テイルズ オブ エクシリア2

【ているず おぶ えくしりあ つー】

ジャンル ロールプレイングゲーム
(シリーズ内ジャンル名:選択が未来を紡ぐRPG)

対応機種 プレイステーション3
メディア BD-ROM 1枚
発売元 バンダイナムコゲームス
開発元 バンダイナムコスタジオ
発売日 2012年11月1日
定価 8,380円
プレイ人数 1人(戦闘のみ1~4人)
レーティング CERO:C(15才以上対象)
コンテンツアイコン 暴力
通信機能 PlayStation Network対応(ダウンロードコンテンツ配信)
判定 なし
ポイント やや前作プレイ済み推奨
システムは前作から一部改善
シナリオは陰鬱な描写が多いが高評価
キャラクター面も良好
テイルズ オブ シリーズ


概要

テイルズ オブ エクシリア』の続編。略称は『TOX2』。
本作のレーティングは『テイルズ オブ』シリーズで初めてCERO:C(15歳以上対象)となっている。

前作『エクシリア』のラストから一年後が舞台。
前作のパーティメンバーは全員続投、新たに新主人公「ルドガー・ウィル・クルスニク」と、前作のキーパーソン「ガイアス」と「ミュゼ」を含めた計9人が参戦している。

ヴェスペリア』『グレイセス エフ』『エクシリア』データ引き継ぎ特典として、アタッチメントが手に入る。
『エクシリア』で購入したDLC衣装は今作でも使用できる。


ストーリー

世界を二つに分けていた断界殻(シェル)の開放により、
リーゼ・マクシアとエレンピオスがひとつとなって、約一年。
二千年間の断絶から解き放たれた両世界は、融和への動きをみせているものの、
様々な対立の火種は燻ったままである。

近年急成長を遂げている大企業、クランスピア社の巨大な本社ビルがそびえる、
エレンピオスの都市トリグラフ。
そこに住む平凡な青年、ルドガー・ウィル・クルスニク——
彼の元から、この物語は始まる。

(説明書より転載)


システム

  • 戦闘システム「XDR-LMB(クロスダブルレイド・リニアモーションバトル)」
    • 基本的には『エクシリア』とほとんど同じであるため、ここでは主な変更点のみ記す。基本的な戦闘システムは『エクシリア』の記事を参照。
    • リンク時におけるパートナー側の行動を作戦メニューで簡単にだが指示できるようになった。
    • 特定の術技以外で出せる「コモン共鳴術技」が登場。従来のものは「ユニーク共鳴術技」に。
    • 『グレイセス』のアラウンドステップ(と似たサイドステップ)、弱点属性で攻撃後、さらに別の属性で攻撃していくことでダメージが上がっていく弱点連携が追加された。
      • 弱点属性連携中は前作で多くのプレーヤーたちを悩ませた敵ボスのあの「!」を抑える効果がある。
    • 主人公専用の能力として「骸殻」が使える。
      • 使用出来る段階までストーリーが進むと画面右下に円の様な「骸殻ゲージ」が表示され、時間経過により自動的に溜まっていく。
      • ゲージが溜まった状態でL3+R3ボタンの同時押しにより変身、敵を異空間に引きずり込み、ルドガー(無敵状態)VS敵全員という構図になる。
      • 骸殻状態では被ダメージや時間経過によって骸殻ゲージが減少し、骸殻ゲージが尽きると変身が解除される。
      • 骸殻ゲージはフリーラン中は増加しないので何も考えずただ走り回っていれば良いというものではない。
  • 分史世界
    • 本来あるべき世界である「正史世界」から枝分かれして存在する、いわゆるパラレルワールド。分史世界では本編中では死んだキャラクターが生きていたり、冷酷な悪役が善業を積んでいる、またはその逆のパターンが存在している。
    • 一部を除く分史世界には正史世界との違いを表す「偏差」と、正史世界からの距離を表す「深度」の数値が与えられている。
    • 分史世界が増えすぎると正史世界に住む生命の魂に悪影響を及ぼすので、分史世界の核となっている「時歪の因子(タイムファクター)」を破壊し、分史世界を消滅させなければならない。
    • 分史世界への侵入、及び時歪の因子の破壊は骸殻能力者の力が必要不可欠であり、主人公のルドガーはこれを破壊する任務を充てられるようになる。
      • 一度分史世界に入ってしまうと時歪の因子を破壊するまで脱出することができず、また時歪の因子を破壊した分史世界には二度と戻ることはできない。
      • 時歪の因子は正史世界と比較して最も異なる存在がそれに該当し、物質や生物に憑依していることが多い。物質であれば黒いオーラを纏っていることが多く、生物であれば正体が露見した際に肌などが黒く染まり禍々しい外見となる。
  • カナンの地
    • 正史世界のみに存在する伝説の地。「時歪の因子の発生数が100万に達する前に、人類がカナンの地に辿り着く」というオリジンの審判が下されており、達成できれば願いを1つだけ叶えられるという。
    • 本作のヒロインであるエルが目指している場所であり、分子世界に存在する「カナンの道標」を5つ集めることでその場所が判明する。
    • また、そこへ行くまでには「魂の橋」なるものを架ける必要があるとされるが…。
  • 借金
    • ストーリー序盤、主人公はとある事情により2000万ガルドの借金を抱えてしまい、逃走防止のための移動制限をかけられてしまう。
      • このためストーリーは一つのメインチャプターをクリアすると借金返済期間という自由行動可能なパートに移行。借金を一部返済することで、移動制限が解除され、新たなチャプターに進むという仕様となっている。
    • また、一定額返済するごとにご褒美も支給される。借金を全部返すと…?
  • 選択肢
    • 今作では「選択」が重要視されており、主人公の言動や行動を決める二者択一の選択肢がストーリーやロングチャットなど随所に登場する。
      • 基本的にはその後の反応が少々異なるのみで、選択によっては仲間の親密度が上がる。
      • ラスト近くの選択によってエンディングの分岐がされ、3つ用意されている。
      • 更にクリア後の隠しエンディングが2つ用意されている。
  • キャラクターエピソード
    • 特定のメインチャプターをクリアするごとに、各個人のキャラクターに焦点を置いたキャラクターエピソードをプレイすることができる。
    • エピソードをクリアするとメインチャプターのセリフが増え、演出が強化されるボーナスシーンが追加される。
  • アローサルオーブ
    • リリアルオーブに代わり搭載された成長システム。
    • それぞれの属性の線上の項目が解放されていき、能力値上昇、スキル習得されていくシステム。
      • 各属性の線の間にある空間にも項目が存在し、これはその空間を挟む2つの属性を解放することで解放されていく。
      • 術技やスキルの習得だけでなく、すでに習得した術技の追加効果も習得できる。
  • ネコ
    • 各地のマップにいるネコを捕まえる収集要素。『ロックマンX6』のレスキューシステムのようなシステム。
    • ネコは全部で100匹。中には歴代テイルズキャラを意識したネーミングのネコもおり、外見もそのキャラに似せてある。
    • ルルを筆頭としたネコたちが各地に出向き、新たなネコやアイテムを持ってくるという「ネコ派遣」というシステムもある。ネコ派遣でしか手に入らないアイテムも存在する。
  • ショップ
    • 前作では全ての街で共通の品揃えだったが、従来通りの仕様(街ごとに品揃えが変わる)になった。
    • 新たに「特注」が登場。
  • 変化衣装
    • 今作の隠し要素で、前作や今作に登場する主要なキャラになりきれる。
    • 見た目だけを変える要素なので、モーションやボイスは元のキャラのまま。

