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本項ではファミリーコンピュータ用ソフト『忍者龍剣伝』(判定:なし)と、そのPCエンジン移植版(判定:劣化ゲー)の両方を紹介します。



忍者龍剣伝

【にんじゃりゅうけんでん】

ジャンル アクション
対応機種 ファミリーコンピュータ
メディア 2MbitROMカートリッジ
発売・開発元 テクモ
発売日 1988年12月9日
定価 5,500円
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2007年4月10日
【3DS】2012年8月29日
【WiiU】2014年3月25日/いずれも514円
レーティング CERO A(全年齢対象)
判定 なし
ポイント 当時では非常に珍しいドラマチックなビジュアルシーン
終盤の難易度は鬼畜レベル
忍者龍剣伝/NINJA GAIDENシリーズ

概要

  • 国内外問わずカルト的人気を誇る人気アクションゲーム。ドラマチックな演出と耳に残るBGM、そしてゲームオーバー音を何度も聴かされる難易度が特徴。
  • キャプテン翼』に続くテクモシアター第2弾であり、ビジュアルシーン(メーカーの公称は「シネマDISP.」)にも力を入れている。

あらすじ

「龍の一族」である忍者ジョウ・ハヤブサは何者かとの戦いに敗れ、帰らぬ人となった。その息子のリュウ・ハヤブサは父の部屋で一通の手紙を見つける。
「リュウ、父さんはこれから決闘にいく、もし父さんが戻らぬときは、わがハヤブサ家に伝わる龍剣を持ちアメリカへ渡れ、そして私の旧友ウォルター・スミスを訪ねるのだ。リュウ、強く生きろ」。
父の遺言に従い、そして父の仇を討つべく、リュウは龍剣を手に渡米する。
アメリカでは謎の集団が襲いかかってきた。それを撃退したリュウだったが、謎の女に麻酔銃で撃たれてしまう。女は気が付いたリュウに奇妙な像を渡し、逃げるように告げた。
果たして女の正体は?この像は?そして父の死の真相とは?

システム

  • 主人公リュウ・ハヤブサは忍者である。武器は刀だが、道中でアイテムを入手することで様々な忍術を使うことができる。
    • 忍術はエネルギー消費制。ステージ中に設置されたオブジェクトを壊すと新しい忍術やエネルギー回復アイテムが出現する。
    • 忍術の種類は十字ボタン上+Bボタンで発射できるサブウェポン(手裏剣など)や、一定時間リュウの周囲を炎が囲み無敵になる火炎の舞、ジャンプ中の攻撃が回転斬りになるものと様々。
  • 忍者らしく壁に張り付くアクションが特徴的。
    • 壁に張り付いた状態ではジャンプ(操作は壁の反対方向に十字キーを押しながらAボタン)することしかできない。
      • 壁と壁の間でジャンプを繰り返すことで壁を登ることができる。(この際、Aボタンを押しっぱなしで十字キーを左右交互に入れるだけで連続して壁蹴りジャンプを繰り返す。説明書では「壁蹴り多段ジャンプ」として紹介されている。)
      • はしごの付いている壁ではそのまま昇降できるようになっている。
      • 壁からジャンプしてすぐ壁側に十字キーを入れ直して空中制御により再び壁に張り付き、1つしか壁がなくても徐々に壁を蹴って登る裏技的なテクニックも存在する。
  • 前ジャンプ中にキャンセルして戻ろうとした場合、その後ろに戻る距離が短い。
  • ノックバック中は軌道修正不可。
  • 刀を振った時のディレイが0.4秒くらいある。
    • これらの事がこのゲームを難しくしている。
  • ライフ残機制かつ無限コンティニュー。
    • 終盤を除いて、中間ポイントまで辿り着いていれば中間からの再開となる。
  • 画面構成とシステムの一部が『悪魔城ドラキュラ』にやや似ている。

