ダウンタウンスペシャル くにおくんの時代劇だよ全員集合!

【だうんたうんすぺしゃる くにおくんのじだいげきだよぜんいんしゅうごう】

ジャンル アクション

対応機種 ファミリーコンピュータ
ゲームボーイ
メディア 2MbitROMカートリッジ
発売・開発元 テクノスジャパン
発売日 1991年7月26日(FC)
1993年12月22日(GB)
定価 6,500円(FC)
4,800円(GB)
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2009年5月12日/500Wiiポイント
【3DS】2013年7月10日/500円
【WiiU】2013年12月4日/500円
判定 良作
くにおくんシリーズ

概要

テクノスジャパンの人気作「くにおくんシリーズ」の一作。
本作は『ダウンタウン熱血物語』(以下、熱血物語)を下敷きに必殺技や設定を大幅にパワーアップした、見下ろし型2Dベルトスクロールアクションとなっている。
敵を倒すとレベルが上がり、金で必殺技や装備で強化していくRPG要素もある。
また、FC版くにおくんシリーズでは唯一のバッテリーバックアップ対応ソフトでもある。

舞台は江戸時代の日本。くにおくんシリーズに登場した様々な面々が敵や味方になり、事件解決のために日本全国を歩いて周る。

ゲーム内容

日本各地をめぐる地域の概要
ストーリーを進めるには敵の一家がいる場所をマップで確認して追いかける必要がある。
敵の一家がいる国まではわかるが、細かい居場所まではわからない為、敵を追いつつ追われつつ日本中を駆ける事となる。

+ 地名一覧
地名 特徴 民謡BGM
するが 現在の静岡県。文蔵一家の家があり、キャラチェンジはここで行える。 ちゃっきり節
かわち 現在の大阪府。商業の町として栄えており店がとても多い。 河内音頭
えっちゅう 現在の富山県。水源地が近いのか水流が多く立体交差している地形が特徴。 越中おわら節
りくちゅう 現在の岩手県。山間が多く溶岩も流れ出しており温泉地でもある。 南部牛追唄
とさ 現在の高知県。湾岸地域で島が点在し、海が大部分を占めている。 よさこい節
こうずけ 現在の群馬県。湿地が点在する夕日情景が眩しい地。 八木節
ながと 現在の山口県。洞窟が随所存在する入り組んだ地形。 男なら
いなば 現在の鳥取県。果てしなく砂地が広がる砂丘が特徴。 貝殻節
ひぜん 現在の佐賀県・長崎県。異国情緒があふれる町で店が多い。丘からは蒸気船が拝める。 長崎のんのこ節
えぞ 現在の北海道。地面がすべてすべる氷と雪で覆われている。 北海盆唄*1

