ゼルダの伝説 神々のトライフォース

【ぜるだのでんせつ かみがみのとらいふぉーす】

ジャンル アクションアドベンチャー
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対応機種 スーパーファミコン
メディア 8MbitROMカートリッジ
発売元 任天堂
開発元 任天堂
エスアールディー
発売日 1991年11月21日
定価 7,700円
セーブデータ 3個(バッテリーバックアップ)
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2006年12月2日/900Wiiポイント(税5%込)
【WiiU】2014年2月12日/900円(税5%込)
【New3DS】2016年3月4日/926円(税8%込)
書換 ニンテンドウパワー
2000年8月1日/1,000円/F×2・B×4
判定 良作
ポイント 初代からすべての要素が進化
2Dゼルダの基礎を築いた
ゼルダの伝説シリーズ

プロローグ

ある夜、あなたは女の子の声で目を覚まします。声は頭の中に話しかけてきました。
「助けてください…… 私の名はゼルダ…… お城の地下牢に捕らわれています」
夢なのか現実なのか、あなたは飛び起きます。
すると、いつもはもう寝ているはずのおじさんが出かける支度をしています。
「朝までに帰る、家から出るな」
そう言葉を残して大きな体を揺すり、おじさんは家を出ていきました。
薄明かりの中でおじさんの手に剣と盾が見えました。何かいつもの夜と違います。 声の主は、何を伝えようとしているのでしょうか。
そして、おじさんは、どこへ、何をしに行ったのでしょうか……。

こうして、雨が降る不吉な夜に、ゼルダの伝説は始まろうとしています。


概要

ディスクシステムで発売された『ゼルダの伝説』の続編で、ゼルダシリーズ第3作目。
サイドビューアクションを基調とした前作『リンクの冒険』から一転し、初代と同様の見下ろし型マップによるアクションアドベンチャーである。


ゲーム概要

  • 初代と同様に、広大なフィールドマップに点在するダンジョンを攻略し、キーアイテムの入手やボスの討伐を繰り返しながらゲームを進めていく。
    • 本シリーズのダンジョン探索やボス戦闘は謎解き要素を多く含む構成であり、その時点で可能な限りのアクションやアイテムをフル活用しなければクリアできない。
    • 最初のうちは行動範囲も限られているが、ダンジョンを攻略して手に入れたアイテムを使う事で次第に行動範囲が広がり、次の目的地にたどり着ける。RPGのようにイベントフラグなどで制限されるのではなく、フィールドマップ自体も攻略対象の一部である。また、アイテム入手やダンジョン攻略順序は、初代と同じく自由度は高い。
  • ストーリーは地続きであった『初代』『リンクの冒険』と直接的なつながりは無く、本作で独立している。

ゲームシステム

主に1作目と比較しての操作面等での変更点について記載する。

  • リンクの剣攻撃が「前方への突き」から「横へのなぎ払い」に変化した他、ボタンの押しっぱなしで「回転斬り」が使えるようになった。周囲の敵を攻撃でき攻撃力も1レベル分高い溜め撃ちシステム。
    • 以降、回転斬りはリンクの代表的な必殺技としてシリーズの伝統となる。
  • 斜め移動が可能になった。
    • 攻撃などのアクションが上下左右4方向ということと、斜め方向に使えるアイテムがブーメランのみである点は初代と同じである。
  • 物を「かつぐ」動作の追加。
    • フィールドやダンジョンにある様々なものを担いで投げることができる。投げたものには攻撃力があり矢代わりの飛び道具として使える他、担ぐことによる謎解きなども用意されている。
  • 走って高速で移動する「ダッシュ」操作の追加。アイテム「ペガサスの靴」を手に入れることで使用できるようになる。
    • 剣を突き出しながらダッシュするため雑魚敵を蹴散らしながら移動できる他、高い所にあるアイテムを落とすことも出来る。探索や謎解きのためにフィールドを駆け回る本ゲームとの相性は極めて良好である。
  • アイテム「空きビン」の追加。
    • 空きビンには回復薬などの色々なものをあらかじめ入れておき、アイテムとして好きなタイミングで使用できる。空きビンはハイラル各地で色々な方法で入手でき、ゲーム中で最大4個まで手に入る。
    • 上位回復アイテム「妖精」をとある方法でビンに詰めて保持することもできる。瓶詰めの妖精はライフが無くなった時に自動でライフを回復して復活できる効果を持ち、攻略に大いに役立つ。
  • 魔法の力を秘めたアイテムが多数用意されており、それらは矢や爆弾のようなストック制ではなく共通リソース「魔法力」を消費して発動する。魔法力は緑色のゲージで表示されている。
    • 魔法力はハートやルピー等と同様、道中で回復アイテムを拾ってゲージを回復させる事が可能。
  • 4つ集めるとライフの最大値がハート1個分増える収集アイテム「ハートのかけら」が初登場。
    • フィールドをくまなく探索して主人公を強化する楽しみとゲームバランスの調整を両立させるシステムとして、シリーズ後発作品でも採用率が高い。
  • 占い屋という施設が追加。有料でゲーム進行でのヒントメッセージを得られる。*1

