このページでは、『カスタムロボ』及び『カスタムロボV2』(共に良作)を扱っています。


カスタムロボ

【かすたむろぼ】

ジャンル ロボットアクションRPG
対応機種 ニンテンドウ64
メディア 128MbitROMカートリッジ
発売元 任天堂
開発元 ノイズ
発売日 1999年12月8日
価格 6,800円
判定 良作
カスタムロボシリーズ初代・V2 - GX - BR - 激闘!

概要

子供なら誰もが動かしてみたいと思うロボット。
大人の方でも子供の頃はきっとそんな願望を持っていましたよね。
もちろん、本物のロボットを操るなんてできるはずはないから、プラモデルのロボットを持って動かしてみたり、カッコイイポーズをつけてみたりしながら、「このプラモデルが本当に動かせたらなぁ…」なんて想像するしかなかったわけです。
そんな子供の頃抱いていた願望を叶えてくれるゲームが『カスタムロボ』!
体高がわずか30cm程度しかないプラモデルサイズのカスタムロボに、「ボム」「ガン」「ポッド」といった武器を自由にカスタマイズして、バトルフィールド「ホロセウム」を舞台に敵と思う存分戦える感覚は、まさにプラモデルを本当に戦わせている感覚そのもの!

さあ今こそあの頃の夢を叶える時です!
(公式HPより引用)

ナムコ在籍時に『コズモギャング・ザ・ビデオ』や『エメラルディア』などを手掛けた見城こうじ氏が代表を務めるノイズと任天堂のタッグで贈る、カスタマイズしたロボを操り3D空間で1vs1のバトルが楽しめるシリーズ第一作。基本的な部分はほとんど1作目から完成していたと言っても過言ではない。
「ロボ」という文字はあるものの、一部除いてほとんど人間のようなデザインのため、ロボットものが苦手な人でも親しみやすい。

カスタムロボの特徴

  • ロボ・ガン・ボム・ポッド・レッグの本体 + 4ヶ所にそれぞれ好きなパーツを組み合わせることでカスタマイズすることが出来る。それがカスタムロボである。
    • これらのカスタムパーツは極めて特徴的。はるか遠距離の敵をゆるゆる追い続けるようなガンもあれば、至近距離にしか届かない超威力のガンも存在する。
    • さらに、カスタマイズ同士にも結構強烈な相性があり、弱点をいかに補うか、また長所をいかに伸ばすかといった戦略も楽しみの一つ。
  • 好きなパーツを組み合わせた後はのような見下ろし型3Dフィールドでバトルすることが出来る。
    • バトルはハイスピードかつ戦略的。操作方法は単純で、しかしやれることは極めて奥深い。
    • ステージは多くの種類があり、状況を見極めて戦うことがこのゲームのキモとなる。
      • ステージ毎に障害物の形状も異なるため、同じカスタマイズでは勝ち進めることは出来ない。そこがカスタムロボの魅力の1つでもある。
    • また、主力武器となるガンは空中と地上で性能が異なる物が多い。
    • 攻撃手段のガン、ボム、ポッド、アタックを組み合わせて攻撃することでコンボが生まれる。このコンボは評価の対象になるためゲーム攻略において重要になる。
      • これらを見る限り、とっつきにくい印象を受けるかもしれないが、とても親切なチュートリアルがシナリオにそって行われるため、全く心配は無い。
+ ロボの解説
  • シャイニングファイター型
    • バランスタイプの青年型ロボ、シリーズの顔であり主人公の愛機となる『レイ』も含まれる。名前は光に関連するもの。
    • 飛びぬけた特徴はないが扱いやすく、逆にカスタマイズやプレイスタイルで強烈的な個性を出すことができる。
    • 1作目である無印ではロボを複数所持できないため、シナリオはレイ一択で進んでいくことに。
  • エアリアルビューティー型
    • 空中戦重視の美少女型ロボ、名前は宇宙に関連するもの。
    • 空中ダッシュの代わりに、空中ジャンプが可能。地上での動きも速く、移動能力に秀でている。ただし見た目通りに防御性能は低め。
  • ワイルドソルジャー型
    • 身長が高い男性型ロボ、名前はアメリカ人の男性から。
    • シャイニングファイターより防御力が高く、機動力がやや低い。空中ダッシュが斜め下に向かうため、上級者向け。
  • メタルグラップラー型
    • いかつい筋肉質な重量級ロボ、名前は動物から。
    • 地上での移動は非常に遅く、空中ダッシュも一回しかできないが、非常に防御力が高い。
    • V2では武器の攻撃力が上昇する能力を手に入れた。
  • トリックフライヤー型
    • 異様にほっそい出で立ちのロボ、名前は「~~ヘッド」となっている。
    • 防御はやや低め、地上性能もあまりよくないが空中ダッシュが非常に速く、一気に距離を詰めたり逃げたりできる。
    • ノーマルスタイルの「オラクルヘッド」は第一作唯一の「ロボらしいロボ」のデザイン。どちらかというと古代メカに近いタイプだが。
  • セクシースタンナー型
    • 長身の女性型ロボ、名前は女性の名前から。
    • 地上での機動力はそうでもないが、ジャンプ力が非常に高く、短い空中ダッシュが4回可能。
  • リトルレイダー型
    • 最高速度特化の男の子型ロボ、名前は鳥の名前から。
    • 走り初めはやや遅いもののトップスピードは全機体トップ。その代わり防御力も非常に低く、空中性能もあまりよくないと非常にピーキーな機体。
    • 少年時代にいた、「自称カスタムロボ最強」の子が最も使っていたのではないか?というロボでもある。
  • リトルスプリンター型
    • 幼女女の子型ロボ、名前は単位から取られている。
    • 最高速度こそリトルレイダーに負けるが、走り初めから速く、空中でも空中ジャンプ3回と全ての移動能力に秀でている。もちろん防御性能は最低。
  • ファニーオールドマン型
    • 頭部が縦に長い老爺型のロボ。名前は漢字3文字。
    • 年のせいか、防御力が低めで地上性能が異常に悪いが、ふわりと宙に浮かぶジャンプに加えて空中ダッシュが7回も可能なので、常時空を飛んでいることができる。
    • バランス調整のためか、後述の『V2』では6回に落とされた。それでも全ロボ中トップの空中制圧力を持つ。
  • ファッティバイス型
    • 巨漢型ロボ、一言で言ってしまえばブーデー。
    • 見た目どおり地上での機動力は低いものの、意外にも多段ジャンプを活かした空中性能が非常に高く、装甲も厚い。
    • 但しダウン耐久値はそれほどでもなく「硬いけど転び易い」という妙な特性を持っている。