操作形態

  • 二人同時プレイが可能。コンフィグでくにまさと相棒の担当を入れ替えたり、NPC操作か2P操作か選択でき、双方の攻撃が干渉するか(殴り合えるか)どうかも選べる。

武器

  • 武器も様々。身近にあるものから物騒なものまで種類は数多い。「熱血物語」同様にエリアチェンジすることで配置される種類が変わるので強い武器を狙ってみることも可能。
    • 武器は使うだけでなく、武器自体を蹴ったり叩いたりして滑らせ、敵にぶつけてダメージを与えることも可能。
    • 上に乗れる武器も存在する。水流に流れる武器に身を任せて敵を翻弄・陽動させることもできる。
    • 攻撃力は種類によって異なり「まっはたたき」を習得していることで更に攻撃力倍率が設定されている。固さや重量がありそうな武器はダウン判定が設定されていたりと細かい。
  • 更に、画面内の全武器を念力で浮かせて飛ばす「やまだのじゅつ」を会得していれば、乗った武器ごと敵めがけて飛んで行くという荒業も可能。ただし、こちらは「きょうりょく」状態にしても相棒には当たり判定があるため、下手をすると相棒を倒してしまうことも…。
+ 武器一覧
  • ※のついている武器は、地面に置かれている武器を場外に出した上で、敵に持ち込んでもらう必要がある。
武器 リーチ・攻撃力・性能
小石 リーチも攻撃力も低め。軽いので投げればそれなりに遠くまで飛ぶ。水に沈む。
竹槍※ リーチも攻撃力も中程度。ドスを長くしたような見かけだが、どすすぺしゃるは使えない。
戸板 リーチが長めで離れた敵にも当たりやすい。薄いので倒れている敵には当たらない。上に乗れる。
リーチはやや短い。上に乗れるが口が上に向いていると中に入ってしまう。投げつけて頭に当たると被らせることができる。
ドス※ リーチは中程度だが攻撃性能は申し分なく、どすすぺしゃるを使える。見た目とは裏腹に効果音が個性的*2。水に沈む。
大八車 リーチは長く攻撃性能も高い。「まっはたたき」での倍率も各武器で最高ランク。Aで押し・引きの切り替え、Bで持ち上げる。押して体当たりや轢いたりできるがダメージはない。上にも乗れる。木製なので水には浮く。故に汎用性に富んだ武器。
切り株 リーチは短め。攻撃力も中性能。上に乗れる。投げると転がっていく。
リーチは短いが縦の判定は大きく、倒れている敵も殴れる。見た目通り通常叩きの攻撃力が武器の中で最高で「まっはたたき」の倍率も大八車と同等。上にも乗れる。水に沈む。
ダウンした
敵・相棒
最もリーチが長い。敵で敵を叩くこともできる。もちろん相棒も武器として使える。しかし、起き上がってしまうのが難点。

施設
施設は全部で10種類。状況や手段によって利用ができる。

+ 施設紹介
店名 概要
よろずや 装備品や技などを取り扱っている。
だんごや・めしや・
うどんや・そばや
体力をその場で回復する食べ物を取り扱っている。一部所持できるものもある。回復量は基本的に値段と同じ。
とば 丁半で賭けができる。勝つと払った金額に応じて倍になる。
くすりや 気力を回復させる「薬」を取り扱っている。その場では回復せず、全品所持品として扱う。
やどや 100文で気力・体力が全回復する。
なぞのみせ 各地に隠れている、強力なアイテムを扱うお店。
ぶんぞうのいえ 仲間(相棒)の入替えができる。ストーリーを進める為にも立ち寄る必要がある。

シリーズとの変更点

  • 各エリアでボス登場までに倒さねばならないザコ数が10人と前々作『熱血物語』より多い(『熱血物語』では4人)。
  • 『行進曲』では軽いダメージを受けただけでは持っている武器を落とさなかったが、少しのダメージで落としてしまうように変更。
  • 必ず相棒を連れていく形となった。「さくせん」である程度制御する事が出来る。
    • ちなみに初期の相棒は「つるまつ」こと「そのかわ(千里台高校のメガネ面雑魚敵)」。しかも本作での「くにおを兄貴と呼んで慕う」キャラクター性が定着し、後のシリーズでも頻繁に登場するようになった。ただの汎用雑魚敵から大出世である*3
  • 体力が0になっても気力が体力に還元されて復活するため、体力気力ともに0にしなければとどめにならないという独特のシステム。
    • 厳密には『熱血物語』から気力を体力に還元するシステムだったのだが、こちらは気力のゲージが表示されない上、気力が32以下だと復活しなかったので敵味方共に大抵の場合1度くらいしか復帰できず、若干影が薄かった。
      しかし本作では体力気力がともに0になるまで起き上がってくるので敵も味方もかなりしぶとくなった。
    • 気力ゲージが体力ゲージの下に表示されるようになり、耐えられるかどうかがわかりやすくなった。
  • 能力アップの形式はアイテム装備の他、敵を10体倒す度*4にレベルアップする形式に変更。あらかじめ割り振っておいた成長率に応じて能力が上昇し、一部の必殺技を覚える事もある。
  • 攻撃アクションの追加。
    • ジャンプしてすぐパンチでジャンプアッパーが出せる。「まっはぱんち」を覚えていてもこちらが優先される。
    • ダウンした敵への追い打ちは『熱血物語』では「すとんぴんぐ」と「持ち上げ」のみだったが、「腰かけパンチ」「ジャイアントスイング」等の攻撃手段が大量に増えたため、ダウン中の危険性が増した。
  • 26もの必殺技があり、レベルを上げる・店で買う事で覚えられる。

