この項目では、『X-MEN CHILDREN OF THE ATOM』のアーケード版と移植版のセガサターン版について紹介しています。
判定は、両方とも「
良作
」。
【えっくすめん ちるどれん おぶ じ あとむ】
ジャンル | 対戦格闘アクション | |
対応機種 | アーケード(CPシステムII) | |
販売・開発元 | カプコン | |
稼働開始日 | 1994年12月15日 | |
プレイ人数 | 1人~2人 | |
判定 | 良作 | |
ポイント |
格闘ゲームの常識を変えた圧倒的自由度の高さ 日本のアメコミの知名度を飛躍的に上げた |
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CAPCOMクロスオーバー関連作品シリーズ | ||
Marvel Comics関連作品シリーズ |
【えっくすめん ちるどれん おぶ じ あとむ】
※共通項目は省略
怒涛の戦い 頂点を極める。
アメリカのマーベル・コミック社の人気漫画『X-MEN』を原作に作られた対戦格闘ゲーム。本作発売の時期はアメコミが非常にプッシュされており、X-MENを含むアメコミの翻訳版の販売や、ゴールデンタイムにテレビ東京系列でテレビアニメ版が放映されていた。それらとの相乗効果もあり、日本国内でのアメコミの知名度を飛躍的に上げた作品と言える。
日本では過去にコナミによりベルトスクロールアクションとしてアーケード化されており(こちらも6人用筐体とハイクオリティな音楽が特徴の佳作。)、そちらと区別するため「COTA」という略称が使われることも。
メイン開発者は『ストリートファイターII』の生みの親である西谷亮氏。当時氏は2D格ゲーの進化について行き詰まりを感じていたが、上司から「『X-MEN』のゲーム化の権利を獲得したんだが、これで何かゲームを作ってみないか?」と持ちかけられ、面白そうだと感じた氏がこの企画に乗った。X-MENのキャラクターを使う前の段階での仮タイトルは『ストリートファイターIII』だったらしく、その名に恥じない斬新な試みがいくつも行われている。
このゲームの大きな特徴、それは「それまでの格闘ゲームの常識を吹き飛ばすほどの圧倒的な自由度の高さ」である。
本作のキャラクターはX-MEN(正義側)・ヴィラン(悪側)が各6人と隠しキャラクターが1人の全13人。うちヴィラン2人はCPU専用のボスキャラクターであり、使用可能キャラクターは全11人。
本作の登場キャラクターは人気よりも個性重視の選抜をされている模様。アニメ版でレギュラーだったキャラクターを差し置いて、サイロック、コロッサス、アイスマン、シルバーサムライ、スパイラルなどお世辞にもメジャーとは言えないキャラクターが登場している。この流れは続編の『MARVEL SUPER HEROES』でも続く。
+ | キャラクター一覧 |
『ストII』の登場以降ほとんどの格闘ゲームがそれに準じたシステムを有してきた中、「ストIIの制限を全く取っ払う」という発想を高い技術とアイデアで完成させた、当時としては全く新しい格闘ゲーム。
自由度が高すぎる故の弊害は勿論出たが、本作の要素の数々は後のいわゆる「コンボゲー」のプロトタイプとなったものと思われ、後の作品に与えた影響はかなり大きい。
もちろんキャラゲーとしても非常に優秀。日本に馴染みの薄いアメコミ作品を認知させることに成功したばかりでなく、後に綿々と続く『VS.シリーズ』の礎となった点も評価されるべきである。
次回作としてスパイダーマンやハルク、アベンジャーズの面々を登場させた『MARVEL SUPER HEROES』、ストリートファイターシリーズのキャラと競演させた『X-MEN VS. STREET FIGHTER』などがある。
どちらかと言うと本作の個性は主にその派手さが継承されており、空中戦や個性的なキャラクター性能などの独自の個性は薄れた感じのゲームとなっている。この路線はVS.シリーズ以降も受け継がれている。
*1 スパイラルのシックスハンドグラップ、オメガレッドのカーボナディウムコイルもこれにカウントされる。スパイラルのメタモルフォーゼの「掴みモーション」は特殊で、他の技で既に2回投げた後ではつかめないのだが、残り回数を減少はさせる事は無く、メタモルフォーゼだけならば一度のコンボに何回でも組み込める。
*2 ただし「途中の繋ぎ方がやや違う」程度も含む。
*3 ただし、初期バージョンには「死体殴りでの攻撃でも気絶値・ゲージが貯まり、次のラウンドに持ち越される」という仕様があった。
*4 サターン版では裏技で対人戦モードでのみジャガーノートを使用できる。
*5 本作でのマグニートーに8方向ダッシュはなく、使用可能なのはストームのみ
*6 むしろ初期の方がその強さに気付いた・操作に慣れた人が少ないなどの理由で猛威は振るわなかった。
*7 技ごとに設定されており、ジャガーノートの攻撃はこの扱いの技が多く、逆にストームの攻撃はこの扱いでないものが多い。マグニートーのビーム(後のE・Mディスラプター)はどう見ても飛び道具だが打撃扱いなので吸い込めたりする。
*8 ただしガンビットは1995年1月に発売されたスーパーファミコン版アクションゲームにビースト共々プレイヤーキャラクターとして登場している。
*9 『マブカプ2』でマーベル社は「全キャラ出せ」と「過去に使用できたキャラ全員」を使えるように厳命した。そのため開発陣の苦労が絶えず、センチネルは当初入れる予定がなかったのに半ば無理矢理入れられることになった。苦労したエピソードを開発者が雑誌で話している。
*10 にもかかわらず、アニタと憲磨呂は「入れるな」とNG命令が出たらしい。印象はかなり悪かった様である。
*11 例えば「ジャガーノートは鈍重であるためジャンプできません(=させる必要もない、ていうかジャンプさせんな)」という指示をマーベル社の担当から受けたがガン無視した、など。
*12 94年12月8日→17日→19日→22日→95年1月5日でアジア、欧州、北米、日本の各地域で並行してアップデートを行わなければならず、更に言えばオンラインも無い時代なのでCPS2基板のROMキットをアップデートの度に差替えるという煩雑さである。
*13 現在は翻訳家や模型ライターとして活躍。
*14 当時アクレイム傘下のデベロッパーだったが、後にアクレイムに吸収合併されAcclaim Studios Londonとして存続。2004年のアクレイム倒産に伴いスタジオ閉鎖。