評価点

  • 初代の作風への回帰
    • サイドビューアクションで毛色の異なるシステムを採用していた『リンクの冒険』から一転、第1作目の正当進化と言える内容に回帰した。
    • ハード性能の制約もありヒント不足などを理由に若干の遊び難さもあった1作目の問題点を解消しつつゲーム性そのものを大幅に拡充し、探索と謎解きの醍醐味をより深く味わえる。
  • 「二つの世界」
    • 本作の特徴でありその構造は、特徴的な仕掛け・遊びやすさ・奥深さなどを兼ね備えた秀逸なものである。
    • 本作の世界の大きさは初代に比べると狭いのだが、序盤では表の世界のみを使用し少なめの数のダンジョンを目的地として指定することで、投げっぱなし感もあった初代と比較してやるべき事が明確であり、プレイヤーがゲームに慣れていきやすい。
      ゼルダ特有の「謎解き」を経てこれらのダンジョンをクリアした報酬として顕著なパワーアップが与えられ、プレイヤーは達成感と爽快感を味わえる。このようにゼルダの面白さを提示する導入部分はしっかりと作られている。
    • 裏の世界に突入すると、禍々しい雰囲気と共に敵は一気に強力になりダンジョン数も格段に増え、物語の進行に沿って明確に一段階ギアが上がったことを感じさせることで強い臨場感を生み出している。
    • 中盤以降、裏の世界に自由に行き来できるようになると、目的地である迷宮には表の世界と裏の世界を行き来しなければ到達できないように配置されている。
      フィールドに仕掛けられた謎解きの数や探索できる範囲は初代以上であり、「ゼルダの伝説」の面白さとされている謎解きを濃密に楽しむことができる。
  • 難しすぎず易しすぎない、適度にして手応えのある難易度
    • 他のゼルダにも言える事だが、死んでもその場で復活させてくれる妖精や、体力と魔法力を全回復してくれるアイテムを用いる事で難易度を大幅に軽減する事ができる。
    • 初代に比べてお金や消費アイテムの所持上限が緩和され、補充も容易になったことから初心者でも遊びやすくなっている。
  • 印象的かつ幻想的なBGM
    • シリーズのメインテーマである明るく勇壮な「表の地上」のBGM、それと対となる、苦境の中でも前に進む意志を感じさせる「裏の地上」のBGMは本作を象徴する一曲であり、禍々しい闇の世界と非常にマッチしておりメインテーマに負けず劣らずの人気を誇る。
      • 「ゼルダの子守歌」やカカリコ村のBGMは実は本作が初出。特に「ゼルダの子守歌」は『時のオカリナ』で重要な意味を持つ曲となっている。
    • スーパーファミコンでの音源向上の特性を活かして効果音もステレオ処理をされているのも特徴。画面切り替わりの端からソードビームを撃つとパン処理されているのが良く分かるだろう。モノラル処理しか出来なかった前作と比べ地味ながら大幅な進歩。
  • 質の高いグラフィック
    • スーパーファミコン本体発売の翌年というタイミングながら、前年にロンチタイトルとして発売された「スーパーマリオワールド」同様、グラフィックのレベルは極めて高い。ファミコン時代では平面的な描写であったフィールドも高低差の表現が加わって立体感と奥行きが加わり、謎解きにも深みを与えている。
  • 剣での攻撃アクションの進化
    • 第1作では前方への突きしか出せなかったが、前述の通り、剣を振るようになったことで攻撃範囲が広がり、剣戟らしいアクションを繰り広げられるようになった。
    • 武器を持つ敵に対しては、相手の向きや間合いに次第で互いの武器がかちあい攻撃が弾かれるため、相手の位置に応じた立ち回りが必要になるなど、格段に進化している。
  • 芸の細かいキャラクターのアクション
    • 自キャラの挙動が細かく、物をかつぐ時のふんばりや壁に激突した時の跳ね返りといった各リアクションや、敵キャラクターのアクションが生き生きとしている。当時の基準だけでなく、SFCのAADV全般と比較しても作り込みが丁寧。
    • リンク自身の溜めも剣を「突く」動作を兼ねている。敵の兵士もまた剣を突く様な動作で襲ってくる。フェンシングの様に敵の兵士との剣の突き合いをするという遊び心もある。やったことのあるプレイヤーも多かっただろう。
  • ミニゲーム
    • 今ではゼルダシリーズ恒例となっているミニゲーム要素も増加。初代ではルピーをかけた三択のギャンブルがあったが、今作ではこれに加え、的当て・制限時間付きの迷路、穴掘り宝探しなど、まだ当時は簡素なものばかりでやり込むほどのものではないが、冒険の息抜きとして程よいスパイスとなっている。
  • 様々な小ネタ・裏技やギミック
+ 例えば…
  • 村の中にいるコッコ(ニワトリに似た鳥)を攻撃し続けると、画面外からリンクを攻撃するコッコが大量発生し、大抵はそのまま返り討ちに遭う。このシチュエーションは後の作品の多くにも実装されている。
  • 引っ張ったり体当たりすれば隠し財宝が手に入るポイントや、妖精が仕込まれた草地など、冒険に役立つものが各地に隠されており、それらを発見する楽しさがある。
  • アグニムとの決戦の際に虫取り網を使うとアグニムの魔法を跳ね返すという有名な裏技もある。シリアスなシーンなだけに見ているとなかなか滑稽。
    • 実はゲームのプログラム上のバグでこのような挙動になっている。妙に好評だったためか、後発作品においても「空きびんで魔法を跳ね返す」、「釣り竿を出すと攻撃してこなくなる」といったシュールな裏技が実装されている。
  • 魔法の粉をカカリコ村の家の前にいるおばあさんにかけると妖精になったり、家の中の壷に隠れたコッコにかけると人間になり上記の「コッコいじめ」の小ネタにも言及してくる。
  • 光の世界にいる、飛び道具以外で攻撃すると逆にダメージを受ける「バズブロブ」に魔法の粉をかけると「ノモス」という眼鏡を掛けた変な表情のモンスターになり、会話できるようになる。
  • 「幸せの泉」にルピーを投げると「今日の運勢」を占ってもらえるという、神社のお賽銭とおみくじのような要素もある。
  • 草から飛び出る敵「トッポ」の足元の草を刈って隠れられなくすると「チキショー もってけドロボウ」と言ってアイテムを落とす。
  • 草や岩などを背負って隠れる敵「ヘイジー」から草や岩を取ると、ルピーを撒き散らしながら逃げていく。
  • 闇の世界で見かける、目の動く木の口に触れた後、話し掛けた時の台詞「きにさわることをするんじゃねえ!」。「木に触る」と「気に障る」を掛けている。
    • 実は中には、「まあちょっと話をさせておくれよ」と、役に立つ情報を話してくれるものもいるので、積極的に関わってみるのも良いだろう。いずれも吐き出す爆弾には注意。
  • とある場所で見つけられる、打ち上げられた魚を湖へ投げ込んで助けると、お礼にルピーをもらえる。
  • ビンを売っていたおじさんに、前述の魚や、とある場所から出てくる黄金のハチを運んで放つと、ルピーやアイテムと交換してくれる。

