行殺♡新選組

【ぎょうさつ しんせんぐみ】

ジャンル 人斬り美少女あどべんちゃ~
対応機種 Windows 95/98
メディア CD-ROM 2枚組
発売・開発元 ライアーソフト
発売日 2000年4月28日
定価 8,800円(税別)
レーティング アダルトゲーム
判定 バカゲー
ポイント 早すぎた女体化ゲー
バカゲーの皮を被ったシリアスゲー
ライアーソフト関連作品リンク

概要

ライアーソフト2作目のゲームで、新撰組を題材にしたエロゲー。
近藤勇や土方歳三等の歴史上の人物を女性にした、いわゆる「女体化ゲー」の走りである。

ストーリー

江戸時代の終焉を予感させる幕末の混乱期。

幕府転覆を目指す悪のキンノーが跳梁跋扈する京の町に、敢然と『誠』の一文字を旗に掲げた新選組。

今日も今日とてキンノーを斬り、京の町を守るために戦います。

しかし、旗揚げしたばかりの彼女達には、お金もなければ世間の目も冷たいものです。

新選組に入隊したばかりの主人公は、この逆境を克服しつつ、悪を斬り、また悪を斬り、たまには息抜きで温泉にも行ったりしつつ、いずれ訪れる晴れ舞台、『池田屋事件』で勝利を収めるべく新選組は奮闘を続けます。

果たして、新選組は迫り来る戊辰戦争に勝利を収められるのか?

そして、何より重要な問題、新米隊士の想いはヒロインに届いてくれるのか!?

特徴

  • 登場するヒロインは以下の通り。
    • 近藤勇子(近藤勇)
      • おっとりした性格で皆をまとめあげる局長。ただしドM
    • 土方歳江(土方歳三)
      • 敵にも味方にも容赦のない新選組の「鬼の副長」。ややツンデレ。
    • カモミール芹沢(芹沢鴨)
      • 豪快な性格のもう一人の新選組局長。金髪碧眼。武器は鉄扇とカモちゃん砲(88mm砲)。
    • 沖田鈴音(沖田総司)
      • 病弱だが新選組最強の剣士。眼鏡っ娘であだ名は「そーじ」。都合が悪くなると血を吐いてごまかす。
    • 原田沙乃(原田左之助)
      • 性格も見た目も子供っぽいロリっ子。
    • 永倉新(永倉新八)
      • 力任せに永倉ハンマーを振り回すバカ。色恋沙汰は苦手。
    • 他にサブヒロインとして町娘のおまちちゃん、衆道ルートの斎藤はじめがいる。
  • 動き回るフェイスウインドウ
    • フェイスウインドウのみで立ち絵は存在しないが、暴れる時には勢い良く動き回り、酔っ払った時にはフェイスウィンドウがふらふら動き回る、といったように、フェイスウインドウでシナリオを演出している。
  • 「押し借りクイズ」
    • 町の人から金を借りるにはクイズに答える必要がある。マニアックな問題も出る為、難易度は高め。
  • 「真剣勝負!」
    • キンノーとの戦闘。形式はルーレット。

評価点

シナリオ

  • 史実を上手く組み込んだシナリオ
    • 基本的には水着回等もあるギャルゲーテイストなシナリオだが、本筋はあくまでも史実通りに進行し、特にシナリオ最終盤の『池田屋事件』等はシリアスに描かれている。
    • 史実どおりなので、カモミール芹沢(芹沢鴨)はメインヒロインの一人なのに暗殺される
      • ギャルゲーらしく、個別ルートに入っていれば回避も可能。
    • 何人かに用意されたクリア後の追加シナリオ「EXシナリオ」においては、五稜郭での戦い等、新撰組が消え行く姿まで描かれている。
    • これらの要素により、最初は気楽にギャグを楽しんでいたはずが、最後には哀愁漂う新撰組の最期に涙する事になる。
  • ギャグはギャグでかなりふざけており、例えばパラメーターの一つ「不条理」を0にすると、本物の新撰組が帰ってきたので逃げるEDに。

その他

  • BGMはなかなかの名曲ぞろい。
    • ライアーソフトは全般的にBGMの評価が高い。
  • 強烈な電波ソング主題歌「見つめて☆新選組」
    • OPムービーを含め、本作のカオスさを端的に表している。
  • 八雲剣豪の描くイラストは少々癖が強いが、可愛らしく評価は高め。
    • 逆に言うと裸になってもエロさが物足りない絵柄なので、エロゲーとしては微妙だが。

賛否両論点

  • 難しすぎるクイズ
    • 「押し借りクイズ」に出てくる問題は非常に難易度が高く、普通に遊んでいるとロードを繰り返して答えを暗記でもしない限り全問正解はまず無理。
      • 例えば、「映画「エノケンの近藤勇」の監督さんは?」や、「マンガ俺の新選組はどこで終わったでしょう?」等。
      • 中には、Q.「「新選組」と「新撰組」どちらが本当なのですか?」 A.「どっちでもいいじゃん」や、Q.「次の中で、ファンタジーの敵は何か。1、想像力の欠如 2、意外性の欠如 3、水●良」等のふざけた問題も。
        どうやらファンタジー問題の出題者はいわゆる「ラノベ」が嫌いらしく*1、余計な一言が多い。
    • ぶっちゃけクリアには影響しないので、コレが原因でクリア出来ないといった事はない。クイズで遊びたくなったら遊ぶ程度に考えれば、やり応えがあるともいえる。