評価点

シナリオ面

  • ただのパーツ集めで終わらない「シナリオモード」
    • 初めてのロボ「レイ」と出会い、友達のシンイチやカリンと腕を磨き、地方大会へ出場、そしてヒロインが悪の組織に攫われ単身救出へ…それが終われば今度は全国大会でチャンピオンとの対決が待っている。
    • いわゆる「コロコロホビー漫画」の王道の非常にアツい展開が待っている。
  • 魅力的な登場キャラ達
    • 様々なキャラが主人公の友人として、ライバルとして、あるいは宿敵として登場するのだが、彼らがまた個性的でいい味を出している。
    • 並み居るライバルも親友ポジションのシンイチとカリンから、イヤミなリヒトやフリーダムなフカシ、テンプレお嬢様なカトレアなど、非常にアクが強くアツいキャラクターが揃っている。これらのキャラは全員次回作『V2』にもしっかり登場する。
    • 顔絵もたくさん用意されていて、決め台詞も勝ち負け戦闘開始、全てにおいて豊富。
    • 当然彼らもカスタムロボを使う『コマンダー』なのだが、顔のあるキャラはみんな、自分のロボを持っており、キャラによっては得意なガンも設定されている。特にインパクトのあるのは、「永遠のナンバー2」ことジロウさん。次回作での「俺はメタルベアー一筋のレイフォール・バカだ」とセリフのとおり、メタルグラップラー型のメタルベアーで遠距離武器のレイフォールガンを垂れ流す待ち戦法を得意としている。
    • シナリオで戦うことになれば、彼らの個性的で多彩な戦法に大いに学び、苦しめられる事になるだろう。

システム面

  • 繰り返しになるが、このゲームはロボを自分でカスタマイズして戦うという、少年なら一度は抱くと言ってもいい願望を、存分に叶えてくれるゲームである。
  • カスタマイズの楽しさ
    • ものすごい種類のパーツを自由に組み合わせる事が出来る。しかも、『多彩なパーツ』という謳い文句にありがちな上位互換、下位互換は殆ど無い。その全てが個性と可能性に満ちているのだ。
    • ガンだけみても「ガトリングガン」「マグナムガン」「ドラゴンガン」など、少年のアツいハートをくすぐるような名称のものも。
    • 使いやすいパーツで汎用性の高いロボを組んでもいいし、好みに合わせて特化した性能のカスタマイズを施す事も出来る。
    • 一見ミスマッチな組み合わせも、他のパーツで弱点を補ってやれば思わぬ性能を見せるかもしれない。
    • いわゆる『素体』となるロボ、メインウェポンとなるガン。最初のうちはこの2つに目が行きがち(この2つの組み合わせだけでも、いろいろな戦術が組み立てられるが)だが、他のパーツも非常に重要。
    • 特に、移動特性を決めるレッグは一見地味だが、理解すると非常に面白いことになる。
      • 最初はデメリットが全くない「スタビライザーレッグ」を選びがちになってしまうが、理解することによりかなり移動性能を変えることができる。 ーーさらに、カスタマイズ画面では(ロボ・レッグ以外の)全パーツに武器を展開するアニメーションがある。
        一つカーソルを動かす度に機械音を立ててロボットが変形する様はワクワク感を強くかき立てる。
  • バトルの楽しさ
    • カスタマイズが終われば、いよいよ実戦に繰り出す時。ハイスピードかつ細かい駆け引き要素のある、濃密なバトルが展開される。
      • 序盤はぶっちゃけジャンプとガンさえ最低限使えればなんとでもなる程度の難易度。しかし、すぐにそれだけではCPU相手でも勝ち進められなくなってくるため、ボムとポッドを使いこなすこともシナリオ進行に伴って自然と身につく作りになっている。
    • 一瞬の隙を突くようなハイスピードさ(隙を減らす、というカスタマイズが評価を受ける事からも分かる)と同時に、相手の手を読み、逃げ道を塞ぐような頭脳戦も要求される。
  • そしてそれらのセオリーも、彼我のカスタマイズやステージのギミックによってガラリとその姿を変える。柔軟な発想力もまた、試されることになるだろう。
    • 3Dアクションのお約束である「攻撃時や着地時の硬直を狙う」というおなじみのセオリーは勿論、いかにボムやポッドを使って状況を作るかが戦略のカギとなる。
  • 初心者でもわかりやすいのがオーバーロード。このゲームでは相手側のガンの弾が画面に残っている状態でこちらのガンで相手のロボをダウンさせると 相手側のガンエフェクトが全て消滅する。
    • 弾幕系ガンをオーバーロードさせると視覚的にも小気味がよく、明確に上達したと思える瞬間をユーザーに提供している。
    • 本作で起きがちな「ボム・ポッドを掻い潜って接近し、相手とすれ違いざまのワンチャンスでガンを撃ちあう」という展開では、「ガキィン!」というSEと共にどちらのガンが先に着弾したかを競うことになる。剣豪やニュータイプになったかのような気分が味わえる。
  • それでいて操作そのものは極めて簡単。前述の旅立ち編が終わる頃には、すっかりロボを思い通りに動かせるようになっているだろう。
    • 特に、3D対戦ゲームにおける永遠の課題とも言えるエイミング周りのシステムがこの時代でありながら極めて完成されており、ストレスをほとんど感じないクオリティになっているのが地味ながら優れているところ。原則武器は常に相手に向けて放たれるため、エイミングを行う必要性は全くない一方、移動自体は完全にスティックの方向に従ってくれて追従度が高く、エイミングと移動の両方を、ほぼ3Dスティック1本で完結させてしまっている。
    • より正確に説明するなら、ガンは常に相手の方向に向けてワンボタンで放たれる、ボムは相手の現在位置に向けて着弾するよう放たれるが、スティックで着弾点を調整可能、ポッドは操作不可でそれぞれのポッドの特性に従った自律行動を取る、という具合。
  • バリエーション溢れるステージやイベント
    • 通常のシンプルなステージから、デコレーションケーキや回転寿司をモチーフとしたユーモアあるステージも登場。様々な空間でロボを動かすだけでも面白く、ベルトコンベア、ダメージを受けるマグマ床、果てはステージそのものが変形したりと、ステージに仕組まれた様々なギミックがバトルを引き立てる。
  • BGM・SEも豪華
    • 「めがてん細江」「sampling masters MEGA」として知られる元ナムコの細江慎治氏、同じく元ナムコの佐宗綾子氏に加えて、元ZUNTATAの「Yack.」こと渡部恭久氏という豪華な布陣。
    • バトル中のBGMはステージの雰囲気に合わせた、バトル中に思わず口ずさんでしまうノリノリな楽曲が多い。
    • 各効果音も爽快感があるものが揃っており、ガンの発射音や爆音も特徴的なものが多く、バトルを大いに盛り上げてくれる。

