GRADIUS

【ぐらでぃうす】

ジャンル シューティング
対応機種 アーケード(バブルシステム)
販売・開発元 コナミ
稼動開始日 1985年5月29日
プレイ人数 1~2人(交代)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
※アーケードアーカイブス版より付加
配信 アーケードアーカイブス
【PS4】2015年1月29日 838円(税10%込)
【Switch】2020年7月9日 838円(税10%込)
判定 良作
グラディウスシリーズ


概要

1・9・8・5・宇宙が・マルゴト・ヤッテクル

スクランブル』『スーパーコブラ』でのノウハウを更に昇華させた即死型残機制強制横スクロールSTG。同ジャンルの代表格と言っても過言ではない超有名作。 プレイヤーは惑星グラディウスの危機を救うべく発進した超時空戦闘機「ビックバイパー」を操作し、宇宙空間や様々な空間で亜時空戦団バクテリアンと戦う。

ゲームシステム

  • 自機はパワーアップ制。赤いカプセル(特定の敵編隊や、色違いの敵を倒す事により出現)を入手する事でパワーアップゲージが上昇。パワーアップボタンを押す事でゲージの貯まり具合に応じたパワーアップを行なう。
    • ゲージの並びは以下の順になっている。最後尾(バリア)まで貯まっている時に更に赤カプセルを取ると、ゲージが最初(スピードアップ)に戻る。またパワーアップを行なうとゲージはリセットされる。
      SPEED(スピードアップ) パワーアップ回数に応じて自機の移動速度が上がる(AC版では5段階)。
      当然速すぎれば制御が難しくなるが、遅すぎると敵の攻撃を回避できない。
      MISSILE(ミサイル) 斜め下に投下されるミサイルを追加。
      ミサイルは地面に接触した場合、そのまま障害物または壁・上り斜面に接触するまで地面に沿って前進する。
      DOUBLE(ダブル) ショットが前方と斜め上の2方向に同時発射されるようになる。LASERとは併用不可。
      上方に攻撃できる唯一の武器。但し連射性能はノーマルショットより劣り、上方攻撃を活かせないステージとは相性が悪い。
      LASER(レーザー) ショットが前方に長く伸びるレーザーに変化。DOUBLEとは併用不可。
      耐久力の低い敵を貫通し、見た目に反して当たり判定もかなり広く*1、終始主力として活躍できる。
      また、レーザーは自機のY座標に従って全体が動き、先端さえ通過していれば地形や耐久力のある敵の背後も薙ぎ払える。
      このテクニックは通称「レーザーワインダー」と呼ばれる
      OPTION(オプション) 自機の攻撃をそのままトレースする楕円形のオプションが付随し、自機に追従するようになる。
      パワーアップ回数に応じ最大4個搭載可能。
      オプションは自機の後を追尾するように移動する。自機が動かないとオプションも動かず、地形を透過する。
      なお本作のオプションの挙動は以降のシリーズ作品でのものと異なる。
      ?(バリア) 自機前方に巨大なバリアを展開する。バリアは一定回数、敵機の体当たりや敵弾を無効化する。
      但し自機前方以外はガード判定がつかない。
  • 赤カプセルを15個出現させるごとに青いカプセルが登場する。いわゆるボンバーアイテムで、取得と同時に耐久力のない敵をすべて消滅させる。
    • なお、本作の青カプセルは敵弾を消滅させる効果はない。敵弾消滅効果は続編である『グラディウスII -GOFERの野望-』にて導入されている。
  • ミスをするとスピードアップを含む全ての装備を失った上でステージ内に設定されている復帰地点に戻されて再開となる。
    • パワーアップゲージを点灯させた状態でミスをした場合はスピードアップのゲージが点灯した状態で復帰される(通称「保険カプセル」)。
  • 全7ステージで1周クリア。1周クリアしても、スタッフロールなどなしにすぐに2周目が始まる。
  • 2周目以降は、敵を倒すとその瞬間に弾を撃ってくる「撃ち返し弾」が登場する。この撃ち返し弾は、これ以降のSTG作品で度々登場するようになる。他社のSTGでもこれを取り入れているものは多い。
    • 2周目はランダムで撃ち返したり撃ち返さなかったりするが、3周目以降はキャラオーバーがかからない限り100%撃ち返してくる。