評価点

  • メインのアクション部分は「見て楽しい、触って楽しい」と、シンプルにして良質。
    • アクション性が向上し、また難易度が緩和。比較的シビアな攻略が要求されるシリーズ作品の中では大胆な方の作りであり、プレイヤーの好きに暴れられるようになっている。
      • 基礎アクションも追い打ち含めて大量に攻撃手段が増加、加えて、シンプルな操作で26もの必殺技を繰り出せるのはFCのアクションとしては特筆すべき点であると言える。
    • キャラクターの挙動は相変わらず多彩で、見ていて楽しいモーションが多い。
    • オブジェクトがコミカルで、石や岩はもとより、桶や、なんと荷車(大八車)まで武器として使用できる。倒れた敵を荷車で轢いてペシャンコにすることもできる。
      • なぜか桶を頭にかぶることもできる。ただしその状態になると技が一切出せなくなる。桶を取るには攻撃を受けるか、走って壁にぶつかって一時ダウンするしかない。敵に被せた場合は左右に走ってもがき続けるのでやり過ごしたり一発強力な必殺技をお見舞いさせるなど有利な戦略が立てられる。
    • フィールドも平地や坂、川や池、つり橋、崖、谷、溶岩と多彩。
      • 崖や谷に落ちると別のフィールドに移動したり、溶岩に入ると敵味方関係なくダメージを受けていくというギミックも。ちなみに溶岩のダメージは強烈で、一度入るだけで体力が半分に減る。無論体力・気力が0になると敵味方関係なく死ぬ。
      • これを利用してザコ敵を谷や崖、溶岩に突き落としてやりすごしたり、「たいせん」で溶岩に落とし合い対決なんてやった御方も多いだろう。
      • それまでのシリーズでは商店街や校舎といった日常的なフィールドしか出ていなかったが「時代劇」という設定にしたことで、上記のあらゆるフィールドを無理なく落とし込むことに成功したといえる。
  • 「全員集合」に恥じない登場キャラ数
    • 『熱血物語』では敵として大量に登場したダウンタウンキャラだったが、本作では時代劇と言う事で、関係がリセットされており、味方になるキャラが大幅に増えた。
      • 『熱血行進曲』からも「くまだ」「よしの」「いちじょう」「とうどう」といったキャラが登場。
    • 「豪田」演ずる文藏やダブルドラゴン兄弟演ずる「辰一」「辰二」等、『熱血物語』では強敵だったキャラを仲間として使える楽しみがある。
      • 「金助(望月)」の「ニトロアタック」や「重吉(山田)」の「山田の術」、「甚六(鬼塚)」の「人間ドリル」等、『熱血物語』では必殺技が無かったキャラも個性的な必殺技を引っ提げて登場しており、以後のシリーズでもそのキャラの持ち技となるなど、後のシリーズに与えた影響も少なくない。
    • ショップの店員は『熱血物語』の「島田真美」演じる「お美津」であり、賭場は冷峰学園応援ガールの「藍原静」が演ずる「お紋」だったりとサブキャラもそれまでのシリーズのキャラが演じている。
    • 熱血高校ドッジボール部』からは「らおちぇん」と「へいるまん」が出演。またモブに戻ったと言えるが雑魚敵として『サッカー編』のドッジボール部員「しんいち」「こうじ」やサッカー部員「まさ」「げんえい」「あつし」など多数登場。
      • 総じて、それまでのすべてのシリーズから最低一人はキャラが登場しており、お祭り作品としての面目躍如といえる。
  • セリフも多彩になった
    • 『熱血物語』よりも種類が増えており、「親分に負けた時」「再戦した時」などでボスが違うセリフを喋るようになった。「つぎのげーむはとうどうくんとやまだくんだぜ」といったメタ発言も健在。
  • マップ散策や隠し要素の発見も楽しみの一つ。
    • 一つの地方に一つ以上「なぞのみせ」という店が隠されている。解りやすい洞窟の中から、断崖をおりて走り続けたり、一見唯の画面端にしか見えない場所を降りていく等隠され方は多彩。
  • エンディングこそ二種類のみだが、倒した敵や選択肢、連れている仲間によってストーリーが分岐する。中には連れていかないと(腹いせで一時的に)敵に回る等のギャグを交えた寸劇も用意されており、全体的にシナリオが愉快で親しみやすい。
