※本ページではAC版『ニンジャウォーリアーズ』のSFC向けリメイク作『ザ・ニンジャウォーリアーズ AGAIN』と、その再リメイク作『ザ・ニンジャウォーリアーズ ワンスアゲイン』を併せて扱う。



ザ・ニンジャウォーリアーズ AGAIN

【ざ・にんじゃうぉーりあーず あげいん】

ジャンル 横スクロールアクション
対応機種 スーパーファミコン
メディア 12MbitROMカートリッジ
発売元 タイトー
開発元 ナツメ
発売日 1994年1月28日
価格 9,300円
判定 良作
シリーズファンから不評
ポイント 高品質の横スクロールACT
原作から大きく変更されたグラフィック・BGMに賛否
引き継がれた原作のエンディング
単体のゲームとして見れば間違いなく良作

プロローグ

かつて栄華を誇ったこの大国は、いまや重大な危機に直面していた。

“独裁者バングラー”
彼はいつしかこの国の大統領の座にありつき、強力な軍隊の力をもって、国民を制圧した。
人々は洗脳され、考える自由さえ失った。社会は荒廃し、かつての経済大国は闇につつまれた。

しかし、すべての光が消えたのではなかった。地下に潜り、バングラー政権に対し、抵抗を続けてきた組織“革命軍”。
彼らはマルクという名の男のもとに結集し、起死回生をかけた作戦を実行しつつあった。
3体のアンドロイドによるバングラーの暗殺。
バングラーの軍隊と対等にわたりあえる強力なマシンの完成には長い年月を要したが、テスト段階で一刻を争う事態となった。
バングラーが総力をあげて“反乱者狩り”を始めたからである。総攻撃を受けた革命軍は各地で敗走した。
圧倒的戦力の前に革命軍はもはやなす術もなかった。テストもおこなわれないままアンドロイドたちは指令を与えられた。

“政府軍を粉砕し、バングラーを暗殺せよ。”
かくして革命軍最後の反撃が開始された。

(取扱説明書より抜粋)


概要

ACゲーム『ニンジャウォーリアーズ』のリメイク作品。
発売元は原作同様タイトーだが、開発元は職人的な良作を多数輩出することで知られるナツメであり、原作スタッフは関わっていない。
ゲーム内容についても、ベルトスクロールACTの様な戦い方への変化をはじめ、様々なオリジナル要素が加えられており、原作から大きな変貌を遂げている。


原作との相違点

  • グラフィック・BGMの変化
    • やや暗い色使いだった原作に比べ、本作は明るい色使いのグラフィックになり、雰囲気が激変している。
    • BGMも総入れ替えとなった。原作のシャープで渋いテイストだった曲調に比べ、本作は重厚でカッコイイ曲が多い。
    • その他、オープニングや演出、登場する敵など、そのほとんどがリファインされており、ひたすらに原作からかけ離れている。
  • ゲームシステムの差別化
    • 原作では1P側が“クノイチ”、2P側が“ニンジャ”に固定されており、性能差はわずかだった。本作ではバランスタイプのクノイチ、パワータイプのニンジャ、スピードタイプの新キャラ“カマイタチ”から選ぶ方式に変わり、クノイチ・ニンジャのデザインもリニューアル。
      • クノイチは原作に近い風貌だが、前髪と背中の刀が追加されている。
        ニンジャは「大柄な体格にトゲ付きリストバンドとヌンチャク」というスタイルで、男性型としての差別化が施された。
        ちなみに、原作の手裏剣攻撃はクノイチ・ニンジャともに使用不可。
      • カマイタチは機械剥き出しの体に加え、両腕に内蔵された剣で敵を切り裂くという、見た目も中身もトリッキーなキャラである。
    • 通常攻撃から発動するフィニッシュ技、複数の掴み技、ガードを貫通する“ブラスター”*1、画面全体を攻撃する“ボンバー”*2など、新アクションが目白押し。
      そのプレイ感覚は原作からは大きく様変わりしており、「ベルトスクロールACTのような性能のキャラでやる横スクロールACT」と言ったところである。
      • 豊富なアクションに対し、使用するのは十字キーとB・X・Yボタンのみ(Xボタンはボンバー専用)。パンチはめ*3のような高等テクニックも存在せず、初心者に優しい。
    • 総じて、アクションゲームとしての完成度が非常に高く、原作の問題点であった敷居の高さ、大味なバランスも改善されている。
  • ラスボス“独裁者バングラー”について
    • 大した抵抗もせずに倒される原作と違い、シェルターのような装置に篭って部下を総動員してくる。バングラー自身の戦闘能力が皆無なのは共通。

