THE KING OF FIGHTERS 2002 Challenge to Ultimate Battle

【ざ きんぐ おぶ ふぁいたーず つーさうざんどつー ちゃれんじ とぅ あるてぃめっとばとる】

ジャンル 対戦格闘アクション
対応機種 アーケード(MVS)、ネオジオ
発売元 プレイモア
開発元 イオリス
ブレッツァソフト
稼働開始日 2002年
発売日 【NG】2002年12月19日
判定 良作
ポイント '98』に次ぐネスツ編お祭りバトル
「どこでもキャンセル」の追加によりコンボの自由度上昇
新要素&キャラ数に対し奇跡の良バランス
演出面は引き続き難があるが、対戦面で名を刻んだ
THE KING OF FIGHTERSシリーズ


概要

  • 旧SNKから続く看板作品の第9作目。通称2002。
  • 前作『2001』でストーリーが一区切りしたため、『'98』同様ストーリー無しのお祭りという設定。
  • 「2001」のスポンサーである韓国企業「イオリス」が関わった最後のKOF。
    • また、開発はブレッツァソフト、販売はプレイモアという体制ゆえ前作は旧SNK時代に比べ粗が多い出来となったが、今作は対戦面において屈指の評価を刻むことになる。
  • 参戦キャラクター
    • 日本チーム:草薙京 二階堂紅丸 大門五郎
    • 餓狼伝説チーム:テリー・ボガード アンディ・ボガード ジョー東
    • 龍虎の拳チーム:リョウ・サカザキ ロバート・ガルシア タクマ・サカザキ
    • 怒チーム:レオナ・ハイデルン ラルフ・ジョーンズ クラーク・スティル
    • サイコソルジャーチーム:麻宮アテナ 椎拳崇 鎮元斎
    • 韓国チーム:キム・カッファン チャン・コーハン チョイ・ボンゲ
    • 女性格闘家チーム:不知火舞 メイ・リー ユリ・サカザキ
    • KOF'96チーム:八神庵 マチュア バイス
    • KOF'97チーム:ブルー・マリー ビリー・カーン 山崎竜二
    • KOF'98チーム:七枷社 シェルミー クリス
    • KOF'99チーム:K' マキシマ ウィップ
    • KOF2000チーム:セス ヴァネッサ ラモン
    • KOF2001チーム:クーラ・ダイアモンド アンヘル K9999
    • オロチチーム(隠し):乾いた大地の社 荒れ狂う稲光のシェルミー 炎のさだめのクリス
    • 隠しキャラ:KUSANAGI(クローン京)
    • ラスボス(家庭用のみ使用可能):オメガ・ルガール
  • 家庭用追加キャラクター(隠し、要条件)
    • DC版・PS2版・Xbox版:矢吹真吾 キング
    • PS2版・Xbox版:ギース・ハワード ゲーニッツ ツキノヨルオロチノチニクルフイオリ

特徴

  • '99』~『2001』に導入されていた「ストライカー」システムを排除し、『'98』までと同様の3on3に回帰。
  • チーム名からも分かる通り、ネスツ編だけでなくオロチ編も含めた全作品の集大成という意味合いが込められている。このためオロチチームやマチュア・バイスといった、98→99以降で(ストーリーの都合上)削除されたキャラの再登場を含め、全13チーム39キャラ+隠れた裏キャラ4人も使用可能。
  • キャラの操作システムは『'98』のADVANCEDモードを継承しているため、詳細はそちらに譲る。以下に『'98』から変化した本作独自の要素を書いている。
    • ゲームスピードが全体的に速く、弱攻撃からの連続技が決まりにくくなっている。
    • スーパーキャンセルやワイヤーダメージなど、『2001』までのシステムを一部導入。
      • 前作に引き続きシステム上の気絶が廃止されているが、本作ではリョウのMAX2である天地覇煌拳をヒットさせた時のみ例外的に気絶する。
    • ゲージを1本消費して発動できるパワーMAX中は、通常技・特殊技などのモーション中の任意のタイミング、または対応した必殺技を当てた/ガードさせた瞬間に必殺技コマンドを入力すると、そのモーションをキャンセルし次の必殺技を出せる「どこでもキャンセル」が使用できる。
      これにより「オリジナルコンボ」さながらの長くて強力な連続技も可能だが、この特性上本作のMAX状態は逆に攻撃力が下がり(0.7倍)、どこでもキャンセルを使う前提でのMAX発動であると言える。
    • パワーMAX発動中かつ体力が一定以下の時に使える隠し超必殺技として「MAX2」が追加。
    • ゲージを+1本消費して、通常技を緊急回避やパワーMAX発動でキャンセルできる「クイック」が追加。通常技ヒットから高度な連続技に繋げたり、ガードキャンセルふっとばしを読んで回避するなど新たな駆け引きが生まれた。
      • ちなみに稼働当初はMAX2という名称も不明だったため、FB(ファイナルベント)*1等と言われていた。
    • ガード耐久値が約1/4以下になると体力ゲージの枠が点滅する。ガード耐久値の変化が視認できるのはシリーズ初。