    • シリーズにはつきもののおまけ要素も充実している。スタート直後から難易度を「やさしい」以下に落とさずに最後まで進め、ラストの選択肢で「いいえ」を選ぶと…。ニヤリとすること受け合いの展開が待っている。
    • さらには難易度を「ちょむず」にした状態でこのエンディング内でマイクに息を吹きかけると腰が動くという隠し要素がある。
  • 作中に流れるBGMはその土地の民謡を模したアレンジが多く、それぞれの雰囲気を美麗に演出しており人気高い。
  • 成長システムが経験値によるレベルアップ方式でステータスの割り振りも自由に設定でき、思い通りの成長をさせることが出来る。
    • あまり重要ではないパラメーターの成長率を下げて、あげたいパラメーターに当てるといったことが可能。
  • 設定できる要素が多い。
    • 選べる難易度。下げればボスを含めたほとんどの敵がパンチ一発で死ぬほど簡単になるが、上げると最初のボスに到達する事すら容易ではないところまで上昇する。
      • 中盤に登場する「甚六(鬼塚)」は「ちょむず」にする事で全パラメーターがカンスト付近まで上がり、かつ強力な「にんげんどりる」を巧みに使ってくる為、時代劇最強のボスとして語り継がれる。
      • 同時期に登場する「仁左衛門(松戸)」も自身や相棒が強ければ強いほど強敵となる。「へんしんわざ」で自分達の強さをコピーし、覚えている全ての技を繰り出すある意味甚六に引けを取らない強さを持つ。
    • 上記二人同時プレイ時のNPC/プレイヤー切り替えから殴り合いまで選択可能。さらにはNPCの志向性まで指定できる。
    • 水流の流れすら操作可能。限界まで調整すると別世界が広がる。
      • また、攻撃力のバランスや守備のバランスもいじくる事が出来る。例えば「ちょむず」のプレイは序盤はまるで歯が立たないが、攻撃バランスをうんと上げる事で攻撃が通るようになる。……かわりにこちらも一撃で吹き飛ぶリスキーなバランスにする事が出来る。
  • 「なぞのみせ」で売られているアイテムも様々な支援が受けられるものが多い。
    • 氷の地面に滑らなくなる「すのーせった」や荒地や砂漠に足が囚われにくくなる「すぱいくせった」や「らくだのきゃはん」、水流に全く影響されなくなる「かっぱのきゃはん」体力が自動的に徐々に回復する「まほうのきもの」*5大ジャンプして滞空時間が底上げできる「すけすけのたび」など支援アイテムが数多い。
    • 他にも装備している効果がそのまま2倍になる「こうかが2ばい」やレベルアップ時の能力アップが2倍になる「UPが2ばい」。敵ボス撃破時にそのボスが使っていた必殺技を会得できる「たつじんめがね」なども存在する。安価ではないが、頑張ってお金をためて買う価値はある。
  • COMの相棒の存在。
    • それまでのダウンタウンシリーズは2Pが不在の場合はくに政扮するくにおが単騎で挑むパターンだったが、2PがCOMとして付くようになりバトル面の安定度が増した。
    • 相棒が倒されない限りは数に不利になるという場面が解消されCOMの相棒は積極的に敵を倒しに行くパターンでプログラムされており共闘している「感」が感じられるようになった。ただ、相棒は逃避することは一切しないので敵の強さ次第では向こう見ずに返り討ちに遭ってしまい単騎で挑む羽目になるので過信は禁物。
    • 従来通りにくに政の単騎で挑みたい場合は敵の出現するエリアで「たいせん」「2P」設定にして相棒を倒してしまえばよい。
  • 特殊アイテムの存在。
    • 身につけていると敵に一切襲われなくなる「さんきちおまもり」と一時的にお金がMAX状態になる「すてきなひととき」といった変わり種も存在する。進行上いずれもNPCから貰えるものである。
    • さんきちおまもりを身につけて敵全てを相棒に任せて楽したり、逆に相棒に身につけさせて無双するもよし、すてきなひとときで高額アイテムを買いまくるといったプレイヤーに有利なアイテムも登場。ある種救済措置にあたるものも存在する。

