用するタイミングを見極める必要がある。
      • 「敵のステータスレベルを下げる」「敵を状態異常にする」のみならず「ダメージ床を作る」「敵を別のマスへ弾き飛ばす」「特定の『属性』を持つ攻撃を喰らった際に自動発動して反撃」「体力を吸い取る」などユニークな特殊効果がある技が多い。
      • キャラクターには「力・体・速・知」という4つのパラメータがあり、与えるダメージ・ターゲットとなった際に受けるダメージ・状態異常の成功率・状態異常を使われた時の被弾率に関わる。技によって、どのパラメータが関与するかは全て個別に設定されているため、どのパラメータも攻防両面に機能しており、死にステというものがない。
      • ほぼ全ての技に細やかな『属性』が存在し、多くのキャラや装備品には属性やステータス異常に対する何かしらの「回避属性」がある。技属性は鈍器・斬り・手技・足技・飛び道具・炎・水・精神など16種類、ステータス異常は睡眠・麻痺・石化など8種類と、かなり細かく設定されている。また、特殊なダメージ床も4種類存在する。
        なお、「回避属性」は「耐性」のようなものではあるが、一般的な耐性とはやや異なる。詳しい仕様は後述の「その他の仕様について」を参照。
      • 特殊効果には「行動異常」という敵にのみ通用する隠し要素もある。例えば「マザーイメージ」では敵が技を一時的に使えなくなったり、「忍法コマ回し」では敵がその場でしばらく回転し続けるなど、特性を理解すれば役に立つ技も多い。
      • なお、この行動異常はプレイヤー側の技の追加効果で発生するほか、敵が行う特定の行動や技で敵自身がこの異常に掛かることもある。
        特殊な例としては般若丸が「一つ人の世悪の元(技後、自身の1つ目の技を封印)」→「二つ不敵なヤサ男(2つ目の技を封印)」→「三つ見事に成敗の(3つ目の技を封印)」→「秘剣!鬼ヶ島斬り」と、わざと自身の技を一時的に封じていくことで順番に強力な技を出すという行動制御を兼ねている。
    • 大型のキャラ
      • 複数マスにわたる大型の敵は登場するし、こちらも大型キャラを使って戦う場面が有る。こうなると、迫力はあるが移動の制約は著しい面もある。
    • 「背後」や「側面」の概念が存在し、死角になる場所から攻撃すると通常よりダメージがアップする補正が加わる。これは敵味方共に適用されるため、敵の背中から攻撃すれば有利に、逆に敵に背を向けた状態で攻撃を喰らってしまうと不利になる。
      • ただし、一部の敵は背後から攻撃されることで攻撃パターンが激化するものも存在する。例として現代編の「森部生士」は背後から攻撃されると本気モードのスイッチが入ってしまい、奥義を惜しみなく乱発するようになる。
      • また背面攻撃・側面攻撃の補正度はキャラ毎に異なり、例えば「大顔面」や「ファングイーター」など一部の敵は後ろや横をとってもダメージは伸びない。また尻尾を持つ敵は背後の守りが固いが側面からの方がダメージを与えやすいといった変則的なパターンもある。この補正度の違いは味方にも存在し、例えば「心山拳老師」はどこから攻撃されても全く死角が無いが、逆に「ポゴ」や「サモ・ハッカ」などは後ろを取られると大ダメージを受けてしまうなど、キャラに合わせた設定がされている。
  • 現在HP・下がったステータスレベルや状態異常・戦闘不能状態などは戦闘終了後に自動で完全回復する。また、逃走可能な戦闘からは100%逃げることが可能。
    • このシステムを理解すれば戦略的にも楽しめるが、初心者は斬新過ぎてどうすればいいのか分からずにやられやすい。
    • 近未来編と最終編でアキラが仲間にいる場合は逃走コマンドがテレポートになる。詳しい仕様は下記の「その他の仕様について」を参照。
  • 通貨・所持金・買い物の概念は思い切ってオミットされている
    • 作中ではたいやきの価格や飯屋の支払い、賞金の話といった金銭に関する会話はあるものの、ゲームシステムとしてお金の出番は完全に省略されアイテムショップも存在しない。
      ゲーム内のあらゆるアイテムは、イベントNPCの贈り物や物々交換、探索での拾得、敵のドロップで全て賄われる。

賛否両論点

鬱要素

  • ストーリーの半分に悲壮なエピソードが盛り込まれており、まるで「生きる」というタイトルの裏返し*10であるかのように死んでしまうキャラが多い。
    • そうしたシーンで流れることが多い各編共通BGM「CRY・A・LIVE」がタイトル通り涙を誘う。
    • SF編は故障した宇宙船の中で乗組員が次々と殺され、やがて閉鎖した環境の中で疑心暗鬼にとらわれていくというSFホラー的展開。
      • 鬱とは少々違うが、SF編のベヒーモスがトラウマになった人もいる。
    • そして、主人公の1人はRPG史上稀に見るほど救われない展開を迎えるため、あまりにもいたたまれない気持ちになる。しかもこの救いのない展開が本作のラスボスが使う必殺技にも関係しており、あまりのエフェクトから「トラウマ必殺技」としてRPG界に名を轟かせている。また、1人の人間が◯◯◯◯へと至る道程を見る、というのは斬新と言える。

最終編の仕様

  • 最終編は全体的なマップの色が寒色系でBGMも陰鬱、更に人っ子一人登場しない上にどこに行っても敵ばかり出てくるため、長時間プレイしていると気が滅入ってくる。そのうえ、各編の世界が混じり合っているからか、ザコ敵はおイヌ様だのメカサタケ98だの「待ってたわ~(はぁと)」とほざくオカマ(しかも太っている)だの変な連中ばかりでカオス化しており、中世編からのシリアスな雰囲気をぶち壊しにしている。設定上は間違ってはいないのだが、もう少し何とかできなかったのだろうか...
  • 主人公達にとっての拠点と呼べる場所もないのも問題。パーティから外した仲間は、すぐに元いた場所に戻ってしまう。仲間の入れ替えが面倒なのもさることながら、何より気の休まる場所が無い。
    • ただし本作のバトルシステムにはマジックポイント・技ポイントの類は存在せず戦闘後はHPも全回復するため無補給でもゲームシステム的に「詰む」ということはほぼない。
    • また最終編は『魔王』によって『とある編の世界』が滅ぼされ、その上で更に時空を歪められた世界である事を匂わせている。各編の主人公達も『魔王』によって強制的に呼び出され、各々の世界に帰る事を目的としているため拠点のような場所が存在しないのは意図したものと思われる。
  • 隠し要素は豊富だが、幕末編のように「こちらを立てればあちらが立たない」要素がほぼ無く、知っていれば一回のプレイでコンプリートできてしまうため周回プレイの意欲が湧きにくい。

