天地を喰らうII 赤壁の戦い
【てんちをくらうつー せきへきのたたかい】
ジャンル
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ベルトアクション
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対応機種
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アーケード(CPシステムダッシュ)
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発売・開発元
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カプコン
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稼動開始日
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1992年11月
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判定
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良作
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天地を喰らうシリーズリンク
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概要
本宮ひろ志の漫画『天地を喰らう』を原作にしたゲーム。アーケード版『天地を喰らう』の続編だが、強制横スクロールありのアクションゲームだった前作とは違い、同社の『ファイナルファイト』のようなベルトスクロールアクションゲームとなった。
プレイヤーは関羽・張飛・趙雲・黄忠・魏延のどれかを選択し、曹操軍相手に戦いを挑んでいくことになる。前作でプレイアブルキャラクターだった劉備はNPC扱い。全9面+ボーナスステージ2面、1周エンド。
特徴
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三国志の時間軸上ではタイトル通り、「赤壁」の前後に当たる。
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原作はそこまで進む前に打ち切られたが、そもそも本シリーズの原作要素はキャラデザインのみである。
使用キャラクター
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使用キャラクターが前作の4人から5人に増え、前作より性能差がさらに極端になった。特徴もさらに際立ち、2~3人で協力して戦う場合でもお互いの特徴を活かすことが求められる。そうでないと、クリアは遠い。
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関羽:長リーチかつ強判定のパンチコンボ、判定が出続けるジャンプ攻撃、連打が利く通常つかみ技と投げ技は非常に強いが、それ以外の技の隙が大きいという、基本性能を重視した初心者向けキャラクター。
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多数の相手に強く、敵のジャンプ攻撃を投げで迎撃しやすいキャラクター特性は、それだけで攻略上有利と言える。
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欠点は発生の遅いタックルや、判定が弱く隙も大きい必殺技「断剴撃」により、タイマンでの火力が他キャラに比べて低いこと。
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ひたすらパンチ投げに徹すれば強く、欲を出して様々な技を使おうとすると熟練した上級者でもない限り途端に弱くなる。
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張飛:多彩な投げ技を持ち、パンチコンボの威力が最も高く、防御力も1番高いという、同社製『ファイナルファイト』のハガーに近いパワーキャラ。
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巻き込み性能が高く、技の最中に潰される事もなく、終わり際に隙が全く無いという超高性能のジャンプ投げ「フライングブレーンバスター」が優秀。しかし、他の投げ技には絶対的な信頼が置けず、パンチ逆投げの入力にコツが要るなど、使用感はハガーと大きく異なる。
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黄忠に次いで操作に癖が強く、使いこなすには修練が要る。特に掴みからの噛みつき攻撃はレバガチャで威力を大きく上げられるが、硬直が非常に長く、多数の敵を前に暴発するとほぼ確実に殴られる。
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馬に乗ると蛇矛を振るうのだが足下を攻撃するような技が多く、総じてリーチが短い。
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趙雲:タックルが素早く、5人中最速の歩行速度もあって、全キャラ一機動力が高い。
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必殺技「飛翔剣」は斜め上にレバー入力しながら出すと前進する他キャラにない特性を持ち、タックルをキャンセルして出すことも可能。やや魅せ技的ではあるが、空中投げを持っているのもこのキャラクターだけ。
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ただし、パンチコンボの威力は全キャラ最低で3段目のリーチが短く、パンチ始動技はほぼパンチ投げ頼り。体力も黄忠の次に低いため、制限時間の厳しい後半のボス戦が難しい。時には強引に接近して掴み、必殺技の根元当てや投げを狙うことも必要。
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黄忠:武器が弓で、パンチコンボで矢を射るという異色の飛び道具中心キャラ。
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矢は攻撃発生が遅い上に貫通性能がなく、パンチ投げが使えないので多人数を相手にするのが苦手という、ベルトスクロールアクションでは致命的な弱点を持つ。全体的に操作の癖が非常に強く、体力も全キャラ一少ないという上級者向けキャラクター。
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発生が早く、敵を一撃で吹っ飛ばしダウンさせるタックルが黄忠の生命線。必殺技「斬断弓」は高威力なので掴みから大ダメージを狙えるのだが、1対1の状況に持ち込むまでが大変。掴み間合いが狭い上に掴み攻撃の「短剣刺し」モーションが長く隙が大き目なため、掴み関連が弱めなのも痛いところ。