評価点

  • 『エクシリア』の補完
    • 前作は多くのキャラクターの性格に難があったり、掘り下げが浅かったりと悪い印象が多かった。
    • 今回は基本的に前作のほとんどのキャラが成長しており、悪い部分が改善され不快に感じる事がなくなった。
    • 今回はキャラクターエピソードもそれぞれ用意されており、きちんと見せ場がある。
  • シナリオ・演出
    • 本作の悲愴的なシナリオは非常に評価が高く、テイルズでもトップクラスの完成度と人気を誇る。
    • 伏線描写がかなり練り込まれており、中盤から終盤まででゆっくりと伏線を回収していく。大きな矛盾点も無くしっかりまとめきっている。
      • 現実社会をモチーフとしたエレンピオスが舞台ということもあってか、全体的な雰囲気はかなり現代風なものに近づいている。リーゼ・マクシアとエレンピオスの国政事情や外交問題など従来ではあまり踏み込まれなかったリアルな事柄についても描写されている。
    • 演出面も素晴らしく、特にラストダンジョン直前のイベント「最後の分史世界」は前後の悲壮的なシナリオに加え、細かい演出の入ったアニメムービーにより、多くの人が涙したと言われ、絶賛された。
      • ただし、鬱描写が多く人を選ぶ面がある。詳しくは後述。
    • そしてその果のラストバトルでの演出は伏線回収・BGM・映像描写があいまってテイルズ史上でも一二を争うほどの熱く感動の展開であり、多くの人の心を震わせた。
  • 新規キャラクターについて
    • 新規キャラクターは賛否両論あるものの、全体的に評価が高い。
    • 今作はエクシリアの続編であり、新主人公としてルドガーに切り替わった。シリーズ中でも珍しい「無言系の主人公」ということもあり、発売前はやや不安な声が多かった。
      • だが蓋をあければ今作主人公であるルドガーは『テイルズ オブ』シリーズの主人公の中でも屈指の良主人公であると非常に評判である。
      • ゲーム中でのあまりの不幸ぶり、ヒロインであるエルへの気遣い、そして担当声優である近藤氏による熱演も含めて今作の評価に一役買っていると言っても良い。
      • 戦闘でもウェポンシフトや骸殻システムにより非常に爽快なバトルを行えるので使っていて楽しいキャラである。
    • そんな特徴的な主人公と対になるヒロイン・エルは、「公証年齢は歴代最年少の8歳」かつ「戦闘に参加しないヒロイン」という変化球である。
      • 口さのないおしゃまな女の子であり、活発で饒舌な彼女がルドガーの意思を代弁したり、相槌を打つ担当になる。
      • もっともその変化球なキャラ造形上、この作品で屈指の賛否両論点ともいえる存在。詳しくは後述。
    • ルドガーの兄、ユリウスはそのシナリオと一貫した兄弟愛から、ルドガーと同じく『テイルズ オブ』シリーズ全体で見ても非常に高い人気を誇る。
      • 公式設定資料集での人気投票では2位で、ルドガーとワンツーフィニッシュだった。
      • シナリオ上でも見せ場が多い重要人物で、本作のシナリオの評価の高さは彼の存在が大きいと言っても過言では無い。
    • リドウやクロノスはシナリオ上では徹底的な「敵」として描かれ、ストーリーを盛り上げるのに一役買っている。
      • キャラクター自体は「清々しい程のクズ」とまで言われておりあまり評価は良く無いが、彼らの存在も本作では不可欠な要素と言える。
  • 新規BGM
    • 前作は微妙な評価が多かったが、今作は特にボス戦のBGMを中心に高評価。ボス戦の固有BGMが増え、「華麗なる精霊の演舞」「互いの証の為に」などは前後の演出も相まって高く評価された。
    • ラスボス戦で流れる「ただひとり 君のためなら ~song 4 u~」は展開との相乗効果が凄まじく、シリーズで見ても屈指の人気を誇る。
      • 2Chで例年行われるBGMの人気投票ではテイルズシリーズでは最も高い人気を誇るBGMである。
    • 特に「証の歌」関連のBGMは桜庭統氏本人もは一番思い入れのある曲と言っており、評価も高い。
      • 今作の曲作りに関して、桜庭氏本人は「シナリオの雰囲気に合わせていつもより重めの曲調にした」「今作から制作スタジオが変わり、制作環境が大幅に良くなった(意訳)」とコメントしている。
    • ファンサービス要素としてはギガントモンスター戦で『ヴェスペリア』の「立ちはだかる強敵」が流れたり、隠しボスのBGMが『ファンタジア』と『デスティニー』のBGMのリミックスアレンジだったり。
  • 戦闘システム
    • リンクやボスの鋼体の仕様が改善されて前作より戦いやすくなった。
      • ボス戦での鋼体に関しては前作と同様だが、鋼体発生時に出る「!」の頻度そのものが大幅に減った。弱点連携さえしっかりできれば、ボス相手でも十分に爽快なコンボを叩きこむことが可能になった。
    • 対象年齢が高いことや、リンクなどそれらシステムの使用を前提をしているためか、今作の難易度は歴代でもかなり高め。
    • ルドガーがリンク相手の固有サポートを真似できるため、たとえば自分でレイアを操作しながら、ルドガーにアイテムを盗んでもらうといったことが可能になった。
    • 味方のAIが改善された。
  • レベル上限が上がった。
    • 前作の99という不満点が解消され、他のシリーズと同様200になった。
  • 快適性の高さはシリーズ随一。
    • インターフェイスは『エクシリア』とほぼ同一だが、「ウィングドブーツ」を入手するとR2ボタンでダッシュが出来るようになった*1
      ダッシュ中は方向転換が行いにくくなり、そのまま敵に接触するとリスキーエンカウント(敵に囲まれた状態で戦闘がスタートする)となるものの、正史・分史で同じマップを何度も行き来することになるため、重宝する。
  • 前作譲りのグラフィックの質は高い。ただ使い回しが多い、詳しくは後述。
  • 前作に引き続きユーフォーテーブルのアニメの作画の質も高い。
  • 闘技場に2人で戦う「タッグ」が登場。歴代キャラも登場するようになった。
    • 前作で批判された、場外へ出ると強制失格になるルールも廃止された。
    • その代償として「シングル」がなくなってしまっているが…。
  • 前述のネコの名前や歴代キャラやBGM、『グレイセス エフ』にあった歴代テイルズをモチーフにした武器、アタッチメントや変化衣装などファンサービスはそこそこ。
    • 変化衣装には今作および前作のキャラと今作にもゲストとして登場する過去作の主人公・ヒロインの他、何故か登場していないコングマンも。
      • コングマン本人のプライドもあってゲーム本編で見る事はできなかったが、変化衣装という形で「あらゆる武器を使いこなせる」という設定が実現された。
  • DLC衣装は前作・今作で共通。新たに配信された衣装も前作パーティキャラ分のものは前作でも使用可能。
    • 現在は配信終了してしまったがコラボレーションで『魔法少女まどか☆マギカ』の衣装が配信されたのはファンを驚かせた。

