幕末浪漫 月華の剣士

【ばくまつろまん げっかのけんし】

ジャンル 対戦格闘アクション
対応機種 アーケード(MVS)
ネオジオ
ネオジオCD
発売・開発元 SNK
稼働開始日 1997年12月5日
発売日 【NG】1998年1月29日
【NGCD】1998年3月26日
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2012年3月13日/900Wiiポイント
判定 良作
月華の剣士シリーズ
一幕 / 二幕 / 特別編


概要

SNKが1997年にMVS(業務用ネオジオ)でリリースした、『サムライスピリッツ』シリーズに続くSNK第二の剣劇格闘ゲーム。同社の武器格闘ゲーム*1としては『サムスピ』『風雲』シリーズに続く3シリーズ目となる。続編が『第二幕』と冠されたタイトルとなっているのに因んでか、区別として本作は『第一幕』と呼ばれることが多い(本ページでも便宜上この表記を用いる)。
風雲シリーズが前年の『風雲スーパータッグバトル』をもって終了し、同年にサムスピがハイパーネオジオ64基板の『侍魂 ~SAMURAI SPIRITS~』で3D路線に切り替えられたのに合わせてリリースされた2D格闘ゲームである。
キャッチコピーは「剣に生きた時代でした。」

特徴

  • 『サムスピ』や『風雲』同様、登場キャラクターは刀などの武器を手に取って戦うのだが、前述の二作と決定的に異なるのが「弾き」の存在である。これにより、ジリジリした睨み合いよりも、動的な駆け引きを重視したゲーム性となっている。
  • 美形の主人公とその義兄弟といったキャラクターやスタイリッシュな演出、大幅に簡略化された操作性などをセールスポイントとしており、比較的見た目も中身も濃い印象があったサムスピはおろか、突き詰めて濃い色物路線を突き進んだ風雲とは別のプレイヤー層を狙った作品だったと思われる。
  • 舞台はサムスピが江戸時代中期、風雲が逆に近未来を描いていたのに対し、本作ではタイトルが示すとおり「幕末」を描き、新撰組や西洋被れの衣装を着たキャラクターも登場。四神や陰陽道といったオカルト要素も設定に深く関わっている。
    • 時系列も、同社製でいくつかの他の格闘ゲームのシリーズに含まれており、大雑把に説明すると、「月華(本作)→龍虎餓狼→風雲」の順番となる。即ち本作はその時系列で最初に位置することとなる。
  • キャラクターイラストはTONKO(せんのあき)が担当。

システム

MVS(ネオジオ)のゲームの為、1レバー+4ボタン操作となる。

  • Aが弱斬り、Bが強斬り、Cが蹴り、Dが弾き。弱斬り・強斬り・蹴りの通常技は全キャラ共通してレバー特定方向と同時入力で変化する(4A、6B、6C、3C。いずれもテンキー表示で右向き時)。
  • 通常投げはレバー左右+B。BC同時押しで中段攻撃。
  • 本作では、必殺技は「奥義」、超必殺技は「超奥義」、後述する剣質「力」専用の超必殺技(『餓狼伝説』シリーズで言うところの潜在能力)は「潜在奥義」と表記されている。
    • 超奥義は剣質ゲージ(後述)を消費して使用するが、体力が一定量以下になると体力ゲージが点滅し、超奥義が使い放題になる(剣質ゲージも消費しない)。

剣質

使用キャラクターを選択した後「剣質」を選択することになるのだが、『サムスピ』のそれが同一キャラ・同じ通常技で剣質ごとに異なる必殺技を用意していたのに対し、本作ではキャラクターの技の性能自体が剣質ごとに異なるスタイルとなっている*2