評価点

  • どのタイミングでも絵になるSTG。
    • キャッチコピー「1・9・8・5・宇宙が・マルゴト・ヤッテクル」を体現した様な美しいグラフィックのもと、ステージ毎にガラリと変わる背景と敵の攻撃。
      • ステージの最後に待ち受けるボス「ビッグコア」は、斉射されるレーザーをかいくぐって弱点のコア(と、コアを保護する遮蔽版)を狙い撃つ必要がある。このビッグコアや同様のコアを持つボス敵は、シリーズ作品を代表する敵として後作にも様々な形で登場することとなった。
    • 最大パワーアップ時の自機は大変高い破壊力を持っている。各種武器で強化された自機本体の火力が、更にオプションによってそのまま最大5倍に増幅されるのだ。
      • この高火力で並み居る敵をなぎ倒していけるため爽快感に溢れている。当時としては比較的敵が多く出現していたため、尚更これを実感しやすい。
    • 当時のSTGとしては珍しく連射の重要性が低いという特徴も持っている。ダブルはともかくレーザーは押しっぱなしで機能する上、ミサイルも押しっぱなしで最速連射されるようになっていた。これも気軽に大火力の爽快感を味わえて評価が高い。
  • 非常に耳に残る美しいBGM。どれをとってもクオリティが高く、未だに覚えている人も多い。
    • 作曲を手掛けた東野美紀氏は当時、アルバイトとしてコナミに入社した人物であり、そのクオリティの高さからファンの間では「最強の女子大生アルバイト」と呼ばれることも。
  • ゲームバランスは極めて良好。ある程度練習すれば順当に上達する。シューティングに慣れていればさほど苦労する事無く先へ進む事もできるが、突破するために一癖ある難しい場面もある。

問題点

  • 難易度はグラディウスシリーズの中では低いほうだが、本作特有の難しさも多く存在する。
    • 本作はシリーズ中でも敵弾の速さがトップクラスで非常に速く、また自機狙いの弾も非常にえげつない精度で放ってくる。
      • しかもバリアが前方タイプしか存在しないのに敵機は画面ほぼ左端からも容赦なく自機狙い弾を撃ってくる。
        うっかり撃ち漏らすと後方からや、下手をすると上下の至近距離から高速の自機狙い弾が飛んできて死あるのみ。安定してゲームを進めるためには、雑魚の処理のパターン化は必須。
  • オプションの挙動について。
    • 今作のオプションは基本的に自機の動きをトレースする挙動になっているのだが、操作中に時折オプションの動きが固まる事がある。
      • 1周クリア狙いであればあまり気にしなくても良いのが幸いではあるのだが、プレイヤーにとっては気になりやすい。
    • 後に『グラディウスV』のオプションコントロールシステムにおける「フリーズ」は初代特有のオプション挙動を擬似的に再現出来る事から、本作のオプションはある意味フリーズオプションの原型なのかも知れない。
  • ミスした後の持ち直しが大変厳しい。
    • 基本的に本シリーズでは、一度ミスするとパワーアップがすべて剥奪される。最強状態の火力がすさまじい分、初期状態との落差もすさまじい。
      更にシステム上、カプセルがある程度出現しないと満足な戦闘力を確保できない。ゲームが進むにつれて敵の攻撃も激しくなっていくのに、敵を倒してカプセルを入手しなければパワーアップ出来ない訳で…。
    • 5面は前衛以外全くカプセルが出ない為、うっかりミスしてしまうとスピードアップすら許されない状況に陥り目も当てられなくなる。
      • こうなると、青いカプセル(ゲージが上昇しない)も良し悪しになる。下手をするとスピードアップしかできない状態でボスに挑まなければならなくなる事もざら。
    • 当然、初心者であればズルズルと後続もやられ続けてそのまま終了となる。一方で、上級者は厳しい持ち直しを「復活」と呼び、その復活パターンの構築をも楽しむようになっていった。
      5面だけでなく、2面ザブラッシュ、4面アイアンメイデン、7面後半ハッチ地帯辺りが復活の難所として上げられている。当時関東では高次周の復活は無理、1000万出すならノーミス必須と言われていた中、博多からやってきたとあるプレイヤーが普通に復活していたのを見て度肝を抜かれていたとか。
      • 本シリーズには「ランクシステム*2」が存在し、ミス後は敵弾が遅くなったり敵の攻撃間隔がゆるくなるといったバランス調整が行われているため、高次周でもなければ*3理不尽な状態にはならず、少し練習すれば抜けられる程度の難易度に保たれてはいる。
  • 自機の初期速度が遅すぎる。
    • 本シリーズの初期速度(以下0速)はスタート直後初期位置から最初の敵が現れるラインに移動するまでに約1~2秒はかかる。これはケイブ製シューティングゲームにある(ショットボタン押しっぱなしによる)抑速モードとほぼ同等かそれ以下の速度である。
      本作の自機は当たり判定がそれなりに広いのでこの遅さは足枷以外の何物でもない。ゲージの1段目がスピードアップの為、よほど復帰場所が悪くない限りは持ち直す事も可能だが……。
  • これは次回作『沙羅曼蛇』など一部を除き後々まで続いている。
  • 数多くのバグも発見されている。
    • その中でも致命的なのが最終面のバグ。6面ボスをスクロールが止まる前に撃破すると、最終面の敵パターンが6面のものに変化し、その後暗転してリセットがかかってしまう。基板が壊れる恐れがあるためゲームセンターでは避けるように。
      • この仕様はバブルシステム後期版やROM版以降で修正された。