評価点

  • 魅力を増したキャラクターたち
    • 3体のアンドロイドは外見・性能ともに差別化されており、それぞれ違った戦術を要求される。
    • ザコは最弱のナイフアーミー、銃を使うマシンガンアーミー、飛び蹴りと掴み技を持つフォックス、スライディング・低空ジャンプ・体色変化(掴み無効)を持つピューマ、刀でガードしたり大ジャンプでこちらの背後に回り込むくのいち、ガード不能の炎を吹く火炎忍者、正面からの攻撃を常時ガードするゴーレムなど、明確な特性が与えられている。
      各ステージのボスもチェンソー持ち、透明化忍術の使い手、レーザー衛星に指示する軍司令官、2人組のロボット兵など個性豊か。
      • ナイフアーミーはほぼ一撃で倒せる反面、倒しても次々に出てくるので、敵をなぎ倒す爽快感や投げつけの起点作りに貢献している。
  • 良好なゲームバランス
    • ガードとジャンプ移動を兼ねる“宙返り”が原作以上に使いやすい。動作中は上段・下段を問わず常時ガードでき、着地硬直は一瞬、しかも使用制限が一切なく連発可能。さらに喰らい抜け*4としても使えるため、とっさに出せるようになれば強力無比。
    • 他にも、フィニッシュ技・掴み技(腹突きを除く)・ブラスター・ボンバーの動作中は無敵。さらに、ガードのペナルティ廃止、宙返り・ボンバーによる喰らい抜けなど、防御手段が豊富。
    • パワーゲージMAXでブラスター(1/4消費)とボンバー(全消費)が使えるのだが、ゲージは時間経過でしか溜まらないため連発不可。また、ゲージMAXになる前にダウンすると0になってしまうので、立ち回りの上手さが使用頻度に直結する。
      • どのステージも制限時間に余裕があるため、「ナイフアーミー以外の敵が出てこない場所でゲージMAXを待つ」という戦術も有効。
    • ザコは起き攻めに弱く、ボスは逆に無敵時間で反撃してくるなど、敵側も丁寧に調整されている。
      • 敵の攻撃に理不尽さが少ないことも特徴。不自然に吸い込むような掴み技は存在せず、飛び道具も「発生が遅い」「ガード可能」などの弱点があり、総じて対処しやすい。
    • 原作同様に残機なしだが、コンティニューは回数無限・キャラ変更可・体力全快・制限時間リセット・同エリアの最初からとなっており、ストレスが少ない。
      • 諦めずにコンティニューし続ければ、いつかはエンディングに辿り着けるだろう。また、ステージ・エリアセレクトの裏技もある。
    • 難易度ハードは「ザコの配置変更」「一部ボスの体力増加」となっており、プレイヤーが上手くなれば十分に対処可能。
  • 良質なグラフィック・BGM
    • グラフィックが大きく変わったが、質そのものは当時のSFCゲームとして申し分なく、キャラ・背景ともに良く描き込まれている。
      • 敵を投げつけて壊せるオブジェ、背景から飛んでくるミサイル、チェンソーで扉を破って登場するボスなど、演出面にも光るものがある。
    • 敵の同時出現数は最大4体で、多すぎず少なすぎずといった感じ。囲まれた状況を打破し、一方にまとめた敵をなぎ倒すベルトスクロールACTライクな楽しさがしっかり味わえる。
      • 原作より少ないものの、SFC版『ファイナルファイト』などが最大3体であることを考えれば十分な数だろう。また、処理落ちの発生頻度も低め。
    • BGMはナツメゲーでお馴染みの岩月博之氏が作曲し*5、いずれもテンションの上がる良曲揃い。
      • しかも、ステージ間での使い回しがないどころか、ほぼ全てのボスに専用曲が用意されており*6、総数は23曲にのぼる。
  • 原作に忠実なストーリー
    • 独裁者バングラーを暗殺するため、マルク率いる革命軍がアンドロイドを開発し、敵陣に送り込む。そして最後は……。
      + エンディングのネタバレ注意 「プレイヤーの分身たるアンドロイドは無残にも自爆させられ、マルクが次の独裁者になる」という救われない結末も同じ。しかも微妙にぼかした原作*7と違い、マルクが第二のバングラーとなったことを明言している。