評価点

優れた対戦バランス

  • どう作り直してもバランスを崩していた「ストライカー」を廃することでシステム面のバランスは改善。特徴で書いた新要素もうまくハマっている。
    • 「どこでもキャンセル」を用いた連続技は強力だが、ゲージの使い道が多いことやパワーMAX発動を経由することから、拮抗した対戦になると意外と決められる場面は少ない。
      • 勿論、旧作通りの立ち回りでも戦えないという状況にはならず、システムに合わないキャラも十分戦える。
    • より強くなるための技術として奥深さを出すという立ち位置に留まっているのが好印象で、XIII以降にもこの設計思想は引き継がれている。
  • ネスツ編初出のキャラクターにはより特徴的な技が追加されることでテクニカルな性能になった新キャラが多く、一キャラあたりの密度が濃くなっている。
    • キャラクターバランスについても「KBC(キム・ビリー・チョイ)」という最強キャラクターで組んだチームがテンプレ化するなどの問題もあったが、それぞれのキャラに苦手キャラが色々といることが判明し、前後作のように理不尽な強さを発揮できるキャラはおらず、程良い強さの為、プレイヤーの実力が如実に反映される程度にまとまっている。
  • どこでもキャンセルによるコンボ開発
    • 元々一部のループコンボを除いて長いコンボのないシリーズであったため、どこでもキャンセルを利用した実用から魅せ重視まで様々なコンボが開発された。
    • ネスツ編独自要素の「ストライカー」とは異なり、「キャンセルの自由度が上がる」という単純明快ながら的確なシステムになっているのも高評価。マンネリ打破の役割も併せ持っており、形を変えて他作品にも受け継がれる要素となった。
      • 前述の通り奥深さとしての意味合いが強いため、今まで以上に練習する意味と楽しさの拡大に成功している。
      • ちょうどインターネットが普及してきた頃でもあり、実用性皆無の魅せコンボ集動画が作られたりもした。

