聖飢魔II 悪魔の逆襲!
【せいきまつ あくまのぎゃくしゅう】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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メディア
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512KbitROMカートリッジ
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発売元
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CBS・ソニー
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開発元
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イスコ
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発売日
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1986年12月25日
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定価
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4,900円
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判定
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シリーズファンから不評
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ポイント
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バンド題材なのにBGMが低クオリティ ジャンプの挙動が独特 厳しめの時間制限
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概要
地獄から地球征服を遂げるためやって来たヘヴィメタルバンド「聖飢魔II」をモチーフにしたアクションゲーム。
ロックバンドがキャラクターとなった世界初のゲーム作品である。一応、設定上は「地球征服活動の一環として、ファミコンの世界へやってきた」となっている。
しかしそれを快く思わないゼウスによって教典と仲間を奪われてしまい、一人残ったデーモン小暮閣下が奇妙な世界をさまようことになる。
システム・特徴
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十字ボタンの左右でデーモン閣下の移動。Aボタンでジャンプ。Bボタンで武器を発射して攻撃する。
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プレイヤーはデーモン閣下を操作して、画面上から現れるザコ敵を倒しながら大黒ミサに必要なアイテムを集め、仲間を助けるために全5ゾーンを探索していく。
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集めるアイテムはドル袋・信者(白装束の幽霊みたいな姿)・供物(リンゴやろうそくなどゾーンによって見た目が変化)・仲間の顔の4種類。
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各ゾーンは8つのエリアに分かれている。エリア内の全てのアイテムを取ると別エリアの入り口の穴を塞ぐ板が消え、穴の上で十字ボタンの下を押す事で別のエリアに行くことができる。
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1つのエリアには複数の入り口があるものもあり、さながら探索アクションのようになっている。
8つ目のエリアには他の全てのエリアのアイテムを集めないと入ることができない。
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8つ目のエリアには仲間が檻に囚われており、助けるためにはエリア内のアイテムをすべて集め、3つある棺桶を全て開けて鍵を取る必要がある。
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その最中、ボス敵と言える存在の「門番」が飛び道具で邪魔をしてくる。倒すことはできるが、盾を持っていて正面からの攻撃は無効化する。
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体力と制限時間の兼用制
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体力を表す数値「LIFE」が画面左上に表示され、時間経過と敵との接触で減少する。0になるとゲームオーバー。
初期値は1000でスタートし、ゾーンをクリアしても値は持ち越される。
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LIFEを回復するには生き血(赤い液体のビン)を取るしかない。取ると300回復。各エリアに1つ置かれてるほか、ショップでも購入できる。
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各エリアに1つある瞳のような絵に触れるとショップ画面になり、入手した分のドル袋を使って買い物ができる。
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品物は生き血(10ドル)、武器(20ドル)、仲間の奪われた楽器(30ドル)の3つ。
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武器はゾーンごとに更新され、買い換えないとザコ敵を一撃で倒せなくなる弊害が出てくる。攻撃力以外の性能は据え置き。
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奪われた楽器は大黒ミサを開いてエンディングを迎えるために必須。各ゾーンをクリアする前に購入しないといけない。
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楽器が一つでも欠いた状態でラスボスを倒してもゲームオーバーになってしまう(閣下曰く「貢物が少ない、出直して来い!!」とのこと)。
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ショップ画面ではアイテムの入手状況が表示されるが、全部取らないと次エリアに進めない仕様上あまり意味がない。
問題点
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癖の強いジャンプ操作。
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まず本作におけるジャンプ操作は、水平(十字ボタンの左右を押しながらA)と垂直(十字ボタンニュートラルでA)で軌道が異なる。
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水平ジャンプはキャラの高さはほぼそのままで幅跳びのように飛ぶ。
Aボタンチョン押しでも約3キャラ分、Aボタン長押しで約4キャラ分と小回りが利かない飛距離なので慣れないと距離を誤りやすい。
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垂直ジャンプはAを押したままでないと頂点までジャンプできず、頂点に達するまでに十字ボタンの左右を押すとその方向に移動するようになっている。
動作自体は軽快な水平ジャンプに対して、垂直ジャンプはゆるやかで緩慢。癖の強い操作性も相まってストレス要素になりやすい。
また、下記の図のように足場の端から半歩踏み出した状態で垂直ジャンプからの左右移動を必要とする場面もあり、操作に慣れないと先に進めないという事態も起こりうる。
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閣
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■=足場、閣=デーモン閣下
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鬱陶しいザコ敵・無敵のお邪魔キャラ。