総評

当時としては群を抜いたグラフィックとBGM、画期的なパワーアップシステム、良好な難易度バランス…どこをとっても良質な、STG史にその名を刻む不朽の名作。
今もなお多くのシューターたちに愛されている作品であり、STGがどうしても肌に合わないという場合でもなければ、遊ぶ価値は大いにある逸品である。


海外版について

  • 海外では「NEMESIS(ネメシス)」というタイトルで稼働し、欧州版と北米版の二種類が存在する。
    タイトルロゴの変更の他、タイトル画面にパッケージイラストのグラフィックが表示されるといった変更点がある。
    これらのバージョンは「アーケードアーカイブス」版のグラディウスに収録されている。
    • 「欧州版」はほぼ日本版と同様だが、ボス戦の前衛が少なくなったり、処理落ちが起こりづらくなっている等、ゲームのテンポが良くなっている。
    • 「北米版」は「欧州版」の仕様に加え、ミス後に大量にカプセル持ちの雑魚が現れるため、復活が非常にしやすくなっている*4。その他、ゲームオーバー後にコンティニューが可能になっているといった変更が加えられている。
      • これだけ見るとヌルゲーになっているように思えるが、日本版をはるかに凌ぐランク上昇なので、一周目の1~2面からすさまじい弾幕が張られて全然易しくない仕様になっている。一周するだけならば「北米版」が一番難易度が高い。
  • 「欧州版」「北米版」のいずれもバブルシステム(後述)ではなく、EEP-ROMとして作られている為に国内版に比べると現存基板が多く、2017年現在でもレトロゲームを扱うゲームセンターで「欧州版」が「グラディウス」として稼働している事が多い。
  • 余談だが、「NEMESIS」のタイトルはゲームボーイ版の「グラディウス」の移植版にも使用されている。同様の例としては『ダライアス』のゲームボーイ版の「サーガイア」がある。
  • なお、近年では海外でも「GRADIUS」のタイトルで商品展開されている。

移植

その人気の高さから各種PCから家庭用ゲーム機まで数多くに移植されている。
ここではその内のいくつかを紹介する。

FC版(1986年4月25日)

  • ハード制約の関係からダウンサイジングされておりプレイ感覚も異なるが、ゲーム性は概ね問題なく再現されている。詳細は該当記事を参照。

VS.グラディウス(1986年)