  • 剣質には「力」と「技」の二つが存在し、どちらも攻撃を当てていくことで「剣質ゲージ」を溜めていく。
    • 剣質ゲージは1本のみ存在。最大まで溜めると白く光り、一度消費するとゼロに戻る。
  • 剣質「力」
    • 攻撃力が高く、斬り攻撃をガードされても必殺技のように体力を削ることが可能。しかし斬り攻撃をガードされると『サムスピ』のように弾かれモーションが出てしまう。
    • 特定の奥義をキャンセルして超奥義に繋げられる「昇華」が使用可能。前述の超奥義が使用可能な条件ならば特に制限はない。
    • 剣質ゲージがMAXかつ体力ゲージが点滅している状態で、剣質ゲージを全て消費して専用の「潜在奥義」を使用することが可能。
    • 同じ技をヒット・またはガードさせた場合、剣質ゲージの溜まり具合が後述の「技」よりも良い。
  • 剣質「技」
    • 攻撃力は「力」には劣るが一部の技の動作が速くなり、キャンセル可能な通常技が多くなる。但し強斬りのみは「力」同様弾かれモーションが出る。
      • 一部の奥義の性能も「力」と異なっている。
    • 「連殺斬」が使用可能。これは『サムスピ』で言うところの連斬、『餓狼』で言うところのコンビネーションアタックのようなもので、小技から繋げることが可能。基本的に蹴りは含まれない。
    • 剣質ゲージがMAXかつ体力ゲージが点滅している状態で、剣質ゲージを全て消費して「22+AB」というコマンドで「乱舞奥義」を使用することが可能。
      • これはカプコンのゲームで言うところの「オリジナルコンボ」に近いもので、発動中はキャラが青く光り、持続時間が画面下部にゲージで表示される。
        効果としては、殆どの動作が速くなり、攻撃を他の攻撃でキャンセル可能になる(奥義は奥義でのみ可能。感覚としては『KOF2002』以降の、後のKOFの数作に搭載されたどこでもキャンセル系に近い)。攻撃を当てた際のヒットバックが少なくなり、相手ののけぞり時間が増加。また全ての攻撃で自動的に短距離前進し、空中に吹き飛んだ相手にも連続ヒットするようになる。

弾き

本作を象徴するシステム。迂闊に技を出してしまうとしっぺ返しを喰うという、『サムスピ』とは違った「動いた方が負け」という感を作り出している。

  • Dを押すとキャラが身を引くような動作をし、残像が現れる。この動作中に弾ける時間帯が存在し、この時に相手の攻撃を受けるとそれを弾き返して相手を行動不能に陥らせる。
    • 攻撃を弾かれた相手は、この無防備な状態を短縮することは不可能。普段決めにくい技もこの時に決めることが出来る。
    • ただし弾ける時間帯を過ぎた後は全くの無防備である為、読まれてしまうとこちらが大ダメージを喰らうことになる。また投げ技や飛び道具に対しても全くの無力。
  • D+レバー操作によって「立ち弾き」「しゃがみ弾き」「立ち必殺技弾き」「しゃがみ必殺技弾き」の4種類が存在。立ち・しゃがみはそれぞれ立ちガード・しゃがみガードで防げる技に有効。レバー前要素と同時入力で「必殺技弾き」になる。
    • 必殺技弾きは必殺技だけでなく通常技も弾けるため、通常の弾きを使うことは基本的にない。

その他システム

  • 武器飛ばし
    • ガードクラッシュ値が存在し(ゲーム画面中には表示されない)、それがゼロになるとガードが弾かれ素手状態になってしまう。
    • 素手状態では弾きと一部を除く奥義が使えないといったペナルティが存在する。一部キャラには素手状態での方が高性能になる技や、自ら素手状態になる技もある。
    • 『サムスピ』とは異なり、素手状態で通常技の斬り攻撃をガードしても削りダメージを受けることはない(「力」の通常技は元々削れるため別)。飛ばされた武器は拾うことによって再度使用できる。
    • が、このガードクラッシュ値はガードしていない時の回復スピードが非常に早く、剣質「技」で「ジャンプ強攻撃から連殺斬フルセット」を2セット続けざまにガードさせるぐらいでないと武器は飛ばせず、対戦でもCPU戦でもまずお目にかかれない。例外的に紫鏡の超奥義の追加入力を使うと、(比較的)武器飛ばしを誘発しやすい。
  • 斬殺演出
    • 『サムスピ』同様、勝利が確定するラウンドで特定の技で止めを刺すと、対戦相手の身体が真っ二つになる演出が存在する。突き系の技では血しぶきのみとなる。
      • ただし一条あかりのみは、真っ二つになっても身代わりが斬られるのみの演出になっている。