賛否両論点

  • 主人公としてのルドガーについて
    • 喋らないキャラのため、不自然という声が多い。掛け合いでは変に黙ったり、急に笑ったり、「あぁ」「うぅ」という唸り声を出したり、ピースをしてはしゃいでいたり。
    • 2周目以降はON/OFFできるようになるが選択肢や戦闘時に仲間の名前を呼ぶ程度しか話せない。そうするくらいなら最初から喋るようにしてほしかったという声も。
    • 『テイルズ オブ』シリーズではキャラ同士の会話と掛け合いがシリーズの魅力の一つでもあるため、この仕様には批判が多い。
    • ルドガー自身は、表情豊かだったり、ノリの良い一面や仲間を励ます描写もあり、(プレイヤーの選択肢にもよるが)比較的好青年で特に性格に難のあるキャラではない。実際、公式の『TOX2』人気投票、および第7回シリーズ人気投票では1位を獲得している。
    • 「喋らないおかげで変なイメージや評価を下げるような発言がないため、感情移入しやすく人気になったのでは?」という意見もある。
    • あるキャラとの関係性を隠すことや、某ムービーにおける演出にも一役買っているため、一概に問題点であるとは言えない。しかし、似たような状況でも他の作品では上手く演じ分けがされており本作でも演技に問題はないため、やはり制作の方針なのだろう。
    • プレイヤーの分身として感情移入して欲しいという理由で声無しになったが、そもそもにおいてテイルズシリーズでは主人公を始め、キャラクター達の織りなす世界を楽しむゲームというコンセプトとは正反対である。*2
      • 『テイルズ オブ』シリーズの世界にプレイヤー自身が入り込めると言えば聞こえが良いが、肝心のシナリオが鬱展開過ぎて報われない人物が多く、それまでの主人公のように仲間や世界を救う篤い展開に持ち込むことができないので、システムとのミスマッチ感は拭えない。
      • それどころか、プレイヤーに殺人や自殺を強要させるような場面も存在するため、倫理的に辛い場面もある。それもまた魅力ともいえるが、ライターは次回作でも殺人を肯定的に捉えるようなシナリオを展開しているため、『テイルズ オブ』シリーズらしさを殺してしまっている。
  • ヒロインのエルについて
    • まわりの忠告を無視した身勝手な行為が目立つ。しかも、それが原因で状況が悪化する事が多い。
    • 8歳という点を考慮しても性格に難があるためか、公式の『TOX2』人気投票でも低い評価となっている。
+ エルに関するネタバレ
  • 彼女の批難される行動として最たるものは、物語序盤でルドガーに対して「痴漢容疑」の冤罪をかけることにある。
    • 父親から「列車に乗れ」という言伝を預かっていたエルは、切符を持たないために改札係の注意を痴漢=ルドガーに引き付ける、というとんでもない行動に出る。まだ知り合ってもいない少女に痴漢容疑をかけられるという、昨今の日本における痴漢冤罪騒ぎを考えるとまったく笑えない状況である。
    • その先で巻き込まれた爆破テロ事件によって重傷を負ったルドガーは、愛猫ルルと、そしてエルの治療費も肩代わりすることになり、2000万ガルドの借金と引き換えに社会的地位と就職先まで失う、というのが序盤の経緯である。これらすべては物語の黒幕がルドガーを監視するために起こした処置なのだが、それが判明するのは中盤以降である。一連のイベントでエルに対して悪印象を抱いたプレイヤーが少なくなかったのも無理からぬことだろう。
    • 助けにきたルドガーがテロに巻き込まれたのにもかかわらず、謝罪は最後までしない*3。また、何度助けてもらっても礼を言わない。 最初にあって然るべきルドガーからエルへの怒りは描写されず、あろうことか何の義理も義務も無い子供の借金を肩代わりする展開のせいで大きな違和感が生じるようになっている。
  • 良くも悪くも、「エルを好きになれるかどうか」で物語への没入度が大きく変わってくる。前述の通りマルチエンドを採用しているゲームではあるが、トロフィーなどを見てもエルを生存させるエンディングがトゥルーエンドとして扱われているのは明らかである。エルを好きになれていない場合、どのエンディングも後味が悪いという形になってしまう。それだけ重要なポジションである彼女に賛否両論のキャラ付けがされていることは、評価が分かれる部分といえる。
  • そんなエルだが、終盤になるとシナリオ展開の都合で永久離脱してしまう。元々NPCなのでゲーム的には影響は少ないのだが、エルと猫のルルのやりとりがほほえましかった「ネコ派遣」はルルが鳴いて走り去っていく程度の味気ない物になる。前述した点を乗り越え、可愛い娘のように好きになれたらなれたでこの仕打ちは避けられない。
    • 借金返済を終えるとエンディングに入り、返済記念で温泉に行くという流れになるのだが、このエンディングが見れるのはエルが永久離脱した後になる。これはこれで物悲しいものがある。