Lvが最重要となるバランス

  • 本作のLvは、成長度合いのみならず、それ自体がパラメータとして機能し、攻撃の命中率と回避率に依存するほか、パラメータダウンの成功率にも関わる。
    • そのため、レベル上げが直接強さに結びつきやすいのは評価点と言える。
    • 一方で、パラメータのアップ・ダウンの対象にLvそのものが含まれており、これを仕掛けると互いのLv差が大きくなり、戦闘バランスが劇的に変動する。
      • アップ・ダウンは戦況経過によって減衰していくが、Lvについては効力減衰が非常にゆっくりであるため、一度大きく下がると挽回する前に決着がつきがちで、Lvダウンによってパラメータダウンの影響を受けやすくなったところに、他のパラメータのダウンを叩き込まれて戦力外になるという極端な状況が出来上がるため、大味な戦闘バランスになりがち。
      • 一方で、Lvが高過ぎるとパラメータダウン自体が効かなくなるため、自分にパラメータダウンの反動が来るデメリットのある技も、レベル上げによって克服できる側面がある。

問題点

グラフィック

  • ハードの制約上、グラフィックにキャラクターデザインがあまり活かされていない。
    • SFC版パッケージや説明書で見られる漫画家デザインのイラストは、実際のゲーム中では、現代編の対戦相手セレクト画面や最終編の真のエンディングでの顔グラフィックなど、ごく一部の場面でしか登場しない。
    • 特にフィールドを歩くキャラクターのグラフィックが「1マスサイズ」というSFCの『FF5』と同レベルであり、ドットキャラがあまり変わりばえしない。
      • ただし小さなドット絵ではあるものの、FFシリーズなどと同様に、状況に応じて細かく動きや表情が変化するなど、作りは非常に丁寧ではある。
    • 戦闘中のグラフィックでも、ごく一部のキャラしか作家のキャラクターデザインが再現できていない。
      • 低頭身かつ個性的な絵柄のポゴとゴリ、元絵が島本節全開で独特なシルエットを持つアキラとタロイモ、元絵の段階でかなりシンプルなデザインのキューブなど。本当に一部。
    • 漫画家による元のイメージイラストとゲーム中のドット絵の差異が特に激しいのが功夫編。最終編を功夫編の主人公(特にレイ)でクリアして、ゲーム中に見慣れたドット絵とエンディングイラストのギャップを感じるプレイヤーも(これは功夫編担当の藤原芳秀先生の絵柄が師匠である池上遼一氏譲りの劇画調なのが大きい)。とは言え、元々のイラスト自体はレイも含めきちんとSFC版の説明書に載っているのだが。
      • ただしVC版の説明書ではイラストが省かれているため、元絵を見る機会がほぼエンディングのラストに限られてしまう。
    • 一応、イメージイラストとゲーム内のグラフィックが全く異なるという事自体は同社のFFシリーズ等と同様で、当時のゲームではよく見られたことである。

オムニバス故の難点

  • 各シナリオの難易度の差が大きい
    • 本作はデフォルトの7編どれからも自由に開始することができるのだが、それぞれで内容が大きく異なり、難易度にも差がある。
      「各編ごとに異なるシステムを持つ」という特色上、初プレイ時に最初に選んだ編によって本作の印象が大きく変わるであろうことが予想され、最初にプレイした章が肌に合わないと、他の章の楽しさを経験する前に投げてしまう可能性がある。
      • 特に、ゲーム開始時にデフォルトカーソルとなっている幕末編は、シビアなアクションや多くのギミック、戦闘がある。自由度と難易度がかなり高く、本タイトルの独特のシステムを理解していないととっつき難いため、初心者向けとは言い難い。客観的に見て最も力の入ったシナリオでキャラも優遇されておりここをメインに考える製作者の意図も分かるが、最初に選ぶのはおすすめできない。
      • また、メッセージ要素が皆無で迷いやすい上に、合成を効率よく使わないと敵がかなり強めのバランスになっている原始編もやや難しい部類に入る。だが年代順では明らかに最初なので、「年代順にやってみよう」と考えたプレイヤーはハマりやすい。
    • シナリオ間の独自システムの要素が強く、共通するのはバトル要素ぐらいだがそれがメインではないものもあるので、一つクリアできたからといって他のシナリオがスムーズに行けるようになるとも限らない。そのため、どこから始めようと実践の中で慣れるしかない部分もある。
  • シナリオごとのボリュームの差も激しい
    • 罠を仕掛けるのがメインでほぼ戦闘がない西部編、数回バトルを勝ち抜くだけの現代編などあまりにも短く人によっては手抜きにも感じられるシナリオもある一方、非常に広大で複雑なマップであり、恐らくもっともクリアに時間がかかる幕末編などもありバランスが悪い。
    • 本作の戦闘システムはやや特殊なため、初心者向けとしては戦闘が少ないシナリオを勧める事ができるメリットはある。また短いながらもクリアが難しいシナリオもあり、周回を前提にしているとも取れる。
      • 例としては現代編はプレイ時間が短くほぼ戦闘のみで構成されているが、通常のレベルを上げて敵を撃破するような単純なバトルではなく攻略法の工夫を求められる内容となっている。
      • クリアするだけなら割と簡単な西部編やほぼアドベンチャー形式で通常の戦闘がなく、ゲームマシンがバトルチュートリアルになるSF編あたりを最初に選べばスムーズにプレイしやすい。
  • シナリオ開始と終了時の演出の冗長さ
    • 開始時はストーリーの解説、終了時はスタッフロールが入る。いずれも飛ばすことができず数分かかってしまう。
      • 普通のゲームなら一度で済むが、本作はシナリオを選ぶたびにこうなるのでいい加減面倒になってくる。