賛否両論点

  • 原作ファンにとっては受け入れがたい変化の数々
    • グラフィックやゲームシステムが大きく変更されたことで、原作のダークな雰囲気が薄れてしまった。この点を受け入れられるか否かで原作ファンからの評価は二分されている。
    • 原作の代名詞たる名曲“DADDY MULK”を生んだZUNTATAは本作に一切関わっておらず、BGMが全て新規のものとなっている。そのため、方向性の変わったBGMに違和感を覚えるファンも少なくない。
      • ただし、曲そのものは評価点で述べたとおり良曲揃いで、ストイックなゲーム性ともマッチしている。
    • 2人同時プレイ、戦車をはじめとする一部の敵、ダメージを受けると機械の肌が剥き出しになる演出など、原作の魅力的な要素がいくつか削除されている。
      • 原作の3画面筐体を活かした演出に関しては、ハードに合わせたスケールダウンの常としてやむを得ない部分ではある。
  • ラスボス戦が特殊
    • ある攻撃でなければダメージを一切与えられない。そのうえノーヒントであり、何をすればいいか分からず詰む可能性がある。
  • 武器アイテムが存在しない
    • 回復アイテムと短射程の投擲アイテム(バイク・コンテナなど)はあるが、アイテム関連の戦略性に乏しい。

問題点

  • 原作同様、(忍者なのに)走れない
    • 一応、各キャラに歩行より速い移動手段はあるのだが、それでもノーコンティニューオールクリアに1時間近くかかる。
    • ステージ・エリアセレクトは裏技なので、知らなければステージ1からぶっ通しである。
  • キャラ性能の差が大きめ
    • クノイチはリーチが全体的に短く、通常攻撃の動作も遅いので射程外から反撃されやすい。高威力の掴み技“腹突き”に無敵時間がないことも重なり、後半に行くほど火力面で苦戦しがち。さらにラスボスは3キャラ中、最も厳しい戦いとなる*8
      • 真正面から戦わずに飛び蹴り・返し蹴り・宙返りをメインとし、至近距離から掴み技やフィニッシュ技を狙うのが基本戦術となる。
    • ニンジャは重量級のためジャンプ・宙返りともに重く、前後から同時攻撃されるとボンバー以外での脱出が困難。そこから「起き上がり直後を袋叩きにされて再度ダウン」のループに陥りがち。
      • 図体のデカさから当たり判定も大きく、一部の攻撃をしゃがみでスカせない。特にステージ2ボス“チェンソーブル”の突進斬りが脅威となる。
      • 着地硬直なしで前進するスピンアタック(下)、中距離から密着状態に持ち込むショルダータックル、移動可能かつ最長時間の掴みモーション、背後に届くヌンチャクフィニッシュ・パワースイングが攻略の鍵。
        敵に囲まれない立ち回りを覚えれば、クノイチと違って後半も安定する。特にラスボスは3キャラの中、最も戦いやすい。
    • カマイタチはリーチが全体的に長い、対象数1~4体(実質無制限)で掴み範囲も広いトルネードスローを持つ、しゃがみ高速移動ができる、ジャンプが最も高いなど、総じてクリアが一番楽なキャラとなっている。
      • 「敵に密着するのではなく、通常攻撃をキャンセルすることで掴む」という特徴に慣れてしまえば、非常に扱いやすく感じるだろう。ラスボスもニンジャほどではないが戦いやすい。
  • しゃがんだ敵が一撃でダウンする
    • 一部の敵はこちらが間合いに入った途端にしゃがむことがあり、こちらが先手を取っても掠り傷で済まされてしまうため、戦闘が間延びしがち。
  • 回復アイテムについて
    • サイズにランダム性があり、配置数も総じて少ない(ステージ6に至っては配置なし)ため、ノーコンティニューオールクリアに運が絡む。
    • 壁のない画面端に向けてコンテナを投げると、回復アイテムの出現位置がめり込んで入手不可になることがある。
  • オプションの乏しさ
    • デフォルトでは難易度選択(ノーマル・ハード)のみ。キーコンフィグは未実装、ステージ・エリアセレクトとBGMテストは裏技扱いとなっている。
    • 幸い、操作性・ゲームバランスともに良好なので影響は少ない。
  • 流血表現が緑に固定されている
    • 原作では人間の血が赤く、アンドロイド・ロボットは流血しない。一方、本作の血は人間・アンドロイド・ロボット・生物兵器のいずれも緑なので違和感がある。
    • 海外版では流血表現そのものが削除されている。
  • スコアが形骸化している
    • ステージクリア時の残り体力・タイムや体力MAX時の回復アイテムにボーナスが付かないため、プレイヤーのテクニックで稼ぐことが困難。
    • ハイスコアを出してもネームエントリーはできず、スコアの最新値・最高値がタイトル画面上部に表示されるだけ。それらの記録も電源を落とすたびに消えてしまう。
    • スコアはゲームオーバー時にリセットされる。仮に競うとすれば、ステージ毎に制限時間を逆算し、無限湧きのナイフアーミーをひたすら狩り続けたうえで、スコアの証拠を撮る必要があるだろう。