  • 上記ファミコン版を任天堂製の基板である『任天堂VS.システム』を用いてアーケードに逆移植したバージョン。
    • 本作が発売した時期は任天堂がアーケードから撤退した後であり、その事もあってか国内では未発売に終わった。 ちなみにアーケード向けの作品故にポーズは廃止されており、この事からコナミコマンド自体も存在しない。 他機種への移植版も当然ながら存在しなかったが、2019年にハムスターが展開している「アーケードアーカイブス」シリーズの1作品として配信が決定。ようやく日本でも手軽に遊べるようになった。

MSX版(1986年7月25日)

  • ハード性能の限界からスプライトは単色、スクロールは8ドット単位でガクガクと動くが、FC版では不可能だった長いレーザーや巨大なビッグコアの再現、美しいBGMなど総合的には良移植。
    • また追加ステージ・エクストラステージ・レーザーとミサイルが2段階パワーアップという差異があり、後に本家アーケード版と異なる続編『グラディウス2』へと続いている。
    • エクストラステージBGMは同社のアーケードゲーム『スクーターシューター』のステージ3とステージ4の後半のBGMを流用している。
    • MSXにはカートリッジスロットを2つ搭載している機種もあり、これを利用した隠し要素として1スロット目に本作、2スロット目に『ツインビー』のカートリッジを挿すと自機が『ツインビー』になるというものがある。このリンクシステムが後のコナミのMSXソフトにも搭載されるきっかけとなるとともに、後の『パロディウス』の原点にもなった。
    • また、ディスク版「コナミゲームコレクション Vol.3」に「ネメシス」のタイトルで本作が収録されており、カートリッジスロットに『スナッチャー』に付属していたSCCカートリッジを挿すことでBGMがSCC対応版に切り替わるという仕様になっている。
    • 本作は元々ROM容量32KBで開発されていたが容量が足りなくなったためMSX初のメガROM採用ソフトとなった。しかし今度は容量が余ったためマスターアップ前の一週間で骨ステージ、エクストラステージ、デモ画面の追加などを行った。しかしそれでも容量は使い切れておらずROMの最後の24KB程度は全て「FF」で埋められている。
    • デモ画面の右下をよーく見ると、ドット絵で「NAOKI」「YUTAKA」と書かれている。開発スタッフの松井直樹氏と春木豊氏のことと思われる。

PC-8801mkIISR版(1986年11月19日)

  • 開発・発売共にコナミが行っている。
    • アケゲーをPC-8800系列に移植するという時点である程度の劣化はお察しだが、それでも本作の劣化は少なく収まっている。 少なくとも某配管工の移植よりはマシ。
    • 音源はPC-8800に合わせてアレンジされており、聞き心地も悪くない。グラフィックも割と細かく書き込まれており、何より普通にシューティングとして遊べると言うこと自体、無茶移植であることも兼ねて評価に値する。

X68000版(1987年3月28日)

  • SHARPの16bitパソコンの初期同梱ソフトとして移植された*5。しかし、ソフト自体はシャープのサービスセンターで保守部品として扱っていたためか単品で取り寄せることが可能だった。開発はSPS。
    • オプション4つ装備や細長いレーザー、上下スクロールなど80年代唯一の(ほぼ)完全移植作品。実際に遊んでみると細かい相違点が多数あり、一部のユーザーからの評価はそれほど高くないところもあった。それでもゲーム業界における移植の在り方と、それを実証できる性能を見せつけたキラーソフトとしての役割を充分に果たしたと言える完成度の高さに加え、本体にアーケードゲームが丸々一本付いてくるという事実は各方面に衝撃を与えた。
    • 簡単にプログラムデータが弄れるような素直な作りだったせいか、ユーザーによる「AC版の細かい部分までさらに再現度を上げたもの」から「ネタに走ったもの」まで数多くの「非公認改造版」が後に出てくるようになった。

PCエンジン版(1991年11月15日)