登場キャラクター

+ 登場キャラクター一覧
    • 主人公。活心一刀流の使い手で、死した養父・慨世より四神の一角・青龍を継ぐことになる。
    • 特定のコマンドを入力すると「覚醒」して、全ての技の性能が大幅にアップするが、その代償として体力が徐々に減少してしまう*3
  • 御名方守矢(みなかた もりや)
    • 楓と雪の義兄。活殺逸刀流(元は活心一刀流)の使い手。
    • 全体的に高性能な技を持つが、コマンドの被りが多く暴発に悩まされるという上級者向けのキャラ。
    • 楓の義姉。氷属性の技を使う。ちなみに彼女は金髪の異国人。
    • 一幕では槍の長いリーチ・出の速い技を兼ね備えており、連続技や二択もお手軽かつ抜群の使い勝手の良さ。性能が非常に高く、最強に近いキャラと言われていた。
  • 玄武の翁
    • 四神の一角・玄武の守護神。慨世と嘉神の師でもあり、かつては「闘将朴然」と呼ばれた、相当な腕前の剣豪であった。「仏舎刀」の境地に目覚め刀を捨て隠遁生活を送っていたが、四神の乱れを感じ再び動くことを決意する。
    • 釣竿や魚篭を武器に闘い、必殺技の中にはスッポンで体力を回復させるものも存在する(但し敵にスッポンを盗られると敵の体力が回復してしまう)。
  • 一条あかり
    • 陰陽師の家系に生まれた少女で、SNK作品では初の関西弁を話す女性キャラである。「えんぐりっしゅ」を興味津々に独学していたり、楓を好みのタイプと言ったりするませた一面も。
    • 自身を妖怪に飲み込ませて突っ込ませたり、ガード不能攻撃を持っていたり、相手からの攻撃のダメージを一発だけ半分にする「護り人形」など、他のキャラクターには無い変則的な性質の技を数多く持つ。
      • でありながら飛び道具、対空技といったスタンダードな技も持ち合わせ、組み立てられる戦術は非常に豊富。連続技の威力も高い。難点は小柄ゆえのリーチの短さ。
    • 続編となる二幕では相手のレバー入力を左右逆にしたり、当て身投げのような性能を持つ「代わり人形」などの技が追加、さらにトリッキーさが増した。どれも使い勝手がイマイチなのはご愛嬌。
  • 神崎十三(かんざき じゅうぞう)
    • あかりの家に居候している巨漢。金棒を武器にして闘う。
    • 所謂パワータイプのキャラで、追加入力型のコマンド投げなど技もそれらしいものが多い。
  • 鷲塚慶一郎(わしづか けいいちろう)
    • 土方歳三直属の部下という設定(どの隊にも属していない)の新撰組隊士。突き系の技が多い辺り、和月伸宏氏の漫画『るろうに剣心』の斎藤一がモチーフなのだろう。
    • 必殺技が本作では珍しい溜め技中心の所謂「タメキャラ」。性能的にはスタンダードなのだが仕様上非常に暴発しやすく、操作には意外にクセがある。
  • 紫鏡(しきょう)
    • 元新撰組隊士の殺人狂で「浮浪(はぐれ)人斬り」になったという、こちらも『るろうに剣心』の鵜堂刃衛がモチーフになったと思われるキャラ。名前の元ネタはある都市伝説からであろう。
    • 狂気を感じる技が多く(彼の超奥義・潜在奥義はどちらも漢字こそ違うが「きょうき」と読む)、勝利台詞もハイテンションでイッてるものが多い。エンディングで衝撃のラストを迎え、続編では…。
  • 天野漂(あまの ひょう)
    • 風流を心から愛する遊び人。声優は大御所である大塚明夫氏。
    • 使える技とそうでない技の差が極端に出ているキャラだが、打撃からの連続技はパワフル。総合的な評価では上位に位置すると言われる。
    • エンディングでは選択肢が用意されていることが特徴で、選んだ選択肢によってルートが分岐するという、格闘ゲームでは珍しいアドベンチャーゲーム要素のある内容となっている。
      • この要素は続編にも受け継がれた(しかもルートの数も更に増えているという徹底ぶり)。
  • 李烈火(リー・レッカ)
    • 清国からやってきた武術家の青年。但し他キャラとの繋がりがないためストーリー的には蚊帳の外(これは後述の斬鉄も同様だが)。
    • 接近戦において真価を発揮するテクニカルキャラで本作随一の手数を誇り、「技」の連殺斬の種類と派生が最も多く、「力」でも他キャラの「技」並に繋がる。
  • 斬鉄(ざんてつ)
    • 龍虎の拳2』に登場した如月影二の流派、如月流忍術を後世に伝えた源流にあたる人物。我が流派こそが最強である証を求めるために戦うという、四乃森蒼紫っぽい要素も持つ。
    • とにかく高性能な技を多く持つ。本作ではより強いキャラがいたため、それほどではなかったが続編では…。
    • エンディングには後の時代に進んだシーンで如月影二も登場しており、本作が『龍虎』シリーズに繋がっていることを示唆している。
  • 直衛示源(なおえ しげん)
    • 四神の一角・白虎の守護神。親友だった嘉神に封印され、怒りと狂気に囚われて封印を破り暴走する。
    • 見ての通りのパワー・投げキャラで、一部の技にスーパーアーマー属性を持っている。体が大きいため相手の攻撃を捌くのに苦労するが、ペースを握った際の破壊力は高い。
  • 暁武蔵(あかつき むさし)
    • 中ボス。嘉神の手によって蘇った伝説の剣豪・宮本武蔵その人。性能的には斬撃重視のパワーキャラ。
    • 隠しコマンドを入力することでプレイヤーも使用可能になる。
    • 続編で唯一続投しなかったキャラ。ただしそれの一部家庭用版で晴れて追加された。
  • 嘉神慎之介(かがみ しんのすけ)
    • ラスボス。四神の一角・朱雀の守護神。地獄門の負の力に当てられ人間の暗黒面のみを一度に見せ付けられ、人類を滅ぼそうと活動を始めた、本作における黒幕。
    • CPU戦で1ラウンド取ると覚醒し、技の性能が大幅に上がる。アーケード版はCPU専用の為使用不可。家庭用でプレイヤーも使用可能。ボスキャラのためかしゃがみモーションは設定されていない*4
    • 続編では通常のプレイアブルキャラとして登場。