戦闘システムに関しての問題

  • キャラクターの強さにややばらつきがある。
    • 知力以外のパラメーターが低めで技も攻撃範囲は広いがタメ時間の割に威力が低くやや使いづらいものばかりのアキラ*11、HP上げが大変でクセの強い技が多くほぼ回復役となってしまうキューブ等と比べ、少々打たれ弱いものの超火力を誇るサンダウンや、技のバランスがよく主人公にするとダッシュの速度が通常の2倍になるおぼろ丸、高威力の最強技がタメなしで使え選ぶキャラによってそれぞれ便利な技が付く心山拳師範など*12、それぞれの強さの格差には疑問を感じる。
      • 行動異常については画面上に情報が一切表示されないため、画面の情報だけを見るとダメージ効率だけに価値を置きがちになってしまう。そのあおりを直接受けているのが件のアキラであり、画面情報がもう少し詳しければ正しい評価を受けやすかったのではないかと思われる。
    • 最終編で合流するとキャラクター7人中4人を選ぶことになるため、効率を重視すると上記の3強+他1人という似通った構成になりがちになる。
    • そもそも各主人公の技もバラエティに富んではいるのだが、下位互換の死に技や高威力だが発動時間が長すぎる浪漫技が多く、最終的には実用的に使える技がキャラによっては2,3個しかない。
  • 技の説明文がアバウトで、威力がどのパラメータに依存するのか、何の属性の技なのか等がわかりにくいものが多い。
    • 特に原始編のキャラは技の説明文が「ブン、ボコ」「タァァ~~ッ!ガツ~ン」「ガブ!ウホウホ!」など全て擬音表現。編の雰囲気自体には合っており、擬音からなんとなく想像はつくものの、実際に使ってみないとどんな技なのか把握しづらい。功夫編の技は「要『知』」などと表示されているのだが。
  • パラメータの中では、知力ばかりに重要度が集中してしまっている。所謂(物理攻撃と対になる)特殊攻撃力と防御力を兼ねた数値なのだが、味方の強力な技の多くは、威力がこの知力に依存してしまっている。
    • 最終編のラスボスの技に関しても、そのほとんどがこちらの知力を上げることで軽減や状態異常回避ができるため、高原など素の知力が低めのキャラは相対的に不遇となっている。
    • 知力を上げる装備品は数多く存在し、最終編では入手が簡単なので強化自体は容易なのだが、それにしても他の能力値に比べて偏り過ぎである。
    • もっとも、知力の重要度が高いとは言え他の能力値が役に立たないという訳でもなく、たとえば力依存の技は当然ながら力を強化することできちんと強化される。
  • 自分と敵のレベル差は、攻撃の命中及び回避率に係るのだが、ロボットであるキューブはそもそもレベルが7固定でずっと成長しないため、やがて「当たらない・避けられない」キャラになってしまい、攻撃面では全く期待できなくなる。受けるダメージも大きくなるため、最終的にはレベルが低いというだけで非常に脆くもなる。
    • ただし、キューブ自身は眠り以外の状態異常をデフォルトで無効化する上に、優秀な回復技を持っているので味方のサポート専門にすれば充分役に立つことができる。また、最大HPについては消費アイテム「強化パーツ」で999まで強化可能。
    • ほぼ全ての攻撃を受けたカウンターとして自動的に発動、自身を含む周囲味方のHPと状態異常を回復する「ハイスピードオペ」という反則モノの技を持つため、その兼ね合わせとして調整されている可能性が高い。
  • そもそもLvやステータスアップによるキャラクターの成長を感じにくい
    • 技ごとに消費するMPのような要素もなく、戦闘終了後にHPは全回復する仕様が影響し戦闘中に細かく回復することが少ないため防御力による被ダメージの変化は印象が薄い。
    • 上記のように知力は重要なステータスなのだが、単純にゲームをプレイしているだけでは影響力がどのくらいか判別できない。
    • 攻撃ダメージは技ごとの基本値が計算の大半を担っているため、攻撃力のステータスを上昇させてもそれほど劇的には変化していかない。
      • そのため結局は一部の技だけが大ダメージを狙えることになり、これがキャラバランスの悪さにも繋がっている。とはいえ、装備を入手できるショップなどの要素がなく事前のシナリオの引継ぎや宝箱などでしか装備が得られないゲーム性故の配慮が生んでしまった結果ともいえる。
  • 最終編のザコ敵は、異様にHPが低く弱いか、やたら強いかの両極端なものばかりで、バランスが悪い。
    • 中にはやたらと倒し辛いくせに経験値は0でアイテムも落とさないという酷いモンスターもいる。
    • かといって戦うのが面倒だからと退却ばかりしていると強力な隠しボスが出現してしまう。一応こちらは特定の場所を攻撃することで簡単に倒すことが出来るのが救いか。
    • 出現する敵はパーティの合計レベルによって変化し4種類の敵グループからランダムで登場するのだが、一定レベル以上になって最終段階まで達すると最後の4種類で固定されてしまう。しかもそのうち2パターンは経験値を持っていない。
      • 途中のグループ区分では経験値が異常に高い「イシュタール」というボーナス的な敵や、逆に4パターン全てが経験値0という段階も存在する。
      • 合計レベルによって敵が変わる仕様のため、パーティーを入れ替えることである程度調整可能。レベルが上がらないキューブを逆に利用し、敵ランクを上手く調整してアイテムや経験値を稼ぎやすくするという手段もある。また、一部のダンジョン内ではレベル補正が掛かり、通常よりランクの高い敵グループになることもある。
      • 雑魚敵が落とす強力な装備品を集めたい場合、人選やパーティ人数や落とさないとリセットなどの制約がかかった窮屈なプレイをすることになってしまう。
    • 「アクシアンソード」という武器を、宝箱や敵のドロップで入手できるが、このアイテムは最終編では装備できる者がおらず(左手にすら持てない)、何の使い道も無いアイテムになってしまっている。設定ミスか?
      • 同様に最終編で装備できない武器に「ブライオン」があるが、こちらはイベントアイテムとして使用されている。
      • ちなみに「アクシアンソード」「ブライオン」は、とある編の主人公が装備出来る武器なのだが最終編でそのキャラが戦闘に参加する事はないためこのような現象が起こっている。そのとある編で入手した際は問題なく使用することが可能。