賛否両論点

  • 一部の戦法がバランスを崩すほど強い
    • 一部対処の難しい戦法も存在する。特に無印・V2共に「スプラッシュガン」が異様に強力。
      • 前方に巨大な3つの水の塊を撃ち出すガンで、見た目通り判定が非常に大きい上に発生が速いため回避や迎撃が難しく、リロードが速く(撃てない時間が短い)判定持続も長いため受けに回っても崩しにくい万能武装。ガン自体の威力は低いものの、命中硬直が長いため高威力のボム・ポッドの追撃で十分なダメージを叩き出せる。
    • もちろん、対策が不可能なわけではなく、むしろ特定のパーツに極端に弱いといった事もあるのだが、対策パーツを装備していないと殆ど詰みにハマるケースもある。
      • 特に相手を直接狙わないタイプのボム・ポッドに、弾速の遅いガンを装備していた場合、対スプラッシュは絶望的。
      • 対策には「(スプラッシュより速く)正面の敵を潰せる武器」が必要。マグナムガン、スナイパーガン、ストレートボムなどが該当する。メタルグラップラー型のダウン耐性の高さを利用して待ちに徹し、高威力のガンで「肉を切らせて骨を断つ」戦法を取ると逆にスプラッシュでは全く歯が立たなくなる。
    • 全体として「相性ゲー」になる対戦がかなりあり、ロボ完成時点で勝敗がほぼ決まってしまうような場面が散見される。
      • 前述の「メタルグラップラーガン待ち」にしても、スプラッシュ(他、一発ダウンを当てにした戦法)は潰せるが、運動性能の低さからホーミング性の強いガンやボムには完全にカモにされる。
      • 当然パーツの個性を強くすれば発生する現象ではあり、多数の武装を実装しながら1強ではなく一長一短状態に仕上げたのはむしろ高く評価されるのだが。
      • カスタマイズ画面は2人プレイの場合上下分割画面で同時に行うため、相手の装備を見てアンチパーツを選び、相手がそれを見て~といういたちごっこも横行。
        パーツ選択時以外砂嵐でロボの情報が見えなくなる機能もあるのだが、パーツ選択時は名前を表示せざるを得ないため武装が分かることには変わりなく、「1Pがカスタマイズしている間2Pは後ろを向き、完了したら砂嵐状態にしてから2Pがカスタマイズする」などのアナログなルールを適用するプレイヤーもいた。

問題点

  • シナリオモードでの問題点が多い
    • 新しく入手したパーツがすぐに使えない。これはカスタムロボの世界観の都合だが、対戦相手のパーツは勝者にデータを渡すかON/OFFの機能がある。ONにすれば相手が未入手のパーツデータを貰える。
    • 入手したデータをとあるスポットで「実体化」してもらうことで初めてそのパーツを使用することが出来る。
      • そのため、データ入手後すぐに実体化すればいい話なのだが、「旅立ち編」後半からストーリーの都合で中々実体化出来ない展開が多くなることがある。
    • アドバイスや特殊ルールの説明後はほぼ例外なくもう一度説明するかの選択肢が出る。
      • このシステムは一見親切だがUIとのかみ合わせを考慮すると有難迷惑極まりない。カーソルが「はい」に向いている上、本作のメッセージはBボタンではとばせない仕様になっている。そのためとばした結果間違って「はい」に押してしまうという事故が頻発する(しかも次回作では場面によってはキャラの自己紹介から聞かされるという体たらく)。
    • 自由にセーブ出来ない。セーブ方法がチェックポイント形式となっており、特定の条件を満たさなければセーブが出来ない。
    • 幸いにも、チェックポイントは多いのだが、場所によってはバトル1回が終わるごとにセーブ…とかなり頻繁に登場するため、むしろテンポの悪さに繋がった。
    • これらの問題点は『V2』でもそのままだった。伝統なのかもしれないが、不便なことに違いはない。
  • ベーシックガンとスタンダードレッグに存在意義がほとんど無い。
    • ベーシックガンは練習用ということだが、それにしても弱すぎる。シナリオモードでは幸いすぐに3ウェイやバーティカルが手に入るのでそちらに乗り換えるべき。
    • スタンダードレッグはロボ素体の性能を変えないが、走り初めを速くするスタビライザーレッグがデメリット無しのレッグなので完全に下位互換になってしまっている。
      • 前述の通りレッグのカスタマイズを理解するとゲームがかなり広がるので、デメリットを恐れず尖った性能のレッグを装備したほうが良いだろう。
    • なお、スタンダードボムは初期装備なのにもかかわらず威力がかなり高く、飛び方も山なりと直線を使い分け可能、更に爆風も大きめとスキが無い性能なのでシナリオ終盤はおろか、対戦でまで使っていけるパーツになっている。スタンダードポッドも使い勝手ではドルフィンポッドやコックローチポッドに負けるものの、それらより威力が高いので尖ったカスタマイズなら有効である。
  • 3Dスティックを回転させる動き
    • バトル開始時、ロボをサイコロ状態から展開させる際に3Dスティックを回転させることで素早く変形を済ませることができるのだが、これが曰く付きの操作方法。
      • 当然正直に左手の親指で回す小学生などおらず、利き手の手のひらに3Dスティックをあてがい、ゴマを擦るがごとく全力で圧力をかけてぐりぐり回すプレイヤーが多数発生。
        結果、プレイヤーの方は手のひらに擦り傷や皮剥けを作り、コントローラーはセンサーが劣化したりスティックが折れたりという憂き目を見た。
      • 同様の問題は『マリオパーティ』の方が有名だが、本作もまた同様の悲劇をもたらしたと言えるだろう。
    • 『V2』からはスティックを回転させるほかにもボタンを連打することでも素早く変形を済ませられるようになった

総評

自分好みのロボをカスタマイズして、3Dのフィールド内を好きなように走って飛び回りバトルする…というのを、難しすぎず、出来る限り直感的に操作ができるように作り出してみせた。深く立ち入れば、パーツの組み合わせがある限りいくらでも戦略性が見出され、対人戦はもちろん、一人プレー向けにも用意された豊富なやり込み要素の攻略に繋がる。
まだまだ改善余地はあるものの、シリーズの基本を全て作ったと言ってもよい偉大なる一作目。