評価点

  • ステージ間にビジュアルシーンが挿入され、ドラマ性を盛り上げる。
    • 当時のアクションゲームのストーリーは説明書のみで紹介されるものがほとんどだったが、本作ではゲーム内で語られるため、より感情移入がしやすくなっている。しかもフォントはファミコンにありがちな平仮名ではなく漢字も混じっている。
    • このデモ画面は小型のゲーム内キャラクターではなく、リアル(アニメ調ではあるが)に描かれたキャラクターがドラマを繰り広げるため臨場感に溢れている。しかも台詞を話す際に口パクもする。
    • ストーリー内容自体は「父の仇を追ううちに、世界の命運を賭けた戦いに巻き込まれて行く」というもの。全然忍ばない主人公、CIAや邪教すらが絡んで来る世界観など、忍者らしさなど欠片も無いが、要所要所の盛り上げ方は上手く、熱い王道ストーリーになっている。
    • デモはどれも長いため毎回は観ていられないが、この演出は当時としては画期的だった。勿論、スキップも可能であるため、繰り返しプレイの障害にはならない。
  • デモ画面のみならず、通常画面のグラフィック・BGMの評価も高い。
    • 特に4-2のBGMが名曲との声が高く、当時は名無しだったのがあまりの反響から後に「鮮烈のリュウ」と名付けられた。
      • 曲の良さに加え、4-2開始前の「敵の本拠地である古代遺跡を見据えるリュウ」というデモムービーから続けて流れることで多くのプレイヤーに強い印象を残した。
      • スタッフロールでもエンディングテーマとして使用されているが、単なる使い回しではなく最後にはアウトロが追加されており、エンディングを格好良く締めてくれる。
      • 本編におけるこれらの使い所、そして曲名から正にリュウ・ハヤブサのテーマと言っても過言ではない名曲となっており、実際に後年の作品ではアレンジ版がハヤブサのテーマ曲として使用されている(後述)。
    • 隠しコマンドを入力すればサウンドテストも可能。
  • 操作性も悪くなく、壁張り付きや忍術を駆使して進むゲーム展開は爽快。
    • 大抵の場合、先へ進むのに有利となる忍術が手前に設置されているため、中盤あたりまでは忍術を活用していけば道を切り開くことができる。
      • アイテムの配置数も多いので、気兼ねせず忍術を使った方が良い場面が多い。忍者が忍術を使うのは当然ということか。
    • ボスキャラの行動パターンは割と単純。ステージの突破より簡単な場合が多い。
      • ステージ5のボス「ブラッディマルス」は強敵だが、実は特定のパターンで死闘を演じつつ必ず倒せるよう調整されている。