賛否両論点

一部のアイテムや魔法がやや強力すぎるため、FC時代から見ると難易度は低めである。

  • 知識があれば、少々充実しすぎな回復アイテム
    • 大抵のダンジョンには妖精が無限に発生するポイントが隠されており、こまめな補給を心がければ死亡リスクは大きく低下する。
    • さらにどのダンジョンにもいる「バブル」という敵や、触れてしまうと一定時間うさぎに変身させられて何も出来なくなってしまう「うさぎビーム」に魔法の粉をかけると妖精に変化するという隠しテクニックも用意されている。
      • バブルとうさぎビームは画面をスクロールするだけで復活することもあり、知識があれば本作の難易度が一変する。フィールド上では蜂を使って同様のことが可能。
      • …と言っても、魔法の粉のリーチは極端に短いので、バブルやうさぎビーム、蜂といった動きに一癖二癖ある敵に魔法の粉を当てるにはある程度の熟練が必要。
      • ただし妖精の回復量はハート7つ分と、敵の攻撃力が上がるゲーム後半ともなってくると回復量が物足りなく感じられるかもしれない。
    • 薬屋に行けばライフ全回復の赤い薬や、ライフ・魔法力両方全回復する青い薬を買うことができ、ビンに入れて最大4個持ち歩くことができる。魔法力全回復の緑の薬は無料で手に入れる手段もある。
  • 一部の強力な魔法
    • 画面の敵全てに効果をもたらす魔法が強烈。特に「エーテル」は全画面凍結魔法として大抵の雑魚敵を先手で無力化できる。
      多くの敵に有効な反面消費魔法力は高く乱発はできない…のだが、「アイスロッド」や「エーテル」で凍らせた敵をハンマーで壊すと魔法力回復のツボが出現するため、後半はいくらでも魔法力を回復できるようになる。
      • このコンボは爽快感はあるものの、強すぎる感も否めない。
  • ダメージを無効化する「無敵」アイテムの存在
    • 発動中リンクがダメージを受けなくなるアイテムが存在し、これに頼りすぎるとダメージトラップが無いに等しくなってしまう。
    • 発動中の魔法力の消費量は非常に大きいが、凍結+ハンマーや緑の薬で魔法力の回復は容易。
    • ちなみに無敵アイテムは2種類存在し、効果や燃費が多少異なる。
  • 一部の攻撃の強さ
    • 剣チャージ中に突きがヒットした瞬間に目押しボタン離しで、突き+回転斬りの連撃ができる。少々慣れが要るものの最初の剣でも青兵士くらいなら壁際確殺が取れる。
    • 他にもブーメラン、フックショット、ライフMAX時の剣ビームなど、一方的かつ安全に敵を倒せる無消費の遠距離攻撃手段が多い。
      • 壺や石の投擲が強化したマスターソードと同じ威力でノックバックも大きく、序盤の敵モブは壺→ブーメラン→剣などの簡単なコンボで容易に倒せる。
  • ダッシュ中は敵に接触しても、剣でのけぞる相手なら突き飛ばしながら進むため、走っていれば大抵の戦闘回避ができてしまう。