評価点

  • 初心者にも入り込みやすいゲーム性
    • 当時の対戦格闘ゲームはコンボやシステム面でのハードルが高くなりつつあり、新規プレイヤーの参入が難しくなっていたという時勢で、その中で本作は初心者にも手軽に楽しめるようにするための工夫が随所に見られる。
    • 大幅に簡略化された単純明快な操作性や、キャラごとに覚えることが少ないということ、手軽に連続技を繋げられることは高い評価を得た。
    • 「弾き」によるシンプルな読み合いを軸とするシステムもよくまとまっており、『サムスピ』とは違った方向の武器格闘としても評価された。
  • 美しい2Dドット絵や美形ぞろいのキャラクター達
    • 近年はどのジャンルでもポリゴンやCG、アニメ調の絵が主流になっており、90年代後半の『ストリートファイターIII』シリーズや『ウォーザード』、『餓狼 MARK OF THE WOLVES』、そして本シリーズなどがドット絵の最高峰と言われ、高い評価を受けている。
    • キャラクターも主人公の楓をはじめ、守矢や雪、ラスボスの嘉神など美形でスタイリッシュなキャラが多く、演出も美麗なものとなっている。
  • クオリティの高いBGM群
    • 本作のBGMはステージを現した環境音楽と、はっきりとテーマを持って作曲された楽曲に分かれるのだが、どちらも評価は高い。
      • 環境音楽は静寂を基調としており、祭りで賑わう神社境内やうら寂しい荒野、波に揺られる船上などを見事に表現している。
      • 楽曲の方はどれも名曲揃い。特にCPU8戦目の宿命対決時に流れる、BGM名「流転」が持つ物悲しい旋律と音色の美しさ、勇壮な盛り上がりを見せる「暁武蔵」戦などは人気も高い。二幕では音楽が一新され決して出来は低くないのだが、「月華で好きな曲は?」と聞かれれば、一幕のほうを指し示す人も決して少なくない。