バグ・仕様上の問題

  • フィールド効果について
    • 戦闘中、技の使用によってフィールドが「状態変化」することがある。例えば水に濡れたり、毒の沼地になったり、溶岩になったりする。一定ターン経過時にこの床に乗った状態だと、回復したりダメージを受けたりする。味方も敵も同じである。
    • ところが大きい敵が回復する床に乗って回復すると、1マス分の回復量しか表示されないが、実際には敵が重なっている全ての回復床の回復量が合算されている(俗に「超回復」と呼ばれる)。
      • 例として、炎フィールドは24ダメージだが、炎床吸収の特性を持った敵が9マス分に跨って乗っていた場合、24×9=216も一気に回復してしまうことになる。ただし実際に画面に表示される回復表示は24のまま
      • 今作では味方1発の打撃では敵に100もダメージを与えることは難しいが、前述の条件では下手をすると敵は100も200も回復してしまう。
    • 原始編・幕末編の隠しボスの体は大きく、フィールド全体の状態を変える技を多用し、そのフィールド床で回復する仕様となっている。前述の仕様と表示バグの事を知らずに見た目の回復量が少ないと甘く見ていると永久に勝てない。勝とうと思ったら必然的に「敵の行動を封じてハメる」というチキン戦法を取らざるを得ない。
    • 逆に「床でダメージを受ける」場合は、敵の場合に限り前述のバグに近い仕様は採用されておらず、敵の受けるダメージは表示通りに1マス分のダメージのみである
      • しかし、逆に味方が巨大キャラの場合は、回復だけでなくダメージにも床の枚数倍が適用され大ダメージを受けてしまう、という味方側が不利な仕様になっている。
  • 功夫編の弟子の技と伝承者について
    • 功夫編では師匠が弟子に技を伝授することになり、弟子との修行(という名の戦闘)中に師匠が使った技を弟子は覚える。
    • しかし修行での技の習得に不具合があり、修行であまり技を覚えさせずに弟子のレベルアップを繰り返すと、本来レベルアップで習得するはずの弟子固有の技が覚えられないという状況に陥ることがある。
    • 修行でレベルアップ時に技を覚えなかった場合は習得漏れが確定してしまう。このため、修行では「弟子がまだ習得していない技を出す」ことを心がける必要がある(ただし、技の属性の関係でレイ以外は反撃技を覚えさせられない)。もしくは修行での戦闘でレベルが上がらない程度にレベル上げを行えば(虎を狩って最低レベル8まで上げる必要がある)、前述のバグは回避できる。
      • この修行でレベルが上がった場合、本来レベルアップ時に起こるはずのステータスアップはないため、育成を考えると後者が無難か。
    + 伝承者について(功夫編の部分的なネタバレ) 3人の候補者の中で、修行をつけた回数の最も多い弟子が伝承者になる。だがこの仕様について、ゲーム中で示唆するようなヒントはない。このこと自体は問題というほどでもないが……。
  • これを知らないと元が弱いユンの修行を多めにして彼が伝承者になりがち。平等に稽古をつけると最も人気のなさそうなサモが伝承者になる(修行回数が同数だとサモ>レイ>ユンの順に優先される)。
    • 攻略本のインタビューによればサモを使ってほしかったからこうなったらしい。
    • ただし後年、SwitchへのHD-SD版移植の際のインタビューでは、「常識的に考えて生き残る可能性が高そうなやつの優先度を上げた」とも語られている。
      確かに、見た目のたくましさでもサモ>レイ>ユンの順である。
  • 最終的には伝承者は一人だけのため、他の二人への修行分は完全に無駄になる。よって、効率重視の場合は他の二人を無視して全ての修行を一人だけに独占させるという、絵面的には明らかに贔屓に見える図になってしまう。
  • ちなみに、レイを伝承者にしないと最終編のパーティに女っ気が全く無くなってしまう(男キャラとロボだけになる)。
  • どこでもセーブできるシステムの弊害として、詰みが生じる危険性がある。
    • ただし詰み状態になったとしても、下記に挙げる最終編以外はシナリオの初めからやり直すことができる。
  • ゲーム内で使用されている漢字のうち「確」「権」は旁の部分がという誤った字形になっている。
    • 「確」については本来の字形と大差なく、少ないドットで再現するための字体潰れのせいとも一応フォローできる*13が、「権」については完全に別字(「」に近い字形)になってしまっており違和感が大きい*14
    • ゲーム内では1箇所のみ「権利」(実際には「榷利」)という漢字が使われている場所があるが、一方で他のセリフでは「けんり」と平仮名表記になっている場面もあり、統一されていない。
  • 最終編開始時の注意点
    • 最終編開始時には、各編の主人公たちから任意のキャラを「最終編の主人公」に選ぶことができる。
      だがこの時に、とんでもなく大きな仕様上の罠が待っている。
    • 各章の主人公は最終章で仲間にする際に強制戦闘となるキャラがいるため、あまり育てすぎると強敵になってしまうことがある。
    • 選べる主人公のうち、たった一人だけ本来とは正反対のシナリオが展開されるキャラがいる。
    • もう一つ、最終編に突入したセーブデータではシナリオ選択をやり直すことが出来なくなる。つまり、最終編を始めた後で一度でもセーブをすると、そのセーブデータでは「最終編の主人公」の選び直しはもちろん、それ以前の章選択に戻る手段も存在しなくなる。
      • このため、「中世編クリア直前」のセーブデータは残しておくことが推奨される(※中世編クリアではダメ)。こうしておけば、他の編をやり直したくなった場合もやり直すことが可能。
      • これについては2周目を再び遊んでもらうための、意図的な仕込みとも解釈できる。だがいくら細かい仕掛けが豊富とはいえ、半強制的に全シナリオの再プレイが要求されるというのは苦しい。
+ 最終編の仕様・内容について。シナリオ面の重大なネタバレを含む。
  • 問題の主人公は中世編主人公である。よりによって最終編は中世編をクリアした直後に出現するので、この罠に陥ってしまうプレイヤーは少なくない。
    • 中世編はそれまでの章と違い、最終編へ続く前提のすっきりしない終わり方をするため、なおさら選びやすい。
    • 彼のエンディングは「全ての戦闘で勝利すると流れるもの」と「戦闘中に特定状況で特定のコマンドを選ぶことで突入するもの」の2パターンがあるが、どちらも悲劇的な結末である。つまり、正規のエンディングではない。
      • なお、後者のエンディングは他の主人公でもラスボスの第二形態で全滅すると流れるため、事実上前者が彼の専用エンディングである。

