POPULOUS2

【ぽぴゅらすつー】

ジャンル RTS

写真はSFC版カセット
対応機種 PC-9801、X68000、FM TOWNS、IBM-PC、Macintosh他
発売元 イマジニア
開発元 Bullfrog
発売日 【X68k】1992年8月28日
【PC98(エキスパート)】1993年2月5日
【FM TOWNS(エキスパート)】1993年1月29日
定価 【SFC】9,800円
判定 良作
ポピュラスシリーズ
POPULOUS/POPULOUS2/ザ・ビギニング/DS


概要

  • ゴッドゲームの先駆けである前作の続編。プレイヤーは様々な奇跡を起こせる神となり、神を信奉する信者の発展を間接的に促し、一方で敵対する悪魔教徒を滅ぼすのが目的。
    • 本記事では、SFC版に則って説明する。
    • プレイヤーは「ゼウスと人間の女性の間に生まれた青年」という設定。
    • 敵として16人の神が登場し、各3ステージが用意されている。

システム

  • フィールド上に味方信者・敵信者が存在する。この味方信者を増やし、敵信者を一人残らず倒すとステージクリアとなる。
  • 信長の野望』『ファイアーエムブレム』のような陣取り合戦…と言えば間違ってはいないが、本シリーズの特徴は味方信者の行動を個別に制御できないことであろう。信者たちは平地があれば建物を作り、建物の収容可能人数からあぶれると勝手気ままな方向へ新たな平地を探しに行く。 目の前に底なし沼や火柱があろうと、平気で突っ込んでいく。 そんな彼らを導く方法として、下記の「奇跡」「神の啓示」を操作することとなる。
  • 奇跡
    • 信者はそれぞれの神を信仰し、神はその信仰を源(マナ)として下記の超現象を発生させることができる。
    • マナは信者数と時間経過に応じて蓄積される。奇跡を使うと、その奇跡に応じた一定量のマナを消費する。
      • 都市開発シミュレーション風に言うと「人口が増えると税収が増え、より大規模な事業ができる」。
    • 奇跡の種類が前作の8→29種へ大幅に追加された。
      + 全奇跡の簡単な説明
      • 【人】
        • 土地上下:信者が住めるよう、山を削ったり海底を盛り上げて平地を作る。本ゲームの基本作業となる。
        • マグネット移動:味方信者をフィールド内の特定方面へ誘導するためのシンボル(マグネット)を任意の場所へ移動させる。
        • ペルセウス:標準的なヒーロー。本作のヒーローとは、その時点のリーダー(後述)が格上げされた存在であり、「通常の信者よりも攻撃力が高く、死ぬまでフルオートで敵建物を焼き払って回る」という便利な存在である。
        • 病原菌:感染した信者は「マナを供給できない」「ハルマゲドンに参戦できない」という影響を受ける。1人に植え付ければ周りの信者に徐々に感染が拡大していき、後々ボディブローのように効いてくる。
        • ハルマゲドン:まさに「最終決戦」。敵味方共に全て住居を捨ててフィールド中央に集まり、どちらかの信者が全滅するまで直接戦闘を続ける。
      • 【植物】
        • 森:信者の成長スピードが増加する。火を付けると延焼するので、「森」→「火の雨」で広範囲に敵陣を焼き払う使い方も。
        • 花:フィールド上の建物を建てられない平地(沼、地震による亀裂、火山による荒地など)を通常の平地に変える。
        • 沼:一定範囲に底なし沼を発生させる。その上を歩くと、嵌って即死する。リーダー・ヒーロー潰しに多用。
        • 毒カビ:数個まとめて設置すると、突然大繁殖を起こして周辺の建物・信者を跡形もなく飲み込んでいく。
        • アドニス:戦闘に勝利する度に2手に分裂するヒーロー。短時間で一定範囲の敵陣を焼き払いたい時に便利。
      • 【地】
        • 道:この上を歩いている時は、信者の移動速度が上昇する。
        • 城壁:敵リーダー・ヒーロー以外の信者を遮る効果を持つ。
        • 地震:平地に長い亀裂を発生させる。落ちて即死。リーダー・ヒーロー潰しに多用。
        • 地下巨石:大きな建物を作るのに障害となる巨石を発生させる。発生ボタンを押し続けると、一帯により多くの巨石を発生させる。
        • ヘラクレス:他のヒーローよりも戦闘力が高い。
      • 【気】
        • 雷:カーソル付近に雷を落とし、信者や建物を攻撃する。リーダー・ヒーロー潰しに多用。
        • 竜巻:一定時間、ランダムに動き回って建物を吹き飛ばし、信者を巻き込む。海上では渦巻き(後述)を大量発生させるため、敵陣の海岸付近に大量に仕掛けると土地を広げにくくなるので効果的。
        • 嵐:一定時間、一帯に雷を落とす。
        • オディッセウス:他のヒーローよりも足が速い。
        • ハリケーン:カーソル地点から一定方向に強風を吹かせ、建物を吹き飛ばす。信者も押し流されるので、後方に沼や地震を仕掛けると効果的。
      • 【火】
        • 火柱:カーソル付近に火柱が立ち、一定時間ランダムに動き回る。信者が触れると即死。
        • 火の雨:一帯に火の雨を降らせる。前述の森と併用することで効果が増す。
        • アキレス:焼死しないヒーロー。
        • 火山:巨大な山が発生し、四方に溶岩が垂れ流される。平地に戻しても建物が建てられない地質になる。
      • 【水】
        • 岩礁:海面上に建物が建てられない土地を線分状に発生させる。津波の侵食を防ぐ効果も。
        • 渦巻き:海面上をランダムに動き回り、既にある土地を削り取る。一定時間で分裂し被害が広がる。
        • 聖水の泉:これに嵌ると、相手側に寝返る。強力なヒーローが嵌ると、形勢逆転することも。
        • トロイのヘレン:非常に魅力的な女性という設定のヒーロー。「敵信者を魅了して建物を更地にさせ、信者が死ぬまで外を連れ回し続ける」「戦闘することが出来ず、神業でしか潰せない」という、ヒーローの中でも特異なタイプ。
        • 津波:カーソルを起点として全方向に津波を発生させ、平地という平地を流失させる。巨大な山を削って崖を形成しておけば、その裏側の浸食を防げる。
    • 敵味方共に、奇跡発生時にはそれぞれ固有の効果音が鳴る。プレイヤーはその効果音により、即効対応するか後回しにするか考えながらプレイする。
  • 神の啓示
    • 本作は各信者を直接操ることはできないため、下記4種類の「信者の行動傾向」を切り替えながら進めていく。
      • 集合:(建物から出ている状態の)フィールド上の信者達を、シンボルへ集める。その間、平地があっても新たな建物は一切建てない。最初に辿り着いた信者は「リーダー」となり、以後一般信者はリーダーの元へ集うようになる。ヒーローが使えるステージであれば、このリーダーがヒーローに変身する。よって多数の信者を合体させ、強力なヒーローを生み出すのに不可欠な操作である。敵陣へシンボルを立て、信者のまま攻め込むときにも使う。
      • 合体:近くにいる信者達と合体し、その力を増していく。近くに他の信者がいない場合は定住に同じ。
      • 戦闘:近くに敵信者を見つけたら戦闘することを優先する。敵建物に乗り込み戦闘に勝つと、その建物を奪うことができる。見つからない場合は定住に同じ。
      • 定住:特定の傾向なし。空いた平地があれば建物を作る。