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ザコ敵は閣下が上がることができない場所である画面の天上部分に断続的に現れ、しばらく移動したあとランダムで落下。
以降は別エリアの入り口の穴を目指して移動し、穴に落ちると消える。
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閣下は水平方向にしか攻撃できないため、場所によってはジャンプ移動の邪魔になるため鬱陶しい。
受けるダメージもゾーンが進む度に増大する(最大で約70)ため接触のリスクも高くなる。
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各エリアには一定の場所を左右に移動するお邪魔キャラが存在する。
攻撃を当てても移動の方向転換をするだけで無敵。避けるのが難しい場所に配置されていることが多く、地味にストレス要素。
接触ダメージが全てのゾーンで変わらないのは救い。
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3つめのゾーン以降では上下に移動するタイプが登場。こちらは攻撃を当てると少しの間動きが止まる。
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隠し要素に気付かないと厳しい時間制限。
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時間経過によるLIFEの減少は1分で約220と大きく、各エリアに配置された生き血を取っても時間的な余裕は少ない。
ザコ敵との接触ダメージが増大する後半ゾーンではなおさら。
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上記の通りショップで生き血が買えるが、武器の買い替えや奪われた楽器の購入にドル袋を優先する必要があるため、生き血を購入する余裕はほとんど無い。
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隠し要素として、各エリアの特定の場所でジャンプすることで隠れた5ドル分のドル袋や生き血が出現したり、特定の地面で十字ボタンの下を押すとドル袋だらけの隠し部屋に行けたりする。
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また、ザコ敵を一定時間の間に連続して倒す事で得点が上昇していき、最後は5ドル分のドル袋を落とすコンボボーナス的なものもある。
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これらの要素に気付くと生き血を買う余裕も生まれ、おのずと時間制限も緩くなっていく。
逆を言えばそれらに気付かないと移動ルートを最適化しない限り、時間制限は厳しい。
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画面をスクロールさせる際、進行方向の画面端に対してかなり接近する必要があり、画面中央でのスクロールが出来ない。
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ほとんどのBGMが聖飢魔IIの楽曲と関係のないオリジナルで、そのBGM自体のクオリティがあまり良くない。
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全体的にループが短く、特に最初と2つめのゾーンのBGMはメインのメロディの三角波のオクターブが高いせいで人によっては耳障りに感じやすい。
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他にも3つめのゾーンのものは1ループが短かすぎて単調気味。4つめのゾーンのものは多少はメロディアスで聞けないこともないが…
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メロディ自体は音楽理論に沿った作りであり、ある意味悪魔らしいおどろおどろしい楽曲に聴こえないこともないが、聖飢魔II信者がその様な楽曲を求めているかといわれれば、大方の信者にしてみればおそらくNOであろう。
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まがりなりにもバンドを題材にしておきながら、彼らの楽曲はほとんど使用されていない。一応、ラスボスのBGMは「DEATHLAND」のものと思わしきメロディが使われている。
FCの音源でヘヴィメタルは無理があったのかもしれない……。
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派手な
メイク容貌やパフォーマンスで色物扱いされがちだが、聖飢魔IIは日本におけるヘヴィメタルの大御所にして、「ヘヴィメタル」というジャンルを浸透させた功労者でもある。ボーカリスト、ソングライターとしての閣下を始め、他メンバー(聖飢魔IIにおいては構成員と呼ばれる)もミュージシャンとして評価が高い。
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「奪われた楽器を取り戻して大黒ミサを開く」という目的があるからこそ、音楽にも凝るべきだったのでは。
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ショップ画面では「はなしにならんわ」「おまえも ろうにんぎょうにしてやろうか!」といったデーモン閣下のセリフがなぜか表示される。
デーモン閣下はプレイヤーの操作キャラなので、閣下が閣下自身に罵倒されているように見えてしまう。
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セリフの中に「聖飢魔IIのメンバーを全て覚えろ」といった内容のものが存在する。前述の様に聖飢魔IIのメンバーのことは「構成員」と呼ぶのが正しい。となるとやはり閣下に向かってのセリフということになるのだろうか?
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(裏技扱いだが)コンティニューを使うと各ステージで取得した楽器が消えてしまうため、上記の通りラスボスを倒してもゲームオーバーとなってしまう。
評価点
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タレントを起用した探索アクションである事。
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一般的な探索アクションゲームというと、オリジナルIPやキャラ版権を用いている物が多いが、芸能人を起用した探索アクションゲームというのは数が少なく貴重。
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ドットイート的なアイテム収集&探索要素&ジャンプアクションというゲームデザイン自体は悪くはない。
これで操作性やBGMがよければ比較的まともなゲームになっていただけに惜しいところである。
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セリフを除けば、ショップ画面は購入済みの武器や楽器にはチェックが入ったり、ショップ画面からの抜け方が表示されるなどの工夫が見られる。
総評
聖飢魔IIの楽曲がほとんど使われず、オリジナルBGM自体にも問題がある点は聖飢魔IIの、ひいては世界初のバンドがキャラクターになったゲームとしては残念なところ。
独特なジャンプ挙動による操作性の悪さや時間制限の厳しさなども災いし、本作はいわゆる「クソゲー扱いされやすいゲーム」となってしまっている。
とはいえ、ゲームデザイン自体は悪くないため、人によっては「癖のあるアクションゲーム」として受け入れていたりもする。
移植
その後MSX2に移植されたが、その際にグラフィックとBGMが差し替えられた。
聖飢魔IIの教典(アルバム)収録曲がアレンジされて取り入れられており、本作よりは多少マシな雰囲気で遊ぶことが可能。
余談
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4つめのゾーンのエリア5はアイテム・地形の配置が「CbSSONY」の文字を模したものになっている
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恐らく当時所属の悪魔教会(販売会社の様なもの)の市ヶ谷悪魔教会 (CBSソニー)を意味したものと思われる。
最終更新:2022年12月24日 05:55