問題点

  • セーブが不便
    • 本作はどこでもセーブすることができるが、「そのままゲームを続ける」「セーブして終わる」のいずれかしか選択肢かないためセーブ後の継続プレイができず、セーブ後の再開場所もマップ上の限られた地点を選択して再開する仕様なので、気軽にセーブすることができない。
      ゲームオーバーになったときのみ「セーブして続ける」の選択肢が出て、ダンジョンの中の場合に限り、ダンジョン入口から再開することができるが、その後リセットした場合は従来の再開場所からとなる。
      • セーブ時の残ライフ量が全快だった場合も、再開した時にはライフ残量およそ半分・最低ハート3個分に減少し、ゲーム序盤以外ではライフ全快状態での再開はできない。
      • ただし、表の地上の「教会」(此方は序盤の終わり頃まで)や「ヘブラ山」での再開時は傍に居るキャラに話しかければライフが全快できる。裏の地上のピラミッドでの再開時にはすぐ近くに隠れている妖精を利用すれば全快にできる。
  • 所持金の上限が低い
    • 本作の所持できるルピーの上限は999と低いわりに、一気に300ルピーも手に入ることもあるためすぐにカンストしてしまう。当然上限を超えて入手した分は無駄になってしまう。
      • 所持金を減らすためには薬(最高額で160ルピー)を買ったりするのだが本作では捕まえた妖精を薬代わりに使えるため、前半では薬もそれほど買う必要はない。
      • そこで「しあわせの泉」に行って爆弾・矢の所持上限を増やすために献金することになるのだが、少しずつしか献金できないため作業効率が悪い。
      • もっとも本作には効率的な金稼ぎポイントが存在し、極めて短時間でカンストさせることも可能なため、所持金自体あまり意味がない。
  • 敵の攻撃力の増加に対して、被ダメージを軽減する上位の服の入手時期が遅い。「最初は厳しく後半は楽」という良くも悪くもRPGの仕様で、特に中盤の難易度が高く、終盤は逆に難易度がやや下がる。
    • 敵から受けるダメージを半減させる「青い服」、更に半減させる「赤い服」が手に入るのだが、闇の世界では敵の攻撃力が全般的に増加する*2のに対し、「青い服」が入手出来るのは闇の世界の5つ目のダンジョン「氷の塔」。つまり、終盤に入り始めてからである。
    • 「赤い服」の入手時期はゲームクリア直前、実質ラストダンジョン攻略途中での入手であり、入手すると雑魚戦の難易度が格段に下がる。*3
    • ただし一概に終盤の難易度が低下する一方というわけではなく、終盤のダンジョンは相応に歯応えが感じられる部分もある。
      • 終盤のダンジョンにおけるボスや新規雑魚の攻撃力は、上位の服を入手していること前提で調整されている。またトラップ(もしくはトラップモンスター)や奈落への落下で受けるダメージは軽減できずハート1個分固定であり、それらが増えてくる終盤のダンジョンだと、受けるダメージの総量はそれ程変わらない事も多い。
      • ダンジョンの探索や謎解きの難易度は決して低くない。特にラストダンジョンは総決算に相応しい多様な仕掛けや、トラップと敵の組み合わせの数々を切り抜けることになり、相応のやり応えがある。
    • ラストダンジョンではゲーム序盤のボスが再登場するもののもはや脅威ではなかったりするのだが、この「序盤ボスの再登場」や前述の「赤い服の入手」は、リンク=プレイヤーがより強くなった(成長した)ことを実感させる演出とも取れる。つまり終盤になると雑魚戦の難易度が下がることは意図的な設計とも考えられる。
      • 更に、ラスボスの攻撃力は赤い服を装備していることが前提のバランスであり、赤い服を装備してもかなりのダメージを受け、ラスボスの強大さを表現する演出にもなっていると考えられる。
  • 一部のボス攻略が不親切
    + 攻略情報のネタバレに付き隠し
  • 一部ボス戦で「詰み」状態が発生しうる。
    • 「氷の塔」のボス「シュアイズ」と、終盤のダンジョン「カメイワ」のボス「デグロック」は、無敵状態解除のために必ずロッド等の魔法アイテムを使う必要がある。これらは魔法力を消費するアイテムなのだが、ボス戦中には魔法力回復アイテムは供給されない為、必要な行程を終える前に魔法力が尽きた場合は無敵解除不可能となり、詰みとなってしまう*4
      • カメイワ内部はソマリアの杖を駆使する仕掛けが多く、入口で緑の薬の持ち込みを勧めるアナウンスはあるものの、道中で持ち込んだ緑の薬を使い切る可能性が高いのも詰みを作りやすい一因である*5
    • 更にデグロック撃破に必須のアイスロッドは、デグロック撃破以外の用途で攻略に必須となる出番が存在せず、任意(寄り道)で立ち寄る洞窟での入手となる。このためアイスロッドを未所持のままボス部屋に入ることが可能であり、その場合も詰みとなってしまう。
      • なお、序盤に必ず出会う重要キャラが、このアイテムのある場所を示してくれたうえで「必ず手に入れておけ」と教えてくれる機会はあるものの、上記のとおり寄り道になるため、うっかり忘れてそのまま進むという事態も起きやすい。
  • アイテムの魔法のメダルの性能差
    • 3種ある魔法のメダルのうち、敵全体を凍らせる「エーテル」が最も使い勝手が良く、敵全体を焼きつくす「ボンバー」も結構強力なのだが、敵全体の動きを止めたり雑魚のスライムに変化させる「シェイク」はやや不遇。
    • エーテルは入手可能になる時期も最も早く、広範囲の敵を凍らせられる唯一の手段でもある。前述の通りハンマー併用で魔法力回復もできるので、非常に役立つ。敵全体をほぼ無力化した上で倒せるので、ボンバーと同様の使い方も可能。
      • 同様に敵を凍らせるアイスロッドは少し早く入手可能・燃費がエーテルの2分の1という長所があるが、敵1体にしか効かない・弾速がやや遅く当てにくいという欠点があり、マジックハンマー入手後魔法力回復が容易になるとほぼ下位互換となってしまう。(ただしアイスロッド・エーテルのどちらかでしか凍らせられない敵が何種類か存在する。)
      • またエーテルは「使用時の演出中に『透明の床』が一瞬見える」という効果もある(通常は燭台に火をつけなければ見えない)ので、謎解きにも役立つ。
    • シェイクはボンバーよりは早く入手可能で、「敵をスライムに変えられる唯一の手段」という個性はあるのだが、その個性を活かせる場面がほぼ無く*6、効果自体はエーテルやボンバーの劣化版と言ってもいい。
      • 一応「ダッシュ体当たりと同様に木からアイテムを出現させる」という効果もあるのだが、わざわざ魔法力を消費してやるほどのことではなく、普通にダッシュ体当たりすれば済むことである。
      • ボンバー・エーテルが効く敵はほぼ共通であり、シェイクだけが効かない敵も多い。シェイク自体が敵を弱いモンスターに変化させる技であり基本敵を倒すことができない。ダメージを与えられる敵に対しては一撃必殺だがそれは魔法全てに言えることなのでわざわざこれを使う必要はない。よってゲーム進行上必須な仕掛け解除以外の用途で使うことはほぼ無い。
    • 結局魔法力をすぐ回復できるエーテルさえあれば事足りることになり、使用頻度に極端な差ができてしまう。魔法ごとに効果のある敵を変えたり、消費魔法力を変えたりすれば使い道もできたのであろうが。
  • アイテム「マジックマント」と「バイラの杖」の性能が被っている。
    • どちらも「使用中は魔法力が時間経過と共に減っていき、魔法力が続く限り無敵になれる」という効果。
    • バイラの杖の方が持続時間が長い上、攻撃力のあるバリアも纏うので、基本的には上位互換である*7。マジックマントならではの利点は「回転斬りが使える・一部のトラップを無視して通過可能」と一応無くはないが、基本的に使い分けの必要性は薄い。
  • アイテムの「シャベル」はあちこちの穴を掘れるという面白味のあるアイテムにもかかわらず、使用可能期間が短い上、たった1つのイベントアイテムを発見するため以外に用途が無いのが勿体無い。
    • イベントで一時的に入手するだけで、イベントをこなすと二度と使えなくなってしまう。ならばそのイベントアイテムを入手しなければいいと言いたいところだが、終盤のあるダンジョンに入るためにはこのイベントで手に入るアイテムが必須であり、シャベルを使い続けることは不可能となっている*8
    • 草刈りや壺壊しや木への体当たりなど色々なことができる本作において、あちこちで穴を掘れるというのも同様に面白い遊びなのだが、その遊びの可能性を狭めていることはいささか疑問が残る。
    • ただし穴掘りミニゲーム時のみ、狭い範囲内で短時間だが何度でも使用することができ、このミニゲーム中は穴掘りで色々なアイテムが出現する。
    • この反省を踏まえてか、後年の『夢をみる島』のスコップや本作のGBA版のシャベルは、最後まで所持できる上に穴掘りで色々なアイテムが出現するようになった。
  • アイテム「ムドラの書」はボタンにセットするアイテムにしては使い道が少ない上、最終的に使い道が皆無になる。
    • 砂漠の神殿をクリアして魔法のメダル3種も入手したら使い道が無くなり、アイテム欄の賑やかしにしかならなくなる。一応砂漠の神殿に再進入する際には必要になるが、クリア済みの砂漠の神殿に再訪する利点はほぼ無い。
    • 実質的にキーアイテム同然の扱いであり、ボタンにセットして使わせる必要性もあまり感じられない*9
  • アイテム選択の仕様
    • ビンにカーソルを合わせると自動的に、1~4個のビンを選択する操作に切り替わる上、この時のウィンドウ表示で地味に待たされるので、うっかりビンにカーソルを合わせてしまうと操作に手間取りやすく不便。
    • SFCになってボタン数が増えアイテムの種類も増えたにもかかわらず、アイテムの切り替えは初代と同様にスタートボタンでメニューを開いて選択するしかなく、そのアイテムもYボタン一つにしか割り当てることができず、アイテムの使い分けが快適とは言い難い。
      • 本作ではL・Rボタンはほぼ使用しない。どうせならこれらのボタンでアイテムの簡易切り替えをできるようにするなり、Yボタンと同様に第2・第3のアイテム使用ボタンとして設定できても良かっただろう。