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拾える武器や馬の重要性が他キャラ以上に高い。遠距離攻撃メインな上にパンチコンボ代わりの3連射は威力が高く、1対1での戦いは逆に無類の強さを発揮する。
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魏延:関羽と趙雲を足して2で割ったような、比較的バランスの取れたキャラクター。
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必殺技「斬馬蹴り」(所謂サマーソルトキック)の使いやすさと威力の高さが特徴。それ以外の技は軒並み平均的な性能のものが揃う。
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欠点はパンチコンボの繋ぎが遅く、投げ技で敵を地面に叩きつける故に対空性能が低めなこと。また、手軽に出せてダウン効果のあるジャンプ攻撃の持続時間が最も短く、タイミングを合わせる必要がある。
システム・その他
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8方向1レバーと2ボタン(A:攻撃、B:ジャンプ、A+B:メガクラッシュ)と同ジャンルとしてはオーソドックスな操作系。
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レバー下上+Aで必殺技、レバー下+Bで移動しながら攻撃するタックルなど、本作特有のコマンド入力による特殊技も存在。
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前作で特徴的だった左右別の攻撃ボタンや経験値によるステータスや武器の成長は廃止。策略はメガクラッシュに変更された。
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前作で乗っていた馬は一部の面にだけ出てくる。ダッシュ攻撃などで群がるザコを蹴散らすのは気持ちよいのだが、必殺技が出しにくく、一部のダウン攻撃に耐性らしきものがついてしまうため、一発でダウンするはずの技でも多段ヒットして余計なダメージを食らうため、徒歩に比べてかなり不利になる。一方、メリットとしては獲得点数が大幅に上がるため(例えば、1面は馬に乗ったままボスを倒した方が、馬に乗らずにパーフェクトで倒すよりも点数が高くなる。)、高得点によるエクステンドが近くなる。よって上級者向けといえる。
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オリジナルな展開や超個性的な敵将が目を引く。
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口から火を吹いたり爆弾を投げる夏侯惇、巨体から高速のローリングアタックで突撃する許褚、武器が大剣とモーニングスターの曹仁、ナイフ投げやボディプレスを使ってくる張遼と、三国志ファンからすれば突っ込みどころ満載。
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さらにこの敵将達はプレイヤーキャラクター達より二回りほど大きい体格をしている。後述しているが関羽でも身長245㎝もある巨体なのだが…。
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3世紀初頭の中国が舞台なのに、なぜか正宗や村正などの日本刀が普通に出現する。
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隠し武器に至っては、聖剣エクスカリバー(中世欧州)や草薙の剣(古代日本)といったものまで登場する。
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特定の武器や攻撃で敵を倒すと胴体が真っ二つになったり、上半身が砕け散ったり、ボス敵を斬首したりする、スプラッターな描写がされる。武器攻撃だけでなく、一部の素手技でも。
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これらの方法で敵を倒すとボーナス点も入る。ボスの場合、斬首が最もボーナス点が高い。
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3面~4面間に出る女性刺客3人組は安田朗(あきまん)がデザインしている。彼女らを特定の技で倒してもスプラッターなことにはならない(それでもボーナス点は入る)…さすがにヤバいか。
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ちなみに彼女らは8面以降では名前と服の色が異なる雑魚扱いで再登場する。
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BGMは当時のゲームミュージックらしい作風だった前作から、古代中国的な雰囲気が強調されるようになり大きく様変わりした。また、基板もCPシステムのQSound搭載版である「CPシステムダッシュ」が使われていることからサウンドのクオリティも向上している。
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ラスボスやエンディングについて
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ラスボスは、この時間軸ではとっくに死んだはずの呂布。ガード、タックル、メガクラッシュ、多段ヒットの鞭、ローリングアタック、2種類の投げ等ラスボスに相応しい多彩な技と機動力を誇る。ただし放浪生活を続けていたという設定のためか、体力自体は多いが防御力はやや低い。
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厳密に言えばラスボスは曹操だが強くないため、事実上のラスボスは呂布と言える。
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最後はマルチエンディングで、「曹操を逃がす」「曹操を逃がさず、時間内に殺す」「曹操を殺そうとしたが時間切れで倒せなかった」のどれかによりエンディングが変わる。
ベストエンディングは逃がさずに殺せば見られる。劉備軍によって天下統一されるハッピーエンド。曹操を直接倒してしまったので蜀に行く必要も無くなったはずなのに魏と同時に劉備軍支配下になってしまう蜀、少し遅れて結局併合される呉という展開はよく考えてみるとシュールである。 「曹操を逃がす」を選ぶと歴史に基づいた結末になる。 時間切れで逃げられてしまった場合、再び攻め込んできた曹操に滅ぼされてしまうバッドエンド。曹操軍の方もこの戦いで夏侯惇、曹仁、張遼、徐晃、許褚など主立った武将が多数戦死しているのだが、司馬懿らが頑張ったのだろうか。