その他

+ その他の仕様について
  • 属性について
    • 本作の技には無属性含め16種類の属性があり、物理系の技・特殊系の技でそれぞれ8種類ずつに分かれている。
      • 物理系が「手技」「足技」「突進技」「鋭器」「鈍器」「締め技」「飛び道具」「背後」、特殊系が「火の技」「水の技」「風の技」「土の技」「精神」「善の技」「悪の技」「無の技」となっている*15
    • キャラクター及び装備品には、「回避アップ」と呼ばれる耐性のようなものが備わっているが、 一般的な耐性とは異なる仕様となっている
    • 例えば「水の技」に対して回避アップを持っている場合、水属性の技のダメージを軽減… できるとは限らない
      どういうわけか、「(敵味方問わず)直前に使われた技の属性」が一旦場に残り、場の属性と「攻撃を喰らう対象が持っている属性耐性」が一致した場合に、次に使われた技のダメージが(実際に使われた技自体の属性に関係なく)半減される。場の属性は技が使われる度に書き換わり、1種類しか記録されない。
      • 例を挙げると、「飛び道具/水の技回避アップ」のついた「げんじのよろい」を装備したおぼろ丸が鋭器属性の「忍び斬り」を使い、直後に敵から水属性の「水呼び」を喰らった場合、最初の忍び斬りで場の属性が「鋭」になっていたため、鋭器回避属性を持っていないおぼろ丸は水呼びを半減できない。
        しかし、水呼びが使われた直後は場の属性が「水」に切り替わり、ここで次の攻撃を挟まずにもう一度敵から「水呼び」、あるいは鈍器属性の「なぎ倒し」等を喰らったとすると、場の属性とおぼろ丸の回避属性が「水」で一致しているため、その時に喰らった攻撃の属性に関わらずダメージを半減できる(なぎ倒しの場合はその後、場の属性が「鈍」になる)。
    • なお「回避アップ」とは言いつつも、名称に反して技の命中率・回避率には一切影響しない。命中判定には敵と味方のレベルと、技自体に設定されたレベル(固有ランク)が影響する。
    • 「○○回避アップ」という名称と実際の効果がズレているため直感的には不自然なのだが、回復や強化の技に設定された属性(自身の耐性に一致する技を使うことで、次の敵の攻撃を緩和できる)、各戦闘地形にデフォルトで設定されている場の属性がある(例えば幕末編のお堀なら場の属性が最初から「鈍器」属性になっている)など、このシステムを前提にしたような要素もあり、一概にはバグと言い切れない。
    • この「直前の技の属性が場に引き継がれ、その後の技に影響する」という要素は、後に同じスクウェアの『クロノ・クロス』で「フィールドエフェクト」システムとして採用されている。
    • また、アイテム欄で装備品を選択すると装備した場合に身に付く回避属性が表示されるのだが、「善」「悪」属性に限りゲーム中では隠し属性扱いになっているため、「善の技回避アップ」「悪の技回避アップ」を持っていても表示されない。
  • 近未来編の壽商会で、「ピンクの像を調べる→本を読む→木琴を叩く→青いマスクを調べる→地下のブリキ大王を拝む→手を洗う→用を足す→ブリキ大王のコクピットに入る」と言う長いイベントがあるが、実は必須イベントではないためこの手順を無視しても先に進める。
    • しかしこのイベントをスキップすると、強力なアイテムを得られるアイテム改造が出来ないという欠点がある。
  • シンボルエンカウントの編では戦闘から逃走しても敵シンボルが消滅や移動をせず、プレイヤー側も一時無敵状態にはならないため、逃走したらすぐに動かないと同じ敵シンボルに接触してしまう。
    • 幕末編ではその場で姿を消す「かくれみの」が使えるため、逃げた直後にすぐ身を隠すことでやり過ごすことが可能。
    • 近未来編もシンボルエンカウントだが、逃げるコマンドがアキラの超能力による「テレポート」となっている*16。逃げられる戦闘からは絶対逃げられる事に変わりないが、実行後にランダムでトイレなどの水に関係ある場所に飛ばされてしまうことがあり、囲まれていても脱出できる可能性がある反面、中々進めないことも。ちなみに最終編では心のダンジョンに飛んでしまう事がある。
  • 近未来編の仲間の1体、およびSF編の主人公(最終編時のみ)は、メカならではの特性として特定の攻撃アイテムをアクセサリーとして装備する事で、そのアイテムの技を一時的に習得して戦闘中使用できる技を増やせる武装システムがある。例として「昭和ヒヨコッコ砲」を装備すると技「ヒヨコ弾」を一時習得でき、該当アイテムを外すと解除される。
    • が、実はこれらのアイテムはわざわざ装備せずとも、アイテム欄から攻撃アイテムとして直接使用しても全く同じ技が発動する上に、その場合はキャラクターの縛りもなく誰でも何回でも使用できる為、死に機能になってしまっている。
    • 一応、アクセサリーとして装備した場合の体力上昇と使用効果を両立できるというメリットはあるが、他に優秀なアクセサリーも多いため、わざわざ攻撃アイテムで装備枠を埋めるのも勿体ない。
    • データ上は当初これらを1回限りの使い捨てアイテムとしようとしていた痕跡があるため、メカに装備すると特別に何回でも使用可能になるという例えるなら『Sa・Ga2 秘宝伝説』のような仕様を想定していたと思われるが、製品版ではアイテムとしても無限使用可能になったことであまり意味のない機能となってしまったと思われる。
  • 最終編では各主人公用の最強武器が隠されたダンジョンが存在するのだが、同編には町の住人が殆ど登場しないので、自力で発見しなければならない。
    • 一応ヒントをくれる人物は存在するが、よりによってその人物は一番見付けにくいダンジョンに住んでいる

総評

RPGとしては異色な要素ばかり揃えた野心作。RPGという体裁で作られたアドベンチャーゲームとも言える。
世界観からして全く異なる個性豊かな各エピソードと印象的なシーンの数々、一見まとまりの無い各章が一つのテーマに向けて収束していく構成など、物語としての完成度・評価は高く隠れた名作として根強い支持を受けてきた。
独立したタイトルであることに関する下述の事情から、「面白いマイナーゲーは?」と言われれば本作の名前が上がることも多い。言葉としては矛盾しているが「有名なマイナーゲー」の1つであろう。
そして、発売から25年以上経った現在でも未だに何らかの活動が行われている、非常に珍しい作品である。