賛否両論点

いつも通りのスタッフの悪ノリ

  • MAX2の演出はKOFとしては珍しく派手で長めの物が多いが、隠し要素だけに遊びで追加したのが随所に見える。
    • 隠された一発逆転技らしいといえばらしいが、残念ながら既存の動きの流用で作られたものが多い為、冗長で安っぽいという声も多かった。
      • 発動時の台詞はK'の「黒だよ…真っ黒ォ!」、京の「響けぇー!」、社(表)の「べこべこにしてやんぜえー!(「疾風伝説 特攻の拓」のパロディ)」等悪ノリの産物多し。しかし一部の台詞はその後も定着し、意外にファンの間からも親しまれていたりはする。演出面での入れ替えが多い「2002UM」においても個性として受け継がれているものが多数。
    • 後に公式発表で発覚した技名もネタ要素多数。
      • チョイの「杓死」はワンピースのパロディ、社の乱舞技は初出作の世界観と乖離した『「ERROR」 code “2002”』。山崎は『…!!』という発音不可能なもの。
    • 既存キャラのMAX2コマンドは過去作時の非一般的な超必殺コマンドから採用したものが多い傾向。それに合わせてか、KOFシリーズ初出キャラのMAX2にも突飛なコマンドが多かった。
      • 特に話題となるのはK9999のコマンド「空中で←→←→←→←→」。これはボタン無しでも成立する上に、最後以外はジャンプ中でなくても入力を受け付けているせいで、
        他の超必殺技コマンドを使おうとしたときに前後を繰り返す→ジャンプ中に前入力で暴発する(つまり厳密には「←→←→←→←・空中で→」ともいえる)。
    • 性能はピンキリ。初見殺しかつ分かっていても咄嗟の回避に失敗する事もあるチョイの「杓死」は強烈。
      • 当てづらいが高火力の技が多く、使いづらい技でも上手く読み勝って決めれば大逆転を狙えるのは隠し技らしいといえばらしい。
        実用性が高い技としては、先程のチョイの「杓死」、庵の「焔甌(ほむらほとぎ)」、大門の「風林火山」、裏社の「ХАРУМАГЭДОН(ハルマゲドン)」*2、キムの「ゼロ距離鳳凰脚」が主に挙げられる。
      • 一方で使いにくいにも程がある物もちらほらあり、当身判定の発生が遅すぎてダメージを食らうかモーションでバレバレなビリーの「ライアー・エレメンタル」、2ゲージも払うコマンド投げの割にはダメージが異常に安すぎで一応代わりに成立後に“相手のレバー入力が上下左右それぞれ逆になる”効果*3があるものの一回攻撃を当てただけで終わるためオマケにしか過ぎないセスの「時雨 乱菊」、ヒットしても自分が死ぬ可能性がある上にヒット後に緊急回避で抜けられてしまう裏シェルミーの「運命の矢」等はまず出番はない。極めつけはクリスの「炎のさだめのクリス」で、ゲージを払って裏クリスに変身するだけという実用性皆無な技も存在した。
  • 公式キャラクターイラストは『2001』同様ノナ氏が担当。前作を越える癖の強さでキワモノっぷりが加速。
    • プロだけに画力は確かで、無論ノナ氏の絵が好きな人もいるが、その癖の強さと以前の絵師(主に森気楼氏)が確立させたイメージの違いの激しさから、キャラ好き層は前作以上に阿鼻叫喚とした。特に庵や山崎、社、裏オロチチームなどはある意味必見で、庵の絵を同じ氏が描かれた『2001』と『2002』で比較すると一目瞭然。
    • どうもスタッフ間の連絡が上手く行っていなかったようで、ノナ氏も後に「何かおかしいぞ?」と思ったとか…*4
    • ノナ氏も関わったリアルバウト餓狼伝説シリーズに出演していたはずの山崎まで以前とは遥かに異なるイメージの絵になっているあたり、相当な混乱があったと思われる。
    • ゲーム内のイラストは『2001』よりはある程度改善されており、キャラクターセレクト画面のドット絵は無難な出来となっている。アニメ調に賛否はあるとはいえ、イメージを損なうものは前作より少ない。
  • ネタ要素はいつも以上に濃いめ
    • 「いけオラァ!」「飛べオラァ!」「オラオラオラオラァ!どうした!あん!?」「潰すぞコラ!」とボイスの大半がその辺のチンピラ同然になったK'、露骨過ぎるアイドル(当時人気だったモーニング娘。、松浦亜弥)のパロディネタが付加されておかしくなったアテナ、勝利メッセージが放送禁止レベルに発狂してしまっている山崎、同じく勝利メッセージがやや柄悪くなったラルフ、やたらとチンピラ過ぎるビリーと社(特に裏版)、声優変更に伴って性格が大幅に変わった*5アンヘルなど。
      • スタッフもやり過ぎたと思ったのか、後にK'はボイス新録、山崎の勝利メッセージ等はリメイク版の2002UMでは修正が入っている。
    • 鉄雄ことK9999は本作にも登場。自重するどころかMAX2は「これは、まるで…!!」漫画版AKIRAのワンシーン。相変わらずパロディの域を超えていた。
      • その上隠しキャラとして使える学ラン版草薙京(クローン京、通称KUSANAGI)を元・金田役の岩田光央氏に演じさせ、アニメ版AKIRAの名シーン「『さん』をつけろよデコスケ野郎ォ!」と掛け合いさせる始末。ご丁寧なことに「素手で勝負しやがれェ!」もあったり、双方の勝利台詞にもAKIRAからの引用がある。
        一応、岩田氏は元々草薙京の声優候補の一人だったという経緯があり、『99 EVOLUTION』『2000』でもストライカーとして登場した京の前身キャラ「霧島翔」を演じていたりするので、クローン京を演じる理由がないわけでもない。
    • 既存キャラの技名変更や追加技にもパロディが盛り込まれており、メイ・リーは「ゴッズテイルティンカーベル(神尾観鈴)*6」「ディスポジションフロッグ(けろぴーはここ)*7」等『KEY作品』ネタ、ラモンは追加技が「バードオブパラダイス」、「サベージファイヤーキャット」、「ヒプノティックタイガー」*8と『MtG』ネタが仕込まれている。
    • エンディングもストーリーが無いのをいいことにキャラクター達が繰り広げるギャグ寸劇集となっており、一部はキャラ崩壊気味なものもある。
      • 加えて本作は、同じくストーリー無しの『'98』ですら1枚絵が用意されていたデフォルトチームのエンディングすら存在しない。特殊エディットチームは言わずもがな。