余談

  • Nintendo Switch用有料オンラインサービス『NINTENDO 64 Nintendo Switch Online』の2022年7月15日配信タイトルに『V2』と共に追加された。バーチャルコンソールでは配信されなかったので、配信ソフトとなるのはこれが初である。
  • ボムとポッドのコンビネーションを狙えという意味で、ライバルキャラの一人が「君の戦法はガンばかり使っている」(意訳)と言うシーンがあるが、ガンを一切使わずに勝っても台詞は変わらなかったりする。
  • シナリオモードの自分の部屋ではトロフィーと会話できるという小ネタがある。
    • トロフィーごとに性格も異なり、新しいトロフィーが追加されるともともといたトロフィーの会話も変わる等、妙に凝った小ネタとなっている。
    • この小ネタは『V2』でも健在。

カスタムロボV2

【かすたむろぼぶいつー】

ジャンル ロボットアクションRPG
対応機種 ニンテンドウ64
メディア 128MbitROMカートリッジ
発売元 任天堂
開発元 ノイズ
発売日 2000年11月10日
価格 6,800円
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2008年2月19日/1,028Wiiポイント(税8%込)
【WiiU】2016年6月8日/1,028円(税8%込)
レーティング CERO:A (全年齢対象)
※バーチャルコンソール版より付加
判定 良作

概要(V2)

カスタムロボの発売から僅か1年足らずで発売された続編。初代から1年後を舞台とした展開が繰り広げられている。
製作期間から想像できない程の充実した新要素が追加され、現在でもこの作品が最高傑作と挙げるプレイヤーも多い。

前作からの変更・追加点(V2)

  • 従来のロボ・パーツはほぼ全て続投している上、さらに新しいロボ・パーツも増えた。新しいロボの系統として「ストライクバニッシャー型」と「バーニングビースト型」が登場。
    • 両機体とも、空中ダッシュ時の特性として「ステルス」の効果があり、ダッシュ中は機体が見えなくなる上、相手のガンのダメージを無効化する特徴を持っている。(ただしステルス中でもボムやポッドの爆風には当たる)
    • 「ストライクバニッシャー型」はいわゆる戦闘メカ的な外見のロボで、“ステルスダッシュを備えたスタンダード機”といった趣きで扱いやすい。
      リアルロボットのようなシャープなデザインに、「ランス」「スピア」等の武器に由来する機体名と、非常に少年心をくすぐる機体。
    • 「バーニングビースト型」は名前の通り動物をモチーフとしたユニークな組み合わせ。
      性能面としては、高く鋭いジャンプから、1度のみだが斜め下方向に繰り出す高速のステルスダッシュで奇襲を狙う上級者向けの機体。
      • 2機ともカスタムロボの世界に上手く溶け込んで人気が出た。
  • 各ロボのスタイルに「ジャンパースタイル」と「パワースタイル」が追加。
    • 無印では各ロボの型ごとに3種類のスタイル(ノーマル、スピード、アーマー)が用意されており、例えば同じシャイニングファイター型のロボでも、ノーマルスタイルの「レイ」とスピードスタイルの「ソル」では性能に差異があった。
      V2ではさらに2つのスタイルが追加され、より一層バリエーション豊かに。
    • 「パワースタイル」は全スタイルで最も基礎性能が低いが、装備している武器の攻撃力が増加する。アタックも性能が良い場合が多い。
    • 「ジャンパースタイル」は空中性能に優れる。最初にもらえる「レイⅡ」が属するのもこのスタイル。
    • 新型のストライクバニッシャー型なども含め、ロボの型は全12種あるため、12種の型×5種のスタイルで、ロボの総数は60体(さらに後述の違法ロボ等も加わる)。ロボの種類の多さは歴代最多数である。
  • 新しい武器には、これまた少年のハートをくすぐる「ドリルガン」や「フェニックスガン」、ショットガンやマグナムガン以上に威力があるがリーチがとても短い「ナックルガン」など、個性的なものが揃っている。
    ボム・ポッドの爆風にも新しい種類が追加。威力は低いが爆風で完全に動きを止める「フリーズ型」や、自身の方向に向かって吹き飛ばす「トラクション型」などが登場し、コンボや戦術を考える楽しさも増した。
  • 地味な変更点では、ポッドのパーツデザインがリファインされて全体的に大型化。見た目も個性的になった。
  • シナリオは従来の「旅立ち編」とクリア後にプレイ出来る「激闘編」の2本立てになっている。
    • 旅立ち編は前作のメインストーリー同様、主人公がコマンダーとなりライバルたちとの戦いを経て一人前のコマンダーへと成長していく過程を描く。
    • 激闘編は初代のシナリオモードとアーケードモードを組み合わせたような内容で、旅立ち編の後日談的なシナリオに加え、単なるオマケ要素とは言わせない充実したバトルを楽しむことが出来る。
  • 前作と異なりシナリオ中でもロボを変更できるようになった。
    これは技術革新により、ロボのデータも受け渡しができるようになったという設定付けがなされている。
    • 旅立ち編を進めるだけでも、最初にもらえるシャイニングファイター型のレイⅡから、新型のストライクバニッシャー型・バーニングビースト型まで、全ての型のロボが1体は手に入る。
    • シナリオ中はレイしか使えなかった前作と比べ、ロボの選択肢が増えたことで、シナリオ攻略における戦術の幅も広がった。
  • いわゆる『強くてニューゲーム』的なモードがある
    • 旅立ち編のラスボスを倒したあと、「そのセーブデータでこれまで入手した全てのロボ・パーツ」を最初から持った状態で旅立ち編を最初から遊べるようになった。
    • 持ち越せるパーツは、激闘編で手に入ったものも含まれる。
    • “違法パーツを装備して旅立ち編で無双する”などのプレイも可能で、遊び方の幅が広くなった。
  • 新対戦モード「2on2バトル」
    • 対戦モードも充実した。「シナリオ」で入手したパーツやステージがあれば自由自在にカスタマイズして遊ぶことが出来る。
    • 最大4人まで参加出来る2on2モードが新たに登場。2人1組でタッグを組み、バトル中にパートナーと機体を交代しながら戦い、先に相手のロボを倒したチームが勝者となる。
  • 違法パーツもさらに充実
    • 違法パーツは、通常のパーツをベースにさまざまな強化が加えられた代物。
      元になったパーツと比べて、「長所の強化」「短所の改善」「当たり判定や威力の拡張」等の改造が施されており、基本的に強力。
    • 前作では対戦モードのみで使用可能だったが、今作では激闘編を進めると手に入り、シナリオ攻略にも使えるようになった。
      • 前述の通り、激闘編で入手できれば旅立ち編(2周目以降)でも違法パーツを使える。
      • ただし、激闘編において違法パーツでバトルに勝利するとスコアが減点されるペナルティがある。
    • また、前作には登場しなかった「違法ロボ」も今作では登場する。
+ 違法ロボの解説、ネタバレ注意!
  • ベイオネット
    • ストライクバニッシャー型「ランス」と「スピア」の合体機。当然ながらステルスダッシュを備えているが、ダッシュ回数が5回と尋常じゃなく多い。
    • アタックは「ジャベリン」の連続で出せる突進に無敵時間がついたという胡散臭い性能。場合によっては近距離でアタックしてるだけで相手は何もできなくなる。
    • 但し機体の大型化に伴い、当たり判定も大きくなっている。地上での機動力も並程度。
  • メイジェル
    • セクシースタンナー型ベースの女性型機体。優れたジャンプ力はベース機譲りだが、4回可能な空中ジャンプや、ふわりとした挙動などはむしろエアリアルビューティー型に近い。
    • 制空能力は非常に高いが、地上能力は並以下。ここはセクシースタンナー譲りか。
  • レイIIダーク
    • シャイニングファイター型ベースの機体。名前の通り黒いレイIIで、地上での速度が全機体最高速。走り始めも速い。
    • それ以外の性能はシャイニングファイター準拠で標準的。
  • ジェイムスン
    • CPU専用の巨大ロボ。機動力は全く無いが、並外れた防御力と規格外の攻撃範囲を持つ。
    • この機体はV2では自機として使用できないが、DSソフト『激闘!カスタムロボ』にて一部デチューンされた性能でプレイヤーが使用可能となっている。
  • 強力な違法ロボ・違法パーツとは逆に、 実用性皆無の公式ネタパーツ も存在する。
+ 一応ネタバレ注意
  • ヒヨコシリーズ
    • 激闘編クリア後にとある隠しバトルに勝利すると手に入るロボおよびパーツ。
      「腕試し用に意図的に弱く設定されている」という設定で、一言で言えば劣化リトル及び劣化スタンダードシリーズ
    • ヒヨコロボは「足の遅いリトルレイダー型」と言った感じの一切強い部分がないロボ。一応、空中性能だけはリトルレイダー型に勝るが、だからどうしたと言えるレベル。
    • ヒヨコシリーズのパーツは、ベーシックガンやスタンダードシリーズがベースになっているが、(ボムを除いて)元々低性能なスタンダードシリーズを更にデチューンした圧倒的な低スペックを誇る。
    • ヒヨコシリーズが攻略の役に立つことはないが、当時の対戦環境(友達の家に遊びに行った時)を考えれば、プレイ経験豊富な所有者とソフトを持っていない子では明確に力量差が出てしまうので、ハンデパーツの存在は楽しく機能することもあった。
      • 「全部ヒヨコ」や、「レッグのみ」「ポッドのみ」などヒヨコパーツの付け方でハンデ量を調節してタイマンまで段階を踏めるのも便利。
    • ヒヨコシリーズを所持したデータで旅立ち編(2周目以降)をプレイすれば、「ヒヨコシリーズを装備して旅立ち編を遊ぶ」という縛りプレイにも挑戦できる。
      特に終盤の違法ロボ達にヒヨコ一式で挑むのはなかなかの難易度。
      • 激闘編では、パーツレンタル・バトルなどの特殊ルールの弊害で、全バトルひよこ縛りのプレイはできない。
  • ジャイアントシリーズ
    • 巨大な弾を撃ち出すガン・ボム・ポッド3つのパーツ。一言で言えば見掛け倒し
    • 弾丸や爆風は巨大で迫力があるが、威力は全て最低クラスな上に、弾速やリロード等といった性能も劣悪。
    • 一応ジャイアントボムは爆風が異常に大きくほぼ全てのロボを吹き飛ばしてダウンを取れるため、溶岩があるステージなら使えなくはない…といった程度。
      • ちなみに無印の隠しパーツとして登場したジャイアントボムの超火力はそのまま違法パーツ「ジェノサイドボム」に引き継がれた。
  • BGMは前作からの流用も多いが、今作からは安井洋介氏が参加して4人体制に。

