三国志 中原の覇者
【さんごくし ちゅうげんのはしゃ】
ジャンル
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戦略級SLG
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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メディア
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2Mbit+64kRAMROMカートリッジ
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発売元
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ナムコ
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開発元
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トーセ
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発売日
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1988年7月29日
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定価
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6,900円(税抜)
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判定
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良作
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ナムコ三国志シリーズ 三国志 中原の覇者 / 三国志II 覇王の大陸
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概要
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ナムコ版三国志。略称「ナム三」。
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プレイヤーは6人の君主の中から一人を選んで中国大陸を統一するため戦う。時代設定は西暦200年であるが、ゲームバランスの関係から史実より拡大されている勢力もある。
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ファミコン含むコンシューマ機初の三国志ゲーム。光栄(現、コーエーテクモゲームス)のファミコン版『三國志』は本作より遅れること3か月後の10月30日発売。
特徴
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まず君主の選択は「英雄タイプ別性格診断」で行うことになり、それによりプレイする君主が決定する。ランダム要素はないため、毎回同じ回答をしていけば必ず同じ英雄になる。
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三国志ゲームとしては光栄に先んじて「武将同士の一騎打ち」を取り入れ、口パクやアニメーションを用いた活き活きとした画面演出も魅力。
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月のコマンド実行回数(命令書数)は所有する国の数により変化する「命令書」で決まる。このシステムも光栄の『三國志』に8年先んじていた。
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また能力値を成長させられるシステムを導入している。当時の光栄作品よりも上昇が高く比較的簡単に「計略で敵をワナに嵌める張飛」「自ら前線で敵をバリバリに切り伏せる孔明先生」のような演義イメージぶち壊しの武将も作れる。
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「武将の教育」は特に有能な武将の少ない勢力では必須。知力は都市の「学問所」で上げられるが、武力は「武器屋」で武器を買い武将に与えなければならず、命令書2枚分の手間がかかる。
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とはいえこのシステムにより武将の格差をある程度軽減できるのは大きく、当時としては画期的なシステムであった。
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戦争はマップ上に部隊を配置して移動させる所までは光栄の三国志に似ているが、部隊同士が攻撃すると専用の戦闘シーンへ移行する。
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ここでは武将や歩兵、騎兵、弓兵に前進、交代、待機等の大まかな方針を与えて以後の経過を見守る形になる。
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指示を与えると敵味方が同時に動き、そして任意のタイミングでボタンを押す事で進行を止めて指示を与え直す事も出来る。つまり戦闘シーンはターン制ではなくリアルタイムストラテジー(RTS)である事が大きな特徴となっている。
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武将は単独のユニットとして存在し、敵の攻撃を受けると体力が減り、0になると死亡する他、武将同士が接近すると一騎打ちになる、また、武将の体力を減らした上で四方を部隊で囲むと降伏して仲間になる事がある。
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武将も含めて壊滅させるとそのまま死んでしまうので適度に攻撃を控えて捕虜にしていく事も大事である。
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リアルタイム制であるが故に弱らせようとして殺してしまったり、武将が突出した結果、次々に矢を受けて体力がなくなるといった事も起こりうるので咄嗟の判断力が求められる。
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「後継者」という概念がなく、君主が死亡するとその時点でゲームオーバーとなる。逆に相手の君主を倒した場合は、その君主の持っている全ての領土が手に入る。適度に緊張感があり、戦略次第で一発逆転や短期決戦も狙える要素となっている。
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効率良く君主を討ち取る手順さえ知っていれば速攻で他の国を滅ぼす事も可能なため、名前に反していきなり
三国要素が消失する
ようなプレイも出来る。
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一応タイムリミットがあり、50年経つと自動的にゲームオーバーになる。とはいえ、普通にクリアを目指すならまず時間切れになることはない。
評価点