キャラ選定

  • オロチ編のキャラの復帰が喜ばれた一方、削除されたキャラの選定には微妙な面も
    • ネスツ編の締めでありながらネスツ編新キャラのフォクシー、麟、雛子、包は削除。一方でよりによってあまり人気の高くないメイ・リーが続投され、新キャラも総じて癖が強かった。
      • フォクシー、麟、包は直前の『2001』でバランスを壊していたキャラである為、それが原因と言われている。メイ・リーの件はスポンサーのイオリスの要求もあったと思われる。
    • オロチ関係のキャラが一部復帰したが、その割を食う形で常連キャラのキング(1作目の'94から皆勤だった)、矢吹真吾('97から皆勤だった)、ハイデルン等はリストラされてしまった。
    • キャラの入れ替わりが激しいシリーズではあるが、ストーリーのない純粋な対戦ゲーである(しかもバランスが突出して良い部類だった)'98や本作はストーリーを無視して参戦できるチャンスであり、やはりリストラされたキャラのファンにはつらいものがある。

問題点

全体的なセンスの悪さ

  • 前作『2001』と同程度に、背景グラフィックや演出はやはりチープな印象を受ける。過去のシリーズとは比べようも無い。
    • 韓国ステージの背景に謎の超高層ビルが建っていたり、カンボジアステージの左端に高速で手と口が動く男*9がいたりとちぐはぐな箇所が散見される。
    • UIやフォントなどはかなり雑な印象。タイトル画面の社名、試合中の残り時間、「PERFECT」の文字など、ありとあらゆる文字のフォントが違うため、違和感を感じやすい。
      • 試合中に「98」のようにチームのキャラクター名が常時表示されているが、やけに大きくフォントもファミコンのようであり、その割に背景と同化して見にくかったりする。
  • BGMは『2000』以前の人気の高いBGMを使用しているが、音源の容量も削りに削ったのが伝わるほどに音が弱々しい。
    • 音源ごとの「反響」の部分をごっそり削ることで削減しようとしたのだと思われる。ドラム音などが薄くなり、全体的に薄っぺらく聴こえるのはそのためである。
    • 「KD-0079」はほぼ別の何かになってしまっている。「龍虎の拳2」の「ダイエット」(ユリのテーマ曲)を採用するなど意外な選出をしている辺り、苦労があったのは見て取れる。
    • キャラボイスも全体的にくぐもり気味。
  • キャラのアニメーションも、中途半端にドット絵を変え、結果改悪となっているキャラがちらほら見られる。また、新録された台詞も無駄口が多い。
    • これらは使用基板(MVS)の容量を限界まで使ったことも影響しているのだが…*10
      • そんな中ビリーと山崎のMAX2(ビリーは演出の締めの部分)はなぜか異様に滑らか。何かこだわりがあったのかそれとも上層部の命令があったのか。

どこでもキャンセル

  • 本作の主軸となるMAX状態における要素だが、恩恵を受けるキャラとそうでないキャラの差が激しい。
    • とはいえ、前述通り「どこでもキャンセル」は絶対的な存在ではなく、無くても戦えるキャラが多いので一概に強い・弱いの差はつけられない。事実、その恩恵が大きい草薙京は最弱キャラの一人とされる。一方でチョイ・ボンゲが本作の強キャラの筆頭候補だが、どこでもキャンセルとの相性は決して良い訳でもなかったりする。