総評

『ニンジャウォーリアーズ』のリメイクとして見た場合、ほとんど原型を留めていないと言っても過言ではなく、馴染めない原作ファンにとって黒歴史的な作品であることは否定できない。
一方で、リメイクという枠から外して単体のゲームとして見れば、職人的なゲーム作りのナツメに違わず非常に出来が良く、多くのファンが存在する。

本作はゲームとしての完成度を高めた分、リメイクにおいて重要な“原作再現度”を大幅に切り捨てるという、稀有な例である。
上記の内容ゆえ、原作ファンに諸手を挙げてオススメすることはできないが、原作を知らない新規プレイヤーであれば、手に取って損はないゲームと言えるだろう。


余談

  • 出荷数は定かではないが、ワゴンセールで捨て値を見かけたという報告の多いソフトである。やはり原作ファンにとっては「受け入れ難いリメイクであった」ということだろうか。
    • ただし、後に再評価された影響か、今も捨て値で売っている店はまずない。むしろ、中古SFCソフトの中でも入手が困難な部類に入る。

ザ・ニンジャウォーリアーズ ワンスアゲイン

【ざ・にんじゃうぉーりあーず わんすあげいん】

ジャンル ニンジャ体術アクション
対応機種 プレイステーション4
Nintendo Switch
Windows(Steam)
発売元 タイトー
開発元 ナツメアタリ
発売日 2019年7月25日
【Win】2023年7月25日
プレイ人数 1~2人
定価 3,024円(税込)
【Win】3,080円
レーティング CERO:B(12才以上対象)
判定 良作
ポイント 原点回帰した横スクロールACT
細緻なドット絵と良アレンジBGMの合わせ技
新キャラ・新技・2人同時プレイ・タイムアタックetc.
巨大ボスよりデカい“ライデン”
手裏剣と“DADDY MULK”も復活

概要(ワンスアゲイン)

WILD GUNS Reloaded』に続く、ナツメアタリ(旧:ナツメ)のセルフリメイク第2弾。
『AGAIN』当時のメインスタッフ3人(TENGO PROJECT)が16カ月かけ、他の開発業務と並行しながら完成させたものである(通称:0.5ライン)。
しかも、リメイク方針はエミュレーションやソースコード移植でなく“目で見てコピー”とのこと。
後発となったWindows(Steam)版は全世界配信のため、海外版タイトルである『The Ninja Saviors: Return of the Warriors』としての配信だが言語自体は日本語対応。


評価点(ワンスアゲイン)