賛否両論点

  • 賭場で全額賭けて勝つと所持金が倍になる(負けると無一文)。勝ったらセーブ、負けたらロードを繰り返すと簡単に所持金がカンストしてしまう。
    • 必殺技やアイテム使い放題のパワープレイを楽しめるが、ゲームバランスは崩れる。
  • 一部のステータス強化に誤字がある。
    • 「うたれづよさ」というステータスがあるが、もちものリストから該当する装備品を身につけた際は「○○はうたれよさが○○あがった!」という誤字がある。
  • 全員集合と銘打っているが、冷峰四天王の一人「木下」だけが『熱血物語』初出のボス敵で唯一未登場。『熱血物語』でもよく倒すのを忘れられていたが…
    • また、前作『行進曲』初登場のキャラで時代劇にも登場しているキャラはごく一部のみ。主人公くにおの所属する熱血高校チームのキャラはおらず、りき所属の花園高校チームからは一人だけ。『行進曲』で追加された必殺技もほとんど採用されておらず、西村や小林も別の必殺技を使用する。

問題点

  • 一部マップの地域境界が複雑に入り組んでいて分かりにくい地方がある。
    • また、「ひぜん」や「りくちゅう」などにある、落下すると別マップに移動するマップは転がされている最中に落ちてエリアチェンジになりやすいため、非常に戦いづらい。
  • 作中に説明が無く、実際に買って装備してみないとわからないアイテムがある。中には装備しても具体的な効果のわからない物や、特定の地形の影響を無効化するなどの追加効果のある装備品も(もちろん説明は無い)。
  • 戦闘バランスがやや不安定で、戦法がワンパターンになりやすい。
    • レベルアップ等による攻撃力の上昇や、特定の技や条件が重なると、敵が吹っ飛んで画面外にまで転がっていってしまう事がままある。追いかけて自分も画面外に出てしまえばエリアチェンジ(その戦闘は無効)となるため、敵が戻ってくるまで待たねばならない。しかもザコ敵はダウンからの復帰が遅い。
    • 気力の体力変換は「ダウン時且つ体力0の場合」に限るので、高威力の単発技は二発目以降は無駄が多く、逆に変換のプロセスが高速で繰り返されるダウン中に連続ヒットする技(ダウン専用追撃技も含む)が異常に強力。威力の高い技は上記の様に敵を大きくふっ飛ばしてしまうのでなおさら使い勝手が悪い。
    • 「ぼうぎょ」のパラメータを上げると防御が出やすくなるが、「相手の攻撃より一瞬遅れて攻撃を出す」というシチュエーションに限られるため非常に出しにくい。武器を使うスタイルだとタイミングが合っていても防御できないので死にステータスとなる。
      • 中盤以降のボスは防御が高く、連続ヒットする必殺技ですら完璧にガードしてくる。「はいぱーがーど」を持つ平七(小林)に通常攻撃するのは自殺行為。
    • 「うたれづよさ」のパラメータが一定以上になると大ダメージを受けるようになる。最初からうたれづよさが高い仲間は大ダメージをもらうことが多く、「へいるまん」などのうたれづよさが低いキャラの方が長持ちするという逆転現象が発生してしまっている。
      • 難易度を上げるほど敵のパラメータが上昇するので、「ちょむず」にするとほとんどの敵キャラに大ダメージを与えられるようになってしまう。体力だけでなく気力も上がるので、あまり簡単にはならないが。
      • うたれづよさが中途半端だとどんなに強力な攻撃でも1ダメージになることもある。こうなると連続ヒットする技で地道に体力を削っていくしかない。
    • 重力が軽くてキャラがふわふわ飛ぶ。特に敵のジャンプ攻撃は全部頭上で空振りするので萎える。
    • ドスなどの持ち込み系の武器は既存のフィールド武器を一旦画面外に捨てないと敵が持ってきてくれない。ボスで出てくる弥五郎(五代)も「どすすぺしゃる」を得意とするが、ドスがなくて必殺技が使えないということがしょっちゅうで、まったく手応えがない。
