本稿では『ファイナルファンタジーIV』のうち、最初に発売されたスーパーファミコン版の通常版と、イージータイプの2作品を分けて解説しています。判定はともに「 良作 」です。
【ふぁいなるふぁんたじーふぉー】
ジャンル | RPG | 高解像度で見る 裏を見る |
対応機種 | スーパーファミコン | |
メディア | 8MbitROMカートリッジ | |
発売・開発元 | スクウェア | |
発売日 | 1991年7月19日 | |
定価 | 8,800円(税別) | |
プレイ人数 | 1人(バトル時1~2人) | |
セーブデータ | 4個(バッテリーバックアップ) | |
配信 |
バーチャルコンソール 【Wii】2009年8月4日/900Wiiポイント 【WiiU】2014年2月19日/900円 【New3DS】2017年8月23日/943円(税10%込) |
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判定 | 良作 | |
ポイント |
初のSFC進出作、演出やBGMが強化 リアルタイムな戦闘「ATB」初登場など、以降のシリーズの礎を作る ビジュアル・ストーリー重視の方向性をより決定づけた 古いタイプのRPGを引き摺った部分も残るが、当時としては先進的 |
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ファイナルファンタジーシリーズ |
クリスタルはただ、静かに、その光を湛えていた……
スクウェア初のスーパーファミコンソフト。
『ファイナルファンタジー』シリーズの第4作にして、プラットフォームをスーパーファミコンに移した初の作品である。
大容量化によって強化されたグラフィックとSFCの持ち味である回転・拡大・縮小機能により、演出面がグレードアップした。シナリオはドラマ性を重視した作風を確立し、後のシリーズの大きな礎ともなった。
戦闘にリアルタイムの時間経過の概念を取り入れたアクティヴタイムバトルの導入により、旧作と比較して戦略性が増しているが、ゲームバランスはこの当時としてはどの層にも味わいやすい、絶妙な難易度設定となっている。
世界唯一の飛空艇団「赤い翼」を擁する軍事国家、バロン王国。
部隊長として「赤い翼」を率いる暗黒騎士セシルは、バロン王の命により魔法国家ミシディアのクリスタルを強奪しバロン城に持ち帰る。
しかし罪のない者からの略奪を命じるようになったバロン王の変心に疑問を抱き、クリスタルを献上した後、
セシルは王の真意を問いただそうとするが王に不信を見抜かれて怒りを買い、「赤い翼」の隊長を解任されると共に辺境の地ミストの幻獣討伐を命じられる。
幼馴染の白魔導師ローザとの再会もそこそこに、親友の竜騎士カインと共に、セシルはバロン王国を後にした。赤い翼によって最強の軍事国家となったバロンがなぜ、クリスタルを求めたのか?
そしてなぜ魔物たちが各地で活発に暴れ始めたのか?クリスタルはただ静かにその光を湛えていた。全てを知っているかのように……。
戦闘システム・難易度面
演出面
システム面
シナリオ面
SF要素を押し出したスケールの大きな世界
+ | 黒幕にまつわるネタバレ注意 |
+ | ネタバレ |
SFCのハード性能や容量を活かした演出面のグレードアップにより新しいFFシリーズの幕開けを告げるのに十分な魅力を生み出し、音楽、シナリオ、演出面でのクオリティの高さで人気を呼んだ。
また、それまでの作品が難易度的な面でマニアックなとっつき難さがあったのに対し、本作では従来の作品に見られがちだった雑多なバランスを極力排除して万人向けのゲームバランスに調整されている。それによりシリーズの間口が大きく広がり、前作『III』で確立したスクウェアの主力RPGシリーズとしてのFFの立ち位置を更に大々的に固めたと言って過言ではない。
シナリオと劇中演出を重視した作風は後のシリーズ全般にも大きな影響を与えており、その意味でも、新たなハードに舞台を移したことも含めてシリーズの大きなターニングポイントとなった作品であると言えよう。