ストーリー(V2)

闇の組織ドレッドが壊滅してから1年後…。相変わらず、周りではみんながやっている「カスタムロボ」。
そんな中で主人公はまだロボを持っていなかった…。
しかしそんなある日、応募していた懸賞でなんと最新型のカスタムロボ「レイII」が当選したのだ!
かくして主人公は晴れてコマンダーデビューを果たしたのであった。
やがて主人公は様々な人々と出会うことで大きな戦いに巻き込まれていくことになる。

  • 非常に盛り上がる「旅立ち編」のシナリオ
    • カスタムロボとの出会いに始まり、噂の幽霊ロボとのバトル、地区大会への参加、コマンダー養成所への入塾等々、最後まで飽きさせない展開が広げられている。
    • 前作同様、『コロコロホビー』的な王道一直線を行くストーリー展開。王道の面白さが凝縮されておりマンネリ化を感じさせず、プレイヤーの想像を超える展開が何度もあるため、最後の最後まで楽しめる。
    • チュートリアル的側面が強い旅立ち編だが、中盤から終盤にかけては違法パーツを装備した相当な強さの敵も登場する。
      こちらをはるかに凌駕する火力と装甲を備えた超大型ロボとのバトルは、その強さやストーリーの盛り上がりも含めて本作の見所のひとつ。
  • ここから本番?「激闘編」
    • 旅立ち編をクリアすると解禁されるモード。
    • ステージ攻略制になっており、各ステージで4~10回の連続バトルを行う。ストーリーもそれぞれのステージに一つ一つ用意されている。
    • 多くの前作キャラもここから本格参戦する他、爆笑必至のギャグ展開から、思わず手に汗握る激戦まで、ストーリー展開だけでも飽きさせない。
    • また、パーツ指定や同一パーツの使用不可など、ステージごとにいろいろなルールがある。(後述)
    • 一戦ごとにバトルの内容に応じてスコアが入り、合計スコアによって各ステージごとにゴールド・シルバー・ブロンズのいずれかのトロフィーがもらえる。
      • トロフィーは隠し要素の解禁条件にもなっているので、完全クリア目指すならスコアも稼いでいかなくてはならない。
    • 相手も一筋縄ではいかない強敵揃いで、カスタマイズの知識と知恵、コマンダーとしての実力と機転を最大限に試される事になるだろう。
      • しかし、このモードを一通りクリアしなければロボやパーツが揃わない為、手持ちのパーツが少ない内は相手のカスタマイズに相性のいい組み合わせをぶつけ辛く、高スコアは中々難しい。
      • ひとまずスコアは置いておき、確実に勝利してパーツを集めていくのが大切。各ステージには何度でも再挑戦できるので、使えるパーツ数が多いほど再挑戦時にはこちらが有利になる。