    • どんなに武器投げの威力を上げても武器投げで一撃で敵が吹っ飛ばず、屈むだけ。「わーぷしゅーと」でも同様。また「わーぷしゅーと」の判定が敵味方関係なく「近距離キャラクター判定」で被弾設定されているので近くに相棒がいて敵が遠いと幾ら投げても相棒に被弾してしまう。
    • 相手を持ち上げて投げ飛ばしてもダメージゼロ。大技であるはずのダブル魚雷もダメージゼロ。
    • 敵に吹き飛ばされると、「転がっている最中にもう一度殴られて吹き飛ばされる」の繰り返しを受けてなす術もなくハメられることが多い。特に1人プレイの場合はそのまま画面端まで飛ばされてエリアチェンジさせられるのでストレスが溜まる。
    • 「まっはすいんぐ」という必殺技は店に売っておらず、レベルアップで覚えることもなく、覚えている敵もいないので実質ボツ技になっている。
      • 後述の裏技で使用可能になる。高速でジャイアントスイングを決める技で、広範囲の敵をなぎ倒せるが味方も巻き込む上、ジャイアントスイング中の敵にダメージはないので実用性はほぼ無い。が、見ていて何か楽しい。
  • ストーリーの説明不足やバグ、設定ミスがてんこ盛り。
    • フラグ管理がマズく、内部的に存在している台詞が出なかったり、止めを刺さないことで仲間になるキャラに止めを刺しても普通に仲間になったりする。
    • 序盤に登場し、なぜか再登場する「一兵衛(上条)」&「六兵衛(山本)」一家。しかも配下含めステータスは弱いままでセリフに変化もなく倒しても何も無い。
      • 「そういえばおかしな二人組がいた」という情報と共に現れるのでいわゆるミスリードポジションなのだが、序盤ですでに無関係である事が判明しているのと、進め方によっては既におかしな二人組がマップにいるのでミスリードとしては微妙すぎる立場になっている。
      • 同じく序盤に登場する「銀八(沢口)」一家も中盤から再登場する上、何度倒そうが無限沸きするようになるが、ストーリー的な絡みは特になく、銀八は「くにおに何度ボコボコにされても立ち上がる根性の男」とされていることに加え、いわゆる金稼ぎ、経験値稼ぎ用に設計されている節があるので大して問題にされていない。
    • シリーズで代表的なキャラである「りき」演ずる「力五郎」が隠しキャラにされており、進め方によってはゲームのエンディングまで「りき」が出てこないといった事も。
      • 特定のタイミングで1P限定でかつ相棒が倒される事によって出現するが、「お前には世話になったぜ」と唐突なセリフを喋るのでキャラの背景が分かりづらく、謎のキャラクターに思われやすい(一応、序盤に登場し手合わせを挑んでくる「よのすけ(吉野)」の手引きで助太刀してくれる事になったという裏話はあるが、その背景が語られる事はない)。
        おまけにタイミングによってはバグにより、上記セリフさえ口にせずいきなり現れる事もある。
      • 辰一(辰二)も同様であるが、こちらは倒してとどめを刺す選択肢を選んでも仲間になる上に、すでに相棒が倒れていた場合、とどめを刺した瞬間に無言で仲間になると輪にかけて意味不明なことになってしまう*6
    • 説明書記載の「虎蔵(熊田)」の一家が登場せず、虎蔵自身はあさじろう一家の雑魚を率いて登場する。
      • 「根立(半四郎)」と「松戸(仁左衛門)」は説明書に記載されてはいるが今作でいきなりの初登場だったためほとんど「あんた誰?」状態だった。*7
+ ネタバレ
  • そして最大の問題点にしてバグ、ラスボスの一人(重吉)の謎の挙動。始めは仲間になるのだが、途中でいなくなってしまい、黒幕の「浅次郎」とつるんでいることを匂わせる。
    • しかしそのタイミングで「あっしを連れて行ってくれ!」と言い放ってなぜかまた仲間に復帰する。それから仲間の「重吉」を連れて行くと、「重吉」がラスボスとしても登場し、「重吉」が二人に増殖するという不可思議な現象が起こる。