問題点

  • 格闘ゲームをやりこんだ層には「物足りなさ」を感じさせたこと
    • シンプルな操作性や手軽に繋がる連続技などは初心者や新規ユーザーには歓迎されたが、反面格闘ゲームをやりこんだユーザーに取っては「単調な作業ゲー」「物足りない」と評されることも多い。
    • この点はユーザーによって好みが分かれるところなので一概には言えないのだが。
  • SNKの格闘ゲームにはよくあることなのだが、バランス調整が甘くキャラ格差には相当の開きがある。
    • 永久連続技もあり、そういった格差を自重せずに対戦するとかなり寒いゲームになる。
      • 俗に言う強キャラは、先述のキャラ説明欄でもあった通り、『楓』『雪』『御名方守矢』の主人公とその関係者達。
      • 逆に『玄武の翁』『神崎十三』『直衛示源』はそれぞれ部分的に光るものを持つものの、総合的にはシステムと強さが噛み合っていない面が目立ち、厳しいキャラと言われている。

総評

初心者にも入りやすい「弾き」というシンプルながら読み合いの楽しめる要素、「幕末」という和洋入り乱れる独自色の舞台等もあり、独自の魅力を上手く出すことに成功した一作。
グラフィックやBGMも安定のSNKクオリティでキャラ人気を後押ししていた。


その後の展開


家庭用移植

  • 家庭用ネオジオROM版 1998年1月29日発売(SNK)
    • 当然移植度は完璧。ラスボスの嘉神も使用可能。
  • ネオジオCD版 1998年3月26日発売(SNK)
    • ロードが長く回数が多いのは他のネオジオCD作品と同様だが、グラフィックやBGMに技術を集結させた本作は容量もそれに伴って半端なく、特にロード周りが酷いとされる。しかも本作をデモカット機能を使用せずロム版と同様の演出にした場合、対戦前の掛け合いにさえロードが発生し非常にテンポが悪くなる。
    • 一部ボイスが削減されるなど僅かな劣化が見られるが移植度は基本高く、ライバルキャラとの会話デモはフルボイス化されている。
    • 嘉神は覚醒前と覚醒後から選択するようになっている。
  • プレイステーション版 1999年2月25日発売(SNK) ゲームアーカイブス:2007年4月26日配信/600円(税5%込)
    • ネオジオCD版ベースの移植。『第二幕』の稼働開始から数ヶ月後に発売された。OPにアニメムービーを使用。
    • 既存キャラのコンパチではあるが「一条あか狸」「木偶の示源」「真田小次郎*5」といった隠しキャラが新たに追加された。
    • 武器が飛ばなくなったため、素手状態が存在しない。そのため紫鏡など一部キャラの奥義が変更されている。
    • 移植度の方だが、元々2Dが苦手なPSに移植されたネオジオ及び2D格ゲー全般にも言えることではあるが、ロード時間がやたらと長い、一部の技のモーションが削除されているなどやや劣化移植気味。しかし一方でPS独自の隠しキャラやストーリー、新規ムービーといった豊富な追加要素で頑張っているのが特徴。ファンなら抑えておいても損はない。
  • プレイステーション2版『幕末浪漫 月華の剣士1・2』 2006年1月12日発売(SNKプレイモア、ベスト版2007年6月21日発売)
    • 『NEOGEOオンラインコレクション』第2弾で、『第一幕』と『第二幕』を同時収録。
    • ネオジオROM版の完全移植。なお隠しキャラクターを使う際にはコマンド入力が必要(説明書に掲載)。
    • どちらもROM版の移植である為、第二幕では暁武蔵が使用不可。
  • Steam配信版(Windows Vista以降対応) 2016年8月31日配信開始(開発:DotEmu 販売:SNKプレイモア/980円(税8%込))
    • ネオジオROM版の移植。武蔵、嘉神も使用可能。オンライン対戦にも対応。
    • Steam版は海外版タイトルである「 THE LAST BLADE 」の名前で配信されている。
      • そのため配信当初はゲーム解説文に「本タイトルは海外版を使用しているため、ゲーム内テキストは英語となっております。」と書かれていたが、タイトル画面や台詞など含め日本語にもきちんと対応している。
        後に正式に日本語対応が明記され、上記の文面は削除された。
  • アケアカNEOGEO版(販売:ハムスター) PS4/XboxOne/Windows:2017年5月18日配信開始、Switch:2017年12月14日配信開始
    • アーケードMVS版ベースの移植。家庭用の追加要素はなく、オンライン上でのスコアランキングに対応しているのみ。