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曹操ははっきり言って弱いが、制限時間が短いためうまくやらないと逃げられてしまうことも。
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スタッフロールでは、各ボスが倒される瞬間の静止画(リプレイ)が次々に流れる。そのため、かっこいいフィニッシュシーンを狙って魅せプレイを行う動機付けになった。
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また、1コインクリアを達成すると中華三人娘がプレイヤーを祝福してくれる。カプコンのマスコットキャラクター扱いだったモビちゃん2機が『ストリートファイター』シリーズのリュウとケンの胴着を着て波動拳・昇龍拳・竜巻旋風脚・飛び蹴りを放つと言った寸劇も見られ、どちらが勝つかは毎回変わる。
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真のエンディングでは(亡き)曹操と孫権が『天地を喰らうIII』のリリースを求めてくるが、いま現在も続編は発売されていない。
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曹操は死んでしまったし、呉はわけもわからぬうちに併合されてしまったし、この歴史の続きをゲーム化することは不可能であろう……。せいぜい「曹操戦死後から、呉を倒して天下統一までの話」くらいか。
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評価点
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5人の操作キャラクター全てにはっきりとした個性があり、全く異なる操作感のプレイが楽しめる。
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パンチコンボが高性能で多人数相手に強い関羽、掴み攻撃の途中止めでハメを狙える張飛、軽快な動きから掴み攻撃→必殺技の連続技で大ダメージを狙うのが気持ちいい趙雲、斬馬蹴りが連続技でも立ち回りでも強力な魏延、唯一標準で飛び道具が使えタイマン性能が高い黃忠と各々に強みがあり、どのキャラクターもやり甲斐がある。
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どのキャラクターも長所と短所がはっきりしているため、多人数プレイで互いの短所を補い合うような構成になりやすい。
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カプコン製ゲームらしい、パターン性とアドリブが融合した高いレベルの攻略性。
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個々の攻撃方法には対処法が用意されているためそれを覚えれば有利になれるが、行動パターンのゆらぎと対多人数が前提のバランスにより、攻略法がワンパターンにはならない。
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アイテムの出現ポイントに起伏があり、回復力の高い食べ物や強力な武器が確定で置かれているポイントをいかに活かすかが重要。
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大勢で襲ってくる敵を殴って蹴散らしたり、単体の敵に連続技を決めて一気に大ダメージを奪う爽快感や、敵の攻撃パターンを読む攻略性、やり込みにより1コインクリアを狙える難易度などベルトアクションゲームとしての完成度は非常に高く、遊んでいて楽しいゲームである。
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多彩な武器を使いながら進めていく楽しさ。
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ベルトスクロールアクションゲームの多くで採用されている武器だが、本作はその種類が非常に多い。
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殴ると敵を少しの間気絶させるハンマー系や、多段ヒットするタイプの刀剣は使い勝手が良く、攻略の上でかなり強力。
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一部の武器は隠し要素扱いになっており、途中で逃げる敵を倒したり、特定地点の隠し宝箱を攻撃で出現させて壊すと出てくる。これらは通常の武器より強力なものが多く、やはり攻略を楽にするなら是非入手したいものばかり。
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最終面の隠し武器である最強武器の草薙に至っては、一撃でライフゲージ1本分を持って行く。しかし保持していても途中で強制的に捨ててしまうため、ボス戦には持っていけない。
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武器はヒット時のスコアが加算されないため、高得点を狙うなら武器は使わない方がいい。
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協力プレイの共闘感。
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ただでさえ多い敵数がさらに増えるため、単に「プレイヤーが多いほど楽」とは言い難い。
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敵を左右どちらかにまとめて完封、中央プレイヤーが左右プレイヤーの背中を護る、ボス戦で1人がザコの注意を引いて増援封じなど、共闘感あふれる戦術が有効。
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元々の難易度が高いだけに、全員1コインクリアなどの喜びもひとしおである。
賛否両論点
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前作AC版から大きくゲームシステムが変わったため、前作AC版のファンからはあまりの違いに受け入れられない人も出てきた。
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連続で攻撃が3発当たると敵味方問わず大抵の場合吹っ飛ぶようになったため、『ファイナルファイト』などで猛威を振るったパンチはめは封印された。