評価点

  • 奇跡を使って敵を殲滅するという、独特の爽快感。
    • Sな人には中毒性高し。
  • パズルアクションとしての完成度の高さ。
  • 操作性の良さ
    • 自動整地(Xボタンで建物を中心に7x7マスの平地を確保)、スプログ(建物の中心にカーソルを合わせてBボタンを押すと、信者の一部が追い出される)等、操作性も練られている。
      • 特にスプログは前作に無かった仕様で、ゲームの進行が早くなったと好評。前作では建物の収容可能人数を超えるまで待たなければならなかった。

賛否両論点

  • ステージ数が全48面と少ない。
    • 他機種版は数百面が当たり前。ただし作業ゲーの要素が強い作品であるため、1周クリアの達成感が目的なら長所である。

問題点

  • 信者が増えるにつれ、処理が重くなる。
    • 元々もっさり気味なカーソル移動が更に遅くなり、操作テンポが悪化する。
    • また、信者やマナが増えすぎるとオーバーフローを起こし、建物に無限に信者が収容されたり、あげくにはスプログしても人が出てこないといった不具合が発生する。
      • 故意に敵にトドメを刺さず、フィールド全面を自分の信者で埋め尽くすようなSプレイをやると発生しやすい。
  • 各カテゴリの奇跡数を揃えるためだけとしか思えない、死に奇跡がある。
  • 一部、トリッキーを超えて苦痛でしかないステージがある。
    + 例。攻略法ネタバレ含む
    • 土地上げ不可ステージ
      • 必然的に開始時にある山を切り崩して平地を確保するのだが、間違って海面にまで掘り下げると復帰不能。
    • 土地下げ不可ステージ
      • 上記と同様の理由。今ある山の周辺は諦めて、海岸沿いの建物を中心に自動整地すればいいのが救い。
    • 土地上下不可ステージ
      • 互いに建物を建てられるマス数が両手で数えられるほどであり、互いの島も繋がっていない。
      • よって神業で敵の住める土地をゼロにすることになるが、信者が少ないためマナの溜りが非常に遅く、「10分以上放置」→「クイックセーブ」→「敵陣近くの海上で竜巻発生」→「望みの方向に渦巻きが侵攻しなかったらやり直し」xN →「10分以上放置」……というサイクルが5回以上必要になる。*1

総評

人間達を高みから見下ろし、それこそ神にしか出来ない行為を用いて「自分を崇拝しない人間どもは殲滅する」という、ある意味自己中心の極みを味わうことが出来る作品。
ゴッドゲームというジャンルを確立した前作から順当に進化し、シミュレーションゲームとしての達成感をアップさせた良作と言えるだろう。


余談

  • 本シリーズのシステムは当時あまりに斬新なもので、人に勧めようにもどんなゲームなのか説明するのに苦労する人も多かった。
    • 当時の某ゲーム同人誌には、「『シムシティ』の世界で、『レミングス』のように勝手に動き回る市民が死なないようコマンドで制御しながら、税収が貯まったら対立する隣町に火事や雷や津波といった天変地異を起こし、その人口をゼロにしたら勝ちのゲーム」と紹介されていた。
      • 間違ってはいないが……凄いゲームである。
  • 続編の「ポピュラス ザ・ビギニング」では、各信者に行動を直接指示できるシステムへ変更された。

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最終更新:2024年01月07日 21:45

*1 前作にも土地上げ不可・上下不可ステージはあったが、打開策として地震による海底隆起というテクニックがあったため今作ほど状況は悪くは無かった。