      • 本来ならば連れて行った「重吉」が裏切るといったシチュエーションなのかもしれないが、そんな事は一切無い*8
    • また、ゲーム中に突然裏切ってくる「つる松(園川)」。倒しても意味不明のセリフを吐くだけで訳がわからない。実は催眠術で操られていたという設定があるが、ゲーム中に説明はない。ちなみに、倒した後の選択で仲間に戻る。
      • これも「重吉」を仲間にした状態で「つる松」と共に待機させる事で発生するので「重吉」が催眠術を使ったという形になるが、イベントによる説明は一切ないため、意味不明にしか映らない。
  • ……このため、「重吉」は獅子身中の虫というポジションにありながらバグや説明不足なせいでまったく意味不明なキャラになってしまった。
  • 権作(西村)は序盤に登場して倒すことで仲間にする事が出来るが、相棒にしないまま一定期間が経過すると「連れて行ってくれないから」という理由で裏切ってしまう。しかもつる松と違い、倒しても仲間に戻らない。
    • 裏切るまでのタイマーが存在しており、一度減ると回復しないのでプレイが長引くと相棒を権作で固定でもしない限りはほぼ確実に離反される。困った事に権作が死んでいる間もタイマーがカウントされてしまうので、最後まで連れて行くのが至難の業となっている。
      • 後述の移植版『くにおくん ザ・ワールド クラシックスコレクション』のクオリティアップモードでは権作を相棒にする事でタイマーが回復するようになっており、たまに連れて行く事で離反を回避する事が出来るようになった。
  • 金助(望月)も、終盤ぶんぞうの家に行くと一度仲間から抜けるが、とらぞうを倒した後行くと、また戻って来る。
    • 戻ってきた時にくにまさのステータス割り振りがバグってしまい、めちゃくちゃ高い値を設定できるようなり一瞬でMAXまで成長できるようになってしまう。
  • 説明書記載のボス使用必殺技が実際のゲームでは異なるキャラが存在する。そもそも記載と能力値が違うのが難。
    • ボスキャラは全員武器投げが強いタイプになってしまっている。素早さが高いはずの金助も足が遅い。
  • 説明書も間違いが多く、特にため吉一家のステータスが平七一家のステータスと混ざって滅茶苦茶になっている。
  • 敵がいる時は処理落ちでゲームスピードが目で見てわかるレベルで低下する。
  • NPCの相方は画面外に出るといちいちプレイヤーの側まで戻ってくる。NPCは鬱陶しいことが多いが外すことが出来ない。
    • また、NPCの相方の攻撃を禁止する事が出来ない。ダウンする前の転がる敵を一度だけ殴って、画面外まで追いやるといった事を繰り返すため、敵を倒すのに非常に時間がかかってしまう。
    • 敵めがけて走って行く習性がある為壁や段差がある場合、迂回するという行動をしない。敵が壁、段差のある場所にいる場合は、突っ走る→壁に激突→気絶→突っ走る→壁に激突という謎の動作を繰り返す。NPCだけでは無く敵側も同じ動作をするので気の抜けた戦闘になることも。
    • NPCは買い物をすることができず、体力回復が困難。また自動回復する「まほうのきもの」を着せてもNPCは回復しない。
      • どうしても回復したければ回復アイテムを買って渡して使わせるか、2P操作に切り替えて二人で店に入らなければならない。面倒なのでわざと倒して画面切り替えで復活させるのが手っ取り早い。
    • NPCが「へんしんわざ」を習得していると頻繁に使う。相手が強い分は利点だが専ら雑魚戦の場合は自身より弱い雑魚に変身してしまい運が悪いと倒されてしまうこともある。
      • 必殺技設定をオフにしてしまえばこのようなことは起きない。変身時は体力・気力の肩代わりとしての利点がある技だがその辺りの運用がうまく出来ていないとも言える。
  • 難易度の「やさしい」と「ちょやさ」が内部数値的に違いが無い。
  • 店で「うどん」や「だんご」といったその場で食べる食べ物を買うと所持アイテムが消えてしまうバグが存在する。