  • コナミPCエンジン参入第一弾ソフトとして発売。
    • グラフィックの再現度は高いが、オリジナル要素が非常に強い移植となっている。詳細は該当記事を参照。

プレイステーション/セガサターン版(1996年3月26日)

  • 『グラディウス DELUXE PACK』として、続編『グラディウスII』とともについに完全移植に近いものが実現された。
    • この作品のみ、SS版とPS版の後にWin95版も発売され、3機種リリースとなっている。なお、Win版のゲームタイトルは『グラディウス デラックスパック for Windows 95』である。
    • 全機種共、他のデラックスパックと比べても原作再現度の力の入れ様が強く、熟練プレイヤーですらもAC版との差異を探すのが困難な程に出来として高評価を受けている。
      • 起動時のカウントダウンデモも再現されている。本質的にはカウントダウンは不要なためすぐにプレイしたければボタン操作でデモを飛ばすことができるようになっている。しかし当時を体験または懐かしみたければカウントダウン終了まで待つこともできる。
      • ただし『グラディウスII』に地面側の砲台が弾を撃たないというバグ(通称「下砲台バグ」)が存在する。
      • また、PS2ではソフトの互換性に問題があり、『II』の2面途中まで極端に動作が遅くなり、逆に3面以降は設定に関係なく一切処理落ちしないという不具合がある(初代は問題なく遊べる)。
    • 今の家庭用グラディウスの定番オプションである「処理落ちの有無の設定」が可能となった。また、『グラディウス』では専用のオリジナルのスタッフロールも追加されている。『II』では海外版と同仕様のコンティニューができるようになっている。
    • 本作のOPムービーは後に初代『beatmania IIDX』におけるラスボス曲にして"King of IIDX"ことdj TAKA氏の記念すべきデビュー曲「GRADIUSIC CYBER」のムービーにも使用。本曲は一時期は段位認定の定番曲になっていたりイベント経由でREFLEC BEATへムービーのシーンを使用したジャケットを登載して移植されたりと音ゲーマーからの知名度が高い。楽曲の知名度故に「グラディウスやデラパは知らないがムービーだけは知っている」というプレイヤーを多発させているとか。
      • この曲は「5.1.1.」「R3」と共に『1st』初出から1度も削除されたことがない皆勤賞である。ロケテスト版『13 DistordeD』では削除されていたが、製品版では無事に収録された。
    • なお『グラディウスポータブル』ではPS版が収録されている。本作では「処理落ちの有無の設定」が最初から可能になっていたり、『グラディウスII』の5面前半BGMが1ループのみになっていたりと多少の違いが見られる。

プレイステーション・ポータブル版(2006年2月9日)

  • グラディウス ポータブル』として、『II』『III』『IV』『外伝』とのカップリング移植。厳密にはAC版そのままではなく、上記PS版デラックスパックからの移植。

ニンテンドーDS版(2007年3月15日)

  • コナミアーケードコレクション』として他14作品とともに収録。開発はM2。なお、初代DSまたはDSLite本体の言語設定を英語にすることで、北米版の「NEMESIS」を遊べる裏技が存在する(リプレイも日本語版とは別に保存される)。ただし、3DSでは言語設定が日本語に固定されているため北米版はプレイできない点に注意。

アーケードアーカイブス版(PS4:2015年1月29日 Switch:2020年7月9日)

  • 「アーケードアーカイブス」の作品として配信。開発担当はゴッチテクノロジー。なんとEEP-ROM版、欧州版、北米版、隠しでバブルシステム版と4つのバージョンの「グラディウス」がプレイ可能というマニアックなこだわりを誇る。
    • Switch版配信と同時に先発のPS4版もアップデートが施され、ハイスコアモードとキャラバンモードの追加の他、バブルシステム版にて起動直後の暖機運転の演出が実装された。なお、バブルシステム版は最初に特定の手順*6を踏んでからでないと選択肢に現れない。

アーケードクラシックス アニバーサリーコレクション(PS4/Switch/One/Steam:2019年4月18日)