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その代わり「通常技2段→投げ(3段目前にレバーを↑か↓に入れる)」のダメージが大きく、ゲームの要となる。また、「単発パンチ→ワンテンポ遅らせて連続技→投げ」とすることでパンチ1発分ダメージを稼げる。ただし、通常技が飛び道具の黄忠は無理。
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大きなダメージ源となる掴み攻撃からの必殺技も、ガード能力を持つ敵将へ無闇にぶっ放すとガードされて手痛い反撃を受ける。黄忠の場合、素で3発目が空振りしてしまう敵もいる。
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全体的にゲームスピードやキャラクターの動作がほかのベルトゲーに比べて遅め。しかし、そのおかげで敵の攻撃を読みやすいこともある。
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前作AC版で棒読みだったボイスは改善されたが、複数キャラクター間での使い回しが非常に多い。
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「五虎大将軍」と銘打っておきながら、その一人である馬超がいない。
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本作のプレイアブルキャラクターに魏延が使えるが、何故「五虎大将軍」の一人である馬超でなく魏延なのかという意見がある。
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史実での馬超は赤壁の戦いの際には劉備陣営に居なかったのだが、それなら黄忠と魏延も同じである。
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もっとも「三国志演義」において馬超が活躍するのはもっぱら蜀軍加入前であり、劉備配下としてはたいした活躍もなく病没している。対して魏延は五虎大将軍が亡きあとも蜀軍を第一線で支えた名将であり、活躍度において馬超に劣るものではなく、位も趙雲より上である。
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最後に孔明と反目し、反乱により悲惨な最期を遂げるという悪人然としたイメージ像もキャラクターデザインの差別化に一役買っているが、そのような人物がプレイアブルキャラクターにいることで蜀軍の一枚岩感が削がれてしまう結果にもなり、選出は賛否が分かれる。
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この選出が影響したのか、後の三国志シリーズでの五虎大将イベントの際、趙雲、黄忠、馬超のいずれかがいない場合、魏延がいれば代役になるという条件設定があったりする。
問題点
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必殺技や掴みの仕様
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ベルトスクロールでは縦軸調整のため頻繁にレバーを上下に入れるので、そこからすぐ攻撃しようとすると必殺技が暴発しやすい。
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必殺技で大ジャンプする関羽や趙雲は隙が非常に大きく、敵の近くで暴発して空振ると目もあてられない惨事になる。
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敵の中心軸ではなく前面に掴み判定があるため、縦軸から掴むのにコツが要る。また、掴み時間のランダム幅が大きく(忍者・女性刺客・ボスなどで顕著)、急いで入力しても「掴み攻撃×2→投げ」などが間に合わないことがある。
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張飛は「掴み中に↓+攻撃」で隙の大きい噛みつき攻撃が出てしまう。これも多人数を相手にしている時に暴発すると危険。通常の掴み攻撃を1回でも入れれば出なくなるのが救い。
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カプコン製ベルトスクロールアクションの例に漏れない厳しい難易度。
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AC版の工場出荷設定では残機1、エクステンド1回のみと1コインクリアはかなりシビア。店舗によっては初期残機数を増やしたり、複数回エクステンド設定にして稼働しているところも多い。
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本作ではパンチはめがなく、ザコ敵にも起き上がり無敵があるため、一気にハメ殺すのは難しい。
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一部のボス敵は乗馬した状態で登場する。乗馬したボスは打撃ではダウンしにくく、こちらの攻撃の隙を強引に狙われやすい。馬は下ろした後一定時間が経過すれば去って行くが、隙あらばボスが攻撃判定のあるダッシュで再度乗ろうとするため完全に無力化するまでかなり苦労させられる。
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最初の乗馬ボスは2面の夏候惇で、ここが序盤の壁。本作でもやはり「カプコン2面のボスは初心者殺し」の法則は健在。
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全面通して最大の難関は8面。中盤まで回復アイテムの確定ポイントがなく、女性刺客やデブ兵士などの飛び道具持ちが多数出現する前半がかなり突破困難。更にボスの徐晃は馬に乗って登場するためダウンしにくく、馬から下ろしても超高速の突進やジャンプ突きの奇襲などがあり、厄介な忍者をお供にしていることから本作最強のボスとされる。
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一部の攻撃が至近距離でめり込むと多段ヒットし、ゲージの3割以上持っていかれる(弓兵士の殴り攻撃、中華娘の上段蹴り&宙返り蹴り、後半槍ボスの突き攻撃など)ため、油断すると一息で瀕死状態に。
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投げられるが威力が大したことのないナイフ系武器、メイス系や釵などのダウンを奪えない低威力武器など、使えない武器はとことん使えない。特に釵はザコ敵がしばしばドロップするため、殴りたい場面で拾ってしまい痛い目に遭うこともある。
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武器は攻撃を喰らった時やメガクラッシュ時に落とすので、いらない武器はメガクラッシュを空振りして消してしまうのが有効。