  • グラフィック・SEのリファイン
    • グラフィックは16:9に対応し、全てのドット絵を打ち直したうえで枚数も増やすという徹底ぶり。
      • 全キャラに待機モーションが用意され、立っているだけでぬるぬる動く。もちろん、各アクションの滑らかさも折り紙付き。
      • 敵の同時出現数に上限がなくなったことで、集団をなぎ倒す爽快感が増した。
      • リアルさを増した背景が広々と表示されることで、オフィス街やショッピングモールの荒廃具合、バングラー軍司令部の広大さなどが分かりやすくなった。また、ザコにドローンが追加されたり、背景から銃撃してくるヘリが近未来的なデザインに変わるなど、よりSFチックな雰囲気に。
      • 投擲アイテムのバリエーション追加、各種エフェクトの作り直し、一部ボスの巨大化など、演出面も派手になっている。
      • 他にも、後述の新キャラ“ライデン”に他の4キャラ分の開発期間をかけるなど、グラフィック担当・谷口俊一氏のこだわりが感じられる。
    • SEは『AGAIN』の高音質化をメインにしつつ、新キャラ関連の音などを違和感なく追加。
      • さらに、敵の断末魔がリニューアル*9。種類も大幅に増え、ほぼ全てのボスに専用のものが用意されている*10
  • 正統派アレンジのBGM
    • 『AGAIN』の雰囲気を保ちつつ音源がリファインされ、相変わらずの良曲揃いとなっている。
    • 全23曲のセルフアレンジを担当した岩月氏は、「曲の多さに辟易して過去の自分を恨んだ」とのこと。
  • 新キャラ“ヤシャ”と“ライデン”の追加
    • ヤシャは小柄の女性型で、伸縮自在のフレキシブルアームと天冠を模した補助センサー、そしてクノイチ以上に豊満な胸部装甲*11を搭載している。
      • フレキシブルアームは突いたり振り回すだけでなく、少し離れた位置から敵を掴んだり、地面に突き立てて大ジャンプすることも可能。
    • ライデンは身長4メートル・重量32トンを誇る作中最大キャラで、「ボスキャラになったような感覚を味わえる」がコンセプト。
      • 図体が巨大ボス(ギガント・フォボス・ダイモス)よりも一回り大きく、敵の掴み技を無効化する。さらに、巨大ボスに対して唯一の掴み技を持つ。
      • 変形機能を備えており、「敵を4体まで同時に掴める人型のクラッシャーモード」「強力な火器とブーストジャンプを搭載したブラスターモード」の2種類が使用可能。
  • 技の追加・変更
    • バッテリーゲージ(旧:パワーゲージ)を消費する新アクション“チャージアタック”を実装。
      • ゲージMAXを待たずに使える、1回当たりの消費量が1/8~1/3と少ない、連発できる、コンボに組み込めるものが多いなど、総じて優秀。
      • ゲージの使い道を増やすだけでなく、アンドロイドたちのキャラ付けにも貢献している。
    • また、ジャンプの軌道が変わる無消費攻撃“兜割り”をクノイチに追加。ニンジャの無消費攻撃“ヘビークラッシュ”は、似た軌道で着地硬直の短い“エルボードロップ”に変更。
  • ゲームバランスの調整
    • 画面が広くなった分、自キャラ全員に飛び道具や前進できる攻撃を用意。さらに「空中コンボ*12の実装」「しゃがんだ敵が一撃でダウンしない(立ち喰らい状態になる)」「ボスの起き上がり直後を掴める」「難易度ノーマルでは敵の起き上がり直後が棒立ちになりやすい」など、積極的に攻めていけるよう調整された。
    • 操作性についても、『AGAIN』を遊んだプレイヤーがスムーズに動かせる再現度に加え、「通常攻撃の途中で立ち・しゃがみを切り替えやすい」「左右方向を選べる掴み技が多い」「敵に掴まれた場合を除き、ダウン確定時の吹き飛びモーションもボンバーでキャンセル可能」など、より洗練されている。
    • 5体のアンドロイドは外見・性能ともに大きく異なるため、プレイの幅が非常に広い。また、カマイタチ寄りのキャラバランスも是正。全員が強力な戦術を持ち、単機で無双できるだけのスペックを誇る。
+ クノイチの詳細
  • クノイチは通常攻撃を連打しやすくなり、宙返りの移動距離が5キャラ中最長となった。さらに、他の掴み技同様に動作中無敵となった腹突き、空中ダッシュや切り込みに使える兜割り、牽制・コンボ延長に役立つ手裏剣など、幅広く強化されている。
    • 通常攻撃の短さは改善されておらず、ゲージ技3種の威力も低いことが欠点。また、ラスボス戦の後半は『AGAIN』以上に厳しいものとなっている。
  • 戦術:水平突きの連発で近づき、「通常攻撃4段→一瞬待つ→水平突き→通常攻撃4段→…」を狙い、後続が迫ってきたら電撃なげでなぎ倒す。他にも、宙返りによる接近・離脱、掴み技のループ、髪なげからの空中コンボ、返し蹴りを駆使したアクロバティックな立ち回りなど、多彩なアクションが用意されている。
+ ニンジャの詳細
  • ニンジャはブーストダッシュが鋭くなり、ダッシュハイキックの滑走距離も長くなった。チャージアタックのヌンチャクは背後に届くうえにガードを貫通するため、様々な場面で役立つ。