問題点

  • 起動すら不安定なバグ
    • 初期のライアーソフトは「バグが初回特典」と言われる位に毎度毎度何かしらバグがあった。
      • 第1ロットには修正ファイルの入ったFDが同梱されていた。第2ロット以降は修正版になり、FDはなし。
        修正用の同梱FDにすら不具合のある物も
    • 第2ロット以降でも、メモリを消費し続け長時間プレイをするとPC自体重くなるといった報告もある。
  • 意味のないパラメーター
    • 「財政」、「治安」、「発言力」、「知名度」、「評判」、「不条理」といったパラメーターがあるが、基本的に気にする意味がない。
    • 「財政」は一部の会話が変更、「不条理」は一部のED条件に絡む。
  • 歴史ファン(特に勤王派ファン)に喧嘩を売るレベルの設定各種。
    • 坂本竜馬はただの外道、他は有名どころでも下ネタ混じりの雑魚敵扱い。

総評

今となっては珍しくもなくなった「歴史上の人物を女体化したゲーム」を2000年に発売した女体化ゲーの走りであり、随所には新撰組らしさをしっかりと残して上手くギャルゲーに作り上げている怪作。
設定からシステムまでかなり人を選ぶゲームだが、ファンの多くが最終盤のシナリオに惹き込まれた事から、「バカゲーの皮を被ったシリアスゲー」とも言われる。
純粋に史実を愛好する人には到底勧められる内容ではないが、こうしたぶっ飛んだ内容が好めるのであればそれなりに楽しめるだろう。


その後の展開

  • 後に新ヒロイン等を追加したリメイク作『行殺♡新選組FRESH』が発売されている。下記参照。

余談

後に同じく新撰組を女性化した(正確には「元ネタの娘」)全年齢向け作品『機動新撰組 萌えよ剣』がエンターブレインから2002年末に発売されている。
キャラデザに超有名漫画家の高橋留美子を迎え、タイアップアニメも放送するほどの力の入れようだったが…ヒットとは程遠かった。
2年以上も後に発売されたそちらですらまだ女体化はイロモノ扱いだったと言える(と言うか「エロゲーだから」と開き直れた本作とは違い、全年齢向け故にイロモノ視が激しかった)。
なおこちらの舞台は明治時代で、明治政府から特別に認められた自警団扱いで、坂本龍馬(の息子)も所属している。


行殺♡新選組FRESH

【ぎょうさつ しんせんぐみ ふれっしゅ】

対応機種 Windows 95~XP
廉価版:Windows 7~10

メディア CD-ROM 2枚組
廉価版:DVD-ROM 1枚
発売日 2002年8月2日
定価 6,800円(税別)
廉価版 Liar-soft Selection:2016年5月27日/2,980円(税別)
配信 2010年8月31日/2,933円(税別)
レーティング アダルトゲーム
判定 バカゲー

概要(FRESH)

ライアーソフトのゲームの中でも特に人気の高かった『行殺♡新選組』のリメイク作。

追加・変更点

  • 新ヒロインとして藤堂平(藤堂平助)を追加
  • 一部キャラにEXシナリオを追加
  • メインキャラにボイスを追加
    • パートボイスで、18禁シーンや重要イベント等
  • ルーレット式の「真剣勝負!」がカードバトルの「キンノーファイト」へ変更
  • 「押し借りクイズ」に数多くのジャンルを追加

評価点(FRESH)

  • 追加シナリオは全体的に好評
    • 藤堂平シナリオも評判は良いが本編中はほぼ出番がない。
      • 他のキャラで言うEXシナリオに値する箇所にのみ藤堂平シナリオが存在するため、シナリオは短め。
      • 今回も基本は史実通りなので、藤堂平(藤堂平助)は…。
  • ボイスは印象を壊さずに上手く配役されている。
    • 無印ファンからもイメージとずれていないと好評。
  • 「押し借りクイズ」のジャンル増加はクイズゲーとして見るとかなりの追加要素。
    • 相変わらずほぼシナリオに絡まないので、気楽に遊べる。

問題点(FRESH)

  • またバグ
    • 無印のような起動すら危ういバグはないものの、多数のバグ発生。
      • 現在は修正ファイルを公開しているが、一部は未対応。
  • 全体的な割合で見ると追加要素自体はそう多くはない。
    • その為、追加要素のためだけに買うには少々高いという前作プレイヤーの声もあった。

総評(FRESH)

基本的には無印そのままに、追加要素を入れたバージョンアップ版とでもいうべきリメイク作。
パラメーターには多少の意味が追加されたが、あまり気にしなくていいのも相変わらず。
今遊ぶなら単純に追加要素の増えたFRESHをプレイするのが良いだろう。

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最終更新:2023年12月24日 13:28

*1 水野良氏は大ヒットラノベにしてTRPGブームの立役者『ロードス島戦記』の作者。