その他の問題点

  • 一部キャラの技構成の変更
    • これもシリーズでは何度も行われている点ではあるが、七枷社の突進技が無くなったり、マチュアの特殊技削除、ロバートの飛燕疾風脚など挙げるとかなりの数がある。タクマに至ってはもはや性能に関しては別キャラとも言えるほど過去作からの変貌を遂げている。
      • とはいえ、高性能の突進技を他に持っている(使えない方を消しただけ)社、単に『'96』の仕様に戻しただけのマチュア、本作に限らずよく性能が変わるロバートなど、純粋な問題とも言い切れない。
    • なお、後述のリメイク版『02UM』では一部のキャラの技が復活しており、技が殆ど別物に変わってしまったタクマも旧作仕様のものが裏キャラとして追加された。
  • 公式チームの扱い
    • これまでのシリーズでは公式チームでプレイすると専用のストーリーやエンディングがあったり、本作と同じくストーリーが存在しない『'98』もクリア時に専用の一枚絵イラストがあった。しかし、本作では前述のように寸劇集のみとなっており、どのメンバーでクリアしようがエンディングに全く影響しない。
      • リメイク版『02UM』では『'98』のようにチーム別の専用イラストが追加された。
    • チーム別のバックストーリーなども存在しないため、どういう経緯でチームを組んだのか等も不明のまま。チーム名についても、「KOF'96チーム」「KOF2001チーム」のように各年の代表をそのまま示したような味気ないものとなっている。
      • 同様にドリームマッチだった『'98』では、各キャラへのインタビューという形でそれぞれのメンバーの経緯が語られていた。
      • リメイク版『2002UM』ではチーム名や構成が一新され、新チームのみ結成の経緯が簡易ながら明かされた。

総評

本作の高い評価は、そのゲームバランスによって得られたものと考えていいだろう。
シリーズ一の名作である『98』のADVANCEDモードをベースにしつつ、3年間続いたネスツ編のキャラ+2002独自の要素を所々に織り込んだことで、『98』とは似て非なる「普通に面白いKOF」を完成させている。
KOFは出来の悪さが目に付く部分が激しいシリーズと言われており、本作は珍しいことにバランス以外の演出面がこれに当たるのだが、
「久しぶりにまともに対戦できるKOF」ということで手放しに評価されたことは間違いなく、優れた対戦ツールとして手に汗握る熱い駆け引きを提供した作品の一つとしてシリーズに名を刻んだ。
何よりプレイモア、新生SNKとしての復活もまだまだ不完全だった中で、ここまでの対戦ツールをプレイヤー達に提供して盛り上がりをある程度回復できたことが、復活を遂げてシリーズ発展が継続している現在に至るまでの礎となったのは確かだろう。 「出たことが自体が奇跡」とまで言われた前作と同じ体制で、再び奇跡を起こしたと言っても過言では無い。事実、今作の評価はリメイクの制作に至るほど良いものであった。