余談

  • 本作の開発経緯として、小学館の子供向け漫画雑誌『月刊コロコロコミック』の連載記事『よしりんゲームチャレンジ』(ゲームタイトル公開後は『よしりんのライブ・ア・ライブ』)にて制作の様子が随時描かれていたというものがある。
    • 同誌の1993年12月号にて、当時人気漫画『おぼっちゃまくん』を連載していた漫画家の小林よしのりが原始時代風のイラスト(後の原始編のイメージイラスト)を発表し、そのイラストを元にゲームを作ってくれるゲーム会社を募集。それに対してスクウェアが名乗りをあげ、そこから本作『ライブ・ア・ライブ』の開発がスタート。その様子を毎月徐々に発表していく……、というもの。
      • しかし、同誌におけるこの開発経緯は、途中で前触れもなく他の6名の作家が参加するなど、ギャグ調なものとなっていた。
      • 加えて同時期のゲーム雑誌『ゲーム・オン!』のインタビューでは、ディレクターの時田貴司氏が「漫画家の起用の前にまずオムニバス制というものを考えていた」と語っていたため、上記の企画の内容は単なる話題作りのためのヤラセであった可能性が高い。
  • ディレクターを務めた時田貴司氏が後に担当した『半熟英雄 対 3D』にも本作のネタが出てくる。
  • この作品の中世編の設定をベースとした芝居が、劇団R:MIXによっていくつか製作されている。
    • 特に『魔王降臨 LiveSIDE & EvilSIDE』は本作の中世編ストーリーの演劇リメイクとも呼べる作品になっている。後にDVD化もされた(現在は完売済)。
    • もちろん脚本は原作者の時田氏も関わっており、音楽は本家の下村氏を初め、スクウェア関連を中心にゲーム音楽界の有名どころを集めたこともあった本格的なものである。
      • この舞台でストレイボウを演じた程嶋しづマ氏は後に『ファイナルファンタジーIV (DS)』にてセシル役の声優として抜擢されている。
      • 元々のベースとして、当初同人サークル的な立場だった劇団によるLALの二次創作の単発芝居『魔王降臨』等があり、それを元に原作者の時田氏が正式に脚本として新生R:MIXのメンバーに加わり、新たに商業プロジェクトとしてリメイクしたものになっている。
      • その後も時田氏はR:MIXのメインメンバーとして、続編の「魔のシリーズ」(『ストラルドブラグ ~魔神邂逅~』『魔王転生 MAOUTENSYOU』)等に脚本や監修として関わっている。
    • のちにモバゲー用RPG『エルアーク』にて、この芝居版の続編『ストラルドブラグ』をさらに元ネタとした追加シナリオ『ルクレチア物語』が配信されていた(2012年にゲームそのものが配信終了)。
  • メディアミックス
    • 本作発売当時のゲーム雑誌『ゲームオン!』1994年10月号(付録攻略本の付いていた号)にて、SF編のゲーム本編開始以前の話を描いた『SF編[序章] SpaceTrap(スペーストラップ)』がイラスト担当の田村由美氏自身によって読み切り漫画化されていた。ゲーム本編では端役でしかない、まだキューブが作られる前のプロトタイプが活躍する。
    • 2008年には突如ライトノベル雑誌である電撃文庫MAGAZINEの増刊『とらドラ! VS 禁書目録』(2008年9月27日発売)にて、ゲーム作品のノベライズ企画の一環として、『電波女と青春男』シリーズで有名な小説家・入間人間氏によってSF編がベヒーモス視点で小説化された『ワレ オモウ ユエニ ワレ アリ――』が掲載された。
      • なお、入間氏の作品である『安達としまむら』にはサンチョ・デロス・パンチョなど、名前の由来が本作と思われるキャラが登場している。
    • 公式ではないが、コミックマーケット2018夏にて近未来編の一部がイラスト担当の島本和彦氏自身の同人誌でコミカライズされた。好評だったため、冬コミ2018では近未来編全編を描く『超級!近未来編』が頒布され即完売。その後フルカラー化もされた。また、「コミックボンボン」の別冊誌である「デラックスボンボン」で、アキラやタロイモをモチーフにしたキャラが登場する作品も連載していた。残念ながら、発表してからすぐに休刊になってしまったが…。
      • ちなみに時田氏もTwitterでの告知をリツイートしており実質公認といえる。
    • 後述のHD-2Dリメイク版発表の際には自著である『吠えろペン』シリーズの主人公である炎尾燃とのクロスオーバー漫画まで描かれ、さらには時田氏までも登場しキャラデザの違いについて言及するというやりたい放題な内容となっている。この島本、ノリノリである。 この様な非常に濃いやりとり(一応島本和彦、時田貴司等とはまったく関係のないフィクションであると横に書かれてはいたが…)があったからこそ、近未来編は島本節全開のアツいシナリオなったのであろう。先生はちなみに打ち上げの食事会で近未来編のシナリオに感動したと向かいの席に座った接待スタッフに伝えたところ、そのスタッフから「ぼくは幕末編のほうが好きですけどね!」と言われたとか…。
+ 中世編について:ゲーム終盤のネタバレ注意
  • 中世編のモチーフはディレクターの時田貴司氏が以前担当した『ファイナルファンタジーIV』そのもの。テーマは”セシルとカインの立場が逆になったら”というものらしい。
    • 中世編ヒロイン・アリシア姫は中世編(+最終編)での所業が原因で、ネット上ではスクウェア三大悪女(もしくは悪女四天王)に名前を連ねている。
      • ただし、このアリシア姫も過酷な状況に立たされていたことなどを理由に一応の好意的解釈はでき、スタッフのフォロー失敗も原因としてはある。
        擁護できる余地がある分、同じスクウェア三大悪女でも『バハムート ラグーン』のヨヨよりは若干マシであろう。リスト入り鉄板は間違いないが…
    • また、オルステッドは同時期に発売されたスクウェア&エニックス製ゲームの2名とセットで「RPG三大不幸主人公」というありがたくない肩書を背負う羽目に。
      • このとき中世編ラスボスが言い放ったセリフ「あの世で俺にわび続けろオルステッドーーーーッ!!!!」は、ネット上で非常に有名で「あの世で俺にわび続ける○○○」などとよく用いられる。
    • そして最終章のラスボスはこの中世編の展開とほとんど地続きの存在であり、そのバックグラウンドから『ドラゴンクエストIV』のピサロ、『テイルズ オブ ファンタジア』のダオスとセットで「RPG三大不幸ラスボス」と評されている。
      • 素直に同情できない所業を犯していたピサロやダオスと違い、本人にこれといった非が見当たらないため本当に同情するしかない。
  • 近未来編のインコ
    • 寺に行った際は似たようなマークがあったり、元締めがひげ面だったり実在する宗教をモチーフにしたと思われる。当時は小林よしのりと敵対していたり、松本で事件を引き起こしたりしている。
  • プロレスネタ
    • 当時のスクウェア作品ということもあってか、またはディレクターの時田氏もプロレス好きということもあってなのか、本作もサガシリーズばりにプロレスネタが多い。現代編の主人公の名前の元ネタや、現代編の対戦相手の一人は「イチバァーン!」の人によく似ていたり、近未来編のテレビで流れるプロレス中継は最後まで観ると「悪の化身」であるあのレスラーが登場か!?と言わんばかりのオチで締め括られる等。他にも「ミサワ焼き」なる回復アイテムや「獣神シャツ」なる装備品も登場したりする。
    • HDリメイク後の生放送でも、本作やサガシリーズや聖剣シリーズにプロレスネタを仕込んだ当時のプロレス好きスタッフ達について触れている。参考(56分頃)
  • ゼノギアス20周年コンサートのパンフレットによれば、企画初期段階では田中久仁彦にライブアライブのキャラクターデザインを依頼する案もあったとの事。実際にイメージイラスト数点を依頼して描いてもらったがこの案はボツになった。

