グーニーズ2 フラッテリー最後の挑戦

【ぐーにーずつー ふらってりーさいごのちょうせん】

ジャンル アクション
対応機種 ファミリーコンピュータ
メディア 1Mbit+64kRAMROMカートリッジ
発売・開発元 コナミ
発売日 1987年3月18日
定価 5,300円
判定 良作


概要

同名冒険映画のゲーム化作品であるファミコン版『グーニーズ』の続編。ステージクリア型アクションから2D探索型アクションゲームに変わっている。

ストーリー

グーニーズの活躍でギャング「フラッテリー一家」は警察に逮捕された。
しかしそれから一年後、再び脱獄した彼らは主人公マイキーを除くグーニーズのメンバーと、
新しくグーニーズの仲間となった人魚のアニーを誘拐し、最後の挑戦状を叩き付けてきた。
マイキーはグーニーズの仲間とアニーの救出を目指して一家のアジトへと乗り込んでいく。


特徴

  • 横からの視点のアクションゲームで、操作はジャンプ+攻撃という前作同様シンプルな構成。
    • 横移動はなめらかなスクロールで、縦移動はハシゴやツタを使った画面切り替え式。
  • OMOTE(表)とURA(裏)の二面のマップを、後述する扉を介して行き来しながら探索していく。
  • 6人の仲間を助けて、最後に人魚のアニーを解放すればエンディングとなる。
    • 扉に入ると3D視点によるAVGスタイルの探索モードの部屋に移行。壁を叩いたり人と話してアイテムや扉を探す。
      • 3D視点ではあるが向きの概念はなく、構造は同社の『がんばれゴエモン』や『月風魔伝』に比べればシンプルとなっており迷う事はまずない。
      • 但し、アイテムや扉の隠し場所はノーヒント。手探りで探索を進める事になる。
      • 部屋内では素手で叩く他、ハンマーや眼鏡、梯子などのアイテムも駆使して調査する。
      • 出口は複数あることもあり、OMOTEマップとURAマップの行き来をここでおこなう。
    • 仲間を解放することでライフの最大値が上昇する。
  • アクション画面での攻撃方法はヨーヨーが標準装備。他にも入手すればブーメランやパチンコを用いる事も出来る。また水中では水中銃を使う。
    • 但し、ブーメランは特定の敵に食べられてしまう為、もしその敵をブーメランで攻撃したり接触されたりするとまた取りに行く羽目に。パチンコも弾が尽きたらまた取りに行かなければならない。
    • 他にも消耗品である爆弾と火炎瓶も存在する。これらはボックスを入手して以降は敵がランダムで落とすようになる為、また取りに行く必要はない。
    • 敵は永久沸き。敵を倒すと爆弾や鍵、回復のハートを残していく。

評価点

  • マップが広く、扉によるワープも多いので探索のボリュームは十分。
    • ステージも屋根裏部屋や洞窟、つり橋に水中と様々。アイテムを要する謎解きも多く、プレイヤーを飽きさせない。
  • アイテム数は多く、バリエーションも豊富。
    • 爆弾で壁を壊す、潜水服で水中に潜る、蝋燭で暗闇を照らす、眼鏡で見えない扉を見つけるなど、使い道も様々。
    • コナミマンが体力を全回復してくれるなど、ファンサービスもある。
      • ちなみにコナミマン(コナミ マンタロウ)はエンディングのニュースキャスターとしても登場している。
  • トランシーバーを使うと、ヒント以外にも小ネタに富んだ台詞を聞く事が出来る。
    • 中には『マグマ大使』を元ネタにした「コナミ大使」*1から通信が入る事すらある。
  • ゲームオーバー時にリアルなフラッテリーのボスことママ(俳優アン・ラムジー)が説教してくれる。
    • 但し、ママに協力する息子のジェイクとフランシスは割と適当に描写されている。
  • 前作同様の映画テーマ曲「グーニーズはグッド・イナフ(The Goonies 'R' Good Enough)」のアレンジを始め、本作オリジナル曲も含めてBGMのクオリティは高い。