『FF』シリーズの中でも移植・リメイクが『I』『II』並に多い。ほとんどの移植・リメイクで戦闘、特にボス戦の難易度が上昇している。
イージータイプ
PS版
PS版『ファイナルファンタジーコレクション』
WSC版
GBA版『ファイナルファンタジーIVアドバンス』
Wiiバーチャルコンソール版
携帯アプリ(DoCoMo/au/SoftBank)版
PSP版『ファイナルファンタジーIV コンプリートコレクション』
ゲームアーカイブス版
スマートフォン(iOS/Android)版
Win(Steam)版
WiiUバーチャルコンソール版
WiiUバーチャルコンソール版『ファイナルファンタジーIVアドバンス』
New3DSバーチャルコンソール版
ピクセルリマスター版
+ | テレビCM |
【ふぁいなるふぁんたじーふぉー いーじーたいぷ】
システムや単語の簡略化、難易度を下げた初心者向けのバージョン。
説明書とは別に、ゲーム中盤までのダンジョンマップや攻略のポイントを記した「冒険ガイドブック」を同梱している。
簡略化が施されたことで原作よりも易しくなっており、原作が難易度的に難しいと感じられる人にはちょうど良い塩梅になっているが、その反面、簡略化によって少々味気なくなっている面も否めない。
当時は初心者向けとしての役割もあったが、今となっては様々なメディアで攻略法が周知されているのに加え、シリーズ作品自体が数を重ねていることや、続編や続編とのカップリング移植作品などが改めて発売されていることもあり、あえてこちらを手に取る意義はないだろう。
*1 味方側の武器攻撃による状態異常の追加効果についてはまだエフェクト演出が存在せず、補足メッセージが表示される
*2 最終盤のみザコ戦でも流れる。
*3 一応、シナリオに絡む設備も備えられている。
*4 このドットキャラクターの演技を当時のクロスレビュー絶賛しているが、そのレビューをしたのは実態の無い謎のレビュアー「森下万理子」。
*5 「ウェイト」で時間が止まるのは、魔法やアイテムなどのリスト選択時や、行動の対象選択時のみであり、じっくりと考えるにはそうした画面をいちいち開く必要がある
*6 今作のメインキャラクター中唯一の死亡退場である。
*7 ちなみにバロン城で仲間入りするシドも敵に捕らえられていたという状況のため装備が「しゅうじんのふく」のみだが、こちらは仲間入りが「水のカイナッツォ」戦後なのでローザのような事態にはならない。
*8 行動速度が素早さの値そのものではなく、主人公セシルの素早さとの相対差によって設定される。基準となるセシルの待ち時間で5コマ分しかなく、1コマあたり敵味方問わず1キャラクターしか行動できない。
*9 『VII』で廃止されたが
*10 携帯版『IV』の公式サイトで配布されている壁紙の一部には、全キャラクターの公式デザインに準拠したデフォルメ絵が用いられているものがあるため、恐らくはネタバレ防止のためだと思われる。
*11 開発自体もSFCの『V』(結果的に『IV』にあたる本作)が先行して開発が進んでいたため。
*12 「4」→「し」→「死」、「9」→「く」→「苦」と読み替えられるため。特にマンション・ホテルの部屋番号や駐車場の番号などで(例・「501」→「502」→「503」→「505」)使われることが多かった。平成中期以降は減少傾向になる。
*13 SFCはPCM音源の搭載により、録音した音を和音の一つに活用できるので、凝ればオーケストラさながらの合奏を実現させることが出来る。
*14 一足先に姉妹作『サガシリーズ』の2作目『Sa・Ga2 秘宝伝説』(1990年12月発売)で登場したオーディンは通常武器枠の「グングンニルのヤリ」を使ってきた。これはプレイヤーも入手して使用可能。
*15 斬鉄剣が失敗(発動できなかった)時のハズレ補填としてランダムで敵1体に投げつけてダメージを与える攻撃。威力はそれほど低いわけではないのだがハズレ扱い
*16 GBA版では追加モンスターとしてキングベヒーモスも登場した。
*17 当時のジャンプのゲームコーナー「ファミコン怪盗 芸魔団」。先代のゲームコーナー「ファミコン神拳」は1989年に終了済み。