問題点

  • 『エクシリア』からの使い回し
    • 今作は『エクシリア』の続編であり、ある程度の使い回しは必然であるが、今作は新規に作られたデータが少ない。
    • 特に顕著なのがマップの使い回しで、今作のマップの大半は『エクシリア』からの流用となっている。
      • エレンピオスが舞台ということだったが、新規マップが少ない。前作でも登場した街トリグラフが拡張されたり、街や街道がいくつか追加されたのみ。結局中盤以降はリーゼ・マクシアの探索が中心となってしまっている。
      • 前作で批判されたマップの穴の問題などもそのまま放置されている。ダッシュの追加や、マップアクションの動作が高速化されたので、いくらかマシにはなったが。
      • 前作のシナリオに合わせて作られたマップの数々を今作のシナリオへ割り振った結果、話の流れでは特にそこである必要がないマップでシナリオが進んでいくことも多い。一方でシナリオに全く使われないまま、いつの間にか行けるようになるマップも多く、ダンジョンの難易度が分かりにくくなっている。
    • 設定上仕方ないと言えど、分史世界でも多くのマップが使いまわされている。
      • 一応、分史世界においては、マップや宝箱の配置や町人の会話は大幅に変わってはいる。しかしこれが同時に、形状が全く同一の広大なマップを宝箱のために同じゲーム内で何度も隅々まで探索するという苦行を生んでいる。
      • 脇に逸れずにシナリオ進行に集中すればむしろ形状を把握している分攻略が簡単なのだが、クリアした分史世界は破壊されるという仕様上、その時限りで消滅するマップで宝箱を無視するという多くのゲーマーなら理解できるであろう苦痛が付きまとう。
    • 音楽も大部分が『エクシリア』からの流用。元が微妙な評価だったため、もっと新規に書き下ろしてほしかったという声も。
    • これも設定上仕方無いのだが、分史世界の存在のためにボスも使い回しが多い。
    • パーティキャラもルドガーと非参戦キャラを除いて全て前作キャラである(前作では敵だったガイアスとミュゼも追加されているが)。
  • 借金システム
    • ストーリーを進めるために請求される金額が高めなので必然的にクエスト等でガルドを稼ぐことを強要される。
      • ある程度ガルドをもっていると借金の返済を催促される。
      • 過去作に比べるとガルド自体は稼ぎやすくなっているのだが、催促を断っても何度も催促され、意地でも断り続けてガルドを貯めると、ついには拒否する選択が消滅した催促へと変わるため、一定金額以上はガルドを貯められないという状態に陥ってしまう。
      • そのために中々ガルドが溜まり辛い上に、メインチャプター中でも所持ガルドが請求金額を超えるといちいち催促が入るため、煩わしく感じることも。
      • メインチャプター中に必要金額分の借金を払っても次の借金返済期間がカットされるわけではなく、また指定された金額を支払わなければならない。借金返済ボーナスなどもあるとはいえ、メインチャプター中の支払いは無駄な支払いでしかないのである。
      • 借金返済期間のみ催促されるようにするか、2周目以降でオン・オフ可能にして欲しかったという声もある。
      • 「借金返済のために貯めておくか、装備品を揃えるのに使うかを考える必要がある」とのことだが、装備を集めたい人は少し溜まったら買いに行くなどを繰り返さなければ催促が来てしまう。
      • 2周目であれば引き継いだ素材アイテムなどを売る事で稼ぐ事も出来るので、周回プレイにはそこまで影響はない。
      • しかし、一気に金を溜めてしまうと、借金の催促が止まらない状態になってしまうという問題も。
    • ついでに借金を負う経緯がかなり強引で、そこを批判する人も。
  • 武具の入手が不便。
    • 前作は素材やガルドで店を強化することでどこの店でも同じ武具が買えるシステムであったが、今作は従来のテイルズ オブ シリーズと同じく、行く先々に合わせた強さの武具が入手できるようになっている。
      • メインシナリオ前半は行くべき先が決まっているのでその順番に強い武具が入手できる。ところが後半で行けるリーゼ・マクシアの領域は任意になっているため、強い武器や防具をどこで購入できるか分かりづらくなっている。
      • 一応終盤であればイル・ファンなどで強い武具が入手できるようになるが、情報が少なく気付きにくい。
    • 分史世界にある店にてそれ相応の武具が販売されていることもある。
      • 後半で訪れる分史世界などが該当する。分史世界は一度時歪の因子を破壊してしまうとその分史世界には戻れなくなるため、装備を買い損なうとシナリオを進めるか次に店がある分史世界に行ける時期まで入手できなくなる。
      • 分史世界では街内でもパーティが固定のため、未参加のメンバーの武具が確認できず、強化値が分からない問題点もある。
  • 前作未プレイ者への配慮の中途半端さ。
    • 『エクシリア』の続編である本作だが、シナリオは前作のキャラクター達がほぼ続投しているので、前作をプレイしておかないとやや置いてけぼり感がある。