総評

多彩な必殺技と異様にしぶとい敵、数の多い雑魚等を相手と、ひたすら戦い続ける事がポイントになっている。独特なベルトスクロールアクションであったくにおくんシリーズの中でも、かなり大胆かつ大味な立ち回りが容認される本作は、攻略していて楽しいというよりも、触っていて楽しいゲームとなっている。


移植

  • GB版(1993年12月22日)
    • FC版発売から2年後に、GBでも発売。通信機能による2P協力・対戦も搭載されている。
    • 全体的に良移植だが、モノクロ故にマップ画面で敵の識別が出来ない難点がある。
    • 会話がボスのみになっており、ザコ敵の名前や「けんかですかえ!」などの掛け声が丸々オミットされてしまった。
    • 文蔵のパラメーターが異様に高くなっておりイメージ通りの最強の親分になっている、陸中の溶岩のダメージが無くなるといった微調整が加えられている。
    • ボスの必殺技が一部変更。
      • 平七の「はいぱーがーど」が「まっはたたき」に変更され倒しやすくなった。
      • 甚六は「にんげんどりる」に加え「まっはぱんちII」が加わり、さらに強化された。
      • 仁左衛門が「へんしんわざ」に加え「まっはすいんぐ」を使うようになり、たつじんめがね利用で必殺技を自力コンプできるようになった。
      • 会話だけして去っていくボスの必殺技もたつじんめがねで覚えられるようになった。重吉の「やまだのじゅつ」も対決前に覚えられてしまう。
  • GBA『くにおくん 熱血コレクション1/2/3(2006年)
    • 上記『3』に収録。
    • しかし本作の移植度には難がありセーブ機能が削られている。セーブ画面はしっかり残されているため、「ばっちりきろくしました」と出るのに実際はセーブされていないという意味不明な事になってしまっている。
  • 携帯アプリ版(2003~2008年)
    • 色々と追加要素が施されている。
  • バーチャルコンソール版(Wii/3DS/WiiU)(2009~2013年)
    • 単体としては唯一のFC版純正移植。
    • GB版も3DS限定で配信。
  • 3DS『くにおくん熱血コンプリートファミコン編』(2016年)
    • 他作品とのオムニバス形式で収録。
  • Switch/PS4/XboxOne/Steam『くにおくん ザ・ワールド クラシックスコレクション』(2018年)
    • 他作品とのオムニバス形式で収録。
    • 他作品と同様に「クオリティアップモード」もある。上記の大半の問題点にメスが入っており、バグはほぼ全て修正された(ボスキャラのステータスが設定どおりになったり、虎蔵一家の雑魚がちゃんと登場する等)。更に戦闘バランスにもアレンジが入る等、別ゲームと思わせるほどの大幅な修正が施されている。

余談

  • せってい画面でセレクトを押す事で名前変更できる裏技がある。さらにこの名前変更で「こがねむし」と入力すると大金所持・全裏技を習得済みになり、さらには「まっぷのかーそる」も手に入り自由にマップ移動が可能な状態となる。
    • GB版では「いいかんじ」と入力する事で同等の裏技ができる。
  • 本作の登場人物はすべて「くにまさ(演者:くにお)」といった表現がなされている為、「くにお」達が時代劇を演じているような扱いだったが、近年では「くにお」と「くにまさ」は別のキャラクターとして扱われている。

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最終更新:2024年03月14日 23:41

*1 ドリフターズの歌として有名な為、『8時だョ!全員集合』で聞いた事がある人も多いのではないだろうか。オリジナル楽曲はこちらである。

*2 刃物とは思えない程に「ポンッ」と軽い音が鳴る。本物ではなく劇であるという演出だと思われる。

*3 本作では代わりに「いちじょう」が雑魚敵に抜擢されてしまったが、これはこれで納得の配役である。

*4 厳密には体力気力を0にした瞬間に1カウントされる。なのでダウンしていなければ倒した判定の敵でも普通に襲い掛かってくるが、1ダウンで倒れる。

*5 2PがCOM状態の場合自動回復しない。

*6 本来ならばとどめを刺さなかった事に感謝して仲間になってくれるのだが……とどめを刺すふりをして見逃したのだろうか?

*7 ただし松戸に関しては本作の「仁左衛門」のストーリー上でも戦闘上でもインパクトが強く、以後のシリーズでも「仁左衛門」は出るが「松戸」が出てくる事は極端に少なくなり、逆に松戸本人が「あんた誰?」になるという逆転現象が起きている。

*8 2Pが仲間を操作する事も想定して、仲間が裏切るといったイベントは作りづらいのかもしれないが……