  • コナミグループ創業50年を記念したタイトル。グラディウスの他グラディウスIIやサンダークロスなどアーケードゲーム8タイトルを収録(そのうち6タイトルは海外版も収録)。配信元はコナミ、開発元はハムスター。
    • 内容自体は上記『アーケードアーカイブス』のセット販売というべきもので、それに加えて当時の開発資料が収録されている。
      • 殆どがPS4以外では単体配信されていないタイトルで、1本あたりの価格も半額以下にまでなっている。一方で、あくまでも「これから手に取ってもらうユーザー向け」という位置付けであることを明言しているため、大本にあったマニアックな設定は無く、バージョンもバブルシステム版*7と北米版のみとなっている。

アーケードアーカイブス版「VS.グラディウス」(プレイステーション4/Nintendo Switch 2019年8月15日)

  • 上記の「VS.グラディウス」の移植。本作が日本で正規に流通するのは、これが初となる。
    • このシリーズにおいてVSシステム基板は任天堂作品しか配信されておらず、当然と言うべきか配信機種も任天堂ハード限定だった中で、(任天堂作品でないとはいえ)ソニーハードにも配信がされたことはファンを驚かせた*8

その他の配信など

  • ニンテンドー3DSおよびWiiUのバーチャルコンソールにて、FC版とPCエンジン版が発売中。加えてWiiUのVCのみ、MSX版も発売。Wii版は配信終了。
  • PS3/PSP/PSVita向けには、PCエンジンアーカイブスのタイトルとしてPCエンジン版が発売中。
  • 2018年9月19日に配信された『ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online』にFC版『グラディウス』及び『グラディウス ステージ5最強バージョン*9』や2019年8月21日に配信された『激ムズ2周目バージョン』が収録されている。

余談

  • パワーアップゲージ方式ではなく沙羅曼蛇のような直接パワーアップアイテムを取るバージョンも試作されたが「普通」という理由で没になった。
  • グラディウスが発売されたのは1985年だが「GRADUIS」の家庭用ゲームの商標が何故がナムコに1984年に取得されてしまっている(その後、コナミに譲渡されている)。ゲームボーイ版のタイトルが「NEMESIS」になったのはこれが理由と言われているが、それだとファミコン版はどうして「GRADIUS」が使えたのかは不明。
  • 主役機「 ビック バイパー」(Vic viper)の名は、本作が続編を重ね、STGの一大タイトルとなってからも、しばしば「 ビッグ バイパー」と誤って呼ばれてきた。
    • 開発者によれば、「ビック」は「Vic formation」(V字編隊)の「Vic」であるとのこと。本機とオプションが編隊を組む様子から「Vic」を、オプションの動きから蛇(Viper = 毒蛇)を連想し、この2つを組み合わせたとか。
    • この誤認は広く普及し、コナミ自身ですら『コナミワイワイワールド』に登場する本機を「ビッグバイパー」と誤記していたりする。また、MSX版『パロディウス~タコは地球を救う~』に登場する本機は、セルフパロディとして「ビッグバイパー」が正式名となっている。
    • 「ビック」が日本では意味のある語として認知されていないため、妥当な(?)誤認ではある。ボス敵に「ビッグコア」が存在することも誤認を後押ししたと思われる。