余談

  • 続編なども含め、『「月下」の剣士』*6という誤字が多い。
  • 韓国ではキャラクターのほとんどが韓国人に変更、掛け声以外の日本語と分かるキャラクターボイスの削除、一部グラフィックの書き換え、削除など日本的要素を徹底して排除し「The Last Soldier」というタイトルで発売された。OPがオリジナルのものになり、EDは丸々カットされている。
  • 後に『レッドシーズプロファイル』や『スパイフィクション』等を手掛けるSWERYこと末弘秀孝氏がSNK入社後、最初にプランナーとして手掛けた作品が本作である*7

和月伸宏氏との関係

  • 漫画『るろうに剣心』の原作者・和月伸宏氏といえばSNK格闘のファンとしても有名であり、志々雄真実の過去の姿が牙神幻十郎そのまんまだったり、風間火月の必殺技「大爆殺」を志々雄の技「紅蓮腕」としてパロったり、その風間火月をモデルにしたキャラ・戌亥番神を登場させたりと色々やっていたのは格ゲーマニアの間でも有名な話である。
  • 本作は「幕末」が舞台であることから、斎藤一っぽいイメージの技を持つ鷲塚や、鵜堂刃衛の設定をパロった紫鏡や刃衛の姿に良く似た斬鉄など、『るろ剣』の影響を大きく受けている部分もあるが、前述のように和月氏もSNK作品のパロディを多くやっているので「どっちもどっち」「お互い様」と言った所である。
  • 格ゲーマニアの間では両者の関係が取り沙汰されることもあったようだが、後に和月氏の念願が叶い『サムスピ』が『サムライスピリッツ零』として2Dに復帰し、彼自身も主人公を含む3人のキャラクターデザインを任されたりしているので丸く収まったといえる。これによりむしろ「お互いにリスペクトし合っていた」とも取れるだろう。
  • そもそも和月氏は「幕末版サムスピ」を夢見ていたことを『るろ剣』単行本のフリートークで語っており、その再現ともいえる本作については最初から悪感情を持っておらず、鷲塚の「最終・狼牙」の演出を「ひたすらカッコいい」と断言するほど気に入っている。
    • ゲーメストのムックでは和月氏のインタビューも掲載されている。
  • 実はSNK側も、幕末という舞台設定から、剣心の幕末時代の姿である「緋村抜刀斎」をゲスト出演させる予定もあったと、後にFALCOON氏が語っていた。
    • 権利関係がうまく行かなかったらしく、これについてはお蔵入りとなったが、和月氏自身はフリートークでも剣心の出演については何も語っていない。

一方で

  • 李烈火は香港映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』の「黄飛鴻」が元ネタとされている。
    • 黄飛鴻自体は実在の人物(ある意味斎藤一と同じ)なのだが、態々映画の名前を挙げたのは、李のモーションの数々がジェット・リーが演じた同作の「黄飛鴻」の動きそのままだったからである。「鷲塚の狼牙=牙突」のように似ている(恐らく参考にした)どころの話ではなく、同作のジェット・リーのアクションを格闘ゲームで再現しようと試みたとしか思えない出来となっている。はっきり言って『THE KING OF FIGHTERS 2001』のK9999どころじゃない再現度の高さなのだが、こちらは問題にはなっていない(もっとも、こちらは続編の『第二幕』を持ってシリーズ自体が終了、その約3年後に旧SNKも倒産してしまった訳だが……)。
      • 一方で、元ネタ再現のために辮髪(前髪を剃っている≒デコハゲ)まで再現してしまって、本作の女性ファンからは見向きもされなかったとか。
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最終更新:2022年11月06日 09:41

*1 登場人物全員が武器を手に戦う格闘ゲーム

*2 サムスピのように人格や人物が変化するようなことはない。

*3 この体力減少で体力がゼロになってもKOされることはない。

*4 ただし立ち・しゃがみの概念はあり、しゃがみ時の通常技も設定されている。

*5 第二幕の新キャラの1人である真田小次郎=香織の兄で、性能は第二幕の妹とは違い鷲塚のコンパチ。設定通りEDで紫鏡に殺害されてしまう。

*6 本作とは無関係だが、将棋漫画『月下の棋士』の存在の影響も少なからずあると思われる

*7 『風雲スーパータッグバトル』のスタッフクレジットにも名前があるが末弘氏曰く「開発終盤のサポートに近いポジションで参加した」とのことで「一から関わったのは『月華』から」という旨を述べている。