賛否両論点(V2)

  • シナリオモードでの、続投キャラ1名の前作からの変貌っぷり。
+ ネタバレ注意!
  • 前作で病弱かつお淑やかな性格でヒロインポジションを務めた「ユリエ」が病気を克服し、コマンダーデビューを果たした結果とんでもないじゃじゃ馬娘へ変貌してしまった。
    • 主人公やその周辺に興味を持つや否や、何かと首を突っ込み、ワガママを言って周囲を振り回し、年長者の言うことにはほとんど聞く耳を持たず、時に無茶をして迷惑をかける等、おとなしかった前作からは考えられないおてんば娘に変化している。
    • あまりの変貌ぶりに、前作プレイヤーも彼女が名前を名乗るまでユリエと気づけないほど。
      • 一応、「エヘヘ」という笑い方に前作の面影がわずかに見られるが…。
    • ユリエは旅立ち編から登場し、本作でも引き続きヒロイン役を務める。“囚われの姫”的なポジションだった前作と違い、本作のユリエは“戦うヒロイン”になっているため、シナリオ中の役回りはだいぶ異なる。
      • ユリエが動けば話も動く、と言える程度にはメインシナリオへの影響力が強く、出番も多い。
    • 「激闘編」でもじゃじゃ馬っぷりは変化してない…どころかむしろ加速しており、「自身のデート権を賭けて男達にバトルさせる 」「主人公を無理矢理女装させる」等やりたい放題。
      • 特に主人公はユリエと二人きりで行動する場面が何度かあり、彼女のワガママにたびたび付き合わされることとなる。
      • ユリエの性格変更に引きずられる形で、旅立ち編ではクールなライバルキャラだったツルギも激闘編ではユリエに恋するギャグ要員になってしまう他、前作から引き続き登場するハヤオはユリエへのストーカー気質がより顕著に。
    • ただしユリエの性格変化についてはストーリー中で理由がきちんと説明されている。前作での体験から「悪の組織を憎んでいる」等、彼女の言動にはしっかり設定が反映されているため、説得力がないわけではない。
      • また、前作からのユリエの変貌ぶりにショックを受けるプレイヤーがいる一方、V2のおてんばなユリエも好きというプレイヤーもおり、まさしく賛否両論。
  • 激闘編における「パーツとりあげバトル」「パーツレンタル・バトル」
    • 激闘編は一つの建物(ステージ)で4~10連戦を行うのが基本だが、パーツとりあげバトルは 「レッグ以外のパーツは一度しか使えない」 、パーツレンタル・バトルは 「パーツとりあげバトルのルール+そのステージに予め用意されたパーツしか使えない」 という特殊ルールで、人によってはかなりキツイ。
      • 連戦の数が多いほど選べるパーツが減っていくため、さまざまなカスタマイズを覚えて使いこなす必要がある。
      • パーツレンタル・バトルにはさらに細かいバリエーションがあり、「弾速の遅いガン限定」「女性型ロボ限定」といった、 特定の部位のみレンタル制で他のパーツは自由 という形式と、 レッグを除く全てがレンタル制 という形式が存在。
      • なお、このルールが適用されるのは「プレイヤーのみ」であり、激闘編の対戦相手は当然の様に様々なパーツを何度でも使って来る。
        たとえば、弾速の遅いガン限定のステージでは、相手は普通に弾速の速いガンを使ってくる。
    • 様々なパーツを組み合わせることがカスタマイズの醍醐味ではあるが、気に入ったパーツで相手を倒すのもまた本シリーズの楽しさであり(実際、作中にお気に入りのパーツを多用するキャラクターも登場する)、これらのルールはゲームの肝であるカスタマイズの重要性を体感できる反面、パーツを制限される事による不自由さも感じられるため、好き嫌いが分かれやすい。
      • 「激闘編では半分近くがこれらの特殊ルールで戦う」という頻度の高さに加え、「ある程度パーツが揃ったら強い組み合わせをいくつか覚えて使い回すだけ」というパターンに陥りがちなのも問題。
      • 強い組み合わせを色々なステージで使い回す機会が多い一方、お気に入りカスタマイズの登録・読込機能などはないため、戦闘前に毎回1からカスタマイズしなおす必要があり、単純に手間もかかる。
      • しかしロボやパーツを集める為には、嫌でもこれらのルールに従ってステージをクリアせねばならない為、やらされている感の助長にも繋がってしまった。
    • また、一度しか使えない仕様上、本来腕試し用(=縛りプレイ用)のハズのヒヨコ系パーツも連戦中に一度しか使えなかったり、自分のお気に入りカスタマイズで全てのバトルを戦い抜きたい等のチャレンジも出来ず、遊び方の幅を狭める原因にもなっている。
    • 一方で、このルールがあるからこそ、今まで興味のなかったロボやパーツに触れ、その楽しさに気づく機会にもなりうる。
      • 続編の「BR」では、パーツとりあげバトルは続投したが、パーツレンタル・バトルは削除された。

問題点(V2)