    • ジャンプ・宙返りの重さは変わっておらず、空中コンボもほとんどない。しかし、地対地においては機動力・殲滅力ともに申し分なく、タイムアタックの筆頭キャラとなっている。
  • 戦術:ショルダータックルで密着し、敵が分散している場合は掴み技で一方にまとめていく。背後を取られそうになったらパワースイングか2種類のヌンチャク技で対処する。タイマンではパワークラッシュのループが猛威を振るう。
+ カマイタチの詳細
  • カマイタチは立ち通常攻撃の範囲が広がり、3SVOIIやしゃがんだ敵にも当たるようになった。それ以外の既存モーションは『AGAIN』準拠だが、トルネードスローのみ対象数1~2体に弱体化している。
    • 大半のザコを正面からのボタン連打で倒せるため、初心者にも扱いやすい。ただし「一撃が軽く、敵を直接掴めない」という欠点は十兵衛戦(問題点にて後述)で大きな足枷となる。
  • 戦術:しゃがみ高速移動で近づき、広範囲かつ素早い立ち通常攻撃で先手を取る。タイマンでは密着またはトルネードスローからのスティンガーで大ダメージを狙う。
+ ヤシャの詳細
  • ヤシャは強判定のスライディング、敵を打ち上げつつ上空に退避できる掴み技(上)、低燃費・高威力・ガード貫通のダブルクローが主力。他にも、背後に届くしゃがみフィニッシュ技、高度・滞空時間が延びる垂直ジャンプ攻撃、両手掴みと大ジャンプを使い分けるアームグラップルなど、個性的なモーションが多い。
    • やれることは豊富だが、通常攻撃のリーチが短い、掴み時間が短い、歩行が遅い、ジャンプが低いなど、総じて上級者向け。
  • 戦術:スライディングで先手を取り、「通常攻撃3段→一瞬待つ→スライディング→一瞬待つ→通常攻撃3段→…」でダメージを稼ぐ。囲まれそうになったら、しゃがみフィニッシュ技か掴み技で対処する。
+ ライデンの詳細
  • ライデンはクラッシャーモードなら広範囲のしゃがみ攻撃、ブラスターモードなら低燃費・高威力・ガード貫通の機銃が主力。背後を取られない限り、ザコの群れはおろかボスすら楽に倒せる。
    • ダメージ軽減能力とのけぞり・ダウン耐性を持つ反面、攻撃を避けることは苦手。特にかかと付近が手薄になるので、攻撃範囲の広さを活かした丁寧な立ち回りが重要。
    • 他の特徴は賛否両論点にて後述。
  • 戦術:両手掴みで敵を一方にまとめ、しゃがみ攻撃でダウンさせた隙に変形し、機銃のループで一掃する。さるや3SVOIIに背後を取られた場合、ダメージ覚悟で数歩下がり交差するのも有効。
  • 敵の攻撃頻度が若干低下したことで、「間合いに入った途端に殴られる」「攻撃を当ててもすぐに反撃される」「起き上がり直後を袋叩きにされて再度ダウン」といったケースが減少。
    これにより「通常攻撃の途中から掴み技につなぐ」「殴られながら強引に掴む」「起き上がり直後に最寄りの敵を掴んで脱出」「いくらか有用となったパンチはめを狙う*13」といったテクニックも成功しやすくなった。
  • 回復アイテムの配置数が増え、サイズも場所ごとに固定された。難易度ノーマルでは中・大サイズの比率が高いこともあり、定期的な回復が可能。
    • ただし、ステージクリア時の回復量は50%に減少。
  • ボス戦でコンティニューすると、ボスの体力が微減するようになった。最終補正は4回目(体力3/4)で、ステージクリア時にリセットされる。
  • 画面手前側のオブジェクト(柱など)に透過機能が実装された。ただし、意図的にオミットしたと思われる地形(ステージ7の鉄橋など)もある。
  • コントローラー・言語設定の追加
    • 攻撃・ジャンプ・ボンバーボタンの変更、左スティックの感度調整が可能。
    • ゲーム内の各種説明文を日本語・英語・ハングル・簡体字・繁体字から選択可能。
  • ローカル2人同時プレイの復活
    • 体力・バッテリーゲージを共有する方式で、難易度はハード準拠。
    • 体力が増えたりゲージが溜まりやすくなったりはせず、パートナーがダウンした場合もゲージが0になり、チャージアタックの競合(片方の不発)が起こり得るなど、ある程度遊び慣れたメンバーが推奨される。
  • タイムアタック(オンラインランキング対応)の実装
    • ステージ1からノーコンティニューオールクリアを目指すか、好きなステージを1つ選ぶ方式となっている。
    • 実装に伴い、制限時間・スコアは廃止された。
  • ファンに嬉しいオマケ要素
    • 『AGAIN』で削除された手裏剣攻撃が、クノイチのチャージアタックとして復活。
    • 画面の比率・サイズ変更とスキャンライン追加により、ブラウン管テレビの映像を再現可能。
    • 人間の流血表現を緑⇔赤に切替可能。
    • 特定の条件を満たすことで、BGMを原作版の“ARCADE”、SFC版の“AGAIN”に切替可能。
      • ARCADEには“DADDY MULK”を含む5曲のステージBGM、AGAINには全23曲と敵の断末魔が収録されている。