問題点

  • 横スクロール以外にも様々な要素を盛り込んではいるが、まとまりに欠けている。
    • 探索要素は面白さを増す長所でもあるが、何もない上にヒントも無い場所を叩く必要があったりと難易度が高い。マップも複雑で、後述のようなコンティニューの不便さもあって前作より難易度が大きく上昇している。
    • 逆にボスバトルが無い点など人によっては物足りなさを感じる部分も*2。ラスボスも存在せず、アニーを救出したら即エンディングとなる。
  • 探索画面でのメッセージ表記が遅い。
    • 加えてカーソル移動速度も遅い。何度も壁や床を叩く必要のあるゲームだが、それをスムーズに行えるとは言い難い。
  • パスワード制をとっているコナミの他作品でも見られることだが、ゲームオーバーにならないとパスワードを取得できない。
    • 再開地点もゲーム開始場所からなので、手間が掛かる。
  • ダンジョンで出会う人々について。
    • おばあさんを5回叩く事でアイテムをもらえると言う局面があるが、プレイヤーによっては気分を害する描写である。*3
      • 気分を害する以前におばあさんを5回も叩かない(他に人を叩くことで得られるアイテムもなく、複数叩くことによるメッセージ変化もない)ため、自力で見つけることは相当な困難である。
    • ワープをしてくれるおじいさんと前述したおばあさんは和風の格好だが、原作映画では日系の人物は登場しない*4ので違和感がある。
    • ダンジョンで出会うエスキモーの親父など、挨拶をするだけでヒントも何も教えてくれないキャラクターが多い。
      • それだけなら雰囲気を盛り上げるフレーバーテキストという見方はできるが、前述の通りノーヒントの謎解きが多いため、ミスリードになりうる。
    • 一方、原作映画でグーニーズの仲間になったスロース*5は一切登場しない。
  • 原作要素は薄め。
    • 前作同様、仲間達の外見上の描き分けが出来ておらず、原作映画に登場した仲間達には到底見えない。前述した通りスロースも登場しない(一応、前作と違ってアンディやステフらしき女の子もいるが)。
    • オリジナルキャラクターのアニーが人魚だったり、半魚人の協力者が居たりする他、一部のザコ敵も妙にファンタジックであり、ゲーム的な都合とはいえ、ファンタジー要素が全く無い原作との乖離も激しい。
      • ファンタジーではないにしても、前述の通りダンジョンで出会う老人たちが和風だったりと、原作の世界観からかけ離れている要素もちらほらと見受けられる。
    • フラッテリー一家も(倒してもすぐに復活するが)雑魚キャラクターとしてしか登場しない。ボスであるママでさえ、爆弾を投げて攻撃する強力な雑魚でしかない。
  • ゲームバランス上の問題。
    • 仲間を助けるごとにライフ全回復+上限1ブロックアップするが、それ以外の回復手段で主立ったものは、敵が落とすハート。しかし、落とす確率がかなり低いため、全くあてにならない。
      • 先述のコナミマンが体力全回復の手段ではあるが、隠し扉の中等、分かりにくい箇所に配置されていることが多いため、位置を知っているかどうかで攻略難度が大きく変わる。
    • 前述のブーメランを奪う敵だが、出現場所の足場が悪いうえに意外と動きが早いため、奪われずに抜けるのはかなり困難。ほとんど、奪われる前提になってしまっている。
    • 一部の敵の耐久力が無駄に高い。ガイコツやドラゴン、甲冑を身にまとった姿の敵は何度も攻撃を行わなければ倒せないため、テンポがやや悪い。

総評

原作らしかぬ要素が少なからずあるため、原作ファンにとってはそこを割り切れるかで本作に対する評価は分かれやすいかもしれないが、
原作から離れたオリジナル作品として作られつつ、探索アクションとしてのボリュームと歯応えは十分にあり、前作同様、版権モノとは侮れない完成度を誇る作品である。近年(2022年)は『メトロイドヴァニア』として一人気ジャンルとなった2D探索アクションだが、実は本作の方が『ドラキュラII 呪いの封印』よりも先である。その意味では、本作は『真のコナミ側のジャンル始祖』と言えるのかも知れない。


余談

  • 『グーニーズ2』と銘打たれているが、同じくコナミから発売された『キングコング2 怒りのメガトンパンチ』のような続編映画の原作が存在した訳ではなく、FC版『グーニーズ』の続編としてコナミが独自に制作したものとなっている。
    • そのため、映画としての『グーニーズ2』は実在しない。
    • 本家映画が生まれたアメリカでは、前作がNES(ファミコン)で発売されずアーケード版のみだったため知名度が低かったこともあり、映画の続編も無いのにいきなりNESで本作が『The Goonies II』として発売されたことで当時のアメリカのちびっ子達に混乱を招いたようである。
  • ちなみに後年になって、原作映画の続編の構想があった事も発表された。
    • 大人になったグーニーズの話で、本作とは全く別の話である。
    • 発表はあったが、様々な事情で白紙化を繰り返して未だ実現されてはいない。
  • 本作の翌年に発売された『コナミワイワイワールド』にマイキーが登場しているが、そちらは版権の関係でテーマ曲であるシンディ・ローパーの「GOONIES "R" GOOD ENOUGH」が使えないという事情もあり、マイキーの専用BGMは本作のオリジナルBGM(地下通路ステージ)からの出典となっている。
    • この曲は元々は前作『グーニーズ』の2面BGMのアレンジだが、本作でフレーズが大きく改変されて別物のようになっており、『ワイワイワールド』版は本作のアレンジを元にしている。

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1987年 コナミ FC ACT
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最終更新:2023年08月05日 18:51

*1 髪型と体躯の大きさ以外はまんま元ネタそのものの姿である。権利関係のうるさくない時代だからできたのだろう。

*2 本作だけの問題ではなく、前作も同様である。

*3 一部では「肩たたきの報酬」と言われることもあるが、実際はどこを叩いても問題はないし、叩いた反応は いたい、なにをする。である

*4 原作映画のグーニーズの一員である「データ」ことリッキー・ワンは中国系という設定。

*5 ママの息子の一人だが純真な性格の巨漢で、それゆえ母や兄たちに顔が醜く崩れるほどの虐待を受けて育つという気の毒な過去を持つ。