  • 前作のシナリオの問題点に挙げた、パーツの実体化やセーブなどが一切改善されていない。
  • 「旅立ち編」ではすべてのパーツを入手出来ず、全て揃えるためには「激闘編」をクリアする必要があるのだが、「旅立ち編」ではガンだけがやたら種類が少ない。前作を経験したプレイヤーは「あのガンはいつ手に入るのか」と歯がゆい思いをすることになる。
    • 初心者はダメージを取りやすいガンをひたすら連射するだけの戦法を取りやすいので、あえてガンの入手数を少なくすることでボムとポッドを活かした戦術を覚えさせるための措置とも捉えられるが…幾ら何でも少なすぎる。
      • 結果的に旅立ち編ではガン選択の幅が狭くなり、特定のカスタマイズによるゴリ押しになりがち。
        新型ロボ「ジャベリン」の奇襲性能の高さに、短射程高火力の「ショットガン」を組み合わせる、いわゆる“ストマグ”と呼ばれる戦法が有名。いずれも旅立ち編の序盤~中盤で手に入る。
  • パーツレンタル・バトルのオススメカスタマイズが殆ど機能していない。
    • パーツレンタル・バトルで「レッグ以外の全部位がレンタル制」のステージの場合、相手のカスタマイズに対して相性が良いとされる『オススメカスタマイズ』があらかじめ組まれているのだが、その実態は
      「単純に相性が悪い」「ホロセウムが考慮されていない」「パーツ同士の連携が全く取れていない」
      …等、どれも酷い有様。本当に有利だと言えるのは数十以上にも及ぶバトル数の中で片手で数える程度。
    • また、「何故そのカスタマイズが相手に大して有利なのか?」の説明がないため、そもそも組み合わせの意図が分からないカスタマイズも多々ある。せめてオススメカスタマイズでプレイヤーが採るべき戦法も教えてほしかったところ。
    • さらに、一度でもオススメカスタマイズを崩して他のパーツでバトルに勝つと、その次のバトルからオススメカスタマイズの設定が崩れてしまう。
+ 一例として最初にこのルールが出るロボ博士の課題パート1の一戦目
プレイヤー 相手
ホロセウム パニックキューブ
巨大なキューブがせり出したりする、
ダイナミックな変形機構が特徴的なホロセウム。
ロボ レイⅡ
器用貧乏なため攻めるのも守るのも苦手。
ピコ
地上・空中どっちでも機動力があり、
耐久面以外では圧倒的に有利。
ガン Vレーザーガン
相手と特別相性が悪いわけでは無いが、
変形するホロセウムとの相性が悪い。
ライトアークガン
ピコの優れた機動力から
地上・空中の撃ち分けが使い易く、
変形するホロセウムにも噛み合っている。
ボム ストレートボムG
弾速は速いが真っ直ぐにしか飛ばず、
壁などの障害物を越せないため、
変形するホロセウムとの相性が悪い。
当てると相手を上に打ち上げるという性能も、
他のパーツと相性が良いとは言い難い。
デルタボム
こちらの前方と左右を防ぐ為、
牽制に便利で、レイⅡは動きを封じられがち。
ポッド ヤジューポッドF
近くの相手に反応して飛びかかる
セット型のポッドだが、ピコは持ち前の
速度と加速性能で逃げやすい。
ヤジューポッドF
こちらと同じポッドだが、
ジャンプの牽制に長けるためレイⅡだと
非常に避け辛く高い拘束力を発揮する。
レッグ 自由
スタビライザーレッグ
総評 変形するホロセウムと壁に阻まれて
ガンもボムもまともに射線を通せず、
広いステージのため機動力の高い相手を
捕まえるのも一苦労である。
速い移動速度を活かして抑え込む様に
ボム・ポッドでこちらの行動を阻害し、
地上・空中の撃ち分けで左右しっかりと狙える
ライトアークガンで確実に削ってくる。
  • 相手に相性の良いカスタマイズとは一体なんだったのか・・・?
  • 「フタバの時計塔」でのコロナvsハロゲン等、どうにも相性が悪かったり強みを活かせなかったりするカスタマイズばかりが並んでいるという事もあり、「相手に(とって)相性が良いカスタマイズ」とネタにされる事も多々。
  • 激闘編でのスコア基準
    • 激闘編では各バトル毎にスコアが記録され、その総合スコアによって金・銀・銅の三種のトロフィーが与えられるのだが、このスコアの判定基準が本作のゲーム性と合っていない。
    • そもそもスコアとして加算されるのは「自分の残体力」「残タイム」の2つしかない。しばりプレイで勝ったとか、コンボを決めた等は全く加点要素にならない。
      • こちらが違法パーツを使うとスコアにマイナス補正がかかるが、相手が違法パーツを使ってきてもプラス補正などは一切ない。
    • また、タイムと比べて体力の方はスコアに非常に大きく関わってくる(単純にHP1あたりの獲得スコアが大きい他、被弾ゼロで勝利するとパーフェクトボーナスによる大幅な加点があるため)。
      • 結果的に、身軽なロボで相手から逃げ回って戦うほうがスコアが高くなりがち。
        逆に重量級のロボで耐久力に頼って戦おうものなら、被弾しやすい分どんどんスコアは落ちていってしまう。
    • ゲーム内で「トロフィーは気にせず先へ進んだ方が良い」という話が聞け、実際その通りではあるのだが、全てのトロフィーを獲得しなければ挑戦できない場所がトロフィーと同じく3か所あるので、激闘編を遊び尽くすには必ずトロフィーコンプリートに挑戦する羽目になる。
    • 一応、「パーツとりあげバトル」や「パーツレンタル・バトル」のようなプレイヤーが不利なルールのステージでは、トロフィー獲得のノルマスコアがやや低めに設定されてはいる。
  • パーツ入手数に対して多すぎるバトル
    • 本作では殆どのパーツが激闘編で手に入るが、ステージ数が非常に多いため新パーツを入手できるバトルもバラけており、新パーツを入手するペースが遅く感じられる。
    • 激闘編序盤のステージから既にバトル数4~6に対して入手パーツ1~2個程度。欲しいパーツがやっと手に入ったと思ったら激闘編クリア間近、なんてことも。
  • 空中戦優位の戦闘バランス
    • 地上戦はボムやポッドによる妨害が多くなる為、前作から地上不利なゲームバランスではあったのだが、今作ではステルスダッシュの追加やパーツのバランス調整で更に悪化し、完全に空中戦優位のゲームバランスになってしまった。
    • 今作で強機体と呼ばれるロボは全て空中戦に優れる機体で、地上戦主体の機体と比べて格差があまりにも大きい。
    • 特にセクシースタンナー型とファニーオールドマン型は対人戦では使用禁止にするなど自重が推奨される程。余り賢くないCPUに使われても、厄介だと感じられる程に空中性能が良い。
    • 結果的に旅立ち編でも激闘編でも、攻略で推奨されるのは殆ど空中戦に強い機体と、それらに相性のいいパーツばかりである。
    • 前作の対戦バランスを考慮してか、本作では一部のパーツの性能が弱体化していたりなどのバランス調整も見られるが、あまり機能していない。
  • プレイヤー間の研究が進んだ結果、現在ではロボ本体の性能の強弱は目に見えてしまっている。
+ 強いと言われるロボ
  • セクシースタンナー型
    • 高く素早いジャンプが特徴で、特にジャンプの飛距離が伸びるワイドジャンプレッグとの組み合わせが凶悪。一度のジャンプで大半のステージの端から端まで高速で移動可能になる。
    • それ以外の性能も水準並みにあり、様々なカスタマイズが取れる。
    • 弱点らしい弱点が無いのだが、セクシーな女性型という見た目が当時世代だった少年達に使用を躊躇わせたのが弱点…かもしれない。
  • ファニーオールドマン型
    • 全ロボ最多の空中ダッシュ回数を誇り、前作から減らされて最大6回となったが、それでもなお強力。これを活かした滞空戦法が得意。
    • 但し防御性能や地上での移動力は全ロボ最低クラスであり、安定感で言えばセクシースタンナー型に劣る。
    • CPUは空中に対しての戦闘能力が極端に低い為、滞空能力の高いこの型は最もCPUに強い。
  • ストライクバニッシャー型
    • 鋭いステルスダッシュが3回で地上性能も平均的と、非常に扱いやすい。実質的に、シャイニングファイター型およびトリックフライヤー型の上位互換に位置する。
    • 強いて弱点を言えばその2種よりジャンプ力が低く、アタックが全体的に癖がある。
    • この型の機体と高威力のマグナムガン(もしくはショットガン、スタンガン等の高火力ガン)を組み合わせ、ステルスダッシュを利用したストマグと呼ばれる組み合わせはごり押しながら非常に強力。
  • ワイルドソルジャー型
    • 地上の歩行速度こそ低いが、空中ダッシュの硬直が短く着地のスキも小さい為、機動力はむしろ高い種類に位置する。
    • 防御力も高いため、総合性能は優秀。
    • 空中ダッシュが急降下タイプなので、操作に慣れる必要がある。
+ 弱いと言われるロボ
  • トリックフライヤー型
    • 空中ダッシュの性能は高いが、食らい判定が大きい上に防御性能や地上性能が低く使いづらい。
    • 鋭い空中ダッシュを活かした奇襲戦法で戦えなくは無いが、それならストライクバニッシャーやワイルドソルジャーの方が弱点が少なく安定する。
  • シャイニングファイター型
    • スタンダードな性能の万能型…といえば聞こえは良いが、実は空中性能が低く、それ以外の点もあまりパッとしない。
    • つまり、明確に強い要素がありつつ目立った弱点が無いストライクバニッシャー、ワイルドソルジャー、セクシースタンナー等の劣化といえる。
  • リトルレイダー型
    • 地上での最高速こそ(違法ロボを除けば)最高だが、それ以外の性能が劣悪というロボ。特に空中性能の低さは致命的。
    • 地上を重視に走り回る戦いをするのであれば、最高速こそ劣るものの小回りが利きやすく、空中性能も優れるリトルスプリンターがいるため、こだわりが無ければそちらを使ったほうがよい。
  • 空中戦優位なゲームバランスのため、全体的に空中性能が高い機体が評価されやすい傾向にある。
  • 但し、アタックは全ロボでかなり差別化されており、それを活かしたカスタマイズであれば弱ロボでも十二分に戦うことができる。
  • 掟破りの「アクロバットボム」
    • V2から新登場したパーツで、「威力なし、自分に向けて発射して爆風で大ジャンプする」という特殊なパーツだが、これが前述の空中戦優位を更に加速させている。
    • 自身の着地の隙に被せて着地→起爆とすると一度着地して再度大ジャンプするという挙動になり、空中ダッシュが回復してガン逃げが加速する。
    • また、スライド入力でガンの隙を消すこともできるため、このゲームの対戦における基本となる「硬直の読みあい」という駆け引きを無いことにもできる。
    • 欠点としてはボムを攻撃に使えないため攻撃の手数が減るという点があるが、ファニーオールドマン型と組み合わせると容易にガン逃げ戦法が成り立ってしまう。対戦では基本的には自重した方がいいパーツの一つ。
  • ある意味早すぎる完全版とも言える売り方。
    • 本作は、前作の発売から1年待たずに発売されており、無印に登場したロボやパーツもほぼすべて登場する。
    • V2に無印のシナリオやアーケードバトルは未収録なので、前作の価値が完全に無くなっているわけではない。
    • 特に激闘編は無印のキャラも多数登場するため、前作を遊んでいればより楽しめる作りになっている。

