ワギャンランド2
【わぎゃんらんどつー】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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発売元
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ナムコ
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開発元
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ナムコ、ナウプロダクション
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発売日
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1990年12月14日
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定価
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5,800円(税別)
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配信
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バーチャルコンソール 【WiiU】2015年11月11日/514円
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判定
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良作
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ワギャンシリーズリンク
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概要
『ワギャンランド』シリーズ第2作目。前作主人公「ワギャン」の息子である「ワギャン二世」を操り、島のシンボルである大木の病気を治すため、樹のふるさとにある「ほほえみの木」の元へ向かうストーリー。
「元はエレメカであるワギャンが、音波砲で敵をしびれさせながらアスレチック要素のあるステージを進む2D横スクロールアクション」というベースを前作から引き継ぎ、パワーアップアイテムやボス戦闘用ミニゲームの追加など、全体的な強化・拡張がなされている。
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ワギャン二世は前作に登場した空を飛ぶアイテム「ワギャコプター」を所持しており、オープニングデモではこれを使用してほほえみの木へ直行しようとする様子が描かれる。が、飛行中に電池切れを起こしてしまい墜落。その落下地点から本作はスタートする(つまりワギャコプターはゲーム開始時点では使用不能)。
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以降の作品では再びワギャンが主人公なので、ワギャンランドシリーズの時系列では最後に当たる作品である。
追加要素
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取得したステージ中のみ有効なパワーアップアイテムが登場。
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「ミニスーパーワギャナイザー」: ボタンを押しっ放しで溜めることで、敵を吹き飛ばす強力な音波を発射する。
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「ミニワギャコプター」: 落下スピードを減速させる。
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「透明薬」: 敵に触れてもミスしなくなる。これに限り、一定時間で効果は切れる。
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3種類のボス戦闘用ミニゲームが追加。
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「数さがし」: ランダムに配置された1~40の数字タイルを指定順に取っていく。
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「音神経衰弱」: ゲーム中のSEを使った神経衰弱。シリーズでは本作のみの登場。
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「パネルじゃんけん」: 神経衰弱のようにパネルをめくりあい、出した絵柄でじゃんけんをする。シリーズでは本作のみの登場。
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しりとりや神経衰弱で使用するパネルは、絵柄を書き直して一新。
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しりとりでの裏読みパターンも増えたが、即死パターン(返せるパネルの存在しない文字で終わる読み方。ボス側は積極的には使ってこない)は減少したため、相対的に難易度が若干上がった。
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神経衰弱の際の、ワギャンのリアクションが増えた。ヤマカンで当てると大はしゃぎし、逆にヤマカンで当てられると大慌てする。
その他の変更点
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難易度については、全体的に上昇傾向が見られる。
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アクションゲーム全体としては、ごく一部のギミック付きステージなどを除けば一般的なレベル。とは言っても、「後半戦でお助けアイテムが手に入る」前提の話であり、これを縛ると大きく難易度が上昇する。前作経験者は是非、ワギャコプター縛りを。
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ゲームクリアまでの道のりは、比較的短めになっている。
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体感としては、分岐やショートカットが増えた分1周回あたりの尺が縮んでいるような感じ。
評価点
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ステージ数及び種類の増加。
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地形の浮き沈みや落雪などの特殊ギミックを持つステージも多い。また、BGMも総入れ替えで、ステージの趣向に併せたものが豊富に用意されている。
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ルート選択やワープゾーンによるステージの分岐も、より複雑になった。
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BGMの評判が高い。
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特にラストステージとラストバトルの曲はシリーズでも屈指の人気を誇り、後の『スーパーワギャンランド』や『ちびっこワギャン』でも同じ曲がアレンジされて使われている。
問題点
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新作ミニゲームの内の2種類に存在感が無い。
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音神経衰弱は、パネル24枚中の2枚組み12セットに対してSEの数が7種類と少なく、多くのSEは同じ音が4枚配置されていてバランスが大味。
パネルじゃんけんもゲーム内容にひねりがなく、運ゲーである普通のじゃんけんをプレイヤーが負けにくいよう多少迂遠にしたようなものだった。
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数さがしはボスによって「次の数字」「1番飛ばし」と若干のバリエーションをつけているが、この2つはそれも無い。また、ゲーム中でこのミニゲームを仕掛けてくるボスも、各1体しかいない。
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ラスボス戦が難しく、やや面倒。
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前作と同様に、「神経衰弱」「しりとり」の2連戦となっているが、「しりとり」は前作と同じくラスボス限定のルールとして「正解を選んでも制限時間が回復しない」「ノルマが多い」「ノルマ未達成で相手が手詰まりしたら仕切り直し」となっているが、今作はノルマが前作よりきつくカード枚数ギリギリで到達できるようになっている。そのため少しでも手順を間違えるとノルマ寸前でこちらが手詰まりでミス、または相手が手詰まりで仕切り直しとなる可能性が高い。
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「タイムストッパー」があれば3回だけポーズがかけられ、ゆっくり考えることができるが、特定のステージをクリアしなければならず、スルーしたままここに到達することも多い。
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前作同様、コンティニューの残り回数は非表示である。
総評
前作とほぼ同じゲームの強化版。大元の堅実な作りをそのままに、細かく追加要素が施されている。
一見すると低年齢層・女子向けとも思える作りの中に秘められた「芯の通ったアクション要素」「後半ステージBGMの意外な熱さ」など、FCの主要ユーザー層に強くアピールできるものを持っている。そういったファンにとって嬉しい特徴も、前作とほぼ変わらない。
惜しむらくは、ボス戦闘の神経衰弱エンジン使いまわしバリエのミニゲーム2種が、(結果論であるにしても)後継作で生き残れなかった事だろうか。
最終更新:2022年11月10日 15:40