問題点

  • 慈悲の欠片もない鬼畜レベルの高い難易度。
    • 後述のラスボス戦仕様も相まって難易度は理不尽さを感じるほど高く、本作を良作と言い切れない最大の要因である。
    • ダメージ後の無敵時間がやたらに短く、後述の敵キャラ再発生の頻度の高さ、ノックバックする上に密接しすぎると通常攻撃が当たらないという仕様のため、敵に囲まれるとなすすべもないままミスしやすい。
    • お約束の「ダメージによるノックバック → 穴にまっ逆さま」も実装。しかもステージ2以降のほぼ全ての面でこの危険がある。特に本作は他のアクションゲームと比較してもノックバックが激しいため顕著である。他にもノックバックがジャンプと同じ扱いのため、そこに壁などがある場合勝手に張り付いてしまい、気づかず張り付いたまま連続ダメージで何もできない、降りようにも敵がいてダメージ確定、さらにノックバックで壁張り付きといった感じでハメ殺されるという理不尽な事もある。
    • 特に鳥は件の穴のある所に頻出し超高速で飛び掛ってくる上に攻撃力が本作最大ダメージの3であり、最強の雑魚敵と言われている。この仕様はテクモも酷いと感じたのか、2以降は鳥の攻撃力は1になっている。
    • 雑魚敵を倒しても、そこからほんのわずかでも画面位置がずれるだけですぐに復活する。これ自体は他のアクションゲームでも珍しくはないが、本作はわずか1ドットずれただけで復活するため場所によっては無限地獄に陥りやすく、むしろ出現場所を覚えたら同じ出現位置の敵は1体しか発生しないという仕様を利用し、無理に倒さず画面内に残して無視して進みやり過ごした方が良い。
    • 先に進めば進むほど敵の攻撃&配置や地形配置も悪辣になっていき(特にステージ5・6)、パターンさえ分かれば十分何とかなるレベルではなくなる。
      • 特に足場に飛び移るのと敵出現が合わせてあり、ジャンプで飛び移った瞬間ダメージを受け穴に落ちるという死亡例がとても多い。飛び移る際ギリギリまで先にスクロールさせ、敵の存在を確認するのを覚える必要がある(それが分かっていてもきついが)。デフォルトで無限コンティニューをいい事に、ここまでの難易度としていると言ってもいいだろう。この難易度、続編が出るにつれ下降していくことになる。
    • ハシゴの昇降でエリアを切り替える場面があるが、下に降りる場合はハシゴを使って降りないと落下死判定になってしまう。普通の穴ならともかく、画面内ならどんな高さから落ちても平気なリュウが真下に地形のある場所に落ちて死ぬのも少々おかしな話である。
      • 基本的に上に登っていく構成なので降りること自体あまり無いのだが、この仕様の所為で思わぬ事故死を招きがち。登った直後に落とされて死ぬ事もあり得る。
      • これは次回作でも改善されず、しかも『II』ではステージ1からハシゴで降りる場面がある。
    • 壁やハシゴにつかまっている時、刀はおろか忍術すら一切使用できない。つまり攻撃不可。特に鳥などに突っ込まれるとどうしようもなくなることも(次回作以降は忍術が使用可能になっている。)
  • 6-4におけるラスボス三連戦の仕様。
    • 一戦ごとにスコアの清算が行われ持っていた忍術が没収され、忍術ポイントも0になる仕様のせいで、三戦ストレートで勝つのは非常に困難となっている。
      • 特に二戦目の相手を忍術なしで倒すのは容易ではない。
      • 一応、体力が全快するというメリットもある(2以降でもラスボスは三連戦だが、忍術が没収されない代わりに体力が一切回復しない)。
      • 後述のように回転斬りがあるとボスを瞬殺出来てしまうためこのような仕様になっているのかもしれない。
    • しかも一連のラスボス戦で負けると残機が残っていても何故か中間ポイントではなく、ステージ最初(6-1)に戻されてしまう。やっとの思いでたどり着いたプレイヤーを地獄に叩き落とす容赦ない仕打ちといっても過言ではないだろう。この仕様のせいでクリアーを断念した人も少なくない。
    • しかし一度倒したボスは復活しないため、次にそこまで到達した際は負けた相手から戦うことができるのは不幸中の幸いか。
      • さすがにステージ最初に戻されるのはやり過ぎたためか、2以降は中間ポイントに戻されるようになった(2はエリアの最初から、3はエリアの最終フロアからと作を重ねるごとに緩和されている)。
    • ステージ5のボスは最期に「ここから先に進むならばお前はこの世の地獄を知る事になる」と言い残すが、それはストーリー上の意味以上にプレイヤーにとっても本気のメッセージとなっている。
  • ラスボス曲が使い回し
    • ラスボス戦のBGMは専用曲ではなく、5-1とステージ5のボスで流れた曲が流用されている。専用曲持ちはラストバトル三連戦の初戦の相手のみ(曲自体はデモシーンで流れたもの)。
    • 曲自体は雰囲気に合った良曲なのだが、ラストバトルの曲がステージ曲の使い回しというのも少々寂しい。
  • 火炎の舞
    • 今作では使い捨てアイテムだが、効果中は上の忍術の欄に表示されるため、元々持っていた忍術が上書きされて消えてしまう。使い捨てならそこまでしなくてもよかったのでは…。
  • ビジュアルシーンそのものはすぐれているのだが、シナリオ運びにおいてある突っ込みどころの印象が強い。
    • 序盤からラストまで「リュウの油断により危機を招く」シーンが何度も出てくる。

総評

後半~終盤のあまりにも厳しすぎる難しさは無視できないレベルだが、敵の配置や攻撃方法を覚えて、テクニックを磨けば決してクリアできない難易度ではない。
高難度で死にながらその対策を練って先に進めていく事が前提となるその様は、現代における所謂「死にゲー」に通じるものがある。それだけにクリアできた時の達成感は大きく、多分に上級者向けを意識した作品となっている。

当時では斬新なデモシーンや名曲ぞろいのBGMなど今も根強いファンが多い作品である。
腕に覚えのあるアクションゲームファンはぜひとも挑戦してみて頂きたい。


その後の展開

同名のアーケード版

  • FC版と同年に稼動した同名のアーケード版『忍者龍剣伝』が存在する。
    • 詳細は当該項目を参照のこと。タイトルこそ同じだがFC版とは全くの別物で、後のシリーズ作品とストーリーや時系列面での繋がりはない。
    • 国内ではFC版の後にAC版が稼働したものの、初めてシリーズ作品が世に出たのが北米AC版であるためそちらが元祖になる。