総評

取り立てて目立った短所が無く、現在プレイしても充分に楽しむことができる高水準なアクションゲームといえる。
雑誌『ファミ通』のクロスレビューにおいて当時の最高点であった39点を記録する*10など、現在でもスーパーファミコンを代表するゲームの一つとされている。
ゼルダのシステムを完成させた本作は今なおシリーズ最高傑作との呼び声も高い。
バーチャルコンソールやNintendo Switch Onlineでも配信されており、2Dでわかりやすいこともあり、ゼルダの入門用としてもお勧めできる逸品である。


余談

  • 本作はRPG的な要素を含んでいるがレベルによる成長要素はない。任天堂は“RPG”と言う名を使わず、ジャンルを“アクションアドベンチャー”と称している。ニンテンドーeショップ等ではRPGで検索しても引っかかるようにはなっているが、表記はアクションアドベンチャーである。
    • シリーズ作で「アクションRPG」と明記されたのは64時代の『時のオカリナ』と『ムジュラの仮面』、そして『リンクの冒険』のみ。
  • 世界観のつながりに関しては、本作の主人公が「あのリンクの先祖である勇者」と当時から明かされていた。(あのリンク=前作と前々作の主人公リンク)
    • しかし一方で本作主人公をリンクとして言及している雑誌記事もあり、ゲーム雑誌のライターが設定を勘違いしているのか本作の主人公の名前も子孫と同じリンクなのかどうか当時物議をかもした。
    • 現在では本作主人公の名前もリンクとされている。
  • 本作において、退魔の剣マスターソードが初登場し、魔王ガノンの正体が魔盗賊ガノンドロフとして既に語られているなど、後の『時のオカリナ』に繋がる要素や固有名詞が初登場した作品でもあり、後発の作品でいくつか世界観と物語のつながりがシナリオ上で仄めかされている。
    • 後に公式から発売された『ゼルダの伝説大全 ハイラル・ヒストリア』という本の解説によると、『時のオカリナ』のリンクがガノンドロフに敗北した後の時系列の世界の物語で、初代ゼルダの過去の物語であると公式から発表されている。
  • 本作の海外版の副題は『A Link to the Past』である。この副題のLinkは、「リンク(主人公のデフォルト名)」と「つながり」の掛詞となっている。
    • 日本では『神トラ』という略称が定着しているが、海外では略して『ALttP』と呼ばれることがある。
  • 発売当初のCMはスチャダラパーが歌うラップ(原曲はゲームボーイズ)に合わせてリンクやゼルダ、おじさんからモンスターまでが総出でダンスするという内容の実写映像。1991年当時、ダンスを主体にしたCMはあまり例に無くマイケル・ジャクソンの「スリラー」を彷彿とさせる様な演出がかなり斬新なものであった。
    • ちなみにリンク役を演じたのはオーディションで決まった女子高生。そのオーディションで最終選考に残ったのはその女子高生と、当時無名のTOKIO・長瀬智也の二人だったという。
  • 2013年、続編である『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』がニンテンドー3DSで発売された。
    • CMソングも当時の楽曲と歌詞の一部を変えてスチャダラパーが歌っており、今作を知っているゼルダシリーズプレイヤーへの一種のファンサービスである(実写でのダンスではないのが残念ではあるが)。ちなみにフルバージョンが『ニンテンドーeショップ』で視聴可能。
+ SFCゼルダの伝説CM【Full Ver】