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1周エンドとは言え、全9面+ボーナスステージ2面というのは相当な長丁場であり、オールクリアには約1時間かかるなど、カプコン製の他ベルトアクションゲームと比べても長時間のプレーを強いられる。1コインクリアにはパターンの構築と、要所要所でのアドリブに加え、長時間のプレーに対する集中力も必要となる。
総評
ベルトスクロール作品円熟期の作品らしい、ひたすらに骨太で硬派なゲーム。
ゲームシステムだけ見ると本作品ならではのセールスポイントは少ないが、個性的な操作キャラクター達と絶妙なゲーム構成がテクニックの上達を促進する作りとなっていて、自然とプレイヤーを惹きつけいつの間にか熱中させてしまう中毒性を秘めている。
三国志作品として本作を考えるとかなりの際物なのだが、プレイしていると次第に違和感がなくなってしまう。
ベルトアクションゲームとしては『ファイナルファイト』や『ダンジョンズ&ドラゴンズ シャドーオーバーミスタラ』並にロングランで稼働しているゲーセンが多く見られたタイトルであり、現在でも根強い人気を持つ。
他機種への移植
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PS・SSにそれぞれ移植されている。一部の効果音が刷新され、所々にロードが入るようになったが、それ以外は忠実。BGMも曲の最後にフェードアウトがかからずループする。
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難易度設定を「EASY」「NORMAL」「HARD」の三段階から選択できるが、敵の出現数、攻撃力、体力に差異はない。敵の思考ルーチンが多少変わる程度。
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残機数はスタート時、コンティニューとも1で固定。エクステンド設定に「200000EVERY」(最初は10万点、以後20万点ごとに1機追加)が追加されている。
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PSもSSも3人同時プレイはできず、2人まで。
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PS版は血がオレンジ色だったり撥ねた首が画面に残らず消滅したりと残虐性のある描写が修正されている。SS版はその辺りもAC版に忠実。
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PS・SS版双方とも、隠しコマンドで裏モード(通称「青天地」)がプレイできる。裏モードはふっとばし属性の無い攻撃ならば何回当たってもダウンせず(敵はもちろん自分も)、プレイヤーキャラクターに強化版必殺技と空中投げ(対地も可)が追加されている。
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このコマンドは難易度ハードでクリアすると表示される。後にPSソフトが同梱された書籍「カプコンゲームブックス」版ではコマンドが冊子にそのまま記載されている。
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PS版、SS版共に現在でも中古価格は高めとなっている。
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1995年にCPSチェンジャー版が発売されている。
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2005年、2006年には携帯アプリ版が配信されている。
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2011年10月26日より、ゲームアーカイブスでPS3とPSP向けにPS版の配信が開始された。
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2018年9月20日より、Nintendo Switch、PS4、Xbox One、STEAMにて配信が開始された『カプコン ベルトアクション コレクション』に収録。収録作品の中では唯一の版権作品である。
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2021年2月18日よりNintendo Switchで、更に同年5月25日よりPS4、Xbox One、Windows(Steam)にて配信が開始された『カプコンアーケードスタジアム』(DLC Pack 3)に収録されている。
余談
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5面ボスの淳于導、6面ボスの片割れの晏明などは『三国志演義』に登場する架空の武将がモチーフなのだが、三国志演義内でも出番が少ない(蜀の武将に斬られて出番終わり)というかなりマイナーな存在である。
だが、このゲームでは夏侯惇や許褚といったビッグネームより後に出るので実在の有名武将よりも強いという破格の扱いを受けている。
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中国では『三國誌II』というタイトルで発売されている。
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日本版では日本語読み表記だった武将名のアルファベット表記がピンイン表記になっている。メッセージは日本語設定もあり。
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欧米版は『Warriors of Fate』というタイトルで発売されているのだが、何故かキャラクター名が三国志とは関係の無い架空の名前に差し替えられている。
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前作の欧米版『Dynasty Wars』と主要キャラクターの外見は同じなのに名前が違う、さらにキャラクターのボイスやステージ開始に出てくるステージ名も日本版のままだったり、道中の一部セリフが出ないなど珍妙な仕様となっている。
前作欧米版のエンディングでは本作のタイトルは『Dynasty Wars 2』と表現されているのだが。
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メインキャラクターには身長や体重の設定が存在するが、身長は細かい数値(関羽:245cm 趙雲:186cm等)であるのに対し、体重はやけにアバウトな表現になっている(関羽:重い 張飛:熊並み 黄忠:木の葉程度等)。
最終更新:2023年06月20日 15:50