続編

  • 2年後の1990年には直接の続編『忍者龍剣伝II 暗黒の邪神剣』が発売された。シューティングゲームのオプションに相当する「分身の術」が使用可能になるといった新要素がある。
    • この作品でリュウ・ハヤブサの物語にひとまずの区切りが付けられる。しかし彼の戦いはまだまだ続くのであった。
  • その翌年1991年には『忍者龍剣伝III 黄泉の方船』が発売。『III』とはあるが、時系列は『I』と『II』の間である。
    • 『I』のエンディングでリュウはある宣言をするが、それについては『II』で触れられることはなく、この『III』にて顛末が描かれることとなる。
    • 『I』が難し過ぎた反省で、続編が出るにつれて難易度は抑えられているが、最終決戦の連戦で死ぬとある程度戻される(流石に最終ステージの最初ではない)といった点は継承されている。
  • FC三部作の後日談を描いたOVAも発売されている。なお、こちらではリュウは戦闘時でも素顔を晒している。
  • また、『III』と同年に『闇の仕事人 KAGE』のキャラ差し替えとして、本シリーズのエピソード0にあたる『忍者龍剣伝GB 摩天楼決戦』が発売。こちらはテクモシアター作品ではないため、ステージ間のイベントシーンは無い。
  • 他にもゲームギアで海外版のタイトルに準じた『忍者外伝』が発売されている。主人公はリュウだが、タイトル通り本筋とはあまり関係無い「外伝」となっている。
  • その後、1995年の『忍者龍剣伝 巴』で一旦はシリーズは終了するが、9年後に『DEAD OR ALIVE』を手掛けたTeam NINJAにより、海外版のタイトルを冠した『NINJA GAIDEN』シリーズとして復活を遂げた。

移植・その他

  • NINJA GAIDEN
    • 海外NES版。欧州では『Shadow Warriors』のタイトルで発売された。
  • PCE版(1992年1月24日発売、ハドソン/Hudson-Era H.K.)
    • 詳細は下記にて。
  • SFC版『忍者龍剣伝 巴』(1995年8月11日発売)
    • FC版全三作をセットでSFCに移植した作品である。グラフィックは基本的にはオリジナルに忠実だが、色合いが違うため全く同一ではない。ゲームバランスの調整が海外版に準拠、一新されたBGMが不評、ボタン配置の変更ができないなど不満点が多く、評価されているとは言いがたい。
  • Xbox版『NINJA GAIDEN』(2004年3月11日発売)
    • シリーズの正統続編としてXboxで製作された。本作品の隠し要素として、旧作1~3作を遊べるモードが挿入されている。しかし遊べるのはSFC版のカップリング移植である。
      • メッセージ表記等は英語だが、難易度などは同じである。