  • リンクのデザイン
    • パッケージイラストでは金髪で描かれているリンクだが、ゲーム中では配色上の関係か、ピンク色で描かれている。
    • 闇の世界に迷い込んだ人間は「自分の心をうつした姿」に変わるという設定だが、リンクのこの世界での姿はピンク色のウサギである。この姿がリンクのどういう心を表しているのかは特に語られず、考察の余地がある。
  • 発表当時の副題は「もうひとつのハイラル」だったが、急遽差し替えられて現在の副題になった。
    • この「もうひとつのハイラル」は『神トラ2』にて【ロウラル】という名前が付いた。ただし今作の闇の世界と『2』のロウラルは設定の相違がみられ、単純に同一のものとも言い切れない。
  • この作品以降の据置機でのゼルダの伝説シリーズの作品は基本的に3Dで描かれるようになるが、今尚この作品をシリーズ最高傑作とする意見も根強く存在する。
    • そのため、時のオカリナ同様に2Dのゼルダは本作と比較されてしまいがち。こちらは時のオカリナほど激しくはないが。
  • 最序盤で死亡するリンクのおじさんの意味深な台詞「お、お前は、姫の……。」の意味するところは最後まで明かされず、物議をかもした。*11
    • 4コママンガ劇場でもネタにされていたりする。後述のGBA版ではおじさんの台詞は変更されており、意味深なものではなくなっている。
  • コミカライズやドラマCDなど、後の作品と比較してもメディア展開が多い作品である。
    • 漫画版は『夢をみる島』を先に手がけていたかぢばあたる氏による雑誌連載(単行本全3巻)と、田口順子氏による単巻が国内で当時発行された。GBA移植発売後の2004年には、『時のオカリナ』以降のシリーズのコミカライズで有名な姫川明氏によるものが雑誌に掲載。
      • かぢばあたる氏によるコミック版にはストーリーが異なり、「おじさん(ザンジ)がアグニムに殺される」、「コミック版オリジナルキャラクターのラスカとアルジュナがリンクの仲間になり、『イースSEVEN』や『聖剣伝説2』のようなパーティープレイが可能」などの相異点がある。
    • 他には海外の雑誌に掲載された『サイボーグ009』『仮面ライダー』などの石ノ森章太郎氏が執筆したものが有名。日本語訳されて国内でも発行されたが、非常にレアで現在はプレミアがついている。
      • 2014年に電子書籍版が発売されたが、現在では配信終了となっている。
    • 本作のドラマCDは、初めて「声を当てられたリンク」が登場する作品でもある。担当声優は緑川光氏*12。そのCDドラマでゼルダ姫を演じた国府田マリ子氏は本作のサテラビュー版でもゼルダ役で登場した。
  • アイテムのマジックハンマーを入手した時にのみM.Cハンマーと表示されるが、これはマジックハンマーの略であると同時に当時流行していたミュージシャン「M.Cハマー」のパロディとなっている。そもそも「マジックハンマー(MAGIC HAMMER)」という名前でも字数制限にはかからないので略す必要はない。
  • カセットにバージョン違いがあるため初期はバグを応用した裏技も多かった。いずれも後期のバージョンで修正された。ヘラの塔バグはVC化の際に修正された。
    • エリアの境目で池に飛び込み移動キーを押すことで水かき無しで泳げる。敵に当たると画面がスクロールし始めバグ状態になってしまう。
    • アイテムボタンとダッシュボタンを同時押しすることで、アイテムを掲げ効果を発動しながらダッシュできる通称「ながらダッシュ」というバグ技が使えた。
      • マジックハンマーなら杭を打ちながら駆け抜けられるので実用性が高く、シャベルなら高速で前方を穴掘りすり珍妙な光景が見られる。
    • 妖精の泉へ入る穴に落ちると低確率で、デバッグの跡と思わしきエリアに突入することが出来る。スタッフのメッセージも聞くことができる。
    • ヘラの塔である穴に落ちると本来そこに降り立つはずのない座標に到達する。壁の中にダイブすると、様々な他ダンジョンへの移動が可能となる。いわゆる「ヘラの塔バグ」。
  • 大妖精と女神について
    • 今作の大妖精と女神(妖精の女王)は、ユーザーからはどちらも「大妖精」という名前で呼ばれることが多く、ユーザー間で名前の混同が起きている。
    • 今作の新要素として、ある意味大妖精の上位互換的な「妖精の泉」*13や、妖精・大妖精とは別格の特別な恩恵を与えてくれる「女神」が新登場したが、一方で旧作の役割を踏襲したのみの大妖精は、相対的にやや微妙な立場となっていた。
      • この点を省みてか、『時オカ』など後のシリーズ作品では大妖精の役割がより大きくなり*14、「妖精の女王」という女神の立場も大妖精に統合されている。また大妖精の役割が増した一方で「女神」は登場しないか、より神格的な存在として伝承でのみ語られる傾向にある。
    • 直系の続編である『神トラ2』では、今作とほぼ同じ仕様の大妖精や(幸せの泉の)女神にあたるキャラが存在するが、それぞれ「大妖精」「ルピー大妖精」と名前が明記され、名前の混同は解消されており、やはり「女神」は登場せず大妖精に統合されている。
  • スーパーマリオワールド』と同様、ユーザーによってロムの解析や改造が行われている。
    • その最たる成果物に「ALttP Randomizer」というものがある。これは簡単に言えば、「あらゆる宝箱などから入手するアイテムをランダムにシャッフルさせる」ことで「遊ぶ度にゲームバランスや攻略手順が変化する」というゲーム性へ変貌させる改造ツールである*15
      更には入口もランダム化(例えばカカリコ村左上の井戸に落ちるとガノン戦に突入など)というさらなるランダマイザーや、スーパーメトロイドと合体させて、特定の建物に入ると惑星ゼーベスと行き来できる+アイテムはスパメト側も含めランダム化という「コンボランダマイザー」なる物も存在する。
      • これを用いたタイムアタックや、各宝箱の中身などを同一仕様としたプレイヤー同士による対戦RTAや大会が行われるなど、新たな一ジャンルが築かれるに至っている(無論、法的にはグレーゾーンである)。
  • 1992年末にカラーゲームボーイの構想が当時の『ファミコン通信』に掲載されていた。
    • 該当の記事でそのイメージ写真は、ゲームボーイに本作のゲーム画面を合成したものだった。
    • 因みにゲームボーイカラーの発売は1998年10月のこと。
    • また後述の通り、そのほぼ10年後にゲームボーイアドバンスで移植されたことにより、この合成写真のイメージは当らずとも遠からずのような形で実現することになる。

移植

  • WiiとWii UとNew3DSのバーチャルコンソールで配信されている。また、後述の『ゼルダの伝説 神々のトライフォース&4つの剣』としてGBAにも移植された。
  • 2000年8月1日からニンテンドウパワー*16での書換えが開始された。

ゼルダの伝説 神々のトライフォース&4つの剣

【ぜるだのでんせつ かみがみのとらいふぉーすあんどよっつのつるぎ】

ジャンル アクションアドベンチャー
裏を見る
対応機種 ゲームボーイアドバンス
メディア 64MbitROMカートリッジ
発売元 任天堂
開発元 任天堂
カプコン
発売日 2003年3月14日
定価 5,040円
プレイ人数 【神々のトライフォース】1人
【4つの剣】2~4人
備考 『4つの剣』プレイには参加人数分のROM+GBAとGBAケーブル必須
判定 良作
ポイント 『4つの剣』連動で『神トラ』に追加要素出現

概要(4つの剣)

『神々のトライフォース』をGBAに移植し、同時にマルチカートリッジ専用ゲームである『4つの剣』を収録した作品。

ゲーム概要(4つの剣)

  • マルチカートリッジでの2~4人プレイ専用となっている『4つの剣』は複数人で4つのステージを攻略していく。
    • 複数人で協力し合いながらステージを攻略するのが基本となっており、1人だけで攻略するのは不可能な構造となっている。
      協力プレイが基本のモードではあるが、他のプレイヤーと競い合う競争要素も含まれている。

ゲームシステム(4つの剣)

  • 本作では風の魔人「グフー」にさらわれたゼルダ姫を助けるため、「帰らずの森」・「岩山のほらあな」・「デスマウンテン」の3つのステージを攻略し、グフーの待つ「風の宮殿」を目指すのが大筋の流れとなっている。
    • 風の宮殿に辿り着くためには3つのステージでルピーを集めながら進み、最後に待ち構えるボスを撃破して大妖精からカギを授かる必要がある。
  • 基本的なアクションは『神トラ』と殆ど同じだが、アイテムは1人1つしか使えず、新しくアイテムを入手する際は今所持しているアイテムと取り替える。
    • そのためか消費アイテムは存在せず、爆弾や弓矢も無限に使用する事が可能。
  • ステージは基本的に3つのフロアに分けられており、最後のフロアにはボスが待ち構えている。
    • 各フロアではルピーを集めながらゴール地点に向かい、全員がゴール地点にあるワープゾーンに乗る事でクリアとなる。
      クリアするとボーナスとして更にルピーを獲得できる。クリアするまでに掛かった時間が短い程より多くのルピーを獲得可能。
    • ステージクリア時に集めたルピーの総額に応じてカギを獲得できる。ただしルピーの総額が少なかった場合はカギを獲得できない。
  • ルピー集めがメインとなっている本作では様々なルピーが登場する。
    • 普通のルピーより価値の高い「大ルピー」、4つ集める事で大量のルピーを獲得できる「ルピーのかけら」、拾ってしまうと所持しているルピーを落としてしまう「ババルピー」といった特殊なルピーも出現する。
  • ライフがゼロになった場合、一定量のルピーを消費してすぐに復活する事ができる。
    • ただし復活する毎に必要なルピーは増加してしまう。復活に必要なルピーが足りない場合はその時点でゲームオーバーとなる。