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「通常/喜び/悲しみ/戦闘」の4種類の表情豊かな顔グラフィック。
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光栄『三國志』に当時出ていないようなマイナーな人物の選定。当然有名人はきちんと押さえている。
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命令書システムによるプレイテンポ、戦略性が高い。
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太守が6人(コマンド待ちは5人)しかいない事もあって非常にテンポ良く進む。命令書の使用にあまり制約がないこともあって、「特定の領土のみ内政を行う」、「今月は特定の武将の教育に当てる」と言ったように柔軟にコマンドを実行できる。勿論便利なだけではなく命令書の数は全領土数よりも遥かに少ない(最低難易度でも領土数の半分の15枚が最大)ので良く考えてコマンドを実行する必要がある。
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例えば当時の三国志(コーエー版)では各武将達が統治している国毎に思考するために最大で57(全領地数は58、57とはコマンドを入力する自国を除いた数)もの領地のコマンド待ちをクリアするまで強いられ、地味にプレイテンポの悪化やストレスとなっていた。
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ざっくり簡略化された内政は覚えやすく、その様子がちょっとしたアニメーションで表示されとっつきやすい。
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国のパラメーターは土地(秋収入に影響)、産業(春収入に影響)、人口(全収入に影響)、統治度(低いと暴動)の四種類、更にリソースは金のみ。統治度は内政を行えば勝手に上がるしどのパラメーターも金収入しか影響がないので非常にわかりやすくなっている。
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在野武将の捜索は情報集めで行う。任された武将が一人で城からのっそりと出て行く姿はかなりシュール。
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在野武将以外にも金や換金アイテムを入手できる事もあるのでやる事がないときにも金策として使用できる。
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当然、その武将は結果を聞くまでは使用できなくなるので主力に任せるとその隙に攻め込まれるので注意。
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慣れて来ると適度に戦略を立てることができ、戦争も意外に面白い。
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機動力システム
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今作では全軍の移動、攻撃、計略全ての行動を機動力を消費して行うシステムとなっている。武将数(兵士数は無関係)で上昇値が決まり、武将一人だけで全て使用しても全軍均等に使うも自由。使用しなかった分は一定値までストックされ、次のターンに繰り越せる。
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この仕様のため使えない武将も機動力確保の為に戦場に連れて行ける。機動力をストックすれば一気に敵本陣まで攻め込んで武将を倒したり範囲外から計略を乱発できる。
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そして今作ではMAP画面からの退却はデメリットが無い。その為『兵士0の武将だけで攻め込み計略だけ使用して逃げる』と言った牽制や、『何人かの武将を倒す、捕虜にした後で(敵のターンになって計略を仕掛けられる前に)すかさず退却』と言ったことも行える。戦力が圧倒的に見えてもこういった要素のお陰で完全に打つ手なしと言った状況にはなりにくい。
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得意地形システム
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武将により得意とする地形が違い、得意な地形には少ない機動力で移動できたり、戦闘の際に1ターンに2回行動できたりする。ただし「平軍」だけは得意地形が存在しない。武将それぞれに陣形を選択することもでき、戦術的にもなかなかのこだわりぶり。
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城で戦う場合、城を占拠している側は必ず得意地形扱いになるなど、細かい点も配慮されている。
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「一騎打ち」は、この時代にして何と攻撃方法を自分で選択できる方式。必ず命中するが威力が低い「牽制」や通常の「攻撃」、当たれば一発逆転が可能だが命中率が低く、外すと自分の体力が減る「捨て身の攻撃」まであり、臨場感はなかなかのもの。
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「計略」は戦術マップ上で使用できるマップ兵器のようなものになっている。内容は以下の通り。
名前
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効果
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有効 地形
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消費 機動力
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必要 知力
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備考
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火計
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敵兵100~400名を減らす。
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平地、森
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4
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要撃の計
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森、山
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6
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40
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乱水の計