余談

  • 忍術の「回転斬り」が凄まじい威力を誇り、ボスに凄まじいダメージを与えることが可能(厳密には凄まじい攻撃回数)。ボスの体力は16目盛りだが、普通に当てても10目盛り程度、ジャンプの上昇から下降まで当てると16目盛り全てを奪い瞬殺できる。演出的にも、『NINJA GAIDEN』の絶技の先駆けと言えなくもない(時系列ではこちらが後だが)。ただ、問題なのは、回転斬りをボスまで持っていくこと自体。その理由は、
    • ジャンプ中の攻撃が自動的に回転斬りになるため、忍術ポイントが消費される。
      • アイテム獲得のためのジャンプ斬りも無駄には出来ず、回転斬りと忍術ポイントを保持したままボスまで到達するには、出現アイテムを把握して計画的に進む必要がある。前述の通り本作はボスよりもステージ突破の方が難しいため、あくまでやり込んだプレイヤー向けか。
      • しかし実は、ジャンプ中に十字ボタンの↓+Bでジャンプ中の攻撃だと判定されず、通常の攻撃を出せる。
      • また回転斬りを持っていなくても、十字ボタンの↓+Bだとジャンプ中の攻撃だと判定されないバグを利用して、ジャンプ中に通常攻撃を連打することも可能。
    • 回転斬りでボスの体力をぴったり0(ヒットさせすぎては厳禁)にするとボスが倒れないバグがある。その状態で一発でも攻撃を当てれば倒せる。
  • 本作の「崖の上から敵本拠地を見据えるリュウ」「ピンポイトで開く落とし穴に落ちるリュウ」「リュウがエンディングで頭巾を取る」「エンディングのラストはリュウとアイリーンが共に朝日を眺める」といった演出は恒例となり、FC三部作のお約束として毎回導入された。
    • 『II』のみラストは朝日ではなく夕日となっている。
    • 恒例のラストという点は『NINJA GAIDEN』にも受け継がれており、本作とは異なるがあちらでもエンディングの締めにはお約束の演出を入れている。
  • 主人公のリュウ・ハヤブサは後に3D格闘ゲーム『DEAD OR ALIVE』にも第1作から皆勤賞で参戦し(外伝に当たるDOAXシリーズは除く)、さらに3Dアクションの『NINJA GAIDEN』(こちらは国内外で同タイトル)でも主人公を務めるなど、現在でもコンスタントに活躍し続けている。また、無双シリーズの一作『無双OROCHI 2』にもゲスト参戦を果たし、『無双☆スターズ』にもニンジャガ枠で参戦している。
  • 前述の通り、本シリーズはBGMの評価が高く、初作発売から30年近く経った2017年にFC三部作とAC版の四作をまとめたサウンドトラックが発売されたほどである(『III』に関しては初の音源化)。
    • また、「鮮烈のリュウ」はその人気ぶりから、年月を経て複数のアレンジが成されており、『無双OROCHI2』の「鮮烈のリュウ -DW SW MIX-」、『無双☆スターズ』の「鮮烈のリュウ -Stars Mix(GT)-」、『無双OROCHI3 Ultimate』の「鮮烈のリュウ -TRINITY MIX -」、『巴』の「木琴のリュウ」と、リュウ出演のお祭り作品ではお馴染みとなっている。名実共にリュウ・ハヤブサのテーマと言えよう。
    • 『無双☆スターズ』では更に「潜伏−悪夢の追撃−」と「アイキャッチ」もアレンジされて収録されている。同作では出演元のBGMをアレンジして引用しているのだが、リュウ・ハヤブサは『NINJA GAIDEN』枠での出演にも拘らず、曲は殆ど『忍者龍剣伝』が元となっている。
  • OPで主人公の父親と対決している忍者は、東洋哲学を学んでいるうちに日本の武芸にも関心を持った外国人。別に本物の忍者ではないのでボスとして登場する際には、北欧の鉄仮面と盾を装備して怪しげな東洋の秘術を放ってくるという、OPとは全く異なるバトルスタイルで登場する。
  • 最終決戦でリュウが悪役・邪鬼王に最大限の怒りを込めて放つ台詞「お の れ 邪 鬼 王 !」は、その演出と相俟って有名。
    • 後に『YAIBA NINJA GAIDEN Z』のおまけゲームでもセルフパロディとして用いられている。
  • ハシゴに難儀する、ラスボス曲がステージ曲の使い回し、と言った点は本作の半年前に発売された『超惑星戦記 メタファイト』も知られる。
    • 本作とは何の関わりもない別作品なのだが、他にも「高難易度にもかかわらずパスワードが無い」「無限コンティニュー可」といった点も共通しており、更にどちらも『ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online』にて『クライマックスバージョン』として配信されている。また、「海外で人気であり、後年に3D作品が海外版のタイトルを冠して発売し、以降の新作は国内でも海外版のタイトルで定着」「2021年には復活後の三部作をまとめたオムニバス作品が発売」と、何かと共通点の多い作品である。

忍者龍剣伝 (PCE)

【にんじゃりゅうけんでん】

ジャンル アクション
対応機種 PCエンジン
発売元 ハドソン
開発元 Hudson-Era H.K.
発売日 1992年1月24日
定価 6,500円
判定 劣化ゲー
ポイント ほぼFCの焼き直し
本作独自の多重スクロール
BGMは別仕様

概要(PCE)

FC版から3年もの時を経て発売された『忍者龍剣伝』のPCエンジン版。
全体的にFC版の移植と考えて間違いないが、BGMの違い、敵側に虎が出て来る、ステージ5では機械で構成された箇所があるなどの違いはある。
発売はハドソンであり、開発も当時存在したハドソンの香港開発子会社が担当している。