総評(V2)

ロボやパーツの新規追加、ベタながら王道なストーリーと魅力あるキャラクター、100を超える戦闘が用意されている激闘編等々、無印からかなりのボリュームアップを果たした作品で、今なお対戦ツールとして根強い人気がある。

その一方で、新規追加されたロボやパーツはゲームバランスを大味にする様な雑な調整の物もある上、今作基準で考えれば特に問題無い様なパーツが前作より弱体化されていたり、空中戦に強いロボが余りに有利過ぎるなど、バトル面の調整は少々荒が目立つ。

また旅立ち編では入手パーツ数が少ないためカスタマイズの幅が狭く、一部の強力な戦法によるゴリ押しが流行るなど、前作と比べてカスタマイズの楽しさが薄れてしまっている面もある。
一方、激闘編に関しても、パーツとりあげバトルのような縛りプレイの強要による不自由さや、バトルスコアの計算方法から耐久型のロボが不利なバランス等々、カスタマイズを醍醐味とした作品としては目につく点も多い。

対戦ツールとして遊ぶときは、本作特有の対戦バランスを考慮して相手と予めローカルルールを決めておくなど、プレイヤー側で一工夫すると、様々なカスタマイズやバトルを楽しめるだろう。


その後の展開

  • ゲームボーイアドバンスにて『カスタムロボGX』がリリースされている。
    • ハードの都合上、3Dバトルではなく2Dバトルとなっているが、カスタムロボの特徴である「カスタマイズの楽しさ」は損なわれず、新たな楽しさを生んでいる。
  • ニンテンドーDSでは『激闘! カスタムロボ』がリリースされた。路線こそはV2以前のものに戻ったのだが、発売時期が悪い上に各種演出の劣化やゲームバランスの調整不足が目に見えて、評価は高くない。
  • 『V2』はバーチャルコンソールにて配信されていた。他の64ソフト同様に1000ポイント(1000円)。
    • 上記の通り、当時VC版は何故か『V2』のみ配信され、初代は配信されていなかった。理由は不明だが、ボリュームがこちらの方が上でお得感を考えた上での配信だと思われる。
  • 現在は、Nintendo Switch用有料オンラインサービス『NINTENDO 64 Nintendo Switch Online』にて、2022年7月15日追加タイトルに初代『カスタムロボ』と共に配信されている。
+ タグ編集
  • タグ:
  • 1999年
  • ニンテンドウ64
  • ARPG
  • 任天堂
  • ノイズ
  • カスタムロボ

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年01月13日 16:43