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河
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6
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60
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共殺の計
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敵を同士討ちさせて、指定した敵部隊を中心に 上下左右の部隊の敵兵100~400名を減らす。 敵部隊に隣接する部隊が無いと使用できない。
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森、山
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9
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80
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城に直接計略を掛ける事は出来ないので、 これで同士討ちに巻き込む事が唯一の手段。 城の兵士1000人、隣接部隊の兵士0人でも城兵400人を倒す事は可能。
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虚兵の計
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敵を数ターン足止めする。
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森、山
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4
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移動できなくなるだけで、戦闘・計略は可能。
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連環の計
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河
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4
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60
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陥穽の計
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敵武将の体力を減らす。
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森、山
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5
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病院の無い都市では回復できないので注意。
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籠絡の計
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敵武将を自軍に寝返らせる。
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城以外
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10
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80
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忠誠度の低い武将を引き抜く唯一の手段。 戦略画面での引き抜きはできない。
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上位の計略には高い知力が必要となる。このため敵に知力60以上の武将がいない場合は河が計略に対する安全地帯になったり、忠誠度が低すぎる武将がいても敵に知力80以上の武将がいなければ絶対に引き抜きをかけられる心配が無い。 逆に言えば、せっかく敵軍に忠誠度が低い武将がいたとしても、こちらに知力80以上の武将がいないと普通に戦うしか無くなる。このため、引き抜き要員として知力80以上の武将を全ての前線都市に配置しておきたい。
光栄のゲームだったら金と魅力でなんとかなるんだが
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計略による兵士の減少は、上位の兵種から順に(弓兵、騎兵、歩兵の順)減っていくので、戦闘前に強力な兵士を優先して削ることができる。敵に弓兵がいなくなれば、残りは無傷で片付けられる場合が多いので、非常に強力な攻撃手段である。防衛戦で無傷で勝つことは単純に有利であるのみならず、兵士補充のための命令書1枚を浮かせることができるという意味で戦略上の意義まであるのだ。
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地形は先述の戦闘時の影響以外にも、移動時の消費機動力軽減効果、そして計略に対しては以下のような個性を持つ。
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平地:消費機動力が少ない「火計」をガンガン受けてしまう。割と危険な地形。
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山:兵士を減らされる「要撃」、武将の体力を減らされる「陥穽」、足止めされる「虚兵」と多彩な計略を受けてしまう。要撃の方が火計より機動力を食うので、平地よりは計略が飛んでくる回数が少なくなる。
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森:「虚兵」「陥穽」に加えて「火計」まで来る最悪の地形。普通のSLGと違って森に防御効果は無く、森が得意な武将もいない一種の罠地形。
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河:兵士を減らされる「乱水」と足止めされる「連環」が来る。知力60以上でないと計略を掛けられないので、相手に知力60以上の武将がいない場合は計略に対する安全地帯となる。
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砂漠:「籠絡」以外何も飛んでこない。こちらが攻める場合はここを拠点にして守備部隊に計略を仕掛けるのが有効。
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城:全ての計略を掛けることができない。そのため忠誠度が低すぎる武将を配置しても「籠絡の計」は掛けられないし、知力が低くても計略に対して安全地帯になる。
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BGMもなかなかの粒揃い。耳障りになるようなことはなく、不思議な中毒性と魅力がある。
