超人学園ゴウカイザー
【ちょうじんがくえんごうかいざー】
ジャンル
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格闘ゲーム
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対応機種
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プレイステーション
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発売・開発元
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アーバンプラント
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発売日
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1997年7月17日
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定価
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5,800円
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判定
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劣化ゲー
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ポイント
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ネオジオ版から大幅劣化 誰得な3Dステージモード ネオジオゲームのPS移植版は絶対買ってはいけない教訓 クソゲーに片足を突っ込んだ内容
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概要
原作については『超人学園ゴウカイザー』を参照。
元は、1995年にテクノスジャパンが開発し、同社最後の自社発売となったアーケードの対戦格闘ゲーム。
倒したキャラから必殺技を1つ伝授されるトレースシステム、『バトルファイターズ餓狼伝説』でネオジオユーザーにもお馴染みになった大張正巳によるキャラクターデザイン等、他の格ゲーでは類を見ない新鮮な要素が話題を呼んでアーケードゲーマーに衝撃を与えた。
その後は、OVAやコミックゲーメスト連載のコミカライズ等メディアミックスも行われファンを増やす。
OVAの最終巻より半年後、アーバンプラントからプレイステーションにも移植されたが…。
問題点
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タイトルロゴは新たに書き下ろされているがピンボケしている。
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発売前の雑誌でこのロゴを見て嫌な予感がした人も多かっただろう。
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ネオジオ版から色々削除。
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まず本作の容量の都合上、本作の持ち味であるトレースシステムが削除されてしまい、待ち望んでいた多くのファンから怒りの声が上がった。
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一部の必殺技も削除され、代わりに新たな技が追加・変更されたが、追加された技が変なキャラも。
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例えばバトルマスター神龍の百歩神撃は、掌から気弾を放ち、ロックした相手を地面に叩き付ける技だったが、PS版では両手をフリフリしながら相手に突進。
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紫紅京介に至っては、三体の式神が全く呼び出せなくなっている。
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PSに移植されたネオジオ作品の例に漏れず、キャラのアニメーションも一部カットされて、やはり動きはカクカク。
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更には同キャラ対戦も容量の都合上、カットされてしまった。当然ながら、2P対戦でも同キャラ不可。
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キャラクターセレクト画面もプレイヤーと相手キャラが1体ずつ表示される形式に変更されてしまって不自然。
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各キャラクターの勝利台詞も一言だけの味気ない物に変更されてしまった。
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ネオジオ版には存在していた個別EDもカットされ、選択したキャラに関係なく主人公のゴウカイザーの一枚絵と「to be continued」の文字が書かれた物に変更されている。
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乱舞系の超必殺技の当たり判定が不安定
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何故か乱舞系の超必殺技を当てても途中でガードが可能だったり、ガードしていても途中で喰らったり、乱舞が途中から外れたりと、判定が不安定。
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カオスな3Dステージモード
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移植に当たって背景が3Dの3Dステージモードというモードが新規追加。
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が、地面板状ポリゴンの上に背景板ポリゴンが突っ立っているだけという正に立体絵本の様な不自然な物になっている。
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ステージ上のキャラも見た目は普通の2Dグラフィックキャラだが、アングルが変わると紙人形の如くペラペラになっているため、余計不自然。
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しかもプレイヤーの動きに応じてカメラが動く仕様で、3D酔いを引き起こしやすい。
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…と何もかもがダメダメで、早速誰得と言わざるを得ないモードである。
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ちなみにPSにはスプライト機能が無く、テクスチャーを張られたポリゴンをスプライト代わりに使っているため、他のPS版2D格ゲーでも理論上は可能だそうな。そもそもこのモード自体誰得なモードであるため、真似をするメーカーは居なかったが。
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後述する『ダブルドラゴン』にもこのモードが収録されていたが、カメラアングルを固定できたあちら側とは異なり同機能が削除されている点で劣化してしまっている。正直不要だと言うのは置いといて。
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データバンクに難あり
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ネオジオCD版と同様に、キャラの設定画やラフ画が見れたり、キャラのボイスも聞けるデータバンクも追加。
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が、PS版のこちらは画質が悪く、キャラのボイスも何を言っているのか分からず、おまけにインターフェイスも○で次ページへ、□で前ページへと操作性も難。
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ファン向けのモードの筈なのに、機能を全く果たせていない体たらく。
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ステージ関連
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神龍ステージとブライダーのステージが変更された。
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―前者は夜の都会から墜落事故が発生した山奥、後者は特撮のパロディーらしき所から飛行場の滑走路にそれぞれ変更。
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キャプテンステージでは双子の子供が削除され、かりんステージでは万里の長城の階段にロバが配置された。
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京介ステージには、本来アーケード版の神龍ステージにいた警官と白猫が登場。
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白猫は兎も角、なぜ、警官がいるのか?恐らく教会に配属された警備員という演出なのかもしれない。
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他
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PSに移植された他のネオジオ作品同様、例によってロードも遅い。
評価点
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OPはOVAの映像を流用したものに変更されているが、割と凝っており悪くはない。
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BGMはネオジオ版の物を使用しているため、比較的良好。
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ボス2体は対戦モードで無条件で使用可能。ネオジオCD版のように長いコマンドを入力する必要はない。
総評
アーケード版やOVA版のファンを落胆させた出来。その糞移植度は、『斬サム』にも匹敵する。
もっとも、本作や『斬サム』、『メタスラX』に限らず、ネオジオゲーのPS版は軒並み移植度が低い作品が多く、ある意味恒例とも言える。他のネオジオゲーのセガサターン版が「拡張RAMカートリッジ」等の恩恵によって、ネオジオに引けを取らない程の移植度を実現していることを鑑みると、せめて移植先がPSではなくSSであれば、少なくとも幾らかはマシになったはずである。
どうしても遊びたいならネオジオROM版またはネオジオCD版を購入するしかない。後者は歌に耐性が無ければお勧めしかねるが…。
余談
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本作を発売したアーバンプラントは以前、本作と同じテクノスジャパンの『ダブルドラゴン』を発売していたが、壊滅的な出来の本作とは異なり遊べる作品になっている模様。
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本作は移植スタッフ曰く「ネオジオ版からの完全移植ではなく、PSハード機能を活かしたキャラクターのアニメーションを見せることにプライオリティーをおき制作」したとのことで「バージョン1.5と言っても過言でないと確信しております」とのコメントが出されているのだが、何故削りに削って劣化したPS版をアッパーバージョンと扱っているのか…。
最終更新:2019年04月05日 08:23