賛否両論点(ワンスアゲイン)

  • やっぱり(忍者なのに)走れない
    • 三度目の正直とはいかなかったが、ゲームバランスを踏まえれば妥当とも言える。
    • 1回当たりのプレイ時間については、プレイヤー側に有利な仕様が増えたことで『AGAIN』より短縮しやすい。
  • ライデンについて
    • 「丁寧に立ち回ると非常に強い」は自キャラの共通点だが、ライデンは「適当に暴れると弱い」を痛感しやすい。
      • 強烈な見た目のわりに一撃の威力は控えめで、動きの鈍さを踏まえればパワーキャラのニンジャと大差ない。
      • コマンド入力でゆっくりと振り向く、宙返りがニンジャ以上に重い、アイテムとの接触判定が分かりにくい、特定の動作中はダウンしやすくなる、複数のさるや3SVOIIに囲まれると脱出困難、ラスボス戦が非常に難しい*14など、他の4キャラ以上に繊細な操作を求められる。
      • ブラスターモードの癖も強い。掴み技・ガード・宙返りが使えなくなり、無消費攻撃は空中圧殺錘(変形解除+踏みつけ)のみ。火器は強力だがゲージを消費し、密着状態の敵に当たらない。さらに、クラッシャーモードに戻らなければゲージが回復しないため、ダウンからの立て直しに苦労しがち。
    • これらはキャラバランスを崩さないよう丁寧に調整した結果とも言える。
      また「機銃やミサイルを連射する」「ボスを殴り合いで倒す」「巨大ボスを軽々と持ち上げる」「ステージ6のボス戦がすごい絵面になる」など、デカキャラとしての魅力は十二分に表現されている。
  • ステージ・ボスが追加されていない
    • セルフリメイク第一弾の『WILD GUNS Reloaded』と違い、ステージ構成や敵の種類はほぼ変わらず、通しプレイ1回当たりのボリュームも据え置き。
    • ただし、慣れないうちは『AGAIN』同様に1時間近くかかるため、「これ以上長くなると集中力が続かない」というプレイヤーもいるだろう。
  • ステージ1ボス“ギガント”について
    • のけぞり・ダウンへの耐性、高威力・長リーチの連続攻撃、ガード不能の掴み技、ガード・起き上がりからのカウンター技など、最初のボスにしては強すぎるという意見がある。
      ただし「巨体かつ動きが鈍いため、背後を取りやすい」「軽い攻撃だとのけぞらないが、動きは一瞬止まる」といった弱点があり、決して理不尽ではない。
    • 総じて、ガード・宙返りの重要性や連続攻撃に対する喰らい抜けなど、本作の基礎を学ぶためのボスと言える。

問題点(ワンスアゲイン)