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全般的に光栄『三國志』よりも理解しやすく、遊びやすく、サクサク進み、好みの武将を育成もできる。と一通りのシステムが揃っており三国志ゲーとして非常に優秀だった。
問題点
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情報集めの不便さ
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手動で結果報告を聞く必要があるのでうっかり忘れると情報集めの結果が反映されず武将も使用できなくなる。
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戦争では守備側が絶対有利すぎるきらいがある。
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先にも述べた「計略」が強力無比。どんな武将でもかかる可能性はあるため、マップの好きなところに自軍を配置できる守備側は、敵が接近してくるまで機動力の許す限り計略を使いまくることができ、攻撃側は辿り着くまでにボロボロになっていることも珍しくない。
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攻撃側の勝利条件が「敵部隊を10
日
以内に全滅させる」なのに対し、守備側は「10日守りきる」「敵の総大将を壊滅させる」と2種類あり、「城を落とされたら敗北」というルールが無いため、城を落とされても10日逃げ回れば勝ててしまう。
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城にいる武将には直接計略を掛けられない、裏技に「機動力の無限増殖」が存在しているのもこの短所を強調してしまっている。
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その為攻撃側が損失を少なくするためには「敵将の範囲外(4~6マス辺り)まで接近して計略連発で弱らせる」→「機動力を最大まで溜めて一気に敵将まで接近し攻撃」→「敵ターンの前にすかさず後退又は退却」と言った方法を何度も使用して戦力を削る必要がある。これでは大量の機動力が必要になるし、10日以内に決着を付けねばならないのでなかなか難しい。
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「武将の育成」システムをフル活用すると、人物が没個性になりがち。
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武力・知力が80以上の武将はそれ以上能力値を上げられないため、80台前半で止まっている武将より、79の武将のほうが価値が出てしまう。教育の結果次第では知力ならば最高で88、武力ならば95にまでなる可能性がある。
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また、戦闘時の各部隊の耐久値は「武将の体力値」と等しい。体力の上限値を増加させる方法はないので「能力値は高いが体力が低い武将」より、「能力値は低くても体力が高い武将」のほうが、育成していくと後々役に立つ。
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このゲームでも『三国志演義』や史実で若くして病死している武将は体力値が低めに設定されていることが多く「
郭嘉
」や「
周瑜
」などの有名どころの武将が微妙に使いにくかったりする。
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光栄の三國志であれば「政治力」になっている、内政関連に知力と共に適用されるステータスが「人徳」になっている。このため、政治力は発揮したが人物的にはいかがなものかとされる「
賈詡
」は人徳が低いので内政に寄与できず、政治力は全然無いボンクラ君主だが焦土作戦を進言されたら却下する「無能な善人」と演義で描かれた「
劉璋
」は人徳97と無駄にトップクラスで、もちろん知力はどん底だが勉強させれば立派な政治ができる有能君主に化ける。
政治では無く人徳とはっきり書いてあるのだから仕方ないのだが、光栄の査定に慣れているとどうにも違和感がぬぐえない場合もちらほら……。
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この「人徳」のデータは71以上(と、知力も71以上)で最高の結果が期待できるようになり、人徳71以上に設定されている武将は全員内政担当官の素質がある。
だが、なぜか諸葛亮の人徳が70になっていて、ぎりぎり足りない。このため情報集めに行かせると「何も情報は得られませんでした」と失敗報告をする諸葛亮の姿も……。知力が最高値の99であろうと、人徳1点の差をカバーすることはできないのである。もし「政治力」だったら95以上は間違いないのに……。
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なお、前述の人材引き抜き「籠絡の計」で必要なのは知力であり、人徳では忠誠度が低い武将の引き抜きはできない。
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部隊同士が交戦する際「前進」「後退」「待機」「退却」「降参」といった大まかな命令しか出せないため、慣れるまではなかなか各部隊を思うように操れない。
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武将名が基本的にカタカナのため、
袁尚
、
張紘
、
張昭
など読みが同じ人物が何人か削られている。
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忠誠度が50台(55~57?)の武将が降伏するか籠絡の計で寝返ると、忠誠度が67に上昇するバグがある。
総評
UIに不便な面はあるものの三国志ならではの壮大なスケール感を再現しつつ『独眼竜政宗』同様とっつきやすいシステムと動きのあるグラフィックで光栄(コーエーテクモゲームス)版『三國志』とは違った味わいをもつ作品に仕上がった。
これらの方向性は『キングオブキングス』や『ミリティア』といったその後のナムコSLG作品にも一部受け継がれている。
続編
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三国志II 覇王の大陸(FC、1992年6月10日発売)
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基本面は本作を踏襲しているが武将数をはじめ全体的にボリュームアップ。
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ナムコアンソロジー1(PS、1998年6月8日発売)
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上記FC版三国志IIのオリジナル版とPSアレンジ版を「覇王の大陸」に改題の上で収録。
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中原の覇者 -三国将星伝-(PSP、2006年2月9日発売)
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複数シナリオ制、戦闘シーンの3D表現等大きく変化。育てた武将での戦闘を楽しめる通信対戦モードも搭載。
最終更新:2022年08月02日 10:43