評価点(4つの剣)

  • これまでのゼルダとは異なる楽しさ
    • 本作は1人で遊ぶいつものゼルダとは違い、複数人で協力しながら進んで行くのがメインとなっているため、ワイワイしながら楽しめる。
      1人では行けない所もみんなと協力すれば進む事ができるし、1人では倒せない強敵も複数人で連携して撃破する事もできるのでいつものゼルダとは違った楽しさがある。
  • マルチプレイならではの仕掛け
    • 本作は複数人で押す事で動くブロックや複数人が一緒に乗る事で起動するスイッチなどプレイヤー同士で協力する事で突破できるギミックも多いため、一体感を感じる要素が多い。
      プレイする人数に応じて仕掛けの数も変更されるため、より多くのプレイヤーで遊べばその分様々な仕掛けを楽しめる。
    • ボス戦では一部仕掛けが難解なところもあるが、しっかりとヒントを教えてくれるため、みんなで考えながら攻略する要素にもなっている。

賛否両論点(4つの剣)

  • 競争要素について
    • 協力プレイが前提のゲームとなっているが、他のプレイヤーとの競争要素があるのは賛否が分かれる。
      ステージリザルト時には各プレイヤーのルピー獲得量が表示されるほか、最もルピーが多かったプレイヤーには勲章としてメダルが獲得できるため、どうしても誰がルピーを多く集められるか競争しがち。
    • バラバラになって競争ばかりしていると複数人で攻略する必要がある仕掛けを突破できないため、ここについては予めルールを決めておいた方が良いだろう。

問題点(4つの剣)

  • マルチプレイ専用である事
    • 『4つの剣』は2~4人プレイ専用のため、1人ではプレイできない。
      1人で練習するモード等も存在せず、起動するにも参加者を募った上で人数分のROMカートリッジ及びGBAとGBAケーブルが必須である。
      本作とGBA本体を所持している他プレイヤーと通信できない場合、『神トラ』しかプレイできないソフトになってしまうのが難点。
  • ボリュームは少ない
    • 本作はたった4つのダンジョン・ボスしか登場しないため、どうしてもボリュームは少なく感じやすい。
  • 1人ではどうしようも出来ない仕掛けが多い
    • 協力プレイ前提の内容ではあるため仕方ない部分もあるのだが、複数人の連携が不可欠な通行不可地形・ギミックがゲーム全編に渡って登場し続けるため、例えば「ベテラン1人が奮闘し他プレイヤーの負担を軽減しつつ引っ張っていける」といったプレイングも難しいのは少々残念である。
      1人では倒せないザコ敵も少なくないほか、ボス戦も道中同様のプレイヤー同士の連携が不可欠となっており、人によっては連携行動を強制させられているように感じる点も否めない。

追加点・変更点(神々のトライフォース)

  • タイトル画面が英語文字に変わり、ハイラルの背景に剣が「Z」の文字に突き刺さる演出が加えられた。
    • 海外版の演出が逆輸入されたものである。
  • リンクにボイスが付いた(音声は『時のオカリナ』『ムジュラの仮面』の少年リンクと同様)。
  • ボタン割り振りの変化
    • Bボタンで剣を振るのは変わらずだが、SFC版でYボタン扱いだったアイテムはAボタンで使用。
      かつぐ、はなす、ひっぱる、ダッシュ(ペガサスの靴)といったアクションはRボタンに割り振られている。
  • セーブコマンドの変化
    • セーブを行う選択肢において、SFC版の「セーブしておわる」が本作では「セーブする」に変更され、セーブが完了した後も「続けてゲームする・おわる」の選択肢が追加されている。
  • ダンジョン入口でダンジョン名がテキストで表示されるようになった。
  • 一部のテキストが変更されている。
  • 同時に収録された新作『4つの剣』との連動要素として、『神々のトライフォース』と『4つの剣』の双方のエンディングを見ると、神々のトライフォース側に隠しダンジョンである「4つの剣の神殿」が出現する。
    数々の謎解きが詰め込まれており、非常に難易度が高いダンジョンである。クリアすると隠しEDを見ることができる。
    • また『4つの剣』で条件を満たすと『神々のトライフォース』で回転斬りをパワーアップさせるミニゲームに挑戦出来る、『神々のトライフォース』でマスターソードを手に入れるまでゲームを進行させると『4つの剣』でもハート満タン時に剣ビームが出るようになる等、一方をプレイするともう一方にメリットが発生する。
  • オリジナルでは「ソマリアの杖」だった同アイテムの名前が「ソマアの杖」に名称変更された。理由は不明。
    • 英語表記は「CANE OF SOMARIA」でSFC版と同じ。
    • これは単なる誤植の可能性が高い。実在する国であるソマリア連邦共和国と被るからだと推察するプレイヤーもいるが、仮にそうなら英語表記も変えるはずである。
  • ゲームクリア後に表示されるのが「セーブ回数」から「ゲームオーバー回数」に変更されている。
    • これにより「セーブ回数0」の為にノーセーブクリア*18をしなくても良くなった*19

評価点・改善点(神々のトライフォース)

  • 前述の一部ボス戦で魔法力が尽きると詰んでしまう問題の改善。氷の塔のボス戦では魔法力回復アイテムが降ってくるようになり、カメイワのボス戦ではボスのブレス攻撃時に魔法力回復アイテムが時々出現するようになった。
  • アイテム「シャベル」を最後まで所持できるようになった。
    • またミニゲーム以外の場面でも各種アイテムが出現するようになり、イベント以外で使用する意義が生まれた。
  • アイテム「カンテラ」の火でも敵を攻撃できるようになった。これにより、剣(Bボタン)を使わなくても攻略可能な場面が増えた。
  • セーブ後にそのまま続けてプレイを行うか、終了するかの選択が追加されたことにより、セーブがいつでも気軽に出来るようになった。セーブするともれなくタイトル画面へ戻ってしまう挙動だったSFC版から大きく利便性が向上している。

賛否両論点(神々のトライフォース)