  • ステージ5ボス“十兵衛”がやたら強い
    • 体力・リーチ・移動速度に優れる、無敵付きのステップ・飛び蹴りで奇襲してくる、掴み技でこちらのガードを無効化する、広範囲+ガード不能の炎攻撃で牽制してくる、ステップで喰らい抜けすることがある、増援として忍者タイプのザコ(二体一組)が補充され続けるなど、ステージ1~4のボスと比べて圧倒的に強い。
      • 特性自体は『AGAIN』と同じだが、画面が広がったことで動きを捉えにくくなり、結果的にザコの自由度も上がっている。また、ステップ・飛び蹴りの硬直減少、炎攻撃の持続時間延長、喰らい抜けの頻度上昇など、他のボスに比べて強化が目立つ。
    • 「通常攻撃を当てる→フィニッシュ技を出す前に喰らい抜けされる→背後からの飛び蹴りでダウン」「飛び蹴りの着地を狙う→次の飛び蹴りにスカされてダウン」などのケースが頻発するため、手数重視かつ掴み技のループを狙えないカマイタチは苦戦必至。
      さらに、難易度ハードでは掴み技のループすら抜けられる可能性が加わり、タイムアタックにおける最大のランダム要素と化す。こいつがラスボスでいいじゃん。
  • チャージフィニッシュ(旧:ブラスター)と投擲アイテムの弱体化
    • ボンバーは威力上昇と敵の同時出現数増加により、ゲージMAX+全消費に相応しい殲滅力を得た。さらに、クノイチ・カマイタチ・ヤシャの空中コンボに組み込みやすい。
      新アクションのチャージアタックも、評価点で述べたとおり優秀。
    • 一方、チャージフィニッシュはゲージMAXかつ通常攻撃を全段当てなければ出せない(空中コンボにほぼ組み込めない)、使用後のゲージ残量(3/4)と溜まりにくくなるラインが同じ、威力がフィニッシュ技とボンバーの中間程度であるなど、使用頻度が低くなりがち。
    • 投擲アイテムは威力の半減、爆発範囲の縮小、ライデン使用時の当てにくい投擲軌道など、攻撃面での恩恵が少なくなった。
      • ただし、設置数が多い、無敵時間が長い、ニンジャ・ライデンは持ち上げたまま移動可能(回復アイテム入りのコンテナを運びやすい)など、防御行動としては有用。
  • オンライン2人同時プレイができない
    • ただし、PS4版はシェアプレイ機能を使うことで疑似的に可能。
    • ローカル限定という仕様上、タイムアタックの記録は1つのアカウントにしか残らず、パートナー名の登録も不可。
  • マニュアルが非常に簡素
    • オプション内に用意されているのだが、画面説明(1ページ目)・操作説明(2ページ目)・コマンド表(3~8ページ目)しか載っておらず不親切。
      • コマンド表は各キャラ1ページずつ(ライデンのみ2ページ)となっており、抜けが多い。
      • 「複数の掴み技を使い分け、敵を一方にまとめよう」「チャージフィニッシュはガードを貫通する」「敵の攻撃を喰らった時は、ダウンする前に宙返りかボンバーで脱出しよう」といった攻略ヒントも一切なし。
    • ちなみに、『AGAIN』の取扱説明書はプロローグ、自キャラ紹介、操作説明、画面説明、技・アイテム・敵キャラの全紹介、攻略ヒントという充実ぶりである。
  • その他、細かい点
    • 一部のモーション・SEが削除された
      • 特定の攻撃に対するガード成功時の身じろぎ(大)、ジャンプ・宙返りの着地音(ニンジャ・ライデンを除く)、シャドーマンの後ろジャンプなど。
      • アクション面における数少ない削除要素だが、ゲームバランスへの影響はほとんどない。
    • ステージ・エリアセレクトの裏技が削除された
      • タイムアタックで好きなステージに挑めるが、そこから通しプレイやエンディングに移行することはできない。
    • ボスラッシュ・トレーニングなどが存在しない
      • 通しプレイのコンティニューは相変わらず、同エリアの最初からとなっている。タイムアタックがステージセレクト代わりになるとはいえ、そちらは毎回エリア1から始まるため、ボス戦の練習に手間がかかる。
    • SE・BGMをミュートにできず、サウンドテストも未実装
      • ボリュームの調整範囲は1~10となっており、最小にしてもそこそこ聞こえる。
      • SEだけを聴くことはできないが、BGMについては原作・AGAIN・ワンスアゲインをひとまとめにした『ニンジャウォーリアーズ トリロジーアルバム』が発売済。
    • 投擲アイテムのバグ
      • 爆発物タイプの誘爆が確定する瞬間に掴むと、敵の透明化や各種エフェクトの異常が発生する。参考動画

総評(ワンスアゲイン)

SFCの16bitテイストを尊重しつつ、現代の家庭用ハードに合わせて調整された良リメイク。
新キャラをはじめとする原作ライクな追加要素でボリュームもばっちり。「製作陣が良く分かっていた」「原作ファンもにっこりの出来」と言えるだろう。

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  • ニンジャウォリアーズ

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最終更新:2023年11月11日 17:45
添付ファイル

*1 十字キーを上に入れたまま通常攻撃を行うことで発動する、キャラ固有の特殊攻撃。

*2 特性はベルトスクロールACTの緊急回避技(メガクラッシュ)に近いが、体力を消費しない。

*3 カプコン製ベルトスクロールACT『ファイナルファイト』の代名詞である、敵をダウンさせずに攻撃し続けるテクニック。本作では入力がシビアかつ相手に割り込まれやすいため非実用的。

*4 攻撃を喰らって動けない状態から脱出するアクションの通称。

*5 ステージ7道中のみ楯直樹氏が作曲し、岩月氏が少し手を加えたとのこと。

*6 ステージ6ボス“フォボス・ダイモス”のみ、ステージ1ボス“ギガント”のアレンジとなっている。

*7 「平和が訪れたなどと思ってはいけない なぜなら彼らは不死身の“狂った殺人マシーン”なのだから」という言葉で締め括られる。

*8 詳細は割愛するが、掴み技の軌道が最たる原因とされている。

*9 くのいちの断末魔は「あんっ」から「ぎゃあっ」「ギャーッ!」に変わっており、耳に残ること間違いなし。

*10 ステージ6ボス“フォボス・ダイモス”のみ、ステージ1ボス“ギガント”と同じ。

*11 実はフレキシブルアームが収納されており、アーム伸長時は小さくなる。

*12 ダメージ補正がかからない反面、多くの攻撃に「多段ヒットしない」「一度当てたモーションを再使用すると全段スカる」という制限が付く。

*13 ガードで割り込まれることがあり、カマイタチはダメージ効率が低く、ライデンは振り向きが遅すぎて不成立。

*14 ガード不能のトラップが多段ヒットするうえ、巨体のせいで避けにくいことが原因。ただし、ダメージ自体は小さい。