サイキック5
【さいきっくふぁいぶ】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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アーケード
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発売元
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ジャレコ
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開発元
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NMK
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稼働開始日
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1987年
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判定
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良作
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概要
『ボンジャック』製作スタッフが独立したNMKの作品。そのため、キャラクターの空中制御は『ボンジャック』同様、独特の浮遊感がある。
システム
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サイドビュー探索型2Dアクション。縦画面。8方向レバーとジャンプボタン、攻撃ボタンの構成。
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自機が空中にいる際、レバー上を入力する事で落下速度を低下させ、そのままレバー横を入力すれば滑空する事ができる。
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自発的に攻撃できる点が『ボンジャック』との違いだが、その点以外は『ボンジャック』と同一。
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各ステージにおいて、制限時間内にボスの魔王を撃破するとステージクリア。全8ステージ。
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自機選択システム搭載。ステージ開始時に5人から1人を任意で選択。ステージ中に点在する電話ボックスでも交代できる。
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自機となるエスパーは最初2人しかおらず、他の3人はステージを進めて救出する事で使えるようになる。
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5人のエスパーはそれぞれ移動・攻撃力・ホバリング能力・プッシュパワーなどが異なる。
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5人のエスパーたち
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NAOKI
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12歳。最初から使用可能。体格がAKIKO同様最小で移動が2番目に速く、その他パラメーター(攻撃力・ジャンプ力・ホバリング力・プッシュパワー)は平均的で目立った欠点が無い。
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AKIKO
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10歳。最初から使用可能。ジャンプ力とホバリング力に秀でた紅一点。空中で攻撃を連打すると「完全な空中静止」も可能で、各面のトラップ踏破に最も向いている。パンツの色は白。
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BUNTA
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13歳。高い攻撃力を持ち、他4キャラとは桁違いに高いプッシュパワーを持つ力自慢。機動力に欠けるが要所で活躍するナイスガイ。専用BGMがカッコ良いと評判。
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MAKOTO
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15歳。移動とジャンプ力が最強で、彼でないと到達できない場所がある。背が高く当たり判定が大きいという欠点があり、扱いにくい。が、スコア稼ぎには欠かせない存在であり玄人向け。
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GENZOH
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88歳。最強の攻撃力とAKIKO以上のホバリング力を持つ。ただし、移動速度が最も遅い為彼一人ではステージ攻略は間に合わない。最終兵器のようなおじいちゃん。ふんどしの色は赤。
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ステージ中に中に出現する壷や「?」の書かれた箱を破壊すると中から様々なアイテムが出現する。
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「?」の箱の中身は固定だが、画面右上に表示されているアイテムと交換される。右上のアイテムは時間経過と共に変化し、空白になると本来の中身が出現する。
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アイテム一覧
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食べ物:スコアアイテム。連続して同じ種類を獲得すると得られるスコアが増えていく。回収率に応じてステージクリア時にボーナスが加算され、さらに「全種類全て連続獲得」を達成させると超破格のボーナスが加算される。
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アイテムの出現法則は「攻撃した回数」等に依存しており、完璧に把握し続ける事は非常に難しい。
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顔:スコアアイテム。増加するスコア量は微々たる物。
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赤い球体:残り時間が増加する。設定時間が短めの本作においては重要アイテム。
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宝石:スコアアイテム。1,000点単位で増加する。
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P:ミスするかステージクリアするまで全能力が上昇する。キャラによっては必須アイテム。
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EXTRA:一文字ずつ出現。全ての文字を集めると残機が1上昇する。
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×2:スコアが二倍になる。
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青い球体:全ての敵の動きが一定時間止まる。
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絶えずステージ中を上下に飛び回っている魔女を倒すと魔女の箒を奪い、一定時間空中浮遊が可能になり無敵になる。
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ステージボスは例外で、ステージボスの攻撃に接触するとミスになる。
評価点
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設定で消されている事が多いものの、アトラクトデモで流れる曲や、NAOKI、BUNTAのテーマなど、BGMの評価は高い。
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作曲者は当時日本マイコン開発(NMK)に所属していた坂本慎一氏。『アーガス』や『バルトリック』の作曲者と同じ。
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後にウエストンに入社し、そこでも『ワンダーボーイ モンスターランド』の曲を手掛けている。チップチューン(いわゆる電子音)を活かした曲風は評価が高く、このゲームでもそれは遺憾なく発揮されている。名前は知らなくても「ああ!あの曲の人なのか!」と納得のいくオールドゲーマーも多いだろう。
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アクションゲームとしては操作が簡単で、アーケードゲームとしてもルールが単純。わかりやすくとっつきやすく、誰でにでもお勧めできる。
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やや難易度が高めではあるが、理不尽と言うほどではない。
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ステージ展開に応じてキャラクターを変更し、計画的に攻略する事で難易度は更に下げえられる。プレイヤー自らの手で攻略パターンを作っていく類のゲーム。
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古臭い印象を抱かれがちだが、ステージが変るごとに外見や敵グラフィックががらりと変るので、見た目にも楽しめる。
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コミカルなトラップ、独特の浮遊感など、触っているだけでも楽しい。
問題点
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ピーキーすぎる性能を持つMAKOTOの使い道が乏しい。
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ただし、本気でハイスコア稼ぎを始める場合はMAKOTOに頼りっきりになる部分もある。(主に魔女の箒稼ぎ)
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ゲームに慣れてくるとNAOKIも平凡すぎて徐々に出番が減ってくるが、最初のステージでは使ってもらえるので、MAKOTOほどではない。
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MAKOTOは専用BGMがやたらコミカルだが、他のキャラの曲から浮いてしまっている。
総評
世に「隠れた名作」と呼ばれるゲームは多い。その中でも特に隠れている本作だが、レトロアーケードゲーマーには広く知られている傑作アクションゲームである。
余談
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ファミコンに『エスパ冒険隊 魔王の砦』としてアクションRPGにアレンジ移植されている。
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原型は留めていないものの、純粋なゲームとしての評価は高い。
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2023年7月27日にNintendo Switchでリメイク作の『サイキック5 エターナル』が発売された。
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オリジナルステージのクリア後に新ステージを新キャラで挑む第2部的な展開が追加された。
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タイムアタック等の新モードが追加された他、2人同時プレイが可能になった。
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グラとBGMはオリジナル版とリメイク版をワンボタンでいつでも変更可能。リメイク版のBGMアレンジはオリジナル版のBGMを手掛けた坂本慎一氏が担当している。
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開発はレトロゲームのリメイクを専門とする韓国のゲーム会社CRT GAMES。
社長が基板を持つほど好きな『サイキック5』のリメイクをシティコネクションに提案した事で開発が始まり、ソースコードが無いため目コピでオリジナルの部分を再現したという。(参考)
最終更新:2024年01月06日 05:27