移植・リメイクなど

  • ネオジオ版の他にも、ドリームキャスト・プレイステーション2・Xboxにも移植された。
    • ちなみに本作のDC版が、(旧SNK含めて)SNK・プレイモア系列にとって最後のセガハードで発売したソフトになった*11
    • ドリームキャスト(DC)版には本作に登場しなかったキングと矢吹真吾、プレイステーション2(PS2)版とXbox版にはこの2人に加え『SVC CHAOS』からのキャラであるギース、ゲーニッツ、暴走庵が追加されている。
      • 追加キャラ5人のイラストもノナ氏により新規で描き下ろされている。PS2版のギャラリーモードで見ることができる。
    • しかし、追加キャラの性能については、キングと真吾は『2001』から、ギース、ゲーニッツ、暴走庵は『SVC』からのほぼコピペとなっているため、手抜き感は否めない。さらに、コピペによる調整ミスなのか各機種で不具合が散見される。
      • DC版でのキングと真吾は投げのダメージ量が『2001』準拠のため非常に小さくなっている他、ダウン回避のボイスが削られている(PS2・Xbox版で修正)。
      • また、真吾については『2001』での超必殺技「真吾謹製・オレ無式」がMAX2に変更されているため常時出せなくなり、超必殺技が1種類のみになってしまった。さらに、キングのミラージュキックが超必殺技並みに高威力、ガードクラッシュ時の硬直時間が極端に短い等の不可解な箇所はPS2・Xbox版でもそのまま残されている。
      • PS2版の初版でも『SVC』からの追加キャラクターのふっとばし攻撃にダメージが設定されていない、ヒットストップ時のみボタン設定が一時的に入れ替わる等のバグやミスが多く見られたが、後に出たベスト版やXbox版で修正された。
      • しかし、PS2ベスト版では山崎のドリルの攻撃の一部が特定キャラクターに当たらなくなる等の初期版に無かったバグが新たに発生している箇所がある。
      • PS2版は後にPS3のゲームアーカイブスでも配信。こちらもバグを修正したベスト版の配信となっている。
  • 事実上のマイナーチェンジとして、2004年にATOMISWAVE向けに『THE KING OF FIGHTERS NEOWAVE』が稼働している。
    • 『2002』の実質的リメイクだがほぼ全てにおいて劣化してしまった残念な出来。
  • 本作そのもののリメイクとして『2002 UNLIMITED MATCH(略称:2002UM)』が2009年にプレイステーション2で最初に発売、その数ヶ月後にそれを再調整及びバグ修正したものが業務用として稼働開始している。
    こちらはさらに好評で、前に挙げた変なところを一新、容量の都合で削除されていた技が復活&新技が追加、コマンドも標準的な物に変更、MAX2も実用的な技に変わった。
    業務用の対戦バランスに再調整されたものは後にプレイステーション2で『闘劇ver.』として発売された。更に後にXbox 360(XBLAことXbox LIVE ARCADE)やSteam(Windows PC)、プレイステーション4でも配信及び発売、これらも業務用版準拠の移植となっている。
    • 最初にPS2で出た初期版には結構な数のバグがあり、一部対戦バランスを壊していたキャラ及び技が存在していたため、今から買うなら闘劇ver.及び他ハードへの移植版がお勧め(厳密にはこちらもまだ色々と直しきれなかったと思われるバグが多少はあるのだが、それでもバランス崩壊やゲームの進行を妨げる致命的なものは存在しないのが救い)。
    • 『'99』から『2001』に登場し、『2002』で登場しなかったキャラを再登場させた結果、総キャラクター数は隠しキャラを含めて60人オーバー。復活した大お祭り騒ぎとして旧来のファンから支持を得た。キャラバランスも、(PS2初期版を除いて)この数にしては比較的整っている。
    • K9999は様々な事情によりとうとう参戦できなかったが、代わりに性能をほぼ引き継いだ「ネームレス」という新キャラが参戦している。
      • PS2版(両方共)のみ、原作NEOGEO版『2002』をプレイできる「ネオジオモード」が収録されているため、そこでのみK9999を使用することが可能。しかしこちらは『'98UM』と違いX360/Steam/PS4版には収録されていないため注意。
    • 各チームやボスキャラクターのBGMも過去作のアレンジや新規で収録されており、中でもイグニスの新テーマとなった「Save the Universe」は、もはやRPGのボス戦かと思うほどの壮観な曲であり、人気も高い。
  • 2018年12月27日に、Switch、PS4、XBOX ONEにてアケアカNEOGEOでMVS版が配信開始。CERO:B(12才以上対象)。

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最終更新:2024年02月03日 09:54

*1 2002年当時放送していた特撮ドラマ『仮面ライダー龍騎』の仮面ライダー達の必殺技の名称

*2 本作でこの技が追加された代わりにモーションの近い「ХОЭРУ ДАЙЧИ(ほえるだいち)」が削除された

*3 リメイク版『2002UM』の家庭用チャレンジモードに、この技の効果をネタにしたようなミッションが存在する。

*4 PS2版『'94 RE-BOUT』初回版付属の10周年記念冊子内のインタビューにて本人が当時の事情を語られている。

*5 というか声優ネタでアニメ『フリクリ』のキャラのパロディに。

*6 メイとは声優が同じ川上とも子氏。なお2002UMでは2001と同じ「神獣脚」に変更された。

*7 一方、「disposition(気質・性質を意味する) frog」と解釈した場合は『ど根性ガエル』とのダブルミーニングにもなっている。

*8 これだけは若干変えてある為微妙なライン

*9 「2000」のジョン・フーンのアナザーストライカー、カン・ベダル。隣にいるのは「風雲スーパータッグ」のキム・スイル。

*10 海外ネオジオROM版パッケージの表記では681Mビット(これでも『KOF2000』の688Mビットより若干少ない)。だが、翌年の『KOF2003』ではそれを上回る716Mビットとなっており、その後は『2003』より容量の大きい作品が発売されないままハードへのソフト供給を終了したが故にMVS/ネオジオROMでは本当の意味での限界容量となった。

*11 ドリームキャスト自体ではなく、セガハードとしても最後というのは、セガが2001年3月をもって、ドリームキャストを最後に家庭用ゲーム機市場から撤退した為。ちなみにソフト開発はその後もしばらくの間続けられ(最終的に2007年まで発売された)、この2002のDC版もその一つだった。