評価点(PCE)

  • 背景が多重スクロールする。
    • 忍者龍剣伝シリーズにおいて巨大な背景がスクロールするというのは本作が唯一である。携帯機、SMS、さらにはACでさえ多重スクロールはしない。SFC版の巴も逆に劣化している。そして『NINJA GAIDEN』からは3Dアクションとなったため、本作以外には一度も実装されていないのである。
      • FCでは『II』以降で多重スクロールするが、それは各層毎に速度を変えている形であり、本当の意味での多重スクロールを搭載しているのは本作のみである。
  • ステージにアニメーションする地形が追加
    • ゲーム性に関わるわけではないが、原作は静止画だったのに対し動きは表現されている。
  • 演出の追加
    • スミスの死後にCIAの工作員がやってきて捕まるのは同様であるが、本作では彼らの影が伸びる演出など微妙に追加されている。

賛否両論点(PCE)

  • BGMはアイキャッチ等を除いてファミコン版と総入れ替え。
    • 元より曲の評価が高いだけに元を知っていると劣化点に。新曲そのものが悪い訳はないが、FC版に比べると聴き劣りするものが多い。
      • 4-2の「鮮烈のリュウ」と差し替えられた曲も然程熱くなく、オリジナルのような盛り上がりは望めない。木琴に比べれば全然マシだが。
    • 2-1と6-1など、FC版で同じBGMであった箇所は本作でも同じ曲が使われている。マルス戦とラスボス戦も本作の5-1の曲を流用。
    • 但し、エンディングは4-2(FC版で言う「鮮烈のリュウ」)の流用ではなく専用曲が用意されている。曲も『2』『3』に劣らずスタッフロールの雰囲気に合っており、悪くない。
  • ライフゲージは目盛りではなく、『Ys』よろしく棒グラフになっている。敵の攻撃の威力を調べるには不便。
  • デモシーンのキャラクターデザインが本家から微妙に変更されており、PCE版(言ってしまえばハドソン版)独自のデザインとなっている。
    • 敵や脇役は大きな違いは無いのだが、よりによって主人公のリュウは装束に鉢金付きという大きく異なった顔になっており、これはこれでアリと思えれば良いが、ファンの多くからすれば違和感に。
      • エンディングで見せる素顔も、爽やかなイケメンだったFC版に比べるとやや泥臭い顔に。
    • 人にもよるだろうがアイリーンはFC版より若干可愛くなっている。

問題点(PCE)

  • 原作から進化した点が少ない。
    • ムービー、ステージ構成などはFC版の焼き直しである。システム面で続編の要素を取り入れているなどという事も無い。
    • 既に本家は『III』まで発売。他にもGG版や『GB』などの新作が登場している中で、一作目を焼き直しただけというのはパンチに欠ける。
  • 背景が2重スクロールするのは良いのだが、滑らかではない。これにより本作独自の強みである魅力が薄れてしまった。
    • 背景がやたら左右にガクガク動くのはプレイし始めて一目で分かる。
  • ジャンプの登り始めで剣が振れない、火炎の舞が敵の振り下ろしに負ける、回転斬りが多段じゃないなど、細かい変更点も多々。
  • 何故か悪役の邪鬼王の呼び名が「邪王」に変わっている。邪神を蘇らせようとしている奴が邪神の王を名乗るのも少々おかしいような…。
    • 細かい点だが、邪鬼王の本名「ガルディア・ダ・ミュー」も「ガルディア・ダ・シュー」に変更されている。
    • 「お の れ 邪 鬼 王 !」の台詞も邪神王に変わってしまうと語呂が良くない。

総評(PCE)

FC版に無い要素を盛り込んでいるのは確かなのだが、PCE独自の強みとして押し出すには弱く、FC版の中途半端な焼き直しとされている。
当時としても、既にFCで1作目をプレイした人が改めて本作をわざわざ買う意義は薄かった事だろう。
CD版で声優などを起用して盛り上げると言った大掛かりな追加要素があれば、評価も違ったかも知れない。
続く『II』や『III』が移植される事もなく、結果的にPCE版の忍者龍剣伝としては最初で最後となってしまった。

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  • 判定不一致

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最終更新:2024年01月21日 23:30

*1 スタッフロールではSAKURAZAKI名義になっている