  • リンクのキャラデザインとボイスの齟齬
    • 『神トラ』サイドでの公式イラストは当時を意識した大人リンクとして描かれているにもかかわらず、ゲーム内では幼い少年声を発するためにギャップが激しく賛否両論。SFC版のキャラデザインで慣れ親しんだプレイヤーにとっては小さくない違和感を感じやすい*20。流石に次回作以降はトゥーン調に統合された関係で違和感は無くなっているが。
    • とはいえ『神トラ』のリンクは作中でも「こんなに幼い子供が」と驚かれたり、ガノンからは「小僧」と呼ばれるなど一貫して幼い子供として描かれている。

問題点・改悪点(神々のトライフォース)

  • ハードの違いにより操作方法やBGMの音源が異なる。
    • とはいえ、GBAに移植されたSFCタイトルとしてはオリジナルの音色をかなり忠実に再現できている部類に入る。
  • ハードの解像度が低下したことに伴い、射程が画面端までのマジカルブーメランが弱体化している。
  • ダンジョンの仕掛けが一部変更。
    • 主に「氷の塔」深層がそれに該当*21。頭を使う謎解きなので、オリジナル版に慣れ親しんだプレイヤーほどつまずきやすい。
  • 1人プレイでは追加要素を解放できない
    • 前述の『4つの剣』クリアが解禁条件に含まれる神トラ側の追加要素「4つの剣の神殿」は、1人プレイで解放することは当然ながら不可能。
    • このダンジョンには他ダンジョンボスの強化個体や特別なボス、クリアすることで見られる特別なエンディングも用意されているという拘り様であり、SFC原作ファンほど興味をそそる内容にもかかわらず、解放のために他プレイヤーとのマルチプレイが必須という条件は、もともと完全1人用の原作からすると不満や批判の出やすい仕様であるといえる。

移植(4つの剣)

  • ゼルダの伝説 4つの剣+
    • GC作品。GBAとの連動により、3つのモードがプレイ出来る。タイトルこそ4つの剣であるが、共通点は「リンクが4人居る」程度でほぼ別作品である。
    • GBA無しでもプレイ出来る「ハイラルアドベンチャー」は「神々のトライフォース」が下敷きとなっており、ステージなどに共通点が見られる。
      • 本作をクラブニンテンドーに登録すると、ゼルダコレクションの交換ポイントが安くなる、という特典があった。
  • 4つの剣 25周年記念エディション
    • DSiウェア。3DSでもプレイ可能。期間限定で無料配信された。開発はグレッゾ。
    • 4つの剣と基本内容は同じであるが、一人でもプレイ可能になっている他、ステージの追加やDS向けに調整が行われているなど、遊びやすくなっている。

総評(4つの剣)

『神々のトライフォース』は一部変更点はあるが際立った変更要素は無いのでオリジナル版をプレイした人でも新規ユーザーでも問題なく楽しめる作品。
携帯機で快適にプレイしたいならVC版よりこちらを購入するといいだろう。
『4つの剣』はみんなで楽しめる協力型ゼルダとなっており、いつものゼルダでは味わえない要素を楽しめる作品。
ただ『4つの剣』はマルチプレイ専用なので、追加された隠し要素が良点になるかはプレイヤーの環境次第だろう。

余談(4つの剣)

  • 本作がプレイヤーに受けた結果なのか、上述の『4つの剣+』を含めて2003~04年まで3作もの『神トラ&4つの剣』関連作品が発売されたが、連続リリースの関係もあってか「飽きた」と感じるプレイヤーも少なくないようだ。
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最終更新:2024年04月17日 18:18

*1 さり気無く、おまけにライフも回復させてくれる。

*2 大半の敵は触れただけでハートが2~3個分も持って行かれてしまう

*3 初代『ゼルダの伝説』もダメージ軽減の赤い指輪(入手すると服が赤くなる)もラストダンジョンで入手するため、オマージュとも言える。

*4 一応、ダンジョンの入口に戻れるアイテム・マジカルミラーでボス部屋から脱出は可能

*5 肝心のボス直前にはわかりやすい位置に魔法力全回復のアイテムがあるためほぼ全快の状態では臨める。

*6 シェイクか魔法の粉で変化させないと倒せない敵が1種類だけいるが無視して差し支えない

*7 ただしバリアの攻撃力はL3の剣以下、回転斬りも使えなくなる

*8 一応そのダンジョンの攻略を後回しにしている間は使用し続けることは可能

*9 一応、ムドラの書を使わずに石版を調べれば古代文字メッセージを何度でも見られるが、大して意味は無い

*10 後に『時のオカリナ』がファミ通史上初の40点満点を叩き出したことと合わせ、ゼルダシリーズの評価の高さを物語る一つの証左と言っていいだろう。

*11 一応ゼルダは7賢者の末裔であり、リンクはその7賢者を守ったナイト一族の末裔という設定はある。

*12 任天堂関連だと『ファイアーエムブレム』のマルス王子も演じており、たまにネタにされる。

*13 フィールド各地にいる大妖精はライフ全回復。フィールド各地などにある「妖精の泉」は実質ライフ全回復&空きビン全てに妖精を補充可能

*14 神トラ同様のライフ全回復だけでなく、ゲーム進行に必須なアイテムを授けたり、リンクを何らかの形でパワーアップさせるなど

*15 さらに敵のランダム化、LRボタンでのアイテム簡易切り替え機能など、様々な仕様変更も任意で加えられる

*16 ローソンで1997年9月30日~2002年8月31日まで、任天堂に郵送で2002年9月1日か〜2007年2月28日まで行われたゲームソフトの書換えサービス。空状態の専用メモリカセットを3,980円購入して別料金で書き換えて入れる必要がある。割高な上に端末の操作がわかりにくくスーパーファミコン自体が既に旧機種だったこともあって普及しなかった。しかもこういった既存タイトル専用タイトルに比べると書換え料が安かったが、当時の中古ゲームショップ販売が合法となった為、書換えサービスの存在意義が薄れた。

*17 専用新作ソフトとしては2000年11月29日に『メタルスレイダーグローリーディレクターズカット』が書換え開始された。因みにこれはスーパーファミコンそのものでも最後のソフトとなった。

*18 正確にはゲームオーバーもセーブ回数としてカウントされるのでノーミスも

*19 本作でもノーセーブクリアは可能であるが、バグで正常にゲーム再開が行えなくなる為、行わない方が良い

*20 特に落とし穴落下時はプレイヤーによってはかなり気になりやすい

*21 原作では次のダンジョンで手に入るアイテムを使えばカット出来たため、その対策と思われる