発売当初の評価

  • 本作は発売当初何かとクソゲー扱いされやすかった。
    • 原因としては前述の戦闘システムやオムニバス形式であったことも挙げられるが、何よりタイミングが悪いことに当作と前後してスクウェア自身が同じく独自の世界観のシナリオである『ファイナルファンタジーVI』や『クロノ・トリガー』等のビッグタイトルを出しており、また他社作品では任天堂の『MOTHER2 ギーグの逆襲』なども同時期に出た上、さらに当時発売を控えていたネオジオCD(1994年9月9日発売)・SS(1994年11月22日発売)・PS(1994年12月3日発売)・PC-FX(1994年12月23日発売)といった次世代機たちの陰に隠れてしまった感が強かった。
    • 参考までに、売上本数:FF6(1994年4月2日発売)255万本、LAL(1994年9月2日発売)27万本、クロノ(1995年3月11日発売)203万本。実におよそ9分の1である。
    • 当時のSFCソフトの価格が1本あたり約1万円と高騰していた事情も考慮に入れると、皮肉にも同時期の同社の他のソフトに食われる形になってしまったとも考えられる。

バーチャルコンソール配信

  • キャラクター版権の一部が小学館にあるため、リメイクや配信は困難と思われていた。しかし、スクエニ内部も含めた多方面からの人気もあってか、年々根強く活動が続いていた。
    • そして発売20周年を迎えた2014年、「LIVE A LIVE を盛り上げたい人このツイートRTお願いします!」「ライブアライブのバーチャルコンソール出たらダウンロードしてくれる方!是非RTを!」という公式サイドからの発言が続き、明けて2015年、いよいよWiiUバーチャルコンソールで配信が開始された
      • コピーライト表記は「©1994 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. キャラクター:©1994 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.,©1994 小学館」と、スクウェアがスクエニになった以外は当時のままで、キャラクター版権も依然小学館側にも存在する模様。
        任天堂のVC紹介ページにも「キャラクターデザインは7人の漫画家が担当」と書かれているものの、漫画家のイラストは復刻サントラ同様に省かれている*17
      • 任天堂の岩田社長(当時)も「E3案件ではありませんが、20年以上を経ての配信になります」と直々に言及しており、つくづく影響力の強さが窺える。
        またVC紹介ページでは各作品ごとにプレイ映像も公開されているのだが、ほとんどの作品が普通のプレイを1分程度で紹介しているだけなのに対し、
        本作はBGMに合わせつつ名場面のダイジェストをピックアップしたPV・MADのような凝ったもので、2分強という異例の長さである。
      • さらに、2016年11月28日にはNew3DSでの配信も開始。携帯機であの名シーン、あの熱い展開をいつでもどこでも堪能できる。
        + 任天堂のVC公式プレイ動画…というよりもはやPV
      • リメイク版発表の際の時田氏のインタビューによれば、任天堂側から20周年記念として打診され、それがきっかけで小学館と再び話し合いが持てた事が後のリメイクにも繋がったという。
    • そして2022年2月10日のNintendo Direct内で、Switchにて2022年7月22日にHD-2Dリメイク版『ライブアライブ』(中黒抜き)が発売されることが発表された。
      • 本作のSFC版は国内のみの販売であったため、外国語への公式翻訳と海外販売はリメイク版が初となる。*18
      • さらに、2023年4月27日にはPS5/PS4/Win(Steam)版も発売された。

サントラ復刻

  • 本作のサントラCDは当初1994年に発売されて以降入手困難となっていたが、2008年にiTunes向け配信「Legendary Tracks」シリーズ第1弾としてCD版の音源全てを復刻したサウンドトラックが登場。
    • 続く2012年、配信だけでなくサントラCDとしても復刻。
      • やはり版権の都合か、残念ながらパッケージやブックレットから漫画家のイラストは無くなったが、新たにボーナストラックとして入手困難な攻略本限定版に収録されたアレンジ2曲も再録。このため旧サントラを既に持っていた場合でも入手する意義がある。
      • 更に初回限定予約特典で「GO!GO!ブリキ大王!!」のヴォーカルバージョンのCDが付属していた。公式でカッコよくアレンジし直され、歌唱は本作ディレクターの時田貴司氏が担当。現在は特典が終了しているため入手困難。
    • 上記全て共通でサントラにはラスボスの音楽も収録されているのだが、実はその曲の終末部分には上記にあるトラウマ必殺技の効果音が鳴るというオマケが追加されている(これは初期盤サントラの頃から存在するギミック)。
      • フェードアウトで終わるのかと思いきや突然薄気味悪い効果音が鳴るという仕掛け。ドッキリ要素を含んでいるのだろうが、ちょっと心臓に悪い。

ワタナベ親子

  • 何故か全編共通してワタナベ(もしくはそれを変形した名前)親子というキャラクターが登場する。父がやられて子が泣くのが基本パターン。
    • なぜワタナベなのか、その理由は明かされていない*19が、みんなに好かれている全ワールド1の人気者らしい。
      • WiiU版VC配信記念の生放送の7:24:25付近のプランナー井上氏(3:39:28にて登場)の発言によって、「当時の友達の名前」から取ったことが判明した。LALに登場していることは、モデルの方であるワタナベも知っているとのこと。
    • シナリオによって必ず見られるものと狙わなければまず見られないものが存在し、中でも功夫編での登場条件はサモが後継者になることであり、サモを選択する利点の1つとなっている。
    • 現代編のワタナベイベントは特定の条件を満たした状態で確率発生のため、事前に知らないとほぼ見られない上に狙って出すことも難しく、また発生してもそれがワタナベかと分かり難い描写。
    • 一方で近未来編では彼ら親子の描写がシナリオに深く関わったシリアスなものになっており、父がボスとして登場する。
    • SF編に至ってはもはや人間の姿では登場しておらず、生物ですらない。

けっこんおめでとり~

  • 幕末編において、非常に発生条件が限定的な激レアイベントが存在する。
    • イベントの存在自体は過去にも囁かれていたが、このイベントが発生条件の解明と共に大きく知れ渡ったのは、発売から約10年後のことであった。
    • 当時の経緯は2chLALスレまとめの「けっこんおめでとり~」を追えを参照。
    • 26周年記念生放送(24:49頃)にて、バトルディレクターの井上信行氏とデザイナーの佐々木由紀子氏(旧姓)のチーム内結婚を祝うメッセージと明かされた。
    • ちなみに「おめでとり」とはディレクターの時田貴司氏が同じく担当した『半熟英雄』シリーズに登場するモンスターが元ネタ。また、近未来編のアキラのレベルアップ音「カカッカッカッ カカッ」も半熟英雄の幕間の効果音が元になっている。
    • 発生する場所も通常では何かあるわけではないのだが、本作のオープニングデモにて屋根(というか壁というか)の上をおぼろ丸が走っているシーンがあり、その向かった先が本イベント発生の場所だったのである。