      • 一応前作の内容を追えるダイジェストムービーがあり、ある程度未プレイ者への配慮がうかがえるが、それでも前作をプレイしておかないとわからないネタが出るので、前作をプレイした方が楽しめる。
    • 前作プレイ済みでも戸惑うものもある。
      • レイアはゲーム開始時点でいきなり新聞記者見習いになって登場している。 これは、レイアが新聞記者見習いになるまでの過程が初回特典の小説版に回されている為である。ゲーム中では詳しく触れられず、読んでない人やそもそも初回特典つきを買っていない人は置いてけぼりを食らう*4
      • 後に同小説はweb上でも掲載された。また、作中で1年も経っているのだから家を出て新たな職に就いていても不自然ではないとも考えられる。
  • 戦闘はシステムの追加やAIの改善、仕様変更などを行い基本的には良くなっているのだが、改善されていない点や、寧ろ改悪された点も存在する。
    • 街の外の移動中や戦闘中のパーティメンバー交代が廃止された。
      • 前作では加入したパーティーメンバーは常に行動を共にし、戦闘中を含めていつでも交代が可能だった。
      • 今作では、戦闘メンバーは基本的にメインチャプターではルドガー+固定3人、キャラクターエピソードではルドガー+固定2人+任意1人となっていて、自由行動時もクリア後まではルドガーを外せず、街の外では入れ替えが出来ない。自由度が下がり、装備品の管理等が不便になってしまった。
      • 特に、メインチャプターにおいては同じメンバーが連続で加入することはほとんどなく、自分の持ちキャラを持っていても何度も何度も強引に断ち切られてしまう…というよりは、実質的に、ルドガー以外を持ちキャラにできないと言ってよい。
      • 明確な劣化と言えるが、一方でシーンごとの登場人物を絞ったためイベントの演出強化につながっている、「各々の事情を抱えた上でルドガーを手伝っている」という説明は付く、限られた戦闘メンバーでどう戦うか?を考える要素が出来た、などとプラス思考で考えることも可能である。戦闘中の交代処理が無くなり、一部軽くなった側面もある。
      • ただし、街を出ただけでパーティの変更すらできないのは不便でしかなく、これらに至ってはフォローのしようがない。状態異常を多用する敵がいるのにエリーゼがいない、術を使う敵がいるのにローエンがいない若しくはその逆など、各ボスに適した配置ではないため、前作にあったキャラクター固有の個性を台無しにしている。
    • クリア後にはルドガーが外せるようになるとはいえ、扱える属性や発動できる共鳴術技、秘奥義、そして何より骸殻によるルドガーの優遇が顕著で、フリーになっても結局戦闘メンバーにせざるを得ないに等しい。昨今のテイルズの流れの中においては自由度が低いとされ、大きなマイナス点としてよく指摘される。それ故に、以後の作品に悪影響を与えないか*5と危惧する声もある。
      • そして、上記の予感はより最悪な形で的中することになってしまう。
      • また、新たに加入したガイアスが仲間の中では頭一つ抜けて強力なため、ルドガーと合わせて二人分の枠を占領してしまうことになり、選択肢の少なさに追い打ちをかけている。インタビューによるとあえて強くしたらしいがその結果は賛否両論と言える。
    • また、隠しダンジョンでも他のキャラが入場条件があるのに対し、ルドガーは固定となっている。
    • 同難易度における雑魚とボスの格差が激しい。雑魚は極端に弱く、ボスは強い。
      • 雑魚は難易度を上げないと脆すぎて紙でも切っているように感じるが、へたに難易度を上げるとボスが勝てないほどに強化されてしまう。一定の難易度でゲームを進めることは色んな意味で難しく、オプションを何度も触るはめになった人は多いと予想される。
      • 原因はおそらく、探索の自由度が増したことにあると思われる。次々とメインから外れたマップが解放されていくため、その度に全て回ってきた人と寄り道を嫌う人とでは大きな差となる。この両者のバランスを取った結果が、探索者まで考慮した強力なボスとレベル上げの保険として配置された雑魚という事であろう。妥当な調整かもしれないが、本来盛り上げるべきメインチャプターの攻略がつまらないというのは問題である。
      • 前作の終盤で戦ったボスが序盤に登場してくることがあり、プレイヤーを苦しませる。
      • 特にメインチャプター12で行ける分史世界NO.F423Fのボスは本作において屈指の強敵であり、前述のパーティ固定のハンデもあってかなりの苦戦を強いられる。
      • クロノスもかなりの強敵で、2回戦以降はHPが半減すると時間を戻して戦闘をやり直しにしてしまう。骸殻を発動させることで妨害できるのだが、初見かつ事前情報なしでは対処しづらい。一方的に不利にはならない(こちらのHPやアイテムも戻る)ため、決戦時にもらえるヒントや技の演出でそれとなく気づけたりするが。
    • 耐性のある属性攻撃を仕掛けても鋼体を削った分としてカウントされない。この点がかなり影響が大きく、ここでもルドガーでのプレイが前提となってしまっている。