バブルシステムに関するエピソード
本作の基板として使われたバブルシステムについても、本作を語るに欠かせないエピソードや逸話がある。

  • 基板とは別に「バブルソフトウェア」と呼ばれる、黒い弁当箱のような外見のカセットがあり、これを交換することで様々なゲームが起動できる仕組みになっている。
    • 筐体に電源を入れて起動する際に、基板やカセットなどの暖機運転*10が必要になる。暖機が終わるまでは合成音声でのカウントダウンが流れ続け、その後カセット内のデータを基板へと転送してようやくゲームが起動する。北海道などの寒冷地ではこの暖気が50カウントしても終わらず、「Getting ready One」のコールからまた「Getting ready Fifty」に戻ってしまう事もあったとか。
  • カセットは名前の通り磁気バブルメモリを採用している。その為衝撃などは勿論のこと、磁気は大敵である。
    • これが非常に揮発しやすく、壊れやすい基板として悪名高い。酷いケースでは「電車で基板を入れた袋を床に置いたら、モーターから漏れる磁力でデータが飛んだ」という報告まで挙がる始末。名前とひっかけてまさに「泡のように脆い」と揶揄されることも。
      • 運良く(悪く?)早期故障した基板は、メーカー対応によりバブルメモリがEP-ROMに差し替えられた(現在では修理対応は終了している)。EP-ROMならそう簡単には壊れないため、現存する基板の大半はEP-ROM版である。このためバブルシステム版はかなりのレア物であり、本作も超有名タイトルなのにアーケードで見かける事は稀*11
        EP-ROM版も数が少ないことから2019年現在基板価格も高騰に高騰を重ねており、基板ショップでは150万に到達しそうな勢いになっている。
    • 2019年、ついにバックアップツールが販売され、データ破損に怯える心配はなくなったが、このバックアップツール自体が小ロットでしか販売されず、手に入りにくいのが難点ではある*12
    • 敢えてバブルメモリを採用したのは、当時EP-ROMは非常に高価であったことから、それよりも大容量が提供できるとの理由であったとされる。結局性質的な問題で計画が崩れてしまった辺りは、あのディスクシステムに近いものがある。
      そのような事もあってか、バブルシステムを採用した作品は『ツインビー』『RF-2』『ギャラクティックウォーリアーズ』そして本作のわずか4本に留まった。
  • データ転送中に流れるBGM『Morning Music』が大変印象的で人気も高く、後年にコナミ製の音楽ゲームにも収録されている。
    • 中にはこの曲が聞きたいがために開店待ちしたり、中には勝手に電源を付け消ししてまで聞こうとする者まで出たとか。
      当然基板への負荷があるため、現在動いてる店でやった場合、損害賠償を求められても文句は言えないレベルの行為なので、真似はしないこと。
      EP-ROM版でも一応『Morning Music』は流れるのだが、ロードタイムが少ないためにフル尺で聞くことは出来ない。
      • 音楽は同じだが、画面に表示されるフォントは各ゲームのものを使用する。本作だけはカウントダウン表示が大きなフォントで表示されるインパクトがあってか、特に印象的だった。
    • また、コナミは後に「SYSTEM573」や「FireBeat」という主に音楽ゲームを中心としたタイトルで用いられた独自基板を制作しているが、これらの基板の起動時にもモーニングミュージックが流れるようになっており、起動画面のカウントダウンも律儀に再現されている。
      • ちなみにはX68000版『出たな!! ツインビー』のロード画面で流れるアレンジ版である。
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最終更新:2024年03月13日 16:49

*1 ファンの間では「レーザー熱」と呼ばれる

*2 本作の場合、装備を強化したり、生存時間に応じてランクが上がっていき、敵の行動パターンが増えたり、弾の速度が早くなり、難易度が上がっていく

*3 最終的には総プレイ時間だけで最高ランクになってしまい、ミスしても緩和できなくなる。

*4 但し、2周目以降になるとカプセル雑魚が撃ち返してくる為一転して難易度は高くなる。因みにこの「ミス後にカプセル持ちの雑魚が発生する」方式は本作以外採用されていない。

*5 実際に同梱されたのは初代(型番:CZ-600CE/CZ-600CB)のみ

*6 日本版を5回、北米版を7回、欧州版を3回起動させる

*7 起動時のカウントダウンが省略されている。

*8 それに従い、任天堂のライセンス表記が削除されている。VS.キャッスルヴァニアも同様

*9 「ミサイル+オプション2個+バリア+レーザー」の状態でステージ5(触手面)からスタート。ソフト説明では「DOUBLE派の方ごめんなさい」とさり気なくお詫びの言葉が記されている。

*10 カセット内にある抵抗器を発熱させることで行っている。

*11 2019年11月現在、確認可能な中では大阪のゲームセンターザリガニ通天閣店のグラディウスがバブルシステム版とのこと。

*12 実際問題バブルROMが後何枚残っているか分からないので大量生産出来ないのと、あくまでも同人制作なので大量に作りにくいという2点が重なっているのが原因。