攻略本

  • 説明書に「各漫画家へのインタビューを収録した攻略本を発売予定」とあるが、そんなものは発売されなかった
    • 『FF』や『サガ』でお馴染みのNTT出版から攻略本「完全攻略ガイドブック」は出たが、漫画家に付いては一切触れられなかったどころか、イラストも他の絵師によるデフォルメ絵しか使われていなかった。恐らく小学館との契約の問題だろう。
      なお、このデフォルメ絵を描いた人物は、当時ゲーム内でドット絵を描いていた宮本由香(現・yuka)氏によるイラストであることが時田氏の口から語られている。yuka氏は現在では代表作『とーとつにエジプト神』などで知られている。*20
      また、このイラストはゲーム内のドット絵から起こされたものであり、その元になったドット絵自体はスタッフの加藤清文氏が手掛けている。
      • 中世編の公式イラストはこちらのバージョンの絵しかない。ただし、漫画家がバラバラだった原画とは異なり全編でイメージが統一されており、ゲーム上のドットとの違和感が少ないためこちらのデフォルメ絵も人気がある。
      • その代わりなのか、こちらには開発スタッフ達のインタビューが載っている。開発裏話などもあるため読み物として結構面白い。
      • そして『ロマサガ』などと同様、攻略情報は間違いが結構多い。ただしマップや隠しイベントなどは充実しており、役立つ情報も多く載っている。
      • これにはアレンジBGMを2曲収録したシングルCDを同梱した限定版も存在し、作曲者のライナーノートも追加されている。
        ひとつはバトルテーマメドレーアレンジの「Battlissimo」、もうひとつは中世編テーマをアレンジした「Forgotten Wings ~忘れられた翼~」。
        前述通りこの限定2曲は、後に再販版サントラにもボーナストラックとして再録された。
    • 小学館からも別の攻略本「公式冒険ガイドブック」が発売されたのだが、こちらにもやはりインタビューは皆無だった。
      • 攻略情報はこちらの方がやや正確であるが、やはり間違いがある。内容もNTT出版の方と比べるとやや薄くあっさり気味。
      • ただし、こちらは小学館発売だけあって漫画家のイラストがふんだんに使われており、各編のイメージイラストや、サブキャラクター達の公式イラストなど、この本にしか載っていないイラストが豊富にあるので、資料的価値は有る。
    • 上記2冊とは別に、発売当時のゲーム雑誌『ゲーム・オン!』1994年10月号別冊付録として、最終編まで攻略した本格的な「完全独占攻略ガイド」があった。
      • この号には前述通りSF編の前日譚漫画も掲載されていた。
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最終更新:2023年10月27日 11:09

*1 VCで付与されたレーティングを記載。

*2 現在の小林氏は保守派の論客としても知られている。

*3 ちなみに、青山氏の代表作である国民的漫画『名探偵コナン』は、本作発売の9ヶ月前に連載が始まった。

*4 近未来編の「なあ‥‥そうだろ 松ッ!!」、中世編の「あの世で俺にわび続けろ ××××ーーーーッ!!!!」など

*5 近未来編の「ミトひきわりシャンプー」や功夫編の「も‥‥ももまんじゃな‥‥」など。

*6 ゲーム本編では一番の歌詞のみだが、当時『ファミ通』の企画で二番以降の歌詞を公募したため、フルバージョンでは三番まで存在する。このうち二番についてはイラスト担当の島本和彦自身が応募してきた歌詞が採用されている(三番として採用されたのは他の一般ユーザーの投稿を複数組み合わせたもの)。その際一般と同じ方法で「島本和彦 職業:漫画家」と書いて応募してきたためスタッフも仰天したという。

*7 通常戦闘の無いSF編で遊べるおまけバトルゲーム「キャプテン・スクウェア」を含めれば9曲。

*8 SF編の「星屑のキャプテン」、原始編の「生贄の宴」など。

*9 SF編で多く流れる「UNSEEN SYNDROME」のメロディ無しバージョン、近未来編のマタンゴ屋で流れる「PSYCHOで夜露四苦!!」のスローバージョンなど。

*10 実際にタイトルロゴの2つの「LIVE」は片方が裏返しになっている。これはある展開を暗に示すものでもある。

*11 ダメージ効率だけ見ると最強技は事実上初期技のローキックである。また、彼がパーティーにいると逃げるコマンドが「テレポート」に変化するため演出時間が長くなり、別の場所に転送されてしまう可能性もある。しかし、彼を主人公にするとキューブを仲間にする為のヒントが唯一正確に表示される他、仲間にしておくと石化されたとある親子のアドバイスをテレパシーで読み取ってくれるといった、戦闘以外の楽しみは増える

*12 サモはパラメータも固有技も他の心山拳候補者より使い勝手がやや悪いものの、心山拳の共通技自体は他2人と同じく非常に高性能。サモが居るという時点で他の2人が居ないため単体で見れば見劣りする訳ではなく、充分スタメン入りできる実力を持つ。さらに回避・防御・反撃無効の固有技「ほいこーろー」を持つため、ピスタチオ等の強敵を簡単に倒せるという利点もある。

*13 例えば「園」等は下の部分が潰れて誤魔化されている。

*14 並び順では「榷(かく)」ではなく「けん」の位置に配置されているため、この漢字のつもりで置かれているというわけでもない。

*15 物理系の「背後」と特殊系の「無」は他の属性とは違い、扱いがやや異なる(前者は背面攻撃の際にも付加され、後者は属性そのものが無いという扱い)。また、特殊系の「善」と「悪」は隠し属性扱い

*16 ただしアキラが戦闘不能に陥ると普通の「逃げる」に変わる。

*17 配信直後のNintendo e-shopでは、トップに表示されるライブ・ア・ライブの商品アイコンには、当初パッケージで使われたイラストがそのまま使用されていた。

*18 なお、動画サイトなどではSFC版の英語版らしき動画が存在するが、それらはファンの手によって作成された非公式のものである。

*19 スタッフにもワタナベという名の人物がいるとは述べられている。

*20 なお、このイラストを手掛けた人物が不明だった頃は、かつてユーザーの間で、攻略本の奥付に名前が記載されていたことから、漫画家の石塚裕子氏説や、GBサガなどを手掛けた藤岡勝利氏説などの噂があったが、いずれも誤り。yuka氏の名前は当時の攻略本の奥付には記載されておらず、2022年のインタビューにて時田氏から明かされた形となる。