    • CPU同士でリンクしている場合にどちらがマスターかスレーヴか画面を見ても見分けが付かないため、OVL状態をCPUからプレイヤーに譲ってもらうときに面倒。
      • リンクする際に先に声を掛けた方がマスターであるが、それを第三者である自分が覚えておかなければならない。
    • スキル装着のためのSPを増やすための撃破ボーナスが雑魚の種類で分けられているため、場合により一撃で倒せるような雑魚を何体も倒す作業を強いられる。
      • 厳密には、各フィールド・ダンジョンで出現するほぼ全ての雑魚一体一体に撃破ボーナスが設定されている。「15体撃破」「45体撃破」そして「200体撃破」。「200体なんて楽勝」と思うだろうが想像してみてほしい。各フィールド・ダンジョンには“1シンボルで1体しか出て来ず且つ出現率が低い”というレア枠ではない通常雑魚モンスターがいる。そのモンスターにも200体撃破が設定されている。どのレベルの作業を強いられているか想像するのは容易だろう。そしてご丁寧にラストダンジョンに出現する敵にも撃破数が設定されている。
    • 状態異常攻撃が過去作以上に脅威となっている。
    • サイドステップはL1+スティック上下+攻撃ボタン(ちなみにフロント、バックステップはスティック左右+防御ボタン)で、素早く使い分けるには煩雑な操作となっている。また、敵の周りをくるくる回ってみれば分かるが、6時方向と12時方向を境にスティック上下の操作が反転するため、紛らわしい角度の場合には目的と逆方向へ入力してしまう可能性がある。また、ジャンプが暴発しやすい。
    • 隠しダンジョンは雑魚からの逃走不可、リンクしないとダメージが1しか与えられないという仕様である。
      • その隠しダンジョンはルドガー固定で、それ以外のキャラは1周クリア毎に1つ入手する装備を付けているか好感度を上げていないと入る事が出来ず、よほど好感度を重視したプレイでもしていなければ1度クリアした時点では4人で挑むことは出来ない。
      • CPU同士のリンクが切れた場合が厄介で、作戦でリンクの頻度を最高にしてもなかなかリンクしてくれない上、手動で強引にCPU同士を繋げても、勝手に切ってしまう。結果、CPUが自発的にリンクするまでは、プレイヤーは原因が分かっているにもかかわらずCPUがダメージ1を連発するのを見ていなければならない。
      • また、敵がすべて真っ黒に塗りつぶされているのでやる気が削がれる。秘奥義のカットインも顔の部分が見えない。
  • アローサルオーブの仕様
    • どの属性を上げればどのような術技・スキルを覚えるのかの先行きが分かりにくい、という声もちらほら見られる。
    • オート装着の機能が無く完全に手動で付け替えしなければならないので2周目以降は前作のリリアルオーブより面倒である*6
  • 前作の不評要素の続投
    • 前作で不評だった引継ぎシステムや料理、ショートチャットなどが改善の様子もなく続投している。
      • ただ、批判が多い「腹が減った」「戦闘に出せ」といったショートチャットはなくなった。
      • しかし、ネコ派遣の提案といったショートチャットは度々聞かされる羽目になる。
  • クエスト
    • クエストにはネコ捜しが含まれており、放っておくとリストが膨大な量のネコ捜しで埋まってしまうので見難い。
  • 町に入るとパーティトップがルドガーに固定されてしまう。
    • ルドガー以外のキャラで歩き回りたい場合、町とフィールドを行き来するたびに再設定を強要される。
  • メインストーリーのボリューム不足感
    • 本筋とキャラクター個人にスポットを当てたキャラクターエピソードで構成されているが、キャラエピをしなくてもクリアは出来る為、本筋だけを追うと30時間前後で終わる(借金返済の金策の過程を含む)。
      • ちなみに、周回でアイテムを引き継いで、それを売って借金返済にあてると10時間前後で終わる。キャラエピも混ぜるとそれなりのボリュームになるのだが…。
  • 親密度システムについて
    • 選択肢の内容などによって上がるが、『シンフォニア』ほど大きくシナリオに影響するわけでもなく、さほど重要な要素でもない。
    • しかし、隠しダンジョンに行くには仲間キャラの親密度を8以上にしなければならない。フレンドリンクSなどのアイテムに頼る方法もあるが、本編やチャットの選択肢で正しい選択を選ぶことを半ば強制されるような仕組みになっている。
    • パーティキャラ以外の好感度が上がる選択肢もあり、基準値まで行くとアイテムがもらえるようになるのだが、中には絶対にその選択にしなければならないものが紛れ込んでおり、選ばなかった場合は1周ではアイテムがもらえなくなる。
      • ゲームプレイ中では好感度が上がったかどうかも確認できないため、上げるにはいちいち攻略サイトなどで調べる必要がある。
      • 間違えた選択肢を選んだ場合はやり直さないといけない面倒さも出てくる。無論既にセーブしてしまったら後の祭りである。
  • ラストダンジョンの構成要素
    • ラストダンジョンは幾つかの道から正解を探し出して進んでいくのだが、数が少なければまだしも、上下に入り組んだ分かり辛いマップな上に、偽ルートの数まで多いため、進むのが非常に面倒臭い。
    • 更に正解ルートは固定ではなく、毎回正解ルートが変わってしまうランダム仕様なため、尚更である。パターンは数種類しかないとはいえ、こんな入り組んだマップでやるべきではないだろう。
    • 今作ではコンプリートを目指すのであれば周回が必須なのだが、謎解きでもなく、仕掛けがあるわけでもないためとにかく面倒と言う印象が強い。
  • バグ
    • 絆双銃や変化衣装は引き継がないと二度と手に入らないバグがある。2周目以降プレイする時は要注意。
    • また引継ぎの際、ある操作をするとクリア不可能になるバグもある。
  • 余りにも救いのない鬱描写の多さ
    • 鬱ゲーと言われる程とにかく陰鬱な描写が多く、人を選ぶ面がある。
      • CERO:Cだけあって人死にや流血表現の数は過去最多で、全体的に明るめな色彩だったテイルズでは異例なほど「らしくない」描写が多い。*7特にそれまでの『テイルズ オブ』シリーズ作品で流血表現は描写すらされない場合がほとんどであったため尚更である。
      • ストーリーそのものに問題があるわけではなく、また陰鬱だからこその感動的な展開もあり鬱描写に耐性がある人ならば特に問題はない。
  • 主な鬱展開
+ EDに関するネタバレを含む
  • 分史世界について
    • 正史世界より悲惨な状態になっていることがあり、メインキャラが殺されている場合も。逆に正史世界よりも平和な分史世界も存在するが、どの道分史世界は壊さなくてはならなく、その使命は重い。
    • 時歪の因子化とは骸殻を使い果たしたクルスニク一族そのもの、もしくはそれらが憑依したもの。そして分史世界とは、時歪の因子化したクルスニク一族が望んだ世界を具現化したものである。
      • たとえ骸殻の力を使ってカナンの地へたどり着こうとも、骸殻を生み出したクロノスが邪魔をするため、どうあがいても超えることができない。つまり、オリジンの審判は初めからクリア不可能の詰みゲーのようなシステムで成り立っている。
  • 分史ミラについて
    • エルの力により、分史世界のミラが正史世界へ連れてこられてしまう。分史ミラは自分のいた世界が消滅したことに途方にくれながらも仲間として同行するが、その行く先にて「正史世界では分史世界と同じ人物は存在できず、分史世界から来た存在は消滅してしまう」真実を知る。
      • 物語後半にて正史世界のミラ、つまり前作までのミラを召喚するための敵の罠にかかり、そこで分史ミラを助けるかどうかの選択肢が出される。が、どちらを選ぼうとも分史ミラは消滅してしまう。ミラのキャラクターエピソードをクリアしていると更に選択肢が増えるが、 選択肢が増えただけでどちらを選んでも結局分史ミラは救えない。 物語の都合上とはいえ後味が悪すぎる。
  • ED
    • 終盤、ラストダンジョンに行くにはユリウスを犠牲にしなければならない。ここは評価点に書かれている通りの悲壮的なシナリオ故に高評価も得ているが、やはり救われない展開による鬱描写としてきつい所がある。
      • さらにこの場面にてひたすらユリウスを犠牲にすることを躊躇う選択肢を選び続けると、なんとパーティキャラ全員との戦闘になりこの戦闘に勝つとあろうことか前作キャラ全員を殺害し、ユリウスと残り僅かな時間を過ごすというひたすら暗く残酷なエンディングに突入する*8
      • いわゆるバッドエンドであるが、そもそもメインキャラを殺す内容のEDが用意されている事を批判される事もある*9
    • 最終的に ルドガーとエルを同時に生かす事は不可能であり、最終的にはそのどちらかを犠牲にする必要がある。
      • その為、納得いかないと言うプレイヤーたちの声が殺到している。
      • キャラクターの好感度が高くなっても、一言二言セリフが追加される程度で特別なエンディングに辿り着くこともない。
      • 前作プレイ済みのプレイヤーからしても、ユリウスの死をはじめとするキャラクターの死を仕方ないとばかりに受け入れる仲間達のドライな反応には違和感が残る。
    • このようにメインシナリオ中はどちらの選択肢を選んでも助けられない場面があったり、どちらかしか助からない場面が続けて存在する。その為、プレイヤーがどの選択肢を選ぼうとも後味の悪い結果を押し付けられてしまう。
    • 選択肢のあるシステムを導入しているにもかかわらず、どちらを選んでも結果は変わらないことがほとんどであり、シナリオ上うまく機能しているとは言い難い。
      • まとめると本作は一部の過去作のように、誰かを犠牲にしなければならないところで主人公らが犠牲にさせないよう奮闘するなどの熱い展開が存在せず、プレイヤーの選択次第でそんな展開に持ち込むこともできない。それどころか前述した鬱エンディングがあるように、悪い方向にしか進めないのが「鬱ゲー」と称される原因になっている。

総評

前作のファンディスク的な側面がある点、『テイルズ オブ』シリーズらしからぬ暗めのシナリオなど人を選ぶ面はあるが、システム面の改善もあり総じて遊びやすい。
総合的にはストーリー、戦闘システムとも優良で今後、システム的な後継作品が出るのであれば、細部を改善しさらに完成度に磨きをかけることが期待される。


余談

  • 同じバンダイナムコゲームスが半年ほど前に後篇を出したゲームにおいても主人公が借金を背負っており、プレイヤーによっては連続で借金返済に追われる羽目になった。
+ タグ編集
  • タグ:
  • RPG
  • PS3
  • 2012年
  • バンダイナムコゲームス
  • テイルズオブ

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最終更新:2023年11月17日 17:12

*1 前作では入手すると走る速度が若干速くなるアイテム。今作では最初から前作のウィングドブーツ入手済みの移動速度で走れる。

*2 余談だが後のお祭り作品やドラマCD、リアルイベントでのスキットでは他のキャラと同じくらい喋るルドガーを拝見する事が出来る。

*3 一応痴漢容疑をかけたこと自体は遠くから口パクで謝ってはいるが…。

*4 前作では看護師を目指しており、エンディングでは実家の宿屋を手伝っている生活が語られていたのみ。

*5 歴代シリーズの人気キャラは、決して戦闘中の強さで決まっているわけではないということも付け加えておく。

*6 前作のリリアルオーブには一応自動選択機能があった。

*7 ただし、『TOS』『TOtA』『TOBe』などの作品においても、プレイヤーが目を背けたくなる様な鬱展開が多く繰り広げられたりするので、本作に限ったことではない。

*8 『ラタトスク』のバッドエンドに似ているが、それの比ではないくらい重苦しい。

*9 一応、「ルドガーは必ずしも英雄でなくてもいい、そういう選択をしてもいいんだ」という意図で用意したとのこと。しかし、そもそもテイルズにあってしかるべき展開を排除してまで入